JPWO2018110034A1 - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、記録媒体に対向されるノズル面に十分な信頼性、耐久性を維持できる撥液層を形成し、ノズル面への液体の付着を防止し、良好な液滴の吐出を行うことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置を提供することを課題とし、上記課題は、ノズルプレート11に形成されたノズル11aから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドにおいて、ノズル11aの吐出側開口の周囲部に、非単結晶炭素膜からなる第1層60と、フッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層62とを積層させて形成し、撥液層60としたことにより解決される。

Description

本発明は、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、ノズル面に十分な信頼性、耐久性を維持できる撥液層が形成され、ノズル面への液体の付着が防止され、良好な液滴の吐出を行うことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出して、記録媒体上に画像形成を行うインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が提案されている。インクジェットヘッドにおいては、インク滴を吐出したときに、プリンタ内に発生するインクミストや、記録媒体からのインクの跳ね返り等の影響により、ノズル面(ノズルの吐出側開口の周囲)にインクが付着してしまうことがある。ノズル面にインクが付着していると、ノズルからインク滴を吐出するときに、ノズル面に付着したインクの影響を受けて、吐出角度が曲がってしまうことが知られている。
ノズル面へのインクの付着を抑制する手段として、ノズル面に撥液性のコーティングを行って撥液層を形成することが知られている。
撥液層としては、シランカップリングによる脱水縮合反応(〔-OH〕+〔HO−Si−R−F〕→〔HO〕+〔−O−Si−R−F〕)により、フッ素を含んだ有機官能基を結合させて成膜したものが知られている(特許文献1)。また、撥液層としては、フッ素を含んだダイヤモンドライクカーボン(DLC:diamond-like carbon)膜を用いて、耐久性を向上させたものが提案されている(特許文献2、特許文献3)
特開2007−230061号公報 特開2012−091380号公報 特開2015−085616号公報
前述のような撥液層の撥液性は、フッ素ドープ量に依存することが知られている。撥液性は、撥液層の表面のみにおいて発現されればよいので、フッ素は、撥液層の表面近傍のみに含有されていればよい。しかし、従来のインクジェットヘッドにおける撥液層においては、撥液層全体に一様にフッ素が含有されているため、撥液層全体の信頼性、耐久性が十分に維持されない虞があった。
そこで、本発明は、記録媒体に対向されるノズル面に十分な信頼性、耐久性を維持できる撥液層が形成され、ノズル面への液体の付着が防止され、良好な液滴の吐出を行うことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドであって、
前記ノズルの吐出側開口の周囲部には、非単結晶炭素膜からなる第1層と、フッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層とが積層された撥液層が形成されているインクジェットヘッド。
2.
前記非単結晶炭素膜及び前記フッ素含有非単結晶炭素膜の少なくとも何れか一方は、ダイヤモンドライクカーボン膜である前記1記載のインクジェットヘッド。
3.
前記非単結晶炭素膜及び前記フッ素含有非単結晶炭素膜の界面において、Si−O結合を有しない前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.
前記ノズルから吐出する液滴は、アルカリ性インク滴である前記3記載のインクジェットヘッド。
5.
前記ノズルプレートをなす材料は、ステンレスである前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
6.
前記ノズルプレートをなす材料は、ニッケルである前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
7.
前記ノズルプレートをなす材料は、ポリイミド樹脂である前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
8.
少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドを製造する方法であって、
前記ノズルを形成し、
前記ノズルの吐出側開口の周囲部に対し、非単結晶炭素膜からなる第1層を形成し、
前記第1層上にフッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層を積層させて形成して撥液層とし、
前記撥液層の表面をマスクして、前記ノズルの内壁面に対して撥液性を消失させる処理を行うインクジェットヘッドの製造方法。
9.
前記ノズルの入口側開口の周囲部に対しても撥液性を消失させる処理を行う前記8記載のインクジェットヘッドの製造方法。
10.
前記撥液性を消失させる処理は、酸素を含有したプラズマ処理である前記8又は9記載のインクジェットヘッドの製造方法。
11.
少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドを製造する方法であって、
前記ノズルの吐出側開口が形成される箇所の周囲部に対し、非単結晶炭素膜からなる第1層を形成し、
前記第1層上にフッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層を積層させて形成して撥液層とし、
前記ノズルを形成するインクジェットヘッドの製造方法。
12.
前記ノズルは、平板状のノズルプレート素材に対するポンチ加工による穴開けの後に、穴周辺を研磨して形成する前記8、9又は10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
13.
