JP5951062B2 - インクジェット用水性インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用水性インクに関する。
従来、広告印刷物や写真等の記録物において金色などの金属光沢を発する画像を表現するために、アルミニウム顔料や真鍮顔料などの金属顔料を含有するインクを用いたオフセット印刷、グラビア印刷、及びスクリーン印刷等が採用されていた。近年、インクジェット記録方法の発展により、インクジェット記録方法によって金色などの金属光沢を発する画像を記録可能な水性インクを開発することが求められている。
インクジェット記録方法により金色等の金属光沢を発する画像を記録するためのインクとして、金、銀、又はアルミニウムといった金属粒子を含有するインクが提案されている(特許文献1乃至3)。また、着色料として用いられる、金属光沢を発する有機化合物が報告されている(特許文献4)。
特開2004−067931号公報 特開2009−269935号公報 特開2010−121141号公報 特開2006−249259号公報
しかしながら、特許文献1乃至3で提案されたインクは、金属粒子の比重が大きいために沈降しやすく、長期保存安定性に課題があった。また、アルミニウムや銀などの空気中又は水中で変色しやすい金属粒子を顔料として使用しているために、印刷後に変色しやすく、画像の安定性が不十分な場合があった。
また、特許文献4においては、インクジェット方式によって吐出可能な分散体を調製することについては何ら検討されておらず、さらに、着色料として用いられる有機化合物から形成される膜が金色を呈することについても記載されていない。
したがって、本発明の目的は、金色画像を記録することが可能で、かつ、長期保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、下記一般式(I)で表される化合物からなる粒子と、前記粒子を分散させる分散剤と、を含有することを特徴とするインクジェット用水性インクが提供される。
(前記一般式(I)中、R 及び はベンゼン環を表し、n2又は3のいずれかの整数である)
本発明によれば、金色画像を記録することが可能で、かつ、長期保存安定性に優れたインクジェット用水性インクを提供することができる。
<インクジェット用水性インク>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のインクジェット用水性インク(以下、単に「インク」とも記す)は、下記一般式(I)で表される化合物からなる粒子と、この粒子を分散させる分散剤と、を含有する。以下、本発明のインクジェット用水性インクの詳細について説明する。
(前記一般式(I)中、Rは芳香族環を表し、Rは水素原子、アルキル基、又はベンゼン環を表し、Rが水素原子又はアルキル基の場合、nは1であり、Rがベンゼン環の場合、nは1〜3のいずれかの整数である)
また、アルキル基としては、炭素原子数1乃至10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。このようなアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、及び3−メチルペンチル基等を挙げることができる。また、ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができる。
また、nは、Rが水素原子又はアルキル基の場合は1である。すなわち、1つの分子内にはフェニル(4−トリシアノビニルフェニル)アミノ基を1つだけ有する。nは、Rがベンゼン環の場合は1〜3のいずれかの整数である。すなわち、1つの分子内には1〜3個のフェニル(4−トリシアノビニルフェニル)アミノ基を有する。金色画像を得るためには、できるだけ発色団であるフェニル(4−トリシアノビニルフェニル)アミノ基が空間的に近い位置に存在する方がよい。そのため、分子内にフェニル(4−トリシアノビニルフェニル)アミノ基が複数存在する分子構造が金色の発色性には有利である。そのため、Rがベンゼン環が好ましく、nは2又は3であることが好ましく、nは2であることがより好ましい。更には、一般式(I)で表される化合物の中でも、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、以下に示す式(1)〜(7)でそれぞれ表される化合物1〜7を挙げることができる。ただし、本発明のインクに含まれる粒子を構成する化合物は、以下に示す具体例に限定されるものではない。
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、インク全体に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることが特に好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有量が0.5質量%未満であると、形成される膜中の化合物濃度が低くなるため、十分な金属光沢感を有する画像を記録することができなくなる場合がある。また、インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、インク全体に対して、10.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがさらに好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有量が10.0質量%を超えると、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(一般式(I)で表される化合物からなる粒子)
