JP2020015783A - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐久性に優れる画像を形成でき、かつ吐出安定性に優れるインクジェット記録用インクの提供を目的とする。【解決手段】本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体と、顔料と、バインダー樹脂粒子と、親水性無機粒子とを含有する。前記バインダー樹脂粒子の含有割合は、4.0質量%以上20.0質量%以下である。前記親水性無機粒子の含有割合は、1.0質量%以上12.0質量%以下である。沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合は、4.0質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録用インクとして、例えば、顔料と、樹脂粒子と、高沸点の有機溶剤(例えば、グリセリン)と、水とを含有するインクジェット記録用インクが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−214687号公報
しかし、特許文献1に記載のインクジェット記録用インクは、形成される画像の耐久性(特に、耐擦過性、及び記録媒体との密着性)と、吐出安定性との観点から改善の余地があることが本発明者の検討により判明した。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性に優れる画像を形成でき、かつ吐出安定性に優れるインクジェット記録用インクを提供することである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体と、顔料と、バインダー樹脂粒子と、親水性無機粒子とを含有する。前記バインダー樹脂粒子の含有割合は、4.0質量%以上20.0質量%以下である。前記親水性無機粒子の含有割合は、1.0質量%以上12.0質量%以下である。沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合は、4.0質量%以下である。
本発明のインクジェット記録用インクは、耐久性に優れる画像を形成でき、かつ吐出安定性に優れる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。以下に記載する各成分は、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態において、粒子に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、本発明の実施形態において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。このうち、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。更に、本発明の実施形態においては、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本発明の実施形態において、粒子の体積平均粒子径(MV)は、特に断りのない限り、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置(例えば、シスメックス社製「ゼータサイザー(登録商標)ナノZS」)により測定される二次粒子径を示す。
<インクジェット記録用インク>
本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インク(以下、インクと記載することがある)は、水性媒体と、顔料と、バインダー樹脂粒子と、親水性無機粒子とを含有する。本実施形態に係るインクにおいて、バインダー樹脂粒子の含有割合は、4.0質量%以上20.0質量%以下である。本実施形態に係るインクにおいて、親水性無機粒子の含有割合は、1.0質量%以上12.0質量%以下である。本実施形態に係るインクにおいて、沸点150℃以上の有機溶剤(高沸点有機溶剤)の含有割合は、4.0質量%以下である。本実施形態に係るインクは、界面活性剤を更に含有することが好ましい。
本実施形態に係るインクは、例えば、インクジェット記録装置を用いた記録媒体への画像形成方法に用いることができる。即ち、本実施形態に係るインクは、インクジェット記録装置の記録ヘッドから記録媒体に吐出することで、記録媒体に画像を形成することができる。本実施形態に係るインクを記録ヘッドにより吐出する方法としては、例えば、サーマル方式、ピエゾ方式、連続方式、及びバブル方式が挙げられる。
本実施形態に係るインクで画像を形成する記録媒体としては、例えば、紙製、樹脂製、金属製、ガラス製、又はセラミックス製の記録媒体が挙げられる。具体的な記録媒体としては、例えば、一般的なコピー紙(特に、普通紙)、再生紙、薄紙、厚紙、光沢紙、コート紙、樹脂フィルム及びOHPシートが挙げられる。記録媒体としては、繊維を用いて加工された記録媒体(例えば布地)も挙げられる。即ち、本実施形態に係るインクは、インクジェット捺染に用いることもできる。