前記ノズルプレートを電鋳加工により形成する前記8、9又は10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
14.
前記ノズルは、平板状のノズルプレート素材に対するレーザ加工により形成する前記8〜11の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
15.
前記ノズルプレートを、ステンレスにより形成する前記8〜12及び14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
16.
前記ノズルプレートを、ニッケルにより形成する前記8〜14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
17.
前記ノズルプレートを、ポリイミド樹脂により形成する前記8〜11及び14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
18.
前記3記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動操作手段とを備え、
前記ノズルから吐出する液滴は、アルカリ性インク滴であり、
前記記録媒体として、布地を用い、
前記インクジェットヘッドと前記布地とを相対移動させて前記布地上に画像形成を行うインクジェット記録装置。
本発明によれば、記録媒体に対向されるノズル面に十分な信頼性、耐久性を維持できる撥液層が形成され、ノズル面への液体の付着が防止され、良好な液滴の吐出を行うことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明に係るインクジェットヘッドを示す斜視図(a)及び底面図(b) 図1に示すインクジェットヘッドの要部を示す分解斜視図 図2に示すヘッドチップ及び配線基板を模式的に示す分解斜視図 図2に示すヘッドチップを模式的に示す平面図 図1に示すインクジェットヘッドのノズルプレートの構成を示す断面図 本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明する図 本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法の他の例を説明する図 図1に示すインクジェットヘッドに備わるマニホールドを示す断面図 本発明に係るインクジェット記録装置の要部の構成を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔インクジェットヘッドの構成〕
図1は、本発明に係るインクジェットヘッド100を示す斜視図(a)及び底面図(b)である。
図2は、インクジェットヘッド100の要部を示す分解斜視図である。
図3は、図2に示すヘッドチップ及び配線基板を模式的に示す分解斜視図である。
本明細書において、インクジェットヘッド100のノズル11a(図3参照)からのインク吐出方向を「下方」とし、複数のノズル11aの並び方向を「チャネル列方向」又は「ノズル列方向」といい、「チャネル列方向」に直交する水平方向を「側方」という。「上方」及び「下方」は、「鉛直方向上側」及び「鉛直方向下側」を意味する。ただし、本発明のインクジェットヘッド100の使用状態は、インク吐出面を鉛直方向下側に向ける状態に限定されず、傾けて使用してもよい。
本実施形態のインクジェットヘッド100は、後述するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)に搭載されるものである。インクジェットヘッド100は、図2及び図3に示すように、ノズル11aが連通した複数のチャネル13を有するヘッドチップ1を有している。ヘッドチップ1のチャネル13には、マニホールド5から、インクが導入される。マニホールド5は、筐体6の内側に収納されている。この筐体6は、ヘッドチップ1の周囲を覆っている。マニホールド5内には、インクを貯留し、各チャネル13へインクを供給する共通インク室が形成されている。筐体6は、底面が開口されており、キャップ受板7が取り付けられることにより底面開口を塞がれている。筐体6には、図1に示すように、カバー部材9が取り付けられている。
マニホールド5には、図2に示すように、インク供給管5a及びインク回収管5bが設けられている。インク供給管5a及びインク回収管5bには、それぞれ接続部7a、7bが取り付けられている。
また、インクジェットヘッド100は、ヘッドチップ1に給電するための配線パターンが形成された配線基板2を有している。配線基板2には、フレキシブル基板3を介して駆動回路基板4が接続されている。配線基板2は、例えばガラス基板である。配線基板2は、ヘッドチップ1のマニホールド5(共通インク室)側及びノズル11a側の何れに配置してもよい。
〔ヘッドチップ及び配線基板〕
ヘッドチップ1及び配線基板2について、図2、図3及び図4を参照して説明する。
図4は、図2に示すヘッドチップ1を模式的に示す平面図である。
ヘッドチップ1は、図3及び図4に示すように、チャネル列方向に長尺な略四角柱状の部材であり、このヘッドチップ1の下面には、インクの吐出口となる複数のノズル11aが開設されたノズルプレート11が配設されている。ノズル11aは、チャネル13を外部(下方)に連通させる透孔である。ノズル11aは、各チャネル13内から外部(下方)に吐出されるインクの流路となる。
