JP2014172352A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出カートリッジ、液滴吐出装置。 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出カートリッジ、液滴吐出装置。 Download PDF

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好三 浦崎
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Abstract

【課題】本発明は、共通液室の充填性・気泡排出性を向上しつつ、ダンピング機能を損なうことなく、液滴吐出ヘッドの組み付け性の向上、低コスト化を図った液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】アクチュエータが形成されたアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータを保護する保護基板と、を有しており、
前記アクチュエータ基板の前記保護基板と対向する面には、前記保護基板と接合するための凸形状の接合部が設けられ、
前記接合部の、前記保護基板との接合面の少なくとも一部は複数に分割され、島状のパターンが形成されている液滴吐出ヘッドを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出カートリッジ、液滴吐出装置、に関する。
液滴吐出ヘッドは、一般的に、所定の形状に加工され、圧電体等の各種部材が形成された複数の基板を接合することにより形成されている。近年、特に微細な液滴を精度良く吐出できる液滴吐出ヘッドが求められており、基板について微細な加工を行い、各部材を小型化し、高密度に実装されるようになってきている。このため、複数の基板を高精度で接合することが要求される。
上記のように複数の基板を接合する際には、従来から接着剤が用いられてきているが、接合部において基板間を十分な強度で接合するために接着剤の塗布量が多くなると接着剤がはみ出し、他の部材の機能を阻害する恐れがある。また、接着剤の塗布量を少なくすると、基板間の接着強度が低下し問題であった。
液滴吐出ヘッドを構成する基板のうち、アクチュエータが形成されたアクチュエータ基板と、アクチュエータを保護する保護基板との接合部においては、特に接合面積が狭幅で、接着剤のはみ出しの影響が大きい。このため、接合強度と接着剤のはみ出し量の抑制を同時に満足させることは非常に困難であった。
液滴吐出ヘッドの部材を接着する構成として、例えば特許文献1には、インク吐出口を有する吐出口プレートを、ヘッド本体のインク路に連通する開口が形成されている面に接着された構成を有するインクジェット記録ヘッドが開示されている。そして、吐出口プレートの接着面側に、接着剤逃げ用の凹部、または表面への貫通孔が形成されている旨開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたインクジェット記録ヘッドは、吐出口プレートと、ヘッド本体との接着部分の構成に関するものであり、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部のように狭幅部での接合に適用できるものではなかった。
また、アクチュエータ基板と、保護基板との接合の際、接合強度を低下させることなく、接着剤のはみ出しを抑制した液滴吐出ヘッドは知られていなかった。
本発明は、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部において、接着剤のはみ出しを抑制し、かつ、両基板間の接合強度を高めた液滴吐出ヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明はアクチュエータが形成されたアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータを保護する保護基板と、を有しており、
前記アクチュエータ基板の前記保護基板と対向する面には、前記保護基板と接合するための凸形状の接合部が設けられ、
前記接合部の、前記保護基板との接合面の少なくとも一部は複数に分割され、島状のパターンが形成されている液滴吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部において、接着剤のはみ出しを抑制し、かつ、両基板間の接合強度を高めた液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの構成の説明図 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの断面図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドにおける、ノズル孔と、個別液室の配置説明図。 図3のA−A線における断面図。 図3のB−B線における断面図。 従来の液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板と保護基板との接合部の説明図。 