JP2016016522A - 液滴吐出ヘッド、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状及び深さを任意に設定し、工程を増加することなく形成された溝部を液室隔壁部に有し、接合部からの接着剤の流出を阻止することにより、アクチュエータ部の振動特性を阻害せず、液吐出特性を安定化できる液滴吐出ヘッドを提供する。【解決手段】ノズル基板300と、アクチュエータ基板100と、保護基板200とを備え、アクチュエータ基板100は、加圧液室5及び流路を形成する圧力室基板101と、加圧液室5の一面を構成する振動板3と、振動板3上に共通電極10、圧電体12及び個別電極11が積層されてなる圧電素子2と、圧電素子2に駆動信号を供給する配線層とを有し、保護基板200は、保持隔壁201により区画された凹部67を有し、保持隔壁201は、液室隔壁部4に接着剤49で接合され、保持隔壁201に接合される液室隔壁部4は、流出した接着剤49を保持可能な空隙となる溝部46が形成されている液滴吐出ヘッド。【選択図】図3

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、及び該液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置では、液滴吐出ヘッドが用いられる。
液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドとしては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室(加圧液室、圧力室、インク流路等とも称される。)と、吐出室内のインクを加圧する力を発生する圧力発生手段とを備え、該圧力発生手段で発生した圧力で吐出室内インクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させるものが知られている。
このような液滴吐出ヘッドとしては、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用い、吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のものや、吐出内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるバブル型(サーマル型)のものなどがある。
ピエゾ型のものには、Si基板に直接液室及び電気−機械変換素子を作り込んだ薄膜アクチュエータが知られている。
このような電気−機械変換素子の1つである圧電素子は、圧電体に応力が印加されると電荷が発生し、電界を印加すると圧電体が伸張する性質を有している。圧電体としては、例えば、三元系金属酸化物であるチタン酸ジルコン酸鉛、PZTなどがある。
薄膜PZTヘッドに採用予定の液室を含むアクチュエータ基板において、液室高さは100μm程度であるが、アクチュエータ基板を液室高さまで薄くするとその後の工程でのハンドリング(処理装置内の搬送や、工程間搬送等)でアクチュエータ基板が割れやすく、安定した生産ができない。
そこで、アクチュエータ基板を薄くする前に液流路等が形成されたサブフレーム基板(以下、「保護基板」ともいう)を接着剤で接合し、アクチュエータ基板の補強を行う工程が行われる。接合部は、例えば、アクチュエータ基板の隣接する液室を隔てる液室隔壁上に設けられる。
アクチュエータ基板の加圧液室と対向するアクチュエータ部(振動板及び圧電素子で構成される)は可動部であるため、サブフレーム基板と接することがないようにする。具体的には、サブフレーム基板との接合部となるアクチュエータ基板側の振動板の上面を、圧電素子の上面よりも高くなる凸形状とする。
接合においては、サブフレーム基板側に薄膜転写技術を用いて厚さ1〜4μm程度の接着剤層を形成し、その後アクチュエータ基板と一般的な接合技術で接合する。この時、アクチュエータ基板の凸状面部と接合した接着剤が接合面からはみ出して、アクチュエータ部へ滲み出し(流出し)、アクチュエータ部で固化することがある。
アクチュエータ部で接着剤が固化すると、振動板の変位を抑制してしまい、本来の特性を得ることができず、隣り合う各アクチュエータ間で特性のバラツキが生じる。そのために、複数のアクチュエータを具備した液滴吐出ヘッドでは、所望する液滴吐出特性が安定に、且つ高精度に確保できないという問題点があった。これに対し、接着剤のはみ出しを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1及び2では、接着剤による基板同士の接合時、余分な接着剤の逃げ用の領域となる凹部が接合基板母材の結晶性に対応した形で形成されることが開示されている。また、特許文献3では、接合部の接着剤はみ出しを吸収する為に、接合部の基板に段差を設けることが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された溝形成は異方性ウェットエッチを適用しており、そのエッチング特性から溝の幅や深さに制約がある(結晶方位に沿った制約を受ける)ため、形成される溝の形状や深さの自由度が小さい。
また、特許文献3に記載された段差の形成は、そのための工程が別途必要となる為、製造コストがアップしてしまう。
