JP2016020484A - インクジェット用水性インク - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望とするメタリック色と異なる色相の拡散光が低減され、自然なメタリック色を発する画像をインクジェット方式で記録することが可能なインクジェット用水性インクを提供する。【解決手段】 メタリック色を呈する有機色素からなる有機色素粒子と、黒色染料とを含有するインクジェット用水性インクである。または、記録媒体上でメタリック色を呈する金属粒子と、黒色染料とを含有することを特徴とするインクジェット用水性インクである。【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット用水性インクに関する。
従来、広告印刷物や写真等の記録物において、メタリック色(金属光沢色)を発する画像をオフセット印刷、グラビア印刷、又はスクリーン印刷等により記録するために、アルミニウム顔料やパール顔料などの金属顔料を用いたインクが用いられている。また、近年のインクジェット記録方法の発展により、インクジェット記録方法によって金属光沢色を発する画像を記録することができる水性インクが求められている。
金属光沢色を発する画像をインクジェット記録方法によって記録するためのインクとしては、金属粒子を含有するインクが提案されている(特許文献1〜2)。また、メタリック色を発する着色部を有する画像を表現することを目的に、メタリック色を呈する有機色素が検討されている(特許文献3及び4)。
そこで、本発明者は、メタリック色を呈する有機色素又は金属粒子を含有するインクを調製し、記録媒体に付与して画像を形成したが、メタリック感が十分ではなく、所望のメタリック画像とはならなかった。したがって、本発明の目的は、十分なメタリック感を呈するメタリック画像を得ることが可能なインクジェット用水性インクを提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、メタリック色を呈する有機色素からなる有機色素粒子又は金属粒子と、黒色染料とを含有することを特徴とするインクジェット用水性インクが提供される。
本発明によれば、十分なメタリック感を呈するメタリック画像を得ることが可能なインクジェット用水性インクを提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、先ず、メタリック色を呈する有機色素粒子を含有するインク又は金属粒子を含有するインク(以下、単に「メタリックインク」又は「インク」ともいう)を記録媒体に付与するだけでは、十分なメタリック感が得られない理由について検討を行った。その結果、画像に対して、入射光に対する正反射光(入射光の入射角と同じ反射角で鏡面方向に反射する反射光)はメタリック色となるものの、正反射光と異なる反射角で反射する拡散光がメタリック色と異なる色相を呈することによって、上記メタリック色が「濁る」ことが原因であることが分かった。本発明者らはこの知見に基づき、上記拡散光を低減させることができれば、所望のメタリック感が得られると考え、詳細に検討した結果、本発明の構成に至ったものである。
即ち、本発明は、インク中にメタリック色を呈する有機色素粒子又は金属粒子と、黒色染料とを含有することを特徴とするインクジェット用水性インクに関する。本発明のインクをインクジェット方式で記録することによりメタリック感の高いメタリック画像を形成できる。
本発明のインク中に黒色染料が存在することでメタリック感が高くなる理由は次のように考えている。本発明のインクをインクジェットヘッドから吐出すると、有機色素粒子又は金属粒子は記録媒体上に積層して「色材層」を形成する一方で、黒色染料は記録媒体の中に浸透して黒色の「下地」を形成する。この「下地」が前記「色材層」が発するメタリック色とは異なる色相の拡散光を低減させる。これによって金色、銅色などの所望のメタリック感の高いメタリック画像を得ることができる。以下では、本発明のインクジェット用水性インクに使用される各材料を説明する。
(有機色素粒子)
本発明において、インクは、記録媒体上でメタリック色を呈する有機色素粒子を含有する。尚、本発明において、「メタリック色」とは、金色、銀色、銅色等の金属光沢を有する金属色のことである。また、本発明において、「有機色素」とは、可視光の吸収あるいは放出により物体に色を与える有機化合物である。メタリック色を呈する有機色素としては、例えば、アザメチン系色素(例えば、国際公開番号WO2014−034093及びWO2014−034094に記載の色素)、ピロール系色素(例えば、特許文献3に記載の色素)、アニリン系色素(例えば、特許文献4に記載の色素)、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、トリフェニルメタン系色素、フタロシアニン系色素などが挙げられる。これらのメタリック色を呈する有機色素は単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、インクは、記録媒体上でメタリック色を呈する有機色素粒子を含有する。尚、本発明において、「メタリック色」とは、金色、銀色、銅色等の金属光沢を有する金属色のことである。また、本発明において、「有機色素」とは、可視光の吸収あるいは放出により物体に色を与える有機化合物である。メタリック色を呈する有機色素としては、例えば、アザメチン系色素(例えば、国際公開番号WO2014−034093及びWO2014−034094に記載の色素)、ピロール系色素(例えば、特許文献3に記載の色素)、アニリン系色素(例えば、特許文献4に記載の色素)、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、トリフェニルメタン系色素、フタロシアニン系色素などが挙げられる。これらのメタリック色を呈する有機色素は単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。
