JP2015098169A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】白色インクの層を形成した記録媒体であっても、優れた隠蔽性及び光輝性を有する画像を記録(形成)することが可能なインクジェット記録方法、インクセットを提供すること、また、優れた隠蔽性及び光輝性を有する画像が記録された記録物を提供すること。
【解決手段】本発明のインクジェット記録方法は、白色の色材を含有した白色インクと、樹脂を含有した樹脂インクと、光輝性顔料を含有した光輝性インクと、前記白色インク、前記樹脂インク及び前記光輝性インクを用いて記録するヘッドと、を備えた記録装置に用いられるインクジェット記録方法であって、記録媒体に、前記白色インクの層を形成させる第1工程と、前記白色インクの層上に樹脂インクの層を前記形成させる第2工程と、前記白色インクの層上に前記光輝性インクの層を形成させる第3工程と、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、インクセット、および記録物に関する。
近年、記録面に光輝性を有する画像が形成された記録物の需要が高まっている。光輝性を有する画像を形成する方法としては、従来は、たとえば、平坦性の高い記録面を有する記録媒体を準備して、これに金属箔を押しつけて記録する箔押し記録法、記録面が平滑なプラスチックフィルムに対して金属等を真空蒸着する方法、および、記録媒体に光輝性顔料インキを塗布し、さらにプレス加工を行う方法などによって記録されてきた。しかし、これらはユーザーの所望の画像を形成するのが困難であるという問題点があり、インクジェット方式で光輝性画像を記録出来る技術の提案がされている(例えば、特許文献1)。
一方、インクジェット方式で光輝性顔料を有するインク(以下、適宜光輝性インクという)をPET等に代表される透明な記録媒体に記録する際に、光輝性顔料だけでは隠蔽力が不足する場合があり、良好な画像を形成出来ないという問題点があった。この問題に対し、従来では下地形成インクとして隠蔽力が高い白色インクを用いることが提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、隠蔽性を出すために、記録媒体に対して白色インクの層を記録し、その上に光輝性インクの層を記録した場合には、光輝性インクの光輝性が大きく落ちてしまうという問題点があった。このように、従来の技術では、光輝性と隠蔽性を両方とも有している記録物を得ることが出来なかった。
特開2009−256565号公報 特開2010−158884号公報
以上より、本発明の解決しようとする課題は、記録媒体に対して、良好な光輝性及び隠蔽性を有する画像を記録する事にある。前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
〔適用例1〕白色の色材を含有した白色インクと、樹脂を含有した樹脂インクと、光輝性顔料を含有した光輝性インクと、前記白色インク、前記樹脂インク及び前記光輝性インクを用いて記録するヘッドと、を備えた記録装置に用いられるインクジェット記録方法であって、記録媒体に、前記白色インクの層を形成させる第1工程と、前記白色インクの層上に樹脂インクの層を前記形成させる第2工程と、前記白色インクの層上に前記光輝性インクの層を形成させる第3工程と、を有するインクジェット記録方法。
これにより、白色の色材の表面の凹凸を樹脂インクによって緩和若しくは解消することが可能となり、隠蔽性を有しつつ光輝性インクの層が高い光輝性を発揮することが可能となる。
〔適用例2〕前記白色インクの体積平均径(Mv)は100nm以上700nm以下である、適用例1に記載のインクジェット記録方法。
これにより、白色の色材の表面の凹凸を樹脂インクによって緩和若しくは解消することが可能となり、隠蔽性を有しつつ光輝性インクの層が高い光輝性を発揮することが可能となる。
〔適用例3〕前記樹脂インクの層の表層の表面粗さは20μm以下である、適用例1又は2に記載のインクジェット記録方法。
これにより、樹脂インクの層が良好な平滑性を有し、合わせて光輝性インクが平滑に配列して良好な光輝性を発揮できる。
〔適用例4〕前記第2工程には、前記樹脂インクの層を乾燥させる乾燥工程を含む適用例1ないし3のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法。
乾燥工程を含むことで、良好な平滑な面の形状を保持できるようになり、好ましい光輝性を得ることが出来る。
〔適用例5〕前記記録媒体が、透明な記録媒体である適用例1ないし4のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法。
透明な記録媒体であることで、多くの白色インクを記録した高い隠蔽性が求められるが、そういった場合であっても、良好な光輝性を発揮する層を形成できる。
〔適用例6〕前記白色の色材が二酸化チタンであり、前記二酸化チタンの体積平均径(Mv)は280nm以上440nm以下である、適用例1乃至5のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法。
これによって、高い隠蔽性と光輝性を有した記録物を得ることが出来る。
〔適用例7〕適用例1乃至6のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法に用いられる、前記白色インクと、前記樹脂インクと、前記光輝性インクとを備えたインクセット。
これによって、高い隠蔽性と光輝性を有した記録物を得ることが出来る。
〔適用例8〕適用例1乃至6のいずれか1例に記載のインクジェット記録方法によって記録された記録物。
これによって、高い隠蔽性と光輝性を有した記録物を得ることが出来る。
インクジェット装置の概略構成を示す斜視図である。
1.1.インクジェット記録装置
以下、本発明の一実施形態を、記録装置としてインクジェットプリンターを用いた例により、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター1(以下、プリンター1という)は、フレーム2を有している。フレーム2には、プラテン3が設けられ、プラテン3上には、記録媒体送りモーター4の駆動により用紙Pが給送されるようになっている。また、フレーム2には、プラテン3の長手方向と平行に、棒状のガイド部材5が設けられている。
ガイド部材5には、キャリッジ6がガイド部材5の軸線方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジ6は、フレーム2内に設けられたタイミングベルト7を介して、キャリッジモーター8に連結されている。そして、キャリッジ6は、キャリッジモーター8の駆動により、ガイド部材5に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ6には、ヘッド9が設けられるとともに、ヘッド9に液体としてのインクを供給するためのインクカートリッジ10が着脱可能に配置されている。インクカートリッジ10内のインクは、ヘッド9に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ10からヘッド9へと供給され、ヘッド9のノズル形成面に形成された複数のノズルから、プラテン3上に給送された記録媒体Pに対して吐出されるようになっている。これにより記録物を製造することが可能となる。
記録方法としては、サーマルジェット(バブルジェット(登録商標))方式でも良い。また、従来公知の方法はいずれも使用できる。
1.2.インクジェット記録方法
1.2.1.白色インクの層の形成工程
本実施形態において、記録媒体に対して白色インクを用いて白色インクの層を形成する工程を有している(以下、適宜第1工程という)。記録媒体については、特に限定されないが、白色の記録媒体だけではなく、黒色の記録媒体等他色の記録媒体であってもよい。なお、透明な記録媒体である場合には特に本発明は特に効果を発揮する。透明な記録媒体は、記録媒体そのものの透過率が高いのでその上にインクを用いて記録を行った場合でも、インク自身が透けてしまい所望の画像が得られない場合がある。一方、白色インクの層を形成することで隠蔽力を発揮し、また、白色インクの色は従来から用いられている普通紙や写真用紙の色に近いことで所望の画像の記録を行いやすいという利点がある。この白色インクの層を設けることで高い隠蔽力を有するが、その反面表層に凹凸が出来てしまうという問題が出てくる場合がある。
ここで、「透明な記録媒体」とは、可視光の透過率が100%といった完全な透明の記録媒体に限定されず、一方向から透明な記録媒体を見た場合に記録媒体を介して他方向(反対側)が見えるもの、いわゆる半透明なものも含む。
また、「白色インク」とは、エプソン純正写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製)に、duty100%以上で吐出されたインクの明度(L*)と色度(a*、b*)が、分光測光器Spectrolino(商品名:GretagMacbeth社製)を、測定条件をD50光源、観測視野を2°、濃度をDIN_NB、白色基準をAbs、フィルターをNo、測定モードをReflectance、として設定して計測した場合に、70≦L*≦100、−4.5≦a*≦2、−6≦b*≦2.5の範囲を示すインクのことをいう。
