以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る食事用載置具の平面図であり、図2は、図1におけるA-A線に対応する断面図である。図2においては、図2(a)(b)(c)の3つの態様を示しているが、ここでは、図2(a)に従って説明する。図1に示すように、本実施形態の食事用載置具1は、大部分が表面基材7に覆われており、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4に対応する部分に開口が形成されている。第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4においては、表面基材7の開口により筐体8が表出している。圧力検知部5は、圧力を検知するための部分である。圧力検知部5における表面基材7、筐体8の下層側には、感圧センサ31が設置されている。このため、圧力検知部5に圧力を加えることにより、圧力検知部5の下方に設置された感圧センサ31に圧力が加わり、圧力を検知することができる。圧力検知部5は、肘をついた状態を検知し易くするため、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4よりも手前側(図面下側)に配置されている。手前側とは、通常の使用時において、利用者に近い側を意味する。例えば、表面基材7に絵柄や文字が印刷されている場合は、その絵柄や文字が正常な向きで見える側である。図1においては、圧力検知部5の位置を破線で示している。圧力検知部5は、載置部の手前側に設けることが好ましいが、必ずしも手前側でなくても、各載置部以外の位置であればよい。
画像出力部23は、画像を表示出力するための手段であり、有機EL、液晶、LED、電子ペーパー等の表示装置により実現される。ここで、画像とは、画素の集合で表現されるものであり、文字を表現した文字画像も含む。したがって、画像出力部23は、文字の配列であるメッセージを画素の集合である画像として出力することができる。例えば、画像出力部23は、絵と文字が画像の一形態として同時に出力することもできる。これにより、画像出力部23からはキャラクターの絵と、文字によるメッセージを同時に出力することもできる。光出力部25は、光を出力するための手段であり、LED等の発光装置により実現される。画像出力部23、光出力部25と重なる部分においては、表面基材7が開口を有していてもよいし、透明であってもよい。光出力部25と重なる部分においては、表面基材7は透明でなくてもある程度の透光性を有していればよい。本実施形態では、画像出力部23、光出力部25と重なる部分において、表面基材7は透明となっている。ここで、透明とは、利用者が表面基材7の下方の画像出力部23に出力された画像が視認可能な程度であればよく、例えば、JIS K7105に準拠した全光線透過率が75%以上であることが好ましい。ボタン6は、押しボタンであり、押すことにより、制御部21に信号を送り、対応する光出力部25を発光させるようになっている。ボタン6、光出力部25は、表面において2つずつ設けられている。「どこまで食べた?」のメッセージの横のボタン6に対応して、「たくさん食べた」のメッセージの横の光出力部25が設けられ、「姿勢は綺麗?」のメッセージの横のボタン6に対応して、「行儀よく食べた」のメッセージの横の光出力部25が設けられている。
図1では省略しているが、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4の表面には、置くべき食品に対応した絵が印刷されていてもよい。例えば、第1載置部2には、主食である御飯の絵が、茶碗にお米が盛られた態様で印刷されており、第2載置部3には、主菜であるおかずの絵が、お皿におかずが盛られた態様で印刷されており、第3載置部4には、副菜である味噌汁の絵が、お椀に味噌汁が注がれた態様で印刷されている。これにより、利用者は、位置を間違えずに、3つの載置部のうち好ましい載置部に対応する食品を置くことができる。表面基材7の材質は、特に限定されないが、例えば、シリコンラバー、ビニールシート等を用いることができる。表面基材7は、接着等により筐体8に剥離困難なように接着されていてもよいが、弱粘着層等を設けることにより、筐体8に剥離容易なように仮接着されていてもよい。剥離容易なように仮接着される場合、表面の絵柄が異なる表面基材7を、適宜貼り替えることにより、いわゆる着せ替えのような楽しみが得られる。
