JPWO2018147469A1 - インク組成物、インクセット、画像記録方法、及び記録物 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施形態は、インクジェット法による画像の記録に用いられ、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子と、アニオン部位を有する第1の樹脂と、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂と、水と、を含み、第1の樹脂の含有量が、平板状金属粒子の全質量に対して、0.001質量%以上60質量%以下であるインク組成物及びその応用を提供する。

Description

本開示は、インク組成物、インクセット、画像記録方法、及び記録物に関する。
従来より、金属粒子を含むインク組成物が知られている。金属粒子を含むインク組成物は、種々の画像記録方法に利用され、例えば、光沢性が求められる画像の形成又は画像の装飾等の用途に広く利用が期待されている。
画像記録方法としては、任意の材料に対して簡易に画像の記録が可能である等の観点から、インクジェット法を利用した記録方法が種々の用途に広く適用されている。例えば、融点降下が起こる粒子サイズの金属微粒子を含み、含硫黄複素環化合物を作用させて耐熱性を向上させる金属微粒子含有組成物が開示されている(例えば、特開2008−1844号公報参照)。また、回路形成用塗料として金属微粒子と多価カルボン酸化合物と有機溶媒とを含む組成が開示されている(例えば、特開2006−173408号公報参照)。一方、ポリマーで被覆された顔料を含むインク組成物の減粘変化を防ぐため、特定の無機塩を用いる技術に関する開示がある(例えば、特開2015−180710号公報参照)。
平板状金属粒子を含有するインク組成物を用いてインクジェット法により光沢感が付与された画像を記録する場合、画像中に含まれる平板状金属粒子の分散状態もしくは配向状態、又はインク組成物の粘度等の物性が、画像の鏡面光沢性及びインクの吐出性に影響する場合がある。光沢感のある画像を記録するには、吐出ヘッドからのインク組成物の吐出が安定に行われ、かつ、画像中の平板状金属粒子が適切な配向状態をとることで、所望とする画像を形成することが求められる。インクの吐出性は、インクの組成もしくは物性又は吐出条件等により変化しやすいため、吐出性を調節する目的で、例えば、インク組成物自体の粘度を吐出に適した範囲に調整する等が行われる場合がある。
インク組成物の粘度を調整する方法には、例えば、インク組成物の液粘度を高めるため、いわゆる増粘剤と称される固形添加剤を添加する方法がある。しかし、固形添加剤を用いて粘度を高めようとすると、固形添加剤の添加後において、インクを基材に吐出することで形成した画像中に含有される平板状金属粒子の適切な配向が妨げられることがある。平板状金属粒子の適切な配向が妨げられると、粒子の並びが不揃いになる結果、画像の鏡面光沢が低下しやすくなる課題がある。
つまり、例えば平板状金属粒子を含有するインク組成物を用いて画像を記録する際の吐出性と記録される画像の鏡面光沢との間には、両立が難しい相反関係がある。
鏡面光沢性を損なわずにインク組成物の吐出性を向上させるには、粘度調整のために添加する成分によって平板状金属粒子の配向が妨げられないことが望ましい。このような観点では、粘度調整のために添加される成分の添加量を少なく抑えつつも、インク組成物の粘度調節効果が得られることが望ましい。
また、インクジェットヘッドからインクを吐出する際、インク性状によっては、インク滴の主滴から分離した小サイズの液滴(いわゆるサテライト)が生じることがある。サテライトと称される液滴は、主滴と異なる場所に着弾するため、画像品質の悪化を招来しやすい。サテライトの発生を抑制するには、インクがインクジェットヘッドに適した液物性、例えば粘度に調整されることが重要である。ところが、上記のように特に平板状金属粒子を含有するインクに含有される成分種は少ないことが望ましいため、少量で所望の粘度調整が行えることは有利である。
本開示は、上記の事情に鑑みなされたものである。即ち、
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、インクジェット法によるインク吐出性に優れ、記録される画像の鏡面光沢性に優れるインク組成物及びインクセットを提供することにある。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、インクジェット法によるインク吐出性に優れ、鏡面光沢性に優れた画像を記録する画像記録方法を提供することにある。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、鏡面光沢性に優れた記録物を提供することにある。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> インクジェット法による画像の記録に用いられ、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子と、アニオン部位を有する第1の樹脂と、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂と、水と、を含み、第1の樹脂の含有量が、平板状金属粒子の全質量に対して、0.001質量%以上60質量%以下である、インク組成物である。
<2> 平板状金属粒子は、平均アスペクト比が5以上である<1>に記載のインク組成物である。
<3> 平板状金属粒子は、平均アスペクト比が12以上である<1>又は<2>に記載のインク組成物である。
<4> 平板状金属粒子が、金、銀、及び白金からなる群から選択される少なくとも1種の金属の粒子である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<5> 平板状金属粒子が、銀粒子である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<6> 第1の樹脂は、アニオン部位である酸基又は酸基の塩を有し、pkaが5以下である化合物に由来する構造単位を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<7> 第1の樹脂は、アニオン部位である酸基又は酸基の塩を有し、pkaが0以下である化合物に由来する構造単位を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<8> 第1の樹脂は、スルホン酸基及びスルホン酸基の塩の少なくとも一方を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<9> 第1の樹脂が、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<10> 第1の樹脂は、重量平均分子量が100,000以上500,000以下である<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<11> 第1の樹脂の含有量が、平板状金属粒子の全質量に対して、1質量%以上40質量%以下である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<12> 第1の樹脂の含有量が、平板状金属粒子の全質量に対して、5質量%以上30質量%以下である<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<13> 第2の樹脂が、ゼラチンを含む<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<14> 第2の樹脂の含有量に対する第1の樹脂の含有量の比が、0.5〜4の範囲を満たす<1>〜<13>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<15> インクジェット法による加飾画像の記録に用いられる<1>〜<14>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<16> <1>〜<15>のいずれか1つに記載のインク組成物である第1インクと、第1インクとは異なる、着色剤を含有する第2インクと、を有するインクセットである。
<17> <1>〜<15>のいずれか1つに記載のインク組成物を、インクジェット法によって基材に付与するインク付与工程を有する画像記録方法である。
<18> <16>に記載のインクセットが用いられ、第1インクを、インクジェット法によって基材に付与する第1インク付与工程と、第2インクを、インクジェット法によって基材に付与する第2インク付与工程と、を有する画像記録方法である。
<19> 基材と、基材上に配置され、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子、アニオン部位を有する第1の樹脂、並びに、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂を含む画像と、を備えた記録物である。
<20> 更に、基材と画像との間、及び、画像の上の少なくとも一方に、着色剤を含む着色画像を備えた<19>に記載の記録物である。
本発明の一実施形態によれば、インクジェット法によるインクの吐出性に優れ、記録される画像の鏡面光沢性に優れるインク組成物及びインクセットが提供される。
本発明の他の実施形態によれば、インク吐出性に優れ、鏡面光沢性に優れた画像を記録する画像記録方法が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、鏡面光沢性に優れた記録物が提供される。
以下、本開示に係るインク組成物、インクセット、画像記録方法、及び記録物について、詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書中において、インクジェット法によるインク組成物の吐出性に優れるとは、インクジェットヘッドのノズルからインク組成物を吐出する際、吐出されたインク滴の主滴から分離した小サイズの液滴(いわゆるサテライト)の発生が抑制され、サテライトと称される液滴が主滴と異なる場所に着弾する現象が抑制されることを意味する。
なお、本明細書中において、インクジェットヘッドのノズルからの吐出性を、単に「吐出性」と称することがある。
<インク組成物>
本開示のインク組成物は、インクジェット法による画像の記録に用いられるインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)であり、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子と、アニオン部位を有する第1の樹脂(以下、「アニオン性ポリマー」ともいう。)と、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂(以下、「バインダーポリマー」ともいう。)と、水と、を含み、第1の樹脂の含有量を、平板状金属粒子の全質量に対して、0.001質量%以上60質量%以下の範囲としたものである。
本開示のインク組成物により効果が奏される理由は、以下のように推測される。
インクの組成は、画像に要求される性質(例えば、光沢性、解像度、密着性、耐候性)又は被記録材料などに適するように選択され、組成又は組成に伴うインクの性状により、インクジェットヘッド(以下、吐出ヘッドともいう。)からインクを吐出する際の吐出性が変化する場合がある。例えば金属粒子を含む組成の場合、金属粒子は、一般に着色剤として用いられる有機顔料等とは比重又は形状等が大きく異なる場合があり、吐出性に影響を与えやすい。
吐出ヘッドからの吐出性は、吐出されるインクの粘度に影響されやすい。例えば、インクジェットヘッドからインクを吐出する際、インク性状によっては、インク滴の主滴から分離した小サイズの液滴(いわゆるサテライト)が生じることがある。サテライトと称される液滴は、主滴と異なる場所に着弾するため、画像品質の悪化を招来しやすい。サテライトの発生を抑制するには、インクをインクジェットヘッドに適した液物性、例えば粘度に調整されることが重要である。
インク組成物の粘度を調整する方法としては、例えば、インク組成物の液粘度を調節するため、いわゆる増粘剤と称される固形添加剤を添加する方法がある。しかしながら、従来から知られている固形の増粘剤を用いると、インク組成物中に含まれる平板状金属粒子が配向しにくくなり、被記録材料上に吐出された後の膜中での平板状金属粒子の並びが不揃いになる。そのため、所望とする鏡面光沢性が得られにくい。つまり、鏡面光沢性の付与には、平板状金属粒子を高密度にかつ高い配向性をもって並べることが重要である。したがって、記録時のインク吐出性と、平板状金属粒子を含有する画像の鏡面光沢性と、は技術的に互いに相反する関係にある。一方では、インク安定性等の種々の理由から、インク中に含有される成分種は少ないことが望まれる。
