JP2010077218A - 水性インク組成物、インクセットおよび画像形成方法 - Google Patents

水性インク組成物、インクセットおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出性に優れ、形成される画像の定着性、ブロッキングが良好な水性インク組成物を提供する。
【解決手段】水性インク組成物に、水系媒体と、顔料および水不溶性ポリマー分散剤を含む着色粒子と、親水性の構成単位、および脂環式(メタ)アクリレートに由来する疎水性の構成単位を含む自己分散ポリマー粒子とを含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク組成物、インクセットおよび画像形成方法に関する。
近年、資源保護、環境保全、作業の安定性の向上等のニーズの高まりによって塗料ならびにインク(以下、「インキ」ともいう)の水性化が進行しつつある。水性塗料ならびに水性インキに要求される品質は、油性塗料ならびに油性インキと同様、流動性、貯蔵安定性、皮膜の光沢、鮮明性、着色力等である。しかしながら、大部分の顔料は水性ビヒクルに対して油性の場合に比べ顔料分散性等の適性が著しく劣るため通常の分散方法では満足な品質は得られない。これまで、各種の添加剤、例えば水性用顔料分散樹脂や界面活性剤の使用が検討されてきたが上記すべての適性を満足し、既存の高品質を有する油性塗料または油性インキに匹敵するような水性塗料または水性インキは得られていない。
このような問題を解決するために、例えば、色材として水不溶性ポリマーによって被覆されている着色剤と、ポリマー粒子を含有する水性インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。該水性インク組成物を用いたインクジェットインクは耐水性、耐擦過性、耐マーカー性、印字性に優れるとされている。
また、色材として水不溶性ポリマーによって被覆されている着色剤と添加剤として樹脂エマルジョンを少なくとも含有するインク組成物であって、水不溶性ポリマーの重量平均分子量が50000〜150000であり、樹脂エマルジョンは少なくとも該水不溶性ポリマーと構成成分が同一構造を持ち、その分子量が該水不溶性ポリマーに対して、1.5倍〜4倍の重量平均分子量のポリマーからなることを特徴とするインク組成物が開示され(例えば、特許文献2参照)、該インクは光沢性と耐擦過性とが良好であるとされている。
特開2001−329199号公報 特開2006−273892号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインク組成物では形成される画像の耐擦過性は改良されるものの、ブロッキングや吐出性は不十分であった。また、特許文献2に記載のインクでも光沢性や耐擦過性はある程度改良されるものの、ブロッキングや吐出性は不十分であった。
特に、公知技術に記載の水性インク組成物を用い、水系媒体として特定の有機溶剤を用いると、吐出性、ブロッキングの悪化が顕著であった。
本発明は、吐出性に優れ、形成される画像の定着性、ブロッキングが良好な水性インク組成物及びこれを含むインクセット、並びに該水性インク組成物を用いる画像形成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 水系媒体と、顔料および水不溶性ポリマー分散剤を含む着色粒子と、親水性の構成単位、および脂環式(メタ)アクリレートに由来する疎水性の構成単位を含む自己分散ポリマー粒子と、を含有する水性インク組成物。
<2> 前記自己分散ポリマー粒子は、疎水性の構成単位として、炭素数が1〜8の鎖状アルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、さらに含む前記<1>に記載の水性インク組成物。
<3> 前記自己分散ポリマー粒子は、スチレン系モノマーに由来する構成単位の含有率が20質量%以下である前記<1>または<2>に記載の水性インク組成物。
<4> 前記自己分散ポリマー粒子は、親水性の構成単位として、カルボキシル基を有する構成単位を含む前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<5> インクジェット記録用インクである前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水性インク組成物の少なくとも1種を含むインクセット。
<7> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水性インク組成物、または前記<6>に記載のインクセットを用いて、被記録媒体上に、前記水性インク組成物を付与するインク付与工程を含む画像形成方法。
本発明によれば、吐出性に優れ、形成される画像の定着性、ブロッキングが良好な水性インク組成物及びこれを含むインクセット、並びに該水性インク組成物を用いる画像形成方法を提供することができる。
<水性インク組成物>
本発明の水性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ということがある)は、水系媒体と、顔料および水不溶性ポリマー分散剤を含む着色粒子の少なくとも1種と、親水性の構成単位および脂環式(メタ)アクリレートに由来する疎水性の構成単位を含む自己分散ポリマー粒子の少なくとも1種とを含有する。
かかる構成であることにより、粘度変化及び粒径変化の経時安定性に優れ、形成される画像の定着性、ブロッキングが良好な水性インク組成物とすることができる。また、かかる構成の水性インク組成物は、例えばインクジェット記録法に適用する場合、インクの吐出性にも優れている。
[着色粒子]
本発明における着色粒子は、顔料の少なくとも1種と、水不溶性ポリマー分散剤の少なくとも1種とを含むが、前記顔料は前記水不溶性ポリマー分散剤で被覆された状態として着色粒子を構成していることが好ましい。また前記着色粒子は、顔料と水不溶性ポリマー分散剤に加えて、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
(顔料)
本発明における顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、上記顔料を界面活性剤やポリマー分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。上記顔料のうち、インク着色性の観点から、特に、有機顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
前記顔料は、1種単独で用いても複数併用してもよい。
前記着色粒子における顔料の含有量は、インク着色性、保存安定性等の観点から、全固形分質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
(水不溶性ポリマー分散剤)
本発明における水不溶性ポリマー分散剤(以下、単に「分散剤」ということがある)としては、水不溶性のポリマーであって、顔料を分散可能であれば特に制限は無く、従来公知の水不溶性ポリマー分散剤を用いることができる。水不溶性ポリマー分散剤は、例えば、疎水性の構成単位と親水性の構成単位の両方を含んで構成することができる。
前記疎水性の構成単位を構成するモノマーとしては、スチレン系モノマー、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また前記親水性構成単位を構成するモノマーとしては、親水性基を含むモノマーであれば特に制限はない。前記親水性基としては、ノニオン性基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。尚、ノニオン性基は後述の自己分散ポリマーにおけるノニオン性基と同義である。
本発明における親水性構成単位は、分散安定性の観点から、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましく、ノニオン性基とカルボキシル基を共に含む形態であることもまた好ましい。
本発明における水不溶性ポリマー分散剤として、具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ここで「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
本発明において水不溶性ポリマー分散剤としては、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含むビニルポリマーであることが好ましく、疎水性の構成単位として少なくとも芳香族基含有モノマーに由来する構成単位を有し、親水性の構成単位としてカルボキシル基を含む構成単位を有するビニルポリマーであることがより好ましい。
また前記水不溶性ポリマー分散剤の重量平均分子量としては、顔料の分散安定性の観点から、3,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜80,000、特に好ましくは10,000〜60,000である。
本発明における着色粒子中における分散剤の含有量は、顔料の分散性、インク着色性、分散安定性の観点から、顔料に対し、分散剤が5〜200質量%であることが好ましく、10〜100質量%がより好ましく、20〜80質量%が特に好ましい。
前記着色粒子中の分散剤の含有量が、上記範囲であることにより、顔料が適量の分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた着色粒子を得やすい傾向となり好ましい。
本発明における前記着色粒子は、前記水不溶性ポリマー分散剤に加えて、その他の分散剤を含んでいてもよい。例えば、従来公知の水溶性低分子分散剤や、水溶性ポリマー等を用いることができる。前記水不溶性ポリマー分散剤以外の分散剤の含有量は、前記分散剤の含有量の範囲内で用いることができる。
(その他の添加剤)
前記着色粒子には、必要に応じて、塩基性物質(中和剤)、界面活性剤等のその他の添加剤を添加することができる。
(塩基性物質)
