JP2012131881A - インク組成物および印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像の形成に用いることのできるインク組成物を提供すること、また、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像が形成された印刷物を提供すること。
【解決手段】本発明のインク組成物は、光輝性顔料と、ワックスと、を含み、前記ワックスは、前記ワックスを0.1質量%水溶液とした時に、波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満、又は、波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満、又は、650nmにおける透過率が70%以上100%未満、又は、750nmにおける透過率が70%以上100%未満、であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のインク組成物は、光輝性顔料と、ワックスと、を含み、前記ワックスは、前記ワックスを0.1質量%水溶液とした時に、波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満、又は、波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満、又は、650nmにおける透過率が70%以上100%未満、又は、750nmにおける透過率が70%以上100%未満、であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット方式の印刷に好適に利用できるインク組成物および印刷物に関するものである。
インクジェット方式の印刷に用いられるインクとしては、一般に、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクを用いて、いわゆるフルカラー画像を形成することが一般に行われている。そして、形成画像の高画質化を図る目的で、インクを多色化(例えば、上記4種のインクに加えて、ライトマゼンタ、ライトシアンのインクを含む6色)が行われている。
しかし、上記のような多色インクを用いても、光輝性を表現できないという問題がある。そこで、近年、金属粒子を用いたインクジェット用インク(光輝性インク)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1で提案されているインクでは、比較的良好な光輝性が得られるものの、印刷面を擦った際に、インクの構成材料で形成された層に傷が付いたり、剥離すること等により、形成された画像の光沢度が低下し、画質が著しく低下したりするという問題点があった。このような問題は、金属インクではないカラーインク(顔料インク、染料インク)では通常発生しないか、金属インクを用いた場合程、画質の低下が目立たない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性(摩擦に対する耐久性)を有する画像の形成に用いることのできるインク組成物を提供すること、また、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像が形成された印刷物を提供することを目的とする。
[適用例1]本適用例におけるインク組成物は、光輝性顔料と、ワックスと、を含み、ワックスは、ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(A)〜(D)のいずれか1つを満たす性質を有する、ことを特徴とする。
(A)水溶液の波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満
(B)水溶液の波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満
(C)水溶液の波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満
(D)水溶液の波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満
(A)水溶液の波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満
(B)水溶液の波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満
(C)水溶液の波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満
(D)水溶液の波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満
本適用例によれば、塗膜になった時の光輝性顔料による光輝性を低下させることなく、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像の形成に用いることのできるインク組成物を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載のインク組成物におけるワックスの含有率は、0.02質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
本適用例によれば、ワックスの含有率が、0.02質量%以上1.5質量%以下であることにより、添加剤としてのワックスの透明性が高くなる。これにより、塗膜になった時の光輝性顔料による光輝性を低下させることなく、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像の形成に用いることのできるインク組成物を提供することができる。
[適用例3]上記適用例に記載のインク組成物は、銀粒子の含有率を、XAg[質量%]、ワックスの含有率をXWAX[質量%]としたときに、0.0015≦XWAX/XAg≦0.1の関係を満足することが好ましい。
