JPWO2018096636A1 - 定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システム - Google Patents

定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システム Download PDF

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Abstract

電動モータは通常、それを定格出力以上で運転することを想定していない。電動モータを過負荷で常時運転すると、いかなる事態が起こるかが容易に理解されるからである。本発明は、定格負荷を超える負荷で常時運転する無鉄心回転電機機械、その駆動方法およびそれを含む駆動システムの実現を目指すものであり、より具体的には、通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型またはカップ型マウントで内周面に複数のマグネットが配備されているロータとでエアギャップを含む空隙を形成する無鉄心回転電気機械において、定格を超える負荷で稼働するときに、エアギャップを含む空隙に冷媒液を供給し、発熱する円筒コイルが冷媒液を気化し、冷媒液の気化潜熱で円筒コイルを冷却し、円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように、冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにした無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムとして、実現された。

Description

本発明は、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムに関する。
本発明は、より具体的には、通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータ(固定子)と、蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型またはカップ型マウントで内周面に複数のマグネットが配備されているロータ(回転子)とでエアギャップを含む空隙を形成する無鉄心回転電気機械において、定格を超える負荷で稼働するときに、エアギャップを含む空隙に冷媒液を供給し、発熱する円筒コイルが冷媒液を気化し、冷媒液の気化潜熱で円筒コイルを冷却し、円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにした無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムに関する。
電動モータと発電機は同じ構造を有する回転電気機械である。回転電気機械について、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電動モータを用いて説明する。電動モータは、磁界と電流の相互作用で発生する電磁力を出力させるものである。分類方法はさまざまであるが、大きくはブラシ付きのDCモータとブラシレスモータに区分され、前者は磁石をステータ(固定子)に、コイルをロータ(回転子)とし、後者は逆にコイルをステータ(固定子)に、磁石をロータ(回転子)としており、いずれも回転子より外部へ電磁力を出力するものである。一方磁界発生方法の違いにより巻線界磁型と永久磁石型にも区分され、コイルに鉄心(コア)が有るものとないものにも区分される。上記区分にしたがって、永久磁石界磁型の無鉄心ブラシレス電動モータが本発明の対象になる。
本発明は、永久磁石界磁型で無鉄心の円筒コイルからなるコアレスのブラシレスモータに関する。ステータの無鉄心の円筒コイルは、絶縁層で覆われた線状部を有する導電性金属シートの積層体から構成するか、または、絶縁層で覆われた線状導体から構成するかのいずれかである。
電動モータは、始動時に定格電流を瞬間的に超えることはあっても、通常、定格を超える状態で連続運転されることを想定していない。電動モータを過負荷の状態、つまり定格以上で連続運転すると、電流によって電動モータの円筒コイルは想定以上に発熱する。
電動モータの構造および機能にもよるが、本発明に関連し試験用モータとして製作されたコアレスモータ(CP50)を用いて冷媒液供給の制御部を作動させずに定格を超えた各条件で過負荷試験してみると、後述されるように、僅か数十秒で円筒コイルの許容上限温度130℃を超える。このことから容易に想定され得る最悪の事態は、円筒形コイルが焼損し破壊されることである。たとえ破壊にまで至らなくとも、性能面から、コアレスモータの長時間の正常運転を期待することはできなくなる。円筒コイルの発熱やマグネットの加熱に伴う電動モータの性能低下を防ぐため、電動モータに冷却機能を付加することは、いうまでもなく周知であり、慣用手段に過ぎない。
そうした冷却機能の有無に拘わらず、電動モータの通常運転時にコイルやマグネットの温度上昇に対して保証された使用限度が、製造元から定格として表示される(非特許文献1の41頁)。定格は、製造元が保証する独自基準であるが、カタログや諸元表に記載される。それは、例えば、モータが所定の電圧で良好な特性を発揮しながら発生する最大出力が定格出力になり、定格出力で運転されているときの回転速度は定格回転速度で、そのときのトルクTが定格トルクであり、そのときの電流が定格電流である。使用を指定していない場合は、無期限に運転できる連続定格を定格としている。その他の定格として、運転期間を限定した短時間定格や、周期的に運転と停止を繰り返す反復定格などがある。
本発明は、過負荷で常時運転する発想に基づき開発された定格を超える負荷で稼働するためのコアレスモータに関する。ここでいう「定格」は、例えば、所定の電圧でコアレスモータを定格トルクまたは定格出力で稼働する場合を指す。
因みに、試験用モータとして製作されたコアレスモータ(CP50)は、いわゆる電動モータである。詳細は後述されるが、ここでいう定格は、冷媒液の供給量はゼロにして、冷媒液供給の制御部を作動せずに連続運転を行い、かつ、円筒コイルの温度が許容上限温度130℃を超えない条件としたものであり、定格トルクT=0.28Nm、定格電流I=9.7Arms、定格回転速度n=6537rpm、定格出力P=191.67Wである(図11)。
次に円筒コイルの発熱やマグネットの加熱に伴う電動モータの性能低下を防ぐための冷却機能を電動モータに付加することは周知である。このことは以下の従来技術から認識される。
特表2012−523817号公報(特許文献1)には、コイル周囲にコイルの作動温度よりも低い沸点を有する冷媒液を吸収し、コイルを濡らす拡散材料を配して沸騰する冷媒液の気化熱でコイルを冷却することが記載されている。
特開平10−336968公報(特許文献2)には、ロータの遠心ポンプ作用と高低差を利用してラジエータを含む気液二相を冷媒循環させ、車両用回転電電機内を冷却するようにしたシステムが記載されている。
特開2006−14522号公報(特許文献3)には、発電機内に沸点温度が許容限度温度以下の冷媒を貯蔵し、発電機の運転時に冷媒を気化させて発電機内で液化することを交互に繰り返しながら効率的に発電機を冷却することが記載されている。
特開2006−158105号公報(特許文献4)には、冷媒のリザーブタンクを含む自己循環経路において液相の冷媒をロータの発熱で気化し、気化冷媒で効率よく冷却することが記載されている。
特開2009−118693号公報(特許文献5)には、ロータ冷却装置において、冷媒がロータの冷却壁面に偏在しないように、壁面に向けて少量ずつ連続的に供給し、気化潜熱で冷却する方法が記載されている。
特開2015−95961号公報(特許文献6)には、モータの密閉ケース内で、該ケース内に封入された冷媒をステータのコイル熱で気化し、放熱部で液化し、密閉ケース内で循環するモータの冷却構造が記載されている。この冷却構造は、特許文献3や特許文献4に記載されたものと共通する。
特開2009−118686号公報(特許文献7)には、マグネットの冷却とコイルの冷却とに対してそれぞれの冷媒流通経路を設け、それらが切り替え可能な手段を配した回転電機の冷却構造が記載されている。
特開2014−17968号公報(特許文献8)には、ハイブリット車両に搭載される回転電機の冷却システムが記載されている。その回転電機は、電磁鋼板を多数枚積層したステータコアに巻装されたコイル部を含むものである。これに開示された鉄心を有する回転電機の冷却システムは、コイル部の巻線温度が180℃以上になることが10回を超えると、コイル部の巻線周囲の絶縁被膜が蒸発または気化して消失し、放電耐圧性能を低下させてしまうので、そうならないように、特定部位の巻線周囲に冷媒の付着状態を形成するように冷媒の供給量を調整する制御部を配備するようにしたものである。
特開平6−217496号公報(特許文献9)には、発電機のロータの内側に蒸発凝縮室を設け、外部から冷却液を軸方向にジェット流で送り込み、遠心力を利用して蒸発凝縮室側に偏位して流動させる冷却液室に連接する液室に廃液用のインペラが設けられた発電機が記載されている。
特開平5−308752号公報(特許文献10)には、ロータと該ロータを囲む環状のステータとが機密状態のハウジング内に収められたモータにおいて、作動流体が封入されたハウジング内の環状の空洞に連通するパイプと毛細管作用を有するウイットを配したモータの放熱構造が記載されている。
特開平8−130856号公報(特許文献11)には、円筒形コアに巻かれたコイルからなる電気自動車用駆動装置モータにおいて冷却用オイルポンプから冷却油噴射部を介してコイルエンドに滴下する冷却回路が記載されている。
特表2012−523817号公報 特開平10−336968号公報 特開2006−14522号公報 特開2006−158105号公報 特開2009−118693号公報 特開2015−95961号公報 特開2009−118686号公報 特開2014−17968号公報 特開平6−217496号公報 特開平5−308752号公報 特開平8−130856号公報
『史上最強カラー図解 最新モータ技術のすべてがわかる本』赤津 観監修 ナツメ出版企画株式会社 (2013年7月20日発行)
ステータとロータという部品の電磁気作用によって回転する電動モータに内在する技術的課題は、ステータに配備される電機子のコイルの発熱作用である。電動モータの能力や大小は、通常、電動モータの出力で表現される。その出力Pは、回転速度n(rpm)とトルクT(N・m)との積で表される。電動モータの入力電力P(W)とすると、入力電力Pと出力Pとの差は熱損失Pとして熱エネルギーに変換されて周囲に放出される。これが電機子コイルの発熱作用であり、電動モータの避け難い技術的問題である。例えば、コアレスモータに限らず、電動モータは、定格を超える負荷で稼働し続けると、その発熱作用によって短時間で電機子コイルの許容上限温度を突破し、焼損し破壊されることは当業者にとって周知の事項である。それはまた、電機子コイルの発熱作用が電機子コイルの抵抗値を高め電動モータの出力変動を惹起するという問題を内在しており、したがって、電機子コイルを一定温度範囲に完全制御し出力変動を最小化することは、電動モータの究極的技術的課題でもある。
その課題解決は、電機子コイルの温度をいかに制御するかということになる。これまで見てきたように様々な提案がなされてきたが、電機子コイルを一定温度範囲に完全制御するという究極的課題に対する抜本的な課題解決には至っていない。

