JP5685897B2 - インクジェット記録方法、インクセット、および記録物 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録方法、インクセット、および記録物に関する。
近年、記録面に光輝性を有する画像が形成された記録物の需要が高まっている。光輝性を有する画像を形成する方法としては、従来は、例えば、平坦性の高い記録面を有する記録媒体を準備して、これに金属箔を押しつけて記録する箔押し記録法、記録面が平滑なプラスチックフィルムに対して金属等を真空蒸着する方法、および、記録媒体に光輝性顔料インキを塗布し、さらにプレス加工を行う方法等が知られている。
また、インクジェット法によって光輝性顔料を有するインク(以下、光輝性インクという)を吐出して記録する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のインクジェット記録方法では、色彩を有する光輝性を得る目的で、インクジェット法により光輝性インクを用いて形成した画像上に、インクジェット法でカラーインクを重ねて画像を形成した場合、光輝性インクによって形成された光輝性層の表面の平滑性が低下し、十分な光輝性を有する画像を形成することができないといった問題があった。
特開2008−174712号公報
本発明の目的は、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することが可能なインクジェット記録方法、インクセットを提供すること、また、光輝性および色彩性に優れた画像が記録された記録物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のインクジェット記録方法は、連結または一体化した第1記録媒体および第2記録媒体を用意する工程と、
インクジェット法により、前記第1記録媒体に光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、光輝性を有する第1画像を形成する第1画像形成工程と、
インクジェット法により、光透過性を有する前記第2記録媒体に色材を含有したカラーインクを付与し、第2画像を形成する第2画像形成工程と、
前記第1画像を有する前記第1記録媒体と、前記第2画像を有する前記第2記録媒体とを貼り合わせる貼合工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット法により、第1記録媒体に光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、光輝性を有する第1画像を形成する第1画像形成工程と、
インクジェット法により、光透過性を有する第2記録媒体に色材を含有したカラーインクを付与し、第2画像を形成する第2画像形成工程と、
前記第1画像を有する前記第1記録媒体と、前記第2画像を有する前記第2記録媒体とを貼り合わせる貼合工程と、を有し、
前記光輝性インクは、水を50質量%以上含む水系インクであることを特徴とする。
これにより、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法では、前記貼合工程において、前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面または前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面とは反対側の面と、前記第2記録媒体の前記第2画像を形成した面とが対向するように、前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とを貼り合わせることが好ましい。
これにより、光輝性および発色性に特に優れた画像を記録(形成)することができるとともに、優れた耐擦性(摩擦に対する耐久性)を有する画像を記録(形成)することができる。
本発明のインクジェット記録方法では、前記貼合工程において、前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面と前記第2記録媒体の前記第2画像を形成した面とが対向するように、前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とを貼り合わせることが好ましい。
これにより、光輝性および発色性に特に優れた画像を記録(形成)することができるとともに、優れた耐擦性(摩擦に対する耐久性)を有する画像を記録(形成)することができる
本発明のインクジェット記録方法では、前記第1記録媒体は、空隙層を有する記録媒体であることが好ましい。
これにより、光輝性が良好に発することとなる。
本発明のインクジェット記録方法では、前記第2記録媒体は、膨潤層を有する記録媒体であることが好ましい。
これにより、記録されたカラーインクの第1記録媒体に対しての接着力が良好になる。
本発明のインクジェット記録方法では、前記カラーインクは、樹脂成分として、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
これにより、発色性の優れた画像をより効果的に形成することができる。また、第2画像が第1記録媒体と対向する面側に位置する場合において、第1記録媒体と第2記録媒体との接着性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクセットは、本発明のインクジェット記録方法に用いられる、前記光輝性インクと前記カラーインクとを備えることを特徴とする。
これにより、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することが可能なインクセットを提供することができる。
本発明の記録物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする。
これにより、光輝性および発色性に優れた画像が記録された記録物を提供することができる。
