JP2022099522A - 眼科用組成物及び外観安定化方法 - Google Patents

眼科用組成物及び外観安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造過程や輸送中の振動等を受けても外観安定性を維持できる、流動パラフィンとビタミンA又はビタミンEとを含有する眼科用組成物を提供する。【解決手段】(A-1)流動パラフィンと、(A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸及びその塩、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上とを含有し、透過率が70%以上である眼科用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、流動パラフィンを含有する眼科用組成物及びその外観安定化方法に関するものである。
涙液油層は、マイボーム腺から分泌される脂質から構成される。加齢やホルモンバランス変化により、前記油層中の脂質の飽和化が進行することが知られている。それはコンタクトレンズ装用により助長されることが、さらに知られている。脂質の飽和化が進行することにより、涙液油層が不安定化し、ドライアイを発症し、さらには眼精疲労を引き起こす一因となる。本発明者らは、この涙液油層の安定化に流動パラフィンを含む水性組成物が有効であることを見出した(特許文献1)。一方、ビタミンA、Eといった脂溶性ビタミン類は、目の機能改善に有効な成分として知られ、特にビタミンAは角膜・結膜や皮膚粘膜の角化症等のドライアイ治療に有効であることが知られている。
特開2017-186266号公報
一方、流動パラフィン、ビタミンA、Eといった脂溶性ビタミン類を非イオン界面活性剤で可溶化した眼科用組成物において、製造過程や輸送時の振動等により、エマルション同士の合一が促進され、外観が悪化(透過率が低下)することが判明した。本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、製造過程や輸送中の振動等を受けても外観安定性を維持できる、流動パラフィンとビタミンA又はビタミンEとを含有する眼科用組成物及びその外観安定化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、流動パラフィンと、ビタミンA又はビタミンEとを含有する眼科用組成物に、非イオン界面活性剤と、特定の成分とを配合することで、上記課題が解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記眼科用組成物及び眼科用組成物の外観安定化方法を提供する。
1.(A-1)流動パラフィンと、
(A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、
(B)非イオン性界面活性剤と、
(C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸及びその塩、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上とを含有し、透過率が70%以上である眼科用組成物。
2.(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上である1記載の眼科用組成物。
3.(B)/(A)が2~10であり、(A-1)/(A-2)が0.1~5である1又は2記載の眼科用組成物。
4.(A-1)流動パラフィンと、
(A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する眼科用組成物に、(C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上を配合することを特徴とする、上記眼科用組成物の外観安定化方法。
本発明によれば、製造過程や輸送中の振動等を受けても外観安定性を維持できる、流動パラフィンと、ビタミンA又はビタミンEとを含有する眼科用組成物を含有する眼科用組成物及びその外観安定化方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A-1)成分]
流動パラフィンは、飽和脂質が増加した不安定な涙液油層に対して、涙液油層安定化効果が高い成分である。流動パラフィンは常温液体の炭化水素からなり、トリグリセリドからなる植物油や炭化水素の中でも炭素鎖長の短いスクワラン等と比較して極性が低い油分である。また、流動パラフィンは原油から得られる炭化水素類の混合物であり、比重が0.860~0.890(日本薬局方20/20℃)、常温で液体である。原油の常圧蒸留残油を原料に減圧蒸留,溶剤脱歴処理を行い、その後、溶剤精製法又は水素化分解法処理を行う方法等により製造される。本発明に用いられる流動パラフィンに特に制限はなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。炭化水素の炭素鎖長に特に制限はないが、15~45、好ましくは22~39のものが好適に用いられる。また、炭化水素における二重結合の有無について特に制限はないが、飽和炭化水素を多く含むものが好適に用いられる。さらに、炭化水素の構造としては、直鎖、分岐鎖及び環状構造のいずれを含んでいてもよく、いずれの比重の流動パラフィンであっても用いることができる。特に、日本薬局方に収載された流動パラフィン及び軽質流動パラフィン等が好適である。なお、安定剤として適当な型のトコフェロールを含んでいてもよい。
流動パラフィンの粘度はその分子量と相関しており、第十七改正日本薬局方第1法(37.8℃)の測定方法において、動粘度30~100mm2/sのものが好ましく、37~88mm2/sのものがより好ましく、74~88mm2/sのものがさらに好ましい。上記粘度範囲内の2種以上を混合してもよい。上記30mm2/s以上とすることで、涙液油層安定化効果をより得ることができる。涙液油層安定化効果をより高める点からは、74~88mm2/sのものが好ましい。また、100mm2/s以下とすることで、外観の透過率が高められると同時に、流動パラフィン特有の眼刺激をより軽減することができる。なお、外観の透過率と眼刺激軽減の点からは、37~88mm2/sのものが好ましい。