さらに、「duty」とは、別名として記録密度と呼ばれ、下式で算出される値のことを示す。
duty(%)=実記録ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実記録ドット数」は単位面積当たりの実記録ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
1.2.2.樹脂インクの層の形成工程
本実施形態にかかるインクジェット記録方法における、樹脂を含有する樹脂インク(以下、樹脂インクとする)の層の形成工程(以下、適宜第2工程という)は、記録媒体に対して樹脂インクの層を形成する工程である。形成手段については特に制限はなく、公知の技術を選択することができる。例えば、前述のインクジェット記録装置を用いてヘッド9によって形成しても良く、または、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、スプレーコーター、スリットコーター等の従来から利用されているアナログコーターによって塗布しても良い。インクジェット記録装置を用いた場合には、任意の箇所に層を形成可能である点で優れている。一方アナログコーターの場合は、樹脂インクの粘度の制限範囲が広く、高速で塗布できる点で優れている。アナログコーターの市販品としては、たとえばKハンドコーター(松尾産業株式会社製)、バーコーター(第一理化株式会社製)、Capilary_Coater小型基板&小容量タイプ(株式会社ヒラノテクシード製)、No579バーコーター(株式会社安田精機製作所製)などがある。
本工程で形成される層の機能の一つとしては、白色インクの層の表層の凹凸を抑える効果があり、この凹凸が大きい場合は光輝性顔料が記録媒体で良好に配列せず良好な光輝性を得ることが出来なくなってしまう。また、樹脂インクの層に光輝性インク中の分散媒等が樹脂インクの層に浸透することによって、記録媒体の表面に光輝性顔料を平坦に配向させることが挙げられる。なお、樹脂インクの層は、後述する光輝性インクの層との界面が明確に分離している場合と、該界面が必ずしも明確に分離していない場合とがある。また、その他、本工程により付与される可能性のある機能の一つとしては、光輝性インク(記録物)の耐擦性を向上させることが挙げられる。
また、樹脂インクの層の第2工程は、形成された樹脂インクの層の表層の算術平均粗さRaは20μm以内であることが好ましい。これによって、白色インクの表層の表面が粗い場合でも、光輝性顔料が平滑に配列し高い光沢(光輝性)を発揮するようになる。光輝性インクの層と樹脂インクの層の関係は、樹脂インクの層の膜厚が厚いほど光輝性インクの層の光輝性(光沢度)は上昇し、ある樹脂インクの層が特定以上の膜厚を超えた場合は光輝性の上昇は収まることとなる。膜厚を厚く形成する手段としては、インクジェット記録方法の場合は、記録密度(duty)を上昇させる方法や、吐出量を多くする方法がある。また、樹脂インクが形成される白色インクの層は、算術平均粗さが20μm以上であっても、樹脂インクの層を設けることにより光輝性層の光輝性を上昇させることが出来る。なお、算術平均粗さ(Ra)は、例えば、表面粗さ計や光干渉型顕微鏡を用いて測定することが可能であり、具体的な表面粗さの測定装置としては、段差・表面粗さ・微細形状測定装置P−15(KLA−Tencor社製)等がある。
また、樹脂インクの層の表面粗さは樹脂インクの層の光沢度と密接な関係を有する。また、樹脂インクの層の光沢度と、光輝性インクの層の光沢度も後述の図2のように密接な関係を有する。本願発明にかかる樹脂インクに含有される好適な樹脂の屈折率の範囲(1.4〜1.6)においては、樹脂インクの層の60°光沢度が20以上であることが好ましく、より好ましくは45以上であり、さらに好ましくは70以上であり、一層好ましくは90以上である。ここで、樹脂の60°光沢度については、市販されている光沢度計を用いて測定する事が可能であり、前述の樹脂インクの層の60°光沢度は光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用いて、煽り角度60°で測定した値である。
樹脂インクの層の第2工程は、加熱手段によって樹脂インクの層の乾燥工程を含むと一層好ましい。乾燥工程を含むことで、乾燥して表層が良好な平滑性を有した樹脂インクの層を形成することが可能となり、加熱工程を含まない場合に比べて高い光沢(光輝性)を有する記録物を得ることが出来る。加熱手段としては、プラテン3を加熱してヒーターとして機能させてよいし、装置内に温風を送る手段を設けそれによって加熱させてもよいし、ヒーター線等を用いて放射熱などによりインクを加熱させてもよい。また、他の公知の加熱手段を用いてもよい。加熱温度は記録媒体の耐熱性等に応じて適宜決定することができる。例えば、記録媒体として、普通紙を選択した場合は、プラスチック等の熱に弱い層を有さないので、高い温度、たとえば、20〜150℃、好ましくは25〜110℃、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃で行われることができる。このようにすれば、樹脂インクの乾燥速度を高めることができる。なお、乾燥工程は、第2工程と同時に行わせてもよいし、第2工程の終了後に行っても良い。
また、乾燥工程は樹脂インクの層の平滑な面の形状を早期に維持出来ることが効果的であるが、必ずしも設ける必要は無い。また、下地層の形状を維持するための方法は、活性エネルギー線を用いた樹脂インクの硬化方法であっても良い。活性エネルギー線としては、その照射により重合開始剤から開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば特に制限はなく、広く、α線、γ線、β線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。なかでも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、活性エネルギー線としては、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。
本工程で形成される樹脂インクの層は記録媒体の算術平均粗さを低くするのであれば特に量や厚みは限定されないが、算術平均粗さRaは20μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましい。これにより、記録媒体の表面に光輝性顔料をより平滑に配向させることができ、特に優れた光輝性を有する画像を記録(形成)することができる。
樹脂インクの層の膜厚は、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは1〜15μmである。樹脂インクの層の膜厚が0.1μm未満であると光輝性インクの溶剤の浸透効果または光輝性顔料の平滑化効果が不足することがある。
1.2.3.光輝性インクの層の形成工程
本実施形態にかかるインクジェット記録方法における光輝性インクの層の形成工程(以下、適宜第3工程という)は、上述のインクジェット記録装置を用い、下地層の上に、光輝性インクの液滴を吐出して、記録媒体に付着させて行われる。本工程で形成される光輝性インクの層の機能の一つとしては、記録媒体に光輝性面を形成することが挙げられる。光輝性インクの層の膜厚は、好ましくは0.02〜10μmであり、より好ましくは0.05〜5μmである。光輝性インクの層の膜厚が0.02μm未満であると、光輝性層表面の反射光より透過光の割合が多くなる為、結果として十分な光輝性が得られなくなる場合がある。
光輝性インクの層を形成する工程は、たとえば、室温で行うことができ、さらに高い温度で行われてもよい。記録媒体として、普通紙を選択した場合は、光輝性インクの層を形成する工程は、高い温度、たとえば、20〜150℃、好ましくは25〜110℃、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃で行われることができる。このようにすれば、光輝性インクに溶媒が含有されるときの乾燥速度を高めることができる。
また、記録方法は、乾燥工程を行い、乾燥工程の後に第3工程を行う第1のモードと、乾燥工程を行わずに、第3工程を行う第2のモードと、を有していると一層好ましい。これによって、高い光沢(光輝性)を有した記録物が欲しい場合には第1のモードで光輝性インクの層を形成し、少し抑えた光沢を有した記録物が欲しい場合には第2のモードで光輝性インクの層を形成することが可能になり、より一層広い範囲の光沢を表現することが可能となる。
また、高い光沢を持った領域と、少し光沢を抑えた領域を持った記録媒体がほしい場合には、部分的に加熱させる乾燥工程(たとえば、部分的に温風を当てる、プラテンを部分的に加熱させるなど)を設けることにより、目的の光沢を持った記録物を得ることが可能となる。また、少し抑えた光沢が欲しい領域に対して光輝性インクで記録を行い(第2のモード)、その後に乾燥工程を入れて、再度光輝性インクで高い光沢が欲しい領域を形成することで(第1のモード)、目的の光沢を持った記録物を得ることが出来る。この、前記第2のモードで形成を行わせた後に、前記第1のモードで形成を行わせるモードを本発明において第3のモードと呼ぶ。