以上のことから、平板状金属粒子を含有するインクにおいて、吐出性を良好に保持し、かつ、鏡面光沢性を向上させる技術は確立されていない。
本開示に係るインク組成物は、上記の事情に鑑み、水系に調製されるインク組成物において、平板状金属粒子を用い、かつ、アニオン部位を有する第1の樹脂(アニオン性ポリマー)とカチオン部位を有する第2の樹脂(バインダーポリマー)との2種のポリマー成分を含有する。
バインダーポリマーを含むことで、平板状金属粒子の分散性を付与し、好ましくは保持する。アニオン性ポリマーとバインダーポリマーとが部分的に相互作用することで、少量のアニオン性ポリマーによって大きな増粘効果が期待できる。これにより、平板状金属粒子に由来する鏡面光沢性を高めつつ、平板状金属粒子を含有するインクのインクジェットヘッドからの吐出性も同時に改善することができる。
本開示のインク組成物は、平板状金属粒子を含むため、記録される画像の鏡面光沢性に優れている。
本明細書中において、画像の鏡面光沢性は、20°グロス値及び官能評価(目視による画像評価)によって評価される。20°グロス値は、数値が高いほど、画像の鏡面光沢性に優れることを示す。
以下、本開示のインク組成物の含有成分について説明する。
(平板状金属粒子)
本開示のインク組成物は、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子の少なくとも一種を含有する。球形状又は楕円形状に比べて比較的アスペクト比が大きい平板形状の金属粒子を含有することで、可視光域の光吸収を抑え、画像の光沢性が付与される。
本開示のインク組成物では、平板状金属粒子がバインダーポリマー中に分散されて安定的に保持され、かつ、アニオン性ポリマーのアニオン部位とバインダーポリマーのカチオン部位とが作用して得られる増粘効果によって吐出性に優れている。一方、アニオン性ポリマーによる平板状金属粒子の配向阻害は小さいと考えられ、従来用いられていた固形の増粘剤のような光沢性の低下は抑えられている。
平板状金属粒子は、平板形状を有する金属粒子である。
ここで、「平板状」とは、2つの主平面を有する形状を意味する。
平板状金属粒子における金属は、鏡面光沢を発現し得る金属を選択することができ、合金でもよい。平板状金属粒子の中でも、鏡面光沢性の観点から、金(Au)、銀(Ag)、又は白金(Pt)の粒子が好ましく、銀粒子がより好ましい。
(平板状金属粒子の形状)
平板状金属粒子の形状としては、平板状、即ち、2つの主平面を有する形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
平板状金属粒子の形状としては、例えば、三角形状、四角形状、六角形状、八角形状、円形状などが挙げられる。中でも、可視光域の吸収率が低い点で、三角形状以上の多角形状及び円形状(以下、「三角形状乃至円形状」ともいう)が好ましい。
円形状としては、透過型電子顕微鏡(Transmission electron microscopy;TEM)で平板状金属粒子を主平面の上方(法線方向)から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
三角形状以上の多角形状としては、透過型電子顕微鏡(TEM)で平板状金属粒子を主平面の法線方向から観察した際に、三角形状以上の多角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
三角形状以上の多角形状の角は、鋭角でも鈍角でもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、鈍角が好ましい。
平板状金属粒子のうち、三角形状乃至円形状の平板状金属粒子は、全平板状金属粒子の個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上がより好ましく、70個数%以上が特に好ましい。三角形状乃至円形状の平板状金属粒子の割合が、60個数%以上であると、可視光域の吸収率がより低くなる。
ここで、個数%は、平板状金属粒子500個中における三角形状乃至円形状の平板状金属粒子の数の割合(百分率)を意味する。個数%は、TEMで主平面の法線方向から平板状金属粒子を500個観察することによって求める。
(平均円相当径及び変動係数)
平板状金属粒子の平均円相当径は、10nm〜300nmであることが好ましい。
平板状金属粒子の平均円相当径が300nm以下であると、インクの吐出性がより向上する。更に、平板状金属粒子の平均円相当径が300nm以下であると、インクの経時安定性にも優れる。また、平板状金属粒子の平均円相当径が10nm以上であると、平板状金属粒子の製造がより容易となる。
平板状金属粒子の平均円相当径は、50nm〜300nmであることが好ましく、100nm〜250nmであることがより好ましい。
平板状金属粒子の平均円相当径は、平板状金属粒子500個の円相当径の数平均値を意味する。
個々の平板状金属粒子の円相当径は、透過型電子顕微鏡像(TEM像)に基づき求められる。詳細には、TEM像における平板状金属粒子の面積(投影面積)と同一面積の円の直径を、円相当径とする。平板状金属粒子の平均円相当径の測定方法の例は、後述の実施例に示す通りである。
また、平板状金属粒子の粒度分布における変動係数としては、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下が特に好ましい。
ここで、平板状金属粒子の粒度分布における変動係数とは、平板状金属粒子500個の円相当径(粒度分布)の標準偏差を、平板状金属粒子500個の円相当径の数平均値(平均円相当径)で割って100を乗じた値(%)を意味する。
(平均厚さ)
平板状金属粒子の平均厚さは、インクにおける平板状金属粒子の分散性、及び、インクの吐出性の観点から、30nm以下であることが好ましく、1nm〜20nmであることがより好ましく、3nm〜16nmであることが特に好ましく、3nm〜12nmであることがより特に好ましい。
本明細書において、平板状金属粒子の平均厚さは、平板状金属粒子500個の厚さの数平均値を意味する。
平板状金属粒子の厚さは、FIB−TEM(Focused Ion Beam−Transmission electron microscopy)法により測定される。平板状金属粒子の平均厚さの測定方法の例は、後述の実施例に示す通りである。
(平均アスペクト比)
平板状金属粒子は、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比は、3以上100以下であり、5以上であることが好ましい。平板状金属粒子の平均アスペクト比が3以上であると、平板粒子による吸収ピークが長波シフトし、可視光域の反射率が上がるので、画像の鏡面光沢性に優れる。
平板状金属粒子の平均アスペクト比は、可視光域の反射率が上がることで、鏡面光沢性が向上し、また不純物除去の作業等が容易になる等の製造適性に優れる観点から、12以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、20以上であることが更に好ましく、25以上であることがより好ましい。平均アスペクト比が12以上であることで、鏡面光沢性がより向上し、更には、不純物除去の作業等が容易になる等によって製造時間の短縮化が図れるなど、製造適性に優れたものとなる。
平板状金属粒子の平均アスペクト比の上限には特に制限はないが、100以下の範囲で選択することができ、平板状金属粒子の分散安定性の観点からは、上限としては、100以下であり、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下が特に好ましい。
ここで、平板状金属粒子の平均アスペクト比とは、平板状金属粒子における、平均厚さに対する平均円相当径の比〔平均円相当径/平均厚さ〕を指す。
−平板状金属粒子の合成方法−
平板状金属粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、三角形状以上の多角形状の平板状金属粒子を合成する方法としては、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法などが挙げられる。
これらの中でも、三角形状以上の多角形状の平板状金属粒子を合成する方法としては、形状とサイズ制御性の点で、化学還元法又は光化学還元法が好ましい。
三角形状以上の多角形状の平板状金属粒子を合成する場合、合成後、例えば、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、三角形状以上の多角形状の平板状金属粒子の角を鈍らせてもよい。
平板状金属粒子の合成方法としては、上記の他、予めフィルム、ガラスなどの透明基材の表面に種晶を固定後、平板状に金属粒子(例えばAg)を結晶成長させてもよい。
平板状金属粒子は、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。
更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2014−184688号公報の段落〔0068〕〜〔0070〕に記載の高屈折率シェル層の形成、特開2014−184688号公報の段落〔0072〕〜〔0073〕に記載の各種添加剤を添加することなどが挙げられる。
平板状金属粒子は、水に分散された水分散液の形態で使用してもよい。
また、平板状金属粒子として、上市されている市販品を用いてもよい。上市されている平板状金属粒子の例として、大日本塗料株式会社製の金ナノプレート水分散液Au−WPLCシリーズ(例えば、Au−WPLC3−C、Au−WPLC2−C)、銀ナノプレート水分散液Ag−WSシリーズ(例えば、Ag−WS6−C)等、ECKART社製のアルミニウム粒子分散液SB11015、SB11020等、などを挙げることができる。
平板状金属粒子の含有量は、インク全体に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、1.0質量%〜15質量%がより好ましく、1.5質量%〜10質量%であることが更に好ましく、2.0質量%〜8質量%であることが特に好ましい。
平板状金属粒子の含有量が1質量%以上であると、画像の鏡面光沢性により優れたものとなる。平板状金属粒子の含有量が20質量%以下であると、インクの吐出性がより向上する。
(第1の樹脂)
本開示のインク組成物は、アニオン部位を有する第1の樹脂(アニオン性ポリマー)の少なくとも一種を含有する。
アニオン性ポリマーのアニオン部位がバインダーポリマーのカチオン部位と相互作用することによって、増粘効果が得られ、平板状金属粒子を含有するインク組成物は、吐出性に優れたものとなる。また、アニオン性ポリマーによる平板状金属粒子の配向阻害は小さいと考えられるため、従来から用いられている固形添加物に比べ、平板状金属粒子に由来する鏡面光沢の低下を小さく抑えることができる。
アニオン部位を有する第1の樹脂は、後述する第2の樹脂とは異なる樹脂である。
アニオン部位を有する第1の樹脂としては、例えば、アニオン性の官能基(アニオン部位)を有するモノマーが有機合成的に重合されて得られた重合体が挙げられる。アニオン性の官能基を有するモノマーは、1つのモノマーに複数のアニオン部位を有していてもよい。
重合とは、例えば、モノマーに含まれる炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合などの不飽和基又はオキシラン環、シクロプロパン環などの環等が開裂して付加を繰り返し、高分子化合物を合成することが含まれる。重合の例としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられ、好ましくはラジカル重合である。
アニオン部位としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基などのアニオン性基、カルボキシ基の塩(カルボン酸塩)、スルホン酸基の塩(スルホン酸塩)、リン酸基の塩(リン酸塩)等の塩などが挙げられる。アニオン部位としては、スルホン酸基及びスルホン酸基の塩が好ましい。