さらに、従来の基板上に形成される溝は、流路形成基板のビット長辺端部に設けられているが、加圧液室を区画する液室隔壁部には溝が形成されておらず、この領域の接着剤のはみ出しを抑制できないという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、形状及び深さを任意に設定し、工程を増加することなく形成された溝部を液室隔壁部に有し、接合部からの接着剤の流出を阻止することにより、アクチュエータ部の振動特性を阻害せず、液吐出特性を安定化できる液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を有するノズル基板と、アクチュエータ基板と、保護基板とを備え、前記アクチュエータ基板は、前記ノズル孔に連通し液室隔壁部により区画さる加圧液室及び流路を形成する圧力室基板と、前記加圧液室の一面を構成する振動板と、前記振動板上に共通電極、圧電体及び個別電極が積層されてなる圧電素子と、前記圧電素子に駆動信号を供給する配線層とを有し、前記保護基板は、前記圧電素子と対向する領域に、保持隔壁により区画された凹部を有し、前記保護基板の前記保持隔壁は、前記アクチュエータ基板の前記液室隔壁部に接着剤で接合され、前記保持隔壁に接合される前記液室隔壁部は、流出した接着剤を保持可能な空隙となる溝部が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッドである。
本発明の液滴吐出ヘッドによれば、形状及び深さを任意に設定し、工程を増加することなく形成された溝部を液室隔壁部に有し、接合部からの接着剤の流出を阻止することにより、アクチュエータ部の振動特性を阻害せず、液吐出特性を安定化できる液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドの一例を示す要部切欠斜視図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの加圧液室における側面方向断面図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの加圧液室における正面方向断面図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程A〜Eを示す図であって、加圧液室長辺長方向の断面模式図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程F〜Hを示す図であって、加圧液室長辺長方向の断面模式図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程I及びJを示す図であって、加圧液室長辺長方向の断面模式図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程A〜Eを示す図であって、加圧液室短辺長方向の断面模式図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程F〜Hを示す図であって、加圧液室長短辺方向の断面模式図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程I及びJを示す図であって、加圧液室長辺短辺向の断面模式図である。 他の実施形態の液滴吐出ヘッドの要部断面図である。 他の実施形態の液滴吐出ヘッドの要部断面図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドを備える液体カートリッジの一例の斜視図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置(インクジェット記録装置)の一例の斜視図である。 図13に示すインクジェット記録装置の概略側面図である。
以下、本発明に係る液滴吐出ヘッド及び画像形成(インクジェット記録装置)装置について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
〔液滴吐出ヘッド〕
図1〜図3を参照して、本実施形態の液滴吐出ヘッドを説明する。
図1は、本実施形態の液滴吐出ヘッドの斜視図であり、図2は、図1の液室長辺方向の断面図であり、図3は、図1の液室短辺長方向の断面図である。
図1〜図3に示すように、液滴吐出ヘッド1は、基板面部に設けたノズル孔6から液滴を吐出させるサイドシュータータイプのものであり、複数のノズル孔6を有するノズル基板300と、アクチュエータ基板100と、保護基板(サブフレーム基板)200とを備える。
アクチュエータ基板は100、ノズル孔6に連通し液室隔壁部により区画さる加圧液室5及び流路(共通液室流路)9を形成する圧力室基板101と、加圧液室5の一面を構成する振動板3と、振動板3上に共通電極10、圧電体12及び個別電極11が積層されてなる圧電素子2と、圧電素子2に駆動信号を供給する配線層とを有する。
前記配線層は、例えば、層間絶縁膜45、引き出し配線40、及びパッシベーション膜50が積層されてなる層である。
保護基板200は、圧電素子2と対向する領域に、保持隔壁201により区画された凹部(ザグリ)67を有し、保護基板200の保持隔壁201は、アクチュエータ基板100の液室隔壁部4に接着剤49で接合され、保持隔壁201に接合される液室隔壁部4は、流出した接着剤49を保持可能な空隙となる溝部46が形成されている。