本適用例によれば、銀粒子の含有率を、XAg[質量%]、ワックスの含有率をXWAX[質量%]としたときに、0.0015≦XWAX/XAg≦0.1の関係を満足することにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(高級感)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインク組成物の吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の光輝性顔料は、平均粒子径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。
本適用例によれば、光輝性顔料の平均粒子径が1nm以上100nm以下であることにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(高級感)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインク組成物の吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。
[適用例5]上記適用例に記載のワックスは、パラフィンを含有する混合ワックス、もしくは、ポリエチレンワックス、もしくは、ポリエチレンを含有する混合ワックスで構成されたものであることが好ましい。
本適用例によれば、ワックスが、パラフィンを含有する混合ワックス、もしくは、ポリエチレンワックス、もしくは、ポリエチレンを含有する混合ワックスで構成されたものであることにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(高級感)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインク組成物の吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。
[適用例6]上記適用例に記載のワックスは、ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(E)〜(H)のいずれか1つを満たす性質を有する、ことが好ましい。
(E)水溶液の波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下
(F)水溶液の波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下
(G)水溶液の波長650nmにおける透過率が85%以上94%以下
(H)水溶液の波長750nmにおける透過率が85%以上96%以下
(E)水溶液の波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下
(F)水溶液の波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下
(G)水溶液の波長650nmにおける透過率が85%以上94%以下
(H)水溶液の波長750nmにおける透過率が85%以上96%以下
本適用例によれば、塗膜になった時の光輝性顔料による光輝性を低下させることなく、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像の形成に用いることのできるインク組成物を提供することができる。
[適用例7]上記適用例に記載のワックスの融点は、30℃以上120℃以下であることが好ましい。
本適用例によれば、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像の形成が可能となる。
[適用例8]本適用例にかかる印刷物は、印刷媒体上に、適用例1ないし7のいずれかに記載のインク組成物をインクジェット法により付与することにより得られることが好ましい。
本適用例によれば、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像が形成された印刷物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
《インク組成物》
本発明のインク組成物は、インクジェット方式により吐出されるものである。このようなインク組成物は、その他の印刷法に用いられるインク組成物とは異なり、液滴の吐出安定性が求められる。また、インクジェット法では、インク組成物中の分散物(分散質)の分散状態が、インク組成物の吐出性に大きな影響を与える。
本発明のインク組成物は、インクジェット方式により吐出されるものである。このようなインク組成物は、その他の印刷法に用いられるインク組成物とは異なり、液滴の吐出安定性が求められる。また、インクジェット法では、インク組成物中の分散物(分散質)の分散状態が、インク組成物の吐出性に大きな影響を与える。
このため、インク組成物中における分散物(分散質)の分散状態が経時的に大きく変化するものであると、液滴の吐出量が不安定化し所望の画像を形成するのが困難になる等、他の印刷法では発生し得ない問題がある。
そして、本発明のインク組成物は、光輝性顔料と、ワックスと、を含み、ワックスは、ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(A)〜(D)のいずれか1つを満たす性質を有する、ことを特徴とする。
(A)水溶液の波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満
(B)水溶液の波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満
(C)水溶液の波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満
(D)水溶液の波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満
(A)水溶液の波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満
(B)水溶液の波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満
(C)水溶液の波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満
(D)水溶液の波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満
