JP7000833B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 - Google Patents
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Description
特許文献2では、外部から乾燥気体を供給することで常時駆動部周囲を低湿度に保つことが開示されている。しかし、乾燥空気やそれを供給する機構を外部に用意する必要があり、コストアップの要因となる。
特許文献3では、素子とプレートを接合させる接着剤の外側に紫外線硬化型の別の接着剤を塗布し、仮固定用として用いている。しかし、駆動部の存在する領域への水分の侵入を防止する構造にはなっておらず、耐環境性や耐久性が確保できていない。
本発明の液体吐出ヘッドの一実施形態について説明する。図1~図3に本実施形態の液体吐出ヘッドを示す。図1は、液室短手方向(接合隔壁の配列方向)の断面図であり、短手方向端部の接合隔壁とアクチュエータ基板との接合箇所を説明するためのものである。図2は液室長手方向の断面図であり、図3は平面模式図である。図3中、A-A断面が図1の断面図に相当し、B-B断面が図2の断面に相当する。
これらアクチュエータ基板100、支持基板200、ノズル基板300を接合することにより、液体吐出ヘッド1が形成される。
これらを繰り返すことにより、液滴を連続的に吐出でき、液体吐出ヘッドに対向して配置した被記録媒体に画像を形成する。
これに対し、本実施形態では、アクチュエータ上にバリア層70を形成せずにアクチュエータの耐湿性を確保することができるため、アクチュエータが駆動する際の変位を向上させることができる。
耐湿膜71を形成する方法としては、適宜変更することが可能であるが、中でも、ALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することが好ましい。ALD法を用いることにより、インク流路中にある接合部など、耐湿性を有する膜の成膜時に表面に露出していない部位にも耐湿性を持たせることができ、信頼性がより向上する。
次に、耐湿膜71を有する本実施形態の液体吐出ヘッドと、耐湿膜71を有しない液体吐出ヘッドの両サンプルに対し、高温高湿バイアス試験における水蒸気圧と故障までの時間の関係を検証した。表1に高温高湿バイアス試験における液体吐出ヘッドの設置条件と故障までの時間を示す。また、表1における結果をプロットしたものを図4に示す。
なお、高温高湿バイアス試験では、表1の設置条件下にサンプルとなる液体吐出ヘッドを設置し、画像の形成は行わず連続駆動をさせることにより検証を行った。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、
(1)アクチュエータ基板上に複数のアクチュエータを形成する工程
(2)支持基板に対し、アクチュエータに対応する位置に複数の凹部を形成する工程
(3)支持基板における凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁となるようにアクチュエータ基板と支持基板を接着剤で接合する工程
(4)アクチュエータ基板に対し、アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有し、接合隔壁が配列する方向が短手方向となる複数の液室をアクチュエータに対応する位置に形成する工程
(5)短手方向端部の外側であって、端部の接合隔壁とアクチュエータ基板とを接合する接着剤が露出する箇所を覆うように耐湿膜を形成する工程
を有する。
ここで、圧電体12の成膜方法は、スピンコート法に限らず、例えばスパッタ法、イオンプレーティング法、エアーゾル法、ゾルゲル法、あるいはインクジェット法等などで成膜してもよい。
また、個別電極としてはSRO/Ptに限らず、Ir、IrO2、Ti等を組み合わせて用いてもよい。
なお、支持基板200との接合部分となる位置にも配線層42が形成される。
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態の液体吐出ヘッドを図5に示す。図5は、図1と同様に液室短手方向の断面図であり、短手方向端部の接合隔壁とアクチュエータ基板との接合箇所を説明するためのものである。
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態の液体吐出ヘッドを図6に示す。図6は、図2と同様に液室長手方向の断面図である。
本実施形態では、液室15の長手方向の外側であって、支持基板200とアクチュエータ基板100とを接合する接着剤49が露出する箇所を覆うように耐湿膜71が形成されている。図3に示される平面図においては、符号71c、71dの箇所に該当する。
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態の液体吐出ヘッドを図7に示す。図7は、図1と同様に液室短手方向の断面図であり、短手方向端部の接合隔壁とアクチュエータ基板との接合箇所を説明するためのものである。
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態の液体吐出ヘッドを図8、図9に示す。図8は、図1と同様に液室短手方向の断面図であり、短手方向端部の接合隔壁とアクチュエータ基板との接合箇所を説明するためのものである。図9は、図2と同様に液室長手方向の断面図である。
接液膜72を形成する方法としては、適宜変更することが可能であるが、中でも、ALD法により形成することが好ましい。
図10に第5の実施形態の変形例を示す。図10は図9と同様に液室長手方向の断面図である。図示されるように、長手方向の側面全面に耐湿膜71が形成されていてもよく、この耐湿膜71上に接液膜72が形成されていてもよい。この場合、広範囲にわたって、耐湿性、耐接液性を確保することができる。
次に、本発明におけるその他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態の液体吐出ヘッドを図11に示す。本実施形態では、アクチュエータ60上にバリア層70が形成されている。本発明には、アクチュエータ60上にバリア層70が形成される構成も含まれる。バリア層70が形成されている場合、駆動時の変位が拘束されやすくなるものの、アクチュエータ60が湿度によって劣化してしまうことをさらに防止することができ、耐久性がより向上する。なお、図示されるように、本実施形態のバリア層70は層間絶縁膜45の下にも形成されている。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。図12は同装置の要部平面説明図、図13は同装置の要部側面説明図である。