(A-1)成分の含有量は、涙液油層安定化の観点から、眼科用組成物(以下、組成物と記載する場合がある)中、0.001~1w/v%(質量/体積%、g/100mL)が好ましく、0.005~0.5w/v%がより好ましく、0.01~0.2w/v%がさらに好ましい。この範囲とすることで、涙液油層安定化効果が期待でき、眼刺激性がなく、組成物の透過率を高めることができる。
[(A-2)成分]
(A-2)成分は、ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。ビタミンAとしては、例えば、ビタミンAそれ自体の他に、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA誘導体が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノール、レチノイン酸、レチノイド等が挙げられる。中でも、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノイン酸が好ましい。レチノールパルミチン酸エステルは、通常100~180万国際単位/g(以下、I.U./gと略記する)のものが市販されており、具体的には、DSM社製レチノールパルミチン酸エステル[174万I.U./g)]、シグマアルドリッチ社製パルミチン酸レチノール等が挙げられる。
ビタミンEとしては、例えば、トコフェロール、トコトリエノール、これらの塩、誘導体(エステル)を総称する意味で使用される。具体的には、例えば、d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール等があり、これらの誘導体としては、例えば、ビタミンE酢酸エステル(酢酸トコフェロール)、ビタミンEニコチン酸エステル、ビタミンEコハク酸エステル、ビタミンEリノレン酸エステル等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、酢酸トコフェロール(酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール等)が好ましい。
(A-2)成分の含有量は、組成物中0.010575~0.1575w/v%が好ましく、0.02575~0.0874w/v%がより好ましく、0.0472~0.0787w/v%がさらに好ましい。
ビタミンAを配合する場合、その含有量は、組成物中1,000単位~10万単位(0.000575~0.0575w/v%)が好ましく、1万単位~6.5万単位(0.00575~0.0374w/v%)がより好ましく、3万単位~5万単位(0.0172~0.0287w/v%)がさらに好ましい。(ただしカッコ内は174万I.U./gの場合)
ビタミンEを配合する場合、その含有量は、組成物中0.01~0.1w/v%が好ましく、0.02~0.08w/v%がより好ましく、0.03~0.05w/v%がさらに好ましい。
(A-1)/(A-2)で表される含有質量比は0.1~5が好ましく、0.5~4がより好ましく、1~3がさらに好ましい。なお、上記比はw/v%比であるが、質量比と同じである。
[(B)成分]
(B)非イオン界面活性剤としては特に限定されず、眼科用組成物に用いられる非イオン界面活性剤を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、(B-1)ポリオキシエチレンヒマシ油、(B-2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、(B-3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、(B-4)(B-1)、(B-2)及び(B-3)以外の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
(B-1)ポリオキシエチレンヒマシ油
ポリオキシエチレンヒマシ油(POEヒマシ油)は、ヒマシ油に酸化エチレン(EO)を付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、3~60モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレンヒマシ油3(EO平均付加モル数3)、ポリオキシエチレンヒマシ油10(EO平均付加モル数10)、ポリオキシエチレンヒマシ油20(EO平均付加モル数20)、ポリオキシエチレンヒマシ油35(EO平均付加モル数35)、ポリオキシエチレンヒマシ油40(EO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレンヒマシ油50(EO平均付加モル数50)、ポリオキシエチレンヒマシ油60(EO平均付加モル数60)等が挙げられる。これらのポリオキシエチレンヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(B-2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)は、水添したヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、5~100モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5(EO平均付加モル数5)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10(EO平均付加モル数10)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20(EO平均付加モル数20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30(EO平均付加モル数30)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(EO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(EO平均付加モル数50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(EO平均付加モル数60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80(EO平均付加モル数80)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100(EO平均付加モル数100)等が挙げられる。これらのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(B-3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(POEPOPグリコール)は、ポリオキシエチレン鎖(POE)とポリオキシプロピレン鎖(POP)からなるブロック共重合体であり、酸化エチレン(EO)と酸化プロピレン(PO)の平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおける酸化エチレンと酸化プロピレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、平均付加モル数5~200モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコール(EO平均付加モル数200、PO平均付加モル数70)、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(EO平均付加モル数196、PO平均付加モル数67)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(EO平均付加モル数160、PO平均付加モル数30)、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール(EO平均付加モル数120、PO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(EO平均付加モル数42、PO平均付加モル数67)、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール(EO平均付加モル数54、PO平均付加モル数39)、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール(EO平均付加モル数20、PO平均付加モル数20)等が挙げられる。
(B-4)(B-1)、(B-2)及び(B-3)以外の非イオン界面活性剤
ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル)に代表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(POEソルビタン脂肪酸エステル)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)に代表されるモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。この中でも、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル)が好ましい。
(B)界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60及びポリオキシエチレンヒマシ油から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
(B)成分の含有量は特に限定されないが、組成物中0.1~10w/v%が好ましく、0.3~5w/v%がより好ましく、0.6~1w/v%がさらに好ましい。
(B)/(A)で表される含有質量比は2~10が好ましく、4~8がより好ましく、5~7がさらに好ましい。この範囲で特に本発明の効果をより得ることができる。なお、含有質量比はw/v%比であるが、質量比と同じである(以下、同様)。
[(C)成分]
本発明の(C)成分は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸及びその塩、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸及びその塩、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、ピリドキシン及びその塩、アラントイン、及びブドウ糖から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明に用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースに制限はないが、第十七改正日本薬局方に収載されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)を用いることが好ましい。置換度タイプは、2910、2906、2208、1828のいずれでもよく、2910、2906、2208が好ましい。
2910としては、2w/v%水溶液の粘度が40.0~60.0mPa・s(例えば、METLOSE 60SH50(信越化学工業社製))、粘度が3,000~5,600mPa・s(例えば、METLOSE 60SH4000(信越化学工業社製))、粘度が7,500~14,000mPa・s(例えば、METLOSE 60SH10000(信越化学工業社製))等が挙げられる。
2906としては、2w/v%水溶液の粘度が40.0~60.0mPa・s(例えば、METLOSE 65SH50(信越化学工業社製))、粘度が320~480mPa・s(例えば、METLOSE 65SH400(信越化学工業社製))、粘度が3,000~5,600mPa・s(例えば、METLOSE 65SH4000(信越化学工業社製))のものが挙げられる。
2208としては、2w/v%水溶液の粘度が80~120mPa・s(例えば、METLOSE 90SH-SR100(信越化学工業社製))、粘度が3,000~5,600mPa・s(例えば、METLOSE 90SH-SR4000(信越化学工業社製))が挙げられる。なお、(C)成分の粘度測定方法は、600mPa・s未満の場合は、第十七改正日本薬局方第1法(20℃)、600mPa・s以上の場合は第2法で測定する。
本発明に用いられるメチルセルロースに制限はないが、第十七改正日本薬局方に収載されたメチルセルロース(メトキシ基26.0~33.0%)を用いることが好ましい。