ノズルプレート11は、ステンレス、ニッケル又はその他の金属材料、ポリイミド樹脂材料又はその他の有機物材料、あるいは、シリコン材料により形成することが好ましい。価格の点(安価であること)では、ステンレス、ポリイミド樹脂材料が優れており、加工の容易性では、ステンレス、ポリイミド樹脂材料が優れており、加工精度では、シリコン材料が優れており、化学的安定性では、ポリイミド樹脂材料が優れている。
ヘッドチップ1は、2個のアクチュエータ部材1a、1aから構成されている。アクチュエータ部材1aは、電圧の印加によって変位する圧電材料から形成されている。アクチュエータ部材1aは、複数の隔壁部12により形成された複数のチャネル(圧力室)13及び複数のダミーチャネル(擬似圧力室)14を有している。各隔壁部12は、上下及び側方に開放された櫛歯状に形成されている。これら隔壁部12同士の間がチャネル13又はダミーチャネル14となる。このアクチュエータ部材1aの側面に沿って、側壁部材15が配置されている。側壁部材15は、櫛歯状に形成された各隔壁部12の先端面に突き合わされ、各チャネル13及び各ダミーチャネル14を、アクチュエータ部材1aの上面部から下面部に至る透孔としている。
ヘッドチップ1の構成は、前述のものに限定されず、2個のアクチュエータ部材1a、1aの各隔壁部12のなす櫛歯形状を、互いに同一方向に向けて開放されたものとし、一方のアクチュエータ部材1aの櫛歯形状の先端部を他方のアクチュエータ部材1aの平坦な側面部に突き合わせ、他方のアクチュエータ部材1aの櫛歯形状の先端部を側壁部材15の側面部に突き合わせて構成してもよい。さらに、2個のアクチュエータ部材1a、1aの各隔壁部12のなす櫛歯形状を、互いに離反する外側側に向けて開放されたものとし、これらの外側側にそれぞれ側壁部材15を配置することとしてもよい。
さらに、チャネル13及びダミーチャネル14は、櫛歯状の隔壁部12及び側壁部材15により形成されるものではなく、アクチュエータ部材1aに透孔として形成されたものでもよい。
なお、チャネル列の数は、2列に限定されず、アクチュエータ部材1aを3個以上設けて3列以上としてもよい。チャネル列の数を増やすことにより、インクチャネル13間のピッチを狭めることなく、記録媒体上に形成するドット間のピッチを狭めることができる。
各チャネル13は、略矩形状の開口横断面を有し、上下方向を長手方向として形成されている。各チャネル13は、入口(上端)から出口(下端)に亘る長手方向(上下方向)で大きさ及び形状がほぼ変わらないストレートタイプである。
各チャネル13及び各ダミーチャネル14は、互いに平行とされ、一方向(チャネル列方向)に配列されてチャネル列を構成している。各チャネル13は、各チャネル13に対応して配線基板2に開設された開口部22を介して、上端がマニホールド5内(共通インク室)に連通している。各チャネル13は、各開口部22を介して、マニホールド5内からインクが供給されて充填される。各チャネル13の下端は、ノズル11aを介して外方(下方)に連通している。各ダミーチャネル14は、上端を配線基板2により閉蓋され、下端をノズルプレート11により閉蓋されて、密閉された空気室となっている。
各チャネル13の内面には、隔壁部12を駆動させるための図示しない駆動電極が設けられている。駆動電極は、各チャネル13毎に独立した金属被膜であり、ヘッドチップ1の上面に取り付けられた配線基板2の配線パターンに接続されている。隔壁部12は、各チャネル13の両壁部をなしている。隔壁部12は、圧電材料により構成されているので、駆動回路基板4、4からフレキシブル基板3、3、配線基板2の配線パターン及び駆動電極を介して電圧を印加されることによって、せん断変形する。
チャネル13の両壁部をなす隔壁部12がせん断変形することにより、チャネル13の容積変動(膨張又は収縮)が生じる。チャネル13の容積変動(膨張又は収縮)により、チャネル13内のインクに圧力が付与され、このインクがノズル11aを介して吐出される。このヘッドチップ1において、インクの吐出量を調整する場合には、チャネル13の上下方向の長さ(高さ)を調整することにより行う。
なお、ノズルプレート11をシリコン材料により形成する場合において、シリコン材料は硬質材料であるが、チャネル13の付近を薄く作成すれば、隔壁部12の駆動による隣接するチャネル13へのクロストークを防止することができる。
隔壁部12,12は、一つのチャネル13あたり2枚(一対)が設けられており、各チャネル13それぞれの両壁部をなしている。一のチャネル13の壁部を構成する隔壁部12と、隣接するチャネル13の壁部を構成する隔壁部12との間には空隙があり、この空隙がダミーチャネル14である。したがって、各チャネル13は、独立して駆動(膨張又は収縮)することができる。
ダミーチャネル14は、少なくともチャネル13を挟んで両隣に位置し、隣接するチャネル13の容積変動に伴って容積変動を生ずる。本実施形態においては、チャネル13とダミーチャネル14とが1つずつ交互に配列されることにより、ダミーチャネル14が各チャネル13を挟んで両隣に位置する状態になっている。
なお、このインクジェットヘッド100は、ダミーチャネル14を設けずに、隣接するチャネル13,13が1枚の隔壁部12を共用するように構成してもよい。この場合には、各チャネル13が独立して駆動(膨張又は収縮)することはできないので、いわゆる3サイクル駆動を行う。
