JP6064688B2 - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液体カートリッジ並びに画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液体カートリッジ並びに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
プリンタや複写装置などの画像形成装置において、インクジェット方式が多く取り入れられている。インクジェットヘッドでは各ノズル間を狭ピッチ化していくことにより画像解像度が上げられている。そこで、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を取り入れるなどして液滴吐出ヘッドの開発が行われている。
インクジェット方式での駆動方法としては、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換により圧力室の壁面を変形させることでインク滴を吐出させる方式がよく用いられている。また、発熱抵抗体などの電気熱変換によりインクを局所的に沸騰及びバブル化させてインク滴を吐出させる方式もよく用いられている。
上記の電気機械変換方式では、圧電素子、振動板及び液室をシリコン基板上に一体形成したアクチュエータ基板(圧電素子基板)と、これらを補強するサブフレーム基板(保持基板)、ノズル孔が形成されたノズル基板などを貼り合わせ、インクジェットヘッドを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
図11は、従来の液滴吐出ヘッドを説明するための概略的な断面図である。図12は、図11に示された液滴吐出ヘッドの概略的な分解斜視図である。図11は、図12のX−X’位置及びY−Y’位置での断面に対応している。
液滴吐出ヘッドは、サブフレーム基板10、アクチュエータ基板20、ノズル基板30を備えている。
サブフレーム基板10は、隔壁部11と凹部12と貫通領域13とインク供給孔14を備えている。隔壁部11はアクチュエータ基板20との接合部となる部分である。凹部12はアクチュエータ基板20の振動板の上に空隙を設けるためのものである。貫通領域13は、アクチュエータ基板20に圧電素子駆動用IC(集積回路)を実装するための領域である。インク供給孔14は、アクチュエータ基板20にインクを供給するための貫通孔である。
アクチュエータ基板20は、流路形成層21と、振動板22と、圧電素子23と、層間絶縁膜24と、金属配線材料25と、保護膜26と、引出し配線部27と、接合面段差部28a,28bを備えている。
流路形成層21は液室21aと隔壁21bを備えている。
振動板22は液室21aの一壁面を構成している。振動板22には、インク供給孔14と液室21aとを連通するための振動板孔22a(図12での図示は省略)が形成されている。
圧電素子23は、振動板22上に、下部電極層23a、圧電体層23b、上部電極層23cがその順に積層されて形成されている。圧電素子23は層間絶縁膜24(図12での図示は省略)で覆われている。
引出し配線部27は圧電素子23に外部信号を伝達するためのものである。引出し配線部27は金属配線材料25と保護膜26で形成されている。金属配線材料25の一部分はパッド25aを構成している。金属配線材料25は保護膜26(図12での図示は省略)で覆われている。
接合面段差部28a,28bはサブフレーム基板10の隔壁部11が接合される部位である。接合面段差部28a,28bは、金属配線材料25と、金属配線材料25を覆う保護膜26で形成されている。
ノズル基板30はノズル孔31を備えている。ノズル孔31は、液室21a内の液体を吐出するためのものであり、液室21aに対応する位置に配置されている。
サブフレーム基板10の隔壁部11は、アクチュエータ基板20の接合面段差部28a,28bに接着剤41によって接合されている。ノズル基板30は、アクチュエータ基板20の隔壁21aに接着剤42によって接合されている。
圧電素子23の下部電極23a及び上部電極23cに所定の電圧が印加されることで、圧電体層23bが伸び縮みし、振動板22が変位する。これにより、液室21aの体積が変位し、液室21aからノズル孔31を介してインクが吐出される。
サブフレーム基板10の隔壁部11とアクチュエータ基板20の接合面段差部28a,28bが接合される際、接着剤41は、例えばサブフレーム基板10の隔壁部11に塗布される。接着剤塗布厚は、例えば1.0〜3.0μm(マイクロメートル)程度である。
サブフレーム基板10とアクチュエータ基板20が位置合せされた後、隔壁部11と接合面段差部28a,28bが接触及び加圧され、接着剤41の架橋温度である約60℃に加熱されて硬化される。加熱から硬化までの間に接着剤41は一旦軟化し、接着剤41の一部は隔壁部11や接合面段差部28a,28bの側面、振動板22上へ流れ出す。隔壁部11と接合面段差部28a,28bとの間の接着剤41の仕上がり膜厚は、例えば0.5〜1.5μm程度になる。
インクジェットヘッドでは、インクカートリッジ(図示は省略)から、インク供給孔14、振動板孔22a、液室21aを経由してノズル孔31へとインクが供給される。そのため、接着剤41,42による接合部分は高い接合信頼性が求められる。
液滴吐出ヘッドにおいて、圧電素子、振動板及び液室が一体形成されたアクチュエータ基板と、サブフレーム基板、ノズル基板を貼り合わせる際には接着剤などの樹脂による接合を行うのがよく使われる技術である。
例えば図11及び図12に示されるように、アクチュエータ基板20(圧電素子基板)とサブフレーム基板10(保持基板)を貼り合わせる際には、アクチュエータ基板20の圧電素子23や金属配線材料25などが形成された面と、サブフレーム基板10が貼り合わせられる。