従来の液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板と保護基板との接合部の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板と保護基板との接合部の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板と保護基板との接合部の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの接合部の保護基板との接合面に形成される島状のパターンの説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの接合部の他の構成例の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの接合部の保護基板との接合面に形成される島状パターンの配置の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造工程の説明図。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの他の製造工程の説明図(その1)。 本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの他の製造工程の説明図(その2)。 本発明の第2の実施形態に係る液滴吐出カートリッジの構成説明図。 本発明の第3の実施形態に係る液滴吐出装置の斜視説明図。 本発明の第3の実施形態に係る液滴吐出装置の機構部の側面説明図。
以下に、発明を実施するための形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[第1の実施形態]
本実施形態では、本発明の液滴吐出ヘッドの構成例について説明する。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータが形成されたアクチュエータ基板と、アクチュエータを保護する保護基板と、を有している。そして、アクチュエータ基板の保護基板と対向する面には、保護基板と接合するための凸形状の接合部が設けられ、接合部の、保護基板との接合面の少なくとも一部は複数に分割され、島状のパターンが形成されている。
まず、液滴吐出ヘッドの構成について説明する。
液滴吐出ヘッドは、複数の基板、部材により構成することができる。例えば図1に示すように、ノズル孔カバー11、ノズル孔板12、アクチュエータ基板13、FPC(フレキシブルケーブル)14、バッキンプレート15、ダンパープレート16、フレーム17の各部材で構成することができる。
ここで、図1のA−A線における断面図を図2に示す。図2においては、構造が分かり易いように図1とは上下方向を反対にして示している。
図2に示すように、アクチュエータ基板13は、液路基板部134を有しており、さらに、アクチュエータ基板13上には保護基板131、駆動素子132、振動板部133、駆動回路135及びその他の部材を設置することができる。そして、図2中矢印Xで示したように、図2中上方の図示しない液体タンク等から供給された液体は図示しないフレーム17、ダンパープレート16、バッキンプレート15、アクチュエータ基板13を経由する。そして、ノズル孔板12に設けられたノズル孔より液滴が吐出される。
次に図3〜図5を用いて、アクチュエータ基板13、保護基板131及びノズル孔板12周辺の構成について説明する。
まず、図3は、液滴吐出ヘッドにおける、ノズル孔板12に設けられたノズル孔31と、ノズル孔に連通し、液体を供給する個別液室32の配置の構成例を模式的に示したものである。
図3に示すように、液滴吐出ヘッドにおいては複数のノズル孔31と、これに連通する個別液室32とが配列された構成を有している。 そして、図3中のA−A線における断面図を図4に示す。また、図3中B−B線における断面図を図5に示す。図4、図5においては、アクチュエータ基板13、保護基板131、ノズル孔板12周辺の構成を示している。
図4に示すように、アクチュエータ基板13のノズル孔側の液路基板部134には、個別液室32、流体抵抗41、液体供給部42が形成されている。個別液室32は既述のようにノズル孔31に連通しており、後述する駆動素子から振動板部を介して加えられた圧力によりノズル孔31に液体を供給し、液滴を吐出する。また、個別液室32は、上記のように流体抵抗41、液体供給部42と連通しており、これらの部材を介して液体が補充されるように構成されている。
上記アクチュエータ基板13は、例えばシリコン基板により形成することができる。この場合、上記液路基板部134に設けられた上記個別液室等は、例えば、フォトリソグラフィー技術及び、ICPエッチャー等を用いた反応性イオンエッチングによるF系ガスを用いたドライエッチング技術を用いることで形成することができる。
係る工程は、後述するアクチュエータ基板表面の駆動素子を形成後に、裏面研磨により基板板厚を所望の厚さ(例えば100μm程度)に研磨し、その後該研磨面において行うことが好ましい。
アクチュエータ基板上には図に示すように駆動素子132を形成することができる。