アニオン部位を有するモノマーとしては、例えば、(1)炭素数3〜10のα,β−不飽和カルボン酸及びその塩(例えば、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、クロトン酸及びその塩、イソクロトン酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、フマル酸及びその塩、イタコン酸及びその塩、シトラコン酸及びその塩、ナジック酸及びその塩、メチルナジック酸及びその塩、ハイミック酸及びその塩、アンゲリカ酸及びその塩、テトラヒドロフタル酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、メサコン酸及びその塩など)、(2)スルホン酸基又はその塩を有するビニル化合物(例えば、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸の塩など)、(3)カルボキシ基又はその塩を有するアルキルエステル(例:2−アクリロイルオキシエチルコハク酸及びその塩、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸及びその塩、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸及びその塩、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸及びその塩など)、等が挙げられる。
カルボキシ基又はその塩を有するアルキルエステルは、アルキル部位の水素原子がカルボキシ基又はその塩に置換された化合物である。アルキル部位は、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜12がより好ましく、炭素数1〜6がさらに好ましい。アルキル部位の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)又はアルカリ土類金属(例えばカルシウム)の塩が挙げられ、pkaが低い点で、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
第1の樹脂の中でも、酸基又は酸基の塩を有し、pkaが5以下である化合物に由来する構造単位を含む樹脂が好ましい。すなわち、第1の樹脂は、酸基又は酸基の塩を有し、かつ、pkaが5以下であるモノマーを重合させて得られる重合体であることが好ましい。pkaが5以下であると、酸解離の程度が大きいため、後述の第2の樹脂(バインダーポリマー)のカチオン部位と相互作用しやすい。
pkaは、少量で増粘効果が得られ、鏡面光沢性も高い点で、値が小さいほど好ましく、0以下が好ましく、−0.5以下がより好ましい。pkaの下限値には制限はないが、−2.0以上の範囲が好適である。
本開示における第1の樹脂は、酸基又は酸基の塩を有し、pkaが0以下であるモノマーが少なくとも重合されて得られた、酸基又は酸基の塩を有し、かつ、pkaが0以下であるモノマーに由来の構造単位を含む重合体であることが好ましい。
pkaは、酸解離定数の−log値であり、富士通株式会社製のACD/Perceptaにて計算により求められる値である。
アニオン部位が酸基の塩である場合、塩のpkaは、酸であるモノマーとして求めるものとする。
上記のうち、アニオン部位を有するモノマーとしては、アクリル酸又はアクリル酸の塩、メタクリル酸又はメタクリル酸の塩、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸又は2−アクリロイルオキシエチルコハク酸の塩、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸又は2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸の塩、スチレンスルホン酸又はスチレンスルホン酸の塩、等が好適に挙げられる。
中でも、アニオン部位を有するモノマーは、酸解離しやすく、比較的安価な点で、アクリル酸ナトリウム(pka=4.2)、メタクリル酸ナトリウム(pka=4.7)、スチレンスルホン酸ナトリウム(pka=−0.56)が好ましい。
アニオン部位を有する第1の樹脂は、アニオン部位を有するモノマーを一種単独で用いた単独重合体でもよいし、異なる2種のアニオン部位を有するモノマーを共重合した共重合体であってもよい。また、アニオン部位を有する第1の樹脂は、アニオン部位を有するモノマーとアニオン部位を有しないモノマーとの共重合体であってもよい。
アニオン部位を有しないモノマーとしては、例えば、アルキル部位の炭素数が1〜20のアルキルエステル、水酸基及びアルキル部位(好ましくは炭素数1〜20のアルキル部位)を有するアルキルエステル、アルキレングリコール(好ましい平均繰り返し数が1〜1000)とα,β−不飽和カルボン酸とのエステル等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
本開示における第1の樹脂は、後述の第2の樹脂のカチオン部位とより相互作用しやすい点で、カチオン部位(カチオン性の官能基)を有しないこと、ひいてはカチオン部位(カチオン性の官能基)を有するモノマーを重合成分として有しない重合体であることが好ましい。
第1の樹脂の具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸の塩(好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩)、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸の塩(好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩)等が挙げられ、中でも、少量で増粘効果が高く、吐出性に優れ、かつ、鏡面光沢性が優れたものとなる点で、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸の塩(好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩)が好ましい。
第1の樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、100,000以上500,000以下の範囲が好ましい。重量平均分子量が100,000以上であると、低分子の化合物を用いる場合に比べて、増粘効果が高い点でより好ましい。また、重量平均分子量が500,000以下であると、インクのノズル詰まり防止の点でより好ましい。
第1の樹脂の重量平均分子量は、増粘効果の点で、150,000以上500,000以下が好ましく、200,000以上500,000以下がより好ましい。
本明細書中において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定された値を意味する。
上記GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて行う。
また、GPCは、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
本開示においては、アニオン部位である酸基又は酸基の塩を有し、カチオン部位(カチオン性の官能基)を有さず、かつ、pkaが0以下である化合物に由来する構造単位を含む第1の樹脂と、アミノ基、アミド基、及びアミノ基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂と、を組み合わせて含む態様がより好ましい。
本開示のインク組成物では、第1の樹脂の含有量を、平板状金属粒子の全質量に対して、0.001質量%以上60質量%以下の範囲とする。
第1の樹脂の含有量が0.001質量%以上であることは、第1の樹脂を実質的に含有していることを示す。第1の樹脂を含有することで、平板状金属粒子の配向を損なうことなく、吐出性が向上する。
第1の樹脂の含有量が60質量%以下であると、鏡面光沢性の向上効果により優れたものとなる。
第1の樹脂の含有量は、鏡面光沢性をより向上させる観点から、1質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
第1の樹脂と後述の第2の樹脂との含有比率は、以下の範囲が好ましい。
具体的には、後述の第2の樹脂の含有量に対する、第1の樹脂の含有量の比(第1の樹脂/第2の樹脂の比)は、0.5以上4以下の範囲を満たす場合が好ましく、0.5以上3以下の範囲を満たす場合がより好ましい。
第1の樹脂/第2の樹脂の比が0.5以上であると、増粘効果が高い点で有利である。また、第1の樹脂/第2の樹脂の比が4以下であると、鏡面光沢性が高くなる点で有利である。
(第2の樹脂)
本開示のインク組成物は、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂(バインダーポリマー)の少なくとも一種を含有する。
第2の樹脂を含むことで、平板状金属粒子を分散し、安定的に保持する。更に、第2の樹脂はカチオン部位を有するので、カチオン部位に既述の第1の樹脂のアニオン部位が作用し、第2の樹脂間、並びに第1の樹脂及び第2の樹脂間に結合が形成されてインク組成物に増粘効果が発現する。これにより、インク組成物の吐出性が改善される。
第2の樹脂としては、アミノ基(−NH)、アミド基(−NHR;Rはアルキルなどの任意の置換基を表す。)、イミノ基(=NH)、ホスホニウム基(−PR;Rは水素原子又はアルキルもしくはアリール等の置換基を表し、具体例としては−PH、アルキルホスホニウム基(例:メチルホスホニウム基、テトラ−n−ブチルホスホニウム基等)、アリールホスホニウム基(トリフェニルホスホニウム基)、アミノ基の塩、上記アミド基の塩、イミノ基の塩、及び上記ホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有するポリマーの中から適宜選択される。いずれのカチオン部位を有する場合も、第1の樹脂のアニオン部位が作用することで、インク組成物に増粘効果を発現させることができる。塩は、水系であるインク組成物中において乖離等してカチオン部位として機能するものである。
上記塩について、塩を形成する対アニオンとしては、特に制限はなく、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
ホスホニウム基の塩は、一般にPH 、RPH 、RPH 、RPH、又はR(R〜Rはアルキル又はアリール基を表し、Xはハロゲンを表す。)で表される。
カチオン部位としては、平板状金属粒子の分散性がより向上する観点から、アミノ基、アミド基、アミノ基の塩が好ましい。
第2の樹脂としては、例えば、ゼラチン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチン以外の天然高分子などを挙げることができる。
中でも、第2の樹脂は、平板状金属粒子の分散性がより向上する観点から、ゼラチン又はポリエチレンイミンを含むことが好ましく、ゼラチンを含むことがより好ましい。
ゼラチンとしては、コラーゲンからの誘導過程で石灰などのアルカリによる処理を伴うアルカリ処理ゼラチン;塩酸などの酸による処理を伴う酸処理ゼラチン;加水分解酵素などの酵素による処理を伴う酵素処理ゼラチン;酸素処理ゼラチン;ゼラチン分子中に含まれる官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を、これらの官能基と反応しうる基を一個持った試薬によって変性した変性ゼラチン(例えば、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメトリト化ゼラチン等);例えば特開昭62−215272号公報の222頁左下欄6行目〜225頁左上欄末行目等に記載される当業界内で一般に用いられているゼラチン;等が挙げられる。
第2の樹脂(特にゼラチン)の重量平均分子量は、インクにおける平板状金属粒子の分散性の観点から、5,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜500,000がより好ましく、20,000〜200,000がさらに好ましい。
重量平均分子量の測定方法については、既述した通りである。
本開示のインク組成物が、水及びゼラチン以外の分散剤を含有する場合、ゼラチン以外の分散剤としては、水溶性樹脂が好ましい。
本明細書において「水溶性」とは、25℃の水100gに対して5g以上(より好ましくは10g以上)溶解する性質をいう。
水溶性樹脂としては、上述したゼラチン以外の樹脂の中から、水溶性の樹脂を適宜選択して用いることができる。
第2の樹脂の含有量としては、平板状金属粒子の全質量に対して、1質量%以上50質量%以下の範囲が好ましい。
第2の樹脂の含有量が1質量%以上であると、平板状金属粒子の分散が行いやすく、平板状金属粒子の分散をより安定的に保持することができる。また、第2の樹脂の含有量50質量%以下であると、鏡面光沢性が高くなる点で有利である。
第2の樹脂の含有量は、鏡面光沢性の観点から、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下が更に好ましい。
