JPWO2018105681A1 - 眼科用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1].(A)流動パラフィン及び(B)非イオン界面活性剤を含有し、(A)成分と、
(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油
(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B−3)(B−1)及び(B−2)以外の非イオン界面活性剤の配合質量比が、
0.5≦((B−1)+(B−2)+(B−3))/(A)、((B−1)/0.75+(B−2)/2+(B−3)/0.2))/(A)≦10.0
である眼科用組成物。
[2].(B)非イオン界面活性剤が、(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油及び(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上を含む[1]記載の眼科用組成物。
[3].さらに、(C)テルペノイドを含む[1]又は[2]記載の眼科用組成物。
[4].高圧乳化による微細化工程を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の眼科用組成物を製造する方法。
(A)流動パラフィン
流動パラフィンは、飽和脂質が増加した不安定な涙液油層に対して、涙液油層安定化効果が高い成分である。流動パラフィンは、トリグリセリドからなる植物油や炭化水素の中でも炭素鎖長の短いスクワラン等と比較して極性が低い油分である。また、流動パラフィンは原油から得られる炭化水素類の混合物であり、常温で液体である。例えば、原油の常圧蒸留残油を原料に減圧蒸留,溶剤脱歴処理を行い、その後溶剤精製法又は水素化分解法処理を行う方法等により製造される。本発明に用いられる流動パラフィンに特に制限はなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、炭化水素の炭素鎖長に特に制限はないが、15〜45のものが好適に用いられる。また、炭化水素における二重結合の有無について特に制限はないが、飽和炭化水素を多く含むものが好適に用いられる。さらに、炭化水素の構造としては、直鎖、分岐鎖及び環状構造のいずれを含んでいてもよく、いずれの比重の流動パラフィンであっても用いることができる。特に、日本薬局方に収載された流動パラフィン及び軽質流動パラフィン等が好適である。なお、安定剤として適当な型のトコフェロールを含んでいてもよい。
(B)非イオン界面活性剤
(A)流動パラフィンを含有する眼科用組成物には、上述したように組成物の澄明性や、外観安定性上の課題があり、界面活性剤の配合で課題が解決できるものの、多量の界面活性剤によって可溶化させた流動パラフィンは涙液油層安定化効果を失ってしまう。非イオン界面活性剤の中でも(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油及び(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(B−3)(B−1)及び(B−2)以外の非イオン界面活性剤の配合質量比を、0.5≦((B−1)+(B−2)+(B−3))/(A)、((B−1)/0.75+(B−2)/2+(B−3)/0.2))/(A)≦10.0とすることで、組成物の外観は澄明でありながら、涙液希釈により流動パラフィンと非イオン界面活性剤が分離し、流動パラフィン同士の合一を促進、水面への遊離を促進し、涙液油層安定化効果を発揮できる。上記(B−1)成分と(B−2)成分は、比較的高濃度配合しても、涙液油層安定化効果を維持できるため、組成物の澄明性に有利である点から1種以上配合されていることが好ましい。さらに、組成物の澄明性や、外観安定性の点から非イオン界面活性剤は2種以上配合されていることがより好ましい。また、HLBに関しては、涙液油層安定化効果に影響を及ぼすおそれがあるため、10以上の非イオン界面活性剤を用いることが好ましく、12.8以上がより好ましく、13以上がさらに好ましい。
ポリオキシエチレンヒマシ油(POEヒマシ油)は、ヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、3〜60モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレンヒマシ油3(数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油20、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポリオキシエチレンヒマシ油40、ポリオキシエチレンヒマシ油50、ポリオキシエチレンヒマシ油60等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。涙液油層安定化効果の点から、ポリオキシエチレンヒマシ油35を用いることが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)は、水添したヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、5〜100モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5(数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。涙液油層安定化効果の点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を用いることが好ましい。