メタリック色を呈する有機色素であるか否かについては、以下に示す手順で判定することができる。先ず、表面が平滑な記録媒体(例えば、石英ガラスウェハのような、算術平均粗さRaが0.001μm以下である記録媒体)に有機色素の膜を形成する。膜の形成方法としては、例えば、ディッピング法、スピンコート法、バーコート法、蒸着法などが挙げられる。次に、変角分光光度計(例えば、GSP−2(村上色彩製)など)を使用して、形成した膜の明るさを表す明度L*の角度依存性を測定し、式(A):鮮明度=L/wで表される鮮明度の値が0.2以上となる有機色素を「メタリック色を呈する有機色素である」と判定することができる。ここで、Lは変角分光光度計の受光部で測定される明度L*のうち一番高い明度の値を表し、wはLの半値(L/2)を示す2点の受光角の幅を表す。鮮明度の値が0.2以上であると、見る角度によって明度が変化するため、メタリック色として視認される。更に優れたメタリック色を呈するためには、鮮明度が0.4以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。
インク中の有機色素粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以上6%質量以下であることが最も好ましい。有機色素粒子の含有量を0.5質量%以上とすることで、十分な金属光沢を発する画像を記録することができる。また、有機色素粒子の含有量を10質量%以下とすることで、インクの吐出安定性を確保することができる。
有機色素粒子の体積平均粒子径は、5nm以上500nm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。体積平均粒子径が5nm以上の有機色素粒子は記録媒体上に残りやすいため、より十分なメタリック色を発する画像を記録することができる。また、体積平均粒子径が500nm以下の有機色素粒子を用いることで、インクジェット用の記録ヘッドからのインクの吐出性を向上させることができる。なお、液体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は、例えば、動的光散乱方式の粒度分布測定装置を使用して測定することができる。動的光散乱方式の粒度分布測定装置としては、例えば、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製、キュムラント法解析)、商品名「UPA−EX150」(日機装製)などを使用することができる。
有機色素はインク中に分散し、有機色素粒子の分散体を形成している。有機色素粒子の分散体としては、(i)樹脂分散剤を使用した分散体、(ii)低分子分散剤を使用した分散体、及び(iii)分散剤なしで分散状態を保持しうる自己分散体などを挙げることができる。本発明においては、いずれの分散体であってもよい。
「(i)樹脂分散剤」を使用した分散体の場合、インク中の樹脂分散剤の含有量は、有機色素粒子100質量部に対して、10質量部以上400質量部以下であることが好ましい。また、20質量部以上300質量部以下であることがさらに好ましく、30質量部以上200質量部以下であることが特に好ましい。樹脂分散剤の含有量が、有機色素粒子100質量部に対して10質量部以上であると、分散安定性を向上させることができる。一方、樹脂分散剤の含有量が、有機色素粒子100質量部に対して400質量部以下であると、より優れたメタリック色を発する画像を記録することができる。
樹脂分散剤としては、アニオン性基の作用によって有機色素粒子を水性媒体中に安定に分散させうるものが好ましい。樹脂分散剤の具体例としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、及びこれらの塩などを挙げることができる。
樹脂分散剤の重量平均分子量は、2,000以上50,000以下であることが好ましく、3,000以上25,000以下であることがさらに好ましく、5,000以上15,000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内にある樹脂分散剤を用いることで、分散安定性を向上させることができる。また、樹脂分散剤の酸価は、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が80mgKOH/g以上の樹脂分散剤を用いることで、インクジェット用の記録ヘッドからのインクの吐出性を向上させることができる。また、酸価が250mgKOH/g以下の樹脂分散剤は有機色素粒子に吸着しやすいため、有機色素粒子の分散安定性を向上させることができる。
樹脂分散剤としては、アクリル樹脂系分散剤が好ましい。さらに、アクリル樹脂系分散剤のなかでもスチレン−アクリル酸共重合体が好ましい。アクリル樹脂系分散剤は、従来公知の重合方法により調製したものであってもよく、市販品であってもよい。
アクリル樹脂系分散剤の具体的な市販品としては、JONCRYL(ジョンクリル;登録商標)シリーズ(商品名、BASFジャパン製)などがある。より具体的には、以下商品名で、JONCRYL 67(重量平均分子量12,500、酸価213mgKOH/g)、JONCRYL 678(重量平均分子量8,500、酸価215mgKOH/g)、JONCRYL 586(重量平均分子量4,600、酸価108mgKOH/g)、JONCRYL 680(重量平均分子量4,900、酸価215mgKOH/g)、JONCRYL 682(重量平均分子量1,700、酸価238mgKOH/g)、JONCRYL 683(重量平均分子量8,000、酸価160mgKOH/g)、JONCRYL 690(重量平均分子量16,500、酸価240mgKOH/g)、JONCRYL 819(重量平均分子量14,500、酸価75mgKOH/g)、JONCRYL JDX−C3000(重量平均分子量10,000、酸価85mgKOH/g)、JONCRYL JDX−C3080(重量平均分子量14,000、酸価230mgKOH/g)などを挙げることができる。