本実施形態の液体を吐出する装置について、インクジェット記録装置である場合の例を図16、図17を用いて説明する。図16は本実施形態のインクジェット記録装置の斜視図、図17は同装置の側面図である。
そして、このキャリッジ98を主走査方向に移動走査するため、主走査モーター101で回転駆動される駆動プーリ102と従動プーリ103との間にタイミングベルト104を張装し、このタイミングベルト104をキャリッジ98に固定しており、主走査モーター101の正逆回転によりキャリッジ98が往復駆動される。
10 共通電極
11 個別電極
12 圧電素子
13 振動板
14 加圧隔壁
15 液室
16 ノズル孔
17 流体抵抗部
18 共通液室
19 共通液滴流路
41 引出配線パッド部
42 配線層
45 層間絶縁膜
49 接着剤
50 パッシベーション膜
60 アクチュエータ
66 液滴供給口
67 凹部
70 バリア層
71 耐湿膜
72 接液膜
100 アクチュエータ基板
200 支持基板
201 接合隔壁
300 ノズル基板
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
416 副走査モータ
417 タイミングベルト
418 タイミングプーリ
420 維持回復機構
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
442 カバー
443 コネクタ
444 流路部品
450 液体カートリッジ
451 カートリッジホルダ
452 送液ユニット
456 チューブ
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給機構
495 搬送機構
Claims (12)
- アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、
前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、
短手方向端部の外側であって、短手方向端部の接合隔壁と前記アクチュエータ基板とを接合する前記接着剤が露出する箇所を覆うように耐湿膜が形成され、
前記耐湿膜は、短手方向端部の側面全面に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記耐湿膜は、前記液室の内壁に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記液体吐出ヘッドが吐出する液体は、前記支持基板及びアクチュエータ基板に形成された流路を流れ、前記液室に供給され、
前記耐湿膜が形成されている箇所のうち前記耐湿膜と前記液体が接する箇所に、前記耐湿膜と前記液体を隔てるように接液膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。 - アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、
前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、
短手方向端部の外側であって、短手方向端部の接合隔壁と前記アクチュエータ基板とを接合する前記接着剤が露出する箇所を覆うように耐湿膜が形成され、
前記耐湿膜は、前記液室の内壁に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - アクチュエータ、及び、該アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有する液室が形成されたアクチュエータ基板と、
前記アクチュエータ基板と対向する面に前記アクチュエータの駆動領域となる凹部が形成された支持基板と、が接着剤により接合されてなる液体吐出ヘッドであって、
前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁であり、該接合隔壁は前記液室の短手方向に配列し、
短手方向端部の外側であって、短手方向端部の接合隔壁と前記アクチュエータ基板とを接合する前記接着剤が露出する箇所を覆うように耐湿膜が形成され、
前記液体吐出ヘッドが吐出する液体は、前記支持基板及びアクチュエータ基板に形成された流路を流れ、前記液室に供給され、
前記耐湿膜が形成されている箇所のうち前記耐湿膜と前記液体が接する箇所に、前記耐湿膜と前記液体を隔てるように接液膜が形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記耐湿膜は、短手方向端部の側面全面に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記耐湿膜は、前記液室の長手方向の外側であって、前記支持基板と前記アクチュエータ基板とを接合する前記接着剤が露出する箇所を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1~7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする液体吐出ユニット。
- 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ユニット。
- 請求項1~7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項8若しくは9に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
- アクチュエータ基板上に複数のアクチュエータを形成する工程と、
支持基板に対し、前記アクチュエータに対応する位置に複数の凹部を形成する工程と、
前記支持基板における前記凹部の非形成部が前記アクチュエータ基板と接合する接合隔壁となるように前記アクチュエータ基板と前記支持基板を接着剤で接合する工程と、
前記アクチュエータ基板に対し、前記アクチュエータと反対側に基板の面方向に対して長手と短手を有し、前記接合隔壁が配列する方向が短手方向となる複数の液室を前記アクチュエータに対応する位置に形成する工程と、
短手方向端部の外側であって、端部の接合隔壁と前記アクチュエータ基板とを接合する前記接着剤が露出する箇所を覆うように耐湿膜を形成する工程と、を有し、
短手方向端部の側面全面に前記耐湿膜を形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記耐湿膜は、ALD法により形成することを特徴とする請求項11に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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