メチルセルロースとしては、2w/v%水溶液の粘度が3.2~4.8mPa・s(例えば、METLOSE SM4(信越化学工業社製))、粘度が12.0~18.0mPa・s(例えば、METLOSE SM15(信越化学工業社製))、粘度が20.0~30.0mPa・s(例えば、METLOSE SM25(信越化学工業社製))、粘度が80~120mPa・s(例えば、METLOSE SM100(信越化学工業社製))、粘度が320~480mPa・s(例えば、METLOSE SM400(信越化学工業社製))、粘度が1,125~2,100mPa・s(例えば、METLOSE SM1500(信越化学工業社製))、粘度が3,000~5,600mPa・s(例えば、METLOSE SM4000(信越化学工業社製))等が挙げられる。
本発明に用いられるヒドロキシエチルセルロースに制限はないが、医薬品添加物規格2018に収載されたヒドロキシエチルセルロース(ヒドロキシエトキシル基30.0~70.0%)を用いることが好ましい。
ヒドロキシエチルセルロースとしては、2w/v%水溶液の粘度が300~600mPa・s(例えば、HEC CF-G(住友精化社製))、2w/v%水溶液の粘度が5,000~10,000mPa・s(例えば、HEC CF-V(住友精化社製))、2w/v%水溶液の粘度が10,000~16,000mPa・s(例えば、HEC CF-W(住友精化社製))、1w/v%水溶液の粘度が1,250~1,750mPa・s(例えば、HEC CF-X(住友精化社製))、1w/v%水溶液の粘度が2,000~3,000mPa・s(例えば、HEC CF-Y(住友精化社製))等が挙げられる。
本発明に用いられるポリビニルピロリドンに制限はないが、第十七改正日本薬局方に収載されたポリビニルピロリドン(ポビドン)を用いることが好ましい。K値は10~120のものが好ましく、K値は第十七改正日本薬局方に記載された方法で求めることができる。ポリビニルピロリドンとしては、K値が、11~14(例えば、Kollidon 12PF(BASFジャパン社製))、K値が、16~18(例えば、Kollidon 17PF(BASFジャパン社製))、K値が、28~32(例えば、Kollidon 30(BASFジャパン社製))、K値が、85~95(例えば、Kollidon 90F(BASFジャパン社製)等が挙げられる。
上記ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びポリビニルピロリドンの合計含有量は、組成物中0.0001~10w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.001~1w/v%がさらに好ましい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合する場合の含有量は、組成物中0.0001~5w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.01~0.5w/v%がさらに好ましい。
メチルセルロースを配合する場合の含有量は、組成物中0.0001~5w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.01~0.5w/v%がさらに好ましい。
ヒドロキシエチルセルロースを配合する場合の含有量は、組成物中0.0001~5w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.01~0.05w/v%がさらに好ましい。
ポリビニルピロリドンを配合する場合の含有量は、組成物中0.0001~5w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.01~0.25w/v%がさらに好ましい。
コンドロイチン硫酸又はその塩として、例えば、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ(株)製)、コンドロイチン硫酸ナトリウム(生化学工業(株)製)、コンドロイチン硫酸ナトリウム(日本バイオコン(株)製)等が挙げられる。コンドロイチン硫酸ナトリウム等のコンドロイチン硫酸又は塩を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
塩酸テトラヒドロゾリン等のテトラヒドロゾリン又はその塩、ベルベリン塩化物水和物、ベルベリン硫酸塩水和物等のベルベリン又はその塩、グリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸又は塩、ピリドキシン塩酸塩等のピリドキシン又はその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントインは薬物である。
テトラヒドロゾリン又はその塩を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
ベルベリン又はその塩を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
グリチルリチン酸又は塩を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.25w/v%w/v%がさらに好ましい。
ピリドキシン又はその塩を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
イプシロンアミノカプロン酸を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましい。
アラントインを配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
ブドウ糖を配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.2w/v%がさらに好ましい。
多価アルコールであるプロピレングリコールを配合する場合の含有量は、組成物中0.001~5w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましい。
(C)成分の含有量は特に限定されないが、組成物中0.0001~10w/v%が好ましく、0.0005~2w/v%がより好ましい。
(C)/(B)で表される含有質量比は、0.0001~2が好ましく、0.0005~2がより好ましく、0.001~2がさらに好ましい。特に、(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60であり、(C)成分が、ヒドロキシプロピルエチルセルロースの場合は、0.0001~2が好ましく、0.005~1がより好ましく、0.01~0.5がさらに好ましい。