ヘッドチップ1の上面に配設された配線基板2は、図2及び図3に示すように、チャネル列方向に長尺な略矩形板状に形成されている。配線基板2のチャネル列方向及び側方方向の各幅は、ヘッドチップ1に対してそれぞれ大きく形成されている。配線基板2は、複数の開口部22を有し、これら開口部22を介してチャネル13の上端をマニホールド5内(共通インク室)に連通させている。各開口部22は、各チャネル13に対応して、チャネル列方向に配列されて形成されている。配線基板2の外縁部には、マニホールド5の下端部が接着により取り付け固定されている。
なお、ダミーチャネル14を設けない場合には、配線基板2の開口部22は、全てのチャネル13をマニホールド5側に臨ませるように形成された1個の開口部としてよい。
配線基板2の両側縁部には、駆動回路基板4、4に接続された2枚のフレキシブル基板3、3が接続されている。フレキシブル基板3は、駆動回路基板4と電気的に接続される複数の配線を有し、この配線と配線基板2の配線パターンとがそれぞれ電気的に接続されている。これにより、駆動回路基板4からの信号が、フレキシブル基板3を介して各チャネル13内の駆動電極に印加される。
〔ノズルプレート〕
図5は、図1に示すインクジェットヘッドのノズルプレートの構成を示す断面図である。
図5に示すように、記録媒体Mに対向するノズルプレート11の下面、すなわち、ノズル11aの吐出側開口の周囲部(以下「ノズル面P」という。)には、撥液層である撥インク性コーティング層60が形成されている。撥インク性コーティング層60は、非単結晶炭素膜からなる第1層61と、フッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層62とが積層されて構成されている。第1層61は、フッ素非含有である。第1層61及び第2層62の界面においては、Si−O結合を有しないことが好ましい。
第1層61及び第2層62の少なくとも何れか一方は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:diamond-like carbon)膜であることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボン膜は、ダイヤモンドに近い特性を持つ非結晶(アモルファス)の皮膜である。
第1層61及び第2層62の界面には、シランカップリング剤によるSi−O結合を有しないことが好ましい。この場合には、アルカリ性インク使用下においても撥インク性の劣化が見られず、耐久性が高い。また、第2層62の全体においてSi−O結合を有しないようにすれば、アルカリ性インク使用下における耐久性は、より良好となる。また、第2層62をダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜とすれば、機械的硬度が高く、記録媒体Mにノズル面Pが接触したり、ノズル面Pのメンテナンス(拭き取り)を行った場合にも、撥インク性コーティング層60が剥がれ難く、耐久性が高い。
なお、撥インク性コーティング層60は、耐久性の観点からノズルプレート11の下面全面に形成することが好ましいが、ノズル11aの吐出側開口の周囲部のみに形成してもよい。インクの吐出角度の曲がり等の問題を生じさせるのは、ノズル11aの吐出側開口の周囲部へのインクの付着だからである。
ところで、近年、テキスタイル分野におけるインクジェット記録装置の使用が拡大しており、布地を記録媒体としてインクジェットヘッドにより画像形成を行うことが多くなってきている。インクジェットヘッドによる画像形成においては、旧来の捺染法に比較して、版を作る必要が無いことから少数ロットへの対応が可能であり、インク廃液の量も少ないというメリットがある。
ポリエステル等の合成繊維からなる布地にインクジェットヘッドにより画像形成を行う場合には、分散染料インクや昇華性インクなどの水系インクが用いられる。このような水系インクは、分散剤などの添加剤を含むことにより、液性がアルカリ性となっている。また、インクそのものの液性が中性や弱アルカリ性であっても、発色性改善等のために、液性がアルカリ性である前処理剤を塗布した布地を用いることがある。なお、普通紙用の水性インクにおいても、紙への浸透防止等の目的のため、液性がアルカリ性となっていることは多い。
このようなアルカリ性環境下では、シランカップリングにより密着性を確保している撥液層は、加水分解(〔HO〕+〔−O−Si−R−F〕→〔-OH〕+〔HO−Si−R−F〕)が促進されてしまい、十分な信頼性、耐久性を維持できないという問題がある。起毛処理等のための布地表面のアルカリ性前処理剤が、撥液層の信頼性、耐久性に影響を及ぼすことも多い。
さらに、インクジェットヘッドにおいては、メンテナンスとして、ノズル面を紙、布地又は樹脂ブレードなどで拭き取ることが行われる。このようなメンテナンスをアルカリ性環境下で行うと、撥液層が剥がれ易く、信頼性、耐久性が低くなってしまう。
本発明に係るインクジェットヘッド100は、特に、ノズル11aから吐出する液滴をアルカリ性インク滴としたときに、撥インク性コーティング層60の顕著な効果が得られる。すなわち、本発明における撥インク性コーティング層60において、第1層61及び第2層62の界面においてSi−O結合を有しないようにすれば、アルカリ性インク使用下においても撥インク性の劣化が見られず、耐久性が高いのである。また、第2層62の全体においてSi−O結合を有しないようにすれば、アルカリ性インク使用下における耐久性は、より良好となる。このインクジェットヘッドにおいては、ノズル面Pを紙、布地又は樹脂ブレードなどで拭き取るメンテナンスをアルカリ性環境下で行っても、撥液層60が剥がれることがなく、信頼性、耐久性が高い。