塩基性物質としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。塩基性物質は、分散剤を中和する目的で、前記分散剤を含む組成物がpH7〜11となるように添加するのが好ましく、pH8〜10となるように添加するのがより好ましい。
塩基性物質の含有量としては、分散剤のイオン性基100モル%に対して、50〜150モル%であることが好ましく、70〜120モル%であることがより好ましく80〜100モル%であることが特に好ましい。
塩基性物質の具体例については、後述する自己分散ポリマー粒子におけるものと同様である。
(着色粒子分散物の製造方法)
本発明における着色粒子は、例えば、顔料、分散剤、必要に応じて溶媒(好ましくは有機溶剤)等を含む混合物を、分散機により分散することにより着色粒子分散物として得ることができる。
本発明における着色粒子分散物は、顔料、分散剤、前記分散剤を溶解または分散する有機溶剤、及び塩基性物質を含み、水を主成分とする溶液を混合した後(混合・水和工程)、前記有機溶剤を除く(溶媒除去工程)ことによって製造されることが好ましい。
この着色粒子分散物の製造方法によれば、前記着色粒子が微細に分散され、保存安定性に優れた着色粒子分散物を製造することができる。
前記着色粒子分散物の製造方法における有機溶剤は、本発明における分散剤を溶解または分散できることが必要だが、これに加えて水に対してある程度の親和性を有することが好ましい。具体的には、20℃において、水に対する溶解度が10質量%以上50質量%以下であるものが好ましい。
本発明における着色粒子分散物は、更に詳細には下記に示す工程(1)および工程(2)を含む製造方法で製造することができるが、これに限定されるものではない。
工程(1):顔料と、分散剤と、及び前記分散剤を溶解・分散する有機溶剤と、塩基性物質と、水とを含有する混合物を、分散処理する工程
工程(2):分散処理後の混合物から、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程
前記工程(1)では、まず、前記分散剤を有機溶剤に溶解、または分散させ、これらの混合物を得る(混合工程)。次に顔料と、塩基性物質を含み、水を主成分とする溶液と、水と、必要に応じて界面活性剤等とを、前記混合物に加えて混合、分散処理し、水中油型の着色粒子分散物を得る。
前記塩基性物質の添加量(中和度)には、特に限定がない。通常、最終的に得られる着色粒子分散物の液性が、中性に近い液性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。また前記分散剤に応じた中和度により、pHを決めることもできる。
前記着色粒子分散物の製造方法で用いる顔料、分散剤、及びその他の添加剤は、前述の着色粒子の項において記載したものと同義であり、好ましい例も同様である。
本発明に用いられる有機溶剤の好ましい例としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤が挙げられる。これらのうちアルコール系溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶剤の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。
また、これらの有機溶剤は、単独で用いても複数併用してもよい。
前記着色粒子分散物の製造においては、2本ロール、3本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことができる。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C. Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
また、必要に応じて、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行なうことにより得ることができる。
本発明における着色粒子分散物の製造方法において、前記有機溶剤の除去は特に限定されず、減圧蒸留等の公知に方法により除去できる。
このようにして得られた着色粒子分散物における着色粒子は良好な分散状態を保ち、かつ、得られた着色粒子分散物は経時安定性に優れたものとなる。
本発明において、着色粒子の平均粒径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒径が200nm以下であることで色再現性が良好になり、インクジェット方式の場合には打滴特性が良好になる。また、平均粒径が10nm以上であることで、耐光性が良好になる。
また、着色粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ着色粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、着色粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、動的光散乱法を用いて測定することができる。
本発明の水性インク組成物において、上記着色粒子は1種単独で、また2種以上を組合わせて使用してもよい。
また、着色粒子の含有量としては、画像濃度の観点から、水性インク組成物に対して、0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1.5〜15質量%がさらに好ましく、1.5〜10質量%が特に好ましい。
[自己分散ポリマー粒子]
本発明における自己分散ポリマー粒子は、親水性の構成単位と疎水性の構成単位とを含み、前記疎水性の構成単位が、少なくとも脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造を有することを特徴とする。脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造を有することで、形成される画像の定着性、ブロッキング耐性が良好な水性インク組成物を得ることができる。また、インクジェット記録に適用する場合には、良好な吐出性が得られる。
本発明において自己分散ポリマーとは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身の官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーをいう。
ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
本発明における自己分散ポリマーにおいては、水性インク組成物に含有されたときのインク定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる自己分散ポリマーであることが好ましい。
自己分散ポリマーの乳化又は分散状態、すなわち自己分散ポリマーの水性分散物の調製方法としては、転相乳化法が挙げられる。転相乳化法としては、例えば、自己分散ポリマーを溶媒(例えば、水溶性有機溶剤等)中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、自己分散ポリマーが有する塩生成基(例えば、酸性基)を中和した状態で、攪拌、混合し、前記溶媒を除去した後、乳化又は分散状態となった水性分散物を得る方法が挙げられる。
また本発明の自己分散ポリマーにおける安定な乳化又は分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶剤を除去した後でも、乳化又は分散状態が、25℃で、少なくとも1週間安定に存在し、沈殿の発生が目視で確認できない状態であることをいう。
また、自己分散ポリマーにおける乳化又は分散状態の安定性は、遠心分離による沈降の加速試験によっても確認することができる。遠心分離による、沈降の加速試験による安定性は、例えば、上記の方法により得られたポリマー粒子の水性分散物を、固形分濃度25質量%に調整した後、12000rpmで一時間遠心分離し、遠心分離後の上澄みの固形分濃度を測定することによって評価できる。
遠心分離前の固形分濃度に対する遠心分離後の固形分濃度の比が大きければ(1に近い数値であれば)、遠心分離によるポリマー粒子の沈降が生じない、すなわち、ポリマー粒子の水性分散物がより安定であることを意味する。本発明においては、遠心分離前後での固形分濃度の比が0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
本発明における自己分散ポリマーは、分散状態としたときに水溶性を示す水溶性成分の含有量が10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性成分が10質量%以下とすることで、ポリマー粒子の膨潤やポリマー粒子同士の融着を効果的に抑制し、より安定な分散状態を維持することができる。また、水性インク組成物の粘度上昇を抑制でき、例えば、水性インク組成物をインクジェット法に適用する場合に、吐出安定性がより良好になる。
ここで水溶性成分とは、自己分散ポリマーに含有される化合物であって、自己分散ポリマーを分散状態にした場合に水に溶解する化合物をいう。前記水溶性成分は自己分散ポリマーを製造する際に、副生又は混入する水溶性の化合物である。
(疎水性の構成単位)
本発明において自己分散ポリマー粒子は、疎水性の構成単位として、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造の少なくとも1種を含む。
本発明における自己分散ポリマー粒子を構成するポリマーの主鎖骨格については特に制限はないが、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、ビニルポリマーであることが好ましい。
−脂環式(メタ)アクリレート−
本発明において脂環式(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸に由来する構造部位と、アルコールに由来する構造部位とを含み、アルコールに由来する構造部位に、無置換または置換された脂環式炭化水素基を少なくとも1つ含む構造を有しているものである。尚、前記脂環式炭化水素基は、アルコールに由来する構造部位そのものであっても、連結基を介してアルコールに由来する構造部位に結合していてもよい。
