JPWO2018181778A1 - 活性炭の製造方法 - Google Patents

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Abstract

直径2nm以下のミクロ孔の中でも、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を効率良く製造する方法を提供する。本発明の活性炭の製造方法は、金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、前記金属成分を構成する金属元素が、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素、第9族元素及び希土類元素からなる群から選択される。

Description

本発明は、活性炭の製造方法に関し、特にミクロ細孔の割合が高い活性炭を効率良く製造する活性炭の製造方法に関する。
従来より、活性炭を製造する際の賦活方法として、ガス賦活法と薬品賦活法とが知られている。このうち、ガス賦活法としては、水蒸気賦活法、炭酸ガス賦活法、及び酸素賦活法が知られている。
工業的観点からは、賦活反応の速度が大きく生産性の面で有利な水蒸気賦活法が、ガス賦活法として利用されることが一般的である。水蒸気賦活法では、水蒸気と炭素との吸熱反応により賦活反応を進行させる。例えば、フェノールノボラック繊維を水蒸気により950℃で賦活することで、賦活時間120分で活性炭を得る方法が知られている(特許文献1参照)。
さらに、水蒸気賦活においては、Mg、Mn、Fe、Y、Pt及びGdの少なくとも1種の金属成分を活性炭前駆体としてのピッチに含ませることで、得られる活性炭において30〜45Åのメソ細孔モード直径を有するメソ細孔を開口する方法が知られている(特許文献2参照)。
一方、炭酸ガス賦活法は、賦活反応の速度が非常に小さいことが知られている。例えば、ヤシ殻炭化品を二酸化炭素により1050℃で賦活することで、賦活時間24時間で活性炭を得る方法が知られている(特許文献3参照)。従って、炭酸ガス賦活法は工業生産には適さなかった。
特許第5781164号明細書 特開2004−182511号公報 特開2007−221108号公報
本発明者らは、直径2nm以下のミクロ孔の中でも、例えば、気相中のジクロロメタンの吸着に適している、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を工業的に製造することに着目した。ここで、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を製造しようとする場合、通常、賦活温度を低くしたりする方法が考えられる。しかしながら、賦活温度を低くしたりすると、賦活反応に時間がかかり、効率よく生産をおこなえず、工業的な製造には適さない。すなわち、従来、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を、工業的に製造することは困難であるという問題があった。具体的に、例えば、特許文献1では、実施例1〜18において、直径2nm以下のミクロ孔の割合が0.44〜0.67である活性炭については記載されている一方、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭、及び該活性炭を効率良く製造する方法については一切検討されていない。また、特許文献2では、上記本発明者等が着目した細孔サイズより遥かに大きい、メソ孔(直径2〜50nm)の分布を所望の範囲に制御する方法、詳しくは特定の金属成分の種類を変えることによって、得られる活性炭のメソ細孔モード直径を制御することが記載されている。しかしながら、上記本発明者等が着目した直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭、及び該活性炭を効率良く製造する方法については一切検討されていない。そして、特許文献2では、メソ孔の分布を所望の範囲に制御する観点から、具体的に実施可能であるとして示されている実施例は、水蒸気賦活法の例のみである。また、特許文献3に開示されているヤシ殻炭化品を二酸化炭素により1050℃で賦活する方法では、賦活時間がかかりすぎ工業的に製造することは困難であるという問題がある。従って、特許文献1〜3には、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を工業的に製造することについて一切開示、示唆されていない。
そこで本発明は、直径2nm以下のミクロ孔の中でも、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を効率良く製造する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、あえて、本発明者等が着目した細孔のサイズよりも遥かに大きいサイズの細孔であるメソ孔を制御するのに用いられてきた、活性炭前駆体に金属成分を含有させる技術要素、及び、賦活反応の速度が非常に小さいことで知られている炭酸ガス賦活法について着目した。そして、更に鋭意検討した結果、特定の金属を選択して炭酸ガス賦活法における活性炭前駆体に含ませることで、意外にも、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合が高められた活性炭が短い賦活時間で得られることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、前記金属成分を構成する金属元素が、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第7族元素、及び希土類元素からなる群から選択される、活性炭の製造方法。
項2.前記金属元素が、Y、Mg、Mn、La、V、Zr、Ti及びCeからなる群から選択される、項1に記載の活性炭の製造方法。
項3.前記金属元素が、Y、Mg、Ce、Ti及びVからなる群から選択される、項1又は2に記載の活性炭の製造方法。
項4.金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、前記金属成分を構成する金属元素が、第6族元素及び第9族元素からなる群から選択される、活性炭の製造方法。
項5.前記金属元素が、Mo及びCoからなる群から選択される、項4に記載の活性炭の製造方法。
項6.前記活性炭の比表面積が600m2/g以上である、項1から5のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項7.前記賦活工程において、前記導入ガスの組成を変更しない、項1から6のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項8.前記導入ガスの流量が、前記活性炭前駆体1g当たり、0℃1気圧換算で1.5L/分以上である、項1から7のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項9.前記賦活工程における賦活温度が800〜1000℃である、項1から8のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項10.前記活性炭前駆体中、前記金属成分の含有量が0.05〜1.0質量%である、項1から9のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項11.前記活性炭前駆体が、不融化したピッチである、項1から10のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項12.前記活性炭において、全細孔容積Aに対する直径2.0nm以下の細孔容積Cの割合({細孔容積C/細孔容積A}×100)が85%以上である、項1から11のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
項13.前記活性炭において、直径1.0nm以下の細孔容積Bが0.25cc/g以上である、項1から12のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
本発明の活性炭の製造方法によれば、直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を効率良く製造する方法が提供される。したがって、所定賦活度まで賦活するために必要な所要時間を大幅に短縮することができる、これにより、吸着性能の高い活性炭の工業化が可能となる。
実施例1〜8及び比較例1〜3の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフである。 実施例9〜15及び比較例1〜3の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフである。 実施例16〜20及び比較例1〜3の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフである。 実施例21〜27及び比較例1〜3の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフである。 比較例1〜10の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフである。
以下、本発明の活性炭の製造方法について詳細に説明する。
[1.製造対象(活性炭)]
[1−1.活性炭の表面構造]
以下において、細孔容積とは、QSDFT法(急冷固体密度汎関数法)によって算出される細孔容積をいう。QSDFT法とは、幾何学的・化学的に不規則なミクロポーラス・メソポーラスな炭素の細孔径解析を対象とした、約0.5nm〜約40nmまでの細孔径分布の計算ができる解析手法である。QSDFT法では、細孔表面の粗さと不均一性による影響が明瞭に考慮されているため、細孔径分布解析の正確さが大幅に向上した手法である。本発明においては、Quantachrome社製「AUTOSORB−1−MP」を用いて窒素吸着等温線の測定、及びQSDFT法による細孔径分布解析をおこなう。77Kの温度において測定した窒素の脱着等温線に対し、Calculation modelとしてN2 at 77K on carbon[slit pore,QSDFT equilibrium model]を適用して細孔径分布を計算することで、特定の細孔径範囲の細孔容積を算出することができる。