駆動素子132の構成は特に限定されるものではないが、後述する振動板部133を駆動するために圧力を発生する圧電体1322、圧電体に圧力を発生させるために圧電体に電気を印加する上部電極1323及び下部電極1321を備えた構成とすることができる。さらに、該電気を通電する配線1325、配線1325と上部電極1323及び下部電極1321を絶縁する層間絶縁膜1324、アクチュエータ基板表面を外気より遮断するパッシベーション膜1326を設けることができる。また、駆動素子132の通電制御のためのICチップ等からなる駆動回路135を、前記配線1325により駆動素子132と接続することができる。該駆動回路135は図1に示すFCP(フレキシブルケーブル)14にて外部の電源等と接続することができる。
圧電体1322の材料は特に限定されるものではなく、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)や、BaTiO(チタン酸バリウム)等の各種圧電材料を用いることができる。圧電体の形成方法は特に限定されるものではないが、例えばゾル−ゲル法により形成することができる。また、その膜厚についても、圧電体の材料、すなわち、その圧電特性や、要求される液滴の吐出量等により選択することができるが、例えば1μm以上2μm以下とすることが生産性等の観点から好ましい。圧電体1322は上記のように、アクチュエータ基板上に下部電極1321を介して形成することができる。
上部電極1323及び下部電極1321についてもその材料は特に限定されるものではなく、各種の導電材料を用いることができ、例えばPt、Au、Inやその合金等の低抵抗材料により構成することができる。また、複数の層から構成することもできる。
その厚さは特に限定されるものではなく、圧電体1322に必要な電流を供給できるように電極を構成する材料に応じて選択すればよい。例えば、膜厚は100nm〜200nmとすることができる。また、電極の形成方法については特に限定されるものではないが、例えばスパッタ法により形成することができる。
配線1325の材料も特に限定されるものではなく、各種導電材料を用いることができるが、例えばアルミニウムにより形成することが好ましい。この場合、配線1325は例えばスパッタ法により形成することができる。また、膜厚についても供給する電流量等に応じて選択することができるが、例えば1μm以上3μm以下とすることが好ましい。
層間絶縁膜1324は、配線1325と、上部電極1323及び下部電極1321との間を絶縁するように構成されていれば良く特に限定されるものではないが、各種酸化物を用いることができる。また、複数の層から構成することができ、例えば、ALD法(原子層堆積法)による酸化膜及びプラズマCVD法による酸化膜の積層膜により構成することもできる。膜厚についても特に限定されるものではないが、膜厚を厚くし過ぎると圧電体1322の変位への影響が大きくなるので、1μm以下とすることが好ましい。
パッシベーション膜1326については、アクチュエータ基板表面を外気より遮断し、保護できる材料であれば良く特に限定されるものではないが、例えば、窒化膜を好ましく用いることができる。成膜方法についても特に限定されるものではなく、各種成膜方法を用いることができるが、例えばプラズマCVD法により成膜することが好ましい。膜厚についても特に限定されないが、膜厚が厚すぎると圧電体1322の変位を妨げ、また、薄すぎるとパッシベーション膜としての機能を十分に果たせなくなることから、0.7μm以上1.5μm以下とすることが好ましい。
そしてアクチュエータ基板13の駆動素子132と対向する面には振動板部133が形成されている。振動板部133は、圧電体1322により発生した圧力を個別液室32内の液体に伝える働きを有している。振動板部133については上記のように圧電体1322の変位により発生した圧力に応じて変形できるように構成されていれば良く、その材料は特に限定されるものではない。例えば、酸化膜、窒化膜、ポリシリコン膜等の単一膜又は複数の膜を積層膜により構成することができ、拡散炉やCVD装置等を用いて形成することができる。膜厚についても特に限定されるものではないが、厚すぎると圧電体により発生した圧力を適切に伝えることができない場合があり、薄いと破損する恐れがあることから、例えば、0.5μm以上3μm以下とすることが好ましい。なお、積層膜の場合には積層膜全体の膜厚が前記範囲にあることが好ましい。
保護基板131は、図4、5に示すように、アクチュエータを収容し、保護するためのアクチュエータ収容部(キャビティ)1311や、液体の供給経路1312を有している。保護基板131の厚さについても特に限定されるものではなく、アクチュエータ収容部1311のサイズにより選択することができる。例えば、400μm以上650μm以下とすることが好ましい。
保護基板131はアクチュエータを収容し、保護できるように構成されていれば良く、その材料については特に限定されるものではないが、上記のようなキャビティを容易に加工できることからシリコンにより形成されていることが好ましい。保護基板131を上記のようなキャビティ等を有するように所定の形状に加工する方法は特に限定されるものではない。例えば、フォトリソグラフィー技術及び、ICPエッチャー等を用いた反応性イオンエッチングによるF系ガスを用いたドライエッチング技術を用いることで形成することができる。
ノズル孔板12は、液滴を飛翔させるための微細口である多数のノズル孔31が個別液室32に連通するように、個別液室の先端部分(端部)に設けられている。ノズル孔のノズル孔径は要求される液滴のサイズにより選択することができるが、例えば、10μm以上35μm以下とすることができる。