1.3.記録媒体及び記録物
本実施形態において、記録媒体に対して、上記の第1工程、第2工程、第3工程を行って記録を行うことにより隠蔽性が高く、高い光輝性を発揮する領域を有する記録物を得ることが出来る。
2.インクセット
本実施形態にかかるインクジェット記録用のインクセットは、透明な記録媒体に対し、インクジェット記録装置を用いて、光輝性を有する画像の記録に用いられるインクセットであって、白色インクと、樹脂インクと、光輝性顔料インク(以下、光輝性インクともいう)とを備える。また、上記インクセットとして、上記白色インク、樹脂インクおよび光輝性顔料インクを備えたものを例示する。上記の各インクをそれぞれ単独または複数備えたインクセットとしてもよいし、さらに一または複数の他のインクを含むインクを備えたインクセットとしてもよい。インクセットに備えることができる他のインクとしては、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット等のカラーインク、ブラックインク、ライトブラックインク等が挙げられる。
2.1.白色インク
2.1.1.金属酸化物粒子
白色インクは、白色の色材として金属酸化物粒子を含有することができる。金属酸化物粒子としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、白色度に優れているという観点から、二酸化チタンを粉末状にした二酸化チタン粒子を用いることが好ましい。
金属酸化物粒子の体積平均径(Mv)は、100nm以上700nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以上600nm以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の体積平均径(Mv)が上記範囲を超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、また、インクジェット記録装置に適用した場合において、ヘッド9の目詰まり等が発生する場合がある。一方、金属酸化物粒子の体積平均径(Mv)が上記範囲未満であると、白色度が不足する傾向にある。
また、白色の色材として二酸化チタン粒子を用いる場合において、二酸化チタン粒子の体積平均径(Mv)は、280nm以上440nm以下であることが好ましい。これによってインクジェット記録装置によってヘッド9から良好な吐出が可能になり、良好な白色度を持った白色インクの層を記録することが可能となる。一方、粒径が大きくなった場合でも、樹脂インクを中間に挟むことで高い光輝性(光沢度)を有する層を記録することが可能となる。
二酸化チタン粒子としては、市販されているものを用いることができ、例えば、超微粒子酸化チタンTTOシリーズ(株式会社石原産業製)や、微粒子酸化チタン(テイカ株式会社製)、NanoTek(R)Slurry(シーアイ化成株式会社製)等が挙げられる。
本発明における体積平均径(Mv)は、動的光散乱法を測定原理とした粒度分布測定装置よって測定され、例えば、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(製品名、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。なお、体積平均径(Mv)とは、体積で重みづけされた平均径のことを指し、粒子毎の体積および直径の測定値を基に下記式によって算出される。
体積平均径(Mv)=Σ(Vi・di)/Σ(Vi)
(式中、Viは粒子iの体積(i=1,2,・・・,N)を示し、diは粒子iの直径(i=1,2,・・・,N)を示す。)
2.1.2.中空構造を有する粒子
白色インクは、白色の色材として中空構造を有する粒子を含有することができる。中空構造を有する粒子としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,754号などの明細書に記載されている粒子を好ましく用いることができる。
中空構造を有する粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、例えば以下のような公知の方法を適用することができる。中空構造を有する樹脂の調製方法としては、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空構造を有する粒子のエマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法や、特表2000−500113号公報、特開2009−234854号公報などに記載された製造方法を利用することができる。また、中空構造を有し有機化合物からなる粒子は、市販のものを用いることもできる。市販品としてはsx866シリーズ(JSR株式会社製)等がある。
中空構造を有する粒子はコア・シェル構造になっており外径と内径を有している。平均粒子径(外径)(d50)は、100nm以上700nm以下であることが好ましく、200nm以上600nm以下であることがより好ましい。中空構造を有する粒子の外径が上記範囲内にあれば、白色インク中の分散を良好に保つことができ、また、記録媒体に付着された際に、白色度が良好な画像を得ることができる。一方、外径が700nmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、インクジェット記録装置に適用した場合にヘッドの目詰まりなどが発生する場合がある。一方、外径が100nm未満であると、白色度が不足する場合がある。また、中空構造を有する粒子の内径(すなわち、上述したコアの外径)は、100nm以上500nm以下程度が適当である。中空構造を有する粒子の体積平均径(Mv)は、金属酸化物粒子の体積平均径(Mv)と同様の方法で測定することができる。
2.1.3.樹脂
白色インクは、水溶性および/または非水溶性の樹脂成分を含有することができる。該樹脂成分は、白色インクを固化させて白色インク固化物を記録媒体上に強固に定着させたり、白色インク中において白色の色材を分散保持させたりすることができる。樹脂成分は、インク中に溶解された状態またはインク中に分散された状態のいずれの状態であってもよい。
樹脂成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記樹脂成分の分子量は、重量平均分子量として1,000以上100,000以下の範囲内であることが好ましく、3,000以上10,000以下の範囲内であることがより好ましい。分子量が上記範囲内であることにより、白色の色材の水中での安定的な分散が得られ、またインクに適用した際の粘度制御等がしやすい。
樹脂成分の含有量(固形分)は、白色インクの全質量に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。樹脂成分の含有量がこの範囲内であると、白色インクを固化・定着させたり、白色の色材の分散性を向上させたりできるという観点から好ましい。
2.1.4.有機溶媒
白色インクは、有機溶媒を含有することができる。白色インクには、複数種の有機溶媒が含有されていてもよい。白色インクに用いる有機溶媒としては、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対する白色インクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、記録媒体上に優れた画像を形成することができる。1,2−アルカンジオール類の含有量は、白色インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類は、白色インクをインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を防止する作用を有する点から好ましく用いることができる。多価アルコール類の含有量は、白色インクの全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ピロリドン誘導体として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。ピロリドン誘導体は、樹脂成分の良好な溶解剤として作用することができる。ピロリドン誘導体の含有量は、白色インクの全質量に対して、3質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
2.1.5.界面活性剤
白色インクは、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコン系界面活性剤は、記録媒体上で白色インクの濃淡ムラや滲みを生じないように均一に広げる作用を有している点で好ましく用いることができる。シリコン系界面活性剤の含有量は、白色インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤として、例えば、サーフィノール(登録商標)104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィン(登録商標)B、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。アセチレン系界面活性剤の含有量は、白色インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