ところが、本発明者らは、過負荷で常時運転する発想に基づく電動モータの開発に挑戦し、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを実現し、この技術的課題を解決するに至った。このことは、本発明の一実施形態に基づき製作されたコアレスモータ(CP50)を用いた駆動試験から確認することができる。
コアレスモータ(CP50)の電圧を24Vに設定し、トルクを測定した。これが定格トルクT=0.28Nmである。本発明者らは、コアレスモータ(CP50)に定格トルクTを超える負荷を連続的に付与しながら、電機子コイルである円筒コイルの発熱を完全に制御し、それにより、コアレスモータ(CP50)の長時間運転が可能であることを確認した。
本発明の第1の態様は、図1の断面模式図および図2の破断斜視図に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で円筒型マウント300の内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3とでエアギャップを含む空隙40形成し、空隙40に冷媒液80を供給する経路8をステータ2に設け、ステータ2に関連する制御部20と、ロータ3に関連する駆動部30と、を配備する、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
それはまた、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の第1の態様から明らかなように、無鉄心回転電気機械10は、駆動部30を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、制御部20を作動し、空隙40に冷媒液80を供給し、発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、無鉄心回転電気機械10は、それが定格を超える負荷で稼働されるときに、制御部20が作動し、円筒コイル100が許容上限温度tを超えないように冷媒液80の供給量を調整する動作と、該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度t と下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、制御部20は、図5の模式図に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して冷媒液80を空隙40に供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23を含むことができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、制御部20は、図6の模式図に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23を含むこともできる。
本発明の他の実施形態として、制御部20は、図5または図6に示されるように、循環手段82により冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収するようにしてもよい。
本発明のさらに他の実施形態として、図1および図2に示されるように、駆動シャフト1000が円筒型マウント300の中心部340に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10にすることができる。
本発明の第2の態様は、図3の断面模式図および図4の破断斜視図に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の一方の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置されるカップ型マウント400とからなるロータ3とによってエアギャップを含む第1空隙40を形成し、ロータ3を構成するカップ型マウント400は、一方は開放されており、他方は閉じられた底部410を有し、底部410に同心円のインナーヨーク420およびアウターヨーク430を一体化し、インナーヨーク420の外周面422および/またはアウターヨーク430の内周面431に複数のマグネット4を互いに円周方向に間隙41を空けて配備し、間隙41に対応するインナーヨーク420の位置にインナーヨーク420を貫通するスリット423を設けている。
それはさらに、円筒コイル100の他方の端面102をカップ型マウント400の底部410との間で隙間411を残して円筒コイル100を第1空隙40に浮かせて配置し、カップ型マウント400の一方の端面401と蓋型マウント200との間に円筒コイル100の内周側110に第2空隙50が形成され、円筒コイル100の外周側120に第3空隙60が形成され、第1空隙40に冷媒液80を供給する経路8がステータ2に設けられ、ステータ2に関連する制御部20と、ロータ3に関連する駆動部30と、が配備される、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
それはまた、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と第1空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の第2の態様から明らかなように、無鉄心回転電気機械10は、駆動部30を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、制御部20を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して円筒コイル100に送られる冷媒液80を発熱する円筒コイル100が気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように冷媒液80の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、無鉄心回転電気機械10は、それが定格を超える負荷で稼働されるときに、制御部20が作動し、円筒コイル100が許容上限温度tを超えないように冷媒液80の供給量を調整する動作と、該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、制御部20は、図5の模式図に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23を含むことができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、制御部20は、図6の模式図に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23を含むこともできる。
本発明の他の実施形態として、制御部20は、図5または図6に示されるように、循環手段82により冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収するようにしてもよい。
本発明のさらに他の実施形態として、図3および図4に示されるように、駆動シャフト1000がカップ型マウント400の中心部340に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10にすることができる。
本発明の第1および第2の態様における一つの実施形態として、円筒コイル100は、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明の第1および第2の態様における他の実施形態として、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。
本発明の第3の態様は、図1および図2に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3とによってエアギャップを含む空隙40を形成し、空隙40に冷媒液80を供給する経路8をステータ2に設け、ステータ2に関連する制御部20、ロータ3に関連する駆動部30と、を配備する、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
なお、本発明の駆動方法において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
発明の第3の態様から明らかなように、それは、駆動部30を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働する工程と、制御部20を作動し、空隙40に冷媒液80を供給する工程と、発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却する工程と、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、それはさらに、制御部20を作動し、円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める工程を含み、該工程と空隙40に冷媒液80を供給する工程とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持する工程をさらに含むことが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、それはまた、制御部20が、図5に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、冷媒液80を供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23をさらに含み、コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ23がポンプ22を作動し、空隙40に冷媒液80を供給する工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法とすることができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、それはまた、制御部20が、図6に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ23が電磁弁24を作動し、冷媒液容器81から空隙40に冷媒液を供給する工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法でもよい。
本発明の他の実施形態として、それはさらに、図5または図6に示されるように、制御部20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する工程をさらに含む駆動方法とすることもできる。
本発明のもう一つの他の実施形態として、それはさらに、駆動シャフト1000が円筒型マウント300の中心部340に固定され、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結された無鉄心回転電気機械10の駆動方法とすることができる。
本発明の第4の態様は、図3および図4に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の一方の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置されるカップ型マウント400とからなるロータ3とによってエアギャップを含む第1空隙40を形成し、ロータ3を構成するカップ型マウント400は、一方は開放されており、他方は閉じられた底部410を有し、底部410に同心円のインナーヨーク420およびアウターヨーク430を一体化し、インナーヨーク420の外周面422および/またはアウターヨーク430の内周面431に複数のマグネット4を互いに円周方向に間隙41を空けて配備し、間隙41に対応するインナーヨーク420の位置にインナーヨーク420を貫通するスリット423を設けている。
それはさらに、円筒コイル100の他方の端面102をカップ型マウント400の底部410との間で隙間411を残して円筒コイル100を前記第1空隙40に浮かせて配置し、カップ型マウント400の一方の端面401と蓋型マウント200との間に円筒コイル100の内周側110に第2空隙50が形成され、円筒コイル100の外周側120に第3空隙60が形成され、第1空隙40に冷媒液80を供給する経路8がステータ2に設けられ、ステータ2に関連する制御部20と、ロータ3に関連する駆動部30と、が配備される、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
なお、本発明の駆動方法において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と第1空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の第4の態様から明らかなように、それは、駆動部30を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械10を稼働する工程と、制御部20を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送る工程と、発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却する工程と、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、それはさらに、制御部20を作動し、円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙40に対する冷媒液80の供給を止める工程を含み、該工程と第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給しスリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送る工程とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度t と下限温度tとの範囲に維持する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、それはまた、制御部20が、図5に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、冷媒液80を供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23をさらに含み、コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ23がポンプ22を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送る工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法とすることができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、それはまた、制御部20が、図6に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から冷媒液80を第1空隙40に供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ23が電磁弁24を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送る工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、含む駆動方法とすることもできる。
本発明の他の実施形態として、それはさらに、図5または図6に示されるように、制御部20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する工程をさらに含む駆動方法とすることもできる。
本発明のもう一つの他の実施形態として、それはさらに、駆動シャフト1000がカップ型マウント400の中心部440に固定され、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結された無鉄心回転電気機械10の駆動方法とすることができる。
本発明の第3および第4の態様における一つの実施形態として、円筒コイル100は、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明の第3および第4の態様における他の実施形態として、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。
本発明の第5の態様は、図1および図2の無鉄心回転電気機械10の模式図と図5および図6の駆動システム1の模式図とよって示される、無鉄心回転電気機械10を、定格を超える負荷で稼働するための駆動システム1である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で円筒型マウント300の内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3とによってエアギャップを含む空隙40を形成し、ステータ2に空隙40に冷媒液80を供給する経路8を有する無鉄心回転電気機械10と、ロータ3と連動して作動する無鉄心回転電気機械10を駆動する駆動装置30と、ステータ2に配備される円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と連動して空隙40に冷媒液80を供給する制御装置20とからなる、無鉄心回転電気機械10を、定格を超える負荷で稼働するための駆動システム1である。
なお、本発明の駆動システム1において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と第1空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の第5の態様から明らかなように、駆動システム1は、駆動装置30を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、空隙40に冷媒液80を供給し、発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するようにしたことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、駆動システム1はさらに、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように空隙40に冷媒液80を供給する動作と、該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、制御装置20が、図5に示されるように、冷媒液80を供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21に連動してコントローラ2がポンプ22を作動し、空隙40に冷媒液80を供給すると共に冷媒液80の供給量を調整する駆動システム1とすることができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、制御装置20が、図6に示されるように、冷媒液80を供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21と連動して電磁弁24を作動し、円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給すると共に冷媒液80の供給量を調整する駆動システム1とすることもできる。
本発明の他の実施形態として、それはさらに、図5または図6に示されるように、制御装置20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する駆動システム1とすることができる。
本発明のもう一つの他の実施形態として、それはさらに、駆動シャフト1000を円筒型マウント300の中心部340に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10からなる駆動システム1とすることもできる。
本発明の第6の態様は、図3および図4の無鉄心回転電気機械10の模式図と図5および図6の駆動システム1の模式図とよって示される、無鉄心回転電気機械10を定格を超える負荷で稼働するための駆動システム1である。
それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100の一方の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、蓋型マウント200に回転自在に対置されるカップ型マウント400とからなるロータ3とによってエアギャップを含む第1空隙40を形成し、ロータ3を構成するカップ型マウント400は、一方は開放され他方は閉じられた底部410を有し、底部410に同心円のインナーヨーク420およびアウターヨーク430を一体化し、インナーヨーク420の外周面422および/またはアウターヨーク430の内周面431に複数のマグネット4を互いに円周方向に間隙41を空けて配備し、間隙41に対応するインナーヨーク420の位置にインナーヨーク420を貫通するスリット423を設けている。
それはさらに、円筒コイル100の他方の端面102を、カップ型マウント400の底部410との間で隙間411を残して円筒コイル100を第1空隙40に浮かせて配置し、カップ型マウント400の一方の端面401と蓋型マウント200との間に円筒コイル100の内周側110に第2空隙50が形成され、円筒コイル100の外周側120に第3空隙60が形成され、ステータ2に第1空隙40に冷媒液80を供給する経路8を有する無鉄心回転電気機械10と、ロータ3と連動して作動する無鉄心回転電気機械10を駆動する駆動装置30と、ステータ2に配備されるコイル温度検知センサ21と連動して第1空隙40に冷媒液80を供給する制御装置20とからなる、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するための駆動システム1である。
なお、本発明の駆動システム1において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と第1空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の第6の態様から明らかなように、駆動システム1は、駆動装置30を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、発熱する円筒コイル100がスリット423を介して円筒コイル100に送られる冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整することを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、駆動システム1はさらに、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給する動作と、該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作とを繰り返すことによって、円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、制御装置20が、図5に示されるように、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給するポンプ22と、ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21に連動してコントローラ23がポンプ22を作動し、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送ると共に冷媒液80の供給量を調整する駆動システム1とすることができる。
本発明のさらにもう一つの実施形態として、制御装置20が、図6に示されるように、第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給する電磁弁24と、電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23とを含み、コイル温度検知センサ21と連動してコントローラ23が電磁弁24を作動し、円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から第1空隙40のインナーヨーク420の内側421に冷媒液80を供給し、スリット423を介して発熱する円筒コイル100に冷媒液80を送ると共に冷媒液80の供給量を調整する駆動システム1とすることもできる。
本発明の他の実施形態として、それはさらに、図5または図6に示されるように、制御装置20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する駆動システム1とすることができる。
本発明のもう一つの他の実施形態として、駆動シャフト1000をカップ型マウント400の中心部440に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10からなる駆動システム1とすることもできる。
本発明の駆動システム1において、無鉄心回転電気機械10の円筒コイル100は、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明の駆動システム1において、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。