具体的には、保護基板200の保持隔壁201は、アクチュエータ基板100の配線層を介して液室隔壁部4に接着剤49で接合され、保持隔壁201に接合される液室隔壁部4は、積層された前記配線層上に、流出した接着剤49を保持可能な空隙となる溝部46が形成されている。
また、図3に示すように、溝部46は、液室隔壁部4と保持隔壁201とが互いに当接する領域の周縁部より内側に形成されていることが好ましい。
このように、接着剤49の余剰部分を保持可能な溝部46が形成されていることにより、振動板3の駆動領域47に接着剤49がはみ出さないようになっている。
アクチュエータ基板100は、共通液室(液流路部)8及び加圧液室5を形成する圧力室基板101と、圧力室基板101に重なり加圧液室5の他側を覆う振動板3とを相互に接合する。
圧力室基板101には複数の加圧液室5が直状に長手方向(図2で紙面垂直方向)に順次ビット配設される。更に、圧力室基板101の内部には、互いに隣り合う加圧液室間を仕切る液室隔壁部4と、各加圧液室5に順次対向する共通液室8と、各加圧液室5に共通液室8の液体を絞り機能を働かせて導く流体抵抗部7とが設けられている。
振動板3の加圧液室5との対向部である駆動領域47の外側には、配線層に挟まれた圧電素子2が設けられている。
アクチュエータ基板100に接合される保護基板200には、振動板3が撓むことができるように保持隔壁201により区画された凹部(ザグリ)67が形成されている。また、外部からインクを供給するための液滴供給口66が形成され、インクは共通液室流路9を経て共通液室8へ供給される。
このように形成された液滴吐出ヘッド1では、各加圧液室5内に液体(インク)が満たされた状態で、インク吐出を行うノズル孔6に対応した個別電極11に対し、制御部(図示せず)から画像データに基づき、発振回路により引き出し配線40及び層間絶縁膜45に形成された接続孔30を介し、パルス電圧(例えば、20V)が印加される。
パルス電圧を印加することにより、電歪効果により圧電素子2そのものが振動板3と平行方向に縮み、振動板3が加圧液室5の長手方向に撓む。これにより、加圧液室5内の圧力が急激に上昇し、加圧液室5に連通するノズル孔6から記録液が吐出される。
パルス電圧印加後は、縮んだ圧電素子2が元に戻ることから、撓んだ振動板3が元の位置に戻り、加圧液室5内が共通液室8内に比べて負圧となり、外部から液滴供給口66を介して供給されているインクが共通液滴流路9、共通液室8から流体抵抗部7を介して加圧液室5に供給される。
これを繰り返すことにより、液滴が連続的に吐出され、液滴吐出ヘッドに対向して配置した被記録媒体(用紙)に画像を形成することができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいて、形成される溝部46は、接着剤の流出を阻止するのに最適な形状及び深さが任意に設定される。
例えば、溝部46は、加圧液室5の長手方向に沿って連続して形成されてもよい。これにより、余剰接着剤の駆動領域47への流れ込み抑止効果を最大限に確保することができる。
また、溝部46は、加圧液室5の長手方向に沿って間欠的に形成されてもよい。溝部46を間欠的に配置することにより、液室隔壁部4の強度、保持隔壁201との接合強度、接着剤49の流れ込みの各々の効果を最適化することができる。
(製造工程)
本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程を図4〜9に基づき説明する。
図4〜6は、図2に示したのと同様の加圧液室長辺長方向の断面模式図であり、図7〜9は、図3に示したのと同様の加圧液室短辺長方向の断面模式図である。
工程Aを図4及び図7に基づき説明する。
工程Aでは、図2及び図3で説明した液滴吐出ヘッド1のアクチュエータ基板100の要部を成す圧力室基板101として面方位(110)のシリコン単結晶基板(例えば板厚400μm)上に振動板3を膜成膜する。この振動板3は、振動板としての機能と後のプロセス整合性を確保していれば、単層、積層膜のどちらでもかまわない。
例えば、振動板3の材料として、LP−CVD法でシリコン酸化膜、ポリシリコン膜、あるいはアモルファスシリコン膜、シリコン窒化膜として、これらを所望の振動板剛性になるように積層に成膜する。プロセス整合性、振動板剛性、及び振動板3全体の応力を鑑みて、積層数は3〜7層程度が好ましい。後の共通電極10との密着性を確保する為に、振動板3の最上層はLPCVD法で形成したシリコン酸化膜とする。
その後、例えば、TiOとPtからなる共通電極10層をスパッタ法で各々50nmと100nm成膜する。
工程Bを図4及び図7に基づき説明する。
工程Bでは、圧電素子2を形成する。
まず、共通電極10上に圧電体12としてPZTを例えばスピンコート法で複数回に分けて成膜し、最終的に2μm厚成膜する。次にPtの個別電極11をスパッタ法で例えば100nm成膜する。
ここで、圧電体12の成膜方法は、スピンコート法に限らず、他の成膜方法、例えばスパッタ法、イオンプレーティング法、エアーゾル法、ゾルゲル法、あるいはインクジェット法等などで成膜してもよい。そしてリソエッチ法により、後に形成する加圧液室5に対応する位置に圧電素子2を形成するために、個別電極11と圧電体12をパターニングする。
その後、共通電極10をリソエッチ法でパターニングする。この時、以降の工程を経て溝部46となる箇所の共通電極10の層をパターニングする。