また、「脂環式(メタ)アクリレート」とは、脂環式炭化水素基を有する、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。
脂環式炭化水素基としては、環状の非芳香族炭化水素基を含むものであれば特に限定はなく、単環式炭化水素基、2環式炭化水素基、3環式以上の多環式炭化水素基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基や、シクロアルケニル基、ビシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、デカヒドロナフタレニル基、ペルヒドロフルオレニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、およびビシクロ[4.3.0]ノナン等を挙げることができる。
前記脂環式炭化水素基は、更に置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アルキルまたはアリールカルボニル基、およびシアノ基等が挙げられる。
また脂環式炭化水素基は、さらに縮合環を形成していてもよい。
本発明における脂環式炭化水素基としては、粘度や溶解性の観点から、脂環式炭化水素基部分の炭素数が5〜20であることが好ましい。
脂環式炭化水素基とアルコールに由来する構造部位とを結合する連結基としては、炭素数1から20までの、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、アラルキル基、アルコキシ基、モノまたはオリゴエチレングルコール基、モノまたはオリゴプロピレングリコール基などが好適なものとして挙げられる。
本発明における脂環式(メタ)アクリレートの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのうち、自己分散ポリマー粒子の分散安定性と、定着性、ブロッキング耐性の観点から、2環式(メタ)アクリレート、または3環式以上の多環式(メタ)アクリレートを少なくとも1種であることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、およびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明において、自己分散ポリマー粒子に含まれる脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有率としては、自己分散状態の安定性、脂環式炭化水素基同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。特に好ましいのは50質量%以上80質量%以下である。
脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位を20質量%以上とすることで、定着性、ブロッキングを改良することができる。一方、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位が90質量%以下であることでポリマー粒子の安定性が向上する。
本発明において自己分散ポリマーは、疎水性構成単位として前記脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位に加え、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んで構成することができる。前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記脂環式(メタ)アクリレートおよび後述の親水性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限はなく、公知のモノマーを用いることができる。
前記その他の構成単位を形成するモノマー(以下、「その他共重合可能なモノマー」ということがある)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点および自己分散ポリマーの分散安定性の観点から、炭素数が1〜8の鎖状アルキル基を含有する(メタ)アクリレートの少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくは炭素数が1〜4の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートである。ここで、鎖状アルキル基とは、直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基のことをいう。
また本発明においては、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートも好ましく用いることができる。
その他共重合可能なモノマーとして芳香族含有(メタ)アクリレートを含む場合、自己分散ポリマー粒子の分散安定性の観点から、芳香族含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位は40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることが特に好ましい。
また、その他共重合可能なモノマーとしてスチレン系モノマーを用いる場合、自己分散ポリマー粒子とした際の安定性の観点から、スチレン系モノマーに由来する構成単位は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましく、スチレン系モノマーに由来する構成単位を含まない態様が特に好ましい。
ここで、スチレン系モノマーとは、スチレン、置換スチレン(α-メチルスチレン、クロロスチレンなど)、および、ポリスチレン構造単位を有するスチレンマクロマーのことを指す。
本発明においてその他共重合可能なモノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
自己分散ポリマー粒子が、その他の構成単位を含有する場合、その含有量は10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜75質量%であって、特に好ましいのは20〜70質量%である。その他の構成単位を形成するモノマーを、2種以上を組み合わせて使用する場合、その総含有量が前記範囲であることが好ましい。
(親水性の構成単位)
本発明における自己分散ポリマーは、親水性の構成単位の少なくとも1種を含む。前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来するものであれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、および形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、少なくとも1種は解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離性基であることがより好ましい。前記アニオン性の解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、水性インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が特に好ましい。
本発明における親水性基含有モノマーは、自己分散性の観点から、解離性基含有モノマーであることが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーであることが好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記解離性基含有モノマーの中でも、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種がより好ましい。
またノニオン性親水性基を有するモノマーとしては、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(分子量200〜1000)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(分子量200〜1000)モノメタクリレートなどの(ポリ)エチレンオキシ基またはポリプロピレンオキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーや、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。
また、ノニオン性親水性基を有するモノマーとしては、末端が水酸基のエチレン性不飽和モノマーよりも、末端がアルキルエーテルのエチレン性不飽和モノマーのほうが、粒子の安定性、水溶性成分の含有量の観点で好ましい。
本発明における親水性の構成単位としては、アニオン性の解離性基を有する親水性単位のみを含有する態様、および、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位と、ノニオン性親水性基を有する親水性の構成単位とを両方含有する態様のいずれかであることが好ましい。
また、アニオン性の解離性基を有する親水性単位を2種以上含有する態様や、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位と、ノニオン性親水性基を有する親水性の構成単位を2種以上併用する態様であることもまた好ましい。
前記自己分散ポリマーにおける親水性構成単位の含有率は、粘度と経時安定性の観点から、25質量%以下であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、2〜23質量%であることがさらに好ましく、4〜20質量%であることが特に好ましい。