本発明の実施形態である、円筒コイルを含む蓋型マウントからなるステータに回転自在に対置される円筒型マウントからなるロータを備えた無鉄心回転電気機械の断面模式図である。 図1に示される無鉄心回転電気機械の一部を切欠いた斜視図である。 本発明の他の実施形態である、円筒コイルを含む蓋型マウントからなるステータに回転自在に対置されるカップ型マウントからなるロータを備えた無鉄心回転電気機械の断面模式図である。 図3に示される無鉄心回転電気機械の一部を切欠いた斜視図である。 図1または図3に示される無鉄心回転電気機械のステータに関して配備されるポンプによる冷媒液の流量を制御する制御部または制御装置、および、ロータに関連して配備される駆動部または駆動装置、を含む無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを表す模式図である。 図1または図3に示される無鉄心回転電気機械のステータに関して配備される電磁弁による冷媒液の流量を制御する制御部または制御装置、および、ロータに関連して配備される駆動部または駆動装置、を含む無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを表す模式図である。 円筒コイルを含む蓋型マウントからなるステータに回転自在に対置されるカップ型マウントからなるロータを備えた無鉄心回転電気機械の被測定モータ(CP50)の駆動試験の概要図である。 図7に示される被測定モータ(CP50)の寸法を表す詳細図である。 被測定モータ(CP50)の印加電圧を24Vに設定し、円筒コイルに冷媒液(純水)を供給することなく被測定モータ(CP50)を稼働しても、円筒コイルが許容される上限温度t(=130℃)を超えないトルクを被測定モータ(CP50)の定格トルクとした場合の時間(秒)と負荷トルクおよび円筒コイルの温度tの推移を始動開始から720秒(12分)間抜粋したものである。 図7に示されるトルクセンサを介した発電機の可変負荷で被測定モータ(CP50)の負荷を増大させ、許容上限温度tを超えずに、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼働させ、印加電圧を24Vに設定したときの最大トルクと冷媒液流量を測定する冷媒液供給の制御フローである。 被測定モータ(CP50)が定格トルクを超える負荷トルクT(T=0.33Nm、T=0.36Nm、T=0.39Nm、T=0.42Nm)のそれぞれで駆動させたときの電流(Arms)、回転数(rpm)、出力(W)、ポンプ搬送量(ml/min)、10分間におけるポンプ稼働時間合計(sec)、10分間における冷媒(純水)量(ml)を表にしたものである。 図11の表の負荷トルクTに対する電流(Arms)及び10分間における冷媒(純水)量(ml)をグラフにしたものである。 負荷トルクT=0.33Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのタイミングの推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.36Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.39Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.42Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクをT=0.33Nm(300秒)⇒T=0.42Nm(300秒)⇒T=0.33Nm(120秒)とした場合の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、始動から180〜420秒間のコイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 図17に示された負荷トルクを変化させた測定モータ(CP50)を冷媒液の供給開始温度tL1=110℃(これを超える温度tで冷媒液を供給し)、冷媒液の停止温度tL2=90℃(これを下回る温度tで冷媒液の供給を止めるよう)に設定したときの温度t、ポンプのon/offのパルス推移、始動から180〜420秒間のコイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 代表的冷媒液の融点℃、沸点℃、気化熱kJ/kgの一覧表である。 被測定モータ(CP50)を用いた駆動試験において、フッ素系冷媒を負荷トルクT=0.317Nmで冷却無と冷却有の場合の円筒コイルの温度tの推移を表す。 (参考図)無鉄心回転電気機械の第2空隙のみに冷媒液に供給する構成を有する無鉄心回転電気機械である。
本発明者らは、コアレスモータ(CP50)に定格トルクT=0.28Nmを超える負荷を連続的に付与しながら、電機子コイルである円筒コイルの温度を完全に制御し、それにより、コアレスモータ(CP50)の連続運転が可能であることを確認した。
本発明の円筒コイル100を含むステータ2を備えた無鉄心回転電気機械10(以下、「コアレスモータ10」と称する。)の基本構造の特徴は、第1に、ステータ2に一端を固定された電機子コイルとして、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に成形された円筒コイル100を用いたことである。それは、通電可能な無鉄心の円筒コイルであって、好ましくは、2層または4層からなる厚さが5mm以下の一定の剛性を有するものである。
基本構造の特徴の第2は、円筒コイル100の一方の端面を、ステータ2を構成する蓋型マウント200の内周面によって閉鎖し、円筒コイル100の開放された他方の端面を、磁性体からなるロータ3の円筒型マウント300またはカップ型マウント400の底部と複数のマグネット(永久磁石)4が配備された円筒型マウント300の内周面またはカップ型マウント400のアウターヨーク430とによって磁界が形成されるエアギャップを含む空隙または第1空隙40に浮かせた状態で挿入配置する構造を有するコアレスモータ10であることである。
そうなると、円筒コイル100の内面またはカップ型マウント400からなるロータ3のインナーヨーク420の内側に冷媒液80を送り込むことによって、冷媒液80は、磁界が形成されたエアギャップを通るときに発熱する円筒コイル100の内面で気化される。それにより、円筒コイル100は、気化潜熱で内面が冷却され、熱伝達により外面を含む円筒コイル全体が瞬時に冷却される。これが本発明のコアレスモータの冷却構造の特徴の一つである。
基本構造の特徴の第3は、定格を超える負荷でコアレスモータ10を稼働するときに作動する制御部または制御装置20をステータ2に関連付けて配置し、それは稼働中の円筒コイル100の温度上昇を検知するコイル温度検知センサ21を含むことである。この特徴は、制御部または制御装置20が、コイル温度検知センサ21に連動して円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整することである。そのことにより、定格を超える負荷で連続稼働するコアレスモータ10が実現される。本発明のコアレスモータ10について、図13から図18、および、図20に示されるように、様々な過負荷状態を想定した駆動試験を行った。
図7は、円筒コイル100を含む蓋型マウント200からなるステータ2に回転自在に対置されるカップ型マウント400からなるロータ3を備えた無鉄心回転電気機械10の一実施形態に基づく被測定モータ(CP50)の駆動試験装置の概要図である。図8は、被測定モータ(CP50)の実測構造の詳細図である。
図7から明らかなように、被測定モータ(CP50)であるコアレスモータ10の直径Φ=6mmの出力軸1000にトルク計35(UNIPULSE TM301)を接続したトルクセンサ34(UNIPULSE UTM II-5Nm)を介して発電機32(m-link CPH80-E)連結させる。発電機32が発電する電力を可変負荷33(m-link VL300)で消費させ、コアレスモータ10に任意の負荷を与えて駆動させる。コアレスモータ10の電流は、駆動部または駆動装置30(三相PWM方式 m-link MLD750-ST)とコアレスモータ10との間に電力計31(HIOKI PW3336)を入れて測定した。電力計31により電流I(A)、電圧V(V)、電力Pi(W)を測定することができる。
次にCPUを含む制御部または制御装置20(m-link TH300)は、円筒コイル100に設置されるコイル温度検知センサ21による温度tおよび電圧を記録する装置(GRAPHTEC
GL-100)を介して、温度tおよび電圧が入力される。制御部または制御装置20は、適宜設定された温度tで冷媒液供給ポンプ22(NITTO UPS-112)を作動し、さらに停止動作を行い、冷媒液容器81からコアレスモータ10の第1空隙40に冷媒液80を供給する。冷媒液80の流量は、制御部または制御装置20に関連付けて配備される冷媒流量可変装置26(TOKYO-RIKOSHA TYPE RSA-5)によって冷媒液供給ポンプ22の駆動電圧を可変することにより調整するようにした。コアレスモータ10はさらに、パイプ82を含む経路8、および、ロータ3のインナーヨーク420に軸方向に複数のスリット423を設ける。
図8に示される被測定モータであるコアレスモータ10の寸法について概説する。ステータ2に連結固定しロータ3に回転自在に連結する出力軸の軸方向の長さはL=81.7mmである。ステータ2の矩形底部の一辺はx=50mm、ロータ3のアウターヨークの外径はΦ=46.3mm、内径はΦ=40mm、厚みはΔ=3.15mmである。ロータ軸部の直径はΦ=22.5mm、これはインナーヨーク420の内径Φに相当する。外径はΦ=27.5mmであり、厚みはΔ=2.5mmである。アウターヨーク430の内面に配備された4個のマグネット4の厚みはΔ=3.5mmである。インナーヨーク420とアウターヨーク430で形成されるエアギャップの幅はΨ=2.75mmであり、エアギャップに浮かせた状態に配備される円筒コイル100の厚さは、Δ=1.50mmである。
被測定モータ(CP50)であるコアレスモータ10を用いた駆動試験は、円筒コイル100に直接冷媒液である純水80を散布し、純水80の気化潜熱で発熱する円筒コイル100を冷却する作用効果、および、その冷却作用により、定格を超える負荷条件においても、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを検証するためである。
コアレスモータ10の試験手順は、以下の通りである。図7に示される駆動部または駆動装置30(三相PWM方式 m-link MLD750-ST)(以下「駆動装置30」という。)に印加電圧を電圧V=24(V)に設定した。電圧Vを24(V)より高い36(V)や48(V)に設定し、仕事量を同じで試験することも可能であるが、勿論、それぞれの場合で異なる結果になることはいうまでもない。
次に、発電機32の可変負荷33でコアレスモータ10に与える負荷トルクTを増大させていく。負荷トルクTの設定に合わせるように冷媒液(純水)80の流量は、制御部または制御装置20(以下「制御装置20」という。)に関連付けて配備される冷媒液流量可変装置26によって冷媒液供給ポンプ22の駆動電圧を可変することにより調整する。コアレスモータ10で用いられる円筒コイル100の許容上限温度は130℃である。したがって、調整は、t=130℃を超えず、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼動し、そのときの負荷トルクTおよび冷媒液(純水)80の流量を測定した。
図10は、図7に示されるトルクセンサ34を介した発電機32の可変負荷33でコアレスモータ(CP50)10の負荷を増大させ、許容上限温度t=130℃の超えずに、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼動するための制御フローである。
図10から明らかなように、コイル温度検知センサ21を読み込み(第1読込)、円筒コイル100の温度tL1=123℃で、これを超える温度tで冷媒液を供給する場合に冷媒液供給ポンプ22を稼働される。さらにコイル温度検知センサ21を読み込み(第2読込)、気化潜熱で発熱する円筒コイル100が冷されて温度tがtL2=122℃で、これを下回る温度tで冷媒液の供給を止める場合に冷媒液供給ポンプ22を停止する。その間に、円筒コイルの温度tがこれらの設定温度に至らないときは、コイル温度検知センサ21の第1読込、および、第2読込が繰り返される。
このように、コアレスモータ10の駆動装置30への印加電圧を24Vに設定したときの最大トルクTを測定し、そのときの冷媒液(純水)80の毎分の流量Lを測定した。冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、以下の通り。
(1)冷却開始温度tL1=123℃(第1読込)
(2)冷却停止温度tL2=122℃(第2読込)
(1)および(2)の読み込みで冷媒液供給ポンプ22を切り替え、コアレスモータ10を作動させたときに、トルクT=0.42Nm、流量L=1.141ml/minであった。
最大トルクTおよび最大流量Lとした技術的根拠は、トルクTが0.42Nmを超えて稼働すると、冷媒液80の流量も増大する。ところが、冷媒液80の増大に伴い、冷媒液80が円筒コイル100で気化されずに霧状(液相)のままコアレスモータ10の外部に放出されることを確認した。したがって、トルクT=0,42Nmは、コアレスモータ10を定格トルクT=0.28Nmを超える負荷で連続運転できる限界トルクになる。
図9は、円筒コイル100に冷媒液である純水80を供給することなく、円筒コイル100が許容限温度t=130℃を超えずに、連続運転可能なトルクを表す。コアレスモータ10を負荷トルクT=0.28Nmで連続運転したとき、図9から明らかなように、円筒コイル100の温度は、50秒で100℃に達し、300秒(5分)で120℃を超える。720秒(12分)で127℃に達し、その後、許容上限温度t=130℃以下で温度平衡となる。図9は、端的には、冷媒液が供給されないときの連続運転可能な定格トルクがT=0.28Nmであることを表している。
次に、駆動装置30への印加電圧を24Vに設定したときのコアレスモータ10に定格トルクTを超える負荷トルクTを付与する。そうすると、図12から明らかなように、負荷トルクTの増大に比例して電流は増加し、それに伴う円筒コイル100の発熱によって、冷媒液(純水)80の供給量が増加する。このことから、駆動システム1が正しく制御された結果、過負荷状態の連続運転が可能であることが確認できる。
具体的には、定格トルクTを超える負荷でコアレスモータ10を連続運転する負荷トルクTをT=0.33Nm、T=0.36Nm、T=0.39Nm、T=T=0.42Nmに設定し、さらにT=0.42NmからT=0.33Nmに低く設定した後に再度T=0.42Nmに戻すように設定した5ケースについて、コアレスモータ10を作動させた。
コアレスモータ10は、制御装置20が、冷却開始温度tL1=123℃(第1読込)で、これを超える温度tで冷媒液を供給し、冷却停止温度tL2=122℃(第2読込)で、これを下回る温度tで冷媒液の供給を止めるように、冷媒液供給ポンプ22を切り替え、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように制御することにより、定格トルクTを超えるいずれの設定トルクにおいても、正常な連続運転が可能であることを確認した。
冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃とした。これは冷却開始時のオーバーシュートによる温度上昇分を担保し、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えない設定値である。また、冷却停止(第2読込)温度tL2=122℃とした。これは冷却停止時のオーバーシュートによる温度下降分を担保し、更に冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃とのヒステリシスを1℃とすることで外来ノイズ等による誤動作を防止しシステムを安定的に動作させる設定値である。この作動条件によって制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭め、熱衝撃による円筒コイルへのストレスを軽減し円筒コイルの電気抵抗値変化を狭めることが可能となる。
以下、同一設備、同一制御条件下にて負荷トルクTを変えて確認した結果について説明する。それぞれの結果は図13〜図17に示される。
図13は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.33Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図13(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.33Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。より詳細には、円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、100秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80がインナーヨークに貫通するスリットを経由し円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である111℃から125℃の範囲で推移する。図13(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
図13(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる上昇後の温度は2℃以内程度で直後に反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は11から7℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.33Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃となる。したがって、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図14は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.36Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図14(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.36Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、90秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である113℃から128℃の範囲で推移する。図14(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は85.5秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合は3.62mlであるのにトルクTの場合は5.53mlで、トルクTの場合の1.5倍である(図11、図12)。
図14(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は5℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は9から5℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.36Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=113℃、Δt=15℃となる。トルクT=0.33Nmのときに比べパルス間隔は短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t =130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図15は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.39Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図15(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.39Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、50秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である109℃から128℃の範囲で推移する。図15(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は128秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合3.62mlであるのに比してトルクTの場合8.28mlで、トルクTの場合の2.3倍である(図11、図12)。
図15(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は5℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は13から5℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.39Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=109℃、Δt=19℃となる。トルクT=0.36Nmのときに比べパルス間隔はさらに短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図16は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.42Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図16(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.42Nmに維持した冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、40秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である107℃から127℃の範囲で推移する。図16(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は176.5秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合3.62mlであるのに比してトルクT の場合11.41mlで、トルクTの場合の3.2倍である(図11、図12)。
図16(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は4℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は15から7℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.42Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=127℃、最小温度tc2=107℃、Δt=20℃となる。トルクT=0.39Nmのときに比べパルス間隔はさらに短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図13〜図16から明らかなように、コアレスモータ10に定格トルクT=0.28Nmを超える負荷トルクT〜T(0.33〜0.42Nm)を連続的に付与しながら、円筒コイル100の温度を制御し、それにより、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを確認した。この試験結果からT〜Tのいずれの場合においても、コアレスモータ10は、円筒コイル100が供給される冷媒液(純水)80を気化し、その気化潜熱で、円筒コイル100の許容上限温度tを超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100の最大温度tc1と最小温度tc2の差 Δtを狭めるように、円筒コイル100の温度を制御することによって、正常な連続運転が可能であることを確認した。
4ケースの過負荷状態のコアレスモータ10は、円筒コイル100への冷媒液(純水)80の供給量を調整することによって、最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃(T)、最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=113℃、Δt=15℃(T)、最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=109℃、Δt=19℃(T)、最大温度tc1=127℃、最小温度tc2=107℃、Δt=20℃(T)のように、円筒コイル100を適正温度範囲に完全な制御状態で連続運転可能であることが検証された。
4ケースの過負荷状態のコアレスモータ10の駆動試験による検証を補強するための更なる駆動試験を行った。それは、発電機32の可変負荷33で設定される負荷トルクをT =0.33Nmに設定してコアレスモータ10の始動から300秒(5分)まで駆動し、次の300秒から600秒(さらに5分)間には負荷トルクをT=0.42Nmに設定してコアレスモータ10を駆動し、次の600秒から720秒(さらに2分)間には負荷トルクをT=0.33Nmに再設定してコアレスモータ10を駆動した試験である。
図17は、コアレスモータ10を、トルクTで5分、トルクTで5分、さらに再度トルクTで2分間、連続的に駆動した試験結果である。図17(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、負荷トルクをT=0.33Nmに設定してコアレスモータ10の始動から300秒(5分)まで駆動し、次の300秒から600秒(さらに5分)間には負荷トルクをT=0.42Nmに設定した条件においても冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である109℃から126℃の範囲に推移する。図17(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後も同様の負荷変動においてもほぼ同様に推移することは確認済みである。
冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、これまでのケースと同様に、冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃を超えたときである。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止(第2読込)温度tL2=122℃を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。
図17(b)は、負荷トルクをT=0.33NmからT=0.42Nmに瞬時に変化させている部分の詳細である。具体的には始動時から180秒(3分)から420秒(7分)の4分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。より詳細には、180秒(3分)から300秒(5分)の負荷トルクTは0.33Nmであるので、急冷却と緩慢な温度上昇は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、温度上昇は1℃以内程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は11から7℃程度低下する。具体的には負荷トルクT=0.33Nmに設定された始動時から180秒(3分)から300秒(5分)の2分間の円筒コイルの最大温度tc1=124℃、最小温度tc2=111℃、Δt=13℃となり、図13の結果である最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃とほぼ合致する。
300秒(5分)から420秒(7分)の間の負荷トルクTは0.42Nmであるので、温度の急冷却と急上昇は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、温度上昇は4℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は13から10℃程度まで低下する。具体的には負荷トルクT=0.42Nmに設定された300秒(5分)から420秒(7分)の間の2分間の円筒コイルの最大温度tc1=126℃、最小温度tc2=109℃、Δt=17℃となり、図16の結果である最大温度tc1=127℃、最小温度t c2=108℃、Δt=19℃とほぼ合致する。これによりコアレスモータ10稼動中にトルク0.42Nmを上限とする負荷変動においても正しく制御され連続運転が可能であることが確認できた。
図18は、図17に示された負荷トルクと同一条件で円筒コイル100の冷却開始温度tL1と冷却停止温度tL2を変化させたときの実験結果である。コアレスモータ10を始動し、円筒コイル100がtL1=110℃のときを冷却開始温度に設定し、さらにt L2=90℃のときを冷却停止温度に設定し、トルクTで5分、トルクTで5分、再度トルクTで2分間、連続的にコアレスモータ10を駆動した試験結果である。冷却開始温度のtL1及び冷却停止温度のtL2の設定値を変更した場合においても、駆動システム1は、正常に作動することを確認することができた。
以上の駆動試験は、冷媒液を図19の表に記載された気化熱2257kJ/kgの純水を用いて行ったものである。図19は純水80を含む冷媒液の融点℃、沸点℃、気化熱kJ/kgの一覧表である。そこで、冷媒液80として、融点−123℃、沸点34℃、気化熱142kJ/kgのフッ素系液体を用い、負荷トルクT=0.317Nmに設定したコアレスモータ10で、冷媒無の場合と冷媒有の場合の駆動試験を行った。
図20は、冷媒液80にフッ素系冷媒を用い、冷媒液供給ポンプ22の作動条件を、冷却開始温度tL1=54℃(第1読込)と冷却停止温度tL2=52℃(第2読込)に設定し、円筒コイル100に供給しながら駆動された場合と、供給されない場合との駆動試験における円筒コイル100の温度tの推移を表す。この駆動試験によって、稼働されるコアレスモータ10において、フッ素系冷媒液80が供給された場合には円筒コイル100を50℃〜60℃の間で推移させることができる一方で、フッ素系冷媒液80が供給されない場合には、円筒コイル100は10分程度で130℃を超えることが確認された。
駆動試験の結果は、フッ素系冷媒液80であっても、円筒コイル100に供給され、円筒コイル100で気化された気化潜熱による円筒コイル100に対する冷却動作が制御装置20によって適正に制御されることを明らかにした。それはまた、純水以外の他の冷媒液80を用いるコアレスモータ10において、円筒コイル100に対する冷却動作が適正制御できれば、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを検証するものであり、冷媒を変更することでコイルの温度制御領域を変更することが可能であることを確認することができた。
図8のコアレスモータ10を用いた本駆動試験から明らかなように、本発明は、定格負荷を超える負荷で連続運転する無鉄心回転電機機械、その駆動方法およびそれを含む駆動システムであって、少なくとも以下の構成を有するものである。
無鉄心回転電機機械は、典型的には、円筒型マウントの内周面に複数のマグネットが配備されたロータか、または、底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化させたカップ型マウントのインナーヨークの外周面および/またはアウターヨークの内周面に複数のマグネットを互いに円周方向に間隙を空けて配備し、該間隙に対応するインナーヨークの位置にインナーヨークを貫通するスリットを有するロータか、そのいずれかを一方の構成要件とするものであり、ロータに対応する他方の構成要件であるステータは、通電可能な無鉄心の円筒コイル有し、該円筒コイルの一方の端面が固定される蓋型マウントとからなるものである。
それはさらに、図1および図2と図3および図4から明らかなように、ステータに固定された円筒コイルの内側とロータおよびステータの中心部とで形成される空間に冷媒液を供給する経路を有しており、駆動部または駆動装置によって駆動されるときに制御部または制御装置を作動し、発熱する円筒コイルの温度を適宜検知することによって、該経路を介して円筒コイルの内周面に直接送る冷媒液の供給量を調整する構成を有するものである。このことは、駆動システムを表す図5および図6から容易に理解されることである。
本発明の無鉄心回転電機機械、その駆動方法、およびそれを含む駆動システムは、定格を超える様々な負荷条件に適用可能であることは、駆動試験概要図である図7の発電機32における可変負荷33から容易に推定することができる。しかも、駆動試験に用いたコアレスモータと同じ構成を有するものであれば、その大小は問わないことはいうまでもない。
参考図として例示した図21の無鉄心回転電気機械は、冷媒液に供給する構成が、図3および図4に示された冷媒液が供給される位置が第1空隙ではなく、第2空隙に位置した実施例である。この実施例においても、第2空隙に送られる冷媒液が発熱する円筒コイルに達し、冷媒液をそこで気化し、その気化潜熱で円筒コイルの冷却が十分にでき、それにより、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械とすることができるものと考える。ただし、この構成に基づくコアレスモータの駆動試験は実施されていない。
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載されたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物がそれについての要素に代替され得ることが理解されるであろう。したがって、本発明を実施するために考慮された最良の実施態様として開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属する全ての実施形態を含むものである。