(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60であり、(C)成分がメチルセルロースの場合は、組成物中0.0001~2が好ましく、0.005~1がより好ましく、0.01~0.5がさらに好ましい。
(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60であり、(C)成分がヒロドキシエチルセルロースの場合は、組成物中0.0001~0.5が好ましく、0.005~0.1がより好ましく、0.01~0.05がさらに好ましい。
(B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60であり、(C)成分がポリビニルピロリドンの場合は、組成物中0.0001~1が好ましく、0.005~0.5がより好ましく、0.01~0.25がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、眼科用組成物に配合されるその他の成分を適量配合することができる。その他の成分としては、防腐剤、糖類、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、安定化剤、上記以外の多価アルコール、清涼化剤、(C)成分以外の粘稠剤、水、油成分、上記以外の薬物等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。下記に示す成分の含有量は、配合する場合の好ましい範囲であり、組成物中の量である。
防腐剤の中でもアルキル鎖やベンゼン環等の疎水部を有する防腐剤として、チメロサール、フェニルエチルアルコール、アルキルアミノエチルグリシン、クロルヘキシジングルコン酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等が挙げられるが、流動パラフィンが涙液油層へ移行されにくくなるため、組成物中0.1w/v%以下が好ましく、0.01w/v%以下がより好ましく、0.001w/v%以下がさらに好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。防腐剤としては、流動パラフィンが涙液油層へ移行することを妨げない点から、ソルビン酸又はその塩や亜硫酸塩等が好ましい。組成物中に1w/v%以下が好ましく、0.1W/v%以下がさらに好ましい。
糖類としては、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。なお、これらは、D体、L体又はDL体のいずれでもよい。糖類を配合する場合、その含有量は、組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。緩衝剤を配合する場合、その含有量は、組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~2w/v%がより好ましく、0.001~1w/v%がさらに好ましい。
pH調整剤としては、無機酸又は無機アルカリ剤が挙げられる。例えば、無機酸としては(希)塩酸が挙げられる。無機アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。組成物のpHは、3.5~13.0とすることもでき、涙液油層不安定化が引き起こす諸症状をより改善する点から3.5~8.0が好ましく、5.5~8.0がより好ましい。なお、pHの測定は、25℃でpHメータ(HM-25R、東亜ディーケーケー(株))を用いて行う。
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、乾燥炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。涙液油層不安定化が引き起こす諸症状をより改善する点から、塩化ナトリウムと塩化カリウムを少なくとも1種以上配合し、等張化されていることが好ましい。組成物の対生理食塩水浸透圧比は涙液油層不安定化が引き起こす諸症状をより改善する点から0.60~2.00が好ましく、0.60~1.55がより好ましく、0.83~1.20が最も好ましい。なお、浸透圧の測定は、25℃で自動浸透圧計(A2O、アドバンスインスツルメンツ社)を用いて行う。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。安定化剤を配合する場合、その含有量は、組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
多価アルコールとしては、グリセリン、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。多価アルコールを配合する場合、多価アルコールの含有量は、組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール等が挙げられる。d体、l体又はdl体のいずれでもよい。清涼化剤の含有量は、組成物中0.0001~0.2w/v%が好ましい。
(C)成分以外の粘稠剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリアクリル酸等が挙げられる。粘稠剤を配合する場合、その含有量は、組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
水は精製水等、特に限定されるものでないが、組成物中90.0~99.5w/v%が好ましく、95.0~99.5w/v%がより好ましい。
油成分としては、大豆油、オリーブ油、コーン油、ヤシ油、アーモンド油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酢酸-d-α-トコフェロール等のビタミンE、レチノールパルミチン酸エステル等のビタミンA、白色ワセリン、精製ラノリン、コレステロール、ミックストコフェロール等が挙げられる。流動パラフィン以外の油成分を配合する場合、その含有量は0.001~1.0w/v%が好ましく、0.001~0.5w/v%がより好ましく、0.001~0.25w/v%が最も好ましい。なお、流動パラフィン以外の油成分は無配合でもよい(0w/v%)。