本発明のインクに含有される粒子は、一般式(I)で表される化合物により形成されている。また、この粒子は、後述する分散剤によってインク中に分散されている。インク中に分散した粒子の平均粒子径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、インク中に分散した粒子の平均粒子径は、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、200nm以下であることが特に好ましい。インク中に分散した粒子の平均粒子径が上記の範囲から外れると、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
本発明における粒子の平均粒子径は、レーザー光の散乱を利用した動的光散乱式の粒径・粒度分布測定装置を使用して測定した粒度分布における、積算値50%での体積平均粒子径を意味する。なお、動的光散乱式の粒径・粒度分布測定装置としては、例えば、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製、キュムラント法解析)、及び商品名「ナノトラックUPA 150EX」(日機装製)等を挙げることができる。
(分散剤)
本発明のインクは、一般式(I)で表される化合物からなる粒子をインク中で安定して分散させることが可能な分散剤を含有する。分散剤としては、低分子分散剤や樹脂分散剤(高分子分散剤)を用いることができる。なお、これらの分散剤を併用することもできる。
低分子分散剤は、親水性部と疎水性部を有する分子量1000未満の界面活性剤を意味する。親水性部には、アニオン性基、カチオン性基、及びノニオン性基等がある。なお、アニオン性基とカチオン性基とを有する両イオン性(ベタイン型の)界面活性剤を用いることもできる。
アニオン性基は、マイナスに荷電しうる基であればよい。アニオン性基の具体例としては、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。カチオン性基は、プラスに荷電しうる基であればよい。カチオン性基の具体例としては、アンモニウム基、ピリジニウム基等を挙げることができる。また、ノニオン性基の具体例としては、ポリエチレンオキシド、糖ユニット等を挙げることができる。低分子分散剤(界面活性剤)の親水性部は、アニオン性基であることが好ましく、スルホン酸又はカルボキシ基がさらに好ましい。
低分子分散剤(界面活性剤)の疎水性部は、例えば、炭化水素、フッ化炭素、シリコーン等によって構成される。なかでも、低分子分散剤の疎水性部は、炭化水素によって形成されていることが好ましい。また、炭素原子数2乃至24の炭化水素によって形成されていることがさらに好ましく、炭素原子数6乃至20の炭化水素によって形成されていることが特に好ましい。低分子分散剤の疎水性部の構造は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。さらには、1本鎖であってもよく、2本鎖以上であってもよい。
アニオン性基を有する低分子分散剤(アニオン性界面活性剤)の具体例としては、N−アシル−N−メチルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、塩を形成するカチオンとしては、アルカリ金属のカチオンが好ましい。これらのアニオン性界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。カチオン性基を有する低分子分散剤(カチオン性界面活性剤)の具体例としては、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミン及びポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリン、並びにこれらの塩等を挙げることができる。
ノニオン性の低分子分散剤(ノニオン性界面活性剤)の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂分散剤は、重量平均分子量1,000以上の分散剤を意味する。樹脂分散剤としては、アニオン性基を有する樹脂分散剤を好適に用いることができる。樹脂分散剤の具体例としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、及びこれらの塩等を挙げることができる。
樹脂分散剤の重量平均分子量は、2,000以上50,000以下であることが好ましく、5,000以上25,000以下であることがさらに好ましく、3,000以上15,000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記の範囲外である樹脂分散剤を用いると、インク中における粒子の分散安定性が低下する傾向にある。
樹脂分散剤の酸価は、80mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。樹脂分散剤の酸価が80mgKOH/g未満であると、インクの吐出安定性が低下する傾向ある。また、樹脂分散剤の酸価は、250mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。樹脂分散剤の酸価が250mgKOH/gを超えると、一般式(I)で表される化合物に吸着しにくくなり、粒子の分散安定性が低下する傾向にある。
