JP2019104179A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性が必要な箇所を確実に接合でき、アクチュエータ間のクロストークを抑制でき、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、前記支持基板における前記アクチュエータ基板と接合する部分のうち、前記接合隔壁を除いた少なくとも一部が格子形状であり、前記接合隔壁の前記アクチュエータ基板と接合する部分における前記液室の短手方向の幅が、前記格子形状の線幅以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置に関する。
従来から、液室(個別液室、加圧液室などとも称する)に圧力変動を発生させ、液室に形成された微小ノズルから液体を噴射させるインクジェットヘッド及びインクジェットヘッドを搭載する記録装置が知られている。
インクジェットヘッドの製造過程において、アクチュエータ基板に液室を形成する際に、アクチュエータ基板を液室の高さ付近にまで薄くすると、その後の工程でのハンドリング(処理装置内の搬送や工程間搬送等)でアクチュエータ基板が割れやすくなり、安定した生産が難しい。そこで、アクチュエータ基板を薄くする前に液流路等が形成された支持基板を接着剤で接合し、アクチュエータ基板を補強することが行われる。
この場合、アクチュエータ基板のアクチュエータ部(振動板や圧電体等)は、可動部であるため、アクチュエータ部が支持基板と直接接しないように、支持基板に凹部を設け、凹部の非形成部がアクチュエータ基板と接合するようにしている。
しかしながら、一般的な接合技術で接合する際、基板の位置ずれや接合部の一部で完全に接合がなされず剛性が確保できないことがあり、アクチュエータ間のクロストーク(相互干渉)などの問題が生じていた。また、接合強度やアクチュエータ基板と支持基板間の接合間隔が面内で変わることで、駆動部に張力がかかり変位が低下するという問題があった。
特許文献1では、流路基板と保持基板を接合する際の位置ずれによる機能低下やアクチュエータ間のクロストークを考慮して、保持基板隔壁の幅、液室隔壁の幅、配線層パターンの幅を規定している。これにより、流路基板と保持基板の接合信頼性を高め、小型化に貢献できるとしている。また、特許文献2では、クロストークの低減や接着剤の接着強度と封止性を十分に確保するとの目的で、保持基板の接合部分を所定の形状にしている。
しかしながら、従来の技術では、アクチュエータ付近の領域など、より確実な接合が求められる領域の一部で完全に接合がなされず、剛性が十分に確保できないという問題を解決できていない。このため、クロストークや変位の低下を防止するなど、吐出特性を向上させることが望まれている。
本発明は、剛性が必要な箇所を確実に接合でき、アクチュエータ間のクロストークを抑制でき、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、前記支持基板における前記アクチュエータ基板と接合する部分のうち、前記接合隔壁を除いた少なくとも一部が格子形状であり、前記接合隔壁の前記アクチュエータ基板と接合する部分における前記液室の短手方向の幅が、前記格子形状の線幅以上であることを特徴とする。
本発明によれば、剛性が必要な箇所を確実に接合でき、アクチュエータ間のクロストークを抑制でき、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の液体吐出ヘッドの一例における液室短手方向の断面図である。 本発明の液体吐出ヘッドの一例における液室長手方向の断面図である。 被接着剤塗布部の幅と接着剤膜厚との関係を説明するための図である。 クロストークと張力の発生メカニズムを説明するための断面模式図である。 本発明の液体吐出ヘッドの一例における平面模式図である。 本発明の液体吐出ヘッドの他の例における要部平面模式図である。 本発明の液体吐出ヘッドの他の例における要部平面模式図である。 本発明の液体吐出ヘッドの他の例における要部平面模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの一例を示す模式図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例を示す模式図である。 本発明の液体を吐出する装置の他の例における斜視図である。 本発明の液体を吐出する装置の他の例における側面図である。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明は、アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、前記支持基板における前記アクチュエータ基板と接合する部分のうち、前記接合隔壁を除いた少なくとも一部が格子形状であり、前記接合隔壁の前記アクチュエータ基板と接合する部分における前記液室の短手方向の幅が、前記格子形状の線幅以上であることを特徴とする。
(液体吐出ヘッドの基本構成)
まず、本実施形態の液体吐出ヘッドの基本構成について説明する。図1に本実施形態の液体吐出ヘッドにおける液室短手方向の断面図を示す。図2に本実施形態の液体吐出ヘッドにおける液室長手方向の断面図を示す。
本実施形態の液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ60、及び、アクチュエータ60と反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室15(加圧液室とも称する)が形成されたアクチュエータ基板100と、アクチュエータ基板100と対向する面にアクチュエータ60の駆動領域となる凹部67が形成された支持基板200と、が接着剤49により接合されてなる。
