JP2014014967A - 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができる液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを備えたインクカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】ノズル基板と、液室基板2と、アクチュエータ200と、アクチュエータ200を保護する保護基板3とを有し、アクチュエータ200を設けた液室基板1に保護基板3を接着剤70で接着する記録ヘッド51において、保護基板3側の接着領域となる保護空間隔壁23の下面に保護基板凸部44を設け、液室基板1の接着領域となる部分に保護基板凸部44との間に隙間を形成した状態で保護基板凸部44が入り込む液室基板凹部19を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】ノズル基板と、液室基板2と、アクチュエータ200と、アクチュエータ200を保護する保護基板3とを有し、アクチュエータ200を設けた液室基板1に保護基板3を接着剤70で接着する記録ヘッド51において、保護基板3側の接着領域となる保護空間隔壁23の下面に保護基板凸部44を設け、液室基板1の接着領域となる部分に保護基板凸部44との間に隙間を形成した状態で保護基板凸部44が入り込む液室基板凹部19を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドを備えたインクカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
この種の液滴吐出ヘッドとしては、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置のうちインクを記録材に付着させて画像を形成する所謂インクジェット方式の画像形成装置(以下、インクジェット記録装置ともいう)のインク吐出ヘッドとして用いられるものが知られている。ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではない。糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
インク吐出ヘッドとしては、インク滴を吐出する複数の吐出孔と、各吐出孔によって外部と連通し、且つ、インク滴となるインクを収容する複数の個別液室と、この個別液室内のインクを加圧する圧力を発生するアクチュエータ等の圧力発生部材とを備えるものが知られている。また、このインク吐出ヘッドは、各個別液室と連通し、インクタンクから各個別液室に供給されるインクが通過する共通液室を備えている。そして、圧力発生部材を駆動することで個別液室内のインクを加圧して吐出孔からインク滴を吐出させる。インク滴を吐出した後の個別液室内には負圧が作用し、共通液室内のインクが供給される。インクジェット記録装置としては、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1〜3に記載のインク吐出ヘッドは、吐出孔が設けられた吐出孔形成基板と、個別液室を形成し、圧力発生部材が設けられた液室形成基板と、圧力発生部材を保護する保護基板とを互いに重ねて接合させた構成である。圧力発生部材は、個別液室の吐出孔とは反対側の壁面を形成する振動板を備え、この振動板を変形させることでインク滴を吐出するために要する圧力を発生させる。また、保護基板は、振動板を挟んで個別液室の反対側で圧力発生部材を覆い、且つ、圧力発生部材の変形を許容する保護空間を形成して圧力発生部材を保護する。そして、特許文献1〜3に記載のインク吐出ヘッドでは、圧力発生部材が設けられた液室形成基板の表面における圧力発生部材が設けられていない部分と保護基板とを接着剤によって接合する構成である。
保護基板と液室形成基板とを接着剤によって接合するときに、一方に接着剤を塗布して互いに押圧すると、それぞれの表面上で、一方の表面が接着剤を挟んで他方の表面と当接する接着領域から接着剤が流れ出すことがある。このとき、液室形成基板における接着領域から流れ出た接着剤が液室形成基板の表面に沿って流れ、圧力発生部材に付着することがある。
上述したように接着領域から接着剤が流れ出し、圧力発生部材に接着剤が付着して固化すると、圧力発生部材の変形を阻害し、所望のインク滴を吐出することができなくなるおそれがある。接着剤が流れ出して圧力発生部材に付着することを抑制するために接着剤の塗布量を少なくすると、接着強度が低下し、インク吐出ヘッド全体の強度低下に繋がる。
特許文献3には、液室形成基板の接着領域と圧力発生部材が設けられた部分との間の液室形成基板の表面に、接着領域を囲むように突起部を設け、接着領域から流れ出た接着剤を突起部で堰き止める構成が記載されている。このような突起部を設けることによって、接着に十分な塗布量を維持しつつ、圧力発生部材に接着剤が付着することを抑制できる。
しかしながら、特許文献3に記載の構成では、液室形成基板表面上の接着領域と圧力発生部材との間に突起部を設けるスペースを確保する必要があり、インク吐出ヘッドの大型化に繋がる。特に、特許文献3のインク吐出ヘッドは、隣接する個別液室を区切る液室隔壁となる部分の全てに液室形成基板側の接着領域を設ける構成であり、全ての液室隔壁に突起部を設けるスペースを確保する必要があるため、より大型化に繋がる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができる液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを備えたインクカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出する複数の吐出孔が設けられた吐出孔形成基板と、液室隔壁によって個別の空間に区切られ、該吐出孔により外部と連通し、該液滴となる吐出液を収容する複数の個別吐出液室が設けられ、該吐出孔形成基板に接合された該液室形成基板と、該個別吐出液室の該吐出孔とは反対側壁面を形成するように該液室形成基板に設けられ、変形することで該個別吐出液室の体積を変化させ、該液滴を吐出するために要する圧力を発生させる圧力発生部材と、該液室形成基板における該吐出孔形成基板が接合された面とは反対側の面の該圧力発生部材が設けられていない部分に接着剤によって接着され、該圧力発生部材を挟んで該個別液室の反対側から該圧力発生部材を覆い、且つ、該圧力発生部材の変形を許容する保護空間を形成して該圧力発生部材を保護する保護基板とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、上記保護基板または上記液室形成基板の一方の接着領域となる部分に凸部を設け、他方の接着領域となる部分に該凸部との間に隙間を形成した状態で該凸部が入り込む凹部を設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、接着強度を維持するために要する量の接着剤を使用しても、凸部が凹部に入り込んだ状態の凸部と凹部との隙間に接着剤を溜めることができる。このため、凸部または凹部が設けられた接着領域から接着剤が流れ出て圧力発生部材に付着することを抑制できる。また、保護基板または液室形成基板の一方の接着領域となる部分に凸部を設け、他方の接着領域となる部分に凸部が入り込む凹部を設けて接着剤が流れることを抑制している。このため、液室形成基板側の圧力発生部材を設けた面における接着領域の外側に、接着領域から圧力発生部材へと接着剤が流れることを抑制するような突起部を設ける必要がない。このため、接着剤が圧力発生部材に付着することを抑制するために、装置が大型化することを抑制できる。さらに、凹部と凸部との表面が接着領域となり、接着領域を広く取ることができるため、接着強度を維持することができる。
本発明によれば、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用可能な画像形成装置の一実施形態として、インクジェットプリンタ(以下、プリンタ100)について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図2は、プリンタ100の斜視図であり、図3は、プリンタ100主走査方向の図2中の手前側から見たときのインクカートリッジ102を含む断面における概略断面図である。
プリンタ100は、キャリッジ101と、記録ヘッド51と、インクカートリッジ102とを含んで構成される印字機構部103を本体内部に有している。キャリッジ101は、プリンタ100本体内部において、用紙Sの搬送方向に対して直交方向である主走査方向(図2中の矢印A方向、図3中の紙面に直交する方向)に移動可能な部材である。記録ヘッド51は、キャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドであり、インクカートリッジ102は記録ヘッド51にタンク部102a内のインクを供給する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図2は、プリンタ100の斜視図であり、図3は、プリンタ100主走査方向の図2中の手前側から見たときのインクカートリッジ102を含む断面における概略断面図である。
プリンタ100は、キャリッジ101と、記録ヘッド51と、インクカートリッジ102とを含んで構成される印字機構部103を本体内部に有している。キャリッジ101は、プリンタ100本体内部において、用紙Sの搬送方向に対して直交方向である主走査方向(図2中の矢印A方向、図3中の紙面に直交する方向)に移動可能な部材である。記録ヘッド51は、キャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドであり、インクカートリッジ102は記録ヘッド51にタンク部102a内のインクを供給する。
図3に示すように、プリンタ100は、印字機構部103の下方に給紙機構部104を有している。プリンタ100は、詳細は後述するが、給紙機構部104の給紙トレイ230または手差しトレイ105から給送される用紙Sを取り込み、印字機構部103によって所定の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
記録ヘッド51は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色のインクを吐出するインク吐出ヘッドであり、複数のインク吐出孔(後述する「ノズル孔20」)を、主走査方向に対して直交する副走査方向(図中の矢印B方向)に配列している。また、記録ヘッド51は、インクの吐出方向が下方となるようにキャリッジ101に装着されている。
印字機構部103のキャリッジ101には、記録ヘッド51に供給するためのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(B)の各色のインクを収容した四つのインクカートリッジ102がそれぞれ交換可能に装着されている。
印字機構部103のキャリッジ101には、記録ヘッド51に供給するためのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(B)の各色のインクを収容した四つのインクカートリッジ102がそれぞれ交換可能に装着されている。
図4は、四つのインクカートリッジ102のうちの一つの概略構成図である。四つのインクカートリッジ102は、収容するインクの色が異なる以外は同様の構成である。
キャリッジ101に搭載するインクカートリッジ102としては、図4に示すように、ノズル孔を有する記録ヘッド51と、インクを収容して記録ヘッド51にインクを供給するタンク部102aとを備えたヘッド一体型インクカートリッジとしても良い。なお、図2または図3では下方に向いて設置される記録ヘッド51を、図4では説明の都合上、上方に描いている。また、後述する四色のインクを1つのヘッドから吐出が可能な四色一体型ヘッドを用いる構成では、インクカートリッジ102は記録ヘッド51を備えない構成となる。この場合、インクカートリッジ102を交換することで、記録ヘッド51とは独立してタンク部102aを交換する構成となる。
キャリッジ101に搭載するインクカートリッジ102としては、図4に示すように、ノズル孔を有する記録ヘッド51と、インクを収容して記録ヘッド51にインクを供給するタンク部102aとを備えたヘッド一体型インクカートリッジとしても良い。なお、図2または図3では下方に向いて設置される記録ヘッド51を、図4では説明の都合上、上方に描いている。また、後述する四色のインクを1つのヘッドから吐出が可能な四色一体型ヘッドを用いる構成では、インクカートリッジ102は記録ヘッド51を備えない構成となる。この場合、インクカートリッジ102を交換することで、記録ヘッド51とは独立してタンク部102aを交換する構成となる。