樹脂分散剤としては、ポリアクリル系分散剤やスチレンアクリル系分散剤を用いることが好ましく、スチレンアクリル酸共重合体を用いることがさらに好ましい。ポリアクリル系分散剤は、従来公知の重合方法により調製したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
ポリアクリル系分散剤の市販品としては、例えば、JONCRYL(ジョンクリル;登録商標)シリーズ(商品名、BASFジャパン製)などがある。JONCRYLシリーズのさらなる具体例としては、以下商品名で、JONCRYL 67(重量平均分子量12,500、酸価213mgKOH/g)、JONCRYL 678(重量平均分子量8,500、酸価215mgKOH/g)、JONCRYL 586(重量平均分子量4,600、酸価108mgKOH/g)、JONCRYL 680(重量平均分子量4,900、酸価215mgKOH/g)、JONCRYL 682(重量平均分子量1,700、酸価238mgKOH/g)、JONCRYL 683(重量平均分子量8,000、酸価160mgKOH/g)、JONCRYL 690(重量平均分子量16,500、酸価240mgKOH/g)、JONCRYL 819(重量平均分子量14,500、酸価75mgKOH/g)、JONCRYL JDX−C3000(重量平均分子量10,000、酸価85mgKOH/g)、JONCRYL JDX−C3080(重量平均分子量14,000、酸価230mgKOH/g)等を挙げることができる。
上記のJONCRYLシリーズは、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びスチレン系モノマーの少なくともいずれかとの共重合体である。また、JONCRYL JDX−C3000は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体である。なお、上記のJONCRYLシリーズの重量平均分子量及び酸価は、いずれもカタログ値である。
インク中の低分子分散剤又は樹脂分散剤の含有量は、一般式(I)で表される化合物に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。分散剤の含有量が、一般式(I)で表される化合物に対して10質量%未満であると、粒子の分散安定性が低下する傾向にある。また、インク中の分散剤の含有量は、一般式(I)で表される化合物に対して、1000質量%以下であることが好ましく、500質量%以下であることがさらに好ましく、200質量%以下であることが特に好ましい。分散剤の含有量が、一般式(I)で表される化合物に対して1000質量%を超えると、記録される画像の金属光沢性が損なわれる傾向にある。
(一般式(I)で表される化合物からなる粒子の製造方法)
本発明においては、一般式(I)で表される化合物は粒子の状態でインク中に分散される。一般式(I)で表される化合物の粒子の製造方法としては、トップダウン方式と、ボトムアップ方式の2通りの方式がある。トップダウン方式は、粗大粒子をロールミルやビーズミル等の分散機を用いて機械的に解砕、微細化していく方式である。また、ボトムアップ方式は、対象の化合物を溶解させた溶液から粒子を凝集させていく方式である。一般式(I)で表される化合物の粒子は、いずれの方法で製造されたものであっても好適に使用できる。粒径の小さな粒子を容易に製造できるという観点から、ボトムアップ方式で製造することが好ましい。ボトムアップ方式としては、液中乾燥法、溶解再析出法、転相乳化法などが知られているが、いずれの手法も用いることができる。
液中乾燥法では、一般式(I)の化合物を水に不溶又は難溶の有機溶剤に溶解させた溶液と水とを分散剤の存在下で混合する。これにより形成したエマルションから有機溶剤を除去することで、一般式(I)の化合物の粒子を水中で析出させる製造方法である。溶解再析出法では、一般式(I)の化合物を有機溶剤に溶解させた化合物の溶解液(以下、「化合物溶解液」と記す)と、その化合物を溶解させる能力が乏しい溶剤又は水と、を分散剤の存在下で混合する。これにより、化合物の粒子を再度、水中等で析出させる製造方法である。これらのボトムアップ方式の製造方法では、穏やかな条件で一般式(I)の化合物の粒子の製造が可能である。
本発明のインクに用いる粒子の調製方法について、一例を挙げて説明する。先ず、一般式(I)で表される化合物及び有機溶剤を含有する第1の液体と、水及び分散剤を含有する第2の液体とを用意する。用意した第1の液体と第2の液体を混合し、第1の液体を分散質として含有するエマルションを得る。分散質は、一般式(I)で表される化合物と有機溶剤とを含有しており、分散剤によって水中に分散している。その後、分散質から有機溶剤を除去すれば、分散剤によって水中に分散安定化した粒子を得ることができる。
第1の液体中における一般式(I)で表される化合物は、有機溶剤に溶解している状態であることが好ましい。また、第2の液体中における分散剤は、水に溶解している状態であることが好ましい。また、第1の液体と第2の液体の混合前又は混合後には、必要に応じて、第1の液体、第2の液体、又はこれらの混合物(エマルション)のpHを中性付近(pH6〜10)に調整することが好ましい。これにより、分散剤が一般式(I)で表される化合物に吸着しやすくなり、より分散安定化した粒子を得ることができる。