(水)
本開示のインク組成物は、水を含有する。
水を含有することは、インクの取扱い性の観点、環境負荷軽減の観点等から好ましい。
インク組成物中における水の含有量としては、インク組成物の全量に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、50質量%以上が特に好ましい。また、インク組成物の吐出性の観点から、インク組成物中における水の含有量は、インク組成物の全量に対し、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
本開示のインク組成物が水を含有する場合、既述の第2の樹脂としてゼラチンを含有することが好ましい。これにより、平板状金属粒子の分散性がより向上するので、インク組成物の吐出性がより向上する。
(有機溶剤)
本開示のインク組成物は、インクジェット法によるインク組成物の吐出性の観点から、有機溶剤を含有することが好ましい。中でも、有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。
「水溶性」とは、25℃の水100gに対して5g以上(より好ましくは10g以上)溶解する性質をいう。
水溶性有機溶剤としては、公知のものを特に制限なく用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;が挙げられる。
これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、上記以外にも、例えば、特開2011−46872号公報の段落0176〜0179に記載されている水溶性有機溶剤、及び、特開2013−18846号公報の段落0063〜0074に記載されている水溶性有機溶剤の中から、適宜選択することもできる。
なお、多価アルコール類は、乾燥防止剤又は湿潤剤としても有用である。
多価アルコール類の例としては、特開2011−42150号公報の段落0117に記載の例が挙げられる。
また、他の水溶性有機溶剤としては、例えば、特開2011−46872号公報の段落0176〜0179に記載されている水溶性有機溶剤や、特開2013−18846号公報の段落0063〜0074に記載されている水溶性有機溶剤の中から、適宜選択することもできる。
水溶性有機溶剤としては、沸点が150℃以上であり、かつ、溶解度パラメーター(以下、「SP値」ともいう)が24MPa1/2以上である有機溶剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
沸点が150℃以上であること(即ち、特定有機溶剤の沸点が水の沸点よりも高いこと)により、溶剤の揮発に起因する吐出性の低下がより抑制される。沸点は、インク組成物の吐出性の観点から、170℃以上がより好ましく、180℃以上が更に好ましい。沸点の上限には制限はない。沸点の上限は、インク組成物の粘度の観点から、300℃が好ましい。沸点は、沸点測定器(Titan Technologies社製、DosaTherm300)により求められる値である。なお、本明細書における沸点は、大気圧下での沸点を意味する。
また、SP値が24MPa1/2以上であることにより、基材上に付与されたインク組成物(即ち、画像)中において、平板状金属粒子の配向性が向上し、結果、画像の鏡面光沢性が向上する。
SP値は、25MPa1/2以上がより好ましく、26MPa1/2以上が更に好ましく、27MPa1/2以上が特に好ましい。SP値の上限値には特に制限はない。SP値の上限値は、インク組成物の粘度の観点から、40MPa1/2が好ましい。
溶解度パラメーター(SP値)は、沖津法によって求められる値〔単位:MPa1/2〕である。沖津法は、従来周知のSP値の算出方法の一つであり、例えば、日本接着学会誌Vol.29、No.6(1993年)249〜259頁に詳述されている方法である。
沸点が150℃以上であり、かつ、SP値が24MPa1/2以上である水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール(197℃、29.9MPa1/2)、ジエチレングリコール(244℃、24.8MPa1/2)、プロピレングリコール(188℃、27.6MPa1/2)、1,4−ブタンジオール(230℃、30.7MPa1/2)、1,2−ペンタンジオール(206℃、28.6MPa1/2)、1,5−ペンタンジオール(206℃、29.0MPa1/2)、1,6−ヘキサンジオール(250℃、27.7MPa1/2)、グリセリン(290℃、33.8MPa1/2)、ホルムアミド(210℃、39.3MPa1/2)、ジメチルホルムアミド(153℃、30.6MPa1/2)、トリエタノールアミン(208℃(20hPa)、32.3MPa1/2)、ポリエチレングリコール(250℃、26.1MPa1/2)、1,2−へキサンジオール(223℃、24.1MPa1/2)、ジプロピレングリコール(230℃、27.1MPa1/2)、1,2−ブタンジオール(191℃(747mmHg、文献値)、26.1MPa1/2)が挙げられる。
なお、上記において、カッコ内の数値は、記載した順に、沸点(単位:℃)、及びSP値(単位:MPa1/2)を示す。
上記の中でも、有機溶剤をインク組成物に含める場合、インク組成物の吐出性の観点から、水溶性有機溶剤であるプロピレングリコール、グリセリン、又はエチレングリコールを用いることが好ましい。
本開示のインク組成物が有機溶剤(好ましくは水溶性有機溶剤)を含有する場合、有機溶剤の含有量は、インク組成物の全量に対して、5質量%〜80質量%が好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、5質量%〜50質量%がさらに好ましく、10質量%〜40質量%が特に好ましい。
(他の成分)
本開示のインク組成物は、上記した成分以外の他の成分を含有することができる。
他の成分としては、界面活性剤、ワックス、糖、糖の誘導体、その他添加成分(防腐剤、消泡剤など)を挙げることができる。
−界面活性剤−
本開示のインク組成物は、界面活性剤を少なくとも1種含有してもよい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤としては、特に制限されず公知のフッ素系界面活性剤から選択できる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書株式会社、1960年発行)に記載されているフッ素系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子中にパーフルオロ基を含み、屈折率が1.30〜1.42(好ましくは1.32〜1.40)であるフッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤の屈折率が1.30〜1.42であることにより、形成された画像の鏡面光沢性がより向上する。
屈折率は、カルニュー精密屈折計((株)島津製作所製、KPR−3000)により測定される。フッ素系界面活性剤が液体の場合、フッ素系界面活性剤をセルに収容し屈折率を測定する。フッ素系界面活性剤が固体の場合、固体試料をカルニュー精密屈折計((株)島津製作所製、KPR−3000)付属のVブロックプリズムに設置するVブロック法にて、屈折率を測定する。
また、フッ素系界面活性剤が分子中にパーフルオロ基を含むことで、フッ素系界面活性剤の屈折率を上記の範囲に調整しやすく、また、比較的少量でインク組成物の表面張力を調整することができる。
分子内にパーフルオロ基を含み、屈折率が1.30〜1.42であるフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号及び同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、市販されているものを用いてもよく、例えば、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)シリーズ(例えば、S−243、S-242)、DIC(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ(例えば、F-444、F−410)、3M社製のNOVEC(登録商標)シリーズ(例えば、27002)、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社製のゾニールシリーズ(例えば、FSE)などが挙げられる。
インク組成物に含まれるフッ素系界面活性剤の含有量は、インク組成物の全量に対して0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.05質量%〜1.0質量%がより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%がさらに好ましい。
フッ素系界面活性剤の含有量が上記の範囲であると、インク組成物の吐出性がより良好な範囲に、インク組成物の表面張力を調整しやすい。
−ワックス−
本開示のインク組成物は、ワックスを含有していてもよい。これにより、記録物の耐擦性がより向上する。
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、パラフィン混合ワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン混合ワックス、酸化高密度ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリプロピレン混合ワックス、カルナバワックス、アマイドワックス等の樹脂ワックスが挙げられる。
これらのうち、パラフィン混合ワックス、ポリエチレンワックス、又はポリエチレン混合ワックスが好ましい。
ワックスの例として、市販のワックス分散液を用いてもよい。
市販のワックス分散液(エマルションワックス)としては、例えば、AQUACER507(ビックケミー社製)、AQUACER515(ビックケミー社製)、AQUACER531(ビックケミー社製)、AQUACER537(ビックケミー社製)、AQUACER539(ビックケミー社製)、CERAFLOUR990(ビックケミー社製)、CERAFLOUR995(ビックケミー社製)等が挙げられる。
本開示のインク組成物がワックスを含有する場合、ワックスは、1種のみであっても2種以上であってもよい。
インク組成物がワックスを含有する場合、ワックスの含有量には特に制限なないが、インク組成物の全量に対して、0.02質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。ワックスの含有量が0.02質量%以上であると、画像の耐擦性がより向上する。また、ワックスの含有量が1.5質量%以下であると、画像の鏡面光沢性がより向上する。
−糖、糖の誘導体−
本開示のインク組成物は、糖及び糖の誘導体の少なくとも一方(以下、「糖類」ともいう。)を含有していてもよい。これにより、印刷物の耐ガス性がより向上する。
糖類としては特に限定はないが、印刷物の耐ガス性向上及びインク組成物の吐出安定性向上の観点から、4糖以上の糖であることが好ましい。
本開示のインク組成物が糖類を含有する場合、本開示のインク組成物は、糖類を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。好ましい態様は、インク組成物が単糖と2糖以上の糖とを含有している場合であり、特に好ましい態様は、インク組成物が単糖と4糖以上の糖とを含有している場合である。
インク組成物が単糖と4糖以上の糖とを含有している場合、単糖を45質量%以下含有し、かつ、4糖以上の糖を10質量%以上含有していることが好ましく、単糖を7質量%以下含有し、かつ、4糖以上の糖を70質量%以上含有していることが特に好ましい。
糖としては、単糖、多糖が挙げられる。
糖として、具体的には、グルコース、リボース、マンニトール、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。
ここで、多糖とは、広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質も「多糖」の概念に包含される。
糖の誘導体としては、還元糖(例えば糖アルコール)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ糖、チオ糖、等が挙げられる。
糖アルコールとしては、HOCH(CHOH)CHOH〔nは、2〜5の整数を表す。〕で表される糖アルコールが挙げられる。
糖を含有するインク組成物は、市販の混合糖(シラップ)を用いて調製されてもよい。