ポリソルベート80(モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン)(()内数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)に代表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(POEソルビタン脂肪酸エステル)、ポロクサマーに代表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(POEPOPグリコール)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(100)に代表されるモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ただし、界面から脱着しにくいレシチンや水添レシチン、ホスファチジルコリンやホスファチジルグリセロール等のリン脂質類等は涙液希釈によって流動パラフィンから分離せず、流動パラフィンが涙液油層へ移行されにくくなるため、実質的に含まれないことが好ましい。
本発明の眼科用組成物は、さらにテルペノイドを含有するとよい。(C)テルペノイドの配合により、組成物の涙液希釈による流動パラフィンの水面への遊離性を高める等、遊離性を調整することができ、涙液油層安定化効果を高めることができる。本発明におけるテルペノイドとは、イソプレンユニットを構成単位とする構造を有するもので、例えば、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン等が挙げられる。また、炭素数により、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペン、テトラテルペンがある。具体的には、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、リュウノウ、ゲラニオール、シネオール、リナロール、シトロネロール及びリモネン等のモノテルペン、レチノール及びレチナール等のジテルペン、カロチノイド等のテトラテルペン等が挙げられる。中でも、モノテルペンを使用することが好ましい。これらのテルペノイドは、d体、l体又はdl体のいずれでも使用することができる。中でも、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロールが好ましく、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロールがより好ましい。なお、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、及びフタバガキ科植物の精油、ロズマリン油、ラベンダー油等が挙げられる。涙液油層安定化効果を高める点から、ベルガモット油、ユーカリ油が好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を適量配合することができる。その他の成分としては、流動パラフィン以外の油成分、防腐剤、糖類、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、安定化剤、多価アルコール、粘稠剤、薬物等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。下記に示す成分の配合量は、配合する場合の好ましい範囲であり、組成物中の量である。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、(A)成分等の油性成分と(B)成分等の界面活性剤成分との混合溶液を、水性成分を含む水溶液と混合して乳化させ、pH調整後、総体積を水により調製することにより得ることができる。各液体の混合方法は、一般的な方法でよく、パルセーター、プロペラ羽根、パドル羽根、タービン羽根等を用いて適宜行われるが、回転数は特に限定されず、激しく泡立たない程度に設定することが好ましい。各液体の混合温度は特に限定しないが、油性成分と界面活性剤成分が共に融解温度以上であることが好ましく、具体的には40〜95℃の範囲から適宜選定される。より好ましくは、さらに高圧乳化による微細化工程を行う。高圧乳化条件は、組成物の澄明性を向上させる観点からは高圧でパス回数を多くすることが好ましく、生産効率を向上させる観点からは、低圧でパス回数を少なくすることが好ましく、噴射圧は100〜245MPaが好ましく、150〜245MPaがより好ましく、200〜245MPaがさらに好ましい。さらに背圧を印加することが好ましく、1〜10MPaが好ましく、2〜5MPaがより好ましい。さらにパス回数は1〜10回が好ましく、1〜5回がより好ましい。高圧乳化時の温度は20〜90℃の範囲から適宜選定される。
本発明の組成物は、「水性眼科用組成物」であることが好ましい。本発明において、「水性眼科用組成物」とは、媒質が水である眼科用組成物をいう。なお、水の配合量は、涙液との混合を容易にし流動パラフィン移行遅延を防ぎ、涙液油層安定化効果をより得る点から、組成物中90.0〜99.5W/V%が好ましく、95.0〜98.0W/V%がより好ましい。