インクカートリッジ102のタンク部102aの上方(図3中の上方)には、大気と連通する不図示の大気口が備えられている。また、タンク部102aの下方には、タンク部102a内のインクを記録ヘッド51に向けて排出するインク排出口102bが設けられている。さらに、タンク部102aの内部には、インクが充填された不図示の多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド51へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
プリンタ100では、記録ヘッド51とタンク部102aとが一体となったインクカートリッジ102について説明したが、タンク部102aと記録ヘッド51とを別体としても良い。また、記録ヘッド51としては、プリンタ100では、各色に対応した複数のヘッド部を用いる構成となっているが、各色のインクを吐出するノズル孔を有する一個のヘッド部でもよい。
プリンタ100では、記録ヘッド51とタンク部102aとが一体となったインクカートリッジ102について説明したが、タンク部102aと記録ヘッド51とを別体としても良い。また、記録ヘッド51としては、プリンタ100では、各色に対応した複数のヘッド部を用いる構成となっているが、各色のインクを吐出するノズル孔を有する一個のヘッド部でもよい。
印字機構部103はキャリッジ101を保持する保持手段として、プリンタ100本体の主走査方向の両側面板(100a及び100b)に横架したガイド部材として、主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とを有する。主ガイドロッド107は、キャリッジ101の後方側(用紙搬送方向下流側、図3中の右側)を貫通する。また、従ガイドロッド108は、主ガイドロッド107と一定間隔をおいて平行に延在し、キャリッジ101の前方側(用紙搬送方向上流側、図3中の左側)が載置される。キャリッジ101は、主ガイドロッド107及び従ガイドロッド108によって主走査方向に移動可能なように摺動自在に保持されている。
また、印字機構部103は、キャリッジ101を主走査方向に移動走査するための移動手段として、タイミングベルト112を有する。さらに、印字機構部103は、タイミングベルト112を張架する駆動プーリ110及び従動プーリ111と、駆動プーリ110を回転駆動する主走査モータ109とを有している。図2に示すように、駆動プーリ110はプリンタ100本体の一方の側面板(100b)側に配置し、従動プーリ111は、本体の他方の側面板(100a)側に配置して、タイミングベルト112が主走査方向に平行に延在するようにしている。また、タイミングベルト112にはキャリッジ101が固定されている。
主走査モータ109は、駆動プーリ110を正逆回転させる駆動源であり、駆動プーリ110が回転すると、タイミングベルト112が主走査方向に沿って無端移動する。キャリッジ101は、タイミングベルト112に固定されているため、タイミングベルト112とともに主走査方向に移動する。このため、主走査モータ109によって駆動プーリ110を正逆回転させることで、キャリッジ101が主走査方向に往復移動される。
給紙機構部104は、用紙Sを積載した給紙トレイ230と、給紙ローラ113と、フリクションパッド114と、ガイド部材115と、搬送ローラ116とを備える。給紙トレイ230は、図3中の右側から複数枚の用紙Sの束を積載可能となっており、プリンタ100本体に対して着脱可能に装着されている。
給紙ローラ113及びフリクションパッド114は、用紙Sを、記録ヘッド51の下方に搬送するために、給紙トレイ230内にセットした用紙Sの束の最上段の一枚を分離給紙する。ガイド部材115は、給紙トレイ230から分離給紙された用紙Sを搬送ローラ116によって搬送される領域に案内する。
給紙ローラ113及びフリクションパッド114は、用紙Sを、記録ヘッド51の下方に搬送するために、給紙トレイ230内にセットした用紙Sの束の最上段の一枚を分離給紙する。ガイド部材115は、給紙トレイ230から分離給紙された用紙Sを搬送ローラ116によって搬送される領域に案内する。
搬送ローラ116は、給紙ローラ113によって給紙され、ガイド部材115によって案内された用紙Sを、反転させて記録ヘッド51の下面と対向する位置に搬送する。また、搬送ローラ116の周囲には、搬送コロ117及び先端コロ118が配置されている。搬送コロ117は用紙Sを搬送ローラ116に押し付けて、用紙Sが搬送ローラ116から分離することを防止している。先端コロ118は、記録ヘッド51の下面と対向する位置に所定の送り出し角度で用紙Sを送り出す。搬送ローラ116は、副走査モータ130によって不図示のギヤ列を介して回転駆動が伝達され、図3中の時計周り方向に回転する。
記録ヘッド51の下面と対向する位置には、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された用紙Sを記録ヘッド51の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材119が設けられている。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、用紙Sを排紙方向に送り出すための印写後搬送ローラ120と、印写後搬送ローラ120に対向する印写後搬送拍車121とが配置されている。さらに、印写後搬送ローラ120によって送り出された用紙Sを排紙トレイ106に排紙する排紙ローラ123と排紙ローラ123に対向する排紙拍車124とを備えている。また、印写後搬送ローラ120と排紙ローラ123との間には、排紙経路を形成する一対のガイド部材として下ガイド部材125及び上ガイド部材126が配設されている。
また、プリンタ100には、手差しで用紙Sを給紙するための手差しトレイ105が設けられている。この手差しトレイ105は、トレイ開閉軸105bを中心にプリンタ100本体に対して開倒可能に取り付けられている。この手差しトレイ105上に載置された用紙Sは、手差し給紙ローラ105aによって搬送ローラ116に搬送される。
印字機構部103における主走査方向のキャリッジ101の移動範囲の一端である、図2中の右手前側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド51の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127は、後述するキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段とを有している。印字待機中には、キャリッジ101をこの回復装置127側に移動し、不図示のキャッピング手段で記録ヘッド51をキャッピングする。これにより、記録ヘッド51のノズル孔を湿潤状態に保つことができ、インク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに回復装置127と対向する位置にキャリッジ101を移動し、記録とは関係しないインクを吐出することにより、全てのノズル孔のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド51下面のノズル孔を密封し、キャッピング手段に設けられた不図示のチューブを通して、吸引手段でノズル孔からインクとともに気泡等を吸い出す。さらに、ノズル孔が開口しているヘッド面(下面)に付着したインクやゴミ等は不図示のヘッド面クリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、プリンタ100本体下部に設置された不図示の廃インクタンクに排出され、廃インクタンク内部のインク吸収体に吸収保持される。
次に、プリンタ100のプリント動作について説明する。
プリンタ100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から画像情報などの信号が送られ、プリント動作を実行する。プリント動作が実行されると、給紙トレイ230から給紙ローラ113によって、または、手差しトレイ105から手差し給紙ローラ105aによって、用紙Sが給紙される。給紙トレイ230から給紙された用紙Sは、ガイド部材115や搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されつつ反転し、記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。一方、手差しトレイ105から供給された用紙Sは、搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されて記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。
プリンタ100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から画像情報などの信号が送られ、プリント動作を実行する。プリント動作が実行されると、給紙トレイ230から給紙ローラ113によって、または、手差しトレイ105から手差し給紙ローラ105aによって、用紙Sが給紙される。給紙トレイ230から給紙された用紙Sは、ガイド部材115や搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されつつ反転し、記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。一方、手差しトレイ105から供給された用紙Sは、搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されて記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。
記録ヘッド51に対向する位置に搬送された用紙Sが所定位置に達したら、搬送ローラ116の回転を停止して用紙Sの移動を停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら、停止した用紙Sの所定箇所に所定のインクを吐出して一行分の画像を用紙Sに形成する。ここで、一行とは、記録ヘッド51が用紙Sへ記録可能な副走査方向(記録ヘッド51に対向する位置での用紙Sの移動方向)の範囲を言う。
主走査方向に一行分の画像形成が終了したら、搬送ローラ116を所定時間回転させ、用紙Sを一行分、排紙トレイ106方向に移動させて停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら次の一行分の画像を形成する。
主走査方向に一行分の画像形成が終了したら、搬送ローラ116を所定時間回転させ、用紙Sを一行分、排紙トレイ106方向に移動させて停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら次の一行分の画像を形成する。
このような工程を所定回数繰り返して行い、用紙Sに所望の画像をプリントする。外部装置から記録終了信号を受信して所望の画像がプリントされた場合、または、用紙Sの後端が記録領域に到達した信号を受信した場合には、用紙Sは、排紙トレイ106に排出される。このとき、用紙Sは、印写後搬送ローラ120及び印写後搬送拍車121と排紙ローラ123及び排紙拍車124とによって搬送され、排出される。画像形成が終了すると、キャリッジ101を図2中右手前側の回復装置127と対向する位置に移動して、図示しないキャッピング手段で記録ヘッド51のノズル孔をキャッピングする。
次に、図5〜9を参照しつつ記録ヘッド51について説明する。
図5は、個別液室14の長手方向についての記録ヘッド51の断面説明図である。そして、図5は、ノズル基板2、液室基板1及び保護基板3の三枚の基板を重ねた主要部分に対して、共通液室基板280、ダンパーフィルム300及びダンパー室形成部材302の順に接合した状態の説明図である。
図6は、記録ヘッド51の主要部分の図5の断面に対して直交する個別液室14の短手方向の断面説明図である。
図5及び図6では、断面となる部分のうち、ノズル基板2、流路形成部4及び振動板層55の断面となる部分に斜線を施しており、他の部材においては断面となる部分であっても斜線の記入は省略している。
図5は、個別液室14の長手方向についての記録ヘッド51の断面説明図である。そして、図5は、ノズル基板2、液室基板1及び保護基板3の三枚の基板を重ねた主要部分に対して、共通液室基板280、ダンパーフィルム300及びダンパー室形成部材302の順に接合した状態の説明図である。
図6は、記録ヘッド51の主要部分の図5の断面に対して直交する個別液室14の短手方向の断面説明図である。
図5及び図6では、断面となる部分のうち、ノズル基板2、流路形成部4及び振動板層55の断面となる部分に斜線を施しており、他の部材においては断面となる部分であっても斜線の記入は省略している。