市販品の混合糖(シラップ)としては、例えば、HS−20、HS−30、HS−40、HS−60、HS−300、HS−500等の還元澱粉糖化物(以上、林原社の商品名)、ハローデックス、マビット(以上、林原社の商品名)等が挙げられる。
インク組成物が糖類を含有する場合、インク組成物の吐出安定性の観点から、糖類の含有量は、インク組成物の全量に対して、45質量%以下であることが好ましい。糖類の含有量は、インク組成物の吐出安定性及び画像の耐擦性の観点から、インク組成物の全量に対して、2質量%以上45質量%以下が好ましく、2質量%以上25質量%以下がより好ましく、5質量%以上20質量%以下が更に好ましく、5質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
−その他の添加成分−
本開示のインク組成物は、上記以外のその他の添加成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、ポリマー粒子、着色剤、固体湿潤剤(尿素等)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、キレート剤等も挙げられる。
防腐剤としては、特開2014−184688号公報の段落〔0073〕〜〔0090〕の記載を参照することができる。
消泡剤としては、特開2014−184688号公報の段落〔0091〕及び〔0092〕の記載を参照することができる。
ポリマー粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167、及び特開2011−62998号公報の段落0180〜0234に記載されている自己分散性ポリマー粒子が挙げられる。
本開示のインク組成物は、必要に応じて着色剤(顔料、染料)を含有してもよい。
また、本開示のインク組成物は、重合性化合物を含む光硬化型のインクに調製されたものでもよい。この場合、インク組成物は、更に重合開始剤を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、例えば、2011−184628号公報の段落0128〜0144、特開2011−178896号公報の段落0019〜0034、又は特開2015−25076の段落0065〜0086等に記載されている重合性化合物(例えば、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物)が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、特開2011−184628号公報の段落0186〜0190、特開2011−178896号公報の段落0126〜0130、又は特開2015−25076の段落0041〜0064に記載されている公知の重合開始剤が挙げられる。
−インク組成物の好ましい物性−
本開示のインク組成物の物性には、特に制限はないが、以下の物性を有するものが好ましい。
(pH)
本開示のインク組成物は、25℃(±1℃)におけるpHが7.5以上であることが好ましい。インク組成物のpH(25℃±1℃)は、pH7.5〜13が好ましく、7.5〜10がより好ましい。
本開示のインク組成物の粘度としては、0.5mPa・s〜10mPa・sの範囲が好ましく、1mPa・s〜7mPa・sの範囲がより好ましい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて30℃の条件下で測定されるものである。
本開示のインク組成物の25℃(±1℃)における表面張力としては、60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m〜50mN/mであることがより好ましく、25mN/m〜45mN/mであることがさらに好ましい。基材が樹脂基材である場合、インク組成物の表面張力が60mN/m以下であると、濡れ性向上の観点から有利である。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用い、プレート法により測定されるものである。
−インク組成物の用途−
本開示のインク組成物は、鏡面光沢性の効果をより効果的に得る観点から、最小幅1mm以上の画像の形成に用いられることが好ましい。画像の最小幅は、2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることが特に好ましい。また、画像の最小幅の上限には特に制限はない
本開示のインク組成物は、インクジェット法による画像記録全般に特に制限なく用いられるものであるが、特に、インクジェット法による加飾画像の記録に用いられることが好ましい。
加飾画像の記録とは、対象物に対し装飾を加えることを目的とする記録全般を意味する。加飾画像の記録は、上記目的以外の印刷(例えば、電子回路を印刷するための印刷)とは異なる。
−インク組成物の製造方法−
本開示のインク組成物を製造する方法としては、特に制限はなく、上述の各成分を混合する方法を適用することができる。本開示のインク組成物は、好ましくは、平板状金属粒子を含有する分散液を準備する工程と、少なくとも分散液と第1の樹脂と第2の樹脂と必要に応じて有機溶剤及び界面活性剤等の他の成分とを混合する工程と、を有する製造方法(以下、「製造方法A」とする)により製造される。分散液が水を含む場合、分散液と第1の樹脂等とを混合する工程で水を混合する必要はないが、分散液が水を既に含有しているか否かに関わらず、分散液と第1の樹脂等とを混合する工程で水を混合してもよい。
<インクセット>
本開示のインクセットは、既述の本開示に係るインク組成物である第1インクと、第1インクとは異なる、着色剤を含有する第2インクと、を有している。第1インクの詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
第2インクは、黒色もしくは白色の着色剤を含む無彩色のインク、又はR(赤色)、G(緑色)、B(青色)、Y(黄色)、M(マゼンタ色)もしくはC(シアン色)の着色剤を含む有彩色のインクから選ばれる少なくとも一つを含む。
すなわち、本開示のインクセットは、鏡面光沢性のある鏡面画像と鏡面光沢のない着色画像とを組み合わせた画像を記録することができるインクセットである。
本開示のインクセットの好ましい用途は、基材上に、第1インクによる画像(鏡面画像)と第2インクによる着色画像とを並べて又は重ねて形成する用途である。この用途において、第1インクによる鏡面画像及び第2インクによる着色画像は、いずれが下層(基材に近い側の層)であってもよい。中でも、第1インクによる鏡面画像を下層(基材に近い側の層)とし、第2インクによる着色画像を上層(基材からみて遠い側の層)とした画像が好ましい。このような画像では、第1インクによる鏡面画像と第2インクによる着色画像との重なり部分において、鏡面光沢性を有する着色画像が得られる。
また、第2インクによる着色画像を下層とし、第1インクによる鏡面画像を上層とした場合には、第1インクによる鏡面画像と第2インクによる着色画像との重なり部分において、第1インクによる画像(例えば銀色の画像)によって、第2インクによる着色画像を隠蔽することができる。
−第2インク−
第2インクとしては、着色剤を含有する公知のインクを特に制限なく用いることができる。第2インクは、主たる溶媒として水を含有する水系インクであってもよいし、主たる溶媒として溶剤を含有する溶剤系インクであってもよい。
また、第2インクは、重合性化合物(及び好ましくは光重合開始剤)を含有する光硬化型のインクであってもよい。
第2インクは、着色剤(顔料、染料等)を含有することが好ましい。着色剤としては、画像の耐光性、画像の耐候性などの観点から、顔料が好ましい。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。顔料としては、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料が挙げられる。また、顔料としては、市販の顔料分散体、表面処理された顔料(顔料を分散媒として、水、液状有機化合物、不溶性の樹脂等に分散させたもの、樹脂、顔料誘導体等で顔料表面を処理したものなど)も挙げられる。
有機顔料及び無機顔料としては、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
着色剤として顔料を用いる場合には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。
顔料等の色材及び顔料分散剤については、特開2014−040529号公報の段落[0180]〜[0200]を適宜参照することができる。
顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料の第2インク中における含有量としては、画像濃度の観点から、第2インクに対して、1質量%以上が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、2質量%〜10質量%がさらに好ましい。
本開示のインクセットにおいて、第1インクにおける着色剤の含有量が第1インク全量に対して1質量%未満(より好ましくは0.1質量%以下)であり、かつ、第2インクにおける着色剤の含有量が第2インク全量に対して1質量%以上(より好ましくは1質量%〜20質量%、さらに好ましくは2質量%〜10質量%)であることが好ましい。
<画像記録方法>
本開示の画像記録方法は、既述の本開示に係るインク組成物を、インクジェット法によって基材に付与するインク付与工程を有している。
基材としては、紙基材、樹脂基材等を特に制限無く使用できる。
紙基材としては、普通紙、光沢紙、コート紙、等が挙げられる。
光沢紙は、原紙と、原紙上に配置された高分子あるいは多孔性微粒子と、を備える紙基材である。光沢紙の市販品としては、特に限定されないが、例えば、富士フイルム(株)製の「画彩(登録商標)」、セイコーエプソン(株)製の写真用紙あるいはフォト光沢紙、コニカミノルタ(株)製の光沢紙、等が挙げられる。
コート紙は、原紙と、原紙上に配置されたコート層と、を備える紙基材である。コート紙の市販品としては、特に限定されないが、例えば、王子製紙(株)製の「OKトップコート(登録商標)+」、日本製紙(株)の「オーロラコート」、等が挙げられる。
紙基材としては、画像の鏡面光沢性により優れた画像が得られる点で、光沢紙又はコート紙が好ましく、光沢紙がより好ましい。
樹脂基材としては、樹脂フィルムが挙げられる。
樹脂基材(例えば樹脂フィルム)の樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene Naphthalate)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、等が挙げられる。中でも、画像の鏡面光沢性により優れた画像が得られる点で、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレンテレフタレート(PET)、三酢酸セルロースが好ましい。
本開示の画像記録方法における基材としては、より優れた鏡面光沢性を有する画像の記録が可能である点で、光沢紙、コート紙、又は樹脂基材が好ましく、光沢紙又は樹脂基材がより好ましく、樹脂基材が特に好ましい。
また、本開示の画像記録方法における基材としては、既に画像(以下、画像Xともいう。)が形成されている基材(即ち、印刷物)であってもよい。即ち、本開示の画像記録方法は、既に画像Xが形成されている基材(印刷物)の画像X上に、本開示のインク組成物を用いて画像を記録する方法であってもよい。
インクジェット法の方式としては特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインク組成物を吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインク組成物に照射して放射圧を利用してインク組成物を吐出させる音響インクジェット方式;インク組成物を加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式;等を適宜採用できる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドの方式は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でもよい。
また、インクジェットヘッドからのインク組成物の吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等);電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等);静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等);放電方式(例えば、スパークジェット型等);などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いてもよい。