1 駆動システム
2 ステータ(固定子)
3 ロータ(回転子)
4 マグネット
8 冷媒液を供給する経路
10 無鉄心回転電気機械またはコアレスモータ
20 制御部または制御装置
21 コイル温度検知センサ
22 ポンプ
23 コントローラ
24 電磁弁
25 温度・電圧記録装置
26 冷媒液流量可変装置

30 駆動部または駆動装置
31 電力計
32 発電機
33 可変負荷
34 トルクセンサ
35 トルク計

40 エアギャップを含む空隙または第1空隙
41 マグネット相互の間隙
50 第2空隙
60 第3空隙

80 冷媒液または液相
800 冷媒液の気相
81 冷媒液容器
82 循環手段または循環搬送パイプ

100 円筒コイル
101 円筒コイルの一方の端面
102 円筒コイルの他方の端面
110 円筒コイルの内周側
120 円筒コイルの外周側

200 ステータ2を構成する蓋型マウント
240 蓋型マウントの中心部

300 ロータ3を構成する円筒型マウント
310 円筒型マウントの内周面
340 円筒型マウントの中心部

400 ロータ3を構成するカップ型マウント
401 カップ型マウントの一方の端面
410 カップ型マウントの底部
420 カップ型マウント400を構成するインナーヨーク
421 インアーヨーク420の内側
422 インアーヨーク420の外周面
423 インアーヨーク420を貫通するスリット
430 カップ型マウント400を構成するアウターヨーク
431 アウターヨークの外周面

1000 駆動シャフト

本発明は、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムに関する。
本発明は、より具体的には、通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータ(固定子)と、蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型マウントで内周面に複数のマグネットが配備されているロータ(回転子)とでエアギャップを含む空隙を形成する無鉄心回転電気機械において、定格を超える負荷で稼働するときに、エアギャップを含む空隙に冷媒液を供給し、発熱する円筒コイルが冷媒液を気化し、冷媒液の気化潜熱で円筒コイルを冷却し、円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにした無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムに関する。
電動モータと発電機は同じ構造を有する回転電気機械である。回転電気機械について、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電動モータを用いて説明する。電動モータは、磁界と電流の相互作用で発生する電磁力を出力させるものである。分類方法はさまざまであるが、大きくはブラシ付きのDCモータとブラシレスモータに区分され、前者は磁石をステータ(固定子)に、コイルをロータ(回転子)とし、後者は逆にコイルをステータ(固定子)に、磁石をロータ(回転子)としており、いずれも回転子より外部へ電磁力を出力するものである。一方磁界発生方法の違いにより巻線界磁型と永久磁石型にも区分され、コイルに鉄心(コア)が有るものとないものにも区分される。上記区分にしたがって、永久磁石界磁型の無鉄心ブラシレス電動モータが本発明の対象になる。
本発明は、永久磁石界磁型で無鉄心の円筒コイルからなるコアレスのブラシレスモータに関する。ステータの無鉄心の円筒コイルは、絶縁層で覆われた線状部を有する導電性金属シートの積層体から構成するか、または、絶縁層で覆われた線状導体から構成するかのいずれかである。
電動モータは、始動時に定格電流を瞬間的に超えることはあっても、通常、定格を超える状態で連続運転されることを想定していない。電動モータを過負荷の状態、つまり定格以上で連続運転すると、電流によって電動モータの円筒コイルは想定以上に発熱する。
電動モータの構造および機能にもよるが、本発明に関連し試験用モータとして製作されたコアレスモータ(CP50)を用いて冷媒液供給の制御部を作動させずに定格を超えた各条件で過負荷試験してみると、後述されるように、僅か数十秒で円筒コイルの許容上限温度130℃を超える。このことから容易に想定され得る最悪の事態は、円筒形コイルが焼損し破壊されることである。たとえ破壊にまで至らなくとも、性能面から、コアレスモータの長時間の正常運転を期待することはできなくなる。円筒コイルの発熱やマグネットの加熱に伴う電動モータの性能低下を防ぐため、電動モータに冷却機能を付加することは、いうまでもなく周知であり、慣用手段に過ぎない。
そうした冷却機能の有無に拘わらず、電動モータの通常運転時にコイルやマグネットの温度上昇に対して保証された使用限度が、製造元から定格として表示される(非特許文献1の41頁)。定格は、製造元が保証する独自基準であるが、カタログや諸元表に記載される。それは、例えば、モータが所定の電圧で良好な特性を発揮しながら発生する最大出力が定格出力になり、定格出力で運転されているときの回転速度は定格回転速度で、そのときのトルクTが定格トルクであり、そのときの電流が定格電流である。使用を指定していない場合は、無期限に運転できる連続定格を定格としている。その他の定格として、運転期間を限定した短時間定格や、周期的に運転と停止を繰り返す反復定格などがある。
本発明は、過負荷で常時運転する発想に基づき開発された定格を超える負荷で稼働するためのコアレスモータに関する。ここでいう「定格」は、例えば、所定の電圧でコアレスモータを定格トルクまたは定格出力で稼働する場合を指す。
因みに、試験用モータとして製作されたコアレスモータ(CP50)は、いわゆる電動モータである。詳細は後述されるが、ここでいう定格は、冷媒液の供給量はゼロにして、冷媒液供給の制御部を作動せずに連続運転を行い、かつ、円筒コイルの温度が許容上限温度130℃を超えない条件としたものであり、定格トルクT=0.28Nm、定格電流I=9.7Arms、定格回転速度n=6537rpm、定格出力P=191.67Wである(図9)。
次に円筒コイルの発熱やマグネットの加熱に伴う電動モータの性能低下を防ぐための冷却機能を電動モータに付加することは周知である。このことは以下の従来技術から認識される。
特表2012−523817号公報(特許文献1)には、コイル周囲にコイルの作動温度よりも低い沸点を有する冷媒液を吸収し、コイルを濡らす拡散材料を配して沸騰する冷媒液の気化熱でコイルを冷却することが記載されている。
特開平10−336968公報(特許文献2)には、ロータの遠心ポンプ作用と高低差を利用してラジエータを含む気液二相を冷媒循環させ、車両用回転電電機内を冷却するようにしたシステムが記載されている。
特開2006−14522号公報(特許文献3)には、発電機内に沸点温度が許容限度温度以下の冷媒を貯蔵し、発電機の運転時に冷媒を気化させて発電機内で液化することを交互に繰り返しながら効率的に発電機を冷却することが記載されている。
特開2006−158105号公報(特許文献4)には、冷媒のリザーブタンクを含む自己循環経路において液相の冷媒をロータの発熱で気化し、気化冷媒で効率よく冷却することが記載されている。
特開2009−118693号公報(特許文献5)には、ロータ冷却装置において、冷媒がロータの冷却壁面に偏在しないように、壁面に向けて少量ずつ連続的に供給し、気化潜熱で冷却する方法が記載されている。
特開2015−95961号公報(特許文献6)には、モータの密閉ケース内で、該ケース内に封入された冷媒をステータのコイル熱で気化し、放熱部で液化し、密閉ケース内で循環するモータの冷却構造が記載されている。この冷却構造は、特許文献3や特許文献4に記載されたものと共通する。
特開2009−118686号公報(特許文献7)には、マグネットの冷却とコイルの冷却とに対してそれぞれの冷媒流通経路を設け、それらが切り替え可能な手段を配した回転電機の冷却構造が記載されている。
特開2014−17968号公報(特許文献8)には、ハイブリット車両に搭載される回転電機の冷却システムが記載されている。その回転電機は、電磁鋼板を多数枚積層したステータコアに巻装されたコイル部を含むものである。これに開示された鉄心を有する回転電機の冷却システムは、コイル部の巻線温度が180℃以上になることが10回を超えると、コイル部の巻線周囲の絶縁被膜が蒸発または気化して消失し、放電耐圧性能を低下させてしまうので、そうならないように、特定部位の巻線周囲に冷媒の付着状態を形成するように冷媒の供給量を調整する制御部を配備するようにしたものである。
特開平6−217496号公報(特許文献9)には、発電機のロータの内側に蒸発凝縮室を設け、外部から冷却液を軸方向にジェット流で送り込み、遠心力を利用して蒸発凝縮室側に偏位して流動させる冷却液室に連接する液室に廃液用のインペラが設けられた発電機が記載されている。
特開平5−308752号公報(特許文献10)には、ロータと該ロータを囲む環状のステータとが機密状態のハウジング内に収められたモータにおいて、作動流体が封入されたハウジング内の環状の空洞に連通するパイプと毛細管作用を有するウイットを配したモータの放熱構造が記載されている。
特開平8−130856号公報(特許文献11)には、円筒形コアに巻かれたコイルからなる電気自動車用駆動装置モータにおいて冷却用オイルポンプから冷却油噴射部を介してコイルエンドに滴下する冷却回路が記載されている。
特表2012−523817号公報 特開平10−336968号公報 特開2006−14522号公報 特開2006−158105号公報 特開2009−118693号公報 特開2015−95961号公報 特開2009−118686号公報 特開2014−17968号公報 特開平6−217496号公報 特開平5−308752号公報 特開平8−130856号公報
『史上最強カラー図解 最新モータ技術のすべてがわかる本』赤津 観監修 ナツメ出版企画株式会社 (2013年7月20日発行)
ステータとロータという部品の電磁気作用によって回転する電動モータに内在する技術的課題は、ステータに配備される電機子のコイルの発熱作用である。電動モータの能力や大小は、通常、電動モータの出力で表現される。その出力Pは、回転速度n(rpm)とトルクT(N・m)との積で表される。電動モータの入力電力P(W)とすると、入力電力Pと出力Pとの差は熱損失Pとして熱エネルギーに変換されて周囲に放出される。これが電機子コイルの発熱作用であり、電動モータの避け難い技術的問題である。例えば、コアレスモータに限らず、電動モータは、定格を超える負荷で稼働し続けると、その発熱作用によって短時間で電機子コイルの許容上限温度を突破し、焼損し破壊されることは当業者にとって周知の事項である。それはまた、電機子コイルの発熱作用が電機子コイルの抵抗値を高め電動モータの出力変動を惹起するという問題を内在しており、したがって、電機子コイルを一定温度範囲に完全制御し出力変動を最小化することは、電動モータの究極的技術的課題でもある。
その課題解決は、電機子コイルの温度をいかに制御するかということになる。これまで見てきたように様々な提案がなされてきたが、電機子コイルを一定温度範囲に完全制御するという究極的課題に対する抜本的な課題解決には至っていない。

ところが、本発明者らは、過負荷で常時運転する発想に基づく電動モータの開発に挑戦し、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを実現し、この技術的課題を解決するに至った。このことは、本発明の一実施形態に基づき製作されたコアレスモータ(CP50)を用いた駆動試験から確認することができる。
コアレスモータ(CP50)の電圧を24Vに設定し、トルクを測定した。これが定格トルクT=0.28Nmである。本発明者らは、コアレスモータ(CP50)に定格トルクTを超える負荷を連続的に付与しながら、電機子コイルである円筒コイルの発熱を完全に制御し、それにより、コアレスモータ(CP50)の長時間運転が可能であることを確認した。
本発明の第1の態様は、図1の断面模式図および図2の破断斜視図に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
それは、
通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、
蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で円筒型マウント300の内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3と
によって
エアギャップを含む空隙40を形成し、
空隙40に冷媒液80を供給する経路8を前記ステータ2に設け、
ステータ2に関連する制御部20と、
ロータ3に関連する駆動部30と、
を配備する、
定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10である。
無鉄心回転電気機械10は、
駆動部30を作動し、
定格を超える負荷で稼働するときに、制御部20を作動し、
空隙40に前記冷媒液80を供給し、
発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、
冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、
円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、
冷媒液80の供給量を調整することによって、
定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする。
無鉄心回転電気機械10はまた、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
本発明の実施形態の一つとして、
無鉄心回転電気機械10は、それが定格を超える負荷で稼働されるときに、
制御部20が作動し、
円筒コイル100が許容上限温度tを超えないように冷媒液80の供給量を調整する動作と、
該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作と
を繰り返すことによって、
円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明の実施形態のもう一つとして、
制御部20は、図3の模式図に示されるように、
円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、
コイル温度検知センサ21と連動して冷媒液80を空隙40に供給するポンプ22と、
ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
を含むことができる。
本発明の実施形態のさらにもう一つとして、
制御部20は、図4の模式図に示されるように、円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、
コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給する電磁弁24と、
電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
を含むこともできる。
本発明の他の実施形態の一つとして、制御部20は、図3または図4に示されるように、循環手段82により冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収するようにしてもよい。
本発明の他の実施形態のもう一つとして、図1および図2に示されるように、駆動シャフト1000が円筒型マウント300の中心部340に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10にすることができる。
本発明の他の実施形態のさらにもう一つとして、円筒コイル100は、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明のさらに別の実施形態として、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。