このように、光輝性顔料とともに、光輝性顔料との間で透過率について所定の関係を満足するワックスを所定量含むことにより、インク組成物を用いて得られる画像を、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有するものとすることができることを、本発明者は見出した。
《光輝性顔料》
上述したように、本発明に係るインク組成物は、光輝性顔料を含むものである。このように、インク組成物が、光輝性顔料を含むものであることにより(特に、所定の条件を満足するワックスとともに含むことにより)、優れた光輝性を有する画像を形成することができる。光輝性顔料としては、媒体に付着されたときに光輝性を呈しうるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金や、パール光沢を有するパール顔料を挙げることができる。
上述したように、本発明に係るインク組成物は、光輝性顔料を含むものである。このように、インク組成物が、光輝性顔料を含むものであることにより(特に、所定の条件を満足するワックスとともに含むことにより)、優れた光輝性を有する画像を形成することができる。光輝性顔料としては、媒体に付着されたときに光輝性を呈しうるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金や、パール光沢を有するパール顔料を挙げることができる。
本発明においては、光輝性顔料として、銀またはアルミニウムを用いることがより好ましい。これらは、各種金属の中でも、白色度の高い金属であるため、他色のインクと重ね合わせることにより、金色、銅色等の様々な金属色を表現することができる。
光輝性顔料の平均粒子径は、上述したようにワックスと所定の関係を満足するものであればよいが、1nm以上100nm以下であるのが好ましく、3nm以上80nm以下であるのが好ましい。これにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(高級感)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインク組成物の吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。
なお、本明細書では、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
以下、適宜光輝性顔料の好ましい態様の一例として銀粒子を用いて説明をする。インク組成物中における銀粒子の含有率は、0.5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、インク組成物のインクジェット方式による吐出安定性、インク組成物の保存安定性を特に優れたものとすることができる。また、印刷物とされたときの印刷媒体上での銀粒子の密度(単位面積当たりの含有量)が低い場合から高い場合まで、広い密度の範囲で、良好な画質、耐擦性を実現することができる。このため、例えば、インク組成物を用いて得られる印刷物が、銀粒子の密度が異なる領域を有する場合であっても、印刷物の画質を優れたものとすることができる。
銀粒子は、いかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを還元ずることにより、好適に形成することができる。
《ワックス》
インク組成物は、ワックスを含むものである。上述したように、インク組成物中におけるワックスの含有率は、特に限定されないが、0.02質量%以上1.5質量%以下であるのが好ましい。ワックスの含有率が下限値未満であると、インク組成物を用いて製造される印刷物の耐擦性を十分に優れたものとすることができない場合がある。一方、ワックスの含有率が上限値を超えると、インク組成物を用いて製造される印刷物の光沢感を十分に優れたものとすることができない場合がある。
インク組成物は、ワックスを含むものである。上述したように、インク組成物中におけるワックスの含有率は、特に限定されないが、0.02質量%以上1.5質量%以下であるのが好ましい。ワックスの含有率が下限値未満であると、インク組成物を用いて製造される印刷物の耐擦性を十分に優れたものとすることができない場合がある。一方、ワックスの含有率が上限値を超えると、インク組成物を用いて製造される印刷物の光沢感を十分に優れたものとすることができない場合がある。
このように、本発明では、インク組成物中におけるワックスの含有率は特に限定はされないが、0.02質量%以上1.5質量%以下であるのが好ましく、0.04質量%以上1.0質量%以下であるのがより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であるのが一層好ましい。これにより、上述したような効果はより顕著に発揮される。
上述したように、インク組成物に使用するワックスは、0.1質量%水溶液(水は999.9質量%)とした時に、波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満、又は、波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満、又は、波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満、又は、波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満、である。より好ましくは、波長450nmにおける透過率が65%以上100%未満、又は、波長550nmにおける透過率が80%以上100%未満、又は、波長650nmにおける透過率が85%以上100%未満、又は、波長750nmにおける透過率が85%以上100%未満、である。一層好ましくは、波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下、又は、波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下、又は、650nmにおける透過率が85%以上94%以下、又は、750nmにおける透過率が85%以上96%以下、である。つまり、ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(E)〜(H)のいずれか1つを満たす性質を有する、ことが好ましい。