図7は、記録ヘッド51の上部層(保護基板3、共通液室基板280、ダンパーフィルム300及びダンパー室形成部材302)の斜視図であり、手前側が断面図となっている。図7に示すように、記録ヘッド51は、インクの流路の系統が四つに分かれており、四色のインク(Y,M,C,K)を1つのヘッドから吐出が可能な四色一体型ヘッドである。
図8は、図5に示す記録ヘッド51の主要部分の一部分の分解斜視図である。図5〜図7ではインク吐出孔(「ノズル孔20」)が下方に向いて設置される記録ヘッド51を、図8では説明の都合上、上方に描いている。
記録ヘッド51は、アクチュエータ200を用いたものであり、インク滴を基板の面部(ヘッド面)に設けたノズル孔から吐出させるサイドシューター方式のものである。
図8は、図5に示す記録ヘッド51の主要部分の一部分の分解斜視図である。図5〜図7ではインク吐出孔(「ノズル孔20」)が下方に向いて設置される記録ヘッド51を、図8では説明の都合上、上方に描いている。
記録ヘッド51は、アクチュエータ200を用いたものであり、インク滴を基板の面部(ヘッド面)に設けたノズル孔から吐出させるサイドシューター方式のものである。
図8に示すように、記録ヘッド51の主要部は、三枚の基板重ねて形成されている。図8(a)はノズル基板2の説明図、図8(b)は液室基板1の説明図、図8(c)は保護基板3の説明図である。
図8(a)に示すノズル基板2は、インクを吐出するノズル孔20を有する。図8(b)に示す液室基板1は、個別液室14、振動板層55、流体抵抗部15、個別インク供給室24及び圧電素子56等を備える。図8(c)に示す保護基板3は、圧電素子保護空間22や共通液室18を形成する
図8(a)に示すノズル基板2は、インクを吐出するノズル孔20を有する。図8(b)に示す液室基板1は、個別液室14、振動板層55、流体抵抗部15、個別インク供給室24及び圧電素子56等を備える。図8(c)に示す保護基板3は、圧電素子保護空間22や共通液室18を形成する
このように、記録ヘッド51は、ノズル基板2、液室基板1及び保護基板3の三枚の基板を重ねた積層構造となっている。また、図8(b)及び図8(c)は、一部断面図で示してある。なお、図8では、一つの共通液室18と連通する個別液室14が六個のものを示しているが、これは便宜的に示したものである。そして、プリンタ100が備える記録ヘッド51は、一つの共通液室18に対してより多くの個別液室14が連通する構成となっている。
図5は、図8中のX−X’断面に対応する断面説明図であり、図6は、図8に示したY−Y’断面に対応する断面説明図である。
また、図9は、保護基板3を接着する前の液室基板1の平面図(上面図)である。
また、図9は、保護基板3を接着する前の液室基板1の平面図(上面図)である。
図5及び図7に示すようように、記録ヘッド51では、保護基板3の上部に共通液室基板280を接合し、共通液室18を形成している。ダンパー材であるダンパーフィルム300は樹脂フィルムを用いている。また、ダンパー室形成部材302は、ダンパーフィルム300の上方にダンパー室301となる空間を形成する。共通液室18の上方はダンパーフィルム300によって塞がれている。このダンパーフィルム300は、共通液室18における圧力緩和の機能(ダンパー)を果たすフィルムである。
また、ダンパーフィルム300の上部に設けられたダンパー室形成部材302は、共通液室18と対向する位置が開口部となって、ダンパー室301を形成する。このダンパー室形成部材302はダンパーフィルム300の撓みを補強し、ダンパーフィルム300の共通液室18と対向する部分の上下方向への可動域を確保している。
また、ダンパーフィルム300及びダンパー室形成部材302には、インクカートリッジ102から共通液室18に供給されるインクが通過する共通供給口303が形成されている。
また、ダンパーフィルム300及びダンパー室形成部材302には、インクカートリッジ102から共通液室18に供給されるインクが通過する共通供給口303が形成されている。
記録ヘッド51は、振動板層55を上部に積層した液室基板1の下面にノズル基板2を接合し、液室基板1の上部に保護基板3、共通液室基板280を積層した積層構造に、インク流路を形成することで構成されている。
ノズル孔20から吐出されるインクは、タンク部102aから共通供給口303を通って共通液室18に流入する。共通液室18内のインクは、保護基板3に設けられた個別供給口60を通過し、それぞれの個別インク供給室24及び流体抵抗部15を経由してそれぞれの個別液室14内に供給される。
ノズル孔20から吐出されるインクは、タンク部102aから共通供給口303を通って共通液室18に流入する。共通液室18内のインクは、保護基板3に設けられた個別供給口60を通過し、それぞれの個別インク供給室24及び流体抵抗部15を経由してそれぞれの個別液室14内に供給される。
個別液室14内がインクにより満たされた状態で、圧電素子56(共通電極である下部電極151と、圧電体152と、個別電極である上部電極153とからなる。)を駆動させると、ノズル孔20よりインク滴を吐出する。詳しくは、圧電素子56の上部電極153と下部電極151との間に所定の駆動波形の電位を印加する。これにより、圧電体152が縮み、振動板層55における下部電極151を挟んで圧電体152と密着している部分である振動板55aの全体が個別液室14側に凸形状に変形する。これの変形より、個別液室14の体積が減少し個別液室14内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔20よりインク滴を用紙Sに向けて吐出する。上部電極153と下部電極151との間にパルス電圧を連続的に繰り返して印加することによって、インク滴を連続的に吐出することが出来る。
上部電極153が個別電極配線154bに接続され、下部電極151が共通電極配線154aに接続され、個別電極配線154b及び共通電極配線154aが駆動IC80に接続されることで、圧電素子56が駆動IC80に接続された状態となっている。また、駆動IC80は、図示しない駆動電圧制御部から供給された電圧を、印字パターンをもとに圧電素子56に選択的に供給して、圧電素子56を制御するものである。以下、各部の構成例について説明する。
〔ノズル基板〕
ノズル基板2は、インク吐出用のノズル孔20が複数列(例えば、四列)配列されている基板である。ノズル基板2の材料は、所望の剛性や加工性に応じて種々選択可能である。例えば、SUS、ニッケル等の金属または合金や、シリコン、セラミックス等の無機材料、ポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
ノズル基板2の加工方法は、ノズル基板2の材料特性や要求される精度・加工性から最適な方法を選択すればよく、例えば、電鋳めっき法、エッチング法、プレス加工法、レーザ加工法、フォトリソグラフィ法等によればよい。また、ノズル孔20の開口径、ノズル配列数、配列密度等についても、記録ヘッド51に要求される仕様に合わせて所望の組み合わせを設定することができる。
ノズル基板2は、インク吐出用のノズル孔20が複数列(例えば、四列)配列されている基板である。ノズル基板2の材料は、所望の剛性や加工性に応じて種々選択可能である。例えば、SUS、ニッケル等の金属または合金や、シリコン、セラミックス等の無機材料、ポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
ノズル基板2の加工方法は、ノズル基板2の材料特性や要求される精度・加工性から最適な方法を選択すればよく、例えば、電鋳めっき法、エッチング法、プレス加工法、レーザ加工法、フォトリソグラフィ法等によればよい。また、ノズル孔20の開口径、ノズル配列数、配列密度等についても、記録ヘッド51に要求される仕様に合わせて所望の組み合わせを設定することができる。
〔液室基板〕
液室基板1の流路形成部4には、個別液室14、個別インク供給室24及び個別インク供給室24から個別液室14に向かうインクが通過する流体抵抗部15が形成される。個別液室14はノズル基板2と接合する面に配置される。また、一方、液室基板1の保護基板3と接着する側の面には、圧電素子56、個別電極配線154b、個別電極パッド158、共通電極配線154a、共通電極パッド157等が配置される。また、個別電極配線154bおよび共通電極配線154aを覆うように第一絶縁膜155が配置され、圧電素子56の全面もしくは一部を覆うように第二絶縁膜156が配置されている。
液室基板1の流路形成部4には、個別液室14、個別インク供給室24及び個別インク供給室24から個別液室14に向かうインクが通過する流体抵抗部15が形成される。個別液室14はノズル基板2と接合する面に配置される。また、一方、液室基板1の保護基板3と接着する側の面には、圧電素子56、個別電極配線154b、個別電極パッド158、共通電極配線154a、共通電極パッド157等が配置される。また、個別電極配線154bおよび共通電極配線154aを覆うように第一絶縁膜155が配置され、圧電素子56の全面もしくは一部を覆うように第二絶縁膜156が配置されている。
液室基板1の流路形成部4の材料は、所望の加工性・物性から種々選択可能であるが、例えば、300[dpi](約85[μm]ピッチ)以上ではフォトリソグラフィ法を用いることができるシリコン基板を用いることが好ましい。
個別液室14の加工は、例えば、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等を用いることができる。このとき、振動板層55の個別液室14側を二酸化シリコン膜等として、エッチストップ層とすることにより、個別液室14の高さを高精度に形成することができる。
個別液室14の加工は、例えば、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等を用いることができる。このとき、振動板層55の個別液室14側を二酸化シリコン膜等として、エッチストップ層とすることにより、個別液室14の高さを高精度に形成することができる。
個別液室14は、ノズル孔20に対応する位置に設けられており、その内部のインクに圧力を加え、ノズル孔20からインク滴を吐出させるものである。個別液室14の上部には振動板55aが形成され、振動板55a上には下部電極151、圧電体152、上部電極153が積層された圧電素子56が形成される。このように振動板層55の上に圧電素子56を形成することで、アクチュエータ200を構成している。
振動板層55としては、例えば、シリコンや窒化物、酸化物、炭化物等の剛性の高い材料を用いることが好ましい。また、これらの材料の積層構造としても良い。積層膜とする場合は、それぞれの材料の内部応力を考慮し、残留応力が少ない構成とすることが好ましい。例えば、Si3N4(窒化ケイ素)とSiO2(二酸化ケイ素)の積層の場合は、引っ張り応力となるSi3N4と圧縮応力となるSiO2を交互に積層し、応力を緩和することができる。
また、振動板層55の厚さは、所望の特性に応じて選択可能であるが、例えば、0.5[μm]〜10[μm]の範囲が好ましく、さらに好ましくは1.0[μm]〜5.0[μm]の範囲である。振動板層55が薄すぎる場合はクラック等により振動板55aが破損しやすくなり、厚すぎる場合は振動板55aの変位量が小さくなって吐出効率が低下するため、上記範囲であることが好ましい。また、振動板層55が薄すぎる場合は、振動板55aの固有振動数が低下し、駆動周波数が高められないことに繋がる。
下部電極151および上部電極153としては、各種の導電性材料を用いることができる。例えば、金属、合金、導電性化合物等である。また、単層膜でも積層膜でも良い。なお、何れの電極も圧電体152と反応したり、拡散したりしない材料とする必要がある。また、圧電体152、振動板55aとの密着性を考慮し、密着層を形成することも好ましい。下部電極151及び上部電極153の材料の例としては、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Ir酸化物、Pd(パラジウム)、Pd酸化物等が安定性の高い材料として挙げられる。また、振動板層55との密着層としては、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Cr(クロム)等を用いることができる。
圧電体152としては、圧電性を示す強誘電体材料を用いることができる。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムを用いることができる。圧電体152の成膜方法は、特に限られるものではないが、例えば、スパッタリング法、ゾルゲル法等によることができる。なお、成膜温度の低さからゾルゲル法が好ましい。
また、上部電極153および圧電体152は、個別液室14ごとにパターニングされる。パターニングは、通常のフォトリソグラフィ法を用いることができる。圧電体152の成膜をゾルゲル法にて行う場合は、スピンコーティング法や印刷法を用いることとしても良い。