薬物(薬学的有効成分)としては、例えば、充血除去成分(例えば、エピネフリン、塩酸エピネフリン、エフェドリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩、ナファゾリン硝酸塩、フェニレフリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩等)、消炎・収斂剤(例えば、ネオスチグミンメチル硫酸塩、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム塩酸塩等)、抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、水溶性ビタミン類(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等)、アミノ酸類(例えば、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-アスパラギン酸カリウム・マグネシウム(等量混合物)、アミノエチルスルホン酸等)、サルファ剤等が挙げられる。薬物を配合する場合、薬物の含有量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが組成物中0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~1w/v%がより好ましく、0.001~0.1w/v%がさらに好ましい。
[製造方法]
本発明の組成物の製造方法は、必須成分及び任意成分を混合すればよいが、高圧乳化機を用いて高圧乳化する方法が好ましい。高圧乳化物とすることで、透過率を高めることができる。より具体的には下記方法が挙げられる。
上記(A)及び(B)成分を混合して、懸濁水溶液を得て、この懸濁液を高圧乳化機に投入して、高圧乳化させる。混合方法は、一般的な混合方法でよく、パルセーター、プロペラ羽根、パドル羽根、タービン羽根等を用いて適宜行われるが、回転数は特に限定されず、激しく泡立たない程度に設定することが好ましい。
高圧乳化前の懸濁水溶液はすみやかに高圧乳化機へ投入する。高圧乳化機の噴射圧は組成物の透過率を高める点から、80~250MPaが好ましく、150~250MPaがより好ましく、200~250MPaがさらに好ましい。これ以上の圧力をかけることで、流動パラフィンがより均一となる。背圧は組成物の透過率を高める点より、1~10MPaが好ましく、3~10MPaがより好ましい。また、背圧はかけなくてもよい。パス回数は組成物の透過率を高める点より、3回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、10回以上、更には20回以上でもよい。高圧乳化直後の組成物の温度は、処理効率を高める点から30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。高圧乳化時間は、高圧乳化機への懸濁投入開始から終了まで10~30分が好ましく、10~15分がより好ましい。この時間以上とすることで、投入した懸濁水溶液をより均一に乳化できる。なお、乳化終了後は常温のままでよい。
[眼科用組成物]
組成物中に含有されるエマルション粒子((A)成分と(B)成分の会合体)の粒子径は、1,000nm以下とすることができ、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、1nmとすることもできる。なお、本発明において粒子径とは散乱光強度から算出した体積基準粒度分布の平均径(メディアン径)を指す。粒子径は光散乱等の原理を応用した各種測定装置により、恒温槽を用い、25℃一定の温度条件のもと行う。このような装置としては例えば、粒子径測定装置(ELSZ-200ZS、大塚電子(株)製)で動的散乱法にて測定することができる。
本発明の組成物の透過率は、具体的には、分光光度計(例えば、UV-1800、(株)島津製作所)を用いて測定した波長600nmの透過率が、70%以上であり、80~100%が好ましく、90~100%が好ましく、95~100%がより好ましい。後述する実施例における「振とう試験」後における、透過率は70%以上80%未満が好ましく、80%以上90%未満がより好ましく、90%以上100%がさらに好ましい。
本発明の組成物は眼への適応を容易にする点から液体が好ましく、25℃における粘度は、涙液との混合を容易にし、涙液油層安定化効果をより得る点から、20mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以下がさらに好ましい。なお、粘度の測定方法はコーンプレート型粘度計(DV2T、英弘精機(株))を用いて行う。
本発明の眼科用組成物は、特に、点眼剤、コンタクトレンズ用点眼剤、洗眼剤等として好適に使用できるが、点眼剤、コンタクトレンズ用点眼剤(コンタクトレンズ装着者用点眼剤)として好適に使用できる。コンタクトレンズとしては、ハードコンタクトレンズ、O2ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、シリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズ等が挙げられ、特に限定されない。
点眼剤又はコンタクトレンズ用点眼剤として使用する場合、1回につき10~100μLを1~3滴、1日につき1~6回点眼することが好ましく、目からあふれ出すことにより涙液油層安定化効果が減ずるおそれがあるため、1回につき10~50μLを1~3滴、1日につき1~6回がより好ましい。1回につき10~30μLを1~3滴、1日につき1~6回がさらに好ましい。洗眼剤として使用する場合、1回につき3~6mL、1日につき3~6回洗眼することが好ましい。
得られた組成物を樹脂製容器に充填後、さらに包装体により密封し、上記容器と上記包装体との間に形成された空間に窒素等の不活性ガスを封入してもよく、組成物を樹脂製容器に充填後、脱酸素剤と共に包装体により密封してもよい。
[外観安定化方法]