2.1.6.水
本実施形態に係る白色インクは、水を50%以上含有する、いわゆる水系インクであってもよい。水系インクは、非水系(溶剤系)インク(例えば、記録物に用いるインクとしては特開2007−16103号)に比べて、記録ヘッドに用いられているピエゾ素子や、記録媒体に含まれる有機バインダー等への反応性が弱く、溶かしてしまう、腐食するといった不具合が少ない。また、非水系(溶剤系)インクでは、用いた溶剤が高沸点・低粘度であると、乾燥時間が非常にかかるという問題も生ずる。さらに、溶剤系インクに比べて水系インクは臭いも非常に抑えられており、半分以上が水であるので環境にも良いという利点がある。
2.1.7.その他の成分
白色インクは、さらに、pH調整剤、ポリオレフィンワックス、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。これらの材料を添加すると、白色インクの有する特性をさらに向上させる点から好ましい。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンまたはその誘導体から製造したワックスおよびそのコポリマー、具体的には、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、市販されているものを利用することができ、具体的には、ノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515、AQUACER593(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等を用いることができる。ポリオレフィンワックスを白色インクに添加すると、画像の耐擦性を向上できるという観点から好ましい。ポリオレフィンワックスの含有量は、白色インクの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
2.2.樹脂インク
本実施形態にかかる樹脂インクは、樹脂を含有した透明な樹脂インクであることを特徴とする。
2.2.1.水溶性樹脂溶剤
水溶性樹脂溶剤は、樹脂インクに同時に添加している樹脂と相溶する水溶性樹脂溶剤から選ばれる。用いる樹脂によって最適な組み合わせはあるが、例えば、水溶性の複素環式化合物、水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテル等が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、および2−ピロリドン等のピロリドン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、および乳酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のオキシアルキレングリコールエーテル類、1,4−ジオキサン等の環式エーテル類が好ましい。特に、樹脂インクの保存安定性、十分な乾燥速度、と下地層の皮膜化促進の点で、ピロリドン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類が特に好ましい。
水溶性樹脂溶剤添加量は、樹脂インクの全量に対して、好ましくは1.0質量%〜50.0質量%、さらに好ましくは2.0質量%〜25.0質量%である。水溶性樹脂溶剤の添加量が、1質量%未満である場合、樹脂インク中の樹脂およびワックスの皮膜形成に支障が生じ、結果的に樹脂インクの固化・定着が不充分となる場合がある。一方、水溶性樹脂溶剤添加量が50質量%を超えた場合、樹脂インクの保存安定性に劣化を生じる場合がある。
2.2.2.樹脂
インクジェット記録装置に用いる場合には、分散可能な樹脂を選択することで、樹脂インク中に十分な量の樹脂成分を添加しつつ、各インクの粘度を低く抑えることができ、高速記録において吐出安定性を確保することができるため好ましい。樹脂インクを用いることで、記録後に強固な樹脂インクの層を形成する。
このような分散可能な樹脂の具体例としては、上記2.1.3.と同様である。
樹脂は、樹脂インク全量に対して、固形分換算で1質量%〜50質量%の範囲で含まれることが好ましく、4質量%〜25質量%の範囲で含まれることがより好ましい。これら樹脂の含有量の好適範囲は、樹脂インクのインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)の観点から上限値を規定し、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得る観点から下限値を規定したものである。
2.2.3.ワックス
水系樹脂インクは、さらにワックスを添加してもよい。これにより、乾燥後のインク膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。このようなワックスを構成する成分としては、例えばカルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物・動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス;カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、α−オレフィン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス等を単独あるいは複数種を混合して用いることができる。この中で好ましいワックスの種類としては、ポリオレフィンワックス、特にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスであり、さらには、インク非吸収性又は低吸収性の記録媒体に対する耐擦性の観点から、ポリエチレンワックスがより好ましい。ワックスとしては市販品をそのまま利用することもでき、例えばノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
水系樹脂インクのワックス含有量は、樹脂インク中において、固形分換算で好ましくは0.5質量%〜6質量%であり、より好ましくは1質量%〜3質量%である。これらワックスの含有量の好適範囲は、樹脂インクのインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まりや吐出安定性等)の観点から上限値を規定し、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得る観点から下限値を規定したものである。
上述した樹脂インクで層を形成しその上から光輝性顔料の層を記録した記録物は、光輝性顔料が表層で平滑に配列させることが可能となり、光沢が上昇する。また、これによって従来光輝性を発揮できなかった記録媒体にも光輝性を発揮させることが可能となる。さらに記録物としての耐擦性が良好となり、強固な下地層の形成が可能となる。耐擦性が良好となる理由はいまだ明らかではないが、下記のように推察される。樹脂は、記録媒体上に定着するとともに、乾燥後の被膜を堅固にする特性を有する。一方、ワックスは、前記皮膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。これにより、外部から擦れによって削れにくく、かつ記録媒体から剥がれにくい樹脂被膜を形成することができるため、記録物の耐擦性が向上するものと推察される。また、樹脂インクで層を形成していると、その樹脂インクがインク需要層としての機能をも発揮し、光輝性顔料の記録媒体上でのブリードを抑える効果があり良好な記録を行うことが可能となる。また、光輝性インク自体の定着性と乾燥性を仮に飛躍的に向上させることが可能となったに場合でも、光沢性確保の為に顔料粒子の平均粒径を大きめにする必要がある為、ヘッドから記録を行う際に記録信頼性が低下し、目詰まりや記録不良を一層起こす可能性もあるので、そういった課題を抱えない点から考慮しても樹脂インクの層を形成することは有利である。
2.2.4.水
水については上記2.1.6.と同様であるので省略する。
2.2.5.その他の成分
その他の成分として、樹脂インクは、必要に応じて、界面活性剤、水溶性溶剤を含む。これらの添加量は、記録媒体やインクの種類に応じて適宜調整できる。さらに必要に応じて添加するものとして、保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、金属トラップ剤などがあげられる。
(1)界面活性剤
界面活性剤については上記2.1.5.と同様であるので省略する。
(1)水溶性溶剤
水溶性溶剤は、後述する界面活性剤と相乗して、記録媒体に対する樹脂インクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用を有する。そのため、樹脂インクに水溶性溶剤を含有させることは、均一に下地層を形成できるという観点から好ましい。このような水溶性溶剤としては、1価アルコール、または多価アルコールおよびその誘導体が挙げられる。
1価アルコールとしては、特に炭素数1〜4の1価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、またはn−ブタノールなどを用いることができる。