アクチュエータ基板20側の接合面は、金属配線材料25や圧電素子23などの積層膜によって形成される段差のうち、アクチュエータ基板20内の最上面に形成された面となることが多々ある。図11及び図12に示された液滴吐出ヘッドでは、引出し配線部27上の接合面と接合面高さを合わせるために、接合面段差部28a,28bが配置されて、接合面の高さ調整がされている。
接合面段差部28a,28bは、引出し配線部27と同じ材料、すなわち金属配線材料25と保護膜26で形成されている。引出し配線部27や接合面段差部28a,28bを形成するための金属配線材料25を厚膜化していくと、局所的な凝集などにより、金属配線材料25の表面は凹凸化してくる。
金属配線材料25の表面の凹凸が接着剤41の厚みよりも大きくなると、接着剤41の局所的な極薄化やボイドの発生などを招き、信頼性を落とす要因となる。このような凹凸は、金属配線材料25以外にも、圧電素子23や絶縁層膜24などを用いて接合面段差部28a,28bを形成しても発生する可能性は高い。
このように、圧電素子のグレイン成長や配線材の異常析出などにより、アクチュエータ基板側の接合面に平滑面を得ることは難しく、アクチュエータ基板とサブフレーム基板の接合の信頼性が低下するという問題があった。
本発明は、液滴吐出ヘッドにおいて、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性を向上させることを目的とする。
本発明にかかる液滴吐出ヘッドは、ノズル孔を有するノズル基板と、上記ノズル孔に連通する液室を形成するための流路形成層、上記液室の壁面の一部を構成する振動板、及び、上記振動板の上記液室とは反対面に配置された圧電素子を有する圧電素子基板と、上記圧電素子に対向する部分に凹部を有し、上記圧電素子基板に接着剤によって接合された保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、上記圧電素子基板における上記保持基板との接合面、及び上記保持基板における上記圧電素子基板との接合面は、それぞれ、ウェハ鏡面又は上記ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んでおり、前記圧電素子基板は、前記保持基板との接合面に、前記圧電素子に電気的に接続された引出し配線部を備え、前記保持基板は、前記圧電素子基板との接合面に、前記引出し配線部の位置に対応する切欠き部を備えていることを特徴とするものである。
本発明にかかる液滴吐出ヘッドは、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性を向上させることができる。
液滴吐出ヘッドの一実施例を説明するための概略的な断面図である。 同実施例の概略的な分解斜視図である。 液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例を説明するための概略的な断面図であって、サブフレーム基板の形成工程例を説明するための図である。 同実施例を説明するための概略的な断面図であって、図3の続きの工程を説明するための図である。 同実施例を説明するための概略的な断面図であって、アクチュエータ基板の形成工程例を説明するための図である。 同実施例を説明するための概略的な断面図であって、図5の続きの工程を説明するための図である。 同実施例を説明するための概略的な断面図であって、サブフレーム基板、アクチュエータ基板及びノズル基板を接合する工程例を説明するための図である。 液体カートリッジの一実施例を説明するための概略的な斜視図である。 画像形成装置の一実施例を説明するための概略的な斜視図である。 同実施例の機構部を説明するための側面図である。 従来の液滴吐出ヘッドを説明するための概略的な断面図である。 図11に示された液滴吐出ヘッドの概略的な分解斜視図である。
本発明の液滴吐出ヘッドにおいて、例えば、上記圧電素子基板は、上記保持基板との接合面に、上記圧電素子に電気的に接続された引出し配線部を備え、上記保持基板は、上記圧電素子基板との接合面に、上記引出し配線部の位置に対応する位置に設けられた切欠き部を備えているようにしてもよい。これにより、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができる。
さらに、上記切欠き部は、深さが上記引出し配線部の厚み寸法よりも深く、かつ上記引出し配線部の厚みに上記接着剤の厚みを加えた寸法よりも浅い例を挙げることができる。これにより、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明にかかる液体カートリッジは、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクを一体化した液体カートリッジであって、上記液滴吐出ヘッドが本発明の液滴吐出ヘッドであるものである。本発明の液体カートリッジは、本発明の液滴吐出ヘッドを備えているので、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができ、ひいては液体カートリッジ全体の信頼性を向上させることができる。
本発明にかかる画像形成装置は、液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置であって、上記液滴吐出ヘッドが本発明の液滴吐出ヘッドであるものである。本発明の画像形成装置は、本発明の液滴吐出ヘッドを備えているので、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができ、ひいては画像形成装置全体の信頼性を向上させることができる。