また2種以上の親水性の構成単位を有する場合、親水性の構成単位の総含有率が前記範囲内であることが好ましい。
前記自己分散ポリマーにおけるアニオン性の解離性基を有する構成単位の含有量は、酸価が後述する好適な範囲となるような範囲が好ましい。
また、ノニオン性親水性基を有する構成単位の含有量としては、吐出安定性と経時安定性の観点から、好ましくは0〜25質量%であって、より好ましくは0〜20質量%であって、特に好ましいのは0〜15質量%である。
前記自己分散ポリマーがアニオン性の解離性基を有する場合、その酸価(KOHmg/g)は、自己分散性、水溶性成分の含有量、及び水性インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、20以上200以下であることが好ましく、22以上120以下であることがより好ましく、25以上100以下であることが特に更に好ましい。特に好ましいのは、30以上、80以下である。酸価が20以上であることにより、粒子をより安定に分散することができ、酸価が200以下であることにより水溶性成分を少なくすることができる。
本発明における自己分散ポリマーは、分散安定性の観点から、脂環式(メタ)アクリレート、その他共重合可能なモノマー、および親水性基含有モノマーの少なくとも3種を重合して得られるポリマーであることが好ましく、脂環式(メタ)アクリレート、炭素数が1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基含有(メタ)アクリレート、および親水性基含有モノマーの少なくとも3種を重合して得られるポリマーであることがより好ましい。
本発明においては、分散安定性の観点から、炭素数が9以上の直鎖または分岐鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、芳香族基含有マクロモノマー等に由来する疎水性が大きい置換基を有する構成単位の含有量は、実質的に含まないことが好ましく、全く含まない態様であることがより好ましい
本発明における自己分散ポリマーは、各構成単位が不規則的に導入されたランダム共重合体であっても、規則的に導入されたブロック共重合体であっても良く、ブロック共重合体である場合の各構成単位は、如何なる導入順序で合成されたものであっても良く、同一の構成成分を2度以上用いてもよいが、ランダム共重合体であることが汎用性、製造性の点で好ましい。
本発明における自己分散ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、10000〜20万であることがより好ましく、30000〜15万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
また、本発明における自己分散ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、40〜180℃が好ましく、60〜170℃がより好ましく、70〜150℃が特に好ましい。ガラス転移温度が40℃以上であることで、水性インク組成物を用いて印刷した印刷物の引っかき耐性やブロッキング性がより良好になる。また、ガラス転移温度が180℃以下であることで、耐擦性がより良好になる。
本発明の自己分散ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造を共重合比率として20質量%以上90質量%以下と、解離性基含有モノマーに由来する構造と、炭素数1〜8の鎖状アルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構造の少なくとも1種とを含み、酸価が20〜120であって、親水性構造単位の総含有率が25質量%以下であって、重量平均分子量が3000〜20万であるビニルポリマーであることが好ましい。
また、2環式または3環式以上の多環式(メタ)アクリレートに由来する構造を共重合比率として30質量%以上90質量%以下と、炭素数1〜4の鎖状アルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構造を共重合比率として10〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構造を酸価が25〜100の範囲で含み、親水性構造単位の総含有率が25質量%以下であって、重量平均分子量が10000〜20万であるビニルポリマーであることがより好ましい。
さらに、2環式または3環式以上の多環式(メタ)アクリレートに由来する構造を共重合比率として40質量%以上80質量%以下と、少なくともメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートに由来する構造を共重合比率として20〜70質量%含み、アクリル酸又はメタクリル酸に由来する構造を酸価が30〜80の範囲で含み、親水性構造単位の総含有率が25質量%以下であって、重量平均分子量が30000〜15万であるビニルポリマーであることが特に好ましい。
以下に、自己分散ポリマーの具体例として、例示化合物B−01〜B−13を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、括弧内は共重合成分の質量比を表す。
・B−01:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(20/72/8)
・B−02:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/50/14/6)
・B−03:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(40/50/10)
・B−04:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/50/14/6)
・B−05:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸 共重合体(30/54/10/6)
・B−06:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸 共重合体(54/35/5/6)
・B−07:メチルメタクリレート/アダマンチルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)/メタクリル酸 共重合体(30/50/15/5)
・B−08:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(20/50/22/8)
・B−09:エチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(50/45/5)
・B−10:イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(40/50/10)
・B−11:n−ブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/スチレン/アクリル酸 共重合体(30/55/10/5)
・B−12:メチルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(40/52/8)
・B−13:ラウリルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(25/65/10)
本発明における自己分散ポリマーの製造方法としては、特に制限はなく、公知の重合法によりモノマー混合物を共重合させることによって製造することができる。これらの重合法の中では、水性インク組成物としたときの打滴安定性の観点から、有機媒体中で重合することがより好ましく、溶液重合法が特に好ましい。
本発明の自己分散ポリマーの製造方法においては、モノマー混合物と、必要に応じて、有機溶剤及びラジカル重合開始剤とを含んだ混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させて前記水不溶性ポリマーを製造することができる。
本発明における自己分散ポリマー粒子の水性分散物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により自己分散ポリマー粒子の水性分散物とすることができる。自己分散ポリマーを水性分散物として得る工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含む転相乳化法であることが好ましい。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶剤、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を攪拌して分散体を得る工程。
工程(2):前記分散体から、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程。
前記工程(1)は、まず前記水不溶性ポリマーを有機溶剤に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶剤中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤及びエーテル系溶剤が好ましく挙げられる。
アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶剤の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤が好ましい。