本発明の製造方法によって製造される活性炭は、全細孔容積A(cc/g)に対する直径1.0nm以下の細孔容積B(cc/g)の比つまり(細孔容積B/全細孔容積A)比が0.5以上である。通常、直径2.0nm以下の細孔をミクロ孔というが、本発明では、ミクロ孔の中でも直径1.0nm以下のさらに極小の細孔の容積割合が高められているため、単位比表面積あたりの吸着性能を良好に得ることができる。単位比表面積あたりの吸着性能をより良好に得る観点から、(細孔容積B/全細孔容積A)比は好ましくは0.53以上、より好ましくは0.60以上、更に好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.8以上であってよい。なお、本発明において、吸着性能は、例えばジクロロメタンの吸着性能等により評価することができる。また、(細孔容積B/全細孔容積A)比の上限値については特に制限されないが、例えば、1.00以下が挙げられ、0.95以下が挙げられる。
全細孔容積A(cc/g)は、吸着のための充分な細孔容積を確保する観点から、例えば0.45cc/g以上、好ましくは0.50cc/g以上であってよい。
また、全細孔容積A(cc/g)は、直径2nm以下のミクロ孔、好ましくは直径1nm以下の極小サイズのミクロ孔を良好に得る観点から、例えば1.50cc/g以下、好ましくは0.8cc/g以下であってよい。
比表面積は、吸着性能を良好に得る観点から、例えば600m2/g以上、好ましくは1000m2/g以上、より好ましくは1300m2/g以上、さらに好ましくは1400m2/g以上、特に好ましくは1600m2/g以上であってよい。
また、比表面積の上限値は特に制限されないが、例えば、3000m2/g以下が挙げられ、2500m2/g以下が挙げられ、2000m2/g以下が挙げられる。
なお、本発明において比表面積とは、窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)により測定される値である。
直径1.0nm以下の細孔容積B(cc/g)は、単位比表面積あたりの吸着性能を良好に得る観点から、例えば0.25cc/g以上、好ましくは0.35cc/g以上であってよい。
また、直径1.0nm以下の細孔容積Bの上限値は特に制限されないが、例えば0.60cc/g以下、好ましくは0.50cc/g以下が挙げられる。
本発明の製造方法によって製造される活性炭において、直径1.5nm以下の細孔容積(cc/g)は、単位比表面積あたりの吸着性能を良好に得る観点から、例えば0.45cc/g以上、好ましくは0.5cc/g以上であってよい。
また、直径1.5nm以下の細孔容積(cc/g)の上限値は特に制限されないが、例えば0.7cc/g以下が挙げられる。
本発明の製造方法によって製造される活性炭において、直径2.0nm以下の細孔容積C(cc/g)は、単位比表面積あたりの吸着性能を良好に得る観点から、例えば0.35cc/g以上、好ましくは0.45cc/g以上であってよい。
また、直径2.0nm以下の細孔容積C(cc/g)の上限値は特に制限されないが、例えば0.8cc/g以下が挙げられる。
全細孔容積Aに対する直径2.0nm以下の細孔容積Cの割合({細孔容積C/全細孔容積A}×100、つまりミクロ細孔容積率(%))は、単位比表面積あたりの吸着性能を良好に得る観点から、例えば80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であってよい。また、浄水器等での用途を想定した場合には、吸着に有効に寄与する直径1.0nm以下のミクロ孔と、被吸着質の細孔内拡散を補助する適度なメソ孔が存在する細孔構造とすることが好ましい場合があり、その観点で、ミクロ細孔容積率(%)は、好ましくは80〜95%、より好ましくは90〜95%が好ましい。また、ミクロ細孔容積(%)は、95%超、又は96%以上とすることもできる。
本発明の製造方法によって製造される活性炭において、全細孔容積Aに対する直径2.0nm超50nm以下の細孔容積の割合、つまりメソ細孔容積率(%)は、特に制限されないが、浄水器等での用途を想定した場合には、吸着に有効に寄与する直径1.0nm以下のミクロ孔と、被吸着質の細孔内拡散を補助する適度なメソ孔が存在する細孔構造とすることが好ましい場合があり、その観点で、メソ細孔容積率は、好ましくは5〜20%、より好ましくは5〜10%が挙げられる。また、メソ細孔容積率は、5%未満、又は4%以下とすることもできる。また、全細孔容積Aに対するミクロ細孔容積とメソ細孔容積の合計の割合(%)としては、98%〜100%(100%の場合、マクロ細孔容積率(%)が0%)とすることができる。
[1−2.活性炭中の金属含有量]
本発明の製造方法では後述のとおり金属成分を用いるため、得られる活性炭には当該金属成分が残存している。活性炭の総質量に対する、該活性炭に含有される金属成分の割合(金属元素換算)は、例えば、0.15〜0.60質量%であってよく、好ましくは0.15〜0.45質量%であってよく、より好ましくは0.20〜0.40質量%であってよい。活性炭中の上記割合は、ICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定される金属元素換算の割合である。
[1−3.活性炭の形態]
本発明の製造方法によって製造される活性炭の形態は特に限定されないが、例えば、粒状活性炭、粉末状活性炭、繊維状活性炭等が挙げられる。フィルター加工等して用いる場合の加工性、又は浄水器等で使用する場合吸着速度の観点から、繊維状である繊維状活性炭とすることがより好ましい。なお、本発明において、吸着速度は、例えばトリハロメタンの通水吸着試験等により評価することができる。繊維状活性炭の平均繊維径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは5〜20μm程度が挙げられる。なお、本発明における平均繊維径は、画像処理繊維径測定装置(JIS K 1477に準拠)により測定した値である。また、粒状活性炭及び粉末状活性炭の粒径としては、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が0.01〜5mmが挙げられる。
[1−4.活性炭の吸着性能]
本発明の製造方法によって製造される活性炭は、気相中または液相中のいずれでも使用することができるが、特に、気相中のジクロロメタンを吸着させるために好適に用いられる。
本発明の製造方法によって製造される活性炭が備えうるジクロロメタン吸着性能(平衡吸着量(質量%))としては、例えば、60質量%以上が挙げられ、好ましくは65質量%以上、より好ましくは75質量%以上、特に好ましくは80質量%以上が挙げられる。なお、ジクロロメタン吸着性能は、以下のように測定されるものである。すなわち、活性炭サンプルを110℃の乾燥機で12時間乾燥し、デシケーターで冷却後、速やかに0.5gを量りとりU字管に充填する。次に、28℃の恒温槽中でジクロロメタン(試薬特級、安定剤にメタノール0.5%を含む)に乾燥空気を500ml/minの流速で吹き込み、U字管に導入することで吸着操作を行う。活性炭の質量増加が止まった時点を平衡状態とし、平衡吸着量を下記式により算出される。
平衡吸着量(質量%)=質量増加分/活性炭質量×100
そして、本発明の製造方法によって製造される活性炭が備えうる単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能としては、0.045質量%・g/m2以上が挙げられ、0.046質量%・g/m2以上が好ましく挙げられ、具体的には0.046〜0.055質量%・g/m2が挙げられる。なお、活性炭の単位比表面積あたりのジクロロメタン平衡吸着量は、前記したように求めたジクロロメタン吸着性能を、当該活性炭の比表面積(m2/g)で除することにより算出される。
[2.活性炭前駆体]
本発明の製造方法において、活性炭の原料となる活性炭前駆体には、特定の金属成分が含まれている。
[2−1.活性炭前駆体の原料種]
炭酸ガス賦活は、活性炭前駆体中の炭素と炭酸ガスとの反応(Cx+CO2→2CO+Cx-1)によって細孔が生成するものである。また、この炭素と炭酸ガスとの反応は、後述の金属成分による触媒的な作用により促進される。炭素と炭酸ガスとの反応及びその促進効果は、活性炭前駆体の原料種及び形態によらずに共通である。したがって、活性炭前駆体の原料種及び形態としては特に制限されるものではない。
活性炭前駆体の原料種の例としては、不融化或いは炭素化した有機質材料、フェノール樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられ、該有機質材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ピッチ、ポリビニルアルコール、セルロース等が挙げられる。また、オガ屑、木材チップ、木材、ピート、木炭、ヤシ殻、石炭、オイル、炭素質物質(石油コークス、石炭コークス、石油ピッチ、石炭ピッチ、コールタールピッチ、及びこれらの複合物など)、合成樹脂(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド、フラン樹脂など)、セルロース系繊維(紙、綿繊維など)、及びこれらの複合物(紙−フェノール樹脂積層板など)、フラーレンなどが挙げられる。これらの中でも、炭素化時の理論炭素化収率の点で、ピッチであることが好ましく、石炭ピッチであることがより好ましい。活性炭前駆体の形態の例としては、粒状活性炭、粉末状活性炭、繊維状活性炭等が挙げられる。
活性炭前駆体の軟化点(℃)としては、特に制限されないが、不融化の際の取扱性などの観点から、275℃〜288℃が好ましく、277℃〜283℃がより好ましい。本発明において、軟化点(℃)は、メトラー法(ASTM−D3461に準じて測定)により測定されるものである。
[2−2.金属成分]