本発明にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズル孔を有するノズル基板と、上記ノズル孔に連通する液室を形成するための流路形成層、上記液室の壁面の一部を構成する振動板、及び、上記振動板の上記液室とは反対面に配置された圧電素子を有する圧電素子基板と、上記圧電素子に対向する部分に凹部を有し、上記圧電素子基板に接着剤によって接合された保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、上記圧電素子基板における上記保持基板との接合面、及び上記保持基板における上記圧電素子基板との接合面を、それぞれ、ウェハ鏡面又は上記ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んで形成することを特徴とする。本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性を向上させることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法において、例えば、上記圧電素子基板は、上記保持基板との接合面に、上記圧電素子に電気的に接続された引出し配線部を備え、上記保持基板は、上記圧電素子基板との接合面に、上記引出し配線部の位置に対応する位置に設けられた切欠き部を備えているようにしてもよい。これにより、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法において、さらに、上記切欠き部は、深さが上記引出し配線部の厚み寸法よりも深く、かつ上記引出し配線部の厚みに上記接着剤の厚みを加えた寸法よりも浅い例を挙げることができる。これにより、圧電素子基板と保持基板との接合の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明の実施の形態を説明する。本発明は、液滴吐出ヘッドのアクチュエータ基板(圧電素子基板)とサブフレーム基板(保持基板)との接合に関して、以下の特徴を有する。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータ基板におけるサブフレーム基板との接合面として、基材であるシリコンウェハの鏡面そのもの、又は該ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んでいる。
これにより、本発明の液滴吐出ヘッドは、厚膜配線でのグレイン成長や異常析出など、表面の粗さ(ラフネス)の影響を排除して、アクチュエータ基板とサブフレーム基板との接合において、鏡面対鏡面での接合を実現することができる。
ただし、この場合、アクチュエータ基板上の圧電素子や金属配線が接合面より高い位置になるため、接合時に干渉することが考えられる。そのため、サブフレーム基板側に上記圧電素子等の干渉をなくすための凹部を形成しておく。しかし、それだけでは、例えば駆動ICへの引出し配線部のように、アクチュエータ基板とサブフレーム基板との間で封止しておきたい領域に隙間が生じる不具合がでてくる。
そのため、本発明の液滴吐出ヘッドにおいて、サブフレーム基板は、アクチュエータ基板との接合面に、引出し配線部の位置に対応する位置に設けられた切欠き部を備えているようにしてもよい。つまり、サブフレーム基板の凹部形成を2段階の深さで形成する。具体的には、振動板上の空隙形成など、比較的大きな空隙形成用の深堀パターン(凹部)と、配線逃がし用の浅堀パターン(切欠き部)の両方を形成したサブフレーム基板を用いる。
上記切欠き部を備えたサブフレーム基板と、アクチュエータ基板とが貼り合せられた際、浅堀パターン(切欠き部)と配線との間が接着剤によってシールされるように、浅堀パターンの深さの調整を行っておくことが好ましい。これにより、所望の箇所、例えば圧電素子上の空隙を封止することができる。
本発明の実施形態を説明するにあたり、MEMS技術を用いて作製されるインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)の構造について簡単に説明する。
インクジェットヘッドはアクチュエータ基板、サブフレーム基板、ノズル基板からなり、それぞれが接着剤により貼り付けされている。
アクチュエータ基板には、インクを溜め込む液室、その一壁が可動できるよう薄い振動板、振動板を駆動させるためのアクチュエータが一体で形成されている。このアクチュエータの駆動を振動板に伝達させて液室体積を変化させることで、インクジェットヘッドはインク液滴を吐出することができる。
アクチュエータ基板の厚さは、上記液室の体積に大きく関与するため、例えば数十μm厚程度まで薄化される。そこで、アクチュエータ基板には、補強用にサブフレーム基板が貼り付けられる。
アクチュエータ基板上には、振動板を駆動させるための圧電素子や駆動ICのための引出し配線部が形成されており、基板表面には数μmの段差が形成されている。そのため、従来技術では、アクチュエータ基板とサブフレーム基板の接合面は、これら段差よりも高い位置にされている。一般的には、圧電素子材料や配線材料を積層して、接合面をアクチュエータ基板の最上段高さとなるように設計されている。
この場合、圧電素子のグレイン成長や配線材料の局所的な析出などにより、接合面はかなりの凹凸が発生する。貼り合わせに用いられる接着剤厚は、例えば0.5〜数μm程度とかなり薄めであるため、接合面における上記凹凸の高さの方が接着剤厚よりも大きくなる場合には、局所的な接合不良や接着剤厚の極薄化による信頼性の低下などが問題となってくる。