本実施形態に係るインクは、耐久性に優れる画像を形成でき、かつ吐出安定性に優れる。本実施形態に係るインクは、コート紙及び樹脂フィルム(例えば、食品等の包装フィルム)のような浸透性の低い記録媒体への画像形成に好適である。その理由は以下のように推測される。本実施形態に係るインクは、バインダー樹脂粒子を一定量含有するため、浸透性の低い記録媒体を用いる場合でも記録媒体の表面に顔料を定着させ易い。また、本実施形態に係るインクは、高沸点有機溶剤の含有割合が一定以下である。ここで、従来のインクには、粘度及び表面張力の調整を目的に一般的に高沸点有機溶剤が添加されている。しかし、高沸点有機溶剤は、水と比較して蒸発し難いため、インクにより形成された画像に残留してその耐久性を低下させる傾向にある。この傾向は、浸透性の低い記録媒体に画像形成を行う場合に特に顕著である。一方、本実施形態に係るインクは、高沸点有機溶剤を一定割合以下しか含有しないため、形成された画像における高沸点有機溶剤の残留を抑制でき、その結果、画像の耐久性を向上できる。更に、本実施形態に係るインクは、高沸点有機溶剤を一定割合以下しか含有しないが、代わりに親水性無機粒子を一定割合含有することでインクに要求される粘度及び表面張力が確保されているため、吐出安定性にも優れる。
25℃におけるインクの粘度としては、4mPa・s以上8mPa・s以下が好ましい。また、25℃におけるインクの表面張力としては、25mN/m以上35mN/m以下が好ましい。25℃におけるインクの粘度及び表面張力を上述の範囲とすることで、吐出安定性をより向上できる。インクの粘度及び表面張力は、例えば、親水性無機粒子の含有割合の増減により調整できる。
なお、インクの粘度は、落球式粘度計を用いて測定される。落球式粘度計としては、例えば、落球式自動マイクロ粘度計(アントンパール社製「AMVn」)を使用できる。インクの表面張力は、例えば、Wilhelmy法(プレート法)に従って測定される。表面張力測定計としては、例えば、協和界面科学社製「自動表面張力計DY−300」を使用できる。
[水性媒体]
水性媒体は、水を主成分とする媒体であり、必要に応じて他の溶剤を含んでもよい。他の溶剤としては、水溶性である限り特に限定されないが、例えば、有機溶剤が挙げられる。水性媒体における水の含有割合としては、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。
インクにおける水の含有割合としては、40.0質量%以上90.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以上85.0質量%以下がより好ましい。
(高沸点有機溶剤)
インクにおける高沸点有機溶剤の含有割合は、上述の通り4.0質量%以下であり、0.5質量%以下が好ましく、0.0質量%がより好ましい。このように、インクにおける高沸点有機溶剤の含有割合を4.0質量%以下とすることで、形成される画像の耐久性を向上できる。なお、インクが2種以上の高沸点有機溶剤を含有する場合、上述の高沸点有機溶剤の含有割合とは、2種類以上の高沸点有機溶剤の合計含有割合を意味する。
高沸点有機溶剤としては、例えば、多価アルコール化合物、及び沸点150℃以上の多価アルコールエーテル化合物が挙げられる。多価アルコール化合物としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、及び2,2’−チオジエタノールが挙げられる。沸点150℃以上の多価アルコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
インクにおける沸点150℃未満の有機溶剤(以下、低沸点有機溶剤と記載することがある)の含有割合については、特に制限はないが、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。このような低沸点有機溶剤としては、例えば、炭素原子数1以上4以下の低級アルコールと、沸点150℃未満のエーテル化合物と、沸点150℃未満の多価アルコールエーテル化合物(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル)とが挙げられる。
[顔料]
顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、又は193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、又は71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122、又は202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、又は15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、又は33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7が挙げられる。