金属成分は、炭酸ガス賦活における炭素と炭酸ガスとの反応を触媒的な作用により促進する。金属成分を構成する金属元素は、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素及び第9族元素、並びに希土類元素からなる群から1種または複数種が選択される。
金属成分を構成する金属元素は、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第7族元素、及び希土類元素からなる群から1種または複数種が選択されてよい。第2族元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Raが挙げられる。第3族元素としては、Sc、Yが挙げられる。第4族元素としては、Ti、Zr、Hfが挙げられる。第5族元素としては、V、Nb、Taが挙げられる。第7族元素としては、Mn、Tc、Reが挙げられる。希土類元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luが挙げられる。これらの中でも、炭酸ガス賦活の促進効果を大きく得る観点から、第2族元素としてはMgが好ましく、第3族元素としてはYが好ましく、第4族元素としてはZr及びTiが好ましく、第5族元素としてはVが好ましく、第7族元素としてはMnが好ましく、希土類元素としてはLa及びCeが好ましい。さらに、浄水器等での用途を想定した場合には、吸着に有効に寄与する直径1.0nm以下のミクロ孔と、被吸着質の細孔内拡散を補助する適度なメソ孔が存在する細孔構造とすることが好ましく、その観点で、金属元素としてY、Mg、Ce及びTiが好ましい。また、ガス吸着用途を想定した場合には、直径1.0nm以下の細孔割合を高く保って高比表面積化することが好ましく、その観点で、金属元素としてVが好ましい。
一方、炭酸ガス賦活促進効果を制御する観点からは、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第7族元素、及び希土類元素のうち上述のMg、Y、Zr、V、Mn、La及びCe以外の元素を選択することもできる。
上述の金属元素の中でも、Mg、Y、La、Zr、Ce及びTiは、メソ孔(直径2.0nm超の細孔)の生成も伴わせる観点で用いることができる。また、上述の金属元素の中でも、Mg及びVは、メソ孔の生成を抑制する観点で用いることができる。なお、導入ガス中に水蒸気が含まれる場合、上述の金属元素の中でもVは、本来的に水蒸気がメソ孔を形成しやすい条件である割にメソ孔の生成を抑制する観点で用いることができる。このように、金属種により異なる活性炭の細孔構造を得ることができる。従って、製造すべき活性炭の用途に適した細孔構造に応じ、適宜金属元素を選択することができる。
金属成分を構成する金属元素は、第6族元素及び第9族元素からなる群から1種又は複数種が選択されてもよい。第6族元素としては、Cr、Mo、Wが挙げられる。第9族元素としては、Co、Rh、Irが挙げられる。これらの中でも、炭酸ガス賦活の促進効果を大きく得る観点から、第6族元素としてはMoが好ましく、第9族元素としてはCoが好ましい。さらに、浄水器等での用途を想定した場合には、吸着に有効に寄与する直径1.0nm以下のミクロ孔と、被吸着質の細孔内拡散を補助する適度なメソ孔が存在する細孔構造とすることが好ましく、その観点で、金属元素としてCoが好ましい。一方、炭酸ガス賦活促進効果を制御する観点からは、第6族元素及び第9族元素のうち上述のMo及びCo以外の元素を選択することもできる。
上述の金属元素の中でも、Mo及びCoは、メソ孔(直径2.0nm超の細孔)の生成も伴わせる観点で用いることができる。また、上述の金属元素の中でも、Moは、メソ孔の生成を抑制する観点で用いることができる。なお、導入ガス中に水蒸気が含まれる場合、上述の金属元素の中でも、Moは、本来的に水蒸気がメソ孔を形成しやすい条件である割にメソ孔の生成を抑制する観点で用いることができる。このように、金属種により異なる活性炭の細孔構造を得ることができる。従って、製造すべき活性炭の用途に適した細孔構造に応じ、適宜金属元素を選択することができる。
本発明の製造方法において、活性炭前駆体に金属成分を含有させる方法としては特に限定されない。例えば、活性炭前駆体に金属成分を添着してもよいし、混練してもよい。
金属成分の形態としては、金属単体であってもよいし、金属化合物であってもよい。金属化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩等の無機金属化合物、酢酸、安息香酸等の有機酸と金属との塩、有機金属化合物などが挙げられる。有機金属化合物としては、金属アセチルアセトナート、芳香族金属化合物(例えばメタロセン等)等の金属錯体が挙げられる。金属錯体は、活性炭前駆体中で溶融又は分散が良好である点で好ましい。
活性炭前駆体中の金属成分の含有量(金属元素換算)は、例えば0.01〜1.0質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%であってよい。さらに、活性炭前駆体中の金属成分の含有量は、例えば金属成分を構成する金属元素がMgである場合は、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%であってよく;金属元素がMnである場合は、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%であってよく;金属元素がYである場合は、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%であってよく;金属元素がLaである場合は、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%であってよく;金属元素がVである場合は、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%であってよく;金属元素がZrである場合は、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%であってよく;金属元素がCeである場合は、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%であってよく;金属元素がTiである場合は、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%であってよい。金属成分を構成する金属元素がMoである場合は、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%であってよく;金属元素がCoである場合は、より好ましくは0.1〜0.4質量%、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%であってよい。
なお、活性炭前駆体中の金属成分の含有量は、ICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定される金属元素換算の割合である。
[2−3.導入ガス]
導入ガス(賦活炉に導入するガス)は、炭酸ガス(二酸化炭素)を用い、本願効果の損なわない範囲で窒素、一酸化炭素、希ガス等を含有させることもできる。
本発明においては、効率良く活性炭を製造する観点から、賦活工程中に導入ガスの組成を変更せず、賦活工程を一段階で行うことが好ましい。
導入ガスの組成は、JIS K 0301 5.1 オルザット式分析方法に従い測定される値である。
導入ガスの流量は、賦活効率を良好に得る観点から、活性炭前駆体1g当たり、0℃1気圧換算で1.5L/分以上であってよく、過剰な導入を避けて効率的に賦活を行う観点から、5.0L/分以下であってよい。この流量は、たとえば賦活炉容積として約0.044m3当たりの量であってよい。
[2−4.賦活温度及び賦活時間]
賦活工程における賦活炉内の雰囲気温度(賦活温度)は、例えば800〜1000℃、好ましくは900〜1000℃であってよい。
また、賦活時間は、活性炭前駆体の主成分、添加した金属種、金属成分の含有量、導入ガス中の二酸化炭素濃度等に応じ、所定の細孔分布となるよう調整すればよい。例えば、賦活時間は10〜80分、好ましくは10〜70分であってよい。あるいは、賦活時間は、例えば金属成分を構成する金属元素がMgである場合は、より好ましくは15〜50分、さらに好ましくは25〜45分であってよく;金属元素がMnである場合は、より好ましくは15〜60分、さらに好ましくは20〜50分であってよく;金属元素がYである場合は、より好ましくは15〜70分、さらに好ましくは20〜65分であってよく;金属元素がLaである場合は、より好ましくは15〜40分、さらに好ましくは20〜35分であってよく;金属元素がVである場合は、より好ましくは10〜60分、さらに好ましくは15〜50分であってよく;金属元素がZrである場合は、より好ましくは15〜60分、さらに好ましくは20〜50分であってよく;金属元素がCeである場合は、より好ましくは15〜55分、さらに好ましくは20〜50分であってよく;金属元素がTiである場合は、より好ましくは15〜60分、さらに好ましくは20〜50分であってよい。あるいは、賦活時間は、例えば金属成分を構成する金属元素がMoである場合は、より好ましくは15〜60分、さらに好ましくは20〜50分であってよく;金属元素がCoである場合は、より好ましくは15〜60分、さらに好ましくは20〜50分であってよい。
[2−5.比表面積の発達速度]
本発明の製造方法によれば、金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、前記金属成分を構成する金属元素が、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第7族元素、及び希土類元素からなる群から選択されることから、直径1.0nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を効率良く製造する方法が提供される。本発明において、好ましい比表面積の発達速度としては、例えば、比表面積800m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が好ましく、30m2/g/min以上がより好ましく、40m2/g/min以上が好ましく、50m2/g/min以上が特に好ましい。また、比表面積1100m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が好ましく、30m2/g/min以上がより好ましく、40m2/g/min以上が好ましく、50m2/g/min以上が特に好ましい。