〔ノズルプレート及び撥インク性コーティング層の製造方法〕
このインクジェットヘッド100の製造方法として、ノズルプレート11及び撥インク性コーティング層60の製造方法について説明する。
図6は、本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明する図である。
まず、図6(a)に示すように、平板状のノズルプレート素材11bを、ステンレス、ニッケル又はその他の金属材料、ポリイミド樹脂材料又はその他の有機物材料、あるいは、シリコン材料により形成する。
次に、図6(b)に示すように、ノズルプレート素材に、ノズル11aを形成してノズルプレート11とする。ノズル11aは、ノズルプレート素材に対するレーザ加工により形成することができる。また、ノズル11aは、ノズルプレート素材に対するポンチ加工による穴開けの後に、穴周辺を研磨して形成することができる。ノズル11aをポンチ加工により形成する場合には、ステンレスからなるノズルプレート素材を用いることが好ましい。ノズル11aの形成には、これらの何れの方法を採用してもよい。さらに、ノズル11aを有するノズルプレート11を、電鋳加工により直接形成することもできる。ノズルプレート11を電鋳加工により形成する場合には、材料としてニッケルを用いることが好ましい。
次に、図6(c)に示すように、ノズル面P(ノズル11aの吐出側開口の周囲部)に対し、非単結晶炭素膜からなる第1層61を形成する。
第1層61の形成には、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(熱CVD、光CVD、プラズマCVD)や、PVD(Physical Vapor Deposition)法を好ましく採用することができる。第1層61をダイヤモンドライクカーボン膜とする場合には、プラズマCVD法を採用する。
CVD法は、ガスや液体を気化させてガス化し、熱や光によってエネルギーを与え、又は、高周波でプラズマ化し、原料物質をラジカル化させ基板上に吸着させて堆積させるものである。PVD法は、高真空中で、固体のアルミニウムやチタン等の金属ターゲットに高エネルギーの原子アルゴンやそのイオンを衝突させ、金属原子を飛ばし、その金属原子をワーク表面に層状に付着させるものである。
第1層61をダイヤモンドライクカーボン膜として成膜するには、原料ガスとしてアセチレン(C)などの炭化水素ガスを使い、チャンバー内で原料ガスをプラズマ化し、気相合成した炭化水素をノズルプレート11の表面に蒸着させる。
次に、図6(d)に示すように、第1層61上に、フッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層62を積層させて形成し、撥インク性コーティング層60とする。
第2層62の形成にも、第1層61と同様に、プラズマCVD法や、PVD法を好ましく採用することができる。
第2層62は、フッ素を含有することにより、撥液性を有している。第2層62にフッ素を含有させるには、例えば、成膜時の原料ガスにフッ素を含有するガスを用いるか、又は、成膜後にフッ素を含有するガスを用いて非単結晶炭素膜の表面を処理する等の方法により、非単結晶炭素膜の表面をフッ素で修飾する手法を採用することができる。また、フッ素ガスを用いずに、極安定パーフルオロアルキルラジカルを有効成分とする表面処理剤を用いて、非単結晶炭素膜の表面にフッ素を導入することもできる。
この撥インク性コーティング層60は、前述したように、第2層62がシランカップリング剤によるSi−O結合を有しないものとし、第1層61及び第2層62の界面において、Si−O結合を有しないものとすることが好ましい。また、第1層61及び第2層62の少なくとも何れか一方は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜とすることが好ましい。
次に、撥インク性コーティング層60の表面をマスクして、ノズル11aの内壁面に対して撥液性を消失させる処理を行う。撥液性を消失させる処理としては、酸素を含有したプラズマ処理を採用することが好ましい。このとき、ノズル11aの入口側開口(チャネル13側の開口)の周囲部(ノズル面Pの裏面)に対しても撥液性を消失させる処理を行うことが好ましい。ただし、ノズル11aの入口側開口の周囲部(ノズル面Pの裏面)をマスクして撥インク性コーティング層60を成膜すれば、この部分への撥液性を消失させる処理は不要である。
なお、第1層61と第2層62とは、明確な界面において分離されている必要はなく、撥インク性コーティング層60の厚み方向について、表面に向けてフッ素の含有量が徐々に大きくなるように成膜し、フッ素の含有量が所定値未満の層を第1層61とし、フッ素の含有量が所定値以上の層を第2層62としてもよい。
このような撥インク性コーティング層60は、第1層61の成膜の過程で、途中から原料ガス中のフッ素濃度を徐々に増加させ、フッ素濃度が所定値を超えた時点から連続的に第2層62の成膜過程とすることにより形成することができる。
図7は、本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法の他の例を説明する図である。