(E)水溶液の波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下
(F)水溶液の波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下
(G)水溶液の波長650nmにおける透過率が85%以上94%以下
(H)水溶液の波長750nmにおける透過率が85%以上96%以下
各波長における透過率が下限値未満の場合は、分散体としてのワックスの透明性が低いことから、インク組成物を用いて製造される印刷物において、透明性の低いワックスが光輝性顔料を覆った状態となり、印刷物の光輝性を損う等の問題を生じる。
(E)水溶液の波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下
(F)水溶液の波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下
(G)水溶液の波長650nmにおける透過率が85%以上94%以下
(H)水溶液の波長750nmにおける透過率が85%以上96%以下
各波長における透過率が下限値未満の場合は、分散体としてのワックスの透明性が低いことから、インク組成物を用いて製造される印刷物において、透明性の低いワックスが光輝性顔料を覆った状態となり、印刷物の光輝性を損う等の問題を生じる。
インク組成物中におけるワックスの平均粒子径は、8nm以上120nm以下であるのが好ましく、20nm以上100nm以下であるのがより好ましく、50nm以上90nm以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果はより顕著に発揮される。
さらに、ワックスの融点は、30℃以上120℃以下であるのが一層好ましく、30℃以上100℃以下であるとさらに好ましい。これにより一層高い効果が得られる。
また、銀粒子の含有率をXAg[質量%]、ワックスの含有率をXWAX[質量%]としたとき、0.0015≦XWAX/XAg≦0.1の関係を満足するのが好ましく、一層好ましくは0.001≦XWAX/XAg≦0.1、さらに0.006≦XWAX/XAg≦0.1の関係を満足するのがより好ましく、最も好ましくは0.01≦XWAX/XAg≦0.1。このような関係を満足することにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(高級感)を十分に優れたものとしつつ、インク組成物を用いて得られる印刷物において、ワックスを、より効率よく、銀粒子間に配置させることができ、印刷物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、パラフィン混合ワックス、ポリエチレン、酸化高密度ポリエチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン混合ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリプロピレン混合ワックス、カルナバワックス、アマイドワックス等の樹脂ワックスを1種類もしくは、2種類以上を混合で用いることができるが、パラフィンワックスは水との混和性に劣るため、混和性を高めるために調整されたパラフィン混合ワックスであることが好ましい。もしくは、ポリエチレンワックスもしくは、ポリエチレン混合ワックスワックスであることが好ましい。
これにより、インク組成物を用いて形成される画像の光沢感(光輝性)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインク組成物の吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。
市販のワックス分散液(エマルションワックス)としては、例えば、AQUACER507(ビックケミー社製)、AQUACER515(ビックケミー社製)、AQUACER531(ビックケミー社製)、AQUACER537(ビックケミー社製)、AQUACER539(ビックケミー社製)、CERAFLOUR990(ビックケミー社製)、CERAFLOUR995(ビックケミー社製)等が挙げられる。
《水》
本願におけるインク組成物は、水を50質量%以上含有する、いわゆる水系インクであってもよい。水系インクは、非水系(溶剤系)インクに比べて、記録ヘッドに用いられているピエゾ素子等や、記録媒体に含まれる有機バインダー等への反応性が弱く、溶かしてしまう、腐食するといった不具合が少ない。また、非水系(溶剤系)インクでは、用いた溶剤が高沸点・低粘度であると、乾燥時間が非常にかかるという問題も生ずる。さらに、溶剤系インクに比べて水系インクは臭いも非常に抑えられており、半分以上が水であるので環境にも良いという利点がある。なお、水としては、イオン交換水、逆浸透水、蒸留水、超純水等が挙げられる。
本願におけるインク組成物は、水を50質量%以上含有する、いわゆる水系インクであってもよい。水系インクは、非水系(溶剤系)インクに比べて、記録ヘッドに用いられているピエゾ素子等や、記録媒体に含まれる有機バインダー等への反応性が弱く、溶かしてしまう、腐食するといった不具合が少ない。また、非水系(溶剤系)インクでは、用いた溶剤が高沸点・低粘度であると、乾燥時間が非常にかかるという問題も生ずる。さらに、溶剤系インクに比べて水系インクは臭いも非常に抑えられており、半分以上が水であるので環境にも良いという利点がある。なお、水としては、イオン交換水、逆浸透水、蒸留水、超純水等が挙げられる。
インク組成物中において、水は、主に銀粒子およびワックスを分散させる分散媒として機能する。インク組成物が水を含むことにより、銀粒子等の分散安定性等を優れたものとすることができ、また、後述するような液滴吐出装置のノズル付近でのインク組成物の不本意な乾燥(分散媒の蒸発)を防止しつつ、インク組成物が付与される印刷媒体上での乾燥を速やかに行うことができるため、所望の画像の高速印刷を、長期間にわたって好適に行うことができる。
《多価アルコール》