下記表に各水性成分を90mLの水に溶解し、90℃15分間加温混合した。別途、(A)流動パラフィンと(B)非イオン界面活性剤のプレミックスを作製し、90℃15分間加熱混合した。次に、プレミックスを上記水溶液に所定量加え、さらに90℃15分間加熱混合した。その後、室温まで冷却し、pH調整を行い、水で100mLになるように水を加えた。さらに、高圧乳化機(スターバーストミニ、(株)スギノマシン)を用い、噴射圧200MPa背圧3MPaにて5回処理を行ない、点眼剤を調製した。得られた組成物について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。また、製造後24時間後、40℃・6カ月保存後の外観安定性を評価した結果、実施例においてはクリーミング等見られず外観安定であったものの、比較例1,3はクリーミングしていた。なお、各実施例の粘度は0.5〜2.0mPa・sの範囲であった。
ヒトの涙液は平均7μLと言われており点眼剤30〜60μLを点眼した場合、約1.12〜1.23倍希釈されることになる。本試験では組成物の涙液希釈による流動パラフィンの水面への遊離性を評価するため、モデル涙液として生理食塩水を使用し、希釈倍率約1.2倍で希釈した時の水面上への流動パラフィン遊離を観察した。観察を容易にするため開口部の狭いメスフラスコを使用した。具体的には、50mLメスフラスコに生理食塩水10mLを加え、さらに組成物を開口部まで注いだ。なお、開口部まで注いだときの希釈率が1.2倍となるメスフラスコを使用し、開口部の面積は152mm2であった。水面上の流動パラフィンの観察は、蛍光灯を光源として光を液面にあて、液面に浮かんでいる油の干渉光を観察し、水面に占める油の干渉光の面積の割合を算出し、以下の基準で評価した。なお、いずれの実施例と比較例において非希釈の場合は油の干渉光は観察されなかった。
[評価基準]
◎:水面の10%以上に油の干渉光が観察される
○:水面の10%未満に油の干渉光が観察される
×:油の干渉光は観察されない
涙液油層安定性の評価を、ドライアイ観察装置DR−1(興和株式会社製)を用いて涙液油層のBUT(break up time)を測定することで行った。DR−1は涙液油層表面と涙液水層との境界面で反射される光の干渉像を測定できる装置である。健常眼では、均一な灰色または白色の干渉像が観察され、涙液油層が崩壊すると干渉像が消失する。被験者に各点眼剤30μLを点眼し10分経過後、数度瞬目し、その瞬目から涙液油層の崩壊までの時間(油層BUT)を測定した。被験者は点眼前の油層BUTが10秒以下の人7名13眼を選択した。結果を7名13眼の平均値から、下記評価基準で示す。10秒以下であった油層BUTは日内や日間変動、流動パラフィンを含まない点眼剤においては10秒を超えることはなく、10秒以上への改善は十分な有用性があるものとして可であると判断した。
[評価基準]
◎(優):油層BUTが60秒以上
〇(良):油層BUTが30秒以上60秒未満
●(可):油層BUTが10秒以上30秒未満
×(不可):油層BUTが10秒未満
製造直後の点眼剤を、分光光度計を用いて、波長600nmの透過率を測定した。
50%以上を合格とする。
〈in vitro涙液油層安定性試験〉
各油成分の涙液油層安定性を調べるために、in vitro評価系にて評価を行った。不安定化した涙液油層モデルとして、ウサギ眼瞼から抽出したマイバムに飽和脂質としてステアリン酸ステアリルとステアリン酸コレステリルを100:3.3:6.7の質量比で混合したもののクロロホルム溶液を作製し、その溶液を単位面積当たりの脂質量が5μg/cm2(平均的な眼の単位面積当たりの脂質量)となるようにポリテトラフルオロエチレン製水槽(45cm2)中の生食水面上に展開した。さらに、所定の濃度にした各油のクロロホルム溶液675μL(平均的な眼の大きさ2cm2あたり30μLとなる)を展開し、37℃15分間静置し、クロロホルムを完全に揮発させ、ポリテトラフルオロエチレン棒にて10回圧縮伸展行った後、油層の干渉光を目視にて観察し、以下の基準で涙液油層安定性の評価を行った。涙液において水層が露出していなければ一定以上の安定性があるものと考えられるため可であると判断した。
[涙液油層安定性評価]
◎(優):均一な油層
〇(良):ほぼ均一な油層
●(可):ムラがあるが水層は露出せず
×(不可):水層が露出
流動パラフィン第十六改正日本薬局法第1法(37.8℃)粘度76.6mm2/s(KAYDOL、島貿易(株)製)
流動パラフィン第十六改正日本薬局法第1法(37.8℃)粘度34.8mm2/s(ハイコールM−172、カネダ(株)製)
ポリオキシエチレンヒマシ油:ポリオキシエチレンヒマシ油35、ユニオックスC35、日油(株)製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*1:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、HCO60、日本サーファクタント工業(株)製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*2:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、HCO40、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*3:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4)、MYS4V、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*4:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)、MYS10V、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*5:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)、MYS40MV、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*6:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(100)、EMALEX8100、日本エマルション(株)製