インクにおける顔料の含有割合としては、1.0質量%以上8.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以上6.0質量%以下がより好ましい。顔料の含有割合を1.0質量%以上とすることで、所望の画像濃度が得られ易くなる。一方、顔料の含有割合を8.0質量%以下とすることで、インク中での顔料の流動性が向上し、所望の画像濃度が得られ易くなる。また、浸透性記録媒体を用いる場合には、顔料の含有割合を8.0質量%以下とすることで、記録媒体に対するインクの浸透性を向上できる。
インクにおいて、顔料は、粒子(以下、顔料粒子と記載することがある)として水性媒体に分散している。顔料粒子は、顔料のみを含んでいてもよい。また、顔料粒子は、顔料と、顔料の表面を被覆する樹脂粒子(以下、被覆樹脂粒子と記載することがある)とを含んでいてもよい。
被覆樹脂粒子は、顔料の表面を被覆することで、その分散性を向上させる。被覆樹脂粒子に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含む樹脂である。スチレン−(メタ)アクリル樹脂は、スチレンに由来する繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位とを含む樹脂である。スチレン−(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、及びスチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体が挙げられる。
インクが被覆樹脂粒子を含有する場合、インクにおける被覆樹脂粒子の含有割合としては、顔料100質量部に対して、15質量部以上100質量部以下が好ましい。
インクの色濃度、色相、及び安定性を向上させる観点から、顔料粒子の体積中位径(D50)としては、30nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上130nm以下がより好ましい。
[バインダー樹脂粒子]
バインダー樹脂粒子は、水性媒体中に分散した状態で存在する。バインダー樹脂粒子は、インクにより形成される画像においてバインダーとして機能し、記録媒体に対する顔料の定着性を向上させる。
バインダー樹脂粒子が含む樹脂としては、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。バインダー樹脂粒子が含む樹脂としては、ウレタン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂が好ましい。バインダー樹脂粒子におけるウレタン樹脂及び(メタ)アクリル樹脂の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
バインダー樹脂粒子の体積平均粒子径(MV)としては、10nm以上500nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。
インクにおけるバインダー樹脂粒子の含有割合としては、4.0質量%以上20.0質量%以下であり、5.0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。バインダー樹脂粒子の含有割合を4.0質量%以上とすることで、記録媒体に対する顔料の定着性を向上できる。一方、バインダー樹脂粒子の含有割合を20.0質量%以下とすることで、インクの吐出安定性を向上できる。
[親水性無機粒子]
親水性無機粒子は、インクに適度な粘性及び表面張力を付与して吐出安定性を向上させる。ここで、親水性無機粒子とは、表面に疎水化処理を行っていない無機粒子を意味する。親水性無機粒子は、表面に疎水化処理を行った疎水性無機粒子と比較して水性媒体に対する分散性に優れる。
親水性無機粒子としては、例えば、親水性シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子、及び層状ケイ酸塩粒子が挙げられる。親水性無機粒子としては、親水性シリカ粒子が好ましい。親水性無機粒子として親水性シリカ粒子を用いることで、インクの色合への影響を抑えることができる。また、親水性シリカ粒子は、比較的低比重であるため、親水性無機粒子として用いた場合にインク中での沈降を生じ難い。
親水性シリカ粒子としては、例えば、親水性ヒュームドシリカ粒子、親水性コロイダルシリカ粒子、及び親水性破砕シリカ粒子が挙げられ、これらの中で、親水性ヒュームドシリカ粒子、又は親水性コロイダルシリカ粒子が好ましい。
親水性無機粒子の体積平均粒子径(MV)としては、50nm以上300nm以下が好ましく、80nm以上200nm以下がより好ましい。
インクにおける親水性無機粒子の含有割合としては、1.0質量%以上12.0質量%以下であり、5.0質量%以上9.0質量%以下がより好ましい。親水性無機粒子の含有割合を1.0質量%以上12.0質量%以下とすることで、インクの吐出安定性及び保存安定性を維持しつつ粘度を適度に増大させることができる。
[界面活性剤]