工程Cを図4及び図7に基づき説明する。
工程Cでは、まず、共通電極10、圧電素子2と後に形成する引き出し配線40とを絶縁するために層間絶縁膜45を成膜する。層間絶縁膜45は、例えばプラズマCVD法でSiO膜を成膜する。層間絶縁膜45は、圧電素子2や電極材料に影響を及ぼさず、絶縁性を有する膜であれば、プラズマCVD法のSiO以外の膜でもよい。
次に、個別電極11と引き出し配線40とを接続する接続孔30をリソエッチ法で形成する。ここで図示していないが、共通電極10も引き出し配線40と接続する場合は、同様に接続孔を形成する。
工程Dを図4及び図7に基づき説明する。
工程Dでは、引き出し配線40として、例えばTiN/Alを各々膜厚30nm/1μmをスパッタ法で成膜する。
TiNは、合金化を防ぐバリア層として適用される。具体的には、接続孔30底部で、個別電極11あるいは共通電極10の材料であるPtが、引き出し配線40の材料であるAlが直接接することにより、後の工程による熱履歴で合金化し、体積変化によるストレスで膜剥がれ等が生じるのを防止するために適用される。
図7に示すように、後の保護基板200との接合部48となる箇所(液室隔壁部4が形成される領域)に配線パターン42を形成する。
工程Eを図4及び図7に基づき説明する。
工程Eでは、パッシベーション膜50として、例えばプラズマCVD法でシリコン窒化膜を1000nm厚成膜する。
工程Fを図5及び図8に基づき説明する。
工程Fでは、リソエッチ法で、引き出し配線40の引き出し配線パッド部41、アクチュエータ部68、及び共通液室流路9の開口を行う。
また、アクチュエータ基板100側の液室隔壁部4と保護基板200の接合部48との接合時に流出した余剰接着剤を保持可能な空隙となる溝部46を形成する。
本実施形態では、図8に示すように、工程Bにおいてパターニングされた共通電極10の領域に積層された配線層上に溝部46が形成される。
工程Gを図5及び図8に基づき説明する。
工程Gでは、リソエッチ法により、共通液室流路9及び後に共通液室8となる領域の振動板3を除去する。なお図8に示す工程Gの図は、除去される振動板3の領域が図示されていないため、工程Fと同じ図となっている。
工程Hを図5及び図8に基づき説明する。
工程Hでは、アクチュエータ部68に対応した位置にザグリ67が形成された保護基板200と、アクチュエータ基板100とを、接合部48において接着剤49で接合する。
接着剤49は、一般的な薄膜転写装置等により、保護基板200側に厚さ1〜4μm程度塗布される。
接合部48からはみ出した余剰の接着剤49は、形成された溝部46に保持されて留まり、駆動領域47への流出が抑制される。
次いで、加圧液室5、共通液室8及び流体抵抗部7を形成するために、圧力室基板101を所望の厚さt(例えば、厚さ80μm)とする。厚さtとする方法としては特に限定されず、例えば、公知の研磨方法やエッチングなどが挙げられる。
工程Iを図6及び図9に基づき説明する。
工程Iでは、アクチュエータ基板100に加圧液室5、共通液室8及び流体抵抗部7を形成する。
加圧液室5、共通液室8及び流体抵抗部7の形成方法としては、例えば、リソ法により、加圧液室5、共通液室8及び流体抵抗部7以外の隔壁部をレジストで被覆し、その後、アルカリ溶液(KOH溶液、あるいはTMHA溶液)で異方性ウェットエッチを行う方法や、ICPエッチャーを用いたドライエッチを行う方法が挙げられる。
工程Jを図6及び図9に基づき説明する。
工程Jでは、各加圧液室5に対応した位置にノズル孔6を開口したノズル基板300をアクチュエータ基板100に接合する。
このように、ノズル基板300、アクチュエータ基板100及び保護基板200が接合されることにより、液滴吐出ヘッド1が完成する。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、アクチュエータ基板100と保護基板200とが接着剤を用いて加圧接合されるため、接合部48から接着剤49がはみ出し易いが、はみ出した接着剤49がアクチュエータ部68の駆動領域47に流れ込まないように、接合部48に溝部46が形成されている。これにより、駆動領域47への接着剤49の流れ込みを確実に阻止できる。従って、駆動領域47への接着剤49流れ込みによる駆動ばらつきが無く、安定駆動が可能となり、信頼性が高く安定した液滴吐出ヘッドを部歩留まりよく実現できる。
(他の実施形態)
図2及び図3に示した例では、溝部46の深さは、パターニングされた共通電極10の膜厚相当である。
本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいては、溝部46の深さは任意に設定することができ、
溝部46を深くすることにより、より多量の接着剤を保持することができ、駆動領域47への流れ込みを阻止できる。
例えば、図6及び図7に示すように、溝部46の深さを適宜変更することができる。
図6に示す例は、配線工程において溝部46に相当する領域をパターニングすることにより実現できる。
図7に示す例は、配線工程に加え、層間絶縁膜45にも溝部46に相当する領域をパターニングすることにより実現できる。
配線工程及び層間絶縁膜45の溝部46に相当する箇所のパターニングは、工程を追加する必要はなく、マスクを変更することで行うことができる。よって、生産コストの上昇や生産効率に影響することなく、接着剤の流出をより効果的に抑制することができる液滴吐出ヘッドを歩留まりよく生産することができる。