POEソルビタン脂肪酸エステル*7:ポリソルベート80(モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、花王(株)製
POEPOPグリコール(ポリオキシエチレン(196)−ポリオキシプロピレン(67)ブロックコポリマー*8:LutrolF127、BASFジャパン(株)製
ホウ酸:小堺製薬(株)製
トロメタモール:関東化学(株)製
エデト酸ナトリウム水和物:クワレットN、ナガセケムテックス(株)製
塩化ナトリウム:富田製薬(株)製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)製
ヒマシ油:カネダ(株)製
ゴマ油:カネダ(株)製
中鎖脂肪酸トリグリセリド:NIKKOL トリエスター F−810、日光ケミカルズ(株)製
レシチン:卵由来、MP Biomedicals,Inc.製
メントール:l−メントール、鈴木薄荷(株)製
dl−カンフル:日本精化(株)製
ボルネオール:d−ボルネオール、柳沢正巳商店(株)製
ゲラニオール:高砂香料工業(株)製
シネオール:高砂香料工業(株)製
リナロール:高砂香料工業(株)製
ベルガモット油:山本香料(株)製
ユーカリ油:小川香料(株)製
[1].(A)流動パラフィン及び(B)非イオン界面活性剤を含有し、(A)成分と、
(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油
(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B−3)(B−1)及び(B−2)以外の非イオン界面活性剤の配合質量比が、
0.5≦((B−1)+(B−2)+(B−3))/(A)、((B−1)/0.75+(B−2)/2+(B−3)/0.2)/(A)≦10.0
である眼科用組成物。
[2].(B)非イオン界面活性剤が、(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油及び(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上を含む[1]記載の眼科用組成物。
[3].さらに、(C)テルペノイドを含む[1]又は[2]記載の眼科用組成物。
[4].高圧乳化による微細化工程を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の眼科用組成物を製造する方法。
(A)流動パラフィン
流動パラフィンは、飽和脂質が増加した不安定な涙液油層に対して、涙液油層安定化効果が高い成分である。流動パラフィンは、トリグリセリドからなる植物油や炭化水素の中でも炭素鎖長の短いスクワラン等と比較して極性が低い油分である。また、流動パラフィンは原油から得られる炭化水素類の混合物であり、常温で液体である。例えば、原油の常圧蒸留残油を原料に減圧蒸留,溶剤脱歴処理を行い、その後溶剤精製法又は水素化分解法処理を行う方法等により製造される。本発明に用いられる流動パラフィンに特に制限はなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、炭化水素の炭素鎖長に特に制限はないが、15〜45のものが好適に用いられる。また、炭化水素における二重結合の有無について特に制限はないが、飽和炭化水素を多く含むものが好適に用いられる。さらに、炭化水素の構造としては、直鎖、分岐鎖及び環状構造のいずれを含んでいてもよく、いずれの比重の流動パラフィンであっても用いることができる。特に、日本薬局方に収載された流動パラフィン及び軽質流動パラフィン等が好適である。なお、安定剤として適当な型のトコフェロールを含んでいてもよい。
(B)非イオン界面活性剤
(A)流動パラフィンを含有する眼科用組成物には、上述したように組成物の澄明性や、外観安定性上の課題があり、界面活性剤の配合で課題が解決できるものの、多量の界面活性剤によって可溶化させた流動パラフィンは涙液油層安定化効果を失ってしまう。非イオン界面活性剤の中でも(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油及び(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(B−3)(B−1)及び(B−2)以外の非イオン界面活性剤の配合質量比を、0.5≦((B−1)+(B−2)+(B−3))/(A)、((B−1)/0.75+(B−2)/2+(B−3)/0.2)/(A)≦10.0とすることで、組成物の外観は澄明でありながら、涙液希釈により流動パラフィンと非イオン界面活性剤が分離し、流動パラフィン同士の合一を促進、水面への遊離を促進し、涙液油層安定化効果を発揮できる。上記(B−1)成分と(B−2)成分は、比較的高濃度配合しても、涙液油層安定化効果を維持できるため、組成物の澄明性に有利である点から1種以上配合されていることが好ましい。さらに、組成物の澄明性や、外観安定性の点から非イオン界面活性剤は2種以上配合されていることがより好ましい。また、HLBに関しては、涙液油層安定化効果に影響を及ぼすおそれがあるため、10以上の非イオン界面活性剤を用いることが好ましく、12.8以上がより好ましく、13以上がさらに好ましい。