インクジェット装置の概略構成を示す斜視図である。 第1画像を形成した第1記録媒体および第2画像を形成した第2記録媒体の断面図である。 本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の第1実施形態を示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の第2実施形態を示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の他の実施形態を示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の他の実施形態を示す断面図である。 第1画像を形成した第1記録媒体および第2画像を形成した第2記録媒体の一例を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《インクジェット装置》
まず、本発明のインクジェット記録方法の説明に先立ち、本発明のインクジェット記録方法に適用されるインクジェット装置(液滴吐出装置)の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット装置の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ1(以下、プリンタ1という)は、フレーム2を有している。フレーム2には、プラテン3が設けられ、プラテン3上には、記録媒体送りモーター4の駆動により記録媒体Pが給送されるようになっている。また、フレーム2には、プラテン3の長手方向と平行に、棒状のガイド部材5が設けられている。
ガイド部材5には、キャリッジ6がガイド部材5の軸線方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジ6は、フレーム2内に設けられたタイミングベルト7を介して、キャリッジモーター8に連結されている。そして、キャリッジ6は、キャリッジモーター8の駆動により、ガイド部材5に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ6には、ヘッド9が設けられるとともに、ヘッド9に液体としてのインクを供給するためのインクカートリッジ10が着脱可能に配置されている。インクカートリッジ10内のインクは、ヘッド9に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ10からヘッド9へと供給され、ヘッド9のノズル形成面に形成された複数のノズルから、プラテン3上に給送された記録媒体Pに対して吐出されるようになっている。これにより記録物を製造することが可能となる。
吐出方法としては、サーマルジェット(バブルジェット)方式でもよい。また、従来公知の方法はいずれも使用できる。
《インクジェット記録方法の第1実施形態》
まず、本発明のインクジェット記録方法の第1実施形態について説明する。
図2は、第1画像を形成した第1記録媒体および第2画像を形成した第2記録媒体の断面図、図3は、本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の第1実施形態を示す断面図である。
本実施形態のインクジェット記録方法は、第1記録媒体110の一方の面に、光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、第2記録媒体210上に第1画像120を形成し、第1記録物前駆体100を得る第1画像形成工程と、第2記録媒体210の一方の面に、光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、第2記録媒体210上に第2画像220を形成し、第2記録物前駆体200を得る第1画像形成工程と、第1記録物前駆体100と、第2記録物前駆体200とを貼り合わせる貼合工程とを有している。
ところで、従来のインクジェット記録方法では、色彩を有する光輝性を得る目的で、インクジェット法により光輝性インクを用いて形成した画像上に、インクジェット法でカラーインクを重ねて画像を形成した場合、光輝性インクによって形成された光輝性層の表面の平滑性が低下し、十分な光輝性を有する画像を形成することができないといった問題があった。
これに対して、本発明では、光輝性インクによって形成された第1画像を有する第1記録媒体と、カラーインクによって形成された第2画像を有する第2記録媒体とを貼り合わせることにより、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することができる。
以下、各工程について説明する。
<第1画像形成工程>
本工程では、第1記録媒体110を用意し、第1記録媒体110の一方の面上に、上述したようなインクジェット装置を用いて、光輝性インクを付与し、図2(a)に示すように、第1記録媒体110上に第1画像120を形成し、第1記録物前駆体100を得る。
[第1記録媒体]
第1記録媒体110としては、普通紙、インク受理層等を有する専用紙等の紙のほか、例えば、インクが付与される表面を含む領域が、各種プラスチック、セラミックス、ガラス、金属や、これらの複合材料で構成された基材等が挙げられる。これらの中でも、プラスチックを用いるのが好ましい。これにより、形成される第1画像120の光輝性を特に優れた物とすることができる。なお、第1記録媒体について、インク受理層を有する記録媒体である場合には、その記録媒体は空隙層を有する記録媒体であることが好ましい。「空隙層」とは、層を構成する成分のうち、樹脂の割合が3割未満であり、無機粒子が充填され無機粒子間または無機粒子に設けられた孔の空隙に液体が浸透するよう構成された層のことをいう。空隙層を有していることにより、光輝性が良好に発することとなる。
[光輝性インク]
光輝性インクは、光輝性顔料を含有する。光輝性インクに含有される光輝性顔料としては、インクジェット記録方法によって当該インクの液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔料は、光輝性インクが樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有し、また、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パール顔料や金属粒子があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方、金属粒子としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等の粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態で使用される光輝性顔料は、光沢度(光輝性)の高さの観点から、銀粒子を用いることが好ましい。以下、光輝性インクの具体例として銀インクを用いて説明する。