本発明では、アクチュエータ基板において、サブフレーム基板との接合面として、基板の鏡面部分又は該鏡面部分上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んでいるようにした。これにより、上述のような凹凸に起因する不具合がなく、信頼性の高い接合を行うことが可能となる。
ただし、同じく前述のように、圧電素子や配線からなる凹凸形状が接合時にサブフレーム基板と干渉させることがないように、サブフレーム基板側には凹部を形成する必要がある。また、この凹部に関しては、2段階エッチングにより浅い座繰り(切欠き部)と深い座繰り(凹部)を形成することが好ましい。浅い座繰りのほうは、集約された配線などと、余剰接着剤とにより充填され、封止された空間を形成するための壁面の一部を形成する。深い座繰りのほうは、振動板上の逃げ空間(空隙)などを形成するように配列されるように設計が行われる。
以下に、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は、液滴吐出ヘッドの一実施例を説明するための概略的な断面図である。図2は、この実施例の概略的な分解斜視図である。
液滴吐出ヘッドは、サブフレーム基板10(保持基板)、アクチュエータ基板20(圧電素子基板)、ノズル基板30を備えている。
サブフレーム基板10は、隔壁部11と凹部12と貫通領域13とインク供給孔14と切欠き部15を備えている。
隔壁部11はアクチュエータ基板20との接合部となる部分である。
凹部12はアクチュエータ基板20の振動板の上に空隙を設けるためのものである。
貫通領域13は、アクチュエータ基板20に圧電素子駆動用ICを実装するための領域である。
インク供給孔14は、アクチュエータ基板20にインクを供給するための貫通孔である。
切欠き部15は、隔壁部11におけるアクチュエータ基板20との接合面に、アクチュエータ基板20の金属配線材料25の位置に対応する位置に設けられている。
アクチュエータ基板20は、流路形成層21と、振動板22と、圧電素子23と、層間絶縁膜24と、金属配線材料25及び保護膜26を含む引出し配線部27と、を備えている。図2において、層間絶縁膜24及び保護膜26の図示は省略されている。
流路形成層21は、液室21aと隔壁21bを備えている。液室21aは、吐出される液体が貯留される空間である。隔壁21bは、液室21aの側面を構成し、液室21aの形成位置を画定している。
振動板22は、流路形成層21の液室21a上及び隔壁21b上に配置されている。振動板22は、例えば、シリコン酸化物層、シリコン窒化物層、ポリシリコン層など複数層の膜で形成されている。振動板22は、液室21aの一壁面を構成している。振動板22は液室21aの一壁面を構成している。振動板22には、インク供給孔14と液室21aとを連通するための振動板孔22aが形成されている。
圧電素子23は、振動板22上に、下部電極層23a、圧電体層23b、上部電極層23cがその順に積層されて形成されている。圧電体層23bは例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)膜で形成されている。
層間絶縁膜24は、圧電素子23を覆って振動板22上に形成されている。層間絶縁膜24は、圧電素子23の保護膜として機能する。
金属配線材料25は圧電素子23に外部信号を伝達するためのものである。金属配線材料25の一部分はパッド25aを構成している。
保護膜26は、金属配線材料25を覆って層間絶縁膜24上に形成されている。パッド25a上の保護膜26は除去されている。
引出し配線部27は、金属配線材料25及び保護膜26によって構成されている。
ノズル基板30はノズル孔31を備えている。ノズル孔31は、液室21a内の液体を吐出するためのものであり、液室21aに対応する位置に配置されている。
サブフレーム基板10の隔壁部11は、アクチュエータ基板20の振動板22の表面に接着剤41によって接合されている。ノズル基板30は、アクチュエータ基板20の隔壁21aに接着剤42によって接合されている。
上述のように、サブフレーム基板10は、隔壁部11におけるアクチュエータ基板20との接合面に、アクチュエータ基板20の金属配線材料25の位置に対応する位置に設けられた切欠き部15を備えている。
隔壁部11におけるアクチュエータ基板20との接合面からの切欠き部15の深さは、引出し配線部27の厚み寸法(振動板22上の層間絶縁膜24、金属配線材料25及び保護膜26の合計の厚み寸法)よりも深い。また、切欠き部15の深さは、引出し配線部27の厚み寸法に、接着剤41の厚みを加えた寸法よりも浅い。
また、切欠き部15の幅寸法は、引出し配線部27の幅寸法(金属配線材料25の幅寸法と、金属配線材料25の側面における保護膜26の厚み寸法の合計の寸法)よりも広い。また、切欠き部15の幅寸法は、引出し配線部27の幅寸法に、接着剤41の厚みを加えた寸法よりも狭い。
すなわち、切欠き部15の内壁面と、引出し配線部27(アクチュエータ基板20)との間には、接着剤41が充填されている。
圧電素子23の下部電極23a及び上部電極23cに所定の電圧が印加されることで、圧電体層23bが伸び縮みし、振動板22が変位する。これにより、液室21aの体積が変位し、液室21aからノズル孔31を介してインクが吐出される。
この実施例では、サブフレーム基板10の加工により、サブフレーム基板10の隔壁部11において、振動板22との接合面と引出し配線部27との接合面(切欠き部15)との高さを異ならせている。この実施例は、図11及び図12に示された接合面段差部28a,28bを有さずに、隔壁部11と振動板22とを接着剤41により接合している。さらに、切欠き部15の内壁面と引出し配線部27との間には、接着剤41が充填されている。