ポリオキシエチレンヒマシ油(POEヒマシ油)は、ヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、3〜60モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレンヒマシ油3(数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油20、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポリオキシエチレンヒマシ油40、ポリオキシエチレンヒマシ油50、ポリオキシエチレンヒマシ油60等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。涙液油層安定化効果の点から、ポリオキシエチレンヒマシ油35を用いることが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)は、水添したヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、5〜100モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5(数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100等が挙げられる。これらのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。涙液油層安定化効果の点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を用いることが好ましい。
ポリソルベート80(モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン)(()内数値は酸化エチレンの平均付加モル数、以下同様)に代表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(POEソルビタン脂肪酸エステル)、ポロクサマーに代表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(POEPOPグリコール)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(100)に代表されるモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ただし、界面から脱着しにくいレシチンや水添レシチン、ホスファチジルコリンやホスファチジルグリセロール等のリン脂質類等は涙液希釈によって流動パラフィンから分離せず、流動パラフィンが涙液油層へ移行されにくくなるため、実質的に含まれないことが好ましい。
本発明の眼科用組成物は、さらにテルペノイドを含有するとよい。(C)テルペノイドの配合により、組成物の涙液希釈による流動パラフィンの水面への遊離性を高める等、遊離性を調整することができ、涙液油層安定化効果を高めることができる。本発明におけるテルペノイドとは、イソプレンユニットを構成単位とする構造を有するもので、例えば、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン等が挙げられる。また、炭素数により、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペン、テトラテルペンがある。具体的には、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、リュウノウ、ゲラニオール、シネオール、リナロール、シトロネロール及びリモネン等のモノテルペン、レチノール及びレチナール等のジテルペン、カロチノイド等のテトラテルペン等が挙げられる。中でも、モノテルペンを使用することが好ましい。これらのテルペノイドは、d体、l体又はdl体のいずれでも使用することができる。中でも、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロールが好ましく、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロールがより好ましい。なお、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ローズ油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、及びフタバガキ科植物の精油、ロズマリン油、ラベンダー油等が挙げられる。涙液油層安定化効果を高める点から、ベルガモット油、ユーカリ油が好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を適量配合することができる。