多価アルコールおよびその誘導体としては、炭素数2〜6の2価〜5価アルコール、およびそれらと炭素数1〜4の低級アルコールとの完全または部分エーテルを用いることができる。ここで多価アルコール誘導体とは、少なくとも1個のヒドロキシル基がエーテル化されたアルコール誘導体であり、エーテル化されたヒドロキシル基を含まない多価アルコールそれ自体を意味するものではない。
これらの多価アルコールおよびそれらの低級アルキルエーテルの具体例としては、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール等のジオール類、モノ、ジ若しくはトリエチレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテル、モノ、ジ若しくはトリプロピレングリコール−モノ若しくはジ−アルキルエーテルが挙げられ、好ましくは1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、またはプロピレングリコールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。
水溶性溶剤の含有量は、例えば、各色のインク全量に対して0.5質量%〜15.0質量%、好ましくは、1.0質量%〜8.0質量%である。
(2)保湿剤
保湿剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2,3−ブタンジオール等の多価アルコール、または糖類および糖アルコール等が挙げられる。
(3)防腐剤・防かび剤
防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
(4)pH調整剤
pH調整剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩類その他燐酸塩等があげられる。
(5)酸化防止剤・紫外線吸収剤
酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネート、などのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物等があげられる。
(6)金属トラップ剤
金属トラップ剤としては、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム等のキレート剤などがあげられる。
(7)重合性化合物、重合開始剤
樹脂インクは、活性エネルギー線により重合反応により硬化させる場合には、従来より用いられている重合性化合物、重合開始剤等を有していても良い。重合開始剤としては、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンジル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ポリ塩化ポリフェニル、ヘキサクロロベンゼン等が挙げられる。
また、重合性化合物としては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピオペリン酸エステルネオペンチンルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、アクロイルモルホリン、2−フェノキシエチルアクリレート、フタル酸水素−(2,2,2−トリアクロイルオキシメチル)エチル、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、N−ビニルフォルムアミド、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレート等が挙がられる。
2.3.光輝性インク
光輝性インク(以下、適宜光輝性インクという)は、光輝性顔料と、有機溶媒とを含有する。以下に光輝性インクに含有される成分について説明する。
2.3.1.光輝性顔料
光輝性インクに含有される光輝性顔料としては、インクジェット記録方法によって当該インクの液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔料は、光輝性インクが樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有し、また、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パール顔料や光輝性顔料があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方光輝性顔料としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などの粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態で使用される光輝性顔料は、光沢度(光輝性)の高さおよびコストの観点、から、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウムに添加する他の金属元素または非金属元素としては、光輝性を有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などを挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも1種を好ましく用いることができる。また、光輝性インクに用いる後述の有機溶媒は、金属に対する反応性が低いものを適宜選択することで、本発明に用いる光輝性顔料は特殊な表面処理を必要としない。
本実施形態に係る光輝性顔料は、光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)が0.8〜1.2μmのものである。
光散乱法による球換算50%平均粒子径は、下記のようにして測定、導出されるものである。すなわち、分散媒中の粒子に光を照射することにより、発生する回折散乱光に関して、前方・側方・後方の各部位にディテクターを配置し測定し、計測される平均粒子径の積算百分率の分布曲線が50%の積算百分率の横軸と交差するポイントを50%平均粒子径(d50)とする。また、球換算平均粒子径とは、本来は不定形である粒子を、球形であると仮定し、測定結果より求めた平均粒子径を指している。測定装置としては、例えば、株式会社セイシン企業製 レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−2000eなどが挙げられる。光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)が上記範囲にあることで、記録物上に高い光輝性を有する塗膜が形成できると共に、インクのノズルからの吐出安定性も高くなる。
光輝性顔料は、金属蒸着膜を破砕して作製されたものであると好ましく、また、平板状粒子であると好ましい。光輝性顔料が平板状粒子である場合、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとしたとき、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであると好ましく、R50/Z>5の条件を満たすものであると好ましい。
「平板状粒子」とは、略平坦な面(X−Y平面)を有し、かつ、厚み(Z)が略均一である粒子をいう。平板状粒子は金属蒸着膜を破砕して作製されたものであるため、略平坦な面と、略均一な厚みの金属粒子を得ることができる。従って、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZと定義することができる。
「円相当径」は、光輝性顔料の平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、当該光輝性顔料の粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、光輝性顔料の平板粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、その光輝性顔料の平板粒子の円相当径という。
前記平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50は、光輝性、記録安定性の観点から0.5〜3μmであることがより好ましく、0.75〜2μmであることがさらに好ましい。50%平均粒子径R50が0.5μm未満の場合は、光沢不足となる。一方、50%平均粒子径R50が3μmを超える場合、記録安定性が低下する。
また、前記円相当径の50%平均粒子径R50と厚みZとの関係においては高い光輝性を確保する観点からは、R50/Z>5である。R50/Zが5以下の場合は、光輝性が不足するという問題がある。
前記平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxは、インクジェット記録装置におけるインクの目詰まり防止の観点から、10μm以下であることが好ましい。Rmaxを10μm以下にすることで、インクジェット記録装置のノズル、インク流路内に設けられたメッシュフィルターなどの目詰まりを防止することができる。