金属元素がYである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積871m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1237m2/gに到達するまでの発達速度、及び/又は比表面積1603m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が挙げられ、比表面積917m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1168m2/gに到達するまでの発達速度、及び/又は比表面積1338m2/gに到達するまでの発達速度が30m2/g/min以上であることが挙げられる。金属元素がMgである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積981m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1461m2/gに到達するまでの発達速度が30m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がMnである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積953m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1214m2/gに到達するまでの発達速度が28m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がLaである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積675m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積758m2/gに到達するまでの発達速度、及び/又は比表面積916m2/gに到達するまでの発達速度が28m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がVである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積863m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1426m2/gに到達するまでの発達速度が50m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がZrである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積790m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1052m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がCeである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積821m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1078m2/gに到達するまでの発達速度、及び/又は比表面積1249m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がTiである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積781m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1170m2/gに到達するまでの発達速度が28m2/g/min以上が挙げられる。
金属元素がYである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積871m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1237m2/gに到達するまでの発達速度、及び比表面積1603m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値(すなわち、1分あたりの比表面積の発達速度)が25m2/g/min以上であることが挙げられ、比表面積917m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1168m2/gに到達するまでの発達速度、及び比表面積1338m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が25m2/g/min以上であることが挙げられる。金属元素がMgである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積981m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1461m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が30m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がMnである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積953m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1214m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が15m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がLaである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積675m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積758m2/gに到達するまでの発達速度、及び比表面積916m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が20m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がVである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積863m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1426m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が50m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がZrである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積790m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1052m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が15m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がCeである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積821m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1078m2/gに到達するまでの発達速度、及び比表面積1249m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が18m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がTiである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積781m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1170m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が20m2/g/min以上が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、前記金属成分を構成する金属元素が、第6族元素第9族元素からなる群から選択されることから、直径1.0nm以下の極小サイズのミクロ孔の割合を高めた活性炭を効率良く製造する方法が提供される。本発明において、好ましい比表面積の発達速度としては、例えば、比表面積800m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が好ましく、30m2/g/min以上がより好ましく、40m2/g/min以上が好ましく、50m2/g/min以上が特に好ましい。また、比表面積1100m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が好ましく、30m2/g/min以上がより好ましく、40m2/g/min以上が好ましく、50m2/g/min以上が特に好ましい。