上記JONCRYLシリーズのアクリル樹脂系分散剤は、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びスチレン系モノマーの少なくともいずれかとの共重合体である。例えば、「JONCRYL JDX−C3000」は、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体である。なお、JONCRYLシリーズのアクリル樹脂系分散剤の重量平均分子量及び酸価は、いずれもカタログ値である。
樹脂分散剤を水中に溶解させるため、樹脂分散剤中の酸基(例えば、カルボキシ基)は、カウンターカチオンとの塩を形成していることが好ましい。カウンターカチオンとしては、例えば、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、セシウムイオン、及びアンモニウムイオンなどの無機塩基から生成されるイオン;アミノメチルプロパノール、2−アミノイソプロパノール、トリエタノールアミン、モルホリンなどの有機塩基(アミン類)から生成されるイオンなどを挙げることができる。塩基の含有量は、分散安定性の観点から、樹脂分散剤の中和当量以上であることが好ましい。
樹脂分散剤の塩をイオン解離させやすいように、pH調整剤をインクに含有させてもよい。pH調整剤としては、インクのpHを6以上11以下に調整しうるものであればよい。pH調整剤の具体例としては、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩などを挙げることができる。
「(ii)低分子分散剤」は、親水性部と疎水性部を有する分子量1,000未満の界面活性剤の一種であり、疎水性の顔料表面と水性媒体との界面張力を低下させ、インク中に顔料を分散させうる成分である。親水性部としては、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基、及びアニオン性基とカチオン性基とを有するベタイン型などがある。アニオン性基は、マイナスに荷電する基である。アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基などを挙げることができる。カチオン性基は、プラスに荷電する基である。カチオン性基としては、アンモニウム基、ピリジニウム基などを挙げることができる。ノニオン性基としては、ポリエチレンオキシド基、糖ユニットなどを挙げることができる。親水性部はアニオン性基であることが好ましく、スルホン酸基又はカルボキシ基がさらに好ましい。
疎水性部としては、炭化水素、フッ化炭素、及びシリコーンなどがある。疎水性部としては炭化水素が好ましく、炭素数2〜24の炭化水素がさらに好ましく、炭素数6〜20の炭化水素が特に好ましい。なお、疎水部は直鎖状であっても分岐状であってもよく、1本鎖であっても2本鎖以上であってもよい。
アニオン性基を有するアニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−メチルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩などを挙げることができる。また、塩を形成するカチオンとしては、アルカリ金属カチオンが好ましい。これらのアニオン性分散剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性基を有するカチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)としては、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミン及びポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリン、並びにこれらの塩などを挙げることができる。
両イオン性分散剤(両イオン性界面活性剤)は、アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン性基と、カチオン性分散剤が分子内に有するカチオン性基とを分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
「(iii)自己分散体」は、分散剤を実質的に用いず、顔料表面に直接又は他の原子団を介して親水性の官能基を導入して水性媒体中に分散可能とした自己分散型の顔料を含有する。親水性の官能基としては、スルホン酸基、カルボキシ基、ホスホン酸基などを挙げることができる。
(金属粒子)
他の実施形態として、本発明のインクは、記録媒体上でメタリック色を呈する金属粒子を含有する。「金属粒子」とは1種又は複数の金属材料で構成されている粒子であり、記録媒体上でメタリック色を呈するものであれば金属材料種は特に限定されない。金属粒子を構成する金属材料としては、好ましくは金、銀、銅であり、さらに好ましくは銀である。金属粒子はいかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、金属イオンを含む溶液を用意し、この金属イオンを還元することにより、好適に形成することができる。また、これらの金属粒子の水分散体を形成するために、前述の各種分散剤を適宜使用することができる。
他の実施形態として、本発明のインクは、記録媒体上でメタリック色を呈する金属粒子を含有する。「金属粒子」とは1種又は複数の金属材料で構成されている粒子であり、記録媒体上でメタリック色を呈するものであれば金属材料種は特に限定されない。金属粒子を構成する金属材料としては、好ましくは金、銀、銅であり、さらに好ましくは銀である。金属粒子はいかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、金属イオンを含む溶液を用意し、この金属イオンを還元することにより、好適に形成することができる。また、これらの金属粒子の水分散体を形成するために、前述の各種分散剤を適宜使用することができる。