界面活性剤は、記録媒体の表面に対するインクの濡れ性を向上させる。これにより、浸透性記録媒体を用いる場合には、インクの記録媒体に対する浸透性を向上させる。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤が挙げられ、ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、アセチレングリコール型界面活性剤、又はポリシロキサン型界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール型界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、又は2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールが好ましい。市販のアセチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、日信化学工業社製「オルフィン(登録商標)E1010」、「オルフィン(登録商標)STG」、「オルフィン(登録商標)Y」、「サーフィノール(登録商標)82」、「サーフィノール(登録商標)104」、「サーフィノール(登録商標)465」、「サーフィノール(登録商標)485」、及び「サーフィノール(登録商標)TG」が挙げられる。
インクが界面活性剤を含有する場合、その含有割合としては、0.05質量%以上5.00質量%以下が好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
[その他の添加剤]
インクは、上述した成分以外に、その他の添加剤を更に含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、pH調整剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び酸素吸収剤が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、第三級アミン(より具体的には、トリエタノールアミン)が挙げられる。定着剤としては、例えば、水溶性ロジンが挙げられる。防黴剤としては、例えば、安息香酸ナトリウムが挙げられる。なお、安息香酸ナトリウムは、防腐剤としての機能も有する。酸化防止剤としては、例えば、アロハネート類が挙げられる。
[インクの製造方法]
インクの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、顔料分散液と、バインダー樹脂粒子分散液と、親水性無機粒子分散液と、必要に応じて用いられる界面活性剤等の任意成分とを混合し、必要に応じて水性媒体(例えば、水)等で希釈する方法が挙げられる。ここで、顔料分散液とは、水性媒体と、水性媒体に分散する顔料粒子とを含む分散液である。バインダー樹脂粒子分散液とは、水性媒体と、水性媒体に分散する顔料粒子とを含む分散液である。親水性無機粒子分散液とは、水性媒体と、水性媒体に分散する親水性無機粒子分散液とを含む分散液である。なお、インクの製造において水を用いる場合、イオン交換水又は純水を用いることが好ましい。
親水性無機粒子分散液として市販品を用いる場合、市販品をそのまま用いてもよく、市販品に高圧分散処理法(例えば、圧力条件30MPa以上80MPa以下)を実施してから用いてもよい。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。まず、各物性の測定方法について説明する。
[粘度測定]
本実施例において、インクの粘度は、落球式自動マイクロ粘度計(アントンパール社製「AMVn」)を用いて測定した。粘度の測定においては、直径1.6mmのキャピラリ―と、直径1.5mmかつ比重7.63のスチール球とを用い、落球角度を70度、温度を25℃とした。測定後、上述のアントンパール社製「AMVn」の専用ソフトウェアにてインクの粘度を算出した。
[表面張力測定]
インクの表面張力は、協和界面科学社製「自動表面張力計DY−300」を用い、Wilhelmy法(プレート法)によって測定した。測定においては、温度を25℃とした。
[体積平均粒子径(MV)及び多分散指数の測定]
本実施例において、粒子の体積平均粒子径(MV)及び多分散指数は、動的光散乱式粒径分布測定装置(シスメックス社製「ゼータサイザー(登録商標)ナノZS」)を用いて測定した。詳しくは、イオン交換水を用いて測定対象を希釈し、測定に適した濃度(希釈率:1000倍以上5000倍以下)に調整した。得られた希釈液について、ISO 13321:1996(Particle size analysis−Photon correlation spectroscopy)に記載の方法に基づいて、上述の動的光散乱式粒径分布測定装置を用いて体積平均粒子径(MV)及び多分散指数を求めた。
<インクの調製>
インクの調製に用いた主な材料を以下に示す。
・顔料分散液:水、顔料(ピグメントブルー15:3)及び被覆樹脂粒子(アクリル樹脂)を含む分散液(顔料の濃度:15質量%)、山陽色素社製「エマコール(登録商標)SF AD2080F」
・水性ウレタンディスパージョン:水及びウレタン樹脂粒子を含む分散液(ウレタン樹脂粒子の濃度:30質量%)、宇部興産社製「UPUD−ST−053D」