図2に示すように、筐体8の内部においては、表面基材7の開口に位置する第1載置部2、第2載置部3の下方にそれぞれ重量測定部30が設置されている。この重量測定部30は、基板9上に設置され、集積回路の一部として、他の部材に接続されている。基板9の下方である最下層には、固着部10が形成されている。固着部10で固着することにより、テーブル等に食事用載置具1を置いた際に、食事用載置具1をテーブル等に固定することが可能となる。固着部10としては、台、机、テーブル等に、何らかの作用で固定可能なものであればよい。例えば、吸着により固着する吸盤、静電気シートや、接着により固着する軟粘着シート等を用いることができる。筐体8の材質は、特に限定されないが、例えば、プラスチック製である。筐体8の材質としては、防水性を有するものを用いることが好ましい。
筐体8は食事用載置具1の表面の一部または全部を覆っている。食器の転倒を防止するため、図2(b)のように重量測定部30の上部に窪みが来るように凹凸を設けても良い。また重量測定部30の感度を向上させるため、図2(c)のように重量測定部の上部に切れ目や異素材8aが設けられていてもよい。図2(d)に示すように、表面基材7が、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4に対応する部分も含めて、筐体8の上面と側面の全面を覆うように形成されていてもよい。図2(d)に示す例では、表面基材7としてシリコンカバーを用いることにより、筐体8の防水性が低い場合であっても、全体として防水性を高めることができ、食べ物や飲み物をこぼし易い乳幼児の使用にも耐えることができる。
図3は、本実施形態に係る食事用載置具のブロック図である。図3に示す各構成要素は、筐体8内の基板9上に設置され、互いに電気的に接続されている。制御部21は、CPU、ROM、RAM等により構成され、ROMに記録されたプログラムをCPUが実行するとともに、必要な情報をRAMに記憶しながら、食事用載置具1全体の制御を行う。電源供給部22は、食事用載置具1の駆動に必要な電力を供給するためのものであり、乾電池、AC電源に接続可能な端子等で実現される。画像出力部23は、あらかじめ設定された画像を出力するための表示手段であり、有機EL、液晶、LED等により実現される。音声出力部24は、あらかじめ設定された音声を出力するための音声出力手段であり、具体的には、スピーカーである。光出力部25は、所定の色で発光を行うための手段であり、LED等を用いることができる。
メモリ26は、処理に必要なデータを記憶する不揮発性の記憶手段であり、フラッシュメモリ等の各種の記憶装置を用いることができる。通信部27は、外部のコンピュータネットワークと通信を行う手段であり、無線LAN等に対応した通信機器で実現される。通信部27を介して、いわゆるクラウドコンピューティングによりネットワークを介して必要なデータを取得することができる。本実施形態では、主にデータの保存と、保存しておいたデータを取得する際に、メモリ26に代えて、またはメモリ26と連携して、通信部27を用いる。データ取得部28は、メモリ26、通信部27から、制御部21において処理するデータを取得する手段である。手動入力端子29は、手動で入力を行うための端子であり、起動ボタン、その他ボタン6のような指示ボタン等による入力を制御部21に伝える。重量測定部30は、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4の下方に設置され、重量を測定するためのものであり、ロードセル等の重量センサにより実現される。感圧センサ31は、圧力検知部5の下方に設置され、加えられた圧力を検知するためのものであり、公知の様々な感圧センサにより実現される。この感圧センサは、子供の肘つきによる圧力を想定して所定値を設定しておき、この所定値以上の圧力が加わった場合に、圧力が加わったと判定して圧力検知する。
重量測定部30、感圧センサ31は、筐体8に生じる事象を検知する検知部として機能する。具体的には、これらの検知部は、食事者の体の位置や食品の変化を物理量として検出して信号に変え、制御部21に伝達する機能を有する。重量測定部30に使用されるセンサには、台はかり等に使用されるロードセル、電磁平衡式センサなどがあげられる。圧力を感知する感圧センサ31の中にも感知した圧力を重量に変換して出力できるものもある。感圧センサ31は受けた圧力を感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する装置であり、半導体ピエゾ抵抗拡散圧力センサや静電容量型圧力センサなどの例がある。図3では重量測定部30や感圧センサ31を検知部の例に挙げているがこれに限定されない。筐体の一部または全部に静電容量方式や膜抵抗方式などのタッチパネルが搭載されていてもよいし、筐体内部または外付けに設置された光源による光センサやCMOSなどのイメージセンサで食事変化を画像認識により捉えてもよい。また、重量測定部30、感圧センサ31等の各検知部は、同種のものが複数設置されていてもよい。