これにより、この実施例は、隔壁部11と振動板22との接合部分において、ウェハの鏡面同士を接合することができる。したがって、この実施例は、サブフレーム基板10とアクチュエータ基板20との接合部について、接合面凹凸の懸念なく、信頼性の高い接合を得ることができる。
また、サブフレーム基板10と引出し配線部27との接合部分においては、パッド25aに動用ICが実装される際に貫通領域13に充填されるアンダーフィル等の樹脂に対するシール性が求められる。接合性能としては、アンダーフィル充填から硬化までの間に、アンダーフィルが引出し配線部27を伝って圧電素子23上に流れ出さないシール性が必要となる。
この実施例では切欠き部15の内壁面と引出し配線部27との間に接着剤41が充填されているので、この実施例は、アンダーフィル等の樹脂が貫通領域13側から凹部12側へ流れ込むのを防止することができる。
図3から図7は、液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例を説明するための概略的な断面図である。この製造方法の実施例は、図1及び図2に示された液体吐出ヘッドの形成工程例である。図3及び図4は、サブフレーム基板の形成工程例を説明するための図である。図5及び図6は、アクチュエータ基板の形成工程例を説明するための図である。図7は、サブフレーム基板、アクチュエータ基板及びノズル基板を接合する工程例を説明するための図である。
図3から図7を参照して、この製造方法の実施例を説明する。なお、本発明の液体吐出ヘッドは、この製造方法の実施例によって形成されるものに限定されない。また、液体吐出ヘッドの製造方法は、この実施例に限定されない。
図3及び図4を参照してサブフレーム基板の形成工程例を説明する。以下に説明する各工程のかっこ数字は図3及び図4の中のかっこ数字に対応している。
(1)例えばシリコンウェハからなるサブフレーム基板10の上に、エッチングマスク材となるシリコン酸化膜51を形成する。サブフレーム基板10は、例えば、厚みが400μm、面方位が<100>のシリコンウェハである。シリコン酸化膜51は、熱酸化又はCVD(化学気相成長)法により、所望の膜厚で形成されたものである。
(2)写真製版技術及びエッチング技術により、シリコン酸化膜51のパターンを形成する。シリコン酸化膜51のパターンは、隔壁部11の形成予定領域に形成され、凹部12及び切欠き部15の両方に開口を有するパターンとなっている。
(3)写真製版技術によってレジスト52のパターンを形成する。レジスト52のパターンは、隔壁部11の形成予定領域に形成される。ただし、切欠き部15の形成予定領域に対応する隔壁部11の形成予定領域には形成されない。
(4)レジスト52をマスク材として、サブフレーム基板10に対してエッチングを行って、凹部12の一部分、貫通領域13の一部分、及びインク供給孔14の一部分を形成する。このエッチング深さは、所望の凹部12の深さから、切欠き部15の深さを差し引いた深さに制御される。
(5)レジスト52を除去する。シリコン酸化膜51をマスクとしてエッチングを行って、凹部12、貫通領域13の一部分、インク供給孔14の一部分、及び切欠き部15を形成する。このエッチング深さは、切欠き部15の深さとなるため、引出し配線部27の高さ以上、かつ引出し配線部27に接着剤41の厚みを加えた高さ以下に制御する。
(6)シリコン酸化膜51を除去する。サブフレーム基板10の表裏を反転させる。写真製版技術により、レジスト53のパターンを形成する。レジスト53のパターンは、駆動用IC実装領域などの貫通領域13、及びインクを供給するためのインク供給孔14を開口するパターンである。
(7)レジスト53をマスクとして用いて、サブフレーム基板10をエッチングし、貫通領域13及びインク供給孔14貫通孔を形成する。レジスト53を除去する。これにより、サブフレーム基板10の形成工程が完了する。
図5及び図6を参照してアクチュエータ基板の形成工程例を説明する。以下に説明する各工程のかっこ数字は図5及び図6の中のかっこ数字に対応している。
(1)アクチュエータ基板20を形成するために、流路形成層21上に振動板22を成膜する。流路形成層21は、例えば、厚みが625μm、面方位が<100>のシリコンウェハである。流路形成層21の上に熱酸化法及びCVD法により、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びポリシリコン膜をそれぞれ所望の膜厚で形成して振動板22を形成する。
(2)振動板22上に、圧電素子23を形成するための下部電極層23a、圧電体層23b、上部電極層23cをその順に成膜する。下部電極層23aは、例えば、スパッタ法によって順次成膜されたSrRuO3(SRO)膜/Pt膜/Ti膜の積層膜である。圧電体層23bは、例えば、ゾルゲル法によって成膜されたPZT膜である。上部電極層23cは、例えば、スパッタ法によって順次成膜されたSRO膜/Pt膜の積層膜である。
(3)写真製版技術及びエッチング技術により、上部電極層23c、圧電体層23b、下部電極層23aを順次パターニングして、圧電素子23のパターンを形成する。この形成工程例では、上部電極層23c、圧電体層23b、下部電極層23aを別々にパターニングしている。ただし、例えば、上部電極層23cと圧電体層23b、もしくは圧電体層23bと下部電極層23aを、同一マスクパターンを用いて一括でパターニングしてもよい。