・アクリル酸系エマルション:水及びアクリル樹脂粒子を含む分散液(アクリル樹脂粒子の濃度:50質量%)、トーヨーケム社製「TOCRYL(登録商標)X−4402」
・親水性シリカ粒子分散液A:水及び親水性ヒュームドシリカ粒子を含む分散液(親水性ヒュームドシリカ粒子の濃度:20質量%)、日本アエロジル社製「W7530」、体積平均粒子径(MV):120nm、多分散指数:0.12
・疎水性シリカ粒子分散液:水及び疎水性ヒュームドシリカ粒子を含む分散液、日本アエロジル社製「W−8520N」、体積平均粒子径(MV):130nm、多分散指数:0.15
・日信化学社製「オルフィン(登録商標)E1010」:アセチレンジオールのエチレンオキシド付加物を含む界面活性剤
・高沸点有機溶剤:グリセリン(関東化学社製の特級試薬)、沸点290℃
(親水性シリカ粒子分散液Bの調製)
水及び親水性コロイダルシリカ粒子を含む親水性コロイダルシリカ粒子分散液(トクヤマ社製「SANSIL(登録商標)SS−01」)20.0gに、イオン交換水60.0gを添加し、スターラ―にて予備攪拌することで希釈液を得た。次いで、この希釈液に1M水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、pH調整後の希釈液に対し、高圧分散装置(吉田機械工業社製「ナノヴェイタ(登録商標)C−ES」)で高圧分散処理(圧力条件:50MPa)を行った。高圧分散処理後の希釈液について、1M水酸化ナトリウム水溶液を添加して再度pHを10に調整した後、イオン交換水を更に添加して全量100.0gとなるように希釈し、親水性シリカ粒子分散液Bを得た。得られた親水性シリカ粒子分散液Bは、固形分濃度が20質量%、体積平均粒子径(MV)が100nm、多分散指数が0.25であった。
[実施例1]
上述の顔料分散液(濃度:15質量%)20.0gと、バインダー樹脂粒子分散液としての水性ウレタンディスパージョン(濃度:30質量%)14.0gとを混合した。この混合液に、親水性シリカ粒子分散液A(濃度:20質量%)21.0gと、界面活性剤(日信化学社製「オルフィン(登録商標)E1010」)0.5gとを添加し、その後、合計60.0gとなるようにイオン交換水で希釈した。これにより、実施例1のインク(色:シアン)を得た。実施例1のインクは、25℃での粘度が5mPa・s、25℃での表面張力が30mN/mであった。
以下の点を変更した以外は、実施例1のインクの調製と同様の方法により、実施例2〜6及び比較例1〜8のインクを60.0gずつ調製した。各インクの組成と、25℃での粘度及び表面張力とを下記表1に示す。下記表1において、各成分の「質量%」は、有効成分の濃度を示す。
[実施例2]
実施例2のインクの調製では、顔料分散液の使用量を12.0gに変更し、かつ親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を30.0gに変更した。
[実施例3]
実施例3のインクの調製では、水性ウレタンディスパージョンの使用量を24.0gに変更し、かつ親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を9.0gに変更した。
[実施例4]
実施例4のインクの調製では、親水性シリカ粒子分散液Aを使用せず、代わりに親水性シリカ粒子分散液B(濃度:20質量%)24.0gを使用した。
[実施例5]
実施例5のインクの調製では、バインダー樹脂粒子分散液として水性ウレタンディスパージョンを使用せず、代わりにアクリル酸系エマルション(濃度:50質量%)8.4gを使用した。
[実施例6]
実施例6のインクの調製では、高沸点有機溶剤であるグリセリン1.8gを添加した。
[比較例1]
比較例1のインクの調製では、親水性シリカ粒子分散液Aを使用せず、代わりに疎水性シリカ粒子分散液(濃度:20%)21gを使用した。
[比較例2]
比較例2のインクの調製では、顔料分散液の使用量を12.0gに変更し、親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を45.0gに変更し、かつバインダー樹脂粒子分散液を使用しなかった。
[比較例3]
比較例3のインクの調製では、顔料分散液の使用量を28.0gに変更し、親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を30.0gに変更し、かつバインダー樹脂粒子分散液を使用しなかった。
[比較例4]
比較例4のインクの調製では、水性ウレタンディスパージョンの使用量を6.0gに変更し、かつ親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を30.0gに変更した。
[比較例5]
比較例5のインクの調製では、高沸点有機溶剤であるグリセリン3.0gを添加した。
[比較例6]
比較例6のインクの調製では、親水性シリカ粒子分散液Aを使用せず、高沸点有機溶剤であるグリセリン3.0gを添加した。
[比較例7]
比較例7のインクの調製では、親水性シリカ粒子分散液Aを使用しなかった。
[比較例8]
比較例8のインクの調製では、顔料分散液の使用量を10.0gに変更し、水性ウレタンディスパージョンの使用量を10.0gに変更し、親水性シリカ粒子分散液Aの使用量を39.0gに変更した。