アクチュエータ基板100には、液体吐出エネルギーを発生する圧電体12、振動板13が形成され、加圧液室隔壁14、液室15が形成されている。液室15は、基板の面方向に対して長手と短手を有し、短手方向に複数備えられ、各液室15は加圧液室隔壁14で仕切られている。
アクチュエータ60は圧電体12、個別電極11等を有し、圧電体12は共通電極10、個別電極11に挟まれており、配線層42により電圧が印加される。アクチュエータ基板100には、配線層42を保護するパッシベーション膜50、配線層42と共通電極10との接続を調整する層間絶縁膜45が形成されている。
支持基板200における凹部67の非形成部がアクチュエータ基板100と接合する接合隔壁201であり、接合隔壁201は液室15の短手方向に配列している(後述の図3参照)。
アクチュエータ基板100は、ノズル孔16を有するノズル基板300が接合され、ノズル基板300は液室15の一部を形成する。また、液滴供給口66、共通液滴流路19、共通液室18が支持基板200、アクチュエータ基板100に形成され、共通液室18は液室15に連通している。
これらアクチュエータ基板100、支持基板200、ノズル基板300を接合することにより、液体吐出ヘッド1が形成される。
このように形成された液体吐出ヘッド1では、各液室15内に液体、例えば記録液(インク)が満たされた状態で、制御部からの画像データに基づいて、記録液の吐出を行うノズル孔16に対応する個別電極11に対して電圧が印加される。
この場合、例えば、発振回路により、引き出し配線、層間絶縁膜45に形成された接続孔を介して20Vのパルス電圧が印加される。この電圧パルスが印加されることにより、圧電体12は電歪効果により圧電体12そのものが振動板13と平行方向に縮み、振動板13が液室15の方向に撓む。これにより、液室15内の圧力が急激に上昇して、液室15に連通するノズル孔16から記録液が吐出する。
次に、パルス電圧印加後は縮んだ圧電体12が元に戻ることから、撓んだ振動板13が元の位置に戻る。このため、液室15内が共通液室18内に比べて負圧となり、外部から液滴供給口66を介して供給されているインクが共通液滴流路19、共通液室18から流体抵抗部17を介して液室15に供給される。
これらを繰り返すことにより、液滴を連続的に吐出でき、液体吐出ヘッドに対向して配置した被記録媒体に画像を形成する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の液体吐出ヘッドにおける一実施形態について説明する。
従来、アクチュエータ基板の割れ等の不具合を防ぐため、液体吐出ヘッドの製造過程でアクチュエータ基板を薄くする前に支持基板を接着剤で接合し、アクチュエータ基板を補強することが行われる。このとき、支持基板側に薄膜転写技術を用いて、厚さ約0.5〜4μm程度の接着剤層を形成し、その後、アクチュエータ基板と一般的な接合技術で接合する場合に、接合部の一部で完全に接合がなされず、剛性を確保できないことがあった。
本発明者は、接合部の一部で完全に接合がなされないことについて原因を詳細に調査したところ、接合が十分なされていない箇所は、転写される接着剤の量が不十分であり、転写されている接着剤の量が少ないことがわかった。また、転写される接着剤の量は被転写部の面積、例えば単位長さあたりの幅に依存していることがわかった。
図3に被接着剤塗布部の幅と接着剤膜厚との関係を説明するためのグラフを示す。この図において、「被接着剤塗布部」とあるのは、支持基板の接合隔壁における接合部分を意味し、「被接着剤塗布部の幅」とあるのは、被接着剤塗布部の単位長さあたりの幅を意味する。また、「接着剤膜厚」とあるのは、支持基板に接着剤を1μm程度の厚みで塗布(転写)した後の接着剤の膜厚を測定したものであり、アクチュエータ基板と接合する前の状態で測定したものである。
図示されるように、被接着剤塗布部の単位長さあたりの幅が大きいほど、接着剤膜厚が大きくなる(図中の破線)。これは、接着剤が塗布(転写)される部分の面積(直線形状であればその幅)の違いにより、接着剤を保持する力に違いが生じるためである。
このように、薄膜転写装置により接着剤を一律に塗布しても、接合箇所によって接着剤の量が異なり、支持基板とアクチュエータ基板との接合に寄与する接着剤の量が異なる。そして、接着剤の量を調整しないまま、支持基板とアクチュエータ基板を接合させると、接合部の一部で完全に接合がなされず、剛性が必要な箇所を確実に接合できないという問題が生じる。
図4に、クロストークと張力の発生メカニズムを説明するための模式図を示す。この図は、上部基板310と下部基板320を接着剤330で接合した場合の断面模式図であり、接着剤の量を調整しないまま基板を接合した場合の例である。図中、符号201aで示される領域は、支持基板200における接合隔壁201とアクチュエータ基板100の接合を模式的に示したものであり、符号202bで示される領域は、支持基板200における格子形状202とアクチュエータ基板100の接合を模式的に示したものである。なお、図示される接着剤330は、領域における膜厚の違いを説明するためのものであり、接着剤の幅等についてはこれに限られるものではない。
クロストークは隣り合うアクチュエータの振動が伝搬することで発生するため、クロストークを防止するためには接合隔壁201の剛性確保、すなわち接合完全性が重要となる。しかし、図示されるように、接合隔壁201における接着剤330の膜厚が薄い場合、必要な剛性を確保することができず、隣り合うアクチュエータの振動が伝搬し、クロストークが生じてしまう。また、接合隔壁201における接着剤330の膜厚が、格子形状202における接着剤330の膜厚よりも相対的に薄い場合、図中の太矢印に示されるような方向に張力がかかることでアクチュエータが存在する領域に張力がかかり、アクチュエータ変位が阻害されてしまう。
そこで、本実施形態では、上述の被接着剤塗布部の幅と接着剤膜厚の関係、基板に生じる張力の関係を考慮し、接合に寄与する接着剤膜厚を制御するため、被接着剤塗布部の形状を制御する。