ノズル孔板12の材料は特に限定されるものではなく、用いる液体により腐食されず、個別液室に加えられる圧力に耐えられるものであればよい。例えば、ポリイミド等の樹脂フィルムを用いることができる。この場合、例えば、レーザー加工によりノズル孔を形成することができる。また、電鋳工法によって製造したNi等の金属板や、シリコン、その他金属材料を用いることができる。
さらに、ノズル孔板12の液滴吐出面には撥水性の表面処理膜を成膜しておくことが好ましい。
以上のような構成を有する保護基板131、アクチュエータ基板13、ノズル孔板12は接合されている。
そして、図4にブロック矢印Xで示すように、保護基板131及びアクチュエータ基板13に形成された液体の供給経路1312から供給された液体は、液路基板部134の液体供給部42、流体抵抗41を経由し、個別液室32に流入する。これにより、個別液室32にインクが充填される。そして、アクチュエータ基板13に実装された駆動回路135からの入力(電圧)が配線1325を経由し、駆動素子132の下部電極1321に加わることで圧電体1322に変位が発生する。この際、圧電体1322の変位による圧力が振動板部133により個別液室32に伝えられ、これによりノズル孔31より液滴が射出される。
次に、上記のような各部材を有する本実施形態の液滴吐出ヘッドのアクチュエータ基板13と保護基板131との接合部分について説明する。
図5に示すように、アクチュエータ基板13の保護基板131と対向する面には、保護基板131と接合するための凸形状の接合部51が設けられている。そして、該接合部において、保護基板131と接着剤52によって接合(接着)されている。なお、図中接合部51は他の接合部分と高さをあわせるため、下部電極1321、層間絶縁膜1324上に形成した例を示しているが、係る形態に限定されるものではない。例えば、接合部においては下部電極1321等を設けずに振動板部133上に直接接合部を設けた構成とすることもできる。また、接合部51は2層からなる例を示しているが、後述のように係る形態に限定されるものではない。
そして、本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいては、係る接合部51の、保護基板131との接合面は複数に分割され、島状のパターンが形成されている。この点について以下に説明する。
まず、比較のため、接合面が複数に分割されていない場合の問題点について説明する。
図6(A)は、アクチュエータ基板13と保護基板131との接合面での、個別液室32の配列方向と平行な面での断面図を示している。図中、個別液室32、液路基板部134、接合部51、保護基板131の配置が分かり易いように、係る部材以外については省略して示している。
図6(A)に示すように個別液室32は一方向に複数配列されており、個別液室32間には液路基板部134を構成する個別液室隔壁1341が設けられている。そして、個別液室隔壁1341の上部、すなわち、振動板部133を対称面として、個別液室隔壁1341の対称位置に接合部51が設けられている。
そして、図6(A)中一点鎖線で輪郭を示した保護基板131は、アクチュエータ基板13の接合部51に対応する部分に接着剤52を塗布されている。そして、該接着剤52部分がアクチュエータ基板13の接合部51に対応する位置に配置し、アクチュエータ基板13と保護基板131とを接着する。この際、図6(A)のA−A線での断面図である図6(B)に示すように接合部では各層が積層された構造となり、図6(A)のB−B線での断面図である図6(C)に示すように、接着剤52が接合部51に押し当てられることになる。
そして、接合部51の接合面が分割されず平坦な面の場合、接合部51に保護基板131の接着剤52を塗布した面が押し当てられると、接着剤52の塗布量によっては例えば図7に示すように、接着剤52が接合部の塗布面から大きくはみ出すこととなる。この場合、個別液室隔壁1341上面を超えた範囲である、図7中矢印Xで示した部分にまで拡がると振動板部133の振動を阻害し、液滴の吐出特性が安定しなくなる恐れがあった。また、駆動素子132にまで接着剤52が拡がると駆動素子132の変位を妨げ、液滴吐出性能にばらつきを生じる恐れや、駆動素子132の故障の原因となる恐れがあった。
しかし、接着剤52のはみ出しを避けるため、塗布量を少なくすると接着不良を生じる恐れがあった。
次に、本実施形態の液滴吐出ヘッドの接合部の構成について説明する。
図8(A)は、アクチュエータ基板13と保護基板131との接合面での、個別液室32の配列方向と平行な面での断面図を示している。図中、個別液室32、液路基板部134、接合部51、保護基板131の配置が分かり易いように、係る部材以外については省略して示している。
そして、本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいては、図8(A)に示すように接合部51は、保護基板131との接合面の少なくとも一部が複数に分割され、島状のパターンに形成されている。ここで、図8(B)に図8(A)のA−A線での断面図を、図8(C)のB−B線での断面図を示す。