また、ノズルプレート11及び撥インク性コーティング層60の製造方法としては、図7に示すように、平板状のノズルプレート素材11bに撥インク性コーティング層60を形成した後に、ノズル11aを形成するようにしてもよい。
すなわち、先ず、図7(a)に示すように、ノズルプレート素材11bのノズル面P(ノズル11aの吐出側開口が形成される箇所の周囲部)に対し、図7(b)に示すように、前述のように第1層61を形成する。次に、図7(c)に示すように、第1層61上に、前述のように第2層62を積層させて形成し、撥インク性コーティング層60とする。次に、図7(d)に示すように、撥インク性コーティング層60が形成されたノズルプレート素材11bに対して、ノズル11aを形成してノズルプレート11とする。
ノズル11aは、前述したように、レーザ加工、ポンチ加工及び研磨、電鋳加工の何れの方法によっても形成することができる。ただし、このように撥インク性コーティング層60の形成後にノズル11aを形成する場合には、ステンレス又はポリイミドからなるノズルプレート素材を用いて、レーザ加工によりノズル11aを形成することが好ましい。
このように、撥インク性コーティング層60を形成した後に、ノズル11aを形成するようにした場合には、ノズル11aの内壁面に対して撥液性を消失させる処理を行うことは不要である。
〔マニホールド〕
図8は、図1に示すインクジェットヘッドに備わるマニホールドを示す断面図である。
次に、マニホールド5について説明する。マニホールド5は、図2及び図8に示すように、合成樹脂材料等によって、下面部に開口部51aを有する横長の箱型に形成されている。このマニホールド5は、開口部51aを、下面部に接着された配線基板2によって塞がれている。マニホールド5の内部空間は、インクジェット記録装置200内のインクタンク201から供給されるインクが貯留される共通インク室51となっている。
共通インク室51には、この共通インク室51内にインクを供給する流路となるインク供給管5aが連設されている。このインク供給管5aは、配線基板2から遠い側(上側)において、共通インク室51に連通されている。このインク供給管5aの上端側には、接続部7aが設けられている。この接続部7aは、インクジェット記録装置200側の接続部206aに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置200側の接続部206aは、インク移送管202に連通している。これにより、インクジェットヘッド100は、インクジェット記録装置200からのインクの移送が可能となる。
また、共通インク室51には、この共通インク室51内からインクを回収する流路となるインク回収管5bが連設されている。このインク回収管5bは、配線基板2から遠い側(上側)において、共通インク室51に連通されている。このインク回収管5bの上端側には、接続部7bが設けられている。この接続部7bは、インクジェット記録装置200側の接続部206bに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置200側の接続部206bは、インク返送管203に連通している。これにより、インクジェットヘッド100は、インクジェット記録装置200へのインクの返送が可能となる。
インク供給管5aとインク回収管5bとは、共通インク室51の長手方向の両端部に離して配置することが好ましい。本実施形態におけるインク供給管5aは、マニホールド5の上面側における図8中の左側の端部に配置され、また、インク回収管5bは、マニホールド5の上面側における図8中の右側の端部に配置されている。これにより、インク供給管5aから共通インク室51に供給されたインクを、インク回収管5bに向けて、共通インク室51内の全体に亘って流すことができる。従って、共通インク室51内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く排除することができる。
〔インクジェット記録装置の構成〕
図9は、本発明に係るインクジェット記録装置の要部の構成を示す斜視図である。
本発明に係るインクジェット記録装置は、図8及び図9に示すように、前述したインクジェットヘッド100と、インクジェットヘッド100の筐体6を支持するヘッド支持部材206と、インクジェットヘッド100を制御する制御手段204とを備えて構成される。
このインクジェット記録装置200は、図示しない移動操作手段によって一定方向(副走査方向)に搬送される記録媒体M上に、インクジェットヘッド100からインクを吐出してドットを形成して画像を記録する。いわゆるワンパス方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド100は固定して配置され、記録媒体Mが搬送される過程で、ノズル11aから記録媒体Mに向けてインクを吐出し画像を記録する。また、いわゆるスキャン方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド1は、ヘッド支持部材(キャリッジ)206に搭載され、このヘッド支持部材206が移動操作手段により主走査方向に往復移動操作される過程で、ノズル11aから記録媒体Mに向けてインクを吐出し画像を記録する。