また、接合部48に溝部46を設けたことで、アンカー効果により基板同士の接合強度向上が期待できる。
〔液体カートリッジ〕
本実施形態の液体カートリッジについて、図12を参照して説明する。
図13に示す液体カートリッジ99は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッド1と、液滴吐出ヘッド1に記録液を供給する液体タンク82を一体化したものである。液滴吐出ヘッド1は上述の本実施形態の液滴吐出ヘッドである。
このように液体タンク(インクタンク)82と液滴吐出ヘッド1とが一体型である場合、アクチュエータ部68を高精度化、高密度化、および高信頼化することで、液体カートリッジ(インクカートリッジ)99の歩留まりや信頼性を向上することができ、低コスト化を図ることができる。
〔画像形成装置(インクジェット記録装置)〕
本実施形態の画像形成装置について、図13及び図14を参照して説明する。図13は画像形成装置の斜視図であり、図14は図13の機構部の構成を示す側面図である。
本実施形態の画像形成装置は、上述の本実施形態の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載しているインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置90は、装置本体の内部に走査方向に移動可能なキャリッジ98とキャリッジ98に搭載した液滴吐出ヘッド1及び液滴吐出ヘッド1へインクを供給するインクカートリッジ99等で構成される印字機構部91等を収納し、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙92を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレーでもよい)93を抜き差し自在に装着されている。また、用紙92を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ94を有し、給紙カセット93あるいは手差しトレイ94から給送される用紙92を取り込み、印字機構部91によって所要の画像を記録した後、後面側の装着された排紙トレイ95に排紙する。
印字機構部91は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド96と従ガイドロッド97とキャリッジ98を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ98には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド1を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ98には液滴吐出ヘッド1に各色インクカートリッジ99を交換可能に装着している。
インクカートリッジ99は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられ、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド1としては各色の液滴吐出ヘッド1を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ98は後方側(用紙搬送下流側)を主ガイドロッド96に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送上流側)を従ガイドロッド97に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ98を主走査方向に移動走査するため、主走査モーター120で回転駆動される駆動プーリ102と従動プーリ103との間にタイミングベルト104を張装し、このタイミングベルト104をキャリッジ98に固定しており、主走査モーター120の正逆回転によりキャリッジ98が往復駆動される。
一方、給紙カセット93にセットした用紙92を液滴吐出ヘッド1に下方側に搬送するために、給紙カセット93から用紙92を分離給装する給紙ローラー105及びフリクションパッド106と、用紙92を案内するガイド部材107と、給紙された用紙92を反転させて搬送する搬送ローラー108と、この搬送ローラー108の周面に押し付けられる搬送コロ109及び搬送ローラー108からの用紙92の送り出し角度を規定する先端コロ110とを有する。搬送ローラー108は副走査モーターによってギア列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ98の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラー108から送り出された用紙92を液滴吐出ヘッド1の下方側で案内するため用紙ガイド部材である印写受け部材111を設けている。この印写受け部材111の用紙搬送方向下流側には、用紙92を排紙方向へ送り出すための回転駆動される搬送コロ112と拍車113を設け、さらに用紙92を排紙トレイ95に送り出す排紙ローラー114と拍車115と排紙経路を形成するガイド部材116、117とを配設している。