本発明の第2の態様は、図1および図2に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
それは、
通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、
蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で円筒型マウント300の内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3と、によって
エアギャップを含む空隙40を形成し、
空隙40に冷媒液80を供給する経路8を前記ステータ2に設け、
ステータ2に関連する制御部20と、
ロータ3に関連する駆動部30と、
を配備する、
定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械10の駆動方法である。
なお、本発明の駆動方法において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
それは、
駆動部30を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働する工程と、
制御部20を作動し、空隙40に冷媒液80を供給する工程と、
発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却する工程と、
円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態の一つとして、それは、
制御部20を作動し、円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める工程をさらに含み、
該工程である空隙40に対する冷媒液80の供給を止める工程と
空隙40に冷媒液80を供給する工程と
を繰り返すことによって、
円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持する工程
をさらに含むことが、より好ましい。
本発明の実施形態のもう一つとして、それはまた、
制御部20が、図3に示されるように、
円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、
冷媒液80を供給するポンプ22と、
ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
をさらに含み、
コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、
該工程に連動してコントローラ23がポンプ22を作動し、空隙40に冷媒液80を供給する工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、
を含む駆動方法とすることができる。
本発明の実施形態のさらにもう一つとして、それはまた、
制御部20が、図4に示されるように、
円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と、
コイル温度検知センサ21と連動して円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給する電磁弁24と、
電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
を含み、
コイル温度検知センサ21を作動し、円筒コイル100の温度を検出する工程と、
該工程に連動してコントローラ23が電磁弁24を作動し、冷媒液容器81から空隙40に冷媒液を供給する工程および冷媒液80の供給量を調整する工程と、
を含む駆動方法でもよい。
本発明の他の実施形態の一つとして、それはさらに、図3または図4に示されるように、制御部20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する工程をさらに含む駆動方法とすることもできる。
本発明の他の実施形態のもう一つとして、それはさらに、駆動シャフト1000が円筒型マウント300の中心部340に固定され、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結された無鉄心回転電気機械10の駆動方法とすることができる。
本発明の他の実施形態のさらにもう一つとして、円筒コイル100は、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明のさらに別の実施形態として、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。

本発明の第3の態様は、図1および図2の無鉄心回転電気機械10の模式図と図3および図4の駆動システム1の模式図とよって示される、無鉄心回転電気機械10を、定格を超える負荷で稼働するための駆動システム1である。
それは、
通電可能な無鉄心の円筒コイル100の端面101を固定する蓋型マウント200からなるステータ2と、
蓋型マウント200に回転自在に対置される円筒型マウント300で円筒型マウント300の内周面310に複数のマグネット4が配備されているロータ3と、
によって
エアギャップを含む空隙40を形成し、
ステータ2の空隙40に冷媒液80を供給する経路8を有する無鉄心回転電気機械10と、
ロータ3と連動して作動する無鉄心回転電気機械10を駆動する駆動装置30と、
ステータ2に配備される円筒コイル100の温度を検出するコイル温度検知センサ21と連動して空隙40に冷媒液80を供給する制御装置20と
からなる、
無鉄心回転電気機械10を、定格を超える負荷で稼働するための駆動システム1である。
なお、本発明の駆動システム1において、無鉄心回転電気機械10は、ステータ2に、経路8に連通する冷媒液容器81を配備し、冷媒液容器81と第1空隙40との間を連通する循環手段82をさらに配備することができる。
それは、
駆動装置30を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、空隙40に冷媒液80を供給し、
発熱する円筒コイル100が冷媒液80を気化し、冷媒液80の気化潜熱で円筒コイル100を冷却し、
円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整する
ことによって、
定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するようにしたことを特徴とする。
本発明の実施形態一つとして、それはさらに、
定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械10を稼働するときに、制御装置20を作動し、
円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように空隙40に冷媒液80を供給する動作と、
該動作によって円筒コイル100が少なくとも冷媒液80が気化する下限温度tを下回らないように空隙40に対する冷媒液80の供給を止める動作と
を繰り返すことによって、
円筒コイル100を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明の実施形態もう一つとして、
制御装置20が、図3に示されるように、
冷媒液80を供給するポンプ22と、
ポンプ22に対するオン・オフ指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
を含み、
コイル温度検知センサ21に連動してコントローラ2がポンプ22を作動し、空隙40に冷媒液80を供給すると共に冷媒液80の供給量を調整する
駆動システム1とすることができる。
本発明の実施形態のさらにもう一つとして、
制御装置20が、図4に示されるように、
冷媒液80を供給する電磁弁24と、
電磁弁24に対する開閉指令によって冷媒液80の供給量を調整するコントローラ23と
を含み、
コイル温度検知センサ21と連動して電磁弁24を作動し、
円筒コイル100より高い位置に配置された冷媒液容器81から空隙40に冷媒液80を供給する
と共に
冷媒液80の供給量を調整する
駆動システム1とすることもできる。
本発明の他の実施形態の一つとして、それはさらに、図3または図4に示されるように、制御装置20が循環手段82を作動し、冷媒液80の気相800を冷媒液容器81に液相80で回収する駆動システム1とすることができる。
本発明の他の実施形態のもう一つとして、それはさらに、駆動シャフト1000を円筒型マウント300の中心部340に固定し、蓋型マウント200の中心部240に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械10からなる駆動システム1とすることもできる。
本発明の駆動システム1において、無鉄心回転電気機械10の円筒コイル100は、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明の駆動システム1において、冷媒液80は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかであることが好ましい。