接合部51に、該接合部51に対応する部分に接着剤52を塗布した保護基板131を、図8(C)に示すようにアクチュエータ基板13に押し当てた場合、図8(B)に示すように、島状に分割された接合部51の間のスリット53部分に接着剤52が入り込む。このため、図9に示すように接着剤52のはみ出しを抑制することができる。さらには、図8(B)に示すように、接合部51において接合部51の表面と、接着剤52との接着面積を大きくすることができ、アンカー効果を発揮するため、アクチュエータ基板13と、保護基板131との接合強度を高めることが可能になる。
接合部51間のスリット53の深さについては特に限定されるものではなく、接合部51の幅や、接着剤52の塗布量等に応じて選択することができる。例えば、接合部51の高さ全体に渡ってスリットを設ける、すなわち、形成したパターンにより接合部51が完全に島状に分離した形態とすることもできる。また、接合部51全体の高さよりもスリット53の深さの方が浅くなるように、すなわち、接合部51がアクチュエータ基板13側では互いにつながった状態とすることもできる。
また、スリット53の幅についても同様に、接合部51の幅や、接着剤52の塗布量等に応じて選択することができる。スリットにより分割された各島状部が保護基板131と接合した際に破損しないようにその距離等を選択することが好ましい。
接合部51の、保護基板131との接合面のうち、上記のような島状のパターンを形成する範囲は特に限定されるものではなく、例えば、接合部51の保護基板131との接合面全てについて上記パターンを形成することもできる。
また、例えば接合部51の幅が特に狭幅となっており、接着剤52にはみ出しが起こりやすい部分を選択して係る島状のパターンを形成することもできる。例えば、複数の個別液室32及びその間に配置した個別液室隔壁1341の配列方向(図8(A)中の矢印Xの方向)と垂直な方向、すなわち、個別液室隔壁上に接合部51を設けた場合、該接合部はノズル孔31間の距離を短くするため特に狭幅になりやすい。このため、少なくとも係る接合部51の保護基板131との接合面には上記パターンを形成することが好ましい。なお、個別液室32内ではノズル孔31に向かって液体が流れることから、複数の個別液室が配列され、該個別液室の間に個別液室隔壁1341が配置されている方向と垂直な方向とは、個別液室内の液体の流れと平行な方向(図8(A)中矢印Yの方向)でもある。
接合部51の保護基板との接合面に形成される島状のパターンの具体的形状は特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
例えば、図10(A)に示すように各島状部の形状を同じ形状として、各島状部をスリット部で離隔して配置することができる。また、図10(B)、(C)に示すように、隣り合う島状部が嵌合する形状を有しており、これをスリット部により離隔した形態とすることができる。さらに、図10(D)に示すように各島状部の形状を同じ形状として、各島状部をスリット部で離隔して互い違いに配置した形態とすることもできる。また、これらの例に拠らず、島状部の形状をランダムな形状とし、これをスリット部で離隔して配置した形態とすることもできる。
接合部51は、保護基板131を支持し、アクチュエータ基板13に接着できるように構成されていれば良く、その材料は特に限定されるものではなく、例えば各種金属材料や、樹脂等により形成することができる。また、複数の層から構成することもできる。ただし、後述するように駆動素子132を形成する際にあわせて該接合部51も製造できることが生産性の観点から好ましいことから、配線1325または、パッシベーション膜1326と同じ材料により構成することができる。また、配線1325と同じ材料の層の上にパッシベーション膜1326と同じ材料の層を積層した構成とすることもできる。
また、接合部に形成された前記島状のパターンを構成する各島部は、前記保護基板側の面積が、前記アクチュエータ基板側の面積よりも小さい順テーパ形状を有していることが好ましい。
この点について、図11を用いて示す。図11に示すように接合部51が、順テーパ形状を有している場合、接合部51の側面部分に、図11中点線で囲んだX部のようにスペースを生じる。このため、余剰の接着剤52を収納できる部分が増加し、接着剤52のはみ出しをさらに抑制することが可能になり、接着剤のはみ出しをより抑制することが可能になる。
このように接合部51に形成された島状パターンを形成する島部を順テーパ形状とする方法は特に限定されるものではなく、任意の方法により係る形状に加工することができる。
例えば、図11に示すように、該接合部が、第1の層511と、第1の層を覆うように形成された第2の層512とを有する構成の場合、まず、第1の層を複数に分割し、島状のパターンに形成することができる。この際、第1の層の分割された各島部は、前記保護基板側の面積が、前記アクチュエータ基板側の面積よりも小さい順テーパ形状を有する構成とすることが好ましい。そして、該第1の層511上に第2の層512形成すると、第2の層512の外形は第1の層512の形状が反映されるため、第2の層512の外形も順テーパ形状となり接合部51を構成する島部を順テーパ形状とすることができる。
同様に接合部51が、第1の層511と、第1の層511を覆うように形成された第2の層512と、を有する構成において、まず、第1の層については上記のような加工を行わずに、その上面が平坦な面とすることもできる。そして、この場合、第2の層512について分割し、上記のような順テーパ形状とすることもできる。
ここでいう、第1の層、第2の層の構成については特に限定されないが、例えば第1の層を配線1325と同じ材料により形成し、第2の層512をパッシベーション膜1326と同じ材料により構成することができる。