(4)層間絶縁膜24を形成する。層間絶縁膜24は、圧電素子23を覆っている。層間絶縁膜24は、例えば、ALD(アトミックレイヤーデポジション)法によって形成されたAl23膜と、CVD法によって形成されたシリコン酸化膜の積層体からなる2層構造で形成される。写真製版技術及びエッチング技術により、層間絶縁膜24に引出し配線部用のコンタクトホールを形成する。このとき、サブフレーム基板10が接合される領域の層間絶縁膜24も除去される。
(5)圧電素子23に外部信号を伝達するための金属配線材料25aを形成する。金属配線材料25aは、例えば、スパッタ法によってAl膜/TiN膜の積層膜が成膜された後に、写真製版技術及びエッチング技術によってパターニングされたものである。
保護膜26としてのパッシベーション膜を成膜する。写真製版技術及びエッチング技術により、保護膜26にパッド開口を形成して、金属配線材料25aの一部分からなるパッド25aを露出させる。このとき、サブフレーム基板10が接合される領域の保護膜26も除去される。
(6)写真製版技術及びエッチング技術により、振動板22の一部を開口し、振動板孔22aを形成する。振動板孔22aは、サブフレーム基板10のインク供給孔14の位置に対応する位置に形成される。インクカートリッジから供給されたインクは、振動板孔22aを介して液室21aに流入されることとなる。
図7を参照して、サブフレーム基板、アクチュエータ基板及びノズル基板を接合する工程例を説明する。以下に説明する各工程のかっこ数字は図7の中のかっこ数字に対応している。
(1)サブフレーム基板10の隔壁部11の接合面に、印刷技術により接着剤41を塗布する。このとき、印刷押込み圧を調整し、切欠き部15の内部にも接着剤41を塗布する。ボンディング装置により、アクチュエータ基板20とサブフレーム基板10を位置合せして、接地及び加圧した後、昇温して接着剤41を硬化させる。接着剤41は、例えば60〜100℃程度で、数分間で硬化されるものであるが、加圧及び昇温により、余剰の接着剤41が流れ出す。これにより、サブフレーム基板10とアクチュエータ基板20が接合される。
(2)サブフレーム基板10が接合されたアクチュエータ基板20の流路形成層21を研磨技術により所望の厚みに薄化する。写真製版技術及びエッチング技術により、流路形成層21を加工して、液室21a及び隔壁21bを形成する。研磨により薄化された流路形成層21の厚みは、液室21aの体積に合わせて所望の値に調整される。
(3)ノズル基板30と、アクチュエータ基板20の隔壁21bを接着剤42によって接合する。接着剤42は、例えば接着剤41と同じものである。ただし、接着剤41と接着剤42は、成分が互いに異なるものであってもよい。
これらの工程を経て、図1及び図2に示された液滴吐出ヘッドを完成させることができる。
図8は、液体カートリッジの一実施例を説明するための概略的な斜視図である。
液体カートリッジ201は、ノズル孔202等を有する上記実施例の液滴吐出ヘッド203と、液滴吐出ヘッド203に対して液体を供給する液体タンク204とを一体化したものである。
このように液体タンク一体型のヘッドの場合、液滴吐出ヘッド203の性能はただちに液体カートリッジ201全体の性能につながるので、信頼性の高い液滴吐出ヘッド203を使用することにより、信頼性の高い液体カートリッジ201を得ることができる。
図9は、画像形成装置の一実施例を説明するための概略的な斜視図である。図10はこの実施例の機構部を説明するための側面図である。
画像形成装置301は、記録装置本体302の内部に印字機構部303等を収納している。印字機構部303は、主走査方向に移動可能なキャリッジ310、キャリッジ310に搭載した本発明を実施した液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド311、記録ヘッド311へインクを供給するインクカートリッジ312等で構成されている。画像形成装置301は、記録装置本体302の下方部には前方側から多数枚の用紙304を積載可能な給紙カセット(又は給紙トレイでもよい。)305を抜き差し自在に装着することができる。また、画像形成装置301は、用紙304を手差しで給紙するための手差しトレイ306を開倒することができる。画像形成装置301は、給紙カセット305又は手差しトレイ306から給送される用紙304を取り込み、印字機構部303によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ307に排紙する。
印字機構部303は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド308と従ガイドロッド309とでキャリッジ310を主走査方向(図10で紙面垂直方向)に摺動自在に保持している。キャリッジ310にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッドが複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列されている。記録ヘッドはインク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。また、キャリッジ310には記録ヘッドに各色のインクを供給するための各インクカートリッジ312が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ312は、上方に大気と連通する大気口を有し、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を有している。