本発明の実施形態である、円筒コイルを含む蓋型マウントからなるステータに回転自在に対置される円筒型マウントからなるロータを備えた無鉄心回転電気機械の断面模式図である。 図1に示される無鉄心回転電気機械の一部を切欠いた斜視図である。 図1に示される無鉄心回転電気機械のステータに関して配備されるポンプによる冷媒液の流量を制御する制御部または制御装置、および、ロータに関連して配備される駆動部または駆動装置、を含む無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを表す模式図である。 図1に示される無鉄心回転電気機械のステータに関して配備される電磁弁による冷媒液の流量を制御する制御部または制御装置、および、ロータに関連して配備される駆動部または駆動装置、を含む無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを表す模式図である。 円筒コイルを含む蓋型マウントからなるステータに回転自在に対置される円筒形のマウントからなるロータを備えた無鉄心回転電気機械の被測定モータ(CP50)の駆動試験の概要図である。 図5に示される被測定モータ(CP50)の寸法を表す詳細図である。 被測定モータ(CP50)の印加電圧を24Vに設定し、円筒コイルに冷媒液(純水)を供給することなく被測定モータ(CP50)を稼働しても、円筒コイルが許容される上限温度t(=130℃)を超えないトルクを被測定モータ(CP50)の定格トルクとした場合の時間(秒)と負荷トルクおよび円筒コイルの温度tの推移を始動開始から720秒(12分)間抜粋したものである。 図5に示されるトルクセンサを介した発電機の可変負荷で被測定モータ(CP50)の負荷を増大させ、許容上限温度tを超えずに、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼働させ、印加電圧を24Vに設定したときの最大トルクと冷媒液流量を測定する冷媒液供給の制御フローである。 被測定モータ(CP50)が定格トルクを超える負荷トルクT(T=0.33Nm、T=0.36Nm、T=0.39Nm、T=0.42Nm)のそれぞれで駆動させたときの電流(Arms)、回転数(rpm)、出力(W)、ポンプ搬送量(ml/min)、10分間におけるポンプ稼働時間合計(sec)、10分間における冷媒(純水)量(ml)を表にしたものである。 図9の表の負荷トルクTに対する電流(Arms)及び10分間における冷媒(純水)量(ml)をグラフにしたものである。 負荷トルクT=0.33Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのタイミングの推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.36Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.39Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクT=0.42Nmの場合において、円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、および、始動から180〜360秒間の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 負荷トルクをT=0.33Nm(300秒)⇒T=0.42Nm(300秒)⇒T=0.33Nm(120秒)とした場合の円筒コイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移、始動から180〜420秒間のコイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 図15に示された負荷トルクを変化させた測定モータ(CP50)を冷媒液の供給開始温度tL1=110℃(これを超える温度tで冷媒液を供給し)、冷媒液の停止温度tL2=90℃(これを下回る温度tで冷媒液の供給を止めるよう)に設定したときの温度t、ポンプのon/offのパルス推移、始動から180〜420秒間のコイル温度t、ポンプのon/offのパルス推移を表す。 代表的冷媒液の融点℃、沸点℃、気化熱kJ/kgの一覧表である。 被測定モータ(CP50)を用いた駆動試験において、フッ素系冷媒を負荷トルクT=0.317Nmで冷却無と冷却有の場合の円筒コイルの温度tの推移を表す。 (参考図)無鉄心回転電気機械の第2空隙のみに冷媒液に供給する構成を有する無鉄心回転電気機械である。
本発明者らは、コアレスモータ(CP50)に定格トルクT=0.28Nmを超える負荷を連続的に付与しながら、電機子コイルである円筒コイルの温度を完全に制御し、それにより、コアレスモータ(CP50)の連続運転が可能であることを確認した。
本発明の円筒コイル100を含むステータ2を備えた無鉄心回転電気機械10(以下、「コアレスモータ10」と称する。)の基本構造の特徴は、第1に、ステータ2に一端を固定された電機子コイルとして、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に成形された円筒コイル100を用いたことである。それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル100であって、好ましくは、2層または4層からなる厚さが5mm以下の一定の剛性を有するものである。
基本構造の特徴の第2は、円筒コイル100の一方の端面を、ステータ2を構成する蓋型のマウントの内周面によって閉鎖し、円筒コイル100の開放された他方の端面を、磁性体からなるロータ3の円筒型のマウントの底部と複数のマグネット(永久磁石)4が配備された円筒型のマウントの内周面とによって磁界が形成されるエアギャップを含む空隙40に浮かせた状態で挿入配置する構造を有するコアレスモータ10であることである。
そうなると、円筒コイル100の内面に冷媒液80を送り込むことによって、冷媒液80は、磁界が形成されたエアギャップを通るときに発熱する円筒コイル100の内面で気化される。それにより、円筒コイル100は、気化潜熱で内面が冷却され、熱伝達により外面を含む円筒コイル全体が瞬時に冷却される。これが本発明のコアレスモータの冷却構造の特徴の一つである。
基本構造の特徴の第3は、定格を超える負荷でコアレスモータ10を稼働するときに作動する制御部または制御装置20をステータ2に関連付けて配置し、それは稼働中の円筒コイル100の温度上昇を検知するコイル温度検知センサ21を含むことである。この特徴は、制御部または制御装置20が、コイル温度検知センサ21に連動して円筒コイル100が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、冷媒液80の供給量を調整することである。そのことにより、定格を超える負荷で連続稼働するコアレスモータ10が実現される。本発明のコアレスモータ10について、図11から図16、および、図18に示されるように、様々な過負荷状態を想定した駆動試験を行った。
図5は、円筒コイル100を含む蓋型のマウントからなるステータ2に回転自在に対置される円筒型のマウントからなるロータ3を備えた無鉄心回転電気機械10の一実施形態に基づく被測定モータ(CP50)の駆動試験装置の概要図である。図6は、被測定モータ(CP50)の実測構造の詳細図である。
図5から明らかなように、被測定モータ(CP50)であるコアレスモータ10の直径Φ=6mmの出力軸1000にトルク計35(UNIPULSE TM301)を接続したトルクセンサ34(UNIPULSE UTM II-5Nm)を介して発電機32(m-link CPH80-E)連結させる。発電機32が発電する電力を可変負荷33(m-link VL300)で消費させ、コアレスモータ10に任意の負荷を与えて駆動させる。コアレスモータ10の電流は、駆動部または駆動装置30(三相PWM方式 m-link MLD750-ST)とコアレスモータ10との間に電力計31(HIOKI PW3336)を入れて測定した。電力計31により電流I(A)、電圧V(V)、電力Pi(W)を測定することができる。
次にCPUを含む制御部または制御装置20(m-link TH300)は、円筒コイル100に設置されるコイル温度検知センサ21による温度tおよび電圧を記録する装置(GRAPHTEC GL-100)を介して、温度tおよび電圧が入力される。制御部または制御装置20は、適宜設定された温度tで冷媒液供給ポンプ22(NITTO UPS-112)を作動し、さらに停止動作を行い、冷媒液容器81からコアレスモータ10の第1空隙40に冷媒液80を供給する。冷媒液80の流量は、制御部または制御装置20に関連付けて配備される冷媒流量可変装置26(TOKYO-RIKOSHA TYPE RSA-5)によって冷媒液供給ポンプ22の駆動電圧を可変することにより調整するようにした。コアレスモータ10はさらに、パイプ82を含む経路8、および、ロータ3のインナーヨーク420に軸方向に複数のスリット423を設ける。
図6に示される被測定モータであるコアレスモータ10の寸法について概説する。より具体的には、一方は開放され他方は閉じられた底部を有し、該底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化し、該アウターヨークの内周面に複数のマグネット4を互いに円周方向に間隙を空けて配備し、該間隙に対応するインナーヨークの位置に円筒コイル100に通じるインナーヨークに貫通するスリットを設けた構造からなり、ステータ2に連結固定しロータ3に回転自在に連結する出力軸の軸方向の長さはL=81.7mmである。ステータ2の矩形底部の一辺はx=50mm、ロータ3のアウターヨークの外径はΦ=46.3mm、内径はΦ=40mm、厚みはΔ=3.15mmである。ロータ軸部の直径はΦ=22.5mm、これはインナーヨークの内径Φに相当する。外径はΦ=27.5mmであり、厚みはΔ=2.5mmである。アウターヨークの内面に配備された4個のマグネット4の厚みはΔ=3.5mmである。インナーヨークとアウターヨークで形成されるエアギャップの幅はΨ=2.75mmであり、エアギャップに浮かせた状態に配備される円筒コイル100の厚さは、Δ=1.50mmである。
被測定モータ(CP50)であるコアレスモータ10を用いた駆動試験は、円筒コイル100に直接冷媒液である純水80を散布し、純水80の気化潜熱で発熱する円筒コイル100を冷却する作用効果、および、その冷却作用により、定格を超える負荷条件においても、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを検証するためである。
コアレスモータ10の試験手順は、以下の通りである。図5に示される駆動部または駆動装置30(三相PWM方式 m-link MLD750-ST)(以下「駆動装置30」という。)に印加電圧を電圧V=24(V)に設定した。電圧Vを24(V)より高い36(V)や48(V)に設定し、仕事量を同じで試験することも可能であるが、勿論、それぞれの場合で異なる結果になることはいうまでもない。
次に、発電機32の可変負荷33でコアレスモータ10に与える負荷トルクTを増大させていく。負荷トルクTの設定に合わせるように冷媒液(純水)80の流量は、制御部または制御装置20(以下「制御装置20」という。)に関連付けて配備される冷媒液流量可変装置26によって冷媒液供給ポンプ22の駆動電圧を可変することにより調整する。コアレスモータ10で用いられる円筒コイル100の許容上限温度は130℃である。したがって、調整は、t=130℃を超えず、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼動し、そのときの負荷トルクTおよび冷媒液(純水)80の流量を測定した。
図8は、図5に示されるトルクセンサ34を介した発電機32の可変負荷33でコアレスモータ(CP50)10の負荷を増大させ、許容上限温度t=130℃の超えずに、かつ、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように稼動するための制御フローである。
図8から明らかなように、コイル温度検知センサ21を読み込み(第1読込)、円筒コイル100の温度tL1=123℃で、これを超える温度tで冷媒液を供給する場合に冷媒液供給ポンプ22を稼働される。さらにコイル温度検知センサ21を読み込み(第2読込)、気化潜熱で発熱する円筒コイル100が冷されて温度tがtL2=122℃で、これを下回る温度tで冷媒液の供給を止める場合に冷媒液供給ポンプ22を停止する。その間に、円筒コイルの温度tがこれらの設定温度に至らないときは、コイル温度検知センサ21の第1読込、および、第2読込が繰り返される。
このように、コアレスモータ10の駆動装置30への印加電圧を24Vに設定したときの最大トルクTを測定し、そのときの冷媒液(純水)80の毎分の流量Lを測定した。冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、以下の通り。
(1)冷却開始温度tL1=123℃(第1読込)
(2)冷却停止温度tL2=122℃(第2読込)
(1)および(2)の読み込みで冷媒液供給ポンプ22を切り替え、コアレスモータ10を作動させたときに、トルクT=0.42Nm、流量L=1.141ml/minであった。
最大トルクTおよび最大流量Lとした技術的根拠は、トルクTが0.42Nmを超えて稼働すると、冷媒液80の流量も増大する。ところが、冷媒液80の増大に伴い、冷媒液80が円筒コイル100で気化されずに霧状(液相)のままコアレスモータ10の外部に放出されることを確認した。したがって、トルクT=0,42Nmは、コアレスモータ10を定格トルクT=0.28Nmを超える負荷で連続運転できる限界トルクになる。
図7は、円筒コイル100に冷媒液である純水80を供給することなく、円筒コイル100が許容限温度t=130℃を超えずに、連続運転可能なトルクを表す。コアレスモータ10を負荷トルクT=0.28Nmで連続運転したとき、図7から明らかなように、円筒コイル100の温度は、50秒で100℃に達し、300秒(5分)で120℃を超える。720秒(12分)で127℃に達し、その後、許容上限温度t=130℃以下で温度平衡となる。図7は、端的には、冷媒液が供給されないときの連続運転可能な定格トルクがT=0.28Nmであることを表している。
次に、駆動装置30への印加電圧を24Vに設定したときのコアレスモータ10に定格トルクTを超える負荷トルクTを付与する。そうすると、図10から明らかなように、負荷トルクTの増大に比例して電流は増加し、それに伴う円筒コイル100の発熱によって、冷媒液(純水)80の供給量が増加する。このことから、駆動システム1が正しく制御された結果、過負荷状態の連続運転が可能であることが確認できる。
具体的には、定格トルクTを超える負荷でコアレスモータ10を連続運転する負荷トルクTをT=0.33Nm、T=0.36Nm、T=0.39Nm、T=T=0.42Nmに設定し、さらにT=0.42NmからT=0.33Nmに低く設定した後に再度T=0.42Nmに戻すように設定した5ケースについて、コアレスモータ10を作動させた。
コアレスモータ10は、制御装置20が、冷却開始温度tL1=123℃(第1読込)で、これを超える温度tで冷媒液を供給し、冷却停止温度tL2=122℃(第2読込)で、これを下回る温度tで冷媒液の供給を止めるように、冷媒液供給ポンプ22を切り替え、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭めるように制御することにより、定格トルクTを超えるいずれの設定トルクにおいても、正常な連続運転が可能であることを確認した。
冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃とした。これは冷却開始時のオーバーシュートによる温度上昇分を担保し、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えない設定値である。また、冷却停止(第2読込)温度tL2=122℃とした。これは冷却停止時のオーバーシュートによる温度下降分を担保し、更に冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃とのヒステリシスを1℃とすることで外来ノイズ等による誤動作を防止しシステムを安定的に動作させる設定値である。この作動条件によって制御時の円筒コイルの最大温度tc1と制御時の円筒コイルの最小温度tc2の温度差Δtを狭め、熱衝撃による円筒コイルへのストレスを軽減し円筒コイルの電気抵抗値変化を狭めることが可能となる。
以下、同一設備、同一制御条件下にて負荷トルクTを変えて確認した結果について説明する。それぞれの結果は図11〜図15に示される。
図11は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.33Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図11(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.33Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。より詳細には、円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、100秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80がインナーヨークに貫通するスリットを経由し円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である111℃から125℃の範囲で推移する。図11(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