また、上部電極153および圧電体152は、個別液室14ごとにパターニングされる。パターニングは、通常のフォトリソグラフィ法を用いることができる。圧電体152の成膜をゾルゲル法にて行う場合は、スピンコーティング法や印刷法を用いることとしても良い。
圧電体152と下部電極151及び上部電極153とから構成される圧電素子56は、個別液室14の上部相当位置に形成されることが好ましい。個別液室14を区画する流路隔壁4a上に形成した場合は、振動板55aの変形を阻害してしまうため、吐出効率の低下や応力集中による圧電素子56の破損等の原因となりうる。
また、液室基板1には、個別液室14に連通する流体抵抗部15が形成される。流体抵抗部15は共通液室18から個別液室14にインクを供給する機能を有するとともに、圧電素子56を駆動することで個別液室14内に発生する圧力によって、インクが逆流することを防止する機能を有する。この機能によって、個別液室14内に発生した圧力によってノズル孔20からインク滴を吐出することができる。
このため、流体抵抗部15はインクの移動方向に直交する断面積を個別液室14よりも十分に小さくして、流体抵抗を高くする必要がある。液室基板1にシリコン基板を用い、個別液室14と流体抵抗部15とをフォトリソグラフィ法(エッチング含む)を用いて形成することは、個別液室14と同一の条件で加工することができるため好ましい。
このため、流体抵抗部15はインクの移動方向に直交する断面積を個別液室14よりも十分に小さくして、流体抵抗を高くする必要がある。液室基板1にシリコン基板を用い、個別液室14と流体抵抗部15とをフォトリソグラフィ法(エッチング含む)を用いて形成することは、個別液室14と同一の条件で加工することができるため好ましい。
なお、流体抵抗部15の高さを個別液室14より低くすることで、流体抵抗を高めるためには、個別液室14のオーバーエッチング量を時間管理で制御する必要がある。そして、時間管理で制御しようとしてもエッチングレートのばらつきにより、エッチング量にバラツキ生じるため、個別液室14や流体抵抗部15のそれぞれ高さを均一にすることが出来ない。その結果、吐出均一性が悪化する。流体抵抗部15は、個別インク供給室24及び個別供給口60を通じて共通液室18に連通している。個別供給口60が形成されている部分では、振動板層55や保護基板3等が開口している。
個別液室14は、図5に示す断面図における手前方向から奥方向(図中矢印B方向)に、流路隔壁4aを介して配列されている(図6及び図8参照)。個別液室14は流路隔壁4aによって区切られており、各個別液室14に対応する圧電素子56が形成されている。
個別液室14の高さは記録ヘッド51の特性に応じて任意に選択可能であるが、例えば、20[μm]〜100[μm]の範囲とすることが好ましい。また、流路隔壁4aは、配列密度に合わせて任意に設定することが可能であるが、隔壁幅(図中矢印B方向の幅)は、例えば、10[μm]〜30[μm]とすることが好ましい。隔壁幅が狭い場合、ある個別液室14の圧電素子56を駆動したときに隣接する個別液室14に相互干渉が発生し、吐出ばらつきが大きくなるおそれがある。このため、隔壁幅を狭くすることが必要な場合は、液室高さを低くすることが好ましい。
〔電極配線〕
記録ヘッド51は、配列した圧電素子56に駆動信号を入力するために、上部電極153から個別電極を引き出し、下部電極151から共通電極を引き出す構成となっている。個別電極は、配列する上部電極153から個別電極配線154bを介して個別電極パッド158まで引き出される。下部電極151は個別電極パッド158とは圧電素子56を挟んで反対側となる流体抵抗部15の上方まで延伸されている。そして、この下部電極151と導通する共通電極配線154aを介して共通電極パッド157まで引き出される。
記録ヘッド51は、配列した圧電素子56に駆動信号を入力するために、上部電極153から個別電極を引き出し、下部電極151から共通電極を引き出す構成となっている。個別電極は、配列する上部電極153から個別電極配線154bを介して個別電極パッド158まで引き出される。下部電極151は個別電極パッド158とは圧電素子56を挟んで反対側となる流体抵抗部15の上方まで延伸されている。そして、この下部電極151と導通する共通電極配線154aを介して共通電極パッド157まで引き出される。
なお、下部電極151と共通電極配線154aとの間には、第一絶縁膜155が形成されており、第一絶縁膜155に開けられた共通電極コンタクトホール155aを介して電気的に接続されている。同様に、上部電極153と個別電極配線154bとの間には、第一絶縁膜155が形成され、第一絶縁膜155に開けられた個別電極コンタクトホール155bを介して電気的に接続されている。また、共通電極パッド157、個別電極パッド158は、駆動IC80に接続されている。
なお、個別電極配線154bと共通電極配線154aとは同一材料、同一工程で形成することが好ましい。電極材料としては、抵抗値の低い金属、合金等の導電性材料を用いることができる。また、上部電極153や下部電極151とのコンタクト抵抗の低い材料を用いることが必要である。例えば、Al(アルミニウム)、Au(金)、Ag(銀)、Pd(パラジウム)、Ir(イリジウム)、W(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Cu(銅)、Cr(クロム)などを用いることができる。
また、コンタクト抵抗を低減するために、これらの材料の積層構造としても良い。コンタクト抵抗を下げる材料として、導電性化合物を用いても良い。例えば、Ta2O5(五酸化タンタル)、TiO2(酸化チタン)、TiN(窒化チタン)、ZnO(酸化亜鉛)、In2O3(酸化インジウム)、SnO(酸化スズ)等の酸化物、窒化物およびその複合化合物を用いることができる。膜厚は特に限られるものではないが、例えば、1[μm]以下とすることが好ましい。
また、成膜には真空成膜法等の膜厚均一性が高い成膜方法を用いることが好ましい。これらの電極は、保護基板3との接着領域となるため、高さ均一性を確保できる膜厚、成膜方法とすることが必要である。
また、成膜には真空成膜法等の膜厚均一性が高い成膜方法を用いることが好ましい。これらの電極は、保護基板3との接着領域となるため、高さ均一性を確保できる膜厚、成膜方法とすることが必要である。
図9に示すように、個別電極配線154bおよび共通電極配線154aを、保護基板3と対向する領域の外側まで引き出して個別電極パッド158および共通電極パッド157を形成する。また、個別電極パッド158および共通電極パッド157に駆動IC80からの信号を入力する配線(図示せず)を接続する。なお、配線の接続方法は、特に限られるものではない。例えば、FPC(フレキシブルプリント配線板)を用いたACF(Anisotropic Conductive Film)接合、ハンダ接合や、ワイアボンディング法、駆動IC80の出力端子と直接接合するフリップチップ法等を用いることができる。各接合方式に合わせてパッドの材料、構造を選定すればよい。
〔保護基板〕
保護基板3は、下部電極151及び上部電極153に電気的に接続される配線部材154を含めて圧電素子保護空間22を形成する基板であり、液室基板1におけるノズル基板2とは反対側に接着される。また、保護基板3は、液室基板1に接着することによって、流路隔壁4aを補強し、液室基板1の剛性を確保する機能も有する。保護基板3の材料は、特に限られるものではないが、液室基板1の反りを防止するため、液室基板1の材料と熱膨張係数の近い材料を選定することが好ましい。このため、例えば、ガラス、シリコン、SiO2(二酸化ケイ素)、ZrO2(二酸化ジルコニウム)、Al2O3(酸化アルミニウム)等のセラミクス材料とすることが好ましい。
保護基板3は、下部電極151及び上部電極153に電気的に接続される配線部材154を含めて圧電素子保護空間22を形成する基板であり、液室基板1におけるノズル基板2とは反対側に接着される。また、保護基板3は、液室基板1に接着することによって、流路隔壁4aを補強し、液室基板1の剛性を確保する機能も有する。保護基板3の材料は、特に限られるものではないが、液室基板1の反りを防止するため、液室基板1の材料と熱膨張係数の近い材料を選定することが好ましい。このため、例えば、ガラス、シリコン、SiO2(二酸化ケイ素)、ZrO2(二酸化ジルコニウム)、Al2O3(酸化アルミニウム)等のセラミクス材料とすることが好ましい。
また、保護基板3には、個別液室14にインクを供給するための個別供給口60が形成されている。さらに、個別液室14に対向する領域に圧電素子保護空間22が形成されている。圧電素子保護空間22は保護基板3に対する堀加工によって形成された密閉された空間で、内部に圧電素子56が配置されて圧電素子56が変位可能な稼働領域を形成している。
圧電素子保護空間22は隣接する個別液室14ごとに区画され、保護空間隔壁23で隔てられている。この保護空間隔壁23は、流路隔壁4aの上で液室基板1に接着されている。これにより、板厚の薄い液室基板1の剛性を高めることができ、圧電素子56を駆動した際の隣接する個別液室14間の相互干渉を低減することが可能となる。その場合、保護基板3としては、樹脂などの低剛性材料ではなく、シリコンなどの高剛性材料で形成することが好ましい。保護空間隔壁23の幅(図中矢印B方向の幅)は、例えば、5〜20[μm]である。
〔共通液室基板〕
共通液室基板280には、共通液室18が形成され、共通供給口303から共通液室18に供給されたインクを個別供給口60、個別インク供給室24及び流体抵抗部15を介して個別液室14に供給される。なお、共通液室基板280は、図7に示すように複数層を積層して形成されている。また、共通液室18の少なくとも一つの面はダンパーフィルム300で形成されており、共通液室18を介した流体的な相互干渉の圧力を抑制する効果を有する。なお、ダンパー室形成部材302は、ダンパーフィルム300の端部を固定するとともにダンパー機能箇所の可動域を確保している。
共通液室基板280には、共通液室18が形成され、共通供給口303から共通液室18に供給されたインクを個別供給口60、個別インク供給室24及び流体抵抗部15を介して個別液室14に供給される。なお、共通液室基板280は、図7に示すように複数層を積層して形成されている。また、共通液室18の少なくとも一つの面はダンパーフィルム300で形成されており、共通液室18を介した流体的な相互干渉の圧力を抑制する効果を有する。なお、ダンパー室形成部材302は、ダンパーフィルム300の端部を固定するとともにダンパー機能箇所の可動域を確保している。
次に、従来の液滴吐出ヘッドについて説明する。
インクジェット記録装置に用いられる液滴吐出ヘッドは、一般に、複数のノズル列を有し、ノズル列に連通した複数の個別液室(圧力室)を有し、該複数の個別液室には比較的容積の大きな共通の共通液室が連通されている構成が一般的である。個別液室に選択的にエネルギーを印加することにより個別液室を変形させ、液滴を吐出させて任意の画像をオンデマンドで形成することができる。エネルギーの印加媒体(駆動手段、アクチュエータともいう)としては、例えば、圧電素子やヒーターチップなどが知られている。
インクジェット記録装置に用いられる液滴吐出ヘッドは、一般に、複数のノズル列を有し、ノズル列に連通した複数の個別液室(圧力室)を有し、該複数の個別液室には比較的容積の大きな共通の共通液室が連通されている構成が一般的である。個別液室に選択的にエネルギーを印加することにより個別液室を変形させ、液滴を吐出させて任意の画像をオンデマンドで形成することができる。エネルギーの印加媒体(駆動手段、アクチュエータともいう)としては、例えば、圧電素子やヒーターチップなどが知られている。
近年、インクジェット記録装置は、より高品位な画像を、より速い印刷速度で出力できること(印刷速度の高速化および高画質化)が求められている。画像の高画質化の要求に対しては、吐出孔の数を増加して高密度化する傾向にある。これに伴い、各個別液室の間隔は狭まり、また高速化に伴ってエネルギー印加の周波数も高くなる傾向にある。また、印刷速度の高速化の要求に対しては、記録ヘッドの長尺化が試みられており、例えば、記録媒体の幅全領域を覆うことのできる記録ヘッドを備えたいわゆるライン型プリンタも提案されている。
インク滴を吐出するときには圧力変動が生じるが、この圧力変動が隣接する他の個別液室内のインクに影響を及ぼすことがある(以下、相互干渉と呼ぶ)。この相互干渉は、意図しないインク滴の吐出や吐出状態の不安定化を誘発し、その結果、高品位な画像出力が得られなくなることにも繋がる。また、相互干渉は、個別液室同士の間隔が狭いほど生じ易い。このため、高画質化を図るためには、ビット間の相互干渉の小さいヘッド設計とすることが求められる。