なお、接合部51が一層のみから構成されている場合には、該一層の接合部についてパターニングを行い上記のような順テーパ形状とすることもできる。
また、図8(A)、(C)に示すように、アクチュエータ基板の、接合部51を設けた一方の面とは反対側の他方の面には、液滴を吐出するノズル孔31と連通し、該ノズル孔に液体を供給する個別液室32が一方向に沿って複数配列された構成とすることができる。
そして、前記個別液室の配列方向において、個別液室間には個別液室隔壁1341が配置され、接合部51は、少なくとも個別液室隔壁1341が設けられた部分に対応する、アクチュエータ基板の一方の面側の部分に設けられた構成とすることができる。この場合、図8(C)に示すように接合部51は個別液室隔壁1341の基板の積層方向に沿って上部に配置されていることになる。
そして、該接合部51の保護基板131との接合面に形成された島状のパターンは、個別液室32の配列方向について、少なくとも2つ隣の範囲内における、他の接合部の前記保護基板との接合部に形成された島状のパターンと異なることが好ましい。
この点について図12を用いて説明する。図12は、接合部51の保護基板との接合面側から見た接合部51、個別液室32、個別液室隔壁1341の構成を示したものであり、これらの配置が分かるように他の部材については記載を省略している。
図12に示したように、個別液室32は図中矢印Xの方向に沿って複数配列されており、個別液室間には、個別液室隔壁1341が設けられている。そして、個別液室隔壁1341上に接合部51が設けられている。この場合、図12に示すように、個別液室隔壁1341及び接合部51と、個別液室内の液体の流れ方向Yとが平行になるように配置されていることになる。
この際、接合部51の保護基板との接合面に形成された島状のパターンを図中に模式的に示している。図中では、島状のパターンはA、B、Cの3種類があり、例えば図中中央のブロック矢印で示したAの島状パターンを有する接合部51を基準として説明する。この場合、個別液室の配列方向Xでみて2つ隣の範囲121、122内の接合部の島状パターンはBまたはCの島状パターンのみであり、基準のAの島状パターンとは異なっている。他の接合部を基準としても同様となっている。
このように構成することにより、接合部51と、近傍の他の接合部51との間で、固有振動数が異なることとなる。このため、圧力変動等の伝播を抑制することができ、ある個別液室で起きた圧力変動を他の個別液室に伝播させ、他の個別液室の液体の圧力等に悪影響を与えるクロストーク現象の発生を抑制することが可能になる。
なお、ここでは、島状パターンをA〜Cの3種用いた例で説明しているが、係る形態に限定されるものではなく、より多くの島状パターンにより構成することもできる。なお、島状のパターンが異なるとは、島状のパターンを構成する各島状部の形状やサイズの異なるものが含まれている場合や、島状部間の距離、すなわちスリット部分のサイズが異なる部分が含まれている場合がこれに当たる。
以上、本実施形態の液滴吐出ヘッドの構成について説明してきたが、その製造方法の構成例について、図13を用いて以下に説明する
図13(A)は、基板61上に振動板部133、下部電極1321、圧電体1322、上部電極1323を積層し、層間絶縁膜1324及び上部電極へのコンタクトホール62まで形成された状態を示す。なお、下部電極1321へのコンタクトホールは図示していないが同様に形成することができる。
そして、図13(B)に示すように、上部電極1323への配線1325を形成する際に、接合部51を構成する第1の層511を形成することができる。この場合、配線1325及び第1の層511は同じ材料から構成されることから、これらは導電性材料により形成される。例えばアルミウムを好ましく用いることができる。
配線1325及び第1の層511の形成方法としては例えばまず、スパッタ法により導電性材料、例えばアルミニウムの膜を成膜する。次いで、フォトリソグラフィー法により、所望のパターンのレジスト膜63を形成した後、ドライエッチングにより配線1325、及び第1の層511を形成する。
この際、第1の層511の保護基板と対向する面は所望の島状パターンとなるようにエッチングを行っておくことができる。また、ここでは島状パターンを形成せずに第2の層512に対してパターニングを行い保護基板131との接合面に所望の島状パターンを形成することもできる。
次にレジスト除去後に図13(C)に示すように、第2の層を成膜し、フォトリソグラフィー法により、所望のパターンのレジスト膜64を形成した後、ドライエッチングにより駆動素子132等不要な部分の第2の層を除去する。第2の層はパッシベーション層3126により構成することができる。これにより第1の層511が第2の層512によりカバーされる。
なお、上記のように、第1の層511の保護基板131との接合面側に島状のパターンを形成した場合は、第2の層512を形成した際にその保護基板との接合面も島状のパターンとなる。第1の層511を形成した際、保護基板との接合面に上記パターンを形成しなかった場合には、第2の層512を形成後、フォトリソグラフィー法とエッチングを用い、パターニングを行うことにより、保護基板131との接合面側にパターンを形成できる。