また、食器にICタグ(RFIDタグ)を貼付・埋め込み等の手段により添付しておき、ICタグを検知するためのセンサを面方向に複数埋め込んでおくことにより、載置された食器の位置を検出することができる。このセンサは、制御部21に接続されており、検出した旨の情報を制御部21に送ることになる。センサの数が多い程、詳細な位置の特定が可能になる。センサの検出により特定された食器の位置が、第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4から離れている場合、出力部から対応する情報を出力するように設計することもできる。例えば、画像出力部23や音声出力部24から、置く場所が違う旨のメッセージを出力することができる。
次に、本実施形態の食事用載置具1の処理動作について説明する。図4、図5は本実施形態の食事用載置具1の処理動作を示すフローチャートである。食事用載置具1は、子供、特に幼児の食育に適したものである。第1載置部2、第2載置部3、第3載置部4の各載置部に食品を置いた状態で、図示しない起動スイッチをONにすると手動入力端子29から起動信号が制御部21に送信され、制御部21は初期プログラムを立ち上げ、待機状態となる。待機状態においては、メモリ26に記憶しておいた画像を画像出力部23に出力したり、メモリ26に記憶しておいた音声を音声出力部24に出力したりすることができる。画像出力部23には、子供が興味を持ち、食事用載置具1に惹きつけられる様なキャラクター等を表示することができる。また、音声出力部24には、キャラクターの声や、明るくテンポの良い音楽等を出力することができる。例えば、「いただきます」等の音声を出力することができる。一方、起動により待機状態となると、重量測定部30、感圧センサ31が定期的な測定を開始するとともに、制御部21が内部時計から開始時刻を取得する。
重量測定部30による測定を開始すると、総重量の初期値の算出を行う(ステップS1)。具体的には、各重量測定部30が、測定値を取得し、制御部21に送信する。制御部21では、取得した測定値を合計して総重量を算出する。算出された総重量は、総重量の初期値として制御部21内のRAMに記憶される。RAMに記憶された初期値は、この後、比較のために用いられる。その後、各重量測定部30は定期的に測定を行い、取得した測定値を制御部21に送信する。測定の間隔は適宜設定可能であるが、例えば1秒間隔に設定することができる。そして、制御部21では、各重量測定部30から受信した測定値である重量を加算して総重量を算出する(ステップS2)。続いて、制御部21は、算出した総重量の、初期値に対する比率を算出する。そして算出された比率が第1しきい値(例えば75%)以下であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3における判定の結果、比率が第1しきい値を超える場合は、第1態様で出力する(ステップS4)。ここでは、第1態様は、「変化なし」としている。したがって、制御部21は、特に、画像出力部23、音声出力部24、光出力部25への出力指示は行わない。そして、ステップS2に戻って、次のタイミングで取得した測定値による総重量を算出する。
ステップS3における判定の結果、比率が第1しきい値以下である場合、その比率がさらに第2しきい値(例えば50%)以下であるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5における判定の結果、比率が第2しきい値を超える場合は、第2態様で出力する(ステップS6)。ここでは、第2態様は、「応援出力」としている。「応援出力」として具体的には、キャラクターが応援する態度を示す画像を画像出力部23から出力し、「もう一息」という音声を音声出力部24から出力し、白色の光を光出力部25から出力する。そして、ステップS2に戻って、次のタイミングで取得した測定値による総重量を算出する。
ステップS5における判定の結果、比率が第2しきい値以下である場合、その比率がさらに第3しきい値(例えば25%)以下であるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7における判定の結果、比率が第3しきい値を超える場合は、第3態様で出力する(ステップS4)。ここでは、第3態様は、「変化なし」としている。(ステップS8)。したがって、制御部21は、特に、画像出力部23、音声出力部24、光出力部25への出力指示は行わない。そして、ステップS2に戻って、定期的に取得した測定値による総重量を算出する。
ステップS7における判定の結果、比率が第3しきい値以下である場合、その比率がさらに第4しきい値(例えば3%)以下であるか否かを判定する(ステップS9)。第4しきい値以下となれば、終了へと進んでいくため、第4しきい値は0に近い値とすることが好ましい。しかし、特に、子どもは、完全にきれいに食べ尽くすことは難しく、少量残ってしまった場合でも、完食と判定する必要がある。また、食器の重さが異なることによる誤差も考慮しなければならない。そのため、最後のしきい値である第4しきい値は5%以下であることが好ましい。本実施形態では、第4しきい値を3%としている。