その他の成分としては、流動パラフィン以外の油成分、防腐剤、糖類、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、安定化剤、多価アルコール、粘稠剤、薬物等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。下記に示す成分の配合量は、配合する場合の好ましい範囲であり、組成物中の量である。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、(A)成分等の油性成分と(B)成分等の界面活性剤成分との混合溶液を、水性成分を含む水溶液と混合して乳化させ、pH調整後、総体積を水により調整することにより得ることができる。各液体の混合方法は、一般的な方法でよく、パルセーター、プロペラ羽根、パドル羽根、タービン羽根等を用いて適宜行われるが、回転数は特に限定されず、激しく泡立たない程度に設定することが好ましい。各液体の混合温度は特に限定しないが、油性成分と界面活性剤成分が共に融解温度以上であることが好ましく、具体的には40〜95℃の範囲から適宜選定される。より好ましくは、さらに高圧乳化による微細化工程を行う。高圧乳化条件は、組成物の澄明性を向上させる観点からは高圧でパス回数を多くすることが好ましく、生産効率を向上させる観点からは、低圧でパス回数を少なくすることが好ましく、噴射圧は100〜245MPaが好ましく、150〜245MPaがより好ましく、200〜245MPaがさらに好ましい。さらに背圧を印加することが好ましく、1〜10MPaが好ましく、2〜5MPaがより好ましい。さらにパス回数は1〜10回が好ましく、1〜5回がより好ましい。高圧乳化時の温度は20〜90℃の範囲から適宜選定される。
本発明の組成物は、「水性眼科用組成物」であることが好ましい。本発明において、「水性眼科用組成物」とは、媒質が水である眼科用組成物をいう。なお、水の配合量は、涙液との混合を容易にし流動パラフィン移行遅延を防ぎ、涙液油層安定化効果をより得る点から、組成物中90.0〜99.5W/V%が好ましく、95.0〜98.0W/V%がより好ましい。
下記表に各水性成分を90mLの水に溶解し、90℃15分間加温混合した。別途、(A)流動パラフィンと(B)非イオン界面活性剤のプレミックスを作製し、90℃15分間加熱混合した。次に、プレミックスを上記水溶液に所定量加え、さらに90℃15分間加熱混合した。その後、室温まで冷却し、pH調整を行い、水で100mLになるように水を加えた。さらに、高圧乳化機(スターバーストミニ、(株)スギノマシン)を用い、噴射圧200MPa背圧3MPaにて5回処理を行ない、点眼剤を調製した。得られた組成物について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。また、製造後24時間後、40℃・6カ月保存後の外観安定性を評価した結果、実施例においてはクリーミング等見られず外観安定であったものの、比較例1,3はクリーミングしていた。なお、各実施例の粘度は0.5〜2.0mPa・sの範囲であった。
ヒトの涙液は平均7μLと言われており点眼剤30〜60μLを点眼した場合、約1.12〜1.23倍希釈されることになる。本試験では組成物の涙液希釈による流動パラフィンの水面への遊離性を評価するため、モデル涙液として生理食塩水を使用し、希釈倍率約1.2倍で希釈した時の水面上への流動パラフィン遊離を観察した。観察を容易にするため開口部の狭いメスフラスコを使用した。具体的には、50mLメスフラスコに生理食塩水10mLを加え、さらに組成物を開口部まで注いだ。なお、開口部まで注いだときの希釈率が1.2倍となるメスフラスコを使用し、開口部の面積は152mm2であった。水面上の流動パラフィンの観察は、蛍光灯を光源として光を液面にあて、液面に浮かんでいる油の干渉光を観察し、水面に占める油の干渉光の面積の割合を算出し、以下の基準で評価した。なお、いずれの実施例と比較例において非希釈の場合は油の干渉光は観察されなかった。
[評価基準]
◎:水面の10%以上に油の干渉光が観察される
○:水面の10%未満に油の干渉光が観察される
×:油の干渉光は観察されない
涙液油層安定性の評価を、ドライアイ観察装置DR−1(興和株式会社製)を用いて涙液油層のBUT(break up time)を測定することで行った。DR−1は涙液油層表面と涙液水層との境界面で反射される光の干渉像を測定できる装置である。健常眼では、均一な灰色または白色の干渉像が観察され、涙液油層が崩壊すると干渉像が消失する。被験者に各点眼剤30μLを点眼し10分経過後、数度瞬目し、その瞬目から涙液油層の崩壊までの時間(油層BUT)を測定した。被験者は点眼前の油層BUTが10秒以下の人7名13眼を選択した。結果を7名13眼の平均値から、下記評価基準で示す。10秒以下であった油層BUTは日内や日間変動、流動パラフィンを含まない点眼剤においては10秒を超えることはなく、10秒以上への改善は十分な有用性があるものとして可であると判断した。
[評価基準]
◎(優):油層BUTが60秒以上
〇(良):油層BUTが30秒以上60秒未満
●(可):油層BUTが10秒以上30秒未満
×(不可):油層BUTが10秒未満
製造直後の点眼剤を、分光光度計を用いて、波長600nmの透過率を測定した。
50%以上を合格とする。
〈in vitro涙液油層安定性試験〉