次にレジスト膜64を除去後に図13(D)に示すように、保護基板131側に接着剤を塗布し、保護基板131とアクチュエータ基板13の接合を行う。この際の接着剤の膜厚は特に限定されるものではないが、より接着剤のはみ出しを抑制するため、より薄く塗布することが好ましい。例えば、塗布均一性や、接合強度信頼性を考慮して1μm〜2μm程度の膜厚に塗布することが好ましい。
なお、保護基板131の接合前または接合後に、基板61について加工を行い、個別液室等を形成することもできる。
また、上述のように、接合部51を順テーパ形状とする場合の製造方法について説明する。
接合部51を順テーパ形状とする第1の方法としては、上記図13(B)に示した工程において、導電性材料の膜をレジスト膜63を用いて配線1325及び第1の層511をエッチングする際に、順テーパ形状となるようにエッチングする方法が挙げられる。
この場合、順テーパ形状とするために新たな工程は要しないため、生産性を高めることができ好ましい。ただし、配線1325についても順テーパ形状となるため、配線1325の形状を順テーパ形状とすることが好ましくない場合には、以下の第2の方法により製造することができる。
接合部51を順テーパ形状とする第2の方法としては、図14(A)、(B)に示すように、図13(A)、(B)と同様にしてまず、テーパ形状に加工していない、配線1325及び第1の層511を形成する。係る工程については上述の通りであるため説明を省略する。
図14(B)工程で用いたレジスト膜を除去した後、図14(C)に示すように、配線1325を覆うレジスト膜65及び第1の層511をテーパ形状にエッチングするためのレジスト膜66をフォトレジスト技術により形成する。そして、エッチング処理を行うことにより第1の層511を保護基板側の面積が、アクチュエータ基板側の面積よりも小さい順テーパ形状とする。
次に、レジスト膜65、66を除去した後、図15(D)に示すように、第2の層を成膜し、フォトリソグラフィー法、及び、ドライエッチングにより駆動素子132等不要な部分の第2の層を除去する。ここでも第2の層はパッシベーション層3126により構成することができる。これにより第1の層511が第2の層512によりカバーされる。
その後は、図15(E)に示すように、保護基板131側に接着剤を塗布し、保護基板131とアクチュエータ基板13の接合を行う。
以上説明してきた本実施形態の液滴吐出ヘッドによれば、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部において、接着剤のはみ出しを抑制し、かつ、両基板間の接合強度を高めたものとすることができる。このため、ノズル孔等を高密度に配置、実装することができ、高信頼性を有する液滴吐出ヘッドとなっている。
[第2の実施形態]
本実施形態では第1の実施形態で説明した液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクと、を備えた液滴吐出カートリッジの構成例について説明する。
係る液滴吐出カートリッジの構成例を図16に示す。
この液滴吐出カートリッジは、ノズル孔71等を有する第1の実施形態の液滴吐出ヘッド72と、この液滴吐出ヘッド72に対して液体を供給する液体タンク73とを一体化したものである。
このように液体タンクと液滴吐出ヘッドの一体型の液滴吐出カートリッジの性能は液滴吐出ヘッドの性能と直結している。そして、本実施形態の液滴吐出カートリッジにおいては、第1の実施形態で説明した液滴吐出ヘッドを用いている。係る液滴吐出ヘッドは既述のように、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部において、接着剤のはみ出しを抑制し、かつ、両基板間の接合強度を高めたものである。このため、係る液滴吐出ヘッドは、ノズル孔等を高密度に配置、実装することができ、高信頼性を有しており、係る液滴吐出ヘッドを使用した液滴吐出カートリッジは、高画質、高速で、高信頼性を有する液滴吐出カートリッジとすることができる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態で説明した液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置の構成例について説明する。
本実施形態の液滴吐出装置の構成例を図17及び図18を用いて説明する。
図17は同装置の斜視説明図、図18は同装置の機構部の側面説明図を示したものである。
この液滴吐出装置はその内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した第1の実施形態で説明した液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納している。