第1の液体と第2の液体を混合する際には、例えば、高せん断型ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、又は薄膜旋回高速ミキサー等の機械的エネルギーを付与する従来公知の撹拌・せん断装置等を使用する。なかでも、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、又は薄膜旋回高速ミキサーを使用することが好ましい。また、SPG膜を利用する膜乳化法、マイクロチャネル乳化法、及びマイクロ流路分岐乳化法等の、界面化学的なメカニズムに基づくマイクロリアクター等を使用してエマルションを調製してもよい。なお、エマルションは1段階で調製してもよいし、多段階で調製してもよい。また、第2の液体に対する第1の液体の質量比(第1の液体/第2の液体)は、1/20以上2/3以下とすることが好ましく、1/15以上1/2以下とすることがさらに好ましい。
スループットの観点から、減圧操作、透析操作、又はこれらの操作の両方によって、分散質から有機溶剤を除去することが好ましい。減圧操作は、例えばエバポレータ等の従来公知の減圧装置を用いて実施することができる。また、透析操作は、例えば半透膜を用いる静的透析法の他、限外ろ過装置等の従来公知の透析装置を用いて実施することができる。
第1の液体に用いる有機溶剤としては、水への溶解性が小さく、水と混合した際に界面を形成しうる有機溶剤が好ましい。25℃の水97質量部に対する有機溶剤の溶解度は、3質量部以下であることが好ましい。25℃の水97質量部に対する溶解度が3質量部以下である有機溶剤を用いると、良好な状態のエマルションを調製することができる。また、その沸点が水の沸点よりも低い有機溶剤を用いると、エマルション中の分散質から容易に除去できるために好ましい。このような有機溶剤の具体例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、イソブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を挙げることができる。
樹脂分散剤を使用する場合、樹脂分散剤をインクに溶解させるため、塩基性化合物を用いて、樹脂分散剤中のアニオン性基(例えば、カルボキシ基等の酸性基)と、カウンターカチオンとの塩を形成させることが好ましい。塩基性化合物は、カルボキシ基等のアニオン性基と塩を形成しうる化合物であれば特に限定されない。塩基性化合物の具体例としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等の有機アミン類;アミノメチルプロパノール、2−アミノイソプロパノール、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物;モルホリン等の環状アミン;アンモニア水等の無機塩基等を挙げることができる。塩基性化合物の量は、樹脂分散剤の中和当量以上とすることが好ましい。また、画像定着性の観点からは、塩基性化合物の量は、樹脂分散剤の中和当量の約1.3倍程度とすることがさらに好ましい。
また、樹脂分散剤の塩を容易にイオン解離させるべく、pH緩衝液をインクに添加してインクのpHを調整し、樹脂分散剤の溶解安定性を高めることが好ましい。pH緩衝液は、インクのpHを6.5以上10以下に調整可能な緩衝作用を有するものであれば特に限定されない。pH緩衝液に用いられる塩の具体例としては、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等を挙げることができる。インク中のpH緩衝液の含有量は、記録ヘッドを構成する部材の耐久性と、インクの安定性の観点から、インクのpHが6.5以上10以下となる量とすることが好ましい。
(溶媒)
本発明のインクは水性インクであるため、溶媒として水を含有することを要する。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。水の含有量が30質量%未満であると、インクの粘度が高くなり、連続吐出安定性が低下する傾向にある。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。水の含有量が95質量%を超えると、インク中の蒸発成分が多くなり過ぎてしまい、インクジェットヘッドのノズル内で固着が生じやすくなる傾向にある。
また、本発明のインクは、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤としては、インクジェット用インクに一般的に使用される公知のものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、1価又は多価のアルコール類、アルキレン基の炭素原子数が1〜4程度のアルキレングリコール類、数平均分子量200〜2,000程度のポリエチレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類等を挙げることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量に対して、1.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上30.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記成分以外にも必要に応じて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の常温で固体の有機化合物;尿素、エチレン尿素等の含窒素化合物を含有させてもよい。また、上記の成分の他に、さらに必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート剤、水溶性樹脂などの種々の添加剤をインクに含有させてもよい。