金属粒子の粒径は、3nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。金属粒子の粒径が3nm未満の場合、記録媒体上でメタリック色を呈さないことがある。金属粒子の粒径は、130nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。金属粒子の粒径が130nmを超える大きさの場合、インク中の金属粒子の分散安定性が悪化することがある。なお、液体中の金属粒子の平均粒子径(D50)は、例えば、動的光散乱方式の粒度分布測定装置を使用して測定することができる。動的光散乱方式の粒度分布測定装置としては、例えば、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製、キュムラント法解析)、商品名「UPA−EX150」(日機装製)、商品名「LB−550」(株式会社堀場製作所社製)などを使用することができる。また、ここで言う粒径とは上記の測定方法により測定された「体積平均粒子径」を意味する。
(黒色染料)
本発明のインクは、黒色染料を含有する。黒色染料とは、その溶液が可視光(380nm以上780nm)の全波長領域において透過光を吸収し、且つ記録媒体上で黒色画像を形成する水溶性の色材を意味する。黒色染料は、単独で黒色を呈する染料でもよいし、または黒色以外の染料シアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料など)を複数組み合わせた混合物でもよい。具体的な黒色染料としては、C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171、などの他、既知の黒色を呈する染料を挙げることができる。これらの染料を単独あるいは複数の混合物として使用してもよく、黒色以外の染料を適宜組み合わせて使用してもよい。また、市販のインクジェット用黒色染料インクを使用することもできる。
本発明のインクは、黒色染料を含有する。黒色染料とは、その溶液が可視光(380nm以上780nm)の全波長領域において透過光を吸収し、且つ記録媒体上で黒色画像を形成する水溶性の色材を意味する。黒色染料は、単独で黒色を呈する染料でもよいし、または黒色以外の染料シアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料など)を複数組み合わせた混合物でもよい。具体的な黒色染料としては、C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171、などの他、既知の黒色を呈する染料を挙げることができる。これらの染料を単独あるいは複数の混合物として使用してもよく、黒色以外の染料を適宜組み合わせて使用してもよい。また、市販のインクジェット用黒色染料インクを使用することもできる。
前記黒色染料は、その水溶液が、450nm以上650nmの全波長領域において、モル吸光係数が5000L/mol・cm以上の吸収を示す染料であることが好ましい。モル吸光係数は分光光度計(例えば、UV−3600(島津製作所製))などで測定できる。
本発明のインクは前記黒色染料を含有しているため、450nm以上650nmの全波長領域においてインクを透過する光を吸収する。拡散光を十分に低減させるために、本発明のインクは、1000倍に希釈後、分光光度計を用いて光路長10mmの条件で測定した前記波長領域(450〜650nm)における透過率が65%以下であることが好ましい。透過率が65%より大きい領域が存在すると、膜を形成した際には有機色素で呈するメタリック色とは異なる色の拡散光を十分に低減させることができずに色が濁る場合がある。
また、本発明の黒色染料を含有するインクを使用して100%デューティのベタ画像サンプルを記録媒体上に記録した画像の拡散光が、CIEL*a*b*表色系において、明度L*が35以下となることが好ましく、25以下であることがより好ましく、15以下であることが特に好ましい。明度L*の値は、積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式でD50光源環境を用いた測色によって得ることができる(ISO7724/1の国際基準で定められた測定原理において、JIS Z 8722に記載の条件cに記載の方法に準拠して行う。尚、係る測定方法は、国際照明委員会であるCIE No.15に定める物体色の測定方法、アメリカ材料試験協会が規格したASTM E1164にも準拠している)。より具体的には、明度L*の値は、分光測色計(例えば商品名:CM−2600d、コニカミノルタ製など)の正反射光成分除去(SCE)方式で測定できる。積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式で測色する際の光源環境条件としては、本発明では印刷物の測色に好適なD50光源(JIS Z 8720:2012に規定)を用いることができる。尚、測色の際に用いる光源はD50光源に限定されず、A光源、C光源、D65光源(JIS Z 8720:2012に規定)でも良い。また、これ以外にもF2光源、F6光源、F7光源、F8光源、F10光源、F12光源を用いることができ、記録条件・環境に応じて適宜、好適な光源を使用できる。
本発明において、前記黒色染料によって記録媒体上に形成される下地層の厚み(層厚)は、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。更には、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。尚、層厚の測定方法は、μmオーダーの薄膜の層厚を測定可能であれば、特に限定されない。例えば、画像の断面を切り出し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、層厚を測定してもよい。
前記黒色染料の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以上8質量%以下であることが特に好ましい。前記染料の含有量が1質量%未満であると、メタリック色と異なる色相の拡散光が十分に低減されなくなる場合がある。一方、前記染料の含有量が10質量%を超えると、インクの吐出性が低下する場合がある。