本発明に係るインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本実施形態に係るインク組成物をインクジェット式印刷装置に適用した場合に、インク組成物の乾燥を抑制し、インクジェット式印刷ヘッド部分におけるインク組成物による目詰まりを防止することができる。
本発明に係るインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本実施形態に係るインク組成物をインクジェット式印刷装置に適用した場合に、インク組成物の乾燥を抑制し、インクジェット式印刷ヘッド部分におけるインク組成物による目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数が4〜8アルカンジオールが好ましく、炭素数が6〜8のアルカンジオールがより好ましい。これにより、印刷媒体への浸透性を特に高いものとすることができる。
インク組成物中における多価アルコールの含有率は、特に限定されないが、1質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上40質量%以下であるのがより好ましい。
《浸透溶剤》
本発明に係るインク組成物は、浸透溶剤を含有することが好ましい。浸透溶剤を含有することにより、印刷媒体などの被印刷面への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性を高めることができる。
本発明に係るインク組成物は、浸透溶剤を含有することが好ましい。浸透溶剤を含有することにより、印刷媒体などの被印刷面への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性を高めることができる。
浸透溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテルである多価アルコールの低級アルキルエーテルや、1,2−ヘキサンジオール、オクタンジオール、2−ピロリドン等の水溶性溶剤が挙げられる。この中でも、1,2−ヘキサンジオールを用いると良好な印刷品質を得ることができる。
インク組成物中におけるグリコールエーテルの含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上7質量%以下であるのがより好ましい。
《界面活性剤》
本発明に係るインク組成物は、必ずしも界面活性剤を含む必要は無いが、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、印刷媒体などの被印刷面への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性を高めることができる。
本発明に係るインク組成物は、必ずしも界面活性剤を含む必要は無いが、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、印刷媒体などの被印刷面への濡れ性を高めてインク組成物の浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348、AQUACER593(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348、AQUACER593(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明に係るインク組成物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、さらに両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
インク組成物中における上記界面活性剤の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であるのがより好ましい。
《その他の成分》
本発明に係るインク組成物は、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、pH調整剤、浸透剤、有機バインダー、尿素系化合物、アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)等の乾燥抑制剤、チオ尿素等が挙げられる。
本発明に係るインク組成物は、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、pH調整剤、浸透剤、有機バインダー、尿素系化合物、アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)等の乾燥抑制剤、チオ尿素等が挙げられる。
インク組成物が銀粒子(光輝性顔料)、ワックス以外の固形分(以下「その他の固形分」ともいう)を含む場合、インク組成物中におけるその他の固形分の含有率は、5質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下であるのが好ましい。これにより、上述したような条件を満足する銀粒子およびワックスを含むことによる効果がより顕著に発揮される。
インク組成物中における固形分の含有率は、50質量%以下であるのが好ましく、3.6質量%以上40質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、インク組成物の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、インク組成物の粘度は、特に限定されないが、2.0mPa・s以上12.0mPa・s以下であることが好ましく、3.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることがより好ましい。これにより、液滴の吐出安定性を優れたものとすることができるとともに、印刷媒体に着弾したインク組成物の不本意な濡れ広がりをより確実に防止することができ、微細な画像であっても好適に形成することができる。なお、本明細書中においては、特に断りのない限り、「粘度」とは、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された25℃における粘度のことを示す。
《印刷物》