各油成分の涙液油層安定性を調べるために、in vitro評価系にて評価を行った。不安定化した涙液油層モデルとして、ウサギ眼瞼から抽出したマイバムに飽和脂質としてステアリン酸ステアリルとステアリン酸コレステリルを100:3.3:6.7の質量比で混合したもののクロロホルム溶液を作製し、その溶液を単位面積当たりの脂質量が5μg/cm2(平均的な眼の単位面積当たりの脂質量)となるようにポリテトラフルオロエチレン製水槽(45cm2)中の生理食塩水面上に展開した。さらに、所定の濃度にした各油のクロロホルム溶液675μL(平均的な眼の大きさ2cm2あたり30μLとなる)を展開し、37℃15分間静置し、クロロホルムを完全に揮発させ、ポリテトラフルオロエチレン棒にて10回圧縮伸展行った後、油層の干渉光を目視にて観察し、以下の基準で涙液油層安定性の評価を行った。涙液において水層が露出していなければ一定以上の安定性があるものと考えられるため可であると判断した。
[涙液油層安定性評価]
◎(優):均一な油層
〇(良):ほぼ均一な油層
●(可):ムラがあるが水層は露出せず
×(不可):水層が露出
流動パラフィン第十六改正日本薬局法第1法(37.8℃)粘度76.6mm2/s(KAYDOL、島貿易(株)製)
流動パラフィン第十六改正日本薬局法第1法(37.8℃)粘度34.8mm2/s(ハイコールM−172、カネダ(株)製)
ポリオキシエチレンヒマシ油:ポリオキシエチレンヒマシ油35、ユニオックスC35、日油(株)製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*1:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、HCO60、日本サーファクタント工業(株)製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*2:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、HCO40、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*3:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4)、MYS4V、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*4:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)、MYS10V、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*5:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)、MYS40MV、日本サーファクタント工業(株)製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール*6:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(100)、EMALEX8100、日本エマルション(株)製
POEソルビタン脂肪酸エステル*7:ポリソルベート80(モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、花王(株)製
POEPOPグリコール(ポリオキシエチレン(196)−ポリオキシプロピレン(67)ブロックコポリマー*8:LutrolF127、BASFジャパン(株)製
ホウ酸:小堺製薬(株)製
トロメタモール:関東化学(株)製
エデト酸ナトリウム水和物:クワレットN、ナガセケムテックス(株)製
塩化ナトリウム:富田製薬(株)製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)製
ヒマシ油:カネダ(株)製
ゴマ油:カネダ(株)製
中鎖脂肪酸トリグリセリド:NIKKOL トリエスター F−810、日光ケミカルズ(株)製
レシチン:卵由来、MP Biomedicals,Inc.製
メントール:l−メントール、鈴木薄荷(株)製
dl−カンフル:日本精化(株)製
ボルネオール:d−ボルネオール、柳沢正巳商店(株)製
ゲラニオール:高砂香料工業(株)製
シネオール:高砂香料工業(株)製
リナロール:高砂香料工業(株)製
ベルガモット油:山本香料(株)製
ユーカリ油:小川香料(株)製
Claims (4)
- (A)流動パラフィン及び(B)非イオン界面活性剤を含有し、(A)成分と、
(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油
(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B−3)(B−1)及び(B−2)以外の非イオン界面活性剤の配合質量比が、
0.5≦((B−1)+(B−2)+(B−3))/(A)、((B−1)/0.75+(B−2)/2+(B−3)/0.2))/(A)≦10.0
である眼科用組成物。 - (B)非イオン界面活性剤が、(B−1)ポリオキシエチレンヒマシ油及び(B−2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上を含む請求項1記載の眼科用組成物。
- さらに、(C)テルペノイドを含む請求項1又は2記載の眼科用組成物。
- 高圧乳化による微細化工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の眼科用組成物を製造する方法。
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