なお、実施例1〜6及び比較例1〜8のインクは、顔料分散液及びバインダー樹脂粒子分散液等に由来する高沸点有機溶剤が含まれていたが、その含有割合は痕跡量程度(0.1質量%未満)であった。
Figure 2020015783
<評価>
以下の方法により、実施例1〜6及び比較例1〜8のインクについて、形成される画像の耐久性(耐擦過性、及び記録媒体に対する密着性)と、吐出安定性と、保存安定性とを評価した。評価結果を下記表2に示す。但し、比較例1のインクについては、印字開始直後からノズルの閉塞が生じたため、耐久性の評価に用いる画像を形成できなかった。そのため、比較例1のインクについては、形成される画像の耐久性を評価しなかった。
(評価機)
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製「PX−045a」)の専用カートリッジのインク室に評価対象のインクを充填した。この専用カートリッジを、上述のインクジェットプリンターに装着した。このインクジェットプリンターを評価機として用いた。
[密着性]
上述の評価機を用い、インクジェット用OHPフィルム(スリーエムジャパン社製)にソリッド画像(印字率100%)を形成した。そして、ソリッド画像を形成したインクジェット用OHPフィルムを120度で30秒間加熱し、画像を乾燥させた。このインクジェット用OHPフィルムをサンプルとして用い、碁盤目試験(クロスカット法)を実施した。具体的には、サンプル上の画像に対し、縦横各6本の2mm間隔の格子状(碁盤目様)の切り込みを入れ、一辺2mmの正方形状のマス目を25個形成した。切り込みを入れた画像上に粘着テープ(ニチバン社製「セロテープ(登録商標)CT−24」)を張り付け、約60度の角度で上述の粘着テープを剥離した。この際、粘着テープの剥離は、剥離開始から剥離終了までの時間が約1秒となる速度で行った。粘着テープの剥離後、サンプル上の剥離面を観察して剥離の程度をJIS(日本工業規格)K5600−5−6:1999に準じて分類0〜分類5に分類した。この分類では、分類0が最も剥離が抑えられていたことを示し、分類の数字が大きくなるほど剥離の程度が大きいことを示す。インクにより形成される画像の記録媒体に対する密着性は、分類0又は分類1であった場合を良好(A)、分類2〜分類5であった場合を不良(B)と判定した。
[耐擦過性]
上述の密着性の評価と同様の方法により、サンプル(ソリッド画像が形成されたインクジェット用OHPフィルム)を作成した。このサンプルに対し、JIS(日本工業規格)L0849:2013に準じた耐擦過性の評価を実施した。具体的には、約220mm×30mmの短冊状に切り出したサンプルを学振式摩擦試験機(II型)(安田精機社製「学振式摩擦試験機(II型)」)にセットした。セットした短冊状サンプル上の画像に評価用白綿布を荷重200gで押しつけ、この荷重を維持しつつ評価用白綿布を100回往復運動させた。その後、評価用白綿布に生じた汚染の程度を、JIS(日本工業規格)L0805:2005に規定される汚染用グレースケールを用いて分類した。分類では、汚染の程度を、1級、1〜2級、2級、2〜3級、3級、3〜4級、4級、4〜5級、又は5級の9段階に分類した。この分類では、級数の数字が小さいほど汚染の程度が大きいことを示す。インクにより形成される画像の耐擦過性は、汚染の程度が4級、4〜5級又は5級であった場合を良好(A)、それ以外の場合を不良(B)と判定した。
[吐出安定性]
上述の評価機を用い、インクジェット用OHPフィルム(スリーエムジャパン社製)に、30枚連続でソリッド画像(印字率100%)を形成した。その後、上述の評価機を用い、上述のインクジェット用OHPフィルムにノズルチェックパターンを印字した。形成されたノズルチェックパターンを基に、全ノズル本数(128本)のうち、ノズル抜けが発生したノズルの本数(ノズル抜け本数)を計測した。ノズル抜け本数は、その数値が小さいほどインクの吐出安定性が優れていることを示す。インクの吐出安定性は、ノズル抜け本数が10本未満の場合を良好(A)、ノズル抜け本数が10本以上の場合を不良(B)と判定した。
[保存安定性]
各インクをイオン交換水で10,000倍に希釈した。得られた10,000倍希釈インクを、紫外可視分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製「U−3010」)を用い、測定波長500nmで吸光度を測定した。測定された吸光度を「吸光度A」とした。
次に、各インクを密閉容器に入れて温度50℃の環境下で1週間にわたって静置した。その後、密閉容器を手で振盪することで、密閉容器内のインクを軽く攪拌した。攪拌後のインクをイオン交換水で10倍希釈した。インク(10倍希釈)10mLをメスシリンダー(容量:10mL)に入れ、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で1週間静置した。静置後、メスシリンダー内のインク(10倍希釈)から2mLの上澄み液を採取し、採取した上澄み液をイオン交換水で1,000倍に希釈した。得られた1,000倍希釈上澄み液を、上述の紫外可視分光光度計を用い、測定波長500nmで吸光度を測定した。測定された吸光度を「吸光度B」とした。吸光度A及び吸光度Bから、下記式に基づいて、インクの保存安定度(%)を算出した。各インクの保存安定性は、保存安定度が100%に近いほど優れると判断され、保存安定度が90%以上の場合を良好(A)、保存安定度が90%未満の場合を不良(B)と判定した。