また、インクカートリッジ312は、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色の記録ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ310は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド308に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド309に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ310を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ313で回転駆動される駆動プーリ314と従動プーリ315との間にタイミングベルト316が張装されている。キャリッジ310はタイミングベルト316に固定されており、主走査モータ313の正逆回転によりキャリッジ310が往復駆動される。
給紙カセット305にセットした用紙304を記録ヘッドの下方側に搬送するために、給紙ローラ317、フリクションパッド318、ガイド部材319、搬送ローラ320、搬送コロ321及び先端コロ322が設けられている。給紙ローラ317及びフリクションパッド318は給紙カセット305から用紙304を分離給装する。ガイド部材319は用紙304を案内する。搬送ローラ320は給紙された用紙304を反転させて搬送する。搬送コロ321は搬送ローラ320の周面に押し付けられる。先端コロ322は搬送ローラ320からの用紙304の送り出し角度を規定する。搬送ローラ320は副走査モータ323によってギヤ列を介して回転駆動される。
キャリッジ310の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ320から送り出された用紙304を記録ヘッド311の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材324が設けられている。印写受け部材324の用紙搬送方向下流側には、用紙304を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ325、拍車326が設けられている。さらに用紙304を排紙トレイ307に送り出す排紙ローラ327及び拍車328と、排紙経路を形成するガイド部材329,330が配設されている。
記録時には、キャリッジ310を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド311を駆動することにより、停止している用紙304にインクを吐出して1行分を記録し、用紙304を所定量搬送後次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙304の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙304を排紙する。
また、キャリッジ310の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッドの吐出不良を回復するための回復装置331が配置されている。回復装置331はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ310は印字待機中にはこの回復装置331側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッドをキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッドの吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示は省略)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、画像形成装置301においては本発明を実施した液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド311が搭載されている。記録ヘッド311の性能はただちに画像形成装置301全体の性能につながるので、本発明を実施した液滴吐出ヘッドからなる信頼性の高い記録ヘッド311を使用することにより、信頼性の高い画像形成装置301を得ることができる。
なお、本発明にかかる画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、本発明にかかる画像形成装置は、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置、又はこれらを備えた画像形成装置にも適用することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記実施例での数値、材料、配置、個数等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施例では、アクチュエータ基板20におけるサブフレーム基板10との接合面は、シリコンウェハからなる流路形成層21上に均一な膜厚で形成された振動板22(ウェハ鏡面)である。ただし、本発明において、圧電素子基板のウェハ鏡面はこれに限定されない。例えば、圧電素子基板においてサブフレーム基板が接合されるウェハ鏡面は、半導体ウェハ、例えばシリコンウェハそのものであってもよいし、ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された膜の表面の鏡面であってもよい。