相互干渉には、共通液室経由で伝播する流体的な干渉と、個別液室を構成する基板を介して伝播する構造的な干渉とがある。流体的な相互干渉は、上述したダンパーフィルム300のように、共通液室に圧力変動の伝達を減衰させる構成を設けることで解消を図ることができる。一方、構造的な相互干渉は、近年の高密度化・高速化に伴う構造物の剛性低下、共振現象発生により増加する傾向にある。
構造的な相互干渉が少ないヘッド設計とするには、ノズル基板と、各ビットを隔てる隔壁と、隔壁を接着固定している接着剤が十分な剛性を有している必要がある。この中で特に構造的な相互干渉に対して、接着剤の厚さに起因する接着部の剛性低下の寄与が大きく、できるだけ薄い接着剤で固定されている必要がある。しかしながら、接着剤を単に薄膜化しようとすると、接着時の押圧で接着剤が流れ出し、振動板に付着することがある。振動板上で接着剤が固着すると、変位を阻害してアクチュエータの効率が著しく低下するという問題がある。また、接着剤の流れ出し対策として単に接着剤の塗布量を少なくすると、接着強度と封止性が十分に確保できず、実際に接着剤膜厚を薄くすることには限界があった。
図12は、従来の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大説明図である。図12(a)は、従来の記録ヘッド51における図6中のD−D’断面に対応する断面の平面図であり、図12(b)は、図12(a)中のG−G’断面の側面図である。
図12に示すように、従来の記録ヘッド51においても保護空間隔壁23は、流路隔壁4aの上で接着剤70により接着される。しかし、十分な接着力を確保しようとする場合、接着時に、接着剤70の流れ出し(接着剤余剰70aという)が生じ、振動板55aの上で接着剤70が固着して、変位を阻害してアクチュエータ200の性能低下に繋がるという問題があった。
図12に示すように、従来の記録ヘッド51においても保護空間隔壁23は、流路隔壁4aの上で接着剤70により接着される。しかし、十分な接着力を確保しようとする場合、接着時に、接着剤70の流れ出し(接着剤余剰70aという)が生じ、振動板55aの上で接着剤70が固着して、変位を阻害してアクチュエータ200の性能低下に繋がるという問題があった。
このような接着剤の流れ出しを制御する技術として、例えば、特許文献1には、液室基板と保護基板と接着する接着剤として、粒状の絶縁物(粒径が1[μm]〜5[μm])が混練された接着剤を用いる構成が記載されている。粒状の絶縁物を混練することで接着剤の粘度を調節して接着剤が流れ出ることを抑制している。しかし、粒状の絶縁物を混練しているため、粒状の絶縁物以下の膜厚の接着剤とすることは不可能となる。よって、接着部の剛性が低くなり、構造的な相互干渉の原因になりうるという問題がある。
また、特許文献1に記載の記録ヘッドは、流路隔壁の上に保護空間隔壁に対応する部材がない構成となっている。液室基板よりも上方に流路隔壁を補強する部材がないため、構造的な相互干渉が発生しやすい設計となっている。特許文献1では、ノズル板を厚くして個別液室の隔壁を倒れにくくしたり、液室の共振現象を利用した駆動方法とせずに周波数を下げて駆動をしたりすることで、構造的な相互干渉を抑える構造となっている。
しかし、印刷速度の高速化のためには、液室の共振現象を利用した駆動方法により、滴速度と滴体積を稼ぐ方法が必須である。このため、液室基板よりも上方に流路隔壁を補強する部材がない構成では、構造的な相互干渉を抑えるために周波数が上げられず、印刷速度の高速化に限界がある。
しかし、印刷速度の高速化のためには、液室の共振現象を利用した駆動方法により、滴速度と滴体積を稼ぐ方法が必須である。このため、液室基板よりも上方に流路隔壁を補強する部材がない構成では、構造的な相互干渉を抑えるために周波数が上げられず、印刷速度の高速化に限界がある。
特許文献2には、液室基板と保護基板との接着部の液室基板側に中間層を形成し、この中間層を介して保護基板と液室基板とを接着する構成が記載されている。中間層があることによって接着部における液室基板側の接着領域から流れ出た接着剤が圧力発生部材上に到達することがある程度は抑制される。しかし、中間層に沿って流れ出た接着剤が圧力発生部材に到達することがあり、接着剤が圧力発生部材上に付着することを抑制する構成としては不十分である。
特許文献3には、液室形成基板側の接着領域と圧力発生部材との間に突起部を設け、接着領域から流れ出た接着剤を突起部でせき止める構成が記載されている。このような突起部を設けることによって、接着に十分な塗布量を維持しつつ、圧力発生部材に接着剤が付着することを抑制できる。しかし、接着領域と圧力発生部材との間に突起部を設けるスペースを確保する必要がある。これにより、製造工程における公差を考えると、各ビットに無視できないスペースを確保しなければならなくなるために、記録ヘッドの小型化を阻害するという問題がある。
また、特許文献3では、接着後に突起部を除去することが開示されているが、接着後に密閉空間となる場合は、除去のためのエッチング液を注入することは困難である。仮にエッチング液を注入するための入口/出口部を設けたとしても、注入したエッチング液を完全に排出することは困難であり、エッチング液によりアクチュエータへの損傷も生じるおそれがある。
また、特許文献3では、接着後に突起部を除去することが開示されているが、接着後に密閉空間となる場合は、除去のためのエッチング液を注入することは困難である。仮にエッチング液を注入するための入口/出口部を設けたとしても、注入したエッチング液を完全に排出することは困難であり、エッチング液によりアクチュエータへの損傷も生じるおそれがある。
このような問題を解決可能な構成として、本実施形態の記録ヘッド51は、保護基板3の接着領域となる保護空間隔壁23の下面に凸部を設け、液室基板1の接着領域に凸部が入り込む凹部を設けている。
〔実施例1〕
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ。)について説明する。
図1は、実施例1の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大断面図である。図1に示すように、実施例1の記録ヘッド51は、保護空間隔壁23において少なくとも一部が液室基板1との接着領域となる下端面に保護基板凸部44を有し、液室基板1の保護基板3との接着領域となる部分に液室基板凹部19を有している。そして、液室基板凹部19に接着剤70を閉じ込め、閉じ込めた接着剤70に保護基板凸部44が圧着する形で保護基板3と液室基板1とが接着するものである。
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ。)について説明する。
図1は、実施例1の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大断面図である。図1に示すように、実施例1の記録ヘッド51は、保護空間隔壁23において少なくとも一部が液室基板1との接着領域となる下端面に保護基板凸部44を有し、液室基板1の保護基板3との接着領域となる部分に液室基板凹部19を有している。そして、液室基板凹部19に接着剤70を閉じ込め、閉じ込めた接着剤70に保護基板凸部44が圧着する形で保護基板3と液室基板1とが接着するものである。
このような構造が成立するためには、次の(I)及び(II)の条件を満たすように設計する必要がある。
(I)振動板層55の振動板55aとなる部分の上方に保護空間隔壁23が載らないこと。
(II)保護基板凸部44が液室基板凹部19に入ること。
(I)振動板層55の振動板55aとなる部分の上方に保護空間隔壁23が載らないこと。
(II)保護基板凸部44が液室基板凹部19に入ること。
ここで、実施例1の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部における図1に示す各寸法(W1〜W6)の一例を以下に示す。
・保護基板アライメントW1:±2.0[μm]
・保護空間隔壁幅W2:14.0±2.0[μm]
・保護基板凸部幅W3:4.0±2.0[μm]
・個別液室加工アライメントW4:±2.0[μm]
・流路隔壁幅W5:24.65±1.5[μm]
・液室基板凹部幅W6:10.0±1.0[μm]
・保護基板アライメントW1:±2.0[μm]
・保護空間隔壁幅W2:14.0±2.0[μm]
・保護基板凸部幅W3:4.0±2.0[μm]
・個別液室加工アライメントW4:±2.0[μm]
・流路隔壁幅W5:24.65±1.5[μm]
・液室基板凹部幅W6:10.0±1.0[μm]
上記(I)及び(II)の条件に関わる公差と積上げ公差とを表1に示す。
表1に示すように、条件(I)に関わる交差の積上げ公差が±3.8[μm]となっている。このため、保護空間隔壁23が流路隔壁4aの上方となる位置(保護基板3側の接着領域となる保護空間隔壁23の下端面が振動板55a上とならない位置)にするための設計マージンである第一マージンM1を4[μm]に設定している。また、条件(II)に関わる交差の積上げ公差が±2.6[μm]となっているため、保護基板凸部44が液室基板凹部19内に収まるための設計マージンである第二マージンM2を3[μm]に設定している。
保護基板凸部44の高さと液室基板凹部19の深さとは、基板材料の加工性と接着剤70の粘度等に依るものであるため、特に限られるものではない。図1に示す実施例1では、保護基板凸部44の高さ高さは4[μm]であり、液室基板凹部19の深さは7[μm]である。
実施例1では、液室基板1の上面における保護基板3との接着領域に形成した液室基板凹部19の内側に接着剤70を閉じ込める構造としている。これにより、液室基板1と保護基板3とを加熱もしくは常温にて押圧して接着する際に、接着剤70が振動板55aの上方の振動板55aとともに変形する部分へ流れ出すことを抑制できる。
実施例1では、液室基板1の上面における保護基板3との接着領域に形成した液室基板凹部19の内側に接着剤70を閉じ込める構造としている。これにより、液室基板1と保護基板3とを加熱もしくは常温にて押圧して接着する際に、接着剤70が振動板55aの上方の振動板55aとともに変形する部分へ流れ出すことを抑制できる。
また、図1に示すように、記録ヘッド51は、図1中のαで示す部分で保護基板凸部44の根元部分の一部と、液室基板凹部19の入口部分の一部とが当接している。特許文献2に記載の構成では、保護基板と液室基板との間で直接当接する箇所がなく、接着剤厚さ分の弾性により構造的な相互干渉が起こり、印字ばらつきが発生するという問題があった。これに対して、実施例1の記録ヘッド51では、αの部分で保護基板3と液室基板1とが直接当接しているため、接着剤70の厚さ分の弾性の影響を抑制することができる。これにより、保護基板3と液室基板1とが接着剤の厚み分離れている構成に比して、構造的な相互干渉を抑止し、印字ばらつきを抑制することができる。
次に、実施例1の記録ヘッド51の製造手順の一例を説明する。
(1)液室基板1を構成する流路形成部4の上面における振動板層55を設ける以外の箇所に、マスクとしてのシリコン窒化膜をパターニングする。また、ポリシリコンとシリコン熱酸化膜形成手段(例えば、プラズマCVD法、パイロ酸化法等)によりポリシリコンとSiO2の多層積層膜である振動板層55を流路形成部4の上面に形成する。
(1)液室基板1を構成する流路形成部4の上面における振動板層55を設ける以外の箇所に、マスクとしてのシリコン窒化膜をパターニングする。また、ポリシリコンとシリコン熱酸化膜形成手段(例えば、プラズマCVD法、パイロ酸化法等)によりポリシリコンとSiO2の多層積層膜である振動板層55を流路形成部4の上面に形成する。
(2)次に、薄膜形成手段(例えば、ゾルゲル法、スパッタ法等)により、下部電極151の層、圧電体152の層及び上部電極153の層を順次形成する。下部電極151の層の材料としては、例えばPt、Ti、LaNiO3(ニッケル酸ランタン)、SrRuO3(ストロンチウムルテニウムオキサイド)等を用いることができる。圧電体152の層の材料としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いることができる。上部電極153の層の材料としては、例えばPt、LaNiO3、SrRuO3等を用いることができる。
(3)次に、フォトリソグラフィ法により上部電極153、圧電体152及び下部電極151を順次パターニングし、圧電素子56を形成する。
(4)次に、圧電素子56の放電防止のために第一絶縁膜155(例えば、Al2O3)を全体に成膜する。その後、振動変位の妨げにならないように上部電極153上を避けて圧電体152の端部と下部電極151とに、例えば、SiO2やSi3N4からなる第二絶縁膜156を形成する。
(4)次に、圧電素子56の放電防止のために第一絶縁膜155(例えば、Al2O3)を全体に成膜する。その後、振動変位の妨げにならないように上部電極153上を避けて圧電体152の端部と下部電極151とに、例えば、SiO2やSi3N4からなる第二絶縁膜156を形成する。