また、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散ポリマー粒子を得ることができる。これは、例えば、油系から水系への転相時への極性変化が穏和になるためと考えることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。自己分散ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、本発明の自己分散ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく20〜100モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることが更に好ましい。15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、80モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで自己分散ポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶剤は実質的に除去されており、有機溶剤の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
本発明における自己分散ポリマー粒子の平均粒径は、1〜100nmの範囲であることが好ましく、3〜80nmがより好ましく、5〜60nmがさらに好ましい。特に好ましくは5〜40nmである。1nm以上の平均粒径であることで製造適性が向上する。また、100nm以下の平均粒径とすることで保存安定性が向上する。
また、自己分散ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、水不溶性粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、自己分散ポリマー粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
また本発明の水性インク組成物において、自己分散ポリマー粒子は、実質的に着色剤を含有しない形態で存在することが好ましい。
本発明の自己分散ポリマー粒子は自己分散性に優れており、ポリマー単独で分散させたときの安定性は非常に高いものである。しかし、例えば、顔料を安定に分散させる、所謂分散剤としての機能は高くないため、本発明における自己分散ポリマーが顔料を含有する形態で水性インク組成物中に存在すると、結果として水性インク組成物全体の安定性が大きく低下する場合がある。
本発明の水性インク組成物においては、自己分散ポリマー粒子を、1種単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
また本発明の水性インク組成物における自己分散ポリマー粒子の含有量としては、画像の光沢性などの観点から、水性インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることが特に好ましい。
また、本発明の水性インク組成物における着色粒子と自己分散ポリマー粒子の含有比率(着色粒子/自己分散ポリマー粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
(水溶性溶剤)
本発明の水性インク組成物は、水系媒体を含む。水系媒体は少なくとも水を溶媒として含むが、水と水溶性溶剤とを含むことが好ましい。水溶性溶剤は乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤などの目的で用いられる。
ノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で乾燥防止剤や湿潤剤が用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。
また、水性インク組成物(特に、インクジェット用インク組成物)を紙により良く浸透させる目的で、浸透促進剤として水溶性有機溶剤が好適に使用される。
本発明において用いられる乾燥防止剤や湿潤剤、特に制限は無く、公知の乾燥防止剤や湿潤剤を用いることができる。本発明において水溶性溶剤は、被記録媒体におけるカールの発生を抑制する観点から、SP値27.5以下の水溶性溶剤を、全水溶性溶剤に対し90質量%以上含有し、かつ、下記構造式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することが好ましい。
尚、「SP値27.5以下の水溶性溶剤」と「構造式(1)で表される化合物」とは同一のものであっても、異なるものであってもよい。
本発明でいう水溶性溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができ、本発明においてはこの数値を採用する。
Figure 2010077218
構造式(1)中、l、m、及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数で、かつ、l+m+n=3〜15を表すが、l+m+nが3〜12が好ましく、3〜10がより好ましい。
l+m+nが、3以上であることで良好なカール抑制力を示すことができる。また15以下であることで良好な吐出性が得られる。
上記構造式(1)中、AOは、エチレンオキシ(EO)及び/又はプロピレンオキシ(PO)を表すが、中でも、プロピレンオキシ基が好ましい。また前記(AO)、(AO)、及び(AO)における各AOはそれぞれ同一でも異なってもよい。
以下に、SP値が27.5以下に該当する水溶性溶剤及び上記構造式(1)で表される化合物の例について、SP値(カッコ内)と共に示す。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(SP値22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値21.5)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値21.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値21.3)
ジプロピレングリコール(SP値27.2)
Figure 2010077218
nCO(AO)−H (AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1) (SP値20.1)
nCO(AO)10−H (AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1) (SP値18.8)
HO(A’O)40−H (A’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3) (SP値18.7)
HO(A’’O)55−H (A’’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6) (SP値18.8)
HO(PO)−H (SP値24.7)
HO(PO)−H (SP値21.2)
1,2−ヘキサンジオール (SP値27.4)
本発明において、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基を表す。
上記構造式(1)の化合物の全水溶性溶剤中に占める割合(含有率)は、10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、更に50%以上が好ましい。前記範囲とすることにより、インクの安定性や吐出性を悪化させずにカールを抑制することができ好ましい。
また本発明においては、SP値が27.5以下の水溶性溶剤の全水溶性溶剤に対する比率が90%未満にならない範囲で、他の溶剤を併用しても良い。
併用できる水溶性有機溶剤の例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
乾燥防止剤や湿潤剤の目的としては,多価アルコール類が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透剤の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
本発明に使用される水溶性溶剤は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。
水溶性溶剤の含有量としては、全インク組成物中、安定性および吐出信頼性の確保の点から、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下が特に好ましく使用される。
本発明に使用される水の添加量は特に制限は無いが、水性インク組成物中、安定性および吐出信頼性確保の点から、好ましくは10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
(その他の添加剤)
本発明におけるその他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水性インク組成物を調製後に直接添加してもよく、水性インク組成物の調製時に添加してもよい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらは水性インク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は水性インク組成物の保存安定性を向上させる目的で、該水性インク組成物がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
また、表面張力調整剤の添加量は、インクジェット方式で良好に打滴するために、水性インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。一方、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、20〜60mN/mの範囲が好ましく、30〜50mN/mの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の表面張力は、例えば、プレート法を用いて測定することができる。
界面活性剤の具体的な例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
本発明の水性インク組成物の粘度としては、インクの付与をインクジェット方式で行う場合、打滴安定性と凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