本発明に係るインクジェット記録装置200は、インクジェットヘッド1の撥インク性コーティング層60を第1層61及び第2層62の界面においてSi−O結合を有しないものとすれば、ノズル11aから吐出する液滴をアルカリ性インク滴とし、記録媒体Mとして布地を用いたときに、撥インク性コーティング層60の効果が奏される。すなわち、布地への画像形成に好適なアルカリ性インク滴を用いるアルカリ性環境下では、シランカップリングにより密着性を確保している撥液層は、加水分解(〔HO〕+〔−O−Si−R−F〕→〔-OH〕+〔HO−Si−R−F〕)が促進され、十分な信頼性、耐久性を維持できないのであるが、撥インク性コーティング層60をSi−O結合を有しないものとすれば、アルカリ性インク使用下においても撥インク性の劣化が見られず、耐久性が高いのである。
図8及び図9では、1つのインクジェットヘッド1のみを示しているが、一般にインクジェット記録装置200には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の各色インク用の複数のインクジェットヘッド1が搭載される。本実施形態に示すインクジェット記録装置200においては、インクを貯蔵するインクタンク201とインクジェットヘッド100の共通インク室51とが、インク移送管202及びインク返送管203によって連通されている。
インク移送管202の途中には、インクジェット記録装置200の制御部104によって駆動制御される流路圧力付与手段となる移送ポンプ205が設けられている。この移送ポンプ205が駆動することにより、インクタンク201内のインクが、インク移送管202を介してインクジェットヘッド100に移送される。また、移送ポンプ205が駆動することにより、インクジェットヘッド100内のインクが、インク返送管203を介してインクタンク201に戻される。このインクジェット記録装置200において、移送ポンプ205は、インクタンク201内のインクのインクジェットヘッド100への移送及び共通インク室51に移送されたインクの回収を行っている。
インクタンク201は、格別限定されないが、タンクの底面に到達しない仕切り板201aによって、インク移送室201bとインク返送室201cとに仕切ることが好ましい。この場合、インク移送室201b内にインク移送管202の一端部を配置し、また、インク返送室201c内にインク返送管203の一端部を配置する。仕切り板201aは、インク返送室201cに返送されてきたインクに含まれる気泡が再度インク移送管202に流入しないように、インクを十分に脱気するために設けられる。気泡自体は浮力が高いので、気泡が仕切り板201aの下側を通過してインク移送室201bに流入することが制限される。このような態様は、インクを循環使用する場合に好ましい態様である。
このインクジェット記録装置200においては、インクジェットヘッド100の各チャネル13内から共通インク排出路161を経てインク排出室53に至る流路が形成されているので、これらの流路抵抗の総和を考慮して、この条件においてノズル11aからのメニスカスブレイクが生じないように、移送ポンプ205が与える圧力等の条件が決定される。また、各個別インク排出路11b、11bの流路抵抗の合計は、ノズル11aからのメニスカスブレイクが生じないように、移送ポンプ205が与える圧力等の条件を勘案して規定される。各個別インク排出路11b、11bは、その流路抵抗の合計が既定値から外れない限りにおいて、適宜に開口面積及び長さを設定することができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。上記各実施形態においては、ヘッドチップ1として、圧電材料からなる隔壁部12とチャネル13とが交互に並設されており、隔壁部12の駆動電極に電圧を印加することにより隔壁部12をせん断変形させてチャネル13内のインクをノズル11aから吐出させるものを例示したが、ヘッドチップ1の構成はこれに限られるものではない。
すなわち、列状又は2次元状に並設され、かつ、並び方向に対する直交方向の上方及び下方に入口及び出口がそれぞれ設けられたチャネル13を有し、チャネル13に対して圧電素子の収縮により圧力を付与して、チャネル13の出口に連通するノズル11aからインクを吐出させる構成のものであれば如何なるヘッドチップであってもよい。
また、上記各実施形態にあっては、インク吐出方向が上下方向と略平行となるように構成されたインクジェットヘッド100を示したが、インク吐出方向は如何なる方向であっても良く、例えば、傾斜方向や水平方向となるように構成してもよい。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。加えて、今回開示された各実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上述のように、本発明によれば、記録媒体に対向されるノズル面に十分な信頼性、耐久性を維持できる撥液層が形成され、ノズル面への液体の付着が防止され、良好な液滴の吐出を行うことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
1:ヘッドチップ
11:ノズルプレート
11a:ノズル
12:隔壁部
13:チャネル
14:ダミーチャネル
15:側壁部材
2:配線基板
2a:排出孔
22:開口部
3:フレキシブル基板
4:駆動回路基板
5:マニホールド
5a:インク供給管
5b:インク回収管
51:共通インク室
51a:開口部
60:撥インク性コーティング層
61:第1層
62:第2層