インク中の黒色染料と、有機色素粒子の質量比は、黒色染料/有機色素粒子=1/10以上10/1以下であることが好ましく、1/5以上5/1以下であることがさらに好ましい。インク中の黒色染料と有機色素粒子の質量比が上記の範囲外であると、メタリック感が低下する場合がある。
(インク媒体)
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。また、水としては脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。水の含有量が30質量%以上であるとインクの粘度が低くなるため、連続して吐出する際の安定性が向上する。また、水の含有量が95質量%以下であると、インクジェット用の記録ヘッドのノズル内で固着しにくくなる。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。また、水溶性有機溶剤は、25℃における蒸気圧が水よりも低いものが好ましい。なかでも、グリセリンやトリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、トリエチレングリコールなどのグリコール類、2−ピロリドンなどの含窒素化合物類などを用いることが特に好ましい。また、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物も、これらの化合物を水に溶解させた液体は顔料を分散させるための溶媒となるため、水溶性有機溶剤と同様に扱うことができる。
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。また、水としては脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。水の含有量が30質量%以上であるとインクの粘度が低くなるため、連続して吐出する際の安定性が向上する。また、水の含有量が95質量%以下であると、インクジェット用の記録ヘッドのノズル内で固着しにくくなる。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。また、水溶性有機溶剤は、25℃における蒸気圧が水よりも低いものが好ましい。なかでも、グリセリンやトリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、トリエチレングリコールなどのグリコール類、2−ピロリドンなどの含窒素化合物類などを用いることが特に好ましい。また、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物も、これらの化合物を水に溶解させた液体は顔料を分散させるための溶媒となるため、水溶性有機溶剤と同様に扱うことができる。
水溶性有機溶剤としては、インクジェット用インクに一般的に使用される公知のものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、1価又は多価のアルコール類、アルキレン基の炭素数が1〜4程度のアルキレングリコール類、数平均分子量200以上2,000以下程度のポリエチレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクは、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、従来公知の界面活性剤をいずれも用いることができる。なかでも、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。また、ノニオン性界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物が好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下であることがさらに好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
本発明のインクは、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、従来公知の界面活性剤をいずれも用いることができる。なかでも、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。また、ノニオン性界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物が好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下であることがさらに好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記の成分の他に、必要に応じて、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
本発明のインクには、上記の成分の他に、必要に応じて、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
本発明のインクのpHは、保存安定性の観点から、樹脂分散剤を含有する場合には樹脂分散剤の等電点以上であることが好ましい。また、インク中の有機色素粒子の分散状態を安定に保つ観点からは、インクのpHは6以上であることが好ましい。
本発明のインクのpHは、保存安定性の観点から、樹脂分散剤を含有する場合には樹脂分散剤の等電点以上であることが好ましい。また、インク中の有機色素粒子の分散状態を安定に保つ観点からは、インクのpHは6以上であることが好ましい。
記録ヘッドからの吐出性を確保する観点からは、インクの表面張力は20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。また、インクの粘度は、15mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがさらに好ましく、5mPa・s以下であることが特に好ましい。
<インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法>
インクジェット記録装置は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドにより吐出させて記録媒体に画像を記録する装置である。また、インクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式などを挙げることができる。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録装置の構成やインクジェット記録方法の工程は、従来公知の構成や工程を採用することができる。
インクジェット記録装置は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドにより吐出させて記録媒体に画像を記録する装置である。また、インクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式などを挙げることができる。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録装置の構成やインクジェット記録方法の工程は、従来公知の構成や工程を採用することができる。
本発明の有機色素粒子を含有するインクを記録媒体上に付与して形成される被膜の層厚は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。更には、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。前記有機色素粒子を含有するインクの層厚が、0.01μm以上であることにより、その被膜は
本発明の金属粒子を含有するインクを記録媒体上に付与して形成される被膜の層厚は0.003μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。前記金属粒子を含有するインクの層厚が0.003μm以上であることにより、その被膜は、良好なメタリック色を呈することができる。また、記録媒体上において、メタリック色を呈する金属粒子を含有するインクの層厚は100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。メタリック色被膜の層厚が100μm以下であることにより、本発明のインクが付与されていない領域との間で段差が発生せず、良好な画質とすることができる。
本発明の金属粒子を含有するインクを記録媒体上に付与して形成される被膜の層厚は0.003μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。前記金属粒子を含有するインクの層厚が0.003μm以上であることにより、その被膜は、良好なメタリック色を呈することができる。また、記録媒体上において、メタリック色を呈する金属粒子を含有するインクの層厚は100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。メタリック色被膜の層厚が100μm以下であることにより、本発明のインクが付与されていない領域との間で段差が発生せず、良好な画質とすることができる。
メタリック色被膜の膜厚の測定方法は特に限定されないが、以下のように測定できる。例えば、接着テープ等でメタリック色被膜の一部を剥離し、むき出しになった記録媒体表面とメタリック色被膜との段差を非接触段差計やレーザスキャン共焦点顕微鏡等で測定する方法、印字部分を記録媒体ごとカミソリ等で切断してインク層被膜の断面を出しそれをSEM(走査型電子顕微鏡)の測長機能を用いて測定する方法などがある。
(記録媒体)
記録媒体としては、インク中の黒色染料は記録媒体の中に浸透するが、有機色素粒子及び金属粒子はその表面又は表面付近に積層される記録媒体を用いることが好ましい。記録媒体の具体例としては、市販のインクジェット用プリント用紙、OHP用シートなどの樹脂フィルム、布、金属などを挙げることができる。なかでも、記録媒体としては、黒色染料が迅速に浸透するが有機色素粒子は浸透しないインク受容層を有するインクジェット用プリント用紙を用いることが好ましい。
記録媒体としては、インク中の黒色染料は記録媒体の中に浸透するが、有機色素粒子及び金属粒子はその表面又は表面付近に積層される記録媒体を用いることが好ましい。記録媒体の具体例としては、市販のインクジェット用プリント用紙、OHP用シートなどの樹脂フィルム、布、金属などを挙げることができる。なかでも、記録媒体としては、黒色染料が迅速に浸透するが有機色素粒子は浸透しないインク受容層を有するインクジェット用プリント用紙を用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。また、有機色素粒子の体積平均粒子径は断りの無い限り、動的光散乱方式の粒度分布測定装置(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を使用して測定した。
[水分散体1]
アニリン系色素である2,2’−[1,4−フェニレンビス[メチレン(フェニルイミノ)−4,1−フェニレン]]ビス−エチレントリカルボニトリル(有機色素1)を特許文献4に記載の合成方法を参考に入手した。有機色素1 3部をクロロホルム200部に溶解させて混合液を得た。一方、高分子分散剤(スチレン−アクリル酸共重合体、重量平均分子量:12,000、酸価:170mgKOH/g)5部と水500部との混合物にKOH水溶液を添加してpH10に調整し、高分子分散剤の水溶液を得た。有機色素1とクロロホルムの混合液を高分子分散剤の水溶液に加えた後、氷冷下、超音波ホモジナイザーを使用して15分間乳化処理してエマルションを得た。エバポレーターを使用し、減圧下、得られたエマルションからクロロホルムを留去して有機色素1の水分散体1を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は88nmであった。