ステップS9における判定の結果、比率が第4しきい値を超える場合は、第4態様で出力する(ステップS10)。ここでは、第4態様は、「応援出力」としている。「応援出力」として具体的には、ステップS6と同様、キャラクターが応援する態度を示す画像を画像出力部23から出力し、「もう一息」という音声を音声出力部24から出力し、白色の光を光出力部25から出力する。なお、ステップS10における画像出力部23、音声出力部24、光出力部25における出力の態様は、ステップS6とは異ならせるようにしてもよい。そして、ステップS2に戻って、次のタイミングで取得した測定値による総重量を算出する。
重量測定部30を用いたステップS1~ステップS10の処理に並行して、感圧センサ31による圧力検知が行われる(ステップS21)。そして、加えられた圧力が所定値以上である状態が所定時間(例えば10秒)以上連続した場合は(ステップS22)、NG出力を行うとともに、その記録を行う(ステップS23)。具体的には、ステップS6と同様、悲しい顔のキャラクターの画像を画像出力部23から出力し、悲しい音楽を音声出力部24から出力し、赤色の光を光出力部25から出力する。そして、NG出力を行った旨を制御部21内のRAMに記録する。これは、既にNG出力を行った回数に加算して記録される。感圧センサに加えられた圧力が所定値以上であることは、食器の手前の配置位置であることも考慮して、肘がついた状態であることを意味する。そのため、ステップS23においては、NG出力を行い、肘がついた状態であることを注意する。このように、食器の手前に配置された圧力検知部5における圧力を検知して、出力を行うため、肘をつかないように注意することになり、行儀のよい食事を行うように促すことができる。また、ステップS23においては、食事中に肘をついた回数がカウントされて記録される。
さらに、重量測定部30を用いたステップS1~ステップS9の処理、感圧センサ31を用いたステップS21~ステップS23の処理に並行して、図示しない内部時計から、制御部21が食事開始時刻を取得する(ステップS24)。取得した食事開始時刻は制御部21内のRAMに記録される。
ステップS9における判定の結果、比率が第4しきい値以下である場合は、制御部21内のRAMに記録されている情報を取得し(ステップS11)、第5態様で出力する(ステップS12)。ここでは、第5態様は、「完了出力」としている。具体的には、笑顔のキャラクターの画像を画像出力部23から出力し、「おめでとう」という音声を音声出力部24から出力し、緑色の光を光出力部25から点滅状態で出力する。ステップS11の記録情報の取得については後述する。
上述のステップS9において比率が第4しきい値以下である場合、ステップS11において記録情報の取得が行われるが、これは、ステップS23において記録された肘をついた回数と、ステップS24において記録された食事開始時刻である。ステップS11においては、図示しない内部時計から、制御部21が現在時刻を食事終了時刻として取得し、食事開始時刻から食事終了時刻までの時間、すなわち食事所要時間を算出する。肘をついた回数と食事所要時間が取得された場合には、ステップS12においては、上記出力に加えて、さらに、肘をついた回数、食事所要時間を画像出力部23から出力する。
ステップS12の処理が終わった後、利用者が「どこまで食べた?」のメッセージの横のボタン6を押すと、制御部21は、「たくさん食べた」のメッセージの横の光出力部25を発光させる。また、「姿勢は綺麗?」のメッセージの横のボタン6を押すと、制御部21は、ステップS11において取得した、肘をついた回数が所定回数以上であるか否かを判定し、所定回数未満である場合に限り、「行儀よく食べた」のメッセージの横の光出力部25を発光させる。肘をついた回数が所定回数以上である場合は、行儀よく食べたとは言えないので、光出力部25を発光させない。
図示しない起動スイッチをOFFにすると手動入力端子29から終了信号が制御部21に送信され、制御部21は「次もいっぱい食べようね」という音声を音声出力部24から出力した後、終了する。
食事用載置具1は、単体としてだけでなく、他の様々な機器と連携することができる。例えば、ネットワークを介して他のコンピュータに情報を出力し、その情報に基づいて、様々なサービスを提供することもできる。ここで、他のコンピュータと連携した例について説明する。図13は、店舗サーバと連携した態様を示す図である。図13において、90は店舗サーバであり、91はネットワークである。図13の例では、ネットワーク91を介して店舗サーバ90とデータ通信可能に接続されている。店舗サーバ90は、汎用のサーバコンピュータであって、ファミリーレストランの運営を行うためのプログラムが組み込まれており、食事用載置具1のメモリ26には、各食事用載置具を識別する機器IDが記録されている。そして、店舗では、注文した食事が、食事用載置具1に載置された状態で顧客に提供される。このとき、店員が図示しないスイッチを押すと、食事用載置具1が起動して、店舗サーバ90と通信を行い、提供された食事の情報を取得する。そして、食事用載置具1は店舗サーバ90から受信した食事の情報を画像出力部23および音声出力部24から出力する。これにより、顧客は、提供された食事の情報を知ることができる。