(インクの物性)
本発明のインクのpHは、保存安定性及び粒子の分散安定性を維持する観点から、6.5以上であることが好ましい。なお、分散剤として樹脂分散剤を用いた場合には、インクのpHは樹脂分散剤の等電点以上であることが好ましい。本発明のインクの表面張力は、インクジェットヘッドからの吐出安定性を向上させる観点から、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。また、本発明のインクの粘度は、15mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがさらに好ましく、5mPa・s以下であることが特に好ましい。
(インクジェット記録方法)
インクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、力学的エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式や、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式を挙げることができる。なかでも、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式を採用することが好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。また、記録媒体としては、普通紙や光沢紙等の浸透性の記録媒体や、フィルム等の非浸透性の記録媒体を挙げることができる。
本発明のインクを上記方法で形成した画像は、画像に対して入射光に対する正反射光(入射光の入射角と同じ反射角で鏡面方向に反射する反射光)は金色となるものの、正反射光と異なる反射角で反射する拡散光が金色と異なる色相を呈することによって、金色感が低くなる場合がある。この場合、本発明のインク付与工程に先立って、記録媒体に、黒色、又は、前記インクの拡散光に対して反対色の下地を形成する工程を設けることで画像の拡散光を低減させることができ、結果的に金色感を向上させることができる。
黒色、又は、前記インクの拡散光に対して反対色の下地は、黒色インク、又は、本発明のインクの拡散光に対して反対色のインクを、記録媒体に付与することで形成することが好ましい。ここで、「黒色」とは、記録媒体に対して、100%デューティのベタ画像サンプルを記録した際に、係る画像サンプルが380nm以上780nm以下の光の波長の全領域において吸収があることを意味する。更には、前記画像サンプルを、積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式でD50光源環境を用いて測色した場合(ISO7724/1の国際基準で定められた測定原理において、JIS Z 8722に記載の条件cに記載の方法に準拠して測定を行う。尚、係る測定方法は、国際照明委員会であるCIE No.15に定める物体色の測定方法、アメリカ材料試験協会が規格したASTM E1164にも準拠している)に、CIEL表色系において、明度Lが35以下となることが好ましく、25以下であることがより好ましく、15以下であることが特に好ましい。明度Lが35以下であることにより、拡散光を十分に低減することができ、金色感が向上した画像を得ることができる。
また、本発明において、下地を形成するインクとして、本発明のインクの拡散光に対して反対色のインクを用いる場合、下地を形成するインクは、本発明のインクの拡散光の反対色を呈する色材を含有することが好ましい。本発明において、「拡散光」とは、画像に対して特定の入射角で入射した光の反射光のうち、正反射光(鏡面反射光)を除いた光のことである。拡散光は、例えば、波長が380nm以上780nm以下の領域において、積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式でD50光源環境を用いることで測色することができる。ここで、「反対色」とは、下記式(1)の関係を満足する色相を意味する。
式(1):前記インクの拡散光の色相角度+162°≦前記反対色の拡散光の色相角度≦前記インクの拡散光の色相角度+198°
反対色の中でも、CIEL表色系で示されたメタリックインクの色度a値、b値に対して、インクの拡散光に対して補色の関係にある色のインクであることが好ましい。
また、本発明において、CIEL表色系における反対色のa及びb(a 及びb とする)と、インクのa及びb(a 及びb とする)とが、下記の関係を満足することが好ましい。
|{(a +(b 1/2−{(a +(b 1/2|≦30
上記式の左辺は、CIEL表色系におけるa平面の原点(a=0、b=0)からの距離の差を表す。この差が小さい程、即ち、0に近い程、反対色による拡散光の低減効果が高いため、より好ましい金色画像が得られる。
また、本発明のインクで形成した画像の金色感をより向上できるため、下地を形成するインクとして黒色インクを用いることが好ましい。黒色インクは380nm以上780nm以下の全ての波長領域において吸収を有する顔料又は染料を含有するインクが好ましい。ここで使用できる顔料又は染料は一般的にインクジェット用インクで使用されている黒色顔料又は黒色染料の中から任意のものを選ぶことができ、単独又は複数使用することができる。黒色インクとして、市販の黒色染料インク又は黒色顔料インクを使うこともできる。