アニリン系色素である2,2’−[1,4−フェニレンビス[メチレン(フェニルイミノ)−4,1−フェニレン]]ビス−エチレントリカルボニトリル(有機色素1)を特許文献4に記載の合成方法を参考に入手した。有機色素1 3部をクロロホルム200部に溶解させて混合液を得た。一方、高分子分散剤(スチレン−アクリル酸共重合体、重量平均分子量:12,000、酸価:170mgKOH/g)5部と水500部との混合物にKOH水溶液を添加してpH10に調整し、高分子分散剤の水溶液を得た。有機色素1とクロロホルムの混合液を高分子分散剤の水溶液に加えた後、氷冷下、超音波ホモジナイザーを使用して15分間乳化処理してエマルションを得た。エバポレーターを使用し、減圧下、得られたエマルションからクロロホルムを留去して有機色素1の水分散体1を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は88nmであった。
[水分散体2]
分散剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1.5部を使用した以外は、前記水分散体1の調製方法と同様の方法にて有機色素1の水分散体2を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は34nmであった。
分散剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1.5部を使用した以外は、前記水分散体1の調製方法と同様の方法にて有機色素1の水分散体2を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は34nmであった。
[水分散体3]
ピロール系色素である2−[5−[1−(4−メチルフェニル)−5−(2−チエニル)−1H−ピロール−2−イル]−2−チエニル]−1,1,2−エチレントリカルボニトリル(有機色素2)を特許文献3に記載の合成方法を参考に入手した。前記水分散体1と同様の手法にて有機色素2の水分散体3を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は28nmであった。
ピロール系色素である2−[5−[1−(4−メチルフェニル)−5−(2−チエニル)−1H−ピロール−2−イル]−2−チエニル]−1,1,2−エチレントリカルボニトリル(有機色素2)を特許文献3に記載の合成方法を参考に入手した。前記水分散体1と同様の手法にて有機色素2の水分散体3を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は28nmであった。
[水分散体4]
アザメチン系色素(Z)−N−(3−シアノ−5−((2−(ジブチルアミノ)−4−フェニルチアゾール−5−イル)メチレン)−2,6−ジオキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)ベンズアミド(有機色素3)を国際公開番号WO2014−034093に記載の合成方法を参考に入手した。前記水分散体2と同様の手法にて有機色素3の水分散体4を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は70nmであった。
アザメチン系色素(Z)−N−(3−シアノ−5−((2−(ジブチルアミノ)−4−フェニルチアゾール−5−イル)メチレン)−2,6−ジオキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)ベンズアミド(有機色素3)を国際公開番号WO2014−034093に記載の合成方法を参考に入手した。前記水分散体2と同様の手法にて有機色素3の水分散体4を得た。得られた水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は70nmであった。
[水分散体5]
フタロシアニン系色素の自己分散顔料であるCAB−O−JET450C(キャボット社製、顔料種:PB15:4)を購入して水分散体5を入手した。この水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は72nmであった。
フタロシアニン系色素の自己分散顔料であるCAB−O−JET450C(キャボット社製、顔料種:PB15:4)を購入して水分散体5を入手した。この水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は72nmであった。
[水分散体6]
アゾ系色素の自己分散顔料であるCAB−O−JET470Y(キャボット社製、顔料種:PY74)を購入して水分散体6を入手した。この水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は116nmであった。
アゾ系色素の自己分散顔料であるCAB−O−JET470Y(キャボット社製、顔料種:PY74)を購入して水分散体6を入手した。この水分散体中の有機色素粒子の体積平均粒子径は116nmであった。
[水分散体7]
銀ナノコロイドH−1(三菱マテリアル電子化成株式会社製)を購入して水分散体7を入手した。この水分散体中の銀粒子の体積平均粒子径は32nm(動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(株式会社堀場製作所社製))であった。
銀ナノコロイドH−1(三菱マテリアル電子化成株式会社製)を購入して水分散体7を入手した。この水分散体中の銀粒子の体積平均粒子径は32nm(動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(株式会社堀場製作所社製))であった。
[水分散体8]
金ナノコロイドAuPVPコロイド溶液(田中貴金属株式会社製)を購入して水分散体8を入手した。この水分散体中の金粒子の体積平均粒子径は10nm(透過型電子顕微鏡による測定(株式会社日立ハイテクノロジー社製))であった。