食事用載置具1は起動された後、図4のフローチャートに従った処理を実行する。そして、ステップS9において最後のしきい値である第4しきい値以下であると判定された場合、ステップS12において、第5態様での出力時に、同時に、店舗サーバ90に食事が完了した旨の情報を出力する。具体的には。通信部27を介して、店舗サーバ90に食事が完了した旨の情報と、完了した食事品目の品目IDと、をメモリ26に記録されている機器IDとともに送信する。店舗サーバ90では、完了した旨の情報、品目ID、機器IDを受信し、記憶部に記憶する。また、並行して所定の態様で出力を行う。所定の態様としては、例えば、チャイム音を音出力するとともに、食事完了の情報と機器IDを画面に表示出力する。チャイム音により店員が気付き、画面を確認して、機器IDに対応するテーブルに出向き、食事完了に対する景品等を渡すことができる。景品としては、子供に喜ばれるよう、例えば、カプセルトイを販売する機械を動かすためのメダルとすることができる。記憶部に記憶された品目IDは、履歴として店舗サーバ90に記録される。このとき、顧客IDと対応付けておくことにより、次回の来店時に店舗サーバ90が顧客IDから品目IDを抽出し、推奨する食事品目として出力することができる。
図6は、食事用載置具の変形例を示す図である。図6は、図2に示すA-A断面図に相当する図である。図6の変形例では、第1載置部2において、重量測定部30の上に光源32が設置されている。光源32は、筐体の一部に形成された窪みに埋め込まれている。光源32は、重量測定部30が所定以上の重量を測定すると、発光されるように設定されている。そのため、設定された重量以上の食器Sが第1載置部2に置かれると、光源32が発光する。光源32から出力された光は、食器Sの縁を伝わって外部に放出される。図6において、光源32の上方の矢印は、光の軌跡を示している。光源32は、光出力部25と同様、光を出力するための手段であり、LED等の発光装置により実現される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下では、各種の変形例について説明していく。重量測定部30の測定値に基づく総重量を算出する際、測定値そのものを用いて算出するようにすることもできるが、重量測定部30の測定値から、事前に設定された重量を減算して食品自体の重量を算出し、食品自体の総重量を算出するようにしてもよい。減算する重量としては、想定される食器の重量を事前に設定して、メモリ26等に記憶しておくことができる。重量測定部30が複数存在する場合、各載置部に置かれる予定である食品の種類に応じた食器の重量を、各載置部の下方に設置された重量測定部30に対応付けて記憶しておく。食品の種類としては、御飯等の主食、おかず等の主菜、味噌汁等の副菜、等の種類に分けることができる。ただし、各載置部に置かれる食品は、食器のあるものに限定されず、バナナやパン等、食器が存在しないものとすることもできる。
また、上記実施形態では、出力部として、画像出力部23、音声出力部24、光出力部25を用いるようにしたが、さらに振動出力部を備えるようにしてもよい。特に、感圧センサ31に所定時間以上継続して圧力がかかっている場合に、制御部21が振動出力部に指令を出し、振動出力部が振動を発するようにすることにより、圧力検知部5の上に長時間、肘をついたような場合に、振動で注意を与えることができる。振動出力部としては、振動モータ等を用いることができる。
また、上記実施形態では、様々な場所に持ち運んで、食卓に置いて利用する食事用載置具について説明したが、上記食事用載置具の構成を備えた食事用載置テーブルを提供することもできる。食事用載置テーブルは、例えば、テーブルの天板と、上記食事用載置具に、それぞれ嵌合する部材を設け、この部材を嵌合させて、食事用載置具をテーブルの天板に固定することにより実現することができる。また、上記食事用載置具の下層側に脚を取り付け、食事用載置テーブルを構成することもできる。食事用載置テーブルの脚は折り畳める形態であってもよい。脚が折り畳めるテーブルに固定されていると持ち運ぶことができる。また、食事用載置テーブルは、椅子と一体化したものでもよい。