また、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、1〜40mPa・sの範囲が好ましく、5〜20mPa・sの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、前記水性インク組成物の少なくとも1種を含んで構成される。本発明のインクセットは、前記水性インク組成物を用いる記録方法に用いられ、特に後述のインクジェット記録方法に用いるインクセットとして好ましい。
本発明のインクセットはこれらを一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
また、本発明のインクセットは、前記記録液の少なくとも1種に加えて、プリント性を向上させる処理液組成物を含むことができる。
(プリント性を向上させる処理液組成物)
本発明においては、水性インク組成物の付与に先立って、プリント性を向上させる処理液組成物を被記録媒体上に付与することができる。
本発明における処理液は、前記水性インク組成物と接触したときに凝集体を形成できる水性組成物であり、具体的には、インク組成物と混合されたときに、インク組成物中の着色粒子(顔料等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも含み、必要に応じて、他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
(凝集成分)
処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分の少なくとも1種を含有する。例えば、インクジェット法で吐出された前記インク組成物に処理液が混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体が挙げられる。このとき、第1処理液のpH(25℃±1℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜6であることが好ましく、1.2〜5であることがより好ましく、1.5〜4であることが更に好ましい。この場合、吐出工程で用いる前記インク組成物のpH(25±1℃)は、7.5〜9.5(より好ましくは8.0〜9.0)であることが好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が3〜5である場合が好ましい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液は、凝集成分として、酸性化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)を使用することができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明における処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水)を更に含んで構成することができる。
処理液の酸性化合物の含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい
また、高速凝集性を向上させる処理液の好ましい一例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩、及びポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
金属の塩の処理液中における含有量としては、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜45mN/mであることがより好ましく、25〜40mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、本発明の水性インク組成物または前記インクセットを用いて、被記録媒体上に前記水性インク組成物を付与するインク付与工程を含むものである。本発明の水性インク組成物及びインクセットは、一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に使用することができるが、インクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。本発明のインクセット又はインクカートリッジを用いることができるインクジェット記録方法は、インク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明における被記録媒体としては特に制限はなく、例えば、普通紙、上質紙、塗工紙等を挙げることができる。
本発明における好ましいインクジェット記録方法として、前記水性インク組成物にエネルギーを供与して、公知の被記録媒体、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する方法を挙げることができる。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
本発明においては画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善したりする目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638号、特開2002−121440号、特開2002−154201号、特開2002−144696号、特開2002−080759号等の各公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
本発明に好ましい画像形成方式の一例として、以下の工程を含む画像形成方法が挙げられる。
第一の工程:プリント性を向上させる液体組成物を記録媒体に付与する工程。
第二の工程:前記液体組成物が付与された記録媒体に水性インク組成物を付与する工程。
その他の工程:その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥除去工程、加熱定着工程等が挙げられる。
前記乾燥除去工程としては、記録媒体に付与されたインク組成物におけるインク溶媒の少なくとも一部を乾燥除去することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また前記加熱定着工程としては、前記インク組成物中に含まれるラテックス粒子を溶融定着することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明に好ましい画像形成方式のもう一つの例として、以下の工程を含む画像形成方法が挙げられる。
第一の工程:プリント性を向上させる液体組成物を中間転写体に付与する工程。
第二の工程:前記液体組成物が付与された中間転写体にインクセットのインクを付与する工程。
第三の工程:前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転写する工程。
その他の工程:その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記乾燥除去工程、加熱定着工程等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(自己分散ポリマーの調製)
−自己分散ポリマー(B−01)の調製−
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン540.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート108g、イソボルニルメタクリレート388.8g、メタクリル酸43.2g、メチルエチルケトン108g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)2.16gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」1.08g、メチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.54g、メチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は61000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))、酸価は52.1(mgKOH/g)であった。
次に、重合溶液588.2gを秤量し、イソプロパノール165g、1モル/LのNaOH水溶液120.8mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水718gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保って溶媒を留去した。更に、反応容器内を減圧して、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を留去し、固形分濃度26.0%の自己分散ポリマー(B−01)の水性分散物を得た。
なお、下記化合物例(B−01)の各構成単位の数字は質量比を表す。以下、各構造式に関しても同様である。
・B−01:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(20/72/8)
−自己分散ポリマー(B−02)〜(B−13)の調製−
実施例1の(B−01)の合成において、メチルメタクリレート108g、イソボルニルメタクリレート388.8g、メタクリル酸43.2gの代わりに、下記例示化合物の質量比となるように各モノマーの混合比を変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記例示自己分散ポリマー(B−02)〜(B−13)を得た。得られた(B−02)〜(B−13)の物性を表1に示した。なお、いずれも自己分散ポリマーの中和度は、解離性基1モルに対して65モル%となるように、NaOH水溶液(1モル/L)の量を調整した。