なお、本発明において、ウェハ鏡面とは、半導体ウェハのウェハ鏡面そのものの他に、半導体ウェハのウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜であって、該膜の表面が鏡面になっているものを含む。ここで、上記1層の膜及び上記複数層の膜を構成する各膜は、絶縁膜であってもよいし、導電膜であってもよいし、半導体膜であってもよい。
また、上記実施例では、アクチュエータ基板20におけるサブフレーム基板10との接合面は振動板22(ウェハ鏡面)であるが、本発明において、圧電素子基板における保持基板との接合面は、ウェハ鏡面に限定されない。本発明において、圧電素子基板における保持基板との接合面は、ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面であってもよい。例えば、該絶縁膜の表面は、層間絶縁膜24の表面であってもよいし、保護膜26の表面であってもよい。
また、上記実施例では、サブフレーム基板10におけるアクチュエータ基板20との接合面はシリコンウェハのウェハ鏡面そのものであるが、本発明において、保持基板における圧電素子基板との接合面は、これに限定されない。保持基板における圧電素子基板との接合面は、他の半導体ウェハのウェハ鏡面であってもよいし、ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面であってもよい。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、上記実施例の液滴吐出ヘッドの構成に限定されない。本発明の液滴吐出ヘッドは、圧電素子基板と保持基板が接着剤によって接合された液滴吐出ヘッドであれば、どのような構成の液滴吐出ヘッドに対しても適用できる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドにおいて、1つ液室に複数のノズル孔が配置されていてもよい。
10 サブフレーム基板(保持基板)
12 凹部
15 切欠き部
20 アクチュエータ基板(圧電素子基板)
21 流路形成層
21a 液室
22 振動板
23 圧電素子
27 引出し配線部
30ノズル基板
31 ノズル孔
41 接着剤
201 液体カートリッジ
203 液滴吐出ヘッド
301 画像形成装置
特開2009−78534号公報

Claims (6)

  1. ノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル孔に連通する液室を形成するための流路形成層、前記液室の壁面の一部を構成する振動板、及び、前記振動板の前記液室とは反対面に配置された圧電素子を有する圧電素子基板と、前記圧電素子に対向する部分に凹部を有し、前記圧電素子基板に接着剤によって接合された保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記圧電素子基板における前記保持基板との接合面、及び前記保持基板における前記圧電素子基板との接合面は、それぞれ、ウェハ鏡面又は前記ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んでおり、
    前記圧電素子基板は、前記保持基板との接合面に、前記圧電素子に電気的に接続された引出し配線部を備え、
    前記保持基板は、前記圧電素子基板との接合面に、前記引出し配線部の位置に対応する切欠き部を備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記切欠き部は、深さが前記引出し配線部の厚み寸法よりも深く、かつ前記引出し配線部の厚みに前記接着剤の厚みを加えた寸法よりも浅い、請求項に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクを一体化した液体カートリッジにおいて、
    前記液滴吐出ヘッドが請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  4. 液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置において、
    前記液滴吐出ヘッドが請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
  5. ノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル孔に連通する液室を形成するための流路形成層、前記液室の壁面の一部を構成する振動板、及び、前記振動板の前記液室とは反対面に配置された圧電素子を有する圧電素子基板と、前記圧電素子に対向する部分に凹部を有し、前記圧電素子基板に接着剤によって接合された保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記圧電素子基板における前記保持基板との接合面、及び前記保持基板における前記圧電素子基板との接合面を、それぞれ、ウェハ鏡面又は前記ウェハ鏡面上に均一な膜厚で形成された1層又は複数層の膜の表面を含んで形成しており、
    前記圧電素子基板は、前記保持基板との接合面に、前記圧電素子に電気的に接続された引出し配線部を備え、
    前記保持基板は、前記圧電素子基板との接合面に、前記引出し配線部の位置に対応する位置に設けられた切欠き部を備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記切欠き部は、深さが前記引出し配線部の厚み寸法よりも深く、かつ前記引出し配線
    部の厚みに前記接着剤の厚みを加えた寸法よりも浅い、請求項に記載の液滴吐出ヘッド
    の製造方法。
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