金属元素がMoである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積784m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1171m2/gに到達するまでの発達速度、及び/又は比表面積1684m2/gに到達するまでの発達速度が25m2/g/min以上が挙げられる。金属元素がCoである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積844m2/gに到達するまでの発達速度及び/又は比表面積1447m2/gに到達するまでの発達速度が30m2/g/min以上が挙げられる。
金属元素がMoである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積784m2/gに到達するまでの発達速度、比表面積1171m2/gに到達するまでの発達速度、及び比表面積1684m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値(すなわち、1分あたりの比表面積の発達速度)が20m2/g/min以上であることが挙げられる。金属元素がCoである場合の好ましい比表面積の発達速度としては、比表面積844m2/gに到達するまでの発達速度及び比表面積1447m2/gに到達するまでの発達速度のそれぞれを最小2乗法で線形近似したときの傾きの値が35m2/g/min以上が挙げられる。
[2−6.他の工程]
本発明の製造方法は、前述した賦活工程のほかに、他の工程を含むものであっても良い。他の工程としては、活性炭の製造方法で公知の工程が挙げられ、例えば、賦活工程の前に有機質材料を所定の形状に成形する成形工程(繊維状活性炭の場合は紡糸工程を含む。)や不融化工程を含むことが挙げられる。また、得られる活性炭が浄水器用途である場合は、賦活工程の後に、得られた活性炭の表面に付着している金属成分を洗浄する洗浄工程を含むことができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
各実施例及び比較例につき、以下の方法により評価した。
(1)不融化したピッチ繊維(活性炭前駆体)の金属含有量(質量%)
ピッチ繊維を灰化処理し、灰分を酸に溶解しICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定される金属元素換算の割合を金属含有量とした。
(2)導入ガスの組成
導入ガスの組成は、JIS K 0301 5.1 オルザット式分析方法に従い測定した。
(3)活性炭中の金属含有量
繊維状活性炭を酸に溶解しICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定される金属元素換算の割合を金属含有量とした。
(4)比表面積(m2/g)及び細孔容積(cc/g)
比表面積はBET法によって相対圧0.1の測定点から計算した。
細孔物性値は、Quantachrome社製「AUTOSORB−1−MP」を用いて77Kにおける窒素吸着等温線より測定した。全細孔容積及び下記各表に記載した各細孔径範囲における細孔容積は、測定した窒素脱着等温線に対し、Calculation modelとしてN2 at 77K on carbon[slit pore,QSDFT equilibrium model]を適用して細孔径分布を計算することで、解析した。具体的に、下記各表に記載した各細孔径における細孔容積は、窒素吸脱着等温線から得られる細孔径分布図の読み取り値である。より具体的に、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは、細孔径分布図の横軸Pore Widthが1.0nmにおけるCumulative Pore Volume(cc/g)の読み取り値である。同様にして、細孔径1.5nm以下の細孔容積、細孔径2.0nm以下の細孔(つまりミクロ細孔)容積Cを得た。
細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bを、QSDFT解析により得られる全細孔容積Aで除することで計算した。ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は、細孔径2.0nm以下の細孔容積Cを、QSDFT解析により与えられる全細孔容積Aで除し百分率で表した。メソ細孔容積率(%)は、100%からミクロ細孔容積率(%)を減ずることで計算した。
(5)1.0nm以下の細孔発達速度及び比表面積の発達速度
1.0nm以下の細孔発達速度は、1.0nm以下の細孔容積Bを賦活時間で除することで計算した。比表面積の発達速度は、BET比表面積を賦活時間で除することで計算した。
(6)繊維状活性炭の繊維径(μm)
画像処理繊維径測定装置(JIS K 1477に準拠)により測定した。
(実施例1)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して金属成分としてトリスアセチルアセトナトイットリウム(CAS番号:15554−47−9)0.5質量部を添加し混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウムの含有量は0.10質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で32分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例1の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積871m2/g、全細孔容積Aは0.336cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.305cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.907であった。
(実施例2)
賦活時間を44分とした以外は実施例1と同様にし、実施例2の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1237m2/g、全細孔容積Aは0.491cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は99%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.383cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.779であった。
(実施例3)
賦活時間を58分とした以外は実施例1と同様にし、実施例3の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1603m2/g、全細孔容積Aは0.654cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は97%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.434cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.663であった。
(実施例4)
金属成分(トリスアセチルアセトナトイットリウム)の添加量を1.0質量部(活性炭前駆体中の金属含有量は0.16質量%)とし、賦活時間を25分とした以外は実施例1と同様にし、実施例4の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積917m2/g、全細孔容積Aは0.381cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は95%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.278cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.730であった。
(実施例5)
賦活時間を32分とした以外は実施例4と同様にし、実施例5の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1168m2/g、全細孔容積Aは0.502cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は92%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.302cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.602であった。
(実施例6)
賦活時間を40分とした以外は実施例4と同様にし、実施例6の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1338m2/g、全細孔容積Aは0.592cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は90%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.352cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.595であった。
(実施例7)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してアセチルアセトンマグネシウム(II)(CAS番号:14024−56−7)2.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、マグネシウムの含有量は0.18質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例7の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積981m2/g、全細孔容積Aは0.395cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は95%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.331cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.838であった。
(実施例8)