(1)銀粒子
上述したように、本実施形態に係る銀インクは、銀粒子を含むものである。このように、銀インクが、銀粒子を含むものであることにより(特に、所定の条件を満足するワックスとともに含むことにより)、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。また、銀は、各種金属の中でも、白色度の高い金属であるため、他色のインクと重ね合わせることにより、金色、銅色等の様々な金属色を表現することができる。
銀粒子の平均粒径は、3nm以上100nm以下であるのが好ましく、20nm以上65nm以下であるのがより好ましい。これにより、銀インクを用いて形成される画像の光沢感(光輝性)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット方式によるインクの吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものとすることができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。平均粒径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
銀インク中における銀粒子の含有率は、0.5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、インクのインクジェット方式による吐出安定性、インクの保存安定性を特に優れたものとすることができる。また、記録物とされたときの記録媒体上での銀粒子の密度(単位面積当たりの含有量)が低い場合から高い場合まで、広い密度の範囲で、良好な画質、耐擦性を実現することができる。
銀粒子は、いかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを還元ずることにより、好適に形成することができる。
(2)樹脂
本発明に係る光輝性インクは、樹脂を含有していても良く、これを含有することで定着性や耐擦性が向上する。樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(3)水
本発明にかかる光輝性インクは、水を50質量%以上含む水系インクであっても、水の含有量が50質量%未満である非水系インクであってもよい。
インク中において、水を含有させる場合には、主に銀粒子およびワックス粒子を分散させる分散媒として機能する。インクが水を含むことにより、銀粒子等の分散安定性等を優れたものとすることができ、また、後述するような液滴吐出装置のノズル付近でのインクの不本意な乾燥(分散媒の蒸発)を防止しつつ、インクが付与される記録媒体上での乾燥を速やかに行うことができるため、所望の画像の高速記録を、長期間にわたって好適に行うことができる。インク中に水を含有させる場合には、その水の含有率は、特に限定されないが、20質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、25質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。
(4)多価アルコール
本発明に係る光輝性インクは、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本実施形態に係るインクをインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクによる目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数が4〜8アルカンジオールが好ましく、炭素数が6〜8のアルカンジオールがより好ましい。これにより、記録媒体への浸透性を特に高いものとすることができる。インク中における多価アルコールの含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であるのがより好ましい。
上記の多価アルコールの中でも、インクは、1,2−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンを含むものであるのが好ましい。これにより、インク中における銀粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができ、インクの保存安定性を特に優れたものとすることができるとともに、インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
(5)グリコールエーテル
本発明に係る光輝性インクは、グリコールエーテルを含有することが好ましい。グリコールエーテルを含有することにより、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。インク中におけるグリコールエーテルの含有率は、特に限定されないが、0.2質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上10質量%以下であるのがより好ましい。
(6)界面活性剤
本発明に係る光輝性インクは、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明に係るインクは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
光輝性インク中における上記界面活性剤の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であるのがより好ましい。
(7)その他の成分