記録媒体に付与された本発明のインクと下地を形成するインクで形成された画像の拡散光は、分光測色計(商品名:CM−2600d、コニカミノルタ製)の正反射光成分除去(SCE)方式で測定できる。積分球型分光測色計の正反射光成分を含まない測色方式で測色する際の光源環境条件としては、本発明では印刷物の測色に好適なD50光源(JIS Z 8720:2012に規定)を用いることができる。尚、測色の際に用いる光源はD50光源に限定されず、A光源、C光源、D65光源(JIS Z 8720:2012に規定)でも良い。また、これ以外にもF2光源、F6光源、F7光源、F8光源、F10光源、F12光源を用いることができ、記録条件・環境に応じて適宜、好適な光源を使用できる。尚、下地を形成するインクとして黒色インクを用いた場合には、何れの光源を用いた場合であっても同様の効果が得られる。
本発明において、記録媒体上に形成される、下地を形成するインクに由来する層厚は、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。更には、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。尚、層厚の測定方法は、μmオーダーの薄膜の層厚を測定可能であれば、特に限定されない。例えば、画像の断面を切り出し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、層厚を測定してもよい。
(黒色染料を添加したインク)
本発明のインクに黒色染料を添加することによっても、上記の黒色下地層と同様に画像の拡散光を低減させることができ、結果的に金色感を向上させることができる。ここで使用できる黒色染料は一般的にインクジェット用インクで使用されている染料の中から任意の染料を選ぶことができ、単独又は複数使用することができる。或いは、黒色染料に代えて市販の黒色染料インクを使用することもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、含有量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。また、粒子の平均粒子径は、動的光散乱式の粒径・粒度分布測定装置(商品名「ナノトラックUPA 150EX」、日機装製)を使用して測定した粒度分布における、積算値50%での体積平均粒子径を意味する。
[化合物3の合成]
1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン10.0部、ジフェニルアミン12.8部、炭酸ナトリウム17.8部、及びN,N−ジメチルホルムアミド100部を混合し、100℃で7時間撹拌して反応させた。その後、ジイソプロピルアミン(20部)を加えて、下記式(A)で表される中間体A(固体)を濾取した。
中間体A4.8部をN,N−ジメチルホルムアミド30部に溶解させた後、テトラシアノエチレン3.5部を加え、70℃で1.5時間撹拌して反応させた。反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。溶媒を減圧して留去した後、クロロホルムを用いて得られた固体を再結晶し、下記式(3)で表される化合物3を得た。得られた化合物について、クロロホルムに溶解させた際の吸収極大波長λmaxを、紫外可視近赤外分光光度計UV−3600(島津製作所)を用いて測定したところ、502nmであった。
[化合物7の合成]
N−メチル−N−フェニルアニリン5.0部をN,N−ジメチルホルムアミド30部に溶解させた後、テトラシアノエチレン5.2部を加え、室温で1.5時間撹拌して反応させた。反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。溶媒を減圧して留去した後、酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒を用いて得られた固体を再結晶し、化合物7を得た。得られた化合物について、クロロホルムに溶解させた際の吸収極大波長λmaxを、紫外可視近赤外分光光度計UV−3600(島津製作所)を用いて測定したところ、514nmであった。
(実施例1:インク1)
[分散体1の調製]
クロロホルム200部に化合物3 3部を溶解させて混合液を調製した。一方、スチレン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量:12,000、酸価:170mgKOH/g)5部と水500部の混合物にKOH水溶液を加えてpH10に調整し、樹脂分散剤の水溶液を調製した。調製した樹脂分散剤の水溶液に前述の混合液を加え、氷冷下、超音波ホモジナイザーを使用して15分間乳化処理してエマルションを得た。エバポレータを用いて減圧してクロロホルムを留去し、分散体1を得た。得られた分散体1中の粒子の平均粒子径は88nmであった。
[インク1の調製]
下記成分(合計:100部)と、上記の分散体1とを、固形分(化合物3と分散剤の合計)のインク中の濃度が5%になるように混合した。ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過し、インク1を得た。尚、インク1中の粒子の平均粒子径は90nmであった。