装置本体81の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。そして、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなるヘッド94を複数のインク吐出口(ノズル孔)を主走査方向と交差する方向に配列している。そして、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ93にはヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。そして、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズル孔を有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ93は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モーター97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装している。このタイミングベルト100をキャリッジ93に固定しており、主走査モーター97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
次に、給紙カセット84にセットした用紙83をヘッド94の下方側に搬送する機構について説明する。まず、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101及びフリクションパッド102と、用紙83を案内するガイド部材103と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104を有している。そして、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105及び搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106と、を設けている。搬送ローラ104は副走査モーター107によってギヤ列を介して回転駆動される。
キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材109を設けている。この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設けている。さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115、116とを配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を配置している。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口(ノズル孔)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。これにより、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
本実施形態の液滴吐出装置においては、第1の実施形態で説明した、アクチュエータ基板と、保護基板との接合部において、接着剤のはみ出しを抑制し、両基板間の接合強度を高めた液滴吐出ヘッドを備えている。このため、係る液滴吐出ヘッドは、ノズル孔等を高密度に配置、実装することができ、高信頼性を有している。
そして、係る液滴吐出ヘッドを備えた本実施形態の液滴吐出装置は、高画質、高速での記録を行うことができる。また高速であるので、液滴吐出装置全体の消費電力も低減できる。
なお、本実施形態においては、液滴吐出装置として、インクジェット記録装置の構成例を示したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出装置等にも適用することできる。
13 アクチュエータ基板
131 保護基板
1341 個別液室隔壁
31 ノズル孔
32 個別液室
51 接合部
511 第1の層
512 第2の層
特開2000−211145号公報

Claims (5)

  1. アクチュエータが形成されたアクチュエータ基板と、
    前記アクチュエータを保護する保護基板と、を有しており、
    前記アクチュエータ基板の前記保護基板と対向する面には、前記保護基板と接合するための凸形状の接合部が設けられ、
    前記接合部の、前記保護基板との接合面の少なくとも一部は複数に分割され、島状のパターンが形成されている液滴吐出ヘッド。
  2. 前記島状のパターンを構成する各島部は、前記保護基板側の面積が、前記アクチュエータ基板側の面積よりも小さい順テーパ形状を有している請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記アクチュエータ基板の、前記接合部を設けた一方の面とは反対側の他方の面には、
    液滴を吐出するノズル孔と連通し、該ノズル孔に液体を供給する個別液室が一方向に沿って複数配列され、
    前記個別液室の配列方向において、個別液室間には個別液室隔壁が配置され、
    前記接合部は、前記個別液室隔壁が設けられた部分に対応する、前記アクチュエータ基板の一方の面側の部分に設けられており、
    前記接合部の前記保護基板との接合面に形成された島状のパターンは、前記個別液室の配列方向について、少なくとも2つの隣の範囲内における、他の接合部の前記保護基板との接合部に形成された島状のパターンと異なる、請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクと、を備えた液滴吐出カートリッジ。
  5. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
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