・B−02:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/50/14/6)
・B−03:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(40/50/10)
・B−04:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/50/14/6)
・B−05:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸 共重合体(30/54/10/6)
・B−06:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸 共重合体(54/35/5/6)
・B−07:メチルメタクリレート/アダマンチルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)/メタクリル酸 共重合体(30/50/15/5)
・B−08:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(20/50/22/8)
・B−09:エチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(50/45/5)
・B−10:イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(40/50/10)
・B−11:n−ブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/スチレン/アクリル酸 共重合体(30/55/10/5)
・B−12:メチルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(40/52/8)
・B−13:ラウリルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(25/63/12)
−ポリマー分散物BH−01の調製−
特開2001−329199号公報の段落番号[0083]から[0087]記載のポリマーの製造例に従って、比較例化合物を合成した。更に、前記公報の段落番号[0099]から[0100]に記載のポリマー分散物の製造例に従って、比較例化合物(BH−01)を得た。得られた(BH−01)の物性を表1に示した。
・BH−01:スチレン/ラウリルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコール(n=9)メタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレンマクロマー/シリコンマクロマー/アクリル酸 共重合体(28/28/10/15/10/2/7)
−ポリマー分散物BH−02の調製−
特開2006−273892号公報の段落番号[0051]から[0053]に記載のポリマー分散物の製造例に従って、下記例示化合物BH−02(ポリマー分散物BH−02)を得た。得られた(BH−02)の物性を表1に示した。
・BH−02:スチレン/ベンジルメタクリレート/ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=15)/ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9)/スチレンマクロマー/メタクリル酸 共重合体(30/10/20/15/10/15)
尚、BH−01、BH−02の製造において、スチレンマクロモノマーとしてAS-6(東亞合成株式会社製)を用いた。BH−01の製造において、シリコンマクロマーとしては(チッソ(株)製、商品名:FM−0711)を用いた。
表1中、粒径は平均粒径であり、マイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)を用いて常法により測定した値である。なお、pHは下記評価基準に従って評価した結果を記載した。
〜評価基準〜
◎… 8.5未満
○… 8.5以上9未満
△… 9以上9.5未満
×… 9.5以上
また、表1中における分散安定性加速試験は以下のようにして行った。
まず、ポリマー分散液を固形分25%になるように調製した。調製した25%ポリマー分散液を遠沈管につめ、(株)久保田商事製高速大容量冷却遠心機で回転数12000rpm、10℃、60分間遠心し、上澄みを回収した。
次に遠心分離により回収された液体の固形分質量を測定した。測定方法は直径1.5cmのアルミカップに遠心分離により回収された液を500〜600mg計量し、真空乾燥機中で大気圧下120℃30分加熱した後、減圧下(真空度:0.1MPa以下)120℃2時間放置した後、固形分の質量を測定した。遠心後の固形分の値を遠心前の固形分の値で割ることで比を算出し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
◎ … 比が0.95以上
○ … 比が0.9以上0.95未満
△ … 比が0.8以上0.9未満
× … 比が0.8未満
Figure 2010077218

<実施例>
[水性インク組成物の調製]
《シアンインクC−01の調製》
(水不溶性ポリマー分散剤の合成)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、メチルエチルケトン24部の混合溶液を調液した。
一方、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液を調液し、滴下ロートに入れた。
次いで、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12質量部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、水不溶性ポリマー分散剤のメチルエチルケトン溶液を得た。
得られた水不溶性ポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、GPCにて重量平均分子量を測定した。その結果、単離された固形分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000であった。
(シアン顔料分散液の調液)
得られた水不溶性ポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、ピグメントブルー15:3(シアン顔料、大日精化製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L水酸化ナトリウム8.0g、イオン交換水82.0g、0.1mmジルコニアビーズ300gをベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpm6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが十分留去できるまで減圧濃縮した。顔料濃度を10%になるように調整して、水不溶性ポリマー分散剤で表面が被覆された顔料よりなる着色粒子の分散液として、シアン分散液C1を得た。得られたシアン顔料分散液C1の平均粒径は77nmであった。
そして、シアン顔料分散液C1と、自己分散ポリマー粒子の水性分散物としてB−01を用い、水系媒体として、水、サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬(株)製)を用い、下記のインク組成になるようにインクを調液した。調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、水性インク組成物としてシアンインクC−01を調製した。
〈シアンインクC−01のインク組成〉
・シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化製) … 4 %
・水不溶性ポリマー分散剤 … 2 %
・B−01(固形分換算) … 8 %
・サンニックスGP250 … 10 %
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル … 5 %
・オルフィンE1010(日信化学製) … 1 %
・イオン交換水 … 合計が100%となるように添加
上記において平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)にて分散液を測定に適した濃度に適宜希釈し、測定条件は全て同じにした。即ち、粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.51、粒子形状:非球形、密度:1.2g/cm、溶媒:水、セル温度:18〜25℃条件において、体積平均粒径を測定した。また、粘度は、BROOKFIELD社製DV−II+VISCOMETERにて測定した。また、表面張力は、協和界面科学社製CBVP−Zを用いて、白金プレート法で測定した。
《シアンインクC−02〜13、CH−01〜CH−03の調製》
シアンインクC−01の調製において、自己分散ポリマー粒子B−01の代わりに、下記表2に示した自己分散ポリマー粒子をそれぞれ用いた以外はシアンインクC−01と同様の方法で、水性インク組成物のシアンインクC−02〜13、CH−01〜CH−02をそれぞれ調製した。
また、自己分散ポリマー粒子を用いなかった以外はシアンインクC−01と同様の方法で、水性インク組成物のシアンインクCH−03を調製した。
《シアンインクC−14の調製》
シアンインクC−01の調製において、顔料および水不溶性ポリマー分散剤からなる着色粒子としてシアン分散液C1と、自己分散ポリマー粒子としてB−01を用い、水系媒体として、水、グリセリン、ジエチレングリコールを用い、下記のインク組成になるようにインクを調液した。調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、水性インク組成物としてシアンインクC−14を調製した。
〈シアンインクC−1のインク組成〉
・シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化製) … 4 %
・水不溶性ポリマー分散剤 … 2 %
・B−01(固形分換算) … 8 %
・ジエチレングリコール(和光純薬製) … 10 %
・グリセリン … 20 %
・オルフィンE1010(日信化学) … 1 %
・イオン交換水 … 合計が100%となるように添加
《イエローインクCH−04の調製》
疎水性染料としてオリエント化学(株)製 Oil Yellow 129を用い、特開2004−203996号公報の段落番号[0054]から[0062]記載の水系インクの製造例1に従って、疎水性染料と、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造を有する水不溶性ビニルポリマーとからなる着色粒子を調製した。
更に、水系媒体として、水、サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬製)を用い、下記のインク組成になるようにインクを調液した。調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、水性インク組成物としてイエローインクCH−04を調製した。
〈イエローインクCH−04のインク組成〉
・疎水性染料(Oil Yellow 129) … 4 %
・水不溶性ポリマー … 4 %
・サンニックスGP250 … 10 %
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル … 5 %
・オルフィンE1010(日信化学) … 1 %
・イオン交換水 … 合計が100%となるように添加
(処理液の調製)
下記組成となるように各成分を混合することで、処理液を調製した。
−処理液の組成−
マロン酸(和光純薬製) … 15.0%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬製) … 20.0%
N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム(界面活性剤) … 1.0%
イオン交換水 … 64.0%
上記処理液の物性値を測定したところ、粘度2.6mPa・s、表面張力37.3mN/m、pH1.6であった。
なお、表面張力の測定は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で行ない、粘度の測定は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で行なった。また、pHは、25℃にて測定した。
[評価]
上記の如く調製した各シアンインク(以下、単に「インク」ということがある)について、インクの打滴安定性試験、再吐出性試験、画像の定着性試験、ブロッキング耐性試験を行った。結果を表2に示す。
(打滴安定性)
インクを、リコー社製GELJETG717のカートリッジに詰め替え、特菱両面アートN(三菱製紙(株)製)上に、リコー社製GELJETG717プリンターヘッドを用いて、解像度1200×600dpi、インク打滴量12pLになるように打滴した。連続して打滴して5時間後の状態を観察することで、打滴安定性を下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
◎ … 吐出不良がなかった。
○ … 吐出不良がほとんどなく、実用上問題ないレベルであった。
△ … 吐出不良がみられ、実用上の限界レベルであった。
× … 吐出不良が多く、実用上問題になるレベルであった。
(再吐出性)
インクを、リコー社製GELJETG717のカートリッジに詰め替え、特菱両面アートN(三菱製紙(株)製)上に、リコー社製GELJETG717プリンターヘッドを用いて、解像度1200×600dpi、インク打滴量12pLになるように打滴した。
以下の項目及び基準に従って再吐出性を評価した。
〜評価項目〜
(i)画像ムラが見られないものを良好であるとした。
(ii)1分間連続吐出後、30分間アンキャップで放置した後に、再吐出した際の吐出率が90%以上(不吐出率が10%未満)を良好であるとした。
(iii)60分間連続吐出後の吐出率が90%以上(不吐出率が10%未満)を良好であるとした。
〜評価基準〜
◎ … (i)〜(iii)の全てが満たされていた。
○ … (i)、(ii)の2項目が満たされていた。
△ … (i)のみが満たされていた。
× … (i)〜(iii)の全てが満たされなかった。
(定着性)
−耐擦過性−
特菱アート両面N(記録媒体、三菱製紙製)を500mm/秒で稼動するステージ上に固定し、処理液をワイヤーバーコーターで約2.5μmの厚みとなるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、走査方向に対して斜めに配置して固定してあるリコー社製GELJET GX5000プリンターヘッドで解像度1200×600dpi、打滴量3.5pL、ライン方式でシアン色のべた画像を印字した。
印字直後、60℃、3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmで定着を実施して印字サンプルを作製した。
未印字の特菱アート両面N(三菱製紙製)を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ(未印字の特菱アートと評価サンプルが接触する面積は150mm)、上記印字サンプルを3往復擦った(荷重260kg/mに相当)。擦った後の印字面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
○ … 印字面に画像(色材)のはがれが視認できなかった。
△ … 印字面に画像(色材)のはがれがわずかに認められた。
× … 印字面に画像(色材)のはがれが視認でき、実用上問題になるレベルであった。
(ブロッキング)
特菱アート両面N(記録媒体、三菱製紙製)を500mm/秒で稼動するステージ上に固定し、処理液をワイヤーバーコーターで約2.5μmの厚みとなるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、走査方向に対して斜めに配置して固定してあるリコー社製GELJET GX5000プリンターヘッドで解像度1200×600dpi、打滴量3.5pL、ライン方式でシアン色のべた画像を印字した。
印字直後、60℃、3秒間乾燥させ、更に60℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmで定着を実施して印字サンプルを作製した。
印字サンプルを3.5cm×4cmに切り出した。10cm×10cmのアクリル板の上に印字サンプルを載せ、更にサンプルの上に同じサイズに切り出した特菱アート両面N(三菱製紙(株)製)を10枚載せた上に10cm×10cmのアクリル板を載せ、温度50℃湿度60%の条件下で12時間放置し、その後、アクリル板の上に1kgの分銅を載せて24時間放置した(加重700kg/mに相当)。更に25℃50%の環境下で2時間保管した後、印字サンプルから特菱アートを剥がし、下記評価基準に従ってブロッキングを評価した。
〜評価基準〜
◎ … 自然に剥がれた。
○ … 剥がすときに抵抗があったが、サンプルの色移りはなかった。
△ … 色移りが多少あり、実用上の限界レベルであった。
× … 印字部の50%程度が色移りし、実用上問題になるレベルであった。
Figure 2010077218

表2から分かるように、本発明の水性インク組成物は打滴安定性、再吐出性などの吐出性が良好であるのに加え、耐擦過性、ブロッキング耐性も良好であった。
一方、従来公知のポリマー分散物を用いた場合、打滴安定性、再吐出性も本発明の水性インク組成物と比較して劣っており、特にブロッキング耐性が劣っていた。
また、ポリマー分散物を添加しない比較例インクCH−03は、吐出性は比較的良好なものの、耐擦過性、ブロッキング耐性が大きく劣っていた。また、疎水性染料と、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構造を有するビニルポリマーからなる着色粒子を含有する水系インクも、本発明の水性インク組成物と比較して、性能が大きく劣っていた。
以上より、本発明によれば、従来にない打滴安定性、再吐出性と、良好な定着性、ブロッキング耐性を有する水性インク組成物を提供することができることが分かる。

Claims (7)

  1. 水系媒体と、
    顔料および水不溶性ポリマー分散剤を含む着色粒子と、
    親水性の構成単位、および脂環式(メタ)アクリレートに由来する疎水性の構成単位を含む自己分散ポリマー粒子と、
    を含有する水性インク組成物。
  2. 前記自己分散ポリマー粒子は、疎水性の構成単位として、炭素数が1〜8の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、さらに含む請求項1に記載の水性インク組成物。
  3. 前記自己分散ポリマー粒子は、スチレン系モノマーに由来する構成単位の含有率が20質量%以下である請求項1または請求項2に記載の水性インク組成物。
  4. 前記自己分散ポリマー粒子は、親水性の構成単位として、カルボキシル基を有する構成単位を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  5. インクジェット記録用インクである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水性インク組成物の少なくとも1種を含むインクセット。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水性インク組成物、または請求項6に記載のインクセットを用いて、被記録媒体上に、前記水性インク組成物を付与するインク付与工程を含む画像形成方法。
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