尚、インクジェット法によりインク組成物を吐出する際に使用するインク組成物ノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェット法における記録方式としては、単尺のシリアルヘッドを用いヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式;基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式(シングルパス方式);等が挙げられる。
インク付与工程は、インク組成物を、ノズル径25μm未満のノズルを有するインクジェットヘッドの上記ノズルから吐出することにより、基材に付与する工程であることが好ましい。
平板状金属粒子の平均円相当径が500nm未満である場合、ノズル径25μm未満のノズルから吐出される場合においてもノズル詰まりが抑制される。また、ノズル径が25μm未満であることは、より精細な画像を形成できるという利点を有する。
ノズル径としては、5μm以上25μm未満がより好ましく、10μm以上25μm未満がさらに好ましく、15μm以上25μm未満が特に好ましい。
本開示の画像記録方法は、基材に付与されたインク組成物を乾燥させる工程を有していてもよい。
乾燥は、室温における自然乾燥であっても加熱乾燥であってもよい。基材として樹脂基材を用いる場合には、加熱乾燥が好ましい。
加熱乾燥の手段としては、特に制限はなく、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート版加熱などを使用することができる。
加熱乾燥の温度としては、30℃以上が好ましく、30℃〜70℃程度がより好ましく、30℃〜60℃程度が更に好ましい。また、加熱乾燥の時間は、インク組成物の組成及びインク組成物の吐出量を加味して適宜設定することができ、1分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましく、5分〜60分が特に好ましい。
本開示の画像記録方法は、既述の本開示のインクセットを用いて行ってもよい。
既述の本開示に係るインクセットを用いる場合、画像記録方法は、第1インクを、インクジェット法によって基材に付与する第1インク付与工程と、第2インクを、インクジェット法によって基材に付与する第2インク付与工程と、を有している。
第1インク付与工程及び第2インク付与工程は、いずれを先に施してもよい。
また、本開示のインクセットを用いた画像記録方法では、第1インク付与工程と第2インク付与工程との間、並びに、第1インク付与工程及び第2インク付与工程のうち後に実施される工程の後、の少なくとも一方に、インク組成物を乾燥させる工程を設けてもよい。インク組成物を乾燥させる工程については、既述の通りである。
第1インク付与工程を先工程とし、第2インク付与工程を後工程とした場合の画像記録方法の好ましい態様は、第1インクを基材に付与する第1インク付与工程と、第1インクが付与された基材の第1インク上に、第2インクを付与する第2インク付与工程と、を有する態様である。この態様によれば、第1インクによる鏡面画像と第2インクによる着色画像との重なり部分において、鏡面光沢性を有する着色画像を形成することができる。
また、第2インク付与工程を先工程とし、第1インク付与工程を後工程とした場合の画像記録方法の好ましい態様は、第2インクを基材に付与する第2インク付与工程と、第2インクが付与された基材の第2インク上に、第1インクを付与する第1インク付与工程と、を有する態様である。この態様によれば、第1インクによる画像と第2インクによる画像との重なり部分において、第1インクによる画像(例えば銀色の画像)によって、第2インクによる着色画像を隠蔽することができる。
第1インク付与工程の好ましい態様は、既述のインク付与工程の好ましい態様と同様である。
第2インク付与工程における第2インクの付与方法としては、公知の画像記録方法における基材へのインク組成物の付与方法を特に制限なく適用できる。
第2インク付与工程は、第1インク付与工程と同じ条件で実施してもよいし、第1インク付与工程とは異なる条件で実施してもよい。
<記録物>
本開示に係る記録物は、基材と、基材上に配置され、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子、アニオン部位を有する第1の樹脂、並びに、「アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、及びイミノ基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂」を含む画像(即ち、鏡面画像)と、を備えている。
基材及び画像中の含有成分の詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
更に、基材と画像(鏡面画像)との間、及び、画像(鏡面画像)の上の少なくとも一方に、着色剤を含む着色画像を備えている態様が好ましい。
このうち、画像(鏡面画像)の上に着色剤を含む着色画像を備えた態様では、鏡面画像と着色画像との重なり部分において、鏡面光沢性を有する着色画像が設けられている。
また、基材と画像(鏡面画像)との間に着色剤を含む着色画像を備えた態様では、鏡面画像と着色画像との重なり部分において、鏡面画像(例えば銀色の画像)によって着色画像が隠蔽された画像となっている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<金属粒子分散液Aの調製>
金属粒子の分散液として、金属粒子分散液Aを調製した。以下に詳細を示す。
−金属粒子形成液の調製−
高Cr−Ni−Moステンレス鋼(NTKR−4、日本金属工業(株)製)製の反応容器を準備した。この反応容器は、ステンレス鋼(SUS316L)製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚及びNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えている。
上記反応容器内にイオン交換水13L(リットル)を入れ、イオン交換水を上記アジターによって撹拌しながら、さらに10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加した。得られた液体を35℃に保温した。
35℃に保温された上記液体に対し、8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、更に、水素化ホウ素ナトリウムの濃度を23g/Lに調節した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。ここで、水素化ホウ素ナトリウム水溶液の濃度の調節は、0.04N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いて行った。
水素化ホウ素ナトリウム水溶液が添加された液体に対し、更に0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/minの速度で添加した。
得られた液体に対し、更に、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液2.0L及びイオン交換水11Lを添加し、更に80g/Lのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液0.68Lを添加した。
次に、撹拌の速度を800rpm(round per minute;以下同じ)に上げ、次いで0.10g/Lの硝酸銀水溶液8.1Lを0.95L/minで添加した後、得られた液体の温度を30℃に降温した。
30℃に降温した液体に対し、44g/Lのメチルヒドロキノン水溶液8.0Lを添加し、次いで、後述する40℃のゼラチン水溶液を全量添加した。
次いで、撹拌の速度を1200rpmに上げ、後述する亜硫酸銀白色沈殿物混合液を全量添加した。亜硫酸銀白色沈殿物混合液が添加された液体のpHは、除々に変化した。
上記液体のpHの変化が止まった段階で、この液体に対し、1N(mol/L)のNaOH水溶液5.0Lを0.33L/minで添加した。得られた液体をNaOH及びクエン酸(無水物)を用いてpH=7.0±1.0に調整した。次に、このpH調整後の液体に対して2.0g/Lの1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム水溶液0.18Lを添加し、次いでアルカリ性に調整して溶解させた70g/Lの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン水溶液0.078Lを添加した。
以上により、金属粒子形成液を調製した。
金属粒子形成液は、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器(低密度ポリエチレン製容器、アズワン(株)製)に分液して収容し、30℃で貯蔵した。
なお、金属粒子形成液の物理特性は、以下の通りであった。
・25℃のpH=9.4
pHの測定は、アズワン(株)製のKR5Eを用いて金属粒子形成液を25℃に調整して行った。
・電気伝導度=8.1mS/cm
電気伝導度の測定は、東亜ディーケーケー(株)製のCM−25Rを用いて行った。
・粘度=2.1mPa・s
粘度の測定は、(株)エー・アンド・デイ製のSV−10を用いて金属粒子形成液を25℃に調整して行った。
−ゼラチン水溶液の調製−
SUS316L製のアジターを備えたSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水16.7Lを入れ、イオン交換水を上記アジターで低速撹拌しながら、更に脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPCによる重量平均分子量:20万)1.4kgを添加した。
得られた液体に、更に、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、及び過酸化水素による酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(GPCによる重量平均分子量:2.1万)0.91kgを添加した。その後、液体の温度を40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤及び溶解を同時に行うことにより、ゼラチンを完全に溶解させた。
以上により、ゼラチン水溶液を調製した。
−亜硫酸銀白色沈殿物混合液の調製−
SUS316L製のアジターを備えたSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水8.2Lを入れ、更に100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。得られた液体を上記アジターで高速撹拌しながら、更に140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加することにより、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む混合液(亜硫酸銀白色沈殿物混合液)を調製した。
亜硫酸銀白色沈殿物混合液は、使用する直前に調製した。
−金属粒子分散液Aの調製(脱塩処理及び再分散処理)−
上記の金属粒子形成液に対し、脱塩処理及び再分散処理を施すことにより金属粒子分散液Aを得た。詳細な操作は以下の通りである。
上記のように調製した金属粒子形成液を遠沈管に800g採取し、1mol/Lの硫酸を用いて25℃でのpHを9.2±0.2に調整した。
pH調整後の金属粒子形成液に対し、遠心分離機(日立工機(株)製、himacCR22GIII、アングルローターR9A)を用い、35℃、9000rpm、及び60分間の条件で遠心分離操作を行った。その後、上澄液を784g捨て、残った固体(金属粒子及びゼラチンを含む固体)に0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計40gとした。そして、撹拌棒を用いて手撹拌することにより、粗分散液Xを得た。
上記と同様の操作を行って、120本分の粗分散液Xを調製し、全ての粗分散液X(合計で4800g)をSUS316L製のタンクに投入して混合した。次いで、このタンク内に、更にPluronic31R1(BASF社製、ノニオン系界面活性剤)の10g/L溶液(溶媒として、メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液を含む)を10mL添加した。