本発明に係る光輝性インクは、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、pH調整剤、浸透剤、有機バインダー、尿素系化合物、アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)等の乾燥抑制剤、チオ尿素等が挙げられる。
<第2画像形成工程>
本工程では、第2記録媒体210を用意し、第2記録媒体210の一方の面に、上述したようなインクジェット装置を用いて、カラーインクを付与し、図2(b)に示すように、第2記録媒体210上に第2画像220を形成し、第2記録物前駆体200を得る。
[第2記録媒体]
第2記録媒体210としては、光透過性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、各種プラスチック、セラミックス、ガラスや、これらの複合材料で構成された基材等が挙げられる。これらの中でも、プラスチックを用いるのが好ましい。これにより、第2記録物前駆体200の光透過性をより高いものとすることができ、最終的に得られる記録物1000の光輝性を特に優れた物とすることができる。第2記録媒体210に用いられるものとしては、インク受理層を有する記録媒体ならば、記録媒体は膨潤層を有する記録媒体であることが好ましい。「膨潤層」とは、層を構成する成分のうち7割以上樹脂であり、樹脂層がインクの溶媒により膨潤し、それによって開いた孔に溶媒が浸透するよう構成されている層のことをいう。膨潤層であることで、記録されたカラーインクの第1記録媒体110に対しての接着力が良好になる。
[カラーインク]
カラーインクには、色材が含まれており、カラーインクとしては、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット等のインク、ブラックインク、ライトブラックインク等が挙げられる。
色材としては、顔料および染料が挙げられ、通常のインクに使用することができる色材を特に制限なく使用することができる。
本実施形態に使用可能な顔料としては、特に制限されないが、各種公知の顔料が挙げられる。
イエロー有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。
また、マゼンタ、シアンおよびイエロー以外の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
顔料は、平均粒径が10nm以上200nm以下の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50nm以上150nm以下程度のものが好ましい。本実施形態における顔料の添加量は、1質量%以上25質量%以下程度の範囲が好ましく、より好ましくは3質量%以上20質量%以下の範囲である。
本実施形態において使用可能な染料としては、例えば、アクリジン染料、アニリン染料、アントラキノン染料、アジン染料、アゾメチン染料、ベンゾー及びナフトキノン染料、インジゴイド染料、インドフェノール染料、インドアニリン染料、インダミン染料、ロイコ染料、ナフタールイミド染料、ニグロシン染料、インジュリン染料、ニトロ及びニトロソ染料、オキサジン及びジオキサジン染料、酸化染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、キノフタロン染料、硫化染料、トリ及びジアクリルメタン染料、チアジン染料、チアゾール染料、キサンテン染料、シアニン染料等が挙げられる。
具体的なイエロー系染料としては、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、59、61、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、127、131、135、142、162、164、165、C.I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、24、26、27、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、110、132、142、144、C.I.リアクティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、14、15、16、17、18、22、23、24、25、26、27、37、42、C.I.フードイエロー3、4、C.I.ソルベントイエロー15、19、21、30、109等が挙げられる。
具体的なマゼンタ系の染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、75、77、80、82、85、87、88、89、92、94、97、106、111、114、115、117、118、119、129、130、131、133、134、138、143、145、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、209、211、215、219、249、252、254、262、265、274、282、289、303、317、320、321、322、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、62、63、75、79、80、81、83、84、89、95、99、113、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230、231、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、49、50、58、59、63、64、C.I.ソルビライズレッド1、C.I.フードレッド7、9、14等が挙げられる。