(5)液室基板1の上面の所望の位置に液室基板凹部19をフォトリソグラフィ法により形成する。なお、この工程は上記(4)の工程における絶縁膜の成膜工程の前でもよいし後でもよい。ここで、フォトリソグラフィ法よって液室基板凹部19を形成することができるのは、シリコン基板からなる流路形成部4の部分である。このため、下部電極151の層に対しては液室基板凹部19に対応する穴部を予め設けておく。この穴部としては、例えば、下部電極151の層を成膜するときに、液室基板凹部19となる部分にマスキングを行い、下部電極151の層が形成されないようにすることで、設けることができる。
(6)次に、アルミニウムからなる個別電極配線154bを所望の箇所に形成する。
(7)別途、次の手順で保護基板3を作成する。シリコン基板にリソエッチ法にて圧電素子保護空間22を形成した後、さらに保護空間隔壁23の先端面部分を加工することで保護基板凸部44を形成する。
(8)保護基板3に接着剤70を塗布し、液室基板1の圧電素子56を設けた面に接着する。このとき保護基板3に対する接着剤70の塗布工程では、保護基板凸部44のみに接着剤70が載るように、塗布圧や塗布速度の条件出しや接着剤物性の調整等を行う。
(7)別途、次の手順で保護基板3を作成する。シリコン基板にリソエッチ法にて圧電素子保護空間22を形成した後、さらに保護空間隔壁23の先端面部分を加工することで保護基板凸部44を形成する。
(8)保護基板3に接着剤70を塗布し、液室基板1の圧電素子56を設けた面に接着する。このとき保護基板3に対する接着剤70の塗布工程では、保護基板凸部44のみに接着剤70が載るように、塗布圧や塗布速度の条件出しや接着剤物性の調整等を行う。
(9)次に、液室基板1の圧電素子56を設けた面とは反対側の面(ノズル基板2を接合する面)を所望の厚さまで研磨する。
(10)液室基板1の上記(9)の工程で研磨した側をICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングによりエッチングし、個別液室14、流体抵抗部15及び個別インク供給室24となる凹部を形成する。
別途SUS(ステンレス鋼)のプレス加工、研磨によってノズル孔20を形成しておいたノズル基板2を液室基板1の凹部形成側(上記(9)の工程で研磨した側)に接合する。
(10)液室基板1の上記(9)の工程で研磨した側をICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングによりエッチングし、個別液室14、流体抵抗部15及び個別インク供給室24となる凹部を形成する。
別途SUS(ステンレス鋼)のプレス加工、研磨によってノズル孔20を形成しておいたノズル基板2を液室基板1の凹部形成側(上記(9)の工程で研磨した側)に接合する。
(11)液室基板1における保護基板3との接着部側の面(上面)に設けた個別電極パッド158と共通電極パッド157とに別途製作した駆動IC80をフリップチップ接合により実装する。
(12)プレス加工、微細切削加工により形成した共通液室基板280に接液膜を成膜した後に保護基板3に接合する。
(13)ダンパーフィルム300を設けたダンパー室形成部材302を共通液室基板280に接合する。
上述した(1)〜(13)の工程により、実施例1の記録ヘッド51を作製することができる。
(12)プレス加工、微細切削加工により形成した共通液室基板280に接液膜を成膜した後に保護基板3に接合する。
(13)ダンパーフィルム300を設けたダンパー室形成部材302を共通液室基板280に接合する。
上述した(1)〜(13)の工程により、実施例1の記録ヘッド51を作製することができる。
〔実施例2〕
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ。)について説明する。
図10は、実施例2の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大断面図である。図10に示すように、実施例2の記録ヘッド51は、保護空間隔壁23において少なくとも一部が液室基板1との接着領域となる下端面に保護基板凸部44を有し、液室基板1の保護基板3との接着領域となる部分に液室基板凹部19を有している。
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ。)について説明する。
図10は、実施例2の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大断面図である。図10に示すように、実施例2の記録ヘッド51は、保護空間隔壁23において少なくとも一部が液室基板1との接着領域となる下端面に保護基板凸部44を有し、液室基板1の保護基板3との接着領域となる部分に液室基板凹部19を有している。
実施例2の記録ヘッド51は、液室基板凹部19を、保護基板3側の接着領域と接着するように、液室基板1の上面に突出して形成された液室側接着領域形成部である液室上面突起部75によって形成する構成である点で実施例1の記録ヘッド51と異なる。他の点については、実施例1の記録ヘッド51と同様であるため、説明は省略する。また、製造方法については、液室基板凹部19を形成する工程以外については、実施例1と同様の工程によって製造することができる。
実施例2の記録ヘッド51は、液室基板1の上面の液室上面突起部75によって形成された液室基板凹部19に接着剤70を閉じ込め、閉じ込めた接着剤70に保護基板凸部44が圧着する形で保護基板3と液室基板1とが接着するものである。すなわち、図10に示すように、液室基板1上に液室上面突起部75を形成し、液室基板凹部19の内側に接着剤70を閉じ込める構造としている。これにより、液室基板1と保護基板3とを加熱もしくは常温にて押圧して接着する際に、接着剤70が振動板55aの上方の振動板55aとともに変形する部分へ流れ出すことを抑制できる。
また、実施例2の記録ヘッドにおいても、上記(I)及び(II)の条件を満たすように設計する必要がある。
ここで、実施例2の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部における図2に示す各寸法(W1〜W8)の一例を以下に示す。
・保護基板アライメントW1:±2.0[μm]
・保護空間隔壁幅W2:14.0±2.0[μm]
・保護基板凸部幅W3:3.0±1.0[μm]
・個別液室加工アライメントW4:±2.0[μm]
・流路隔壁幅W5:24.65±1.5[μm]
・液室基板凹部幅W6:8.2±1.0[μm]
・液室上面突起部厚W7:2.5±1.0[μm]
・液室上面突起部アライメントW8:±1.0[μm]
ここで、実施例2の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部における図2に示す各寸法(W1〜W8)の一例を以下に示す。
・保護基板アライメントW1:±2.0[μm]
・保護空間隔壁幅W2:14.0±2.0[μm]
・保護基板凸部幅W3:3.0±1.0[μm]
・個別液室加工アライメントW4:±2.0[μm]
・流路隔壁幅W5:24.65±1.5[μm]
・液室基板凹部幅W6:8.2±1.0[μm]
・液室上面突起部厚W7:2.5±1.0[μm]
・液室上面突起部アライメントW8:±1.0[μm]
実施例2の記録ヘッド51での上記(I)及び(II)の条件に関わる公差と積上げ公差とを表2に示す。
表2に示すように、条件(I)に関わる交差の積上げ公差が±2.9[μm]となっている。このため、保護空間隔壁23が流路隔壁4aの上方となる位置(保護基板3側の接着領域となる保護空間隔壁23の下端面が振動板55a上とならない位置)にするための設計マージンである第一マージンM1を2.9[μm]に設定している。また、条件(II)に関わる交差の積上げ公差が±2.6[μm]となっているため、保護基板凸部44が液室基板凹部19内に収まるための設計マージンである第二マージンM2を2.6[μm]に設定している。
液室上面突起部75の材料としては実施例1で説明した製造方法の上記(6)の工程で個別電極配線154bを形成する際に用いるアルミニウムを利用することが好ましい。上記(6)の工程で個別電極配線154bの形成と同時に液室上面突起部75を形成することで工程を増やすことなく液室上面突起部75の形成が可能となる。さらに、液室上面突起部75自体を配線として使用する場合は、アルミニウムの上からパシベーション膜をかぶせたものを液室上面突起部75としても良い。
〔実施例3〕
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ。)について説明する。
図11は、実施例3の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大説明図である。図11(a)は、記録ヘッド51における図6中のD−D’断面の平面図であり、図11(b)は、図11(a)中のE−E’断面の側面図である。なお、図11(a)は、図11(b)中のF−F’断面の平面図となる。
以下、本発明を適用した記録ヘッド51の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ。)について説明する。
図11は、実施例3の記録ヘッド51の液室基板1と保護基板3との接着部の拡大説明図である。図11(a)は、記録ヘッド51における図6中のD−D’断面の平面図であり、図11(b)は、図11(a)中のE−E’断面の側面図である。なお、図11(a)は、図11(b)中のF−F’断面の平面図となる。
図11に示すように、実施例3の記録ヘッド51は、保護空間隔壁23において少なくとも一部が液室基板1との接着領域となる下端面に保護基板凸部44を有し、液室基板1の保護基板3との接着領域となる部分に液室基板凹部19を有している。
実施例3の記録ヘッド51は、保護基板凸部44が液室基板凹部19に入り込んだ状態で保護基板凸部44と液室基板凹部19との隙間に形成される空間と、外部とを連通する空気孔76を保護基板3に設けた点で実施例1の記録ヘッド51と異なる。他の点については、実施例1の記録ヘッド51と同様であるため、説明は省略する。また、製造方法については、空気孔76を設ける工程以外については、実施例1と同様の工程によって製造することができる。
実施例3の記録ヘッド51は、保護基板凸部44が液室基板凹部19に入り込んだ状態で保護基板凸部44と液室基板凹部19との隙間に形成される空間と、外部とを連通する空気孔76を保護基板3に設けた点で実施例1の記録ヘッド51と異なる。他の点については、実施例1の記録ヘッド51と同様であるため、説明は省略する。また、製造方法については、空気孔76を設ける工程以外については、実施例1と同様の工程によって製造することができる。
保護基板凸部44と液室基板凹部19との隙間が密閉空間だと高温状態で空間が膨張して接着が剥がれてしまうリスクがある。このリスクを回避するために、実施例3では、保護基板3に空気孔76を設けている。すなわち、図11に示すように、保護空間隔壁23に空気孔76を設けて、外部と連通させることで温度変化に対する接着の信頼性を確保している。また、空気孔76は保護空間隔壁23の長手方向の少なくとも一箇所に設けてあれば良く、空気孔76から接着剤が流れ出すリスクがある場合は圧電素子56が形成されていない箇所に配置することが望ましい。
製造方法については、上記(6)の工程で保護空間隔壁23の先端面部分を加工して保護基板凸部44を形成する際に、空気孔76の追加加工を施せば良い。
製造方法については、上記(6)の工程で保護空間隔壁23の先端面部分を加工して保護基板凸部44を形成する際に、空気孔76の追加加工を施せば良い。
上記各実施例では、保護基板3側の接着領域となる部分に凸部を設け、液室基板1側の接着領域となる部分に凹部を設けているが、凸部と凹部との配置としては逆であってもよい。ここで接着剤70の粘性によっては凹部側を上方として接着工程を行うと、接着剤が垂れるおそれがある。このため、垂れ下がるおそれがあるような低粘度の接着剤70を用いる場合は、液室基板1と保護基板3とのうち、凹部を設けた基板を下方にし、凹部の開口部を上方に向けた状態で接着工程を行うことが好ましい。