次に、プライミクス(株)製のオートミクサー20型(撹拌部:ホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液Xの混合物に対し、9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散処理中の液温を50℃に保った。
分散処理を終了した後、25℃に降温し、プロファイルIIフィルター(日本ポール(株)製、製品型式:MCY1001Y030H13)を用いてシングルパスの濾過を行った。
以上の操作を施すことによって、金属粒子形成液に対して脱塩処理及び再分散処理を施し、金属粒子分散液Aを調製した。
調製した金属粒子分散液AをユニオンコンテナーII型の20L容器に収納し、30℃で貯蔵した。
金属粒子分散液Aは、金属粒子の金属粒子分散液の全質量に対する含有量は10質量%であり、ゼラチンの金属粒子分散液の全質量に対する含有量は1質量%であった。
なお、金属粒子分散液Aの物理特性(pH、電気伝導度、粘度)を上記と同様の方法で測定した結果を以下に示す。
・pH(25℃)=7.0
・電気伝導度=0.08mS/cm
・粘度(25℃)=7.4mPa・s
[金属粒子の形状]
金属粒子分散液Aを、応研商事株式会社製のエラスチックカーボン支持膜STEM100Cuの上に滴下し、乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより、分散液Aに含有される金属粒子の形状を確認した。金属粒子の形状は、平板状の銀粒子であった。結果を表1に示す。
[金属粒子の平均円相当径]
金属粒子分散液Aに含有される金属粒子の形状を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察して得られたTEM像を、画像処理ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)提供)に取り込み、画像処理を施した。
詳細には、数視野のTEM像から任意に抽出した500個の金属粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。得られた500個の金属粒子の同面積円相当直径を単純平均(数平均)することにより、金属粒子の平均円相当径を求めた。結果を表1に示す。
[金属粒子の平均厚さ]
金属粒子分散液Aをシリコン基板上に滴下して乾燥させ、観察用サンプルとした。観察用サンプルを用い、FIB−TEM(Focused Ion Beam−Transmission electron microscopy)法によって金属粒子分散液Aに含まれる金属粒子500個の厚さを測定した。500個の金属粒子の厚さを単純平均(数平均)することにより、金属粒子の平均厚さを求めた。結果を表1に示す。
[金属粒子の平均アスペクト比]
上記の平均円相当径を上記の平均厚さで割ることにより、金属粒子の平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
<金属粒子分散液B〜E及びGの調製>
上記の「−金属粒子形成液の調製−」において、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量、及び、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」の添加のタイミングを変えたこと以外は、金属粒子分散液Aの調製と同様にして、平板状金属粒子を含む金属粒子分散液B〜E(いずれも平板状の銀粒子)及び球状金属粒子を含む金属粒子分散液Gをそれぞれ調製した。
具体的には、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量を減らすことにより、形成される金属粒子の平均円相当径を上昇させ、平均アスペクト比を上昇させた。また、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」の添加のタイミングを早めること(例えば、亜硫酸銀白色沈殿物混合液が添加された液体のpHの変化が止まる前に、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」を添加すること)により、平均アスペクト比を低下させて球形状を形成した。
そして、調製した金属粒子分散液B〜Hのそれぞれに対し、金属粒子分散液Aと同様の測定及び確認を行った。結果を表1に示す。
<金属粒子分散液Fの準備>
金属粒子分散液Fとして、平板状金粒子を含有する金ナノプレート水分散液Au−WPLC3−C(大日本塗料株式会社製)を用意した。
この水分散液に含有される金属粒子は、平板状の金粒子である。
〔実施例1〜15、比較例1〜10〕
<インク1〜12の調製>
金属粒子の含有率が2質量%となる量の上記金属粒子分散液A〜Eを用い、下記組成のインク1〜12を調製した。表1中のインク1〜12の分散液は、金属粒子分散液A〜Eを示す。
なお、既述の方法により測定した各インクの粘度(30℃)は下記の通りである。
インク1:5.0mPa・s、インク2:5.0mPa・s、インク3:5.0mPa・s、インク4:5.0mPa・s、インク5:5.0mPa・s、インク6:7.0mPa・s、インク7:8.5mPa・s、インク8:9.5mPa・s、インク9:11mPa・s、インク10:4.0mPa・s、インク11:4.5mPa・s、インク12:4.5mPa・s
<組成>
・金属粒子(平板状銀粒子) … 2質量%
・下記表1に示す第1の樹脂(アニオン性ポリマー) …下記表1に記載の量
・下記表1に示す第2の樹脂 … 下記表1に記載の量
ゼラチン:重量平均分子量20万のアルカリ処理牛骨ゼラチンと重量平均分子量2.1万のアルカリ処理牛骨ゼラチンとの混合物
ポリエチレンイミン:Polysciences社製のPolyethylenimine,Linear(Mw:25,000)、重量平均分子量:25,000
・プロピレングリコール(有機溶剤) … 30質量%
・サーフロン(登録商標)S−243 … 0.15質量%
(パーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤1、屈折率=1.35、AGCセイミケミカル(株)製)
・イオン交換水 … 合計で100質量%となる残量
表1中に示す第1の樹脂の詳細を以下に示す。
なお、pkaは、第1の樹脂のモノマー成分について、富士通株式会社製のACD/Perceptaにて計算により求めた値である。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:Alfa Aesar社製のPoly(styrene sulfonic acid)sodium salt;アニオン部位である酸基の塩(スルホン酸ナトリウム塩)を有し、pkaが−0.53であるスチレンスルホン酸ナトリウムに由来の構造単位を含む。既述の方法により測定した重量平均分子量(Mw)=300,000)
ポリアクリル酸ナトリウム:東亞合成株式会社製のアロンAH−10;アニオン部位である酸基の塩(アクリル酸ナトリウム塩)を有し、pkaが4.2であるアクリル酸ナトリウムに由来の構造単位を含む。既述の方法により測定した重量平均分子量(Mw)=200,000)
<インク13の調製>
金属粒子の含有率が2質量%となる量の上記金属粒子分散液Fを用い、下記組成のインク13を調製した。表1中のインク13の分散液は、金属粒子分散液Fを示す。既述の方法により粘度(25℃)を測定したところ、5.0mPa・sであった。
<組成>
・金属粒子(平板状金粒子) … 2質量%
(大日本塗料株式会社製、Au−WPLC3−C)
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム … 0.2質量%
(第1の樹脂であるアニオン性ポリマー)
・ゼラチン(第2の樹脂) … 0.2質量%
(重量平均分子量20万のアルカリ処理牛骨ゼラチンと重量平均分子量2.1万のアルカリ処理牛骨ゼラチンとの混合物)
・プロピレングリコール(有機溶剤) … 30質量%
・サーフロン(登録商標)S−243 … 0.15質量%
(パーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤1、屈折率=1.35、AGCセイミケミカル(株)製)
・イオン交換水 … 合計で100質量%となる残量
インク1〜13に含まれる金属粒子の形状及びサイズ(形状、平均円相当径、平均厚さ、及び平均アスペクト比)を、金属粒子分散液に含まれる金属粒子の形状及びサイズの確認と同様の方法により確認したところ、金属粒子分散液に含まれる金属粒子の形状及びサイズ(表1記載の形状及びサイズ)と同様であった。
<インクセット1〜2の作製>
上記のインク4と下記のイエローインク又はシアンインクとを備えたインクセット1〜2を作製した。
−イエローインクの調製−
インク1の調製において、金属粒子を同量のC.I.ピグメント・イエロー155(クラリアント社製、INKJET YELLOW 4G VP2532)に代えたこと以外は、インク1の調製と同様にして、イエローインクを調製した。
−シアンインクの調製−
インク1の調製において、金属粒子を同量のC.I.ピグメントブルー15(東京化成工業社製)に代えたこと以外は、インク1の調製と同様にしてシアンインクを調製した。
<比較用インク21〜30の調製>
金属粒子の含有率が2質量%となる量の上記金属粒子分散液D、Gを用い、下記組成のインク21〜30を調製した。
なお、既述の方法により測定した各インクの粘度(30℃)は下記の通りである。
インク21:2.8mPa・s、インク22:2.8mPa・s、インク23:5.0mPa・s、インク24:13mPa・s、インク25:2.8mPa・s、インク26:2.9mPa・s、インク27:3.2mPa・s、インク28:3.2mPa・s、インク29:5.0mPa・s、インク30:5.2mPa・s
<組成>
・金属粒子(球状銀粒子、平板状銀粒子)… 2質量%
・下記表1に示す第1の樹脂 … 下記表1に記載の量
・下記表1に示す第2の樹脂 … 下記表1に記載の量
(重量平均分子量20万のアルカリ処理牛骨ゼラチンと重量平均分子量2.1万のアルカリ処理牛骨ゼラチンとの混合物)
・プロピレングリコール(有機溶剤) … 30質量%
・サーフロン(登録商標)S−243 … 0.15質量%
(パーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤1、屈折率=1.35、AGCセイミケミカル(株)製)
・イオン交換水 … 合計で100質量%となる残量
表1中の比較例で用いた成分の詳細を以下に示す。
PEG:ポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)
PVP:ポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)
なお、PEG及びPVPのpkaは、J. Am. Chem. Soc., 1960, 82 (4), pp795−798又はSerjeant EP, Dempsey B; Ionisation constants of organic acids in aqueous solution. IUPAC Chem Data Ser No.23. NY,NY: Pergamon pp.989(1979)に記載されている文献値である。また、グリセリンのpkaは、富士通株式会社製のACD/Perceptaにて計算により求めた値である。
<画像記録及び評価>
(1)実施例1〜11、14〜15、及び比較例1〜10
インクジェットプリンター(FUJIFILM DIMATIX社製、DMP−2831)の専用カートリッジ(Dimatix Materials Cartridge(Jetpowerd))に、上記インク1〜13のいずれかを順次充填した。専用カートリッジは、インクカートリッジとインクジェットヘッドとが一体化された構造を有し、インクジェットヘッドはノズル径21.5μm及びノズル数16のノズルを有するものである。次いで、インクが充填された専用カートリッジを、インクジェットプリンターにセットした。
専用カートリッジがセットされたインクジェットプリンターを用い、インク1〜13のそれぞれを順次、室温下で基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に専用カートリッジのノズルから吐出することにより、PET上に鏡面光沢のあるベタ画像(Solid image;長さ70mm×幅30mm)を記録した。ベタ画像を記録する際、ドット密度を1200dpi(dot per inch)とし、打滴量を23g/mとした。