具体的なシアン系の染料としては、例えば、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、54、59、60、62、72、74、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、112、113、117、120、126、127、129、130、131、138、140、142、143、151、154、158、161、166、167、168、170、171、182、183、184、187、192、199、203、204、205、229、234、236、249、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、41、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、158、160、163、165、168、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、225、226、236、237、246、248、249、C.I.リアクティブブルー1、2、3、4、5、7、8、9、13、14、15、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、31、32、33、34、37、38、39、40、41、43、44、46、C.I.ソルビライズバットブルー1、5、41、C.I.バットブルー4、29、60、C.I.フードブルー1、2、C.I.ベイシックブルー9、25、28、29、44等が挙げられる。
その他の色系統の具体的な染料としては、例えば、C.I.アシッドグリーン7、12、25、27、35、36、40、43、44、65、79、C.I.ダイレクトグリーン1、6、8、26、28、30、31、37、59、63、64、C.I.リアクティブグリーン6、7、C.I.アシッドバイオレット15、43、66、78、106、C.I.ダイレクトバイオレット2、48、63、90、C.I.リアクティブバイオレット1、5、9、10等が挙げられる。
これらの染料は、前記した各色の系の染料の群内および各群間から複数選択して使用することができる。
本実施形態における染料の添加量は、1質量%以上25質量%以下程度の範囲が好ましく、より好ましくは3質量%以上20質量%以下の範囲である。
また、カラーインクには、樹脂成分が含まれているのが好ましい。これにより、第2画像220の第2記録媒体210に対する密着性をより高いものとすることができる。
樹脂成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上述した中でも、樹脂成分として、特に、スチレン−アクリル樹脂、および、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これにより、発色性の優れた第2画像220をより効果的に形成することができる。また、第2画像220が第1記録媒体110と対向する面側に位置する場合において、第1記録媒体110と第2記録媒体210との接着性をより優れたものとすることができる。また、第2画像220の第2記録媒体210に対する密着性をより高いものとすることができる。
カラーインク中における前記樹脂成分の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であるのがより好ましい。これにより、発色性の優れた第2画像220をより効果的に形成することができる。また、第2画像220が第1記録媒体110と対向する面側に位置する場合において、第1記録媒体110と第2記録媒体210との接着性をより優れたものとすることができる。
<貼合工程>
本工程では、第1記録物前駆体100と第2記録物前駆体200とを貼り合わせる。これにより、記録物1000(本発明の記録物)を得る。
本実施形態では、図3に示すように、第1記録物前駆体100の第1画像120側の面と、第2記録物前駆体200の第2画像220側の面とが対向するように、第1記録物前駆体100と第2記録物前駆体200とを貼り合わせる。このように、画像が形成された面同士を貼り合わせることにより、光輝性および発色性に特に優れた画像を記録(形成)することができるとともに、優れた耐擦性(摩擦に対する耐久性)を有する画像を記録(形成)することができる。
貼り合せ方法については特に限定されないが、第1記録媒体110の第1画像120を形成した面または第1記録媒体110の第1画像120を形成した面とは反対側の面と、第2記録媒体210の第2画像220を形成した面とが対向するように、第1記録媒体と第2記録媒体とを貼り合わせることが好ましい。より好ましくは、上述のように第1記録物前駆体100の第1画像120側の面と、第2記録物前駆体200の第2画像220側の面とが対向するように貼り合せる方法である。なお、この場合には、第1画像120と第2画像220とが同一の画像(用いるインクは異なる)であるならば、第2画像220は第1画像120と比較して、反転させて第2記録媒体210に記録するのが好ましい。
なお、上述した実施形態では、第1記録媒体110と第2記録媒体210とが別の記録媒体であるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、第1記録媒体110と第2記録媒体210とは、連結または一体化していてもよい。つまり、一体的に一つの記録媒体として形成されていてもよい。このように形成されていることで、搬送及び印刷も別個に行う必要が無くなる点で好ましい。また、貼り合せ工程の態様次第では、折り返すことで工程を行うことが出来る。具体的には、図7では、図7に示す破線で折り返すことにより、第1記録媒体110部分と第2記録媒体210部分とを貼り合わせる構成となっている。これにより、より簡便に光輝性および発色性に優れた画像が記録された記録物を形成することができる。また、貼り合わせの際の位置合わせが容易となる。
《インクセット》
次に、上述したインクジェット記録方法に適用されるインクセットについて説明する。
本実施形態にかかるインクジェット記録用のインクセットは、上述したような第1記録媒体、第2記録媒体に対し、インクジェット装置を用いて、光輝性を有する画像の記録に用いられるインクセットであって、少なくとも、上述したような光輝性インクとカラーインクを備えている。これにより、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することができる。
《インクジェット記録方法の第2実施形態》
次に、本発明のインクジェット記録方法の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明のインクジェット記録方法により形成された記録物の第2実施形態を示す断面図である。