賦活時間を40分とした以外は実施例7と同様にし、実施例8の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1461m2/g、全細孔容積Aは0.635cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は87%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.417cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.656であった。
(実施例9)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して安息香酸マンガン(CAS番号:636−13−5)1.7質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、マンガンの含有量は0.20質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例9の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積953m2/g、全細孔容積Aは0.367cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.345cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.941であった。
(実施例10)
賦活時間を40分とした以外は実施例9と同様にし、実施例10の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1214m2/g、全細孔容積Aは0.484cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は98%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.348cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.720であった。
(実施例11)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してアセチルアセトナトランタン(CAS番号:64424−12−0)1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、ランタンの含有量は0.21質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で20分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例11の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積675m2/g、全細孔容積Aは0.267cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は99%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.234cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.875であった。
(実施例12)
賦活時間を25分とした以外は実施例11と同様にし、実施例12の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積758m2/g、全細孔容積Aは0.304cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は97%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.256cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.841であった。
(実施例13)
賦活時間を30分とした以外は実施例11と同様にし、実施例13の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積916m2/g、全細孔容積Aは0.368cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は96%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.283cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.770であった。
(実施例14)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してビス(2,4−ペンタンジオナト)バナジウム(IV)オキシド(CAS番号:3153−26−2)1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、バナジウムの含有量は0.18質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で15分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例14の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積863m2/g、全細孔容積Aは0.332cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.305cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.918であった。
(実施例15)
賦活時間を25分とした以外は実施例14と同様にし、実施例15の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1426m2/g、全細孔容積Aは0.569cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は97%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.437cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.767であった。
(実施例16)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してアセチルアセトナトジルコニウム(CAS番号:17501−44−9)0.8質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、ジルコニウムの含有量は0.19質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例16の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積790m2/g、全細孔容積Aは0.317cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は97%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.259cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.817であった。
(実施例17)
賦活時間を40分とした以外は実施例16と同様にし、実施例17の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1052m2/g、全細孔容積Aは0.445cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は91%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.315cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.707であった。
(実施例18)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状ピッチ100質量部に対してアセチルアセトナトセリウム(CAS番号:15653−01−7)0.8質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、セリウムの含有量は0.14質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例18の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積821m2/g、全細孔容積Aは0.341cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は92%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.276cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.808であった。
(実施例19)
賦活時間を35分とした以外は実施例18と同様にし、実施例19の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1078m2/g、全細孔容積Aは0.464cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は89%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.337cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.726であった。
(実施例20)