図5に、本実施形態の液体吐出ヘッドの支持基板200における接合部分の平面模式図を示す。図中、アクチュエータ60が複数図示されており、液室15を省略しているが、液室15はアクチュエータ60に対応する位置に形成されている。また、アクチュエータ60は基板の面方向に長手、短手を有しており、アクチュエータ60の長手方向、短手方向はそれぞれ、液室15の長手方向、短手方向と同じである。
なお、アクチュエータ60、液室15の数はこれに限られるものではない。また、図5におけるA−A断面は図1の断面図に相当し、B−B断面は図2の断面図に相当する。
図示されるように、支持基板200における凹部67の非形成部がアクチュエータ基板100と接合する接合隔壁201であり、接合隔壁201は液室15の短手方向(アクチュエータ60の短手方向、アクチュエータ60の配列方向)に配列している。
本実施形態では、支持基板200におけるアクチュエータ基板100と接合する部分のうち、接合隔壁201を除いた少なくとも一部が格子形状202となっている。図に示される例では、図中左側が格子形状202となっている。支持基板200のうちの少なくとも一部を格子形状にすることにより、上部基板と下部基板の接合時に余計な接着剤を格子開口部に流し込むことができる。
なお、ここでは格子形状を符号202で表し、格子形状の一部を符号202aで表している。
また、接合隔壁201のアクチュエータ基板100と接合する部分における液室15の短手方向の幅が、格子形状の線幅以上となっている。すなわち、図に示されるように、接合隔壁201のアクチュエータ基板100と接合する部分における液室15の短手方向の幅をd1、格子形状202の線幅(符号202aの幅)をd2としたとき、d1≧d2を満たしている。
アクチュエータ60に隣接する接合部分、すなわち接合隔壁201に対応する部分は剛性が必要とされるが、上記のようにすることで、この部分に塗布(転写)される接着剤の量を多くすることができ、接合隔壁201で確実に接合することができる。これにより、接合隔壁201に対応する部分に十分な剛性を確保することができるため、駆動時にアクチュエータ60同士が相互に干渉してしまうアクチュエータ間のクロストークを抑制することができる。また、アクチュエータ基板に不要な張力がかかることを抑制することができ、駆動部の変位の低下を防止することができる。そのため、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドを得ることができる。
なお、本実施形態では、接合隔壁201のアクチュエータ基板100と接合する部分における液室15の短手方向の幅、及び格子形状の線幅は、数か所を測定し、平均値を求めている。
また、接合隔壁201のアクチュエータ基板100と接合する部分における液室15の短手方向の幅が、格子形状202の線幅よりも大きいことが好ましい。図に示される例の場合、d1>d2であることが好ましい。この場合、接合隔壁201に塗布される接着剤がより確実に接合に寄与し、剛性が必要な箇所で接合を確実に行うことができる。
また、接合隔壁201のアクチュエータ基板100と接合する部分における液室15の短手方向の幅d1の上限値としては、特に制限されるものではないが、d2の2倍以下であることが好ましい。
このように、被接着剤塗布部の形状を制御することにより、アクチュエータ付近における剛性が必要とされる箇所の接合を確実に行うことができ、アクチュエータ間のクロストークを抑制することができる。また、クロストークによる駆動ばらつきを抑制することができ、安定駆動、均一な吐出特性を有し、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドが得られる。
<液体吐出ヘッドの製造方法の一実施形態>
次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の一例について具体例を挙げつつ説明する。なお、製造工程における途中の図は示していないが、図1、図2及び図5が参考になる。
アクチュエータ基板100として面方位(110)のシリコン単結晶基板(例えば板厚400μm)上に振動板13を成膜する。この振動板13は、振動板としての機能と後のプロセス整合性が確保されていれば、単層、積層膜のどちらでもかまわない。
振動板としては、例えば、LP−CVD法(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)でシリコン酸化膜、ポリシリコン膜、あるいはアモルファスシリコン膜、シリコン窒化膜として、これらを所望の振動板剛性になるように積層に成膜する。
プロセス整合性、振動板剛性、及び振動板13全体の応力を鑑みて、積層数は、3〜7層程度が好ましい。後に形成する共通電極10との密着性を確保するために振動板13の最上層は、LP−CVD法で形成したシリコン酸化膜とすることが好ましい。その後、例えば、TiOとPtからなる共通電極10層をスパッタ法で各々20nmと160nm成膜する。
次に、共通電極10上に圧電体12として、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)をスピンコート法で複数回に分けて成膜し、最終的に2μm厚成膜する。次にSROとPtからなる個別電極11をスパッタ法で各々40nmと100nm成膜する。
ここで、圧電体12の成膜方法は、スピンコート法に限らず、例えばスパッタ法、イオンプレーティング法、エアーゾル法、ゾルゲル法、あるいはインクジェット法等などで成膜してもよい。そして、リソエッチ法により、後に形成する液室15に対応する位置に圧電体12と個別電極11を形成する。また、接合隔壁201の位置に対応するように圧電体12を形成する。