・グリセリン 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1.0部
・イオン交換水 89.0部
(実施例2:インク2)
[分散体2の調製]
クロロホルム70部に化合物3 1部を溶解させて混合液を得た。この混合液にドデシル硫酸ナトリウム5部と水180部の混合物を加え、氷冷下、超音波ホモジイザーを使用して15分間乳化処理してエマルションを得た。エバポレータを用いて減圧下クロロホルムを留去し、分散体2を得た。得られた分散体2中の粒子の平均粒子径は18nmであった。
[インク2の調製]
分散体1に代えて分散体2を用いたこと以外は、前述のインク1の調製と同様にしてインク2を得た。尚、インク2中の粒子の平均粒子径は17nmであった。
(実施例3:インク3)
[分散体3の調製]
クロロホルム20部に化合物7 0.5部を溶解させて混合液を得た。一方、スチレン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量:12,000、酸価:170mgKOH/g)0.5部と水50部の混合物にKOH水溶液を加えてpH10に調整し、樹脂分散剤の水溶液を調製した。調製した樹脂分散剤の水溶液に前述の混合液を加え、氷冷下、超音波ホモジイザーを使用して15分間乳化処理してエマルションを得た。エバポレータを用いて減圧下クロロホルムを留去し、分散体3を得た。得られた分散体3中の粒子の平均粒子径は350nmであった。
[インク3の調製]
分散体1に代えて分散体3を用いたこと以外は、前述のインク1の調製と同様にしてインク3を得た。尚、インク3中の粒子の平均粒子径は250nmであった。
[インク4の調製]
下記成分(合計:100部)と、上記の分散体1とを、インク中の固形分濃度が5%になるように混合した。ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過し、インク4を得た。
・BCI−7eBk黒色染料インク(キヤノン株式会社製) 35.0部
・グリセリン 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1.0部
・イオン交換水 残部
(画像の記録−1)
インクジェット記録装置(商品名「F930」、キヤノン製、記録ヘッド:6吐出口列(各512ノズル)、インク量:4.0pL(定量)、解像度:最高1200dpi(横)×1200dpi(縦))を用意した。このインクジェット記録装置に調製したインク1〜3をそれぞれ充填し、インクジェット用写真用紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロフェッショナルPR−201」、キヤノン製)に1cm×1cmのベタ画像を描画した。
描画した部分を目視観察したところ、インク1及びインク2で描画した部分は金色画像となっていた。インク3で描画した部分はやや緑味の金色画像となっていた。記録した画像を3か月放置した後に観察したが、何れの画像も変化が生じていなかった。
また、インク1及び2を用いた画像は均一な金色画像となっており、インクの吐出安定性も良好であった。一方、インク3を用いた画像は金色画像中に一部白抜き部分が見られ、インクの吐出安定性がインク1及び2と比較すると劣っていた。また、調製したインクを1カ月放置したところ、いずれのインクについても粒子の粒径に変化は生じなかった。
(画像の記録−2)
画像の形成には、F930(キヤノン株式会社製、記録ヘッド;6吐出口列、各512ノズル、インク量4.0pl(定量)、解像度最高1200dpi(横)×1200dpi(縦))を用いた。F930のインクカートリッジに、市販のBCI−7eBk黒色染料インク (キヤノン株式会社製)とインク1〜3をそれぞれ充填した。そして、記録媒体であるインクジェット用写真用紙(キヤノン写真用紙・光沢プロフェッショナルPR−201)に、3cm×3cmのベタ画像となるよう上記黒色インクを印字した。この後、黒色インクを印字した領域上に、インク1〜3を使って3cm×3cmのベタ画像を描画した。描画した部分を目視観察したところ、色味の異なる拡散光が低減し、(画像の記録−1)で形成した画像よりも金色感が高い画像であった。
(画像の記録−3)
インク4を使用して(画像の記録−1)と同様の手法にてベタ画像を描画した。描画した部分を目視観察したところ、(画像の記録−2)と同様の金色感が高い画像であった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物からなる粒子と、前記粒子を分散させる分散剤と、を含有することを特徴とするインクジェット用水性インク。

    (前記一般式(I)中、R 及び はベンゼン環を表し、n2又は3のいずれかの整数である)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である請求項1に記載のインクジェット用水性インク。
  3. 前記分散剤が、アニオン性基を有する樹脂分散剤又はアニオン性界面活性剤である請求項1または2に記載のインクジェット用水性インク。
  4. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いられる請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット用水性インク。
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