賦活時間を45分とした以外は実施例18と同様にし、実施例20の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1249m2/g、全細孔容積Aは0.550cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は88%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.352cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.641であった。
(実施例21)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状ピッチ100質量部に対して(2,4−ペンタンジオナト)モリブデン(VI)ジオキシド(CAS番号:17524−05−9)0.8質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、モリブデンの含有量は0.23質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例21の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積784m2/g、全細孔容積Aは0.313cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は98%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.269cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.861であった。
(実施例22)
賦活時間を40分とした以外は実施例21と同様にし、実施例22の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1171m2/g、全細孔容積Aは0.479cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は95%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.365cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.761であった。
(実施例23)
賦活時間を60分とした以外は実施例21と同様にし、実施例23の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1684m2/g、全細孔容積Aは0.714cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は92%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.427cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.598であった。
(実施例24)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状ピッチ100質量部に対してアセチルアセトナトコバルト(CAS番号:21679−46−9)1.5質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、コバルトの含有量は0.21質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例25の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積844m2/g、全細孔容積Aは0.357cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は89%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.315cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.882であった。
(実施例25)
賦活時間を40分とした以外は実施例24と同様にし、実施例25の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1447m2/g、全細孔容積Aは0.616cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は89%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.431cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.700であった。
(実施例26)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状ピッチ100質量部に対してビス(2,4−ペンタンジオナト)チタン(IV)オキシド(CAS番号:14024−64−7)1.4質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、チタンの含有量は0.25質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例26の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積781m2/g、全細孔容積Aは0.335cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は89%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.240cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.717であった。
(実施例27)
賦活時間を40分とした以外は実施例26と同様にし、実施例27の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1170m2/g、全細孔容積Aは0.557cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は80%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.320cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.575であった。
(比較例1)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。金属成分は未添加であるため、該活性炭前駆体の金属含有量は0質量%である。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で60分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例1の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積814m2/g、全細孔容積Aは0.315cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.311cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.988であった。
(比較例2)
賦活時間を90分とした以外は比較例1と同様にし、比較例2の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1304m2/g、全細孔容積Aは0.497cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.428cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.862であった。
(比較例3)
賦活時間を125分とした以外は比較例1と同様にし、比較例3の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1741m2/g、全細孔容積Aは0.692cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.462cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.667であった。
(比較例4)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して金属成分としてカプリル酸亜鉛(CAS番号:557−09−5)1.3質量部を添加し混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、亜鉛の含有量は0.19質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で60分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例4の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積1021m2/g、全細孔容積Aは0.387cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.383cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.991であった。
(比較例5)
賦活時間を100分とした以外は比較例4と同様にし、比較例5の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1484m2/g、全細孔容積Aは0.577cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.467cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.809であった。