本実施形態では、前述した第1実施形態と異なる点について説明し、同様な構成についてはその説明を省略する。
本実施形態では、図4に示すように、第1記録物前駆体100の第1画像120が設けられた面と、第2記録物前駆体200の第2画像220が設けられた面とは反対側の面とを貼り合わせた点で、前述した実施形態と異なっており、それ以外の構成については前述した実施形態と同様の構成となっている。
このような構成とすることにより、形成される画像の光輝性を優れたものとしつつ、発色性を特に優れたものとすることができる。そして、第2記録媒体210を介さずにカラーの光輝性画像(カラーメタリック画像)を観察出来るので、つやが無く鈍く光っている状態(マット感)のある画像が得られる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の記録物は、図3および図4に限定されず、図5に示すように、第1記録物前駆体100の第1画像120が設けられた面とは反対側の面と、第2記録物前駆体200の第2画像220が設けられた面とを貼り合わせる構成であってもよいし、図6に示すように、第1記録物前駆体100の第1画像120が設けられた面とは反対側の面と、第2記録物前駆体200の第2画像220が設けられた面とは反対側の面とを貼り合わせる構成であってもよい。なお、図6のように貼り合せる場合には、第1画像120と第2画像220とが同一の画像(用いるインクは異なる)であるならば、第2画像220は第1画像120と比較して、反転させて第2記録媒体210に記録するのが好ましい。
また、前述した実施形態では、第1記録媒体には、光輝性インクで画像を形成するものとして説明したが、これに限定されず、光輝性インクによる画像の他に、カラーインクによる画像を形成してもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]光輝性インクの調製
ポリビニルピロリドン(PVP、重合平均分子量10000)を70℃の条件下で15時間加熱して、その後室温で冷却をした。そのPVP1000gを、エチレングリコール溶液500mlに添加してPVP溶液を調整した。別の容器にエチレングリコールを500ml入れ、硝酸銀128gを加えて電磁攪拌器で十分に攪拌をして硝酸銀溶液を調整した。PVP溶液を120℃の条件下でオーバーヘッドミキサーを用いて攪拌しつつ、硝酸銀溶液を添加して約80分間加熱して反応を進行させた。そして、その後室温で冷却をさせた。得られた溶液を遠心分離機で2200rpmの条件下で10分間遠心分離を行った。その後、分離が出来た銀粒子を取り出して、余分なPVPを除去するためエタノール溶液500mlに添加した。そして、さらに遠心分離を行い、銀粒子を取り出した。さらに、取り出した銀粒子を真空乾燥機で35℃、1.3Paの条件下で乾燥させた。
上記によって製造された銀粒子10質量%に、グリセリンを10質量%、1,2−ヘキサンジオールを3質量%、トリエタノールアミンを0.5質量%、シリコン系界面活性剤(BYK−348)1質量%、さらに濃度調整用のイオン交換水を添加することにより、光輝性インクとした。
[2]カラーインクの調製
カラーインクは、表1に記載の組成になるように、顔料、樹脂成分、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエタノールアミン、シリコン系界面活性剤(BYK−348)およびイオン交換水を混合し調製した。その後、常温で1時間混合撹拌して、表1に記載の7種類のカラーインクを得た。
表1中、使用した顔料および樹脂成分は、下記のとおりである。
(1)顔料
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)(表中、Cと示す。)
・マゼンダ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19)(表中、Mと示す。)
・イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)(表中、Yと示す。)
(2)樹脂成分
・ポリウレタン(三井化学株式会社製、商品名「W−615」(ポリカーボネート系アニオン性ポリウレタン、Tg=85℃))(表中、樹脂1と示す。)
・スチレン−アクリル酸共重合体(東亜合成株式会社製、商品名「UC−3900」(スチレンアクリル樹脂、Tg=60℃))(表中、樹脂2と示す。)
・アクリル樹脂(東亜合成株式会社製、商品名「UG−4010」(アクリル樹脂、Tg=−57℃))(表中、樹脂3と示す。)
Figure 0005685897
[3]記録物の形成
(実施例1〜14)
まず、図1に示すインクジェット装置により、光輝性インクを用いて、表2に示す第1記録媒体のA4サイズのものに解像度1440×1440ベタ印刷を行い、第1記録物前駆体を得た。
また、図1に示すインクジェット装置により、表2に示すカラーインクを用いて、表2に示す第2記録媒体のA4サイズのものに解像度1440×1440ベタ印刷を行い、第2記録物前駆体を得た。
得られた第1記録物前駆体と第2記録物前駆体とを、表2の貼り合わせパターンにより、貼り合わせ、記録物を得た。
(比較例1〜5)
まず、図1に示すインクジェット装置により、光輝性インクを用いて、表2に示す記録媒体のA4サイズのものに解像度1440×1440ベタ印刷を行い、その後、光輝性インクで印刷した面に、表2に示すカラーインクを用いて、解像度1440×1440ベタ印刷を行い、記録物を得た。
なお、表2中、貼り合わせパターンは、図3の貼り合わせパターンを1、図4の貼り合わせパターンを2、図5の貼り合わせパターンを3、図6の貼り合わせパターンを4と示した。
また、表2中、膨潤クリアフィルム(セイコーエプソン社製、商品名「クリアプルーフフィルム」)を「CPF」、空隙クリアフィルム(セイコーエプソン社製、商品名「エプソンOHPシート」)を「OHP」、写真用紙(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン社製)を「写真用紙」と示した。
Figure 0005685897
[4]光沢評価
[4.1]官能評価