次に、共通電極10、圧電体12と後に形成する配線層42(引出配線)とを絶縁するために層間絶縁膜45を成膜する。層間絶縁膜45は、例えばプラズマCVD法でSiO膜を1000nm成膜する。層間絶縁膜45は、圧電体12や電極材料に影響を及ぼさず、絶縁性を有する膜であれば、プラズマCVD法のSiO以外の膜でもよい。
次に、層間絶縁膜45に対して、個別電極11と配線層42とを接続する接続孔をリソエッチ法で形成する。なお、共通電極10も配線層42と接続する場合は、同様に接続孔を形成する。
次に、配線層42として、例えばTiN/Alを各々膜厚30nm/3μmでスパッタ法により成膜する。TiNは、接続孔の底部で、個別電極11、あるいは共通電極10の材料であるPtが、配線層42の材料であるAlが直接接することにより、後の工程による熱履歴で合金化し、体積変化によるストレスによる膜剥がれ等を防止するために、合金化を防ぐバリア層として適用される。
なお、支持基板200との接合部分となる位置にも配線層42が形成される。
次に、パッシベーション膜50として、例えばプラズマCVD法によりシリコン窒化膜を1000nm厚成膜する。
その後、リソエッチ法により、配線層42の引出配線パッド部41、アクチュエータ60、及び共通液滴流路19の開口を行う。
次に、リソエッチ法により、共通液滴流路19、共通液室18になる箇所の振動板13を除去する。
次に、支持基板200に対してリソエッチ法により、アクチュエータ60に対応した位置に凹部67を形成し、同時に図5に示されるような格子形状を形成する。これにより、アクチュエータ基板100と接合させるための接着剤を塗布する部分は、例えば図5に示されるような形状となる。
次いで、支持基板200に対して、一般的な薄膜転写装置により、接着剤49を例えば厚さ1μmで塗布する。なお、接着剤49の材料としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。
そして、接着剤49を支持基板200側に塗布(転写)した後、アクチュエータ基板100と接合させる。
その後、液室15、共通液室18、流体抵抗部17を形成するためにアクチュエータ基板100を所望の厚さt(例えば厚さ80μm)になるように、公知の技術で研磨する。なお、研磨法以外にもエッチングなどを行ってもよい。
次に、リソグラフィー法により、液室15、共通液室18、流体抵抗部17以外の隔壁部をレジストで被覆する。その後、例えばアルカリ溶液(KOH溶液、あるいはTMHA溶液)で異方性ウェットエッチングを行い、液室15、共通液室18、流体抵抗部17を形成する。なお、アルカリ溶液による異方性ウェットエッチング以外にも、ICPエッチャーを用いたドライエッチングで液室15、共通液室18、流体抵抗部17を形成してもよい。
次に、各液室15に対応した位置にノズル孔16を開口したノズル基板300をアクチュエータ基板100に接合する。これにより液体吐出ヘッド1が完成する。本実施形態によれば、高精度で安定した吐出特性を有する液体吐出ヘッドを歩留りよく製造することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。図6に本実施形態を説明するための図を示す。図6(A)は図5における格子形状202に相当する図であるが、格子形状202における十字部210に空隙部212を設けている点で相違する。
格子形状202における十字部210は、その他の箇所に比べて接着剤の転写量が多くなる。これに対し、空隙部212を設けることにより、十字部に塗布(転写)される接着剤が空隙部212にある程度移動し、接合に寄与する接着剤の量を制御することができる。これにより、十字部において接合後の接合間隔が大きくなることを防止することができ、接着剤の厚みの差によるアクチュエータ60の変位部への張力を緩和することができる。
空隙部212を形成する方法は、特に制限されるものではないが、例えばリソエッチ法により形成することができる。
また、空隙部212の形状は、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。図6(A)では空隙部212を四角形状としているが、これに制限されるものではなく、他にも例えば円形状等にしてもよい。また、空隙部212は、十字部に複数設けてもよい。
図6(B)は図6(A)におけるC−C断面図であり、紙面下側でアクチュエータ基板100と接合する。ここでは、支持基板における格子形状の隔壁の高さをH、空隙部212の高さをhとしている。hは適宜変更することが可能であり、h≦Hが好ましいが、塗布(転写)される接着剤の量(厚み)、接着剤の種類、目的とする接合間隔等によってhを適宜変更することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。図7に本実施形態を説明するための図を示す。図7は図5における格子形状202に相当する図であるが、格子形状202における十字部220の幅が、十字部220以外の箇所の幅よりも小さくなっている点で相違する。
本実施形態では、格子形状202における十字部220の付近だけ矩形に幅を小さくしている。これにより、接着剤の転写量が多くなる十字部において、接合に寄与する接着剤の量を制御することができる。このため、十字部において接合後の接合間隔が大きくなることを防止することができ、接着剤の厚みの差によるアクチュエータ60の変位部への張力を緩和することができる。
なお、図中、格子形状の線幅における最大の線幅d3は、図5におけるd1よりも小さくなっており、d1≧d3となっている。また、d1>d3であることが好ましい。
(第4の実施形態)
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。図8に本実施形態を説明するための図を示す。図8は図5における格子形状202に相当する図であるが、格子形状202における十字部230の幅が、十字部230の中心に向かって連続的に小さくなっている点で相違する。