食事用載置具の構成を備えた食事用載置テーブルの例について説明していく。図7は、脚付き型の食事用載置テーブルを示す図である。図7(a)は斜視図、図7(b)は、図7(a)のB-B線における断面図である。これは、食事用載置具の下層側に脚41を取り付け、食事用載置テーブル11としたものである。食事用載置テーブル11は、合成樹脂性の筐体8と4本の脚41が一体で成形されている。筐体8内部の構成は、図2、図3に示した食事用載置具1と同一の構成となっている。
図8は、椅子一体型の食事用載置テーブルを示す図である。これは、背もたれ52と座面53からなる椅子が、脚54、支持具55により食事用載置具1と連結されて食事用載置テーブル12としたものである。食事用載置具1には窪みが形成され、載置部2、3、4に載置した食品を倒した際にも、外にこぼれないようになっている。食事用載置テーブル12の脚54および支持具55は、金属製である。食事用載置具1の構成は、図2(a)~(c)に示した食事用載置具1と同一の構成となっている。食事用載置具1は支持具55により支持されている。食事用載置具1は支持具55に固定された状態であってもよいが、円柱状の支持具55の周りを囲う保持具を食事用載置具1の下方に取付け、食事用載置具1が座った位置から見て前方または後方に回動可能に構成されていてもよい。
図9は、テーブル取付型の食事用載置具を示す図である。図9(a)は平面図、図9(b)は、図9(a)のC-C線における側面図である。図9に示す食事用載置具13は、図1、図2に示した食事用載置具1に一対のクランプ機構61、61を備えたものである。各クランプ機構61は、固定具62、昇降具63、回転具64により構成されている。回転具64のネジ山に対応するネジ溝が昇降具63内に形成されており、回転具64と昇降具63は螺合している。このため、回転具64を回転させることにより、昇降具63を昇降可能としている。使用時は、回転具64を回して昇降具63を下げ、固定具62と昇降具63の間を開ける。そして、固定具62と昇降具63の間にテーブルの天板を挿入した後、回転具64を逆に回して昇降具63を上げて天板を挟持する。これにより、食事用載置具13がテーブルに固定される。
図10は、椅子一体型の食事用載置具付椅子を示す図である。図10(a)は、椅子一体型の食事用載置具付椅子そのものを示し、図10(b)は、テーブルに装着した状態を示している。これは、背もたれ72、座面73、脚74からなる椅子が、支持板75、76により食事用載置具1と連結されて食事用載置具付椅子14としたものである。食事用載置具付椅子14は、全体が木製である。食事用載置具1の構成は、図1、図2に示した食事用載置具1と同一の構成となっている。食事用載置具1は支持板75により支持されている。支持板75と支持板76の間には、テーブルの天板が入るだけの間隔があり、天板を挿入することにより、食事用載置具付椅子14がテーブルの天板に固定される。
図11は、おぼん型の食事用載置具を示す図である。図11(a)は平面図、図11(b)は、図11(a)のD-D線における断面図である。おぼん型の食事用載置具15は、図1、図2に示した食事用載置具1において筐体8の端部上面を上方に延ばした形状となっている。すなわち、外縁が凸状に上方に延びており、外壁8b(外枠)を形成している。これにより、各載置部に載置した食器が転倒した場合であっても、食事用載置具1の外側に被害が及ぶことを抑止することができる。そのため、テーブルや床を汚しにくい。外壁8bの高さは、2cm~3cmであることが好ましい。
図12は、食べこぼし受け装着型の食事用載置具を示す図である。図12(a)は平面図、図12(b)は、図12(a)のE-E線における側面図である。食べこぼし受け装着型の食事用載置具16は、図1、図2に示した食事用載置具1の上面の2箇所に突起部81を設け、突起部81に引っ掛けて吊り下げるようにして食べこぼし受け82を装着したものである。食べこぼし受け82は、2枚の基材が重ねられて袋部が形成されており、食事中に食事用載置具16からこぼれたものは、この袋部に落ちる。そのため、テーブルや床等、周囲を汚す惧れが低減される。食べこぼし受け82の材質としては、柔軟性のあるものであればよく、天然の繊維や合成樹脂を用いることができる。特にシリコンやウレタン等の合成樹脂を用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、感圧センサ31が所定時間以上連続して圧力を検知した回数を、肘つきの回数として出力するようにしたが、これを肘つきの回数としてメモリ26等に記憶しておいてもよい。これは、感圧センサ31による検知状態を示すものとなる。記憶した肘つきの回数は、データログとして利用することができ、次回以降の肘つきの回数と比較することができる。制御部21は、感圧センサ31を用いて得た肘つきの回数と、メモリ26にデータログとして記憶された肘つきの回数を比較し、その比率等の比較結果に応じて出力部から出力を行うことができる。例えば、肘つきの回数が過去より所定(例えば1.5倍)以上多くなったら、「肘をつかないで食べる姿を見てみたいなー」、肘つきの回数が以前より少なくなったら、「肘をつかないで食べる姿を見てみたいなー」、肘つきの回数が0であったら、「お行儀よく食べられたね。すごい!!」。肘つきの回数は、識別情報と対応付けて記憶しておくことができる。識別情報としては、例えば個人IDを用いることができる。個人IDと対応付けて肘つきの回数を記憶しておくことにより、次回の利用時に、個人IDを特定して、自分の肘つきの回数を取得することができる。