本発明は、(A-1)流動パラフィンと、(A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、(B)非イオン性界面活性剤とを含有する眼科用組成物に、(C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上を配合することを特徴とする、上記眼科用組成物の外観安定化方法を提供する。これらの方法において、好適な成分、量は上記と同じである。なお、この外観安定化方法とは、眼科用組成物に振動を与えた場合、外観が悪化(透過率が低下)することを抑制することをいう。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は「w/v%(g/100mL)」、比率は質量比を示す。
[実施例、比較例]
(C)成分を含む各水溶性成分を90mLの水に加え、90℃・15分間加温混合して、水溶性成分の水溶液を得た。別に(A)流動パラフィンと、(B)ビタミンA又はビタミンEと、(B)非イオン界面活性剤を90℃・15分間加熱混合し、予備混合物を作製した。次に、その予備混合物を水溶性成分の水溶液に所定量加え、さらに90℃・15分間加熱混合した。その後、室温まで冷却し、100mLになるように水を加えた。上記を実施例ごとに作製し、さらに、高圧乳化機(スターバーストミニ、(株)スギノマシン)を用い、噴射圧200Pa、背圧3Mpa、処理回数5回にて処理を行なった。得られた組成物の組成を表中に示す。上記例で得られた眼科用組成物について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。なお、眼科用組成物のpHは6.9~7.9の範囲であった。
(1)白濁抑制(振とう試験)評価
眼科用組成物をPET(ポリエチレンテレフタレート)製の目薬容器に充填し(15mL容器に4mL充填)、40℃・360回/分で6時間振とうした。分光光度計UV1800((株)島津製作所)により、波長600nmにおける透過率(%)を25℃で測定した。コントロール(製造直後の同組成製剤)の透過率(%)を同様の手法により測定し、下記式により製造直後に対する振とう試験後の透過率比を算出した(N=2平均)。
製造直後に対する振とう試験後の透過率比=振とう試験後の透過率(%)/製造直後の透過率(%)
なお、(C)成分を含まない以外は組成が同じ対応比較例に対する白濁抑制率を下記式で算出した。
対応比較例に対する白濁抑制率=(製造直後に対する振とう試験後の透過率比-対応比較例の製造直後に対する振とう試験後の透過率比)/(1-対応比較例の製造直後に対する振とう試験後の透過率比)×100
Figure 2022099522000001
Figure 2022099522000002
Figure 2022099522000003
Figure 2022099522000004
Figure 2022099522000005
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
流動パラフィン:第十七改正日本薬局法第1法(37.8℃)粘度76.6mm2/s(KAYDOL、島貿易社製)
レチノールパルミチン酸エステル(DSM社製)
酢酸d-α-トコフェロール(理研Eアセテートα、理研ビタミン(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO60、日本サーファクタント社製)
ポリオキシエチレンヒマシ油(ユニオックスC35、日油(株)製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(Lutrol F127、BASFジャパン(株)製)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(METLOSE、日本薬局方ヒプロメロース、信越化学工業(株)製)、品種・粘度グレード:60SH4000
メチルセルロース(METLOSE、日本薬局方メチルセルロース、信越化学工業(株)製)、品種・粘度グレード:SM4
ヒドロキシエチルセルロース(CF-V、住友精化(株)製)
ポリビニルピロリドン(Kollidon 90F、BASFジャパン社製)
塩酸テトラヒドロゾリン(岡見化学工業(株)製)
イプシロンアミノカプロン酸(積水メディカル(株)製)
アラントイン((株)パーマケム・アジア製)
ベルベリン塩化物水和物(塩化ベルベリン、アルプス薬品工業(株)製)
グリチルリチン酸二カリウム(丸善製薬(株)製)
ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン(株)製)
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(マルハニチロ(株)製)
ブドウ糖(富士フイルム和光純薬(株)製)
プロピレングリコール((株)ADEKA製)

Claims (4)

  1. (A-1)流動パラフィンと、
    (A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、
    (B)非イオン性界面活性剤と、
    (C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸及びその塩、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上とを含有し、透過率が70%以上である眼科用組成物。
  2. (B)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上である請求項1記載の眼科用組成物。
  3. (B)/(A)が2~10であり、(A-1)/(A-2)が0.1~5である請求項1又は2記載の眼科用組成物。
  4. (A-1)流動パラフィンと、
    (A-2)ビタミンA及びビタミンEから選ばれる1種以上と、
    (B)非イオン性界面活性剤とを含有する眼科用組成物に、(C)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラヒドロゾリン及びその塩、ベルベリン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ピリドキシン及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ブドウ糖及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上を配合することを特徴とする、上記眼科用組成物の外観安定化方法。
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