図11(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる上昇後の温度は2℃以内程度で直後に反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は11から7℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.33Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃となる。したがって、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図12は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.36Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図12(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.36Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、90秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である113℃から128℃の範囲で推移する。図12(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は85.5秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合は3.62mlであるのにトルクTの場合は5.53mlで、トルクTの場合の1.5倍である(図9、図10)。
図12(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は5℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は9から5℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.36Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=113℃、Δt=15℃となる。トルクT=0.33Nmのときに比べパルス間隔は短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図13は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.39Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図13(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.39Nmに維持したまま、冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、50秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である109℃から128℃の範囲で推移する。図13(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は128秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合3.62mlであるのに比してトルクTの場合8.28mlで、トルクTの場合の2.3倍である(図9、図10)。
図13(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は5℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は13から5℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.39Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=109℃、Δt=19℃となる。トルクT=0.36Nmのときに比べパルス間隔はさらに短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図14は、発電機32の可変負荷33で負荷トルクT=0.42Nmに設定されたコアレスモータ10の駆動試験の結果である。図14(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、トルクTは0.42Nmに維持した冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作によって円筒コイル100を一定の温度領域に維持するように、コアレスモータ10は作動される。円筒コイル100の温度tは、コアレスモータ10の始動後、40秒前後で冷却開始温度(tL1=123℃)を上回る。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止温度(tL2=122℃)を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。これらのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である107℃から127℃の範囲で推移する。図14(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後もほぼ同様に推移することは確認済みである。
コアレスモータ10の稼働試験中、冷却液供給開始から10分間のポンプ稼動時間の合計は、トルクTの場合は56秒間であったが、トルクTの場合は176.5秒間である。その間の冷媒液の供給量もトルクTの場合3.62mlであるのに比してトルクTの場合11.41mlで、トルクTの場合の3.2倍である(図9、図10)。
図14(b)は、冷却開始後である、始動時から180秒(3分)から360秒(6分)の3分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。急冷却する状態は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、オーバーシュートによる温度上昇は4℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は15から7℃程度低下する。具体的には、負荷トルクT=0.42Nmに設定された制御時の円筒コイルの最大温度tc1=127℃、最小温度tc2=107℃、Δt=20℃となる。トルクT=0.39Nmのときに比べパルス間隔はさらに短くなる。このケースにおいても、円筒コイル100の許容上限温度t=130℃を超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100が制御時の円筒コイルの最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように制御することによって、正常な連続運転が可能になることを確認した。
図11〜図14から明らかなように、コアレスモータ10に定格トルクT=0.28Nmを超える負荷トルクT〜T(0.33〜0.42Nm)を連続的に付与しながら、円筒コイル100の温度を制御し、それにより、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを確認した。この試験結果からT〜Tのいずれの場合においても、コアレスモータ10は、円筒コイル100が供給される冷媒液(純水)80を気化し、その気化潜熱で、円筒コイル100の許容上限温度tを超えず、冷媒液(純水)の気化する下限温度tを下回らない状態で、円筒コイル100の最大温度tc1と最小温度tc2の差Δtを狭めるように、円筒コイル100の温度を制御することによって、正常な連続運転が可能であることを確認した。
4ケースの過負荷状態のコアレスモータ10は、円筒コイル100への冷媒液(純水)80の供給量を調整することによって、最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃(T)、最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=113℃、Δt=15℃(T)、最大温度tc1=128℃、最小温度tc2=109℃、Δt=19℃(T)、最大温度tc1=127℃、最小温度tc2=107℃、Δt=20℃(T)のように、円筒コイル100を適正温度範囲に完全な制御状態で連続運転可能であることが検証された。
4ケースの過負荷状態のコアレスモータ10の駆動試験による検証を補強するための更なる駆動試験を行った。それは、発電機32の可変負荷33で設定される負荷トルクをT=0.33Nmに設定してコアレスモータ10の始動から300秒(5分)まで駆動し、次の300秒から600秒(さらに5分)間には負荷トルクをT=0.42Nmに設定してコアレスモータ10を駆動し、次の600秒から720秒(さらに2分)間には負荷トルクをT=0.33Nmに再設定してコアレスモータ10を駆動した試験である。
図15は、コアレスモータ10を、トルクTで5分、トルクTで5分、さらに再度トルクTで2分間、連続的に駆動した試験結果である。図15(a)から明らかなように、コアレスモータ10の稼働試験中、負荷トルクをT=0.33Nmに設定してコアレスモータ10の始動から300秒(5分)まで駆動し、次の300秒から600秒(さらに5分)間には負荷トルクをT=0.42Nmに設定した条件においても冷媒液供給ポンプ22のon/offのパルス動作の繰り返しによって円筒コイルの温度tは、一定の温度領域である109℃から126℃の範囲に推移する。図15(a)は連続運転試験におけるコアレスモータ10の始動開始から720秒(12分)間を抜粋したものであり、720秒(12分)経過後も同様の負荷変動においてもほぼ同様に推移することは確認済みである。
冷媒液供給ポンプ22の作動条件は、これまでのケースと同様に、冷却開始(第1読込)温度tL1=123℃を超えたときである。このときに冷媒液(純水)80が円筒コイルに直接供給される。次に気化潜熱によって円筒コイル100が冷却されて冷却停止(第2読込)温度tL2=122℃を下回るときに、冷媒液(純水)80の供給が停止される。
図15(b)は、負荷トルクをT=0.33NmからT=0.42Nmに瞬時に変化させている部分の詳細である。具体的には始動時から180秒(3分)から420秒(7分)の4分間の円筒コイル100の温度波形を拡大した図である。より詳細には、180秒(3分)から300秒(5分)の負荷トルクTは0.33Nmであるので、急冷却と緩慢な温度上昇は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、温度上昇は1℃以内程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は11から7℃程度低下する。具体的には負荷トルクT=0.33Nmに設定された始動時から180秒(3分)から300秒(5分)の2分間の円筒コイルの最大温度tc1=124℃、最小温度tc2=111℃、Δt=13℃となり、図11の結果である最大温度tc1=125℃、最小温度tc2=111℃、Δt=14℃とほぼ合致する。
300秒(5分)から420秒(7分)の間の負荷トルクTは0.42Nmであるので、温度の急冷却と急上昇は、図から容易に判断される。第1読込温度tL1は123℃で、これを超える温度tで冷媒液80を供給して冷却開始すると、温度上昇は4℃程度で反転する。反転後の第2読込温度tL2は122℃で、これを下回る温度tで冷媒液80の供給を止めても、オーバーシュートで下降後の温度は13から10℃程度まで低下する。具体的には負荷トルクT=0.42Nmに設定された300秒(5分)から420秒(7分)の間の2分間の円筒コイルの最大温度tc1=126℃、最小温度tc2=109℃、Δt=17℃となり、図14の結果である最大温度tc1=127℃、最小温度tc2=108℃、Δt=19℃とほぼ合致する。これによりコアレスモータ10稼動中にトルク0.42Nmを上限とする負荷変動においても正しく制御され連続運転が可能であることが確認できた。
図16は、図15に示された負荷トルクと同一条件で円筒コイル100の冷却開始温度tL1と冷却停止温度tL2を変化させたときの実験結果である。コアレスモータ10を始動し、円筒コイル100がtL1=110℃のときを冷却開始温度に設定し、さらにtL2=90℃のときを冷却停止温度に設定し、トルクTで5分、トルクTで5分、再度トルクTで2分間、連続的にコアレスモータ10を駆動した試験結果である。冷却開始温度のtL1及び冷却停止温度のtL2の設定値を変更した場合においても、駆動システム1は、正常に作動することを確認することができた。
以上の駆動試験は、冷媒液を図17の表に記載された気化熱2257kJ/kgの純水を用いて行ったものである。図17は純水80を含む冷媒液の融点℃、沸点℃、気化熱kJ/kgの一覧表である。そこで、冷媒液80として、融点−123℃、沸点34℃、気化熱142kJ/kgのフッ素系液体を用い、負荷トルクT=0.317Nmに設定したコアレスモータ10で、冷媒無の場合と冷媒有の場合の駆動試験を行った。
図18は、冷媒液80にフッ素系冷媒を用い、冷媒液供給ポンプ22の作動条件を、冷却開始温度tL1=54℃(第1読込)と冷却停止温度tL2=52℃(第2読込)に設定し、円筒コイル100に供給しながら駆動された場合と、供給されない場合との駆動試験における円筒コイル100の温度tの推移を表す。この駆動試験によって、稼働されるコアレスモータ10において、フッ素系冷媒液80が供給された場合には円筒コイル100を50℃〜60℃の間で推移させることができる一方で、フッ素系冷媒液80が供給されない場合には、円筒コイル100は10分程度で130℃を超えることが確認された。
駆動試験の結果は、フッ素系冷媒液80であっても、円筒コイル100に供給され、円筒コイル100で気化された気化潜熱による円筒コイル100に対する冷却動作が制御装置20によって適正に制御されることを明らかにした。それはまた、純水以外の他の冷媒液80を用いるコアレスモータ10において、円筒コイル100に対する冷却動作が適正制御できれば、コアレスモータ10の連続運転が可能であることを検証するものであり、冷媒を変更することでコイルの温度制御領域を変更することが可能であることを確認することができた。
図6のコアレスモータ10を用いた本駆動試験から明らかなように、本発明は、定格負荷を超える負荷で連続運転する無鉄心回転電機機械、その駆動方法およびそれを含む駆動システムであって、少なくとも以下の構成を有するものである。
無鉄心回転電機機械は、典型的には、円筒型マウントの内周面に複数のマグネットが配備されたロータか、または、底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化させたカップ型マウントのインナーヨークの外周面および/またはアウターヨークの内周面に複数のマグネットを互いに円周方向に間隙を空けて配備し、該間隙に対応するインナーヨークの位置にインナーヨークを貫通するスリットを有するロータか、そのいずれかを一方の構成要件とするものであり、ロータに対応する他方の構成要件であるステータは、通電可能な無鉄心の円筒コイル有し、該円筒コイルの一方の端面が固定される蓋型マウントとからなるものである。
それはさらに、図1および図2から明らかなように、ステータに固定された円筒コイルの内側とロータおよびステータの中心部とで形成される空間に冷媒液を供給する経路を有しており、駆動部または駆動装置によって駆動されるときに制御部または制御装置を作動し、発熱する円筒コイルの温度を適宜検知することによって、該経路を介して円筒コイルの内周面に直接送る冷媒液の供給量を調整する構成を有するものである。このことは、駆動システムを表す図3および図4から容易に理解されることである。
本発明の無鉄心回転電機機械、その駆動方法、およびそれを含む駆動システムは、定格を超える様々な負荷条件に適用可能であることは、駆動試験概要図である図5の発電機32における可変負荷33から容易に推定することができる。しかも、駆動試験に用いたコアレスモータと同じ構成を有するものであれば、その大小は問わないことはいうまでもない。
参考図として例示した図19の無鉄心回転電気機械は、冷媒液に供給する構成が、図1および図2に示された冷媒液が供給される位置が第1空隙ではなく、第2空隙に位置した実施例である。この実施例においても、第2空隙に送られる冷媒液が発熱する円筒コイルに達し、冷媒液をそこで気化し、その気化潜熱で円筒コイルの冷却が十分にでき、それにより、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械とすることができるものと考える。ただし、この構成に基づくコアレスモータの駆動試験は実施されていない。
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載されたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物がそれについての要素に代替され得ることが理解されるであろう。したがって、本発明を実施するために考慮された最良の実施態様として開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属する全ての実施形態を含むものである。