前記光輝性顔料の製造方法は、例えば、シート状基材面に剥離用樹脂層と金属又は合金層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体の前記金属又は合金層と前記剥離用樹脂層の界面を境界として前記シート状基材より剥離し粉砕し微細化して平板状粒子を得る。そして、得られた平板状粒子のうち、光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)が0.8〜1.2μmのものを分取する。あるいは、得られた平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすものを分取する。
前記光輝性顔料の平面上の長径X、短径Y及び円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、シスメックス株式会社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000Sを利用することができる。
前記光輝性顔料の粒度分布(CV値)は、下記の式で求められる。
CV値=粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値×100
ここで、得られるCV値は60以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、40以下であることが更に好ましい。CV値が60以下の光輝性顔料を選択することで、記録安定性に優れるという効果が得られる。
前記金属又は合金層は、真空蒸着、イオンプレーティング又はスパッタリング法によって形成されることが好ましい。
前記金属又は合金層の厚さは、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下で形成される。これにより、平均厚みが、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下の顔料が得られる。5nm以上にすることで、反射性、光輝性に優れ、光輝性顔料としての性能が高くなり、100nm以下にすることで、見かけ比重の増加を抑え、光輝性顔料の分散安定性を確保することができる。
前記複合化顔料原体における剥離用樹脂層は、前記金属又は合金層のアンダーコート層であるが、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロースアセテートブチレート(CAB)などのセルロース誘導体、アクリル酸重合体又は変性ナイロン樹脂が好ましい。上記の一種又は二種以上の混合物の溶液を記録媒体に塗布し、乾燥等を施して層が形成される。塗布後は粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
前記剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等により形成される。塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により、表面の平滑化を行う。
剥離用樹脂層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、顔料層と界面で剥離しやすいものとなってしまう。
前記シート状基材としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、66ナイロン、6ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。好ましいシート状基材としては、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体である。これらのシート状基材の厚さは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。10μm以上であれば、工程等で取り扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化、剥離等に問題がない。
また、前記金属又は合金層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾル−ゲル法によって、テトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシド又はその重合体から形成されることが好ましい。上記シリコンアルコキシド又はその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成する。
前記保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドまたはセルロース誘導体等が挙げられるが、ポリビニルアルコール又はセルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体から形成されることが好ましい。上記樹脂一種または二種以上の混合物の水溶液を塗布し、乾燥等を施した層が形成される。塗布液には粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
上記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、上記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
上記保護層の厚さは、特に限定されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、また金属又は合金層との界面で剥離してしまう場合がある。
前記複合化顔料原体としては、前記剥離用樹脂層と金属又は合金層と保護層の順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数の金属又は合金層からなる積層構造の全体の厚み、即ち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、金属又は合金−剥離用樹脂層−金属又は合金層、又は剥離用樹脂層−金属又は合金層の厚みは5000nm以下であることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も、光輝性に優れており好ましいものである。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層と金属又は合金層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記シート状基材からの剥離処理法としては、特に限定されないが、前記複合化顔料原体に対して液体(溶媒)を噴射し、噴射された後の複合化顔料原体の金属又は合金層を掻き取り収集する方法、前記複合化顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法、また液体中に浸漬すると同時に超音波処理を行い、剥離処理と剥離した複合化顔料の粉砕処理を行う方法が好ましい。これらの方法では、剥離された金属又は合金層に加えて、剥離処理に用いた液体も回収することができる。かかる剥離処理法に用いられる液体(溶媒)としては、例えば、グリコールエーテル系若しくはラクトン系溶媒、あるいはそれらの混合物が挙げられる。剥離した金属又は合金層を粉砕し微細化する方法は、特に限定されず、ボールミル、ビーズミル、超音波又はジェットミルなどを用いる従来公知の方法であればよい。こうして、光輝性顔料が得られる。
上記のようにして得られる顔料は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、溶剤中での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。また、該顔料を用いたインクにおいては、前記剥離用樹脂層由来の樹脂は紙等の記録媒体に対する接着性を付与する機能も担う。
前記光輝性顔料のインク中の濃度は、インクセットの中で1種類だけがメタリックインクである場合には、0.5〜2質量%であることが好ましい。また、前記光輝性顔料のインク中の濃度が0.5質量%以上1.7質量%未満の場合、記録面を十分にカバーしきれないインク量を吐出することでハーフミラー様の光沢面、即ち光沢感は感じられるが、背景も透けて見えるような風合いを記録可能となり、記録面をカバーするに十分なインク量を吐出することで高光沢の光輝性面を形成することができる。そのため、例えば、透明記録媒体においてハーフミラー画を形成する場合や高光沢の光輝性面を表現する場合に適している。また、前記光輝性顔料のインク中の濃度が1.7質量%以上2.0質量%以下の場合、光輝性顔料が記録面にランダムに配列する為、高光沢は得られず、マット調の光輝性面を形成することができる。そのため、例えば、透明な記録媒体において遮蔽層を形成する場合に適している。
2.3.2.有機溶媒
前記有機溶媒としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、又はフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等)、又はエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等)等を用いることができる。特に、前記有機溶媒は、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含む、ことが好ましい。