また、上記各実施例では、保護空間隔壁23の下面と、液室基板1の表面における流路隔壁4aの上方となる位置とのそれぞれに凸部と凹部とを設けた構成であるが、凸部と凹部とを設ける位置としてはこれに限るものではない。保護基板3と液室基板1とを接着剤によって接着する部分であれば、その接着領域となる部分に凸部と凹部とを設けることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク滴等の液滴を吐出する複数のノズル孔20等の吐出孔が設けられたノズル基板2等の吐出孔形成基板と、流路隔壁4a等の液室隔壁によって個別の空間に区切られ、吐出孔により外部と連通し、液滴となるインク等の吐出液を収容する複数の個別液室14等の個別吐出液室が設けられ、吐出孔形成基板に接合された液室基板1等の液室形成基板と、個別吐出液室の吐出孔とは反対側壁面を形成するように液室形成基板に設けられ、変形することで個別吐出液室の体積を変化させ、該液滴を吐出するために要する圧力を発生させるアクチュエータ200等の圧力発生部材と、液室形成基板における吐出孔形成基板が接合された面とは反対側の面の圧力発生部材が設けられていない部分に接着剤70等の接着剤によって接着され、圧力発生部材を挟んで個別液室の反対側から圧力発生部材を覆い、且つ、圧力発生部材の変形を許容する圧電素子保護空間22等の保護空間を形成して圧力発生部材を保護する保護基板3等の保護基板とを有する記録ヘッド51等の液滴吐出ヘッドにおいて、保護基板または液室形成基板の一方の接着領域となる部分に保護基板凸部44等の凸部を設け、他方の接着領域となる部分に凸部との間に隙間を形成した状態で凸部が入り込む液室基板凹部19等の凹部を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接着強度を維持するために要する量の接着剤を使用しても、凸部が凹部に入り込んだ状態の凸部と凹部との隙間に接着剤を溜めることができる。このため、凸部または凹部が設けられた接着領域から接着剤が流れ出て圧力発生部材に付着することを抑制できる。また、保護基板または液室形成基板の一方の接着領域となる部分に凸部を設け、他方の接着領域となる部分に凸部が入り込む凹部を設けて接着剤が流れることを抑制している。このため、液室形成基板側の圧力発生部材を設けた面における接着領域の外側に、接着領域から圧力発生部材へと接着剤が流れることを抑制するような突起部を設ける必要がない。このため、接着剤が圧力発生部材に付着することを抑制するために、装置が大型化することを抑制できる。さらに、凹部と凸部との表面が接着領域となり、接着領域を広く取ることができるため、接着強度を維持することができる。このように、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができる。
(態様B)
(態様A)において、圧電素子保護空間22等の保護空間は、保護空間隔壁23等の保護空間隔壁によって個別の空間に区切られ、保護空間隔壁の液室基板1等の液室形成基板と対向する端面が保護基板3等の保護基板と液室形成基板とを接着する接着領域となる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、保護空間隔壁が流路隔壁4a等の液室隔壁を補強し、液室形成基板の剛性を確保することができるため、構造的な相互干渉の発生を抑制し、近年の高密度化・高速化に対応した記録ヘッド51等の液滴吐出ヘッドであっても安定したインク等の吐出液を安定的に吐出することができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)の何れかの態様において、液室基板凹部19等の凹部を、液室基板1等の液室形成基板側の接着領域となる部分にエッチングにより形成する。
これによれば、上記実施例1について説明したように、接着領域となる部分に凹部を形成する構成を実現できる。
(態様D)
(態様A)または(態様B)の何れかの態様において、液室基板凹部19等の凹部を、保護基板3党の保護基板側の接着領域と接着するように、液室基板1等の液室形成基板の保護基板と対向する面に突出して形成された液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部に設ける。
これによれば、上記実施例2について説明したように、接着領域となる部分に凹部を形成する構成を実現できる。
(態様E)
(態様D)において、液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部は、アクチュエータ200等の圧力発生部材に電力を供給するための個別電極配線154bを形成する際に用いるアルミニウム等の配線材料からなる。
これによれば、上記実施例2について説明したように、工程を増やすことなく液室側接着領域形成部の形成が可能となる。
(態様F)
(態様D)において液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部は、アクチュエータ200等の圧力発生部材に電力を供給するための個別電極配線154bを形成する際に用いるアルミニウム等の配線材料と配線材料を覆う第二絶縁膜156等のパシベーションとからなる。
これによれば、上記実施例2について説明したように、液室側接着領域形成部自体を配線として使用する構成が実現可能となる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れか一つの態様において、保護基板凸部44等の凸部が形成された接着領域となる部分における凸部の根元部分の一部と、液室基板凹部19等の凹部が形成された接着領域となる部分における凹部の入口部分の一部とが当接している。
これによれば、上記実施例1について説明したように、構造的な相互干渉を抑止し、印字ばらつきを抑制することができる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)の何れか一つの態様において、保護基板凸部44等の凸部が液室基板凹部19等の凹部に入り込んだ状態で凸部と凹部との隙間に形成される空間と、他の空間とを連通する空気孔76等の空気抜け孔を保護基板3等の保護基板に設ける。
これによれば、上記実施例3について説明したように、温度変化に対する接着の信頼性を確保することができる。
(態様I)
インク液滴を吐出する記録ヘッド51等のインク吐出ヘッドと、インク吐出ヘッドにインクを供給するタンク部102aなどのインクタンクを一体化したインクカートリッジ102等のインクカートリッジにおいて、インク吐出ヘッドとして、(態様A)乃至(態様I)の何れか一つの態様の液滴吐出ヘッドを用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出ヘッドとタンク部102aなどのインクタンクとを一体としてプリンタ100などの画像形成装置から交換可能となり、吐出特性を安定化できる液滴吐出ヘッドの交換性が向上する。
(態様J)
インク液滴を吐出する記録ヘッド51などのインクジェットヘッドを搭載したインクジェット方式のプリンタ100等の画像形成装置において、インクジェットヘッドとして、(態様A)乃至(態様I)の何れか一つの態様の液滴吐出ヘッド、または、インクジェットヘッドを有するインクカートリッジ102等のインクカートリッジとして(態様I)のインクカートリッジを備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができるインクジェットヘッドを備える画像形成装置を実現することができる。接着強度を維持して構造的な相互干渉を抑制し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制するインクジェットヘッドによって、安定したインク滴の吐出を行うことができ、高画質化を実現することができる。さらに、インクジェットヘッドの大型化を抑制することで、画像形成装置全体の大型化を抑制することができる。
(態様A)
インク滴等の液滴を吐出する複数のノズル孔20等の吐出孔が設けられたノズル基板2等の吐出孔形成基板と、流路隔壁4a等の液室隔壁によって個別の空間に区切られ、吐出孔により外部と連通し、液滴となるインク等の吐出液を収容する複数の個別液室14等の個別吐出液室が設けられ、吐出孔形成基板に接合された液室基板1等の液室形成基板と、個別吐出液室の吐出孔とは反対側壁面を形成するように液室形成基板に設けられ、変形することで個別吐出液室の体積を変化させ、該液滴を吐出するために要する圧力を発生させるアクチュエータ200等の圧力発生部材と、液室形成基板における吐出孔形成基板が接合された面とは反対側の面の圧力発生部材が設けられていない部分に接着剤70等の接着剤によって接着され、圧力発生部材を挟んで個別液室の反対側から圧力発生部材を覆い、且つ、圧力発生部材の変形を許容する圧電素子保護空間22等の保護空間を形成して圧力発生部材を保護する保護基板3等の保護基板とを有する記録ヘッド51等の液滴吐出ヘッドにおいて、保護基板または液室形成基板の一方の接着領域となる部分に保護基板凸部44等の凸部を設け、他方の接着領域となる部分に凸部との間に隙間を形成した状態で凸部が入り込む液室基板凹部19等の凹部を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接着強度を維持するために要する量の接着剤を使用しても、凸部が凹部に入り込んだ状態の凸部と凹部との隙間に接着剤を溜めることができる。このため、凸部または凹部が設けられた接着領域から接着剤が流れ出て圧力発生部材に付着することを抑制できる。また、保護基板または液室形成基板の一方の接着領域となる部分に凸部を設け、他方の接着領域となる部分に凸部が入り込む凹部を設けて接着剤が流れることを抑制している。このため、液室形成基板側の圧力発生部材を設けた面における接着領域の外側に、接着領域から圧力発生部材へと接着剤が流れることを抑制するような突起部を設ける必要がない。このため、接着剤が圧力発生部材に付着することを抑制するために、装置が大型化することを抑制できる。さらに、凹部と凸部との表面が接着領域となり、接着領域を広く取ることができるため、接着強度を維持することができる。このように、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができる。
(態様B)
(態様A)において、圧電素子保護空間22等の保護空間は、保護空間隔壁23等の保護空間隔壁によって個別の空間に区切られ、保護空間隔壁の液室基板1等の液室形成基板と対向する端面が保護基板3等の保護基板と液室形成基板とを接着する接着領域となる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、保護空間隔壁が流路隔壁4a等の液室隔壁を補強し、液室形成基板の剛性を確保することができるため、構造的な相互干渉の発生を抑制し、近年の高密度化・高速化に対応した記録ヘッド51等の液滴吐出ヘッドであっても安定したインク等の吐出液を安定的に吐出することができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)の何れかの態様において、液室基板凹部19等の凹部を、液室基板1等の液室形成基板側の接着領域となる部分にエッチングにより形成する。
これによれば、上記実施例1について説明したように、接着領域となる部分に凹部を形成する構成を実現できる。
(態様D)
(態様A)または(態様B)の何れかの態様において、液室基板凹部19等の凹部を、保護基板3党の保護基板側の接着領域と接着するように、液室基板1等の液室形成基板の保護基板と対向する面に突出して形成された液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部に設ける。
これによれば、上記実施例2について説明したように、接着領域となる部分に凹部を形成する構成を実現できる。
(態様E)
(態様D)において、液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部は、アクチュエータ200等の圧力発生部材に電力を供給するための個別電極配線154bを形成する際に用いるアルミニウム等の配線材料からなる。
これによれば、上記実施例2について説明したように、工程を増やすことなく液室側接着領域形成部の形成が可能となる。
(態様F)
(態様D)において液室上面突起部75等の液室側接着領域形成部は、アクチュエータ200等の圧力発生部材に電力を供給するための個別電極配線154bを形成する際に用いるアルミニウム等の配線材料と配線材料を覆う第二絶縁膜156等のパシベーションとからなる。
これによれば、上記実施例2について説明したように、液室側接着領域形成部自体を配線として使用する構成が実現可能となる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れか一つの態様において、保護基板凸部44等の凸部が形成された接着領域となる部分における凸部の根元部分の一部と、液室基板凹部19等の凹部が形成された接着領域となる部分における凹部の入口部分の一部とが当接している。
これによれば、上記実施例1について説明したように、構造的な相互干渉を抑止し、印字ばらつきを抑制することができる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)の何れか一つの態様において、保護基板凸部44等の凸部が液室基板凹部19等の凹部に入り込んだ状態で凸部と凹部との隙間に形成される空間と、他の空間とを連通する空気孔76等の空気抜け孔を保護基板3等の保護基板に設ける。