100:インクジェットヘッド
200:インクジェット記録装置
201:インクタンク
202:インク移送管
203:インク返送管
204:制御部
205:移送ポンプ
206:ヘッド支持部材
P:ノズル面
M:記録媒体

Claims (18)

  1. 少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドであって、
    前記ノズルの吐出側開口の周囲部には、非単結晶炭素膜からなる第1層と、フッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層とが積層された撥液層が形成されているインクジェットヘッド。
  2. 前記非単結晶炭素膜及び前記フッ素含有非単結晶炭素膜の少なくとも何れか一方は、ダイヤモンドライクカーボン膜である請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記非単結晶炭素膜及び前記フッ素含有非単結晶炭素膜の界面において、Si−O結合を有しない請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記ノズルから吐出する液滴は、アルカリ性インク滴である請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記ノズルプレートをなす材料は、ステンレスである請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記ノズルプレートをなす材料は、ニッケルである請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記ノズルプレートをなす材料は、ポリイミド樹脂である請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドを製造する方法であって、
    前記ノズルを形成し、
    前記ノズルの吐出側開口の周囲部に対し、非単結晶炭素膜からなる第1層を形成し、
    前記第1層上にフッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層を積層させて形成して撥液層とし、
    前記撥液層の表面をマスクして、前記ノズルの内壁面に対して撥液性を消失させる処理を行うインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記ノズルの入口側開口の周囲部に対しても撥液性を消失させる処理を行う請求項8記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記撥液性を消失させる処理は、酸素を含有したプラズマ処理である請求項8又は9記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 少なくとも1つのノズルが形成されたノズルプレートを有し、該ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像形成を行うインクジェットヘッドを製造する方法であって、
    前記ノズルの吐出側開口が形成される箇所の周囲部に対し、非単結晶炭素膜からなる第1層を形成し、
    前記第1層上にフッ素含有非単結晶炭素膜からなる第2層を積層させて形成して撥液層とし、
    前記ノズルを形成するインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 前記ノズルは、平板状のノズルプレート素材に対するポンチ加工による穴開けの後に、穴周辺を研磨して形成する請求項8、9又は10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 前記ノズルプレートを電鋳加工により形成する請求項8、9又は10記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 前記ノズルは、平板状のノズルプレート素材に対するレーザ加工により形成する請求項8〜11の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  15. 前記ノズルプレートを、ステンレスにより形成する請求項8〜12及び14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  16. 前記ノズルプレートを、ニッケルにより形成する請求項8〜14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  17. 前記ノズルプレートを、ポリイミド樹脂により形成する請求項8〜11及び14の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  18. 請求項3記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドと前記記録媒体とを相対移動させる移動操作手段とを備え、
    前記ノズルから吐出する液滴は、アルカリ性インク滴であり、
    前記記録媒体として、布地を用い、
    前記インクジェットヘッドと前記布地とを相対移動させて前記布地上に画像形成を行うインクジェット記録装置。
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