アルキレングリコールエーテルは、メチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ヘキシル、そして2−エチルヘキシルの脂肪族、二重結合を有するアリル並びにフェニルの各基をベースとするエチレングリコール系エーテルとプロピレングリコール系エーテルがあり、無色で臭いも少なく、分子内にエーテル基と水酸基を有しているので、アルコール類とエーテル類の両方の特性を備えた、常温で液体のものである。また、片方の水酸基だけを置換したモノエーテル型と両方の水酸基を置換したジエーテル型があり、これらを複数種組み合わせて用いることができる。特に、前記有機溶媒は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル、及びラクトンの混合物であることが好ましい。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
またラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
このような好適な構成とすることにより、本発明の目的をより一層有効且つ確実に達成することができる。特に、上記有機溶媒の組合せとして、ジエチレングリコールジエチルエーテルと、γ−ブチロラクトン及び/又はテトラエチレングリコールジメチルエーテルと、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルとの組合せがより好ましい。
2.3.3.樹脂
樹脂については上記2.1.3.と同様である。
2.3.4.その他
前記インクは、少なくとも1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類を含有しても良い。これら1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類の合計量は、インク中0.1質量%以上10質量%以下添加されることが好ましい。このような好ましい構成とすることにより、インクの乾燥を抑え、目詰まりを防止しつつ、インクの吐出を安定化し、記録物の画像品質を良好にすることができる。ポリアルキレングリコールとしては、主鎖中にエーテル結合の繰り返し構造を有する線状高分子化合物であり、例えば環状エーテルの開環重合等によって製造される。
ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体およびその誘導体等が挙げられる。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体等のいずれの共重合体も用いることができる。
ポリアルキレングリコールの好ましい具体例として、下式で表されるものが挙げられる。HO−(Cn2nO)m−H(上記式中、nは、1〜5の整数を表し、mは、1〜100の整数を表す)。なお、上記式中、(Cn2nO)mは、整数値nの範囲内において、一の定数または二種以上の数の組合せであってよい。例えば、nが3の場合は(C36O)mであり、nが1と4との組合せの場合は(CH2O−C48O)mである。また、整数値mは、その範囲内において、一の定数または二種以上の数の組合せであってよい。例えば、上記の例において、mが20と40との組合せの場合は(CH2O)20−(C24O)40であり、mが10と30の組合せの場合は(CH2O)10−(C48O)30である。さらに、整数値nとmとは上記の範囲内で任意に組み合わせてもよい。
糖類としては、ペントース、ヘキトース、ヘプトース、オクトース等の単糖類、あるいは二糖類、三糖類、四糖類 といった多糖類、またはこれらの誘導体である糖アルコール、デオキシ酸といった還元誘導体、アルドン酸、ウロン酸といった酸化誘導体、グリコセエンといった脱水誘導体、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。多糖類とは広義の糖を指し、アルギン酸やデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質も含む。
光輝性インクは、界面活性剤を含有してもよい。用いうる界面活性剤としては、たとえば、アセチレングリコール系界面活剤、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソシアネート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、脂肪族ジエタノールアミド系などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。また、高分子系分散剤としては、分子量1000以上の高分子化合物が好適に用いられる。例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、フッ素変性ポリマー、ウレタン系高分子、ポリアクリレート系高分子、脂肪族ジエタノールアミド系高分子、ポリエステル系高分子、ポリエステルポリアミド樹脂が挙げられる。
また、上記分散剤としては市販品を利用することが可能であり、その具体例としては、サーフィノール104、82、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals .1nc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(日信化学社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(日本油脂株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、エマルゲンA−90、A−60(花王株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000EL(武生ファインケミカル株式会社製)、solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200(アビシア株式会社製)、BYK−160、162、164、182、340、9077、disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(ビック・ケミー社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(味の素株式会社製)、LP−4010、4050、4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453、EFKA−47、4300(EFKAケミカルズ社製)の単独、または混合したものを挙げることができる。
前記インクは、公知の慣用方法によって調製することができる。例えば、最初に、前述した光輝性顔料、分散剤、及び前記液媒を混合した後、必要に応じてボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、バインダー樹脂、前記液媒、及びその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を撹拌下に加えて顔料インクを得ることができる。
その他、複合化顔料原体を、一旦液媒中で超音波処理して複合化顔料分散液とした後、必要なインク用液媒と混合しても良く、また、複合化顔料原体を直接インク用液媒中で超音波処理してそのままインクとすることもできる。また、インク中の固形分濃度を調整するために、加圧ろ過、遠心分離等の従来公知の方法を用いることもできる。
前記インクの物性は特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インクがインクジェット記録用プリンターヘッドの表面に濡れ広がるか、又は滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難になることがあり、表面張力が50mN/mを越えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な記録ができないことがある。
上記の有機溶媒を主成分とした光輝性インクと、樹脂インクとを併用することで、滲みを抑え、高い光輝性を有する画像を得ることができる。その理由としては定かではないが、例えば、下地層に含まれる樹脂との相溶性が高い有機溶媒を用いることで、光輝性インク中の有機溶媒が吸収され、または下地層が光輝性インクに溶解することによって、特に配向した平板状光輝性顔料の平滑性が保持されるとともに、滲みが抑制され、さらに高い耐擦性が確保できているものと推察できる。
[1]樹脂インクの調製