また、上記実施形態では、重量測定部30の測定値により算出された総重量に基づいて、出力の態様を変化させるようにしたが、総重量の初期値と終了時の総重量の差分を算出して食事量とし、メモリ26等に記憶しておいてもよい。記憶した食事量は、データログとして利用することができ、次回以降の食事量と比較することができる。制御部21は、重量測定部30を用いて得た食事量と、メモリ26等にデータログとして記憶された食事量を比較し、その比率等の比較結果に応じて出力部から出力を行うことができる。データログとして記憶された食事量については、日ごとに記録しておき、所定期間(例えば1週間)の平均値を記録しておくこともできる。そして、記録された所定期間の平均値と今回の食事量を比較し、所定比率(例えば10%)以上食べた量が多かったら、「すごいね!たくさん食べられたね!!」、所定比率(例えば10%)以上食べた量が少なかったら、「明日はもっと頑張ろうね!!」、所定比率(例えば50%)以上食べた量が少なかったら、「○○くん、食欲がないね。元気かな?」等の異なるメッセージを画像出力部23、音声出力部24等から出力するようにしてもよい。食事量は、識別情報と対応付けて記憶しておくことができる。識別情報としては、例えば個人IDを用いることができる。個人IDと対応付けて肘つきの回数を記憶しておくことにより、次回の利用時に、個人IDを特定して、自分の食事量を取得することができる。
このように食事量を算出することにより、食事用載置具を幼児用としてだけでなく、医療・介護用途、健康・美容用途に用いることも可能である。ここで、医療・介護用途、健康・美容用途に適した食事用載置具の一例について説明する。図14は、医療・介護用途、健康・美容用途に適した食事用載置具の平面図である。図14におけるA-A線に対応する断面図は、図2のようになっている。図14において、図1と同一の機能を有する箇所については、同一符号を付して説明を省略する。図1に示した例と異なる主な点は、ボタン6、光出力部25がない点、画像出力部23、音声出力部24の位置が異なる点である。図14に示した食事用載置具17を利用すると、上述のようにして取得した食事量を画像出力部23に表示し、音声出力部24から出力する。例えば、「25gごはんを食べられました。」等のメッセージを表示し、音声出力することができる。また、上述のように取得した食事量を個人IDと対応付けて、メモリ26に記録するか、または通信部27を介していわゆるクラウドコンピューティングによりネットワーク上のコンピュータに記録しておく。これにより、過去との比較が可能となり病院や介護施設で有用であるとともに、ダイエット用途にも好適に用いられる。例えば、このような食事用載置具を介護用途に用いた場合、介護者だけでなく食事者にもやる気促進効果が期待できる。
また、上記実施形態では、ステップS11において食事所要時間の算出が行われるが、この食事所要時間を、メモリ26等に記憶しておいてもよい。記憶した食事所要時間は、データログとして利用することができ、次回以降の食事所要時間と比較することができる。制御部21は、算出された食事所要時間と、メモリ26等にデータログとして記憶された食事所要時間を比較し、その比較結果に応じて出力部から出力を行うことができる。例えば、事前に設定された標準所要時間と食事所要時間の比較を行い、食事所要時間の方が短ければ、「すごい!!早く食べられたね!!」、食事所要時間の方が長ければ、「頑張って食べようね!!」、食事所要時間の方が標準所要時間より長くても、過去の食事所要時間より短ければ、「早くなってきたね。すごい!!」等の異なるメッセージを画像出力部23、音声出力部24等から出力するようにしてもよい。食事所要時間は、識別情報と対応付けて記憶しておくことができる。識別情報としては、例えば個人IDを用いることができる。個人IDと対応付けて肘つきの回数を記憶しておくことにより、次回の利用時に、個人IDを特定して、自分の食事所要時間を取得することができる。
個人IDの特定は個人特定手段を備えることにより行うことができる。個人特定手段としては、指紋認証モジュール、虹彩認識モジュール、静脈認証モジュール等を用いることができ、個人特定手段による出力を制御部21が処理して、事前に記憶された情報と比較することにより個人IDを特定することができる。個人特定手段としては、ボタンを用い、押されたボタンに対応する個人IDを用いることもできる。ボタンとしては、単純に1、2,3等の番号が表面に掲載されたものであってもよいし、子供向けに、くま、うさぎ、ねこ等の動物の絵柄が表面に掲載されたものであってもよい。