これによれば、上記実施例3について説明したように、温度変化に対する接着の信頼性を確保することができる。
(態様I)
インク液滴を吐出する記録ヘッド51等のインク吐出ヘッドと、インク吐出ヘッドにインクを供給するタンク部102aなどのインクタンクを一体化したインクカートリッジ102等のインクカートリッジにおいて、インク吐出ヘッドとして、(態様A)乃至(態様I)の何れか一つの態様の液滴吐出ヘッドを用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出ヘッドとタンク部102aなどのインクタンクとを一体としてプリンタ100などの画像形成装置から交換可能となり、吐出特性を安定化できる液滴吐出ヘッドの交換性が向上する。
(態様J)
インク液滴を吐出する記録ヘッド51などのインクジェットヘッドを搭載したインクジェット方式のプリンタ100等の画像形成装置において、インクジェットヘッドとして、(態様A)乃至(態様I)の何れか一つの態様の液滴吐出ヘッド、または、インクジェットヘッドを有するインクカートリッジ102等のインクカートリッジとして(態様I)のインクカートリッジを備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、装置の大型化を抑制しつつ、保護基板と液室形成基板との接着強度を維持し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制することができるインクジェットヘッドを備える画像形成装置を実現することができる。接着強度を維持して構造的な相互干渉を抑制し、圧力発生部材への接着剤の付着を抑制するインクジェットヘッドによって、安定したインク滴の吐出を行うことができ、高画質化を実現することができる。さらに、インクジェットヘッドの大型化を抑制することで、画像形成装置全体の大型化を抑制することができる。
1 液室基板
2 ノズル基板
3 保護基板
4 流路形成部
4a 流路隔壁
14 個別液室
15 流体抵抗部
18 共通液室
19 液室基板凹部
20 ノズル孔
22 圧電素子保護空間
23 保護空間隔壁
24 個別インク供給室
44 保護基板凸部
51 記録ヘッド
55 振動板層
55a 振動板
56 圧電素子
60 個別供給口
70 接着剤
70a 接着剤余剰
75 液室上面突起部
76 空気孔
80 駆動IC
100 プリンタ
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
102a タンク部
102b インク排出口
103 印字機構部
104 給紙機構部
105 手差しトレイ
105a手差し給紙ローラ
105b 手差しトレイ開閉軸
106 排紙トレイ
107 主ガイドロッド
108 従ガイドロッド
109 主走査モータ
110 駆動プーリ
111 従動プーリ
112 タイミングベルト
113 給紙ローラ
114 フリクションパッド
115 ガイド部材
116 搬送ローラ
117 搬送コロ
118 先端コロ
119 印写受け部材
120 印写後搬送ローラ
121 印写後搬送拍車
123 排紙ローラ
124 排紙拍車
125 下ガイド部材
126 上ガイド部材
127 回復装置
130 副走査モータ
151 下部電極
152 圧電体
153 上部電極
154a 共通電極配線
154b 個別電極配線
154 配線部材
155 第一絶縁膜
155a 共通電極コンタクトホール
155b 個別電極コンタクトホール
156 第二絶縁膜
157 共通電極パッド
158 個別電極パッド
200 アクチュエータ
230 給紙トレイ
280 共通液室基板
300 ダンパーフィルム
301 ダンパー室
302 ダンパー室形成部材
303 共通供給口
M1 第一マージン
M2 第二マージン
W1 保護基板アライメント
W2 保護空間隔壁幅
W3 保護基板凸部幅
W4 個別液室加工アライメント
W5 流路隔壁幅
W6 液室基板凹部幅
W7 液室上面突起部厚
W8 液室上面突起部アライメント
2 ノズル基板
3 保護基板
4 流路形成部
4a 流路隔壁
14 個別液室
15 流体抵抗部
18 共通液室
19 液室基板凹部
20 ノズル孔
22 圧電素子保護空間
23 保護空間隔壁
24 個別インク供給室
44 保護基板凸部
51 記録ヘッド
55 振動板層
55a 振動板
56 圧電素子
60 個別供給口
70 接着剤
70a 接着剤余剰
75 液室上面突起部
76 空気孔
80 駆動IC
100 プリンタ
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
102a タンク部
102b インク排出口
103 印字機構部
104 給紙機構部
105 手差しトレイ
105a手差し給紙ローラ
105b 手差しトレイ開閉軸
106 排紙トレイ
107 主ガイドロッド
108 従ガイドロッド
109 主走査モータ
110 駆動プーリ
111 従動プーリ
112 タイミングベルト
113 給紙ローラ
114 フリクションパッド
115 ガイド部材
116 搬送ローラ
117 搬送コロ
118 先端コロ
119 印写受け部材
120 印写後搬送ローラ
121 印写後搬送拍車
123 排紙ローラ
124 排紙拍車
125 下ガイド部材
126 上ガイド部材
127 回復装置
130 副走査モータ
151 下部電極
152 圧電体
153 上部電極
154a 共通電極配線
154b 個別電極配線
154 配線部材
155 第一絶縁膜
155a 共通電極コンタクトホール
155b 個別電極コンタクトホール
156 第二絶縁膜
157 共通電極パッド
158 個別電極パッド
200 アクチュエータ
230 給紙トレイ
280 共通液室基板
300 ダンパーフィルム
301 ダンパー室
302 ダンパー室形成部材
303 共通供給口
M1 第一マージン
M2 第二マージン
W1 保護基板アライメント
W2 保護空間隔壁幅
W3 保護基板凸部幅
W4 個別液室加工アライメント
W5 流路隔壁幅
W6 液室基板凹部幅
W7 液室上面突起部厚
W8 液室上面突起部アライメント
Claims (10)
- 液滴を吐出する複数の吐出孔が設けられた吐出孔形成基板と、
液室隔壁によって個別の空間に区切られ、該吐出孔により外部と連通し、該液滴となる吐出液を収容する複数の個別吐出液室が設けられ、該吐出孔形成基板に接合された該液室形成基板と、
該個別吐出液室の該吐出孔とは反対側壁面を形成するように該液室形成基板に設けられ、変形することで該個別吐出液室の体積を変化させ、該液滴を吐出するために要する圧力を発生させる圧力発生部材と、
該液室形成基板における該吐出孔形成基板が接合された面とは反対側の面の該圧力発生部材が設けられていない部分に接着剤によって接着され、該圧力発生部材を挟んで該個別液室の反対側から該圧力発生部材を覆い、且つ、該圧力発生部材の変形を許容する保護空間を形成して該圧力発生部材を保護する保護基板とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、
上記保護基板または上記液室形成基板の一方の接着領域となる部分に凸部を設け、他方の接着領域となる部分に該凸部との間に隙間を形成した状態で該凸部が入り込む凹部を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記保護空間は、保護空間隔壁によって個別の空間に区切られ、該保護空間隔壁の上記液室形成基板と対向する端面が上記保護基板と該液室形成基板とを接着する接着領域となることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1または2の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記凹部を、上記液室形成基板側の接着領域となる部分にエッチングにより形成したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1または2の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記凹部を、上記保護基板側の接着領域と接着するように、上記液室形成基板の該保護基板と対向する面に突出して形成された液室側接着領域形成部に設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記液室側接着領域形成部は、上記圧力発生部材に電力を供給するための配線材料からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記液室側接着領域形成部は、上記圧力発生部材に電力を供給するための配線材料と該配線材料を覆うパシベーションとからなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記凸部が形成された接着領域となる部分における該凸部の根元部分の一部と、上記凹部が形成された接着領域となる部分における該凹部の入口部分の一部とが当接していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至7の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
上記凸部が上記凹部に入り込んだ状態で該凸部と該凹部との隙間に形成される空間と、他の空間とを連通する空気抜け孔を上記保護基板に設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - インク液滴を吐出するインク吐出ヘッドと、該インク吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、
上記インク吐出ヘッドとして請求項1乃至8の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを用いることを特徴とするインクカートリッジ。 - インク液滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット方式の画像形成装置において、
上記インクジェットヘッドとして、請求項1乃至8の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド、または、該インクジェットヘッドを有するインクカートリッジとして請求項9に記載のインクカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012153057A JP2014014967A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及び画像形成装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012153057A JP2014014967A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=50110100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012153057A Pending JP2014014967A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及び画像形成装置 |
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016097680A (ja) * | 2014-11-18 | 2016-05-30 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 接着剤結合を用いた容器の堀へのジェットスタックの差込み |
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-
2012
- 2012-07-06 JP JP2012153057A patent/JP2014014967A/ja active Pending
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JP2021126893A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-09-02 | 株式会社リコー | 圧電素子基板、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置および接合基板 |
JP7463822B2 (ja) | 2019-07-30 | 2024-04-09 | 株式会社リコー | 圧電素子基板、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置および接合基板 |
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