樹脂インクの調整は、スチレン−アクリル酸共重合体(熱可塑性樹脂粒子、平均粒子径50nm、分子量55000、ガラス転移温度80℃、酸価130)を20質量%、1,2−ヘキサンジオール2を5質量%、2−ピロリドンを4質量%、シリコン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−348」、ポリエーテル変性シロキサン)を0.5質量%、アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業株式会社製、商品名「サーフィノール104PG−50」)を0.2質量%、残分としてイオン交換水としてそれぞれ添加した。そして、その後常温で1時間混合攪拌した。
[2]光輝性インクの調製
光輝性インクに添加される光輝性顔料を得るために、まず以下のように光輝性顔料分散液(アルミニウム顔料分散液)を作成した。
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3.0質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥する事で、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次に、真空蒸着装置(真空デバイス社製VE−1010型真空蒸着装置)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間である光輝性顔料分散液を作成した。
得られたアルミニウム顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、アルミニウム顔料分散液を濃縮し、その後、そのアルミニウム顔料分散液の濃度調整を行い、5質量%濃度のアルミニウム顔料分散液1を得た。
次いで、株式会社セイシン企業製
レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−2000eを用いて、光アルミニウム顔料の光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)を測定した結果、1.001μmであった。
上記方法にて調製したアルミニウム顔料分散液1を1.5質量%、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDE)を64.95質量%、γ−ブチロラクトンを15質量%、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDM)15質量%、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMB)3質量%、セルロースアセテートブチレート(CAB、関東化学社製;ブチル化率35〜39%)を0.35質量%、BYK−UV3500(商品名、ビックケミー・ジャパン社製)0.2質量%としてアルミニウム顔料インクを調製した。更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・攪拌して、アルミニウム顔料インク(光輝性インク)とした。
[3]白色インクの調整
白色インクは、二酸化チタン(NanoTek(R)_Slurry:シーアイ化成株
式会社製)を10質量%、スチレン−アクリル酸共重合体を2質量%、1,2−ヘキサンジオールを5質量%、グリセリンを10質量%、トリエタノールアミンを0.9質量%、BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社)を0.5質量%、イオン交換水を残分として調整した。
[4]記録物の形成
(実施例1〜10)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表1に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径330nm)を記録した。そして、その白色インクの層に、100%dutyで樹脂インクの層を記録した。なお、樹脂インクの層はプラテンを50℃で加熱して形成した。次に、樹脂インクの層に、表1に示すduty(%)の所定パターンで、上述の光輝性インクの層を記録して記録物を得た。この際に記録物を背面から光を当てて、目視で観察したところ高い隠蔽力を有していた。なお、表1において「PET」とは、PETフィルム(リンテック社製、商品名「PET50A」)を示し、「ルミラー」とは、ルミラーS10#100(東レ株式会社製)を示す。
(比較例1〜10)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表1に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径330nm)を記録した。そして、その白色インクの層に、表1に示すduty(%)の所定パターンで、上述の光輝性インクの層を記録して記録物を得た。
(参考例1、2)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表1に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径330nm)を記録した。
(実施例11〜20)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表2に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径280nm)を記録した。そして、その白色インクの層に、100%dutyで樹脂インクの層を記録した。この際に記録物を背面から光を当てて、目視で観察したところ高い隠蔽力を有していた。なお、樹脂インクの層はプラテンを50℃で加熱して形成した。次に、樹脂インクの層に、表2に示すduty(%)の所定パターンで、上述の光輝性インクの層を記録して記録物を得た。
(比較例11〜20)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表2に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径280nm)を記録した。そして、その白色インクの層に、表2に示すduty(%)の所定パターンで、上述の光輝性インクの層を記録して記録物を得た。
(参考例3、4)
まず、インクジェットプリンターとしてPX−G930(セイコーエプソン社製)を用いて、表2に示す記録媒体に、100%のdutyの所定パターンで、上述の白色インク(体積平均径280nm)を記録した。
Figure 2015098169
Figure 2015098169
[5]評価
[5.1]光沢度
前記各実施例および各比較例、各参考例に係る記録物の記録面について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
(1)光輝性インク
A :光沢度が300以上。
B :光沢度が200以上300未満。
C :光沢度が100以上200未満。
D :光沢度が100未満。
[5.2]結果
表1、表2から明らかなように、本発明のインクジェット記録方法によって得られた記録物では、白色インク層を100%dutyで形成して高い隠蔽度を有し、合わせて光輝性も優れていた。一方比較例では、高い隠蔽度を有してはいるが、その反面光輝性が低く、満足のいく結果が得られなかった。
1…インクジェット式プリンター、2…フレーム、3…プラテン、4…紙送りモーター、5…ガイド部材、6…キャリッジ、7…タイミングベルト、8…キャリッジモーター、9…液滴吐出ヘッド、10…インクカートリッジ、P…記録媒体。
本発明は、インクジェット記録方法、に関する。

Claims (8)

  1. 白色の色材を含有した白色インクと、
    樹脂を含有した樹脂インクと、
    光輝性顔料を含有した光輝性インクと、
    前記白色インク、前記樹脂インク及び前記光輝性インクを用いて記録するヘッドと、を備えた記録装置に用いられるインクジェット記録方法であって、
    記録媒体に、前記白色インクの層を形成させる第1工程と、
    前記白色インクの層上に樹脂インクの層を前記形成させる第2工程と、
    前記白色インクの層上に前記光輝性インクの層を形成させる第3工程と、を有するインクジェット記録方法。
  2. 前記白色インクの体積平均径(Mv)は100nm以上700nm以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記樹脂インクの層の表層の表面粗さは20μm以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第2工程には、前記樹脂インクの層を乾燥させる乾燥工程を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記記録媒体が、透明な記録媒体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記白色の色材が二酸化チタンであり、前記二酸化チタンの体積平均径(Mv)は280nm以上440nm以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法に用いられる、前記白色インクと、前記樹脂インクと、前記光輝性インクとを備えたインクセット。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法によって記録された記録物。
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