保存安定度(%)=100×吸光度B/吸光度A
Figure 2020015783
実施例1〜6のインクは、水性媒体と、顔料と、バインダー樹脂粒子と、親水性無機粒子とを含有していた。バインダー樹脂粒子の含有割合は、4.0質量%以上20.0質量%以下であった。親水性無機粒子の含有割合は、1.0質量%以上12.0質量%以下であった。実施例1〜6のインクにおいて、沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合は、4.0質量%以下であった。その結果、表2に示すように、実施例1〜6のインクは、形成される画像の耐久性(耐擦過性、及び記録媒体に対する密着性)と、吐出安定性とに優れていた。また、実施例1〜6のインクは、保存安定性についても優れていた。
一方、比較例1〜8のインクは、上述の構成を満たしていなかった。具体的には、比較例1のインクは、親水性無機粒子を含有せず、代わりに疎水性シリカ粒子を含有していた。その結果、比較例1のインクは、吐出安定性及び保存安定性が不良であった。比較例1のインクでは、疎水性シリカ粒子の凝集が生じたため、吐出安定性及び保存安定性が低下したと判断される。
比較例2及び3のインクは、バインダー樹脂粒子を含有していなかった。また、比較例4のインクは、バインダー樹脂粒子の含有割合が4.0質量%未満であった。更に、比較例2のインクは、親水性無機粒子の含有割合が12.0質量%超であった。その結果、比較例2〜4のインクは、形成される画像の耐擦過性と記録媒体に対する密着性とが不良であった。比較例2〜4のインクにより形成される画像は、バインダー樹脂粒子が全く含まれないか、又は少量しか含まれないため、記録媒体に対して顔料を充分に定着させることができなかったと判断される。
比較例5のインクは、沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合が4.0質量%超であった。その結果、比較例5のインクは、形成される画像の耐擦過性と記録媒体に対する密着性とが不良であった。比較例5のインクにより形成される画像は、沸点150℃以上の有機溶剤が残留し易いため、インク被膜の耐久性が不十分であったと判断される。
比較例6のインクは、親水性無機粒子を含有せず、かつ沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合が4.0質量%超であった。その結果、比較例6のインクは、形成される画像の耐擦過性と記録媒体に対する密着性とが不良であった。比較例6のインクにより形成される画像は、沸点150℃以上の有機溶剤が残留し易いため、インク被膜の耐久性が不十分であったと判断される。
比較例7のインクは、親水性無機粒子を含有しなかった。その結果、比較例7のインクは、形成される画像の耐擦過性が不良であった。比較例7のインクは、低粘度であるため吐出量にバラつきが生じてインク被膜の厚さが不均一となり、これにより耐擦過性が低下したと判断される。
比較例8のインクは、親水性無機粒子の含有割合が12.0質量%超であった。その結果、比較例8のインクは、吐出安定性及び保存安定性が不良であった。比較例8のインクは、親水性無機粒子を多量に含み、親水性無機粒子の凝集が生じやすいため、吐出安定性及び保存安定性が低下したと判断される。
以上のことから、本発明に係るインクジェット記録用インクは、耐久性に優れる画像を形成でき、かつ吐出安定性に優れると判断される。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、インクジェット記録装置による画像形成に用いることができる。

Claims (4)

  1. 水性媒体と、顔料と、バインダー樹脂粒子と、親水性無機粒子とを含有し、
    前記バインダー樹脂粒子の含有割合は、4.0質量%以上20.0質量%以下であり、
    前記親水性無機粒子の含有割合は、1.0質量%以上12.0質量%以下であり、
    沸点150℃以上の有機溶剤の含有割合は、4.0質量%以下である、インクジェット記録用インク。
  2. 前記親水性無機粒子は、親水性シリカ粒子である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記顔料の含有割合は、1.0質量%以上8.0質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記バインダー樹脂粒子は、ウレタン樹脂又は(メタ)アクリル樹脂を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録用インク。
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