本実施形態では、格子形状202における十字部230の幅が、十字部230の中心に向かって連続的に小さくなっている。これにより、接着剤の転写量が多くなる十字部において、接合に寄与する接着剤の量を制御することができる。このため、十字部において接合後の接合間隔が大きくなることを防止することができ、接着剤の厚みの差によるアクチュエータ60の変位部への張力を緩和することができる。
なお、図中、格子形状の線幅における最大の線幅d4は、図5におけるd1よりも小さくなっており、d1≧d4となっている。また、d1>d4であることが好ましい。
(液体吐出ユニット、液体を吐出する装置)
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図9及び図10を参照して説明する。図9は同装置の要部平面説明図、図10は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図11を参照して説明する。図11は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図12を参照して説明する。図12は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイルなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、図10で示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、図11で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、図12で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
<液体を吐出する装置の一実施形態>
本実施形態の液体を吐出する装置について、インクジェット記録装置である場合の例を図13、図14を用いて説明する。図13は本実施形態のインクジェット記録装置の斜視図、図14は同装置の側面図である。
このインクジェット記録装置90は、装置本体の内部に走査方向に移動可能なキャリッジ98とキャリッジ98に搭載した液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1へインクを供給するインクカートリッジ99等で構成される印字機構部91等を収納し、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙92を積載可能な給紙カセット(あるいは給紙トレイでもよい)93を抜き差し自在に装着されている。
また、用紙92を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ94を有し、給紙カセット93あるいは手差しトレイ94から給送される用紙92を取り込み、印字機構部91によって所要の画像を記録した後、後面側の装着された排紙トレイ95に排紙する。
印字機構部91は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド96と従ガイドロッド97とキャリッジ98を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ98には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッド1を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ98には液体吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ99を交換可能に装着している。
インクカートリッジ99は、上方に大気と連通する大気口、下方には液体吐出ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられ、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液体吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液体吐出ヘッド1としては各色の液体吐出ヘッド1を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ98は後方側(用紙搬送下流側)を主ガイドロッド96に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送上流側)を従ガイドロッド97に摺動自在に載置している。
そして、このキャリッジ98を主走査方向に移動走査するため、主走査モーター101で回転駆動される駆動プーリ102と従動プーリ103との間にタイミングベルト104を張装し、このタイミングベルト104をキャリッジ98に固定しており、主走査モーター101の正逆回転によりキャリッジ98が往復駆動される。
一方、給紙カセット93にセットした用紙92を液体吐出ヘッド1に下方側に搬送するために、給紙カセット93から用紙92を分離給装する給紙ローラー105及びフリクションパッド106と、用紙92を案内するガイド部材107と、給紙された用紙92を反転させて搬送する搬送ローラー108と、この搬送ローラー108の周面に押し付けられる搬送コロ109及び搬送ローラー108からの用紙92の送り出し角度を規定する先端コロ110とを有する。搬送ローラー108は副走査モーターによってギア列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ98の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラー108から送り出された用紙92を液体吐出ヘッド1の下方側で案内するため用紙ガイド部材である印写受け部材111を設けている。この印写受け部材111の用紙搬送方向下流側には、用紙92を排紙方向へ送り出すための回転駆動される搬送コロ112と拍車113を設けている。さらに用紙92を排紙トレイ95に送り出す排紙ローラー114と拍車115と排紙経路を形成するガイド部材116、117とを配設している。