(比較例6)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して金属成分としてアセチルアセトナト銅(CAS番号:13395−16−9)1.0質量部を添加し混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、銅の含有量は0.18質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で60分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例6の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積1125m2/g、全細孔容積Aは0.427cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.416cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.974であった。
(比較例7)
賦活時間を130分とした以外は比較例6と同様にし、比較例7の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1690m2/g、全細孔容積Aは0.681cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.415cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.610であった。
(比較例8)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して金属成分としてセバシン酸銀0.7質量部を添加し混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、銀の含有量は0.27質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、CO2濃度が100容量%、温度約20℃の導入ガスを約15L/min(0℃1気圧換算)の流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度950℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例8の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積389m2/g、全細孔容積Aは0.156cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.156cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.999であった。
(比較例9)
賦活時間を100分とした以外は比較例8と同様にし、比較例9の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1280m2/g、全細孔容積Aは0.495cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.397cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.802であった。
(比較例10)
賦活時間を130分とした以外は比較例8と同様にし、比較例10の活性炭を得た。得られた活性炭は、比表面積1730m2/g、全細孔容積Aは0.700cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は100%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.420cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.600であった。
(比較例11)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対して金属成分としてトリスアセチルアセトナトイットリウム(CAS番号:15554−47−9)1.3質量部を添加し混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量16g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウムの含有量は0.25質量%であった。
得られた活性炭前駆体10gを賦活炉(容積0.044m3)に仕込み、H2O濃度が100容量%の導入ガスを約1.0kg/hrの流量で賦活炉内へ導入した。賦活炉内の雰囲気温度900℃で20分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例11の活性炭を得た。賦活処理の間、導入ガスの組成は変更しなかった。得られた活性炭は、比表面積1078m2/g、全細孔容積Aは0.572cc/g、ミクロ細孔容積率({C/A}×100)は72%、細孔径1.0nm以下の細孔容積Bは0.241cc/g、細孔径1.0nm以下の細孔容積比(B/A)は0.421であった。
実施例1〜27及び比較例1〜11の製造方法で得られた活性炭の製造条件及び物性値を、表1~表5に示す。また、実施例1〜27及び比較例1〜10の製造方法における賦活時間に対する比表面積の増加傾向を線形近似で示したグラフを図1〜図5に示す。
Figure 2018181778
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Figure 2018181778
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表1〜3に示されるように、実施例1〜実施例27の製造方法では、特定の金属成分を活性炭前駆体に含ませて炭酸ガス賦活することで、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得ることができた。さらに、図1〜図4に示されるように、実施例1〜実施例27の製造方法では、比較例1〜10(図5参照)に比べて比表面積の発達速度が大きく、導入ガスが二酸化炭素100%である炭酸ガス賦活でありながら、活性炭を効率良く製造できることが示された。つまり、所定比表面積まで賦活するために必要な賦活時間が大幅に短縮された。特に、バナジウムを含む金属成分を用いた実施例14及び15は、比表面積の発達速度が顕著に大きい。
一方、表4、5及び図5に示されるように、比較例1〜10では、比表面積の発達速度が小さく、活性炭を効率良く製造することはできない。また、比較例4〜10に示すように、金属成分を活性炭前駆体に含ませて炭酸ガス賦活した場合であっても、当該金属成分が本発明における特定の金属元素を含むものでなければ、比表面積の発達速度を上げることはできない。また、表5に示されるように、比較例11は、特定の金属成分を活性炭前駆体に含ませたものの、水蒸気賦活法により賦活をおこなったことから、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5未満となった。

Claims (13)

  1. 金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、
    前記金属成分を構成する金属元素が、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第7族元素、及び希土類元素からなる群から選択される、活性炭の製造方法。
  2. 前記金属元素が、Y、Mg、Mn、La、V、Zr、Ti及びCeからなる群から選択される、請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  3. 前記金属元素が、Y、Mg、Ce、Ti及びVからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の活性炭の製造方法。
  4. 金属成分を含む活性炭前駆体を導入ガスとして炭酸ガスで賦活し、全細孔容積Aに対する直径1.0nm以下の細孔容積Bの比(細孔容積B/全細孔容積A)が0.5以上である活性炭を得る賦活工程を含み、
    前記金属成分を構成する金属元素が、第6族元素及び第9族元素からなる群から選択される、活性炭の製造方法。
  5. 前記金属元素が、Mo及びCoからなる群から選択される、請求項4に記載の活性炭の製造方法。
  6. 前記活性炭の比表面積が600m2/g以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  7. 前記賦活工程において、前記導入ガスの組成を変更しない、請求項1から6のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  8. 前記導入ガスの流量が、前記活性炭前駆体1g当たり、0℃1気圧換算で1.5L/分以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  9. 前記賦活工程における賦活温度が800〜1000℃である、請求項1から8のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  10. 前記活性炭前駆体中、前記金属成分の含有量が0.05〜1.0質量%である、請求項1から9のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  11. 前記活性炭前駆体が、不融化したピッチである、請求項1から10のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  12. 前記活性炭において、全細孔容積Aに対する直径2.0nm以下の細孔容積Cの割合({細孔容積C/細孔容積A}×100)が85%以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
  13. 前記活性炭において、直径1.0nm以下の細孔容積Bが0.25cc/g以上である、請求項1から12のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法。
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