(2)実施例12〜13
インクセット1又は2を用い、インクジェットプリンター(FUJIFILM DIMATIX社製、DMP−2831)の専用カートリッジ(Dimatix Materials Cartridge(Jetpowerd))に上記インク4とイエローインク又はシアンインクとを充填した。専用カートリッジは、インクカートリッジとインクジェットヘッドとが一体化された構造を有し、インクジェットヘッドはノズル径21.5μm及びノズル数16のノズルを有するものである。次いで、インクが充填された専用カートリッジを、インクジェットプリンターにセットした。
専用カートリッジがセットされたインクジェットプリンターを用い、室温下で専用カートリッジのノズルから、まずインク4を基材であるPETフィルム上に吐出して鏡面光沢のあるベタ画像(Solid image;長さ70mm×幅30mm)を記録した。ベタ画像を室温で1時間静置した条件で乾燥させた後、イエローインク又はシアンインクを順次、室温下で専用カートリッジのノズルから、PET上の鏡面光沢のあるベタ画像の上に重ねて吐出し、イエロー色のベタ画像部又はシアン色のベタ画像部とを記録した。PETフィルム上には、PETフィルム側から、鏡面光沢のあるベタ画像と、イエロー色又はシアン色のベタ画像部と、が重層された画像が記録されている。
なお、鏡面光沢のあるベタ画像及びイエロー色もしくはシアン色のベタ画像部を記録する際、いずれも、ドット密度を1200dpiとし、打滴量を23g/mとした。
上記のようにして行った画像の記録及びベタ画像について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(インクの増粘効果)
第1の樹脂又はその対比成分を添加する前後でのインクの粘度を、Thermo Scientific社製のAAKE MARSIIIを用いて測定し、粘度の上昇率を求めた。測定は、測定ジオメトリとしてコーン−プレートを使用し、温度30℃、回転数200rpmの条件にて行った。粘度の上昇率に基づき、以下の評価基準にしたがって評価した。評価基準のうち、AA、A、又はBが実用に適した範囲であるものとする。
<評価基準>
AA:第1の樹脂又はその対比成分の添加により、添加前の粘度に対して75%以上の粘度上昇がみられた。
A :第1の樹脂又はその対比成分の添加により、添加前の粘度に対して50%以上75%未満の粘度上昇がみられた。
B :第1の樹脂又はその対比成分の添加により、添加前の粘度に対して25%以上50%未満の粘度上昇がみられた。
C :第1の樹脂又はその対比成分の添加により、添加前の粘度に対して10%以上25%未満の粘度上昇がみられた。
D :第1の樹脂又はその対比成分の添加により、添加前の粘度に対して10%未満の粘度上昇しか認められなかった。
(インクの吐出性)
インク1〜13及び21〜30をそれぞれ吐出して画像を記録する際、吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生の有無を目視で観察し、更にインク吐出の様子をインクジェットプリンターDMP−2831に付属のカメラで撮影して100個のインク液を観察して分離又は液別れの発生率を求め、以下の評価基準にしたがって評価した。評価基準のうち、AA、A、又はBが実用に適した範囲であるものとする。
<評価基準>
AA:吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生率が1%未満である。
A :吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生率が1%以上5%未満である。
B :吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生率が5%以上20%未満である。
C :吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生率が20%以上50%未満である。
D :吐出されたインク滴の分離又は液別れの発生率が50%以上である。
(乾燥速度)
インクが吐出されたPETフィルムを室温(25℃)下で放置し、目視により乾燥の程度を観察して乾燥するまでの時間(乾燥速度)を確認し、第1の樹脂又はその対比成分を添加する前後でのインクの乾燥性を以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
AA:第1の樹脂又はその対比成分の添加後のインクは、添加前のインクに対して乾燥時間が短い。
A :第1の樹脂又はその対比成分の添加後のインクは、添加前のインクに対して変化がない。
B :第1の樹脂又はその対比成分の添加後のインクは、添加前のインクに対して2倍以下の範囲で乾燥時間が延びる。
C :第1の樹脂又はその対比成分の添加後のインクは、室温では乾燥しなくなる。
(画像の鏡面光沢性)
−20°グロス値による評価−
鏡面光沢のあるベタ画像の20°グロス値を、光沢時計(BYK製、micro−TRI−gloss)を用いて測定した。測定値に基づき、下記評価基準にしたがって画像の鏡面光沢性を評価した。なお、20°グロス値は、数値が高いほど鏡面光沢性に優れることを示す。評価基準のうち、「AA」が画像の鏡面光沢性に最も優れ、AA、A、又はBが実用に適した範囲であるものとする。
<評価基準>
AA:20°グロス値が800以上である。
A :20°グロス値が600以上800未満である。
B :20°グロス値が300以上600未満である。
C :20°グロス値が300未満である。
−官能評価−
ベタ画像を目視で観察することにより、以下の評価基準にしたがって画像の鏡面光沢性を評価した。「AA」が画像の鏡面光沢性に最も優れる。
<評価基準>
AA:優れた鏡面光沢性を有し、映り込んだ物体が識別できる。
A :鏡面光沢性を有するが、映り込んだ物体を識別することはできない。
B :金属調の弱い光沢を呈するが、鏡面光沢性を有さず、物体が映り込みもない。
C :光沢がなく、灰色に見える。

表1に示されるように、インク1〜13及びインクセット1〜2を用いた実施例1〜15では、画像の鏡面光沢性に優れており、増粘効果が高く、インクの吐出性も良好であった。
実施例1〜5のインクを対比すると、平均アスペクト比が10以上である平板状金属粒子を含有することで、鏡面光沢性をより向上させることができる。
また、実施例4、6〜9及び比較例4のインクの対比より明らかなように、アニオン性ポリマー(第1の樹脂)の含有量が鏡面光沢性に影響し、アニオン性ポリマー(第1の樹脂)は多く含有し過ぎないことが好ましく、具体的には金属粒子に対して5質量%〜40質量%が好ましく、更には金属粒子に対して10質量%〜30質量%がより好ましいことが分かる。
また、実施例10〜11、14に示すように、pkaの異なる第1の樹脂又はカチオン部位の異なる第2の樹脂を用いた場合にも、実施例1等と同等以上の結果が得られた。
これに対して、アニオン性ポリマー(第1の樹脂)を含有しない比較例1(インク21)では、平板状金属粒子を含むために鏡面光沢性が得られるものの、インクの吐出に著しく劣る結果となった。また、球形状の金属粒子を含有する比較例2〜3(インク22〜23)では、良好な鏡面光沢性が得られなかった。 一方、実施例におけるアニオン性ポリマー(第1の樹脂)とは異なる化合物を含有する比較例5〜8(インク25〜28)では、鏡面光沢性は得られるが、増粘効果が乏しく、吐出性を良好に維持することが困難であった。また、実施例におけるアニオン性ポリマー(第1の樹脂)とは異なるグリセリンを含有する比較例9〜10(インク29〜30)では、鏡面光沢性が得られず、しかも乾燥性にも劣っていた。
2017年2月13日に出願された日本出願特願2017−024426の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (20)

  1. インクジェット法による画像の記録に用いられ、
    平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子と、
    アニオン部位を有する第1の樹脂と、
    アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂と、
    水と、を含み、
    前記第1の樹脂の含有量が、前記平板状金属粒子の全質量に対して、0.001質量%以上60質量%以下である、インク組成物。
  2. 前記平板状金属粒子は、平均アスペクト比が5以上である請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記平板状金属粒子は、平均アスペクト比が12以上である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記平板状金属粒子が、金、銀、及び白金からなる群から選択される少なくとも1種の金属の粒子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記平板状金属粒子が、銀粒子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記第1の樹脂は、前記アニオン部位である酸基又は酸基の塩を有し、pkaが5以下である化合物に由来する構造単位を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記第1の樹脂は、前記アニオン部位である酸基又は酸基の塩を有し、pkaが0以下である化合物に由来する構造単位を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記第1の樹脂は、スルホン酸基及びスルホン酸基の塩の少なくとも一方を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 前記第1の樹脂が、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. 前記第1の樹脂は、重量平均分子量が100,000以上500,000以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
  11. 前記第1の樹脂の含有量が、前記平板状金属粒子の全質量に対して、1質量%以上40質量%以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
  12. 前記第1の樹脂の含有量が、前記平板状金属粒子の全質量に対して、5質量%以上30質量%以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインク組成物。
  13. 前記第2の樹脂が、ゼラチンを含む請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインク組成物。
  14. 前記第2の樹脂の含有量に対する前記第1の樹脂の含有量の比が、0.5以上4以下の範囲を満たす請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のインク組成物。
  15. インクジェット法による加飾画像の記録に用いられる請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のインク組成物。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のインク組成物である第1インクと、
    前記第1インクとは異なる、着色剤を含有する第2インクと、
    を有するインクセット。
  17. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のインク組成物を、インクジェット法によって基材に付与するインク付与工程を有する画像記録方法。
  18. 請求項16に記載のインクセットが用いられ、
    前記第1インクを、インクジェット法によって基材に付与する第1インク付与工程と、
    前記第2インクを、インクジェット法によって基材に付与する第2インク付与工程と、
    を有する画像記録方法。
  19. 基材と、
    前記基材上に配置され、平均アスペクト比が3以上100以下である平板状金属粒子、アニオン部位を有する第1の樹脂、並びに、アミノ基、アミド基、イミノ基、ホスホニウム基、アミノ基の塩、アミド基の塩、イミノ基の塩、及びホスホニウム基の塩から選択されるカチオン部位の少なくとも一つを有する第2の樹脂を含む画像と、
    を備えた記録物。
  20. 更に、前記基材と前記画像との間及び前記画像の上の少なくとも一方に、着色剤を含む着色画像を備えた請求項19に記載の記録物。
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