インクジェット記録装置90で記録時には、キャリッジ98を移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している用紙92にインクを吐出して1行分を記録し、その後、用紙92を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙92の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙92を排紙する。
また、キャリッジ98の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液体吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はキャッピング手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ98は印字待機中には回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液体吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係ないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出状態を維持する。
また、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液体吐出ヘッド1の吐出出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともの気泡等を吸出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、インクジェット記録装置90においては本発明で製造された液体吐出ヘッド1を搭載しているので、安定したインク吐出特性が得られ、画像品質が向上する。なお、前記説明ではインクジェット記録装置90に液体吐出ヘッド1を使用した場合について説明したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する装置等に液体吐出ヘッド1を適用してもよい。
1 液体吐出ヘッド
10 共通電極
11 個別電極
12 圧電素子
13 振動板
14 加圧隔壁
15 液室
16 ノズル孔
17 流体抵抗部
18 共通液室
19 共通液滴流路
41 引出配線パッド部
42 配線層
45 層間絶縁膜
49 接着剤
50 パッシベーション膜
60 アクチュエータ
66 液滴供給口
67 凹部
100 アクチュエータ基板
200 支持基板
201 接合隔壁
202 格子形状
210、220、230 十字部
212 空隙
300 ノズル基板
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
416 副走査モータ
417 タイミングベルト
418 タイミングプーリ
420 維持回復機構
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
442 カバー
443 コネクタ
444 流路部品
450 液体カートリッジ
451 カートリッジホルダ
452 送液ユニット
456 チューブ
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給機構
495 搬送機構
特開2013−49191号公報 特開2013−163341号公報

Claims (8)

  1. アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、
    前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、
    前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、
    前記支持基板における前記アクチュエータ基板と接合する部分のうち、前記接合隔壁を除いた少なくとも一部が格子形状であり、
    前記接合隔壁の前記アクチュエータ基板と接合する部分における前記液室の短手方向の幅が、前記格子形状の線幅以上であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記接合隔壁の前記アクチュエータ基板と接合する部分における前記液室の短手方向の幅が、前記格子形状の線幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記格子形状における十字部に空隙部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記格子形状における十字部の幅が、該十字部以外の箇所の幅よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記格子形状における十字部の幅が、該十字部の中心に向かって連続的に小さくなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出ユニット。
  7. 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ユニット。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項6若しくは7に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
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