また、上記実施形態では、音声出力部24から様々な音声を出力しているが、録音機能をさらに備え、出力すべき音声を録音しておくこともできる。録音した音声は、起動スイッチをONにした際、OFFにした際、等の場面と対応付けて記憶させておく。これにより、所定のタイミングで録音した音声が音声出力部24から出力されることになる。
また、上記実施形態では、図4に示した処理において、算出した総重量の初期値に対する比率と比較する第1しきい値、第2しきい値、第3しきい値、第4しきい値として、それぞれ75%、50%、25%、3%を用いたが、状況に応じて適宜変更することが可能である。また、しきい値の数、比較する回数も「4」に限定されず、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。基本的には、食事の進み具合に応じて段階的な出力を可能とするように、大きいしきい値から小さいしきい値に変化させていく必要がある。
また、上記実施形態では、図4に示した処理において、第1態様、第2態様、第3態様、第4態様、第5態様として、それぞれ「変化なし」、「応援出力」、「変化なし」、「応援出力」、「完了出力」の態様で出力を行うようにしたが、状況に応じて適宜変更することが可能である。図4の例では、75%を超えている間は出力がなく、75%以下となって初めて、応援する出力が行われ、食事への意欲が高まる。50%以下になると、出力がなくなって、一旦応援が止まって、食事が見守られることになる。そして、25%以下になると、再び応援する出力が行われ、残りの量が減ってきたところで再び食事への意欲が高まることになる。そして、3%以下になると、食事が終わったものとして、褒められる出力が行われ、子供は達成感を味わうことができる。このように、上記実施形態では、応援と中止のメリハリをタイミングよく行うことにより、飽きやすい子供に対して食事を楽しく行わせることができる。このような趣旨に従う限り、出力の態様は、全て異なるものとしたり、一部重複するものとしたり、効果的に中止を行う等、様々な態様とすることができる。
重量測定部30が複数ある場合、好物ばかり食べ、嫌いなものを残す状態に対し注意喚起する機能を付与する事ができる。すなわち、複数の食品をバランスよく食べていない場合に、出力部から所定の出力を行う機能を付与することができる。例えば、主食、主菜、副菜等をバランスよく食べる「三角食べ」を推奨するため、各重量測定部30における測定値の初期値に対する比率が、重量測定部30ごとに大きく異なっている場合に、それに応じた出力を各出力部から行うようにすることができる。このような処理を実現する場合、重量測定部30による測定を開始後、各測定値の初期値を記憶する。この初期値は、制御部21内のRAMに記憶される。この測定処理は、上記ステップS1の処理の一部として行うこともできる。そして、各重量測定部30における重量の測定を例えば1秒間隔等で定期的に行う。この処理は、上記ステップS2における処理の一部として行うこともできる。そして、制御部21は、各重量測定部30について、測定された重量を初期値から減算して食事量を算出し、食事量の初期値に対する比率を算出する。そして、重量測定部30ごとの食事量の比率を比較し、所定の条件を満たす場合には、食品を食べ進めるバランスが良くないものと判定して、第6態様で出力する。ここでは、第6態様は、「注意出力」としている。具体的には、笑顔のキャラクターの画像を画像出力部23から出力し、「バランスよく食べようね」という音声を音声出力部24から出力し、赤色の光を光出力部25から点滅状態で出力する。
また、重量測定部30ごとの比率についての所定の条件としては、例えば、重量測定部30a(例えば、主食:御飯に対応)の食事用の比率と重量測定部30b(例えば、主菜:おかずに対応)の食事量の比率同士の比率が、所定の範囲を超えた場合とすることができる。所定の範囲としては、適宜設定可能であるが、例えば、0.5~2.0などと設定することができる。この場合、御飯かおかずの一方が他方に対して2倍以上の早さで食べられている場合に、「注意出力」が行われることになる。また、単純に食事量の比率ではなく、食事量の標準偏差が一定値以上であった場合、第6態様で出力するようにしてもよい。重量測定部30の数が3以上である場合においても、対応する食品の関係に合わせて条件を設定しておくことにより、食事量のバランスが良くない場合に、第6態様での出力が行われる。このような、複数の食品をバランスよく食べていない場合に、所定の出力を行う機能は、図4、図5のフローチャートに示した処理と並行して行うことができる。すなわち、食事用載置具1は、食事者の食事の状態に合わせて、肘つきを注意する出力や、応援する出力、バランスが良くない旨を注意する出力等を適宜組み合わせて行うことができる。