前記各実施例および各比較例に係る記録物について、10人の被験者に光の反射により光沢感(キラキラ感)があるかを、0点〜3点の4段階の基準で採点して貰い、10人の平均を算出し、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :平均点2点以上(光の反射によりキラキラ感が強く見える)
B :平均点1.5点以上2点未満(光の反射によりキラキラ感が少しある)
C :平均点0.5点以上1.5点未満(光の反射が確認できる)
D :平均点0.5点未満(光の反射が確認できない)
[4.2]60℃光沢度の数値測定
前記各実施例および各比較例に係る記録物について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度を測定した。
[4.3]数値評価
[4.2]で得られた数値を以下の基準により評価した。
A :60°光沢が120以上
B :60°光沢が110以上120未満
C :60°光沢が110未満
[4.4]総合評価
前記各実施例および各比較例に係る記録物について、数値評価及び官能評価のうち、評価の低い方を総合評価とした。
[5]発色
色味は各カラーインクを単色で印刷した場合のLab値から、各実施例および各比較例の記録物のab値がどの程度離れているかを示す△c*値を測定し、以下の基準に従い評価した。なお、シアンインクの基準のa*値を−35.41、b*値を−34.92とし、マゼンダインクの基準のa*値を70.98、b*値を−3.27とし、イエローインクの基準のa*値を−10.17、b*値を80.25とした。
A :△c*値が30以内
B :△c*値が30より大きく、40以下
C :△c*値が40より大きい
[6]接着性
接着性の試験は各実施例および各比較例の記録物を1日放置し、その後、手で記録物の剥し試験を行った。
A :剥そうとするのに大きな力が必要となり、音を立てて剥がれる
B :剥そうとすると大きな力は必要とならないが、音を立てて剥がれる
C :剥そうとすると引っかかりはあるがくっついていない
D :全くくっついていない
[7]マット感
マット感は、各実施例および各比較例の記録物の表面状態を見たときに、つやが無く、鈍く光っている状態が見られるかどうか官能評価を行った。
これらの結果を表2に合わせて示した。
表2から明らかなように、本発明のインクジェット記録方法によれば、光輝性および発色性に優れた画像を記録(形成)することが可能であった。これに対して、比較例では満足な結果が得られなかった。
1…インクジェット式プリンタ(プリンタ) 2…フレーム 3…プラテン 4…記録媒体送りモーター 5…ガイド部材 6…キャリッジ 7…タイミングベルト 8…キャリッジモーター 9…ヘッド 10…インクカートリッジ P…記録媒体(基材) 100…第1記録物前駆体 110…第1記録媒体 120…第1画像 200…第2記録物前駆体 210…第2記録媒体 220…第2画像 1000…記録物

Claims (9)

  1. 連結または一体化した第1記録媒体および第2記録媒体を用意する工程と、
    インクジェット法により、前記第1記録媒体に光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、光輝性を有する第1画像を形成する第1画像形成工程と、
    インクジェット法により、光透過性を有する前記第2記録媒体に色材を含有したカラーインクを付与し、第2画像を形成する第2画像形成工程と、
    前記第1画像を有する前記第1記録媒体と、前記第2画像を有する前記第2記録媒体とを貼り合わせる貼合工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. インクジェット法により、第1記録媒体に光輝性顔料が分散した光輝性インクを付与し、光輝性を有する第1画像を形成する第1画像形成工程と、
    インクジェット法により、光透過性を有する第2記録媒体に色材を含有したカラーインクを付与し、第2画像を形成する第2画像形成工程と、
    前記第1画像を有する前記第1記録媒体と、前記第2画像を有する前記第2記録媒体とを貼り合わせる貼合工程と、を有し、
    前記光輝性インクは、水を50質量%以上含む水系インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 前記貼合工程において、前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面または前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面とは反対側の面と、前記第2記録媒体の前記第2画像を形成した面とが対向するように、前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とを貼り合わせる請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記貼合工程において、前記第1記録媒体の前記第1画像を形成した面と前記第2記録媒体の前記第2画像を形成した面とが対向するように、前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とを貼り合わせる請求項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第1記録媒体は、空隙層を有する記録媒体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記第2記録媒体は、膨潤層を有する記録媒体である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記カラーインクは、樹脂成分として、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録方法に用いられる、前記光輝性インクと前記カラーインクとを備えることを特徴とするインクセット。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。
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