本発明の印刷物は、印刷媒体上に、上述したようなインク組成物をインクジェット法により付与することにより得られたものである。これにより、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像が形成された印刷物を提供することができる。
本発明の印刷物は、印刷媒体上に、上述したようなインク組成物をインクジェット法により付与することにより得られたものである。これにより、優れた光輝性を有するとともに、優れた耐擦性を有する画像が形成された印刷物を提供することができる。
インク組成物が付与される印刷媒体としては、普通紙、インク受理層等を有する専用紙等の紙のほか、例えば、インク組成物が付与される表面を含む領域が、各種プラスチック、セラミックス、ガラス、金属や、これらの複合材料で構成された基材等を用いることができる。
《印刷物の製造方法》
図1は、インクジェット装置(液滴吐出装置)の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態の印刷物の製造方法は、図1に示すようなインクジェット装置(液滴吐出装置)を用いて、上述したようなインク組成物を印刷媒体に向けて吐出する工程(液滴吐出工程)を有する。
図1は、インクジェット装置(液滴吐出装置)の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態の印刷物の製造方法は、図1に示すようなインクジェット装置(液滴吐出装置)を用いて、上述したようなインク組成物を印刷媒体に向けて吐出する工程(液滴吐出工程)を有する。
(吐出工程)
以下に、液滴吐出装置としてのインクジェット式プリンター100を用いた液滴吐出について説明する。
以下に、液滴吐出装置としてのインクジェット式プリンター100を用いた液滴吐出について説明する。
図1に示すように、液滴吐出装置としてのインクジェット式プリンター1は、フレーム2を有している。フレーム2には、プラテン3が設けられ、プラテン3上には、紙送りモーター4の駆動により用紙Pが給送されるようになっている。また、フレーム2には、プラテン3の長手方向と平行に、棒状のガイド部材5が設けられている。
ガイド部材5には、キャリッジ6がガイド部材5の軸線方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジ6は、フレーム2内に設けられたタイミングベルト7を介して、キャリッジモーター8に連結されている。そして、キャリッジ6は、キャリッジモーター8の駆動により、ガイド部材5に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ6には、液滴吐出ヘッド9が設けられるとともに、液滴吐出ヘッド9に液体としてのインクを供給するためのインクカートリッジ10が着脱可能に配置されている。インクカートリッジ10内のインクは、液滴吐出ヘッド9に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ10から印刷ヘッド9へと供給され、液滴吐出ヘッド9のノズル形成面に形成された複数のノズルから、プラテン3上に給送された印刷媒体(基材)Pに対して吐出されるようになっている。
これにより印刷物を製造することが可能となる。
これにより印刷物を製造することが可能となる。
(加熱工程)
印刷物の製造方法においては、上述した吐出工程に加え、インク組成物が付与された印刷媒体を過熱する加熱工程を設けてもよい。
印刷物の製造方法においては、上述した吐出工程に加え、インク組成物が付与された印刷媒体を過熱する加熱工程を設けてもよい。
本発明に係るインク組成物は、上述したように、分散媒として水を含むものであり、吐出後速やかに乾燥するため、通常、吐出工程の後に、別途、乾燥工程を設ける必要はないが、加熱工程を設けることにより、印刷媒体Sが保水性の高いものである場合や、インク組成物が揮発性の低い液体成分を比較的高い含有率で含む場合(例えば、沸点:160℃以上の液体成分を3質量%以上含む場合等)であっても、最終的に得られる印刷物中に、インク組成物を構成する液体成分が残存することを効果的に防止することができ、印刷物の耐久性、信頼性を、特に優れたものとすることができる。
また、加熱工程を設けることにより、ワックスを銀粒子間に配置させた状態で、銀粒子の部分的な融着を促進することができるため、上述したような所定の条件を満足するワックスを含むことによる効果と、相乗的に作用し合い、インク組成物により形成された画像(印刷部)の耐擦性を特に優れたものとすることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、前述した実施形態では、インク組成物として、コロイド液を用いる場合について代表的に説明したが、コロイド液でなくてもよい。
また、例えば、前述した実施形態では、液滴吐出方式としてピエゾ方式を用いたが、これに限定されず、本発明では、例えば、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式など、公知の種々の技術を適用することができる。
また、前述した実施形態では、インク組成物をインクジェット方式による吐出に用いるものとして説明したが、インク組成物は、他の印刷法に適用するものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]インク組成物の調製
[1]インク組成物の調製
(実施例1)
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量10000)を70℃の条件下で15時間加熱して、その後室温で冷却をした。そのPVP1000gを、エチレングリコール溶液500mlに添加してPVP溶液を調整した。別の容器にエチレングリコールを500ml入れ、硝酸銀128gを加えて電磁攪拌器で十分に攪拌をして硝酸銀溶液を調整した。PVP溶液を120℃の条件下でオーバーヘッドミキサーを用いて攪拌しつつ、硝酸銀溶液を添加して約80分間加熱して反応を進行させた。そして、その後室温で冷却をさせた。得られた溶液を遠心分離機で2200rpmの条件下で10分間遠心分離を行った。その後、分離が出来た銀粒子を取り出して、余分なPVPを除去するためエタノール溶液500mlに添加した。そして、さらに遠心分離を行い、銀粒子を取り出した。さらに、取り出した銀粒子を真空乾燥機で35℃、1.3Paの条件下で乾燥させた。