金ナノコロイドAuPVPコロイド溶液(田中貴金属株式会社製)を購入して水分散体8を入手した。この水分散体中の金粒子の体積平均粒子径は10nm(透過型電子顕微鏡による測定(株式会社日立ハイテクノロジー社製))であった。
[インクの調製]
表1に記載の各成分(合計100質量%となるように調製)を混合した後、ポアサイズが2.5μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過して各インクを得た。表1中、水分散体の含有量は、インク中における有機色素又は金属粒子の固形分の含有量を表す。また、黒色染料としては、ダイレクトブラック19(DB19)、ダイレクトブラック168(DB168)、フードブラック1(FB1)を使用した。界面活性剤としては、アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)を使用した。何れのインクにおいても、有機色素、金属粒子の平均粒子径は、水分散体における平均粒子径からほとんど変化が見られなかった。
表1に記載の各成分(合計100質量%となるように調製)を混合した後、ポアサイズが2.5μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過して各インクを得た。表1中、水分散体の含有量は、インク中における有機色素又は金属粒子の固形分の含有量を表す。また、黒色染料としては、ダイレクトブラック19(DB19)、ダイレクトブラック168(DB168)、フードブラック1(FB1)を使用した。界面活性剤としては、アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)を使用した。何れのインクにおいても、有機色素、金属粒子の平均粒子径は、水分散体における平均粒子径からほとんど変化が見られなかった。
各インクを1000倍に希釈後、光路長10mmのセルに入れて透過率を測定した(分光光度計UV−3600(島津製作所製))。インク1〜15及びインク22〜23は450〜650nmの全波長領域において透過率が65%以下であった。インク16〜21、インク24及び25は450〜650nmの波長領域において透過率が65%を超える波長領域があった。
[評価]
インクカートリッジに各インクを充填し、インクジェット記録装置に装着した。そして、1cm×1cmの画像(ベタ画像)を記録媒体に記録した。インクジェット記録装置としてキヤノン製のF930(記録ヘッド:6吐出口列×各512ノズル、インク量:4.0pL(定量)、解像度:最高1200dpi(横)×1200dpi(縦))を用いた。また、記録媒体としては、インクジェット用写真用紙 キヤノン写真用紙・光沢プロフェッショナルPR−201(キヤノン製)を用いた。
インクカートリッジに各インクを充填し、インクジェット記録装置に装着した。そして、1cm×1cmの画像(ベタ画像)を記録媒体に記録した。インクジェット記録装置としてキヤノン製のF930(記録ヘッド:6吐出口列×各512ノズル、インク量:4.0pL(定量)、解像度:最高1200dpi(横)×1200dpi(縦))を用いた。また、記録媒体としては、インクジェット用写真用紙 キヤノン写真用紙・光沢プロフェッショナルPR−201(キヤノン製)を用いた。
得られた画像について、拡散光の色味を測定した。拡散光の色味は、分光測色計CM−2600d(コニカミノルタ製)を使用し、正反射光成分除去(SCE)方式により得られた画像のCIE表色系におけるa*及びb*の値を測定した。また、得られた画像を目視で観察した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- 記録媒体上でメタリック色を呈する有機色素からなる有機色素粒子と黒色染料とを含有することを特徴とするインクジェット用水性インク。
- 前記有機色素粒子の体積平均粒径が、5nm以上500nm以下である請求項1に記載のインクジェット用水性インク。
- 前記黒色染料の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1質量%以上である請求項1に記載のインクジェット用水性インク。
- 記録媒体上でメタリック色を呈する金属粒子と、黒色染料とを含有することを特徴とするインクジェット用水性インク。
- 前記金属粒子の体積平均粒径が、3nm以上130nm以下である請求項4に記載のインクジェット用水性インク。
- 前記黒色染料の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1質量%以上である請求項4に記載のインクジェット用水性インク。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015116832A JP2016020484A (ja) | 2014-06-16 | 2015-06-09 | インクジェット用水性インク |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016196183A (ja) * | 2015-04-02 | 2016-11-24 | キヤノン株式会社 | メタリック画像形成方法 |
WO2018147469A1 (ja) * | 2017-02-13 | 2018-08-16 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物、インクセット、画像記録方法、及び記録物 |
-
2015
- 2015-06-09 JP JP2015116832A patent/JP2016020484A/ja active Pending
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JPWO2018147469A1 (ja) * | 2017-02-13 | 2019-07-18 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物、インクセット、画像記録方法、及び記録物 |
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