このインクジェット記録装置90で記録時には、キャリッジ98を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している用紙92にインクを吐出して1行分を記録し、その後、用紙92を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙92の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙92を排紙する。
また、キャリッジ98の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置117を配置している。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ98は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピン手段で液滴吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係ないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出状態を維持する。
また、吐出不良が発生した場合等には、キャピング手段で液滴吐出ヘッド1の吐出出口(ノズル孔6)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともの気泡等を吸出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。
また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置90においては本実施形態の液滴吐出ヘッド1を搭載しているので、安定したインク吐出特性が得られ、画像品質が向上する。
なお、液滴吐出装置としては、上述のインクジェット記録装置以外の態様とすることができ、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する装置に本実施形態の液滴吐出ヘッド1を適用してもよい。
1 液滴吐出ヘッド
2 圧電素子
3 振動板
4 液室隔壁
5 加圧液室
6 ノズル孔
7 流体抵抗部
8 共通液室
9 共通液室流路
10 共通電極
11 個別電極
12 圧電体
30 接続口
40 引き出し配線
41 引き出し配線パッド部
42 配線パターン
45 層間絶縁膜
46 溝部
47 駆動領域
50 パッシベーション膜
66 液滴供給口
67 凹部(ザグリ)
68 アクチュエータ部
90 画像形成装置(インクジェット記録装置)
99 液体カートリッジ(インクカートリッジ)
100 アクチュエータ基板
101 圧力室基板
200 保護基板(サブフレーム基板)
300 ノズル基板
特許第4572371号公報 特開2007−111902号公報 特開2009−143014号公報

Claims (7)

  1. 複数のノズル孔を有するノズル基板と、アクチュエータ基板と、保護基板とを備え、
    前記アクチュエータ基板は、前記ノズル孔に連通し液室隔壁部により区画さる加圧液室及び流路を形成する圧力室基板と、前記加圧液室の一面を構成する振動板と、前記振動板上に共通電極、圧電体及び個別電極が積層されてなる圧電素子と、前記圧電素子に駆動信号を供給する配線層とを有し、
    前記保護基板は、前記圧電素子と対向する領域に、保持隔壁により区画された凹部を有し、
    前記保護基板の前記保持隔壁は、前記アクチュエータ基板の前記液室隔壁部に接着剤で接合され、
    前記保持隔壁に接合される前記液室隔壁部は、流出した接着剤を保持可能な空隙となる溝部が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記保護基板の前記保持隔壁は、前記アクチュエータ基板の前記配線層を介して前記液室隔壁部に接着剤で接合され、
    前記保持隔壁に接合される前記液室隔壁部は、積層された前記配線層上に、流出した接着剤を保持可能な空隙となる溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記溝部は、前記液室隔壁と前記保持隔壁とが互いに当接する領域の周縁部より内側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記溝部は、前記加圧液室の長手方向に沿って連続して形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記溝部は、前記加圧液室の長手方向に沿って間欠的に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに記録液を供給する液体タンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項1から5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  7. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1から5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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