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量10000)を70℃の条件下で15時間加熱して、その後室温で冷却をした。そのPVP1000gを、エチレングリコール溶液500mlに添加してPVP溶液を調整した。別の容器にエチレングリコールを500ml入れ、硝酸銀128gを加えて電磁攪拌器で十分に攪拌をして硝酸銀溶液を調整した。PVP溶液を120℃の条件下でオーバーヘッドミキサーを用いて攪拌しつつ、硝酸銀溶液を添加して約80分間加熱して反応を進行させた。そして、その後室温で冷却をさせた。得られた溶液を遠心分離機で2200rpmの条件下で10分間遠心分離を行った。その後、分離が出来た銀粒子を取り出して、余分なPVPを除去するためエタノール溶液500mlに添加した。そして、さらに遠心分離を行い、銀粒子を取り出した。さらに、取り出した銀粒子を真空乾燥機で35℃、1.3Paの条件下で乾燥させた。
上記で得た銀粒子を純水に3時間攪拌することにより再分散させて、固形分率20%の分散液を調製し、水性銀分散液とした。
上記のようにして得られた銀粒子と、1,2−ヘキサンジオールと、トリメチロールプロパンと、界面活性剤としてのオルフィンE1010(日信化学社製)と、ワックス(パラフィン混合ワックス)としてのAQUACER539(ビックケミー・ジャパン社製)と、イオン交換水とを表2に従って混合することにより、インク組成物とした。
なお、本実施例において、銀粒子の平均粒子径は「マイクロトラックUPA」(日機装株式会社製)を用い、測定条件は、屈折率を0.2−3.9i、溶媒(水)の屈折率を1.333、測定粒子形状を球形、とした。なお、表1、表2中のワックスは、ワックス(パラフィン混合ワックス)としてのAQUACER539(ビックケミー・ジャパン社製、融点:90℃)、ワックス(パラフィン混合ワックス)としてのAQUACER537(ビックケミー・ジャパン社製、融点:110℃)、ワックス(ポリエチレン系混合ワックス)としてのAQUACER507(ビックケミー・ジャパン社製、融点:130℃)、ワックス(ポリエチレンワックス)としてのAQUACER531(ビックケミー・ジャパン社製、融点:130℃)、ワックス(パラフィンワックス)としてのセロゾールH−620(中京油脂株式会社製、融点68℃)である。
(実施例2〜5)
インク組成物の調製に用いる成分の種類、使用量を調整することにより、表2に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインク組成物を調製した。
インク組成物の調製に用いる成分の種類、使用量を調整することにより、表2に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインク組成物を調製した。
(比較例1〜5)
インク組成物の調製に用いる成分の種類、使用量を調整することにより、表1に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインク組成物を調製した。
表1には、前記各実施例および各比較例のインク組成物の構成を示す。また、前記各実施例についてのインク組成物の粘度(振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された25℃における粘度)は、いずれも、3.0mPa・s以上5.0mPa・s以下の範囲内の値であった。
インク組成物の調製に用いる成分の種類、使用量を調整することにより、表1に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインク組成物を調製した。
表1には、前記各実施例および各比較例のインク組成物の構成を示す。また、前記各実施例についてのインク組成物の粘度(振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された25℃における粘度)は、いずれも、3.0mPa・s以上5.0mPa・s以下の範囲内の値であった。
[2]ワックスの0.1質量%水溶液の透過率の測定
実施例に用いられる各ワックスの0.1質量%水溶液(水は99.9質量%)における透過率(%T)を、日立製作所社製のU3300を用いて、次のように測定した。
実施例に用いられる各ワックスの0.1質量%水溶液(水は99.9質量%)における透過率(%T)を、日立製作所社製のU3300を用いて、次のように測定した。
縦1cm×横1cm×高さ4cmの4ml容量のセキエイセルを二つ用意し、これをサンプル側のセルとリファレンス側のセルに分け、両セルに純水を加えて、ベースラインを測定し、設定しておいた。リファレンス側のセルをそのままにする一方、サンプル側のセルには、純水に替えてワックスを0.1質量%になるように純水で調整した水溶液を作成して入れた。サンプルの調整方法は、実施例の各ワックス1.00gを1Lビーカーに移し、直ちに純水を加えて合計1kgにすることにより調製した。
そして、サンプル側のセル及びリファレンス側のセルを測定部にセットし、光源ランプのスリット幅を2.0nmとし、測定間隔のスキャンスピードを600nm/minとし、透過率が0.0〜100.0%T、380nm〜800nmの範囲内で、D65光源、視野角2度、ホトマル電圧200V、光源ランプを340nm切り替えでD2ランプとWIランプとする条件下に、透過率(%T)を測定した。得られた各ワックスの0.1質量%水溶液の透過率(%T)を表1に示す。
[3]印刷物の製造
前記各実施例および各比較例について、インク組成物を用いて、以下のようにして、印刷物を製造した。
前記各実施例および各比較例について、インク組成物を用いて、以下のようにして、印刷物を製造した。
まず、印刷媒体としてのインクジェット用専用紙(写真用紙):写真用紙光沢(セイコーエプソン社製)を用意した。
この印刷媒体のインク受理層が設けられた面側に、図1に示すような液滴吐出装置を用いて、duty:40%の所定のパターンでインク組成物を付与した。これにより、印刷物が得られた。なお、本明細書において、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印刷ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印刷ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
(式中、「実印刷ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
[4]評価
[4.1]光沢度
前記各実施例および各比較例に係る印刷物の印刷面について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°で、光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が500以上。
B:光沢度が450以上500未満。
C:光沢度が400以上450未満。
D:光沢度が350以上400未満。
E:光沢度が300以上350未満。
F:光沢度が250以上300未満。
G:光沢度が250未満。
[4.1]光沢度
前記各実施例および各比較例に係る印刷物の印刷面について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°で、光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が500以上。
B:光沢度が450以上500未満。
C:光沢度が400以上450未満。
D:光沢度が350以上400未満。
E:光沢度が300以上350未満。
F:光沢度が250以上300未満。
G:光沢度が250未満。
[4.2]耐擦性
前記各実施例および各比較例に係る印刷物について、印刷物の製造から48時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じて耐擦性試験を行い、上記[3.1]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の印刷物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度の低下率が10%未満。
B:光沢度の低下率が10%以上15%未満。
C:光沢度の低下率が15%以上20%未満。
D:光沢度の低下率が20%以上25%未満。
E:光沢度の低下率が25%以上30%未満。
F:光沢度の低下率が30%以上35%未満。
G:光沢度の低下率が35%以上50%未満。
これらの結果を表2に示した。
前記各実施例および各比較例に係る印刷物について、印刷物の製造から48時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じて耐擦性試験を行い、上記[3.1]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の印刷物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度の低下率が10%未満。
B:光沢度の低下率が10%以上15%未満。
C:光沢度の低下率が15%以上20%未満。
D:光沢度の低下率が20%以上25%未満。
E:光沢度の低下率が25%以上30%未満。
F:光沢度の低下率が30%以上35%未満。
G:光沢度の低下率が35%以上50%未満。
これらの結果を表2に示した。
1…インクジェット式プリンター(プリンター)、2…フレーム、3…プラテン、4…紙送りモーター、5…ガイド部材、6…キャリッジ、7…タイミングベルト、8…キャリッジモーター、9…液滴吐出ヘッド(印刷ヘッド)、10…インクカートリッジ、P…印刷媒体(基材)。
Claims (8)
- 光輝性顔料と、ワックスと、を含み、
前記ワックスは、前記ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(A)〜(D)のいずれか1つを満たす性質を有する、インクジェットインク組成物。
(A)水溶液の波長450nmにおける透過率が50%以上100%未満
(B)水溶液の波長550nmにおける透過率が60%以上100%未満
(C)水溶液の波長650nmにおける透過率が70%以上100%未満
(D)水溶液の波長750nmにおける透過率が70%以上100%未満 - 前記ワックスの含有率が0.02質量%以上1.5質量%以下である請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 銀粒子の含有率をXAg[質量%]、ワックスの含有率をXWAX[質量%]としたとき、0.0015≦XWAX/XAg≦0.1の関係を満足する、請求項1又は2に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記光輝性顔料の平均粒子径が1nm以上100nm以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ワックスは、パラフィンを含有する混合ワックス、もしくは、ポリエチレンワックス、もしくは、ポリエチレンを含有する混合ワックスで構成されたものである請求項1ないし4のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ワックスは、前記ワックス含有量0.1質量%水溶液とした時に、下記(E)〜(H)のいずれか1つを満たす性質を有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
(E)水溶液の波長450nmにおける透過率が75%以上85%以下
(F)水溶液の波長550nmにおける透過率が80%以上90%以下
(G)水溶液の波長650nmにおける透過率が85%以上94%以下
(H)水溶液の波長750nmにおける透過率が85%以上96%以下 - 前記ワックスの融点は、30℃以上120℃以下である請求項1ないし6のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 印刷媒体上に、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物をインクジェット法により付与することにより得られたことを特徴とする印刷物。
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