1 駆動システム
2 ステータ(固定子)
3 ロータ(回転子)
4 マグネット
8 冷媒液を供給する経路
10 無鉄心回転電気機械またはコアレスモータ
20 制御部または制御装置
21 コイル温度検知センサ
22 ポンプ
23 コントローラ
24 電磁弁
25 温度・電圧記録装置
26 冷媒液流量可変装置

30 駆動部または駆動装置
31 電力計
32 発電機
33 可変負荷
34 トルクセンサ
35 トルク計

40 エアギャップを含む空隙
41 マグネット相互の間隙

80 冷媒液または液相
800 冷媒液の気相
81 冷媒液容器
82 循環手段または循環搬送パイプ

100 円筒コイル
101 円筒コイルの一方の端面
102 円筒コイルの他方の端面
110 円筒コイルの内周側
120 円筒コイルの外周側

200 ステータ2を構成する蓋型マウント
240 蓋型マウントの中心部

300 ロータ3を構成する円筒型マウント
310 円筒型マウントの内周面
340 円筒型マウントの中心部

1000 駆動シャフト

Claims (57)

  1. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型マウントで該円筒型マウントの内周面に複数のマグネットが配備されているロータとでエアギャップを含む空隙を形成し、前記空隙に冷媒液を供給する経路を前記ステータに設け、前記ステータに関連する制御部と、前記ロータに関連する駆動部と、を配備する、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械であって、
    前記駆動部を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、前記制御部を作動し、前記空隙に前記冷媒液を供給し、発熱する前記円筒コイルが前記冷媒液を気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却し、前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように、前記冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする無鉄心回転電気機械。
  2. 定格を超える負荷で稼働するときに、前記制御部が作動し、前記円筒コイルが前記許容上限温度を超えないように前記冷媒液の供給量を調整する動作と、該動作によって前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記空隙に対する前記冷媒液の供給を止める動作とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載された無鉄心回転電気機械。
  3. 前記制御部は、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記冷媒液を前記空隙に供給するためのポンプと、前記ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  4. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  5. 前記制御部は、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記空隙に前記冷媒液を供給するための電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含むことを特徴とする請求項4に記載された無鉄心回転電気機械。
  6. 前記冷媒液容器と前記空隙との間を連通する循環手段を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  7. 前記制御部は、前記循環手段により前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収することを特徴とする請求項6に記載された無鉄心回転電気機械。
  8. 前記円筒型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  9. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの一方の端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置されるカップ型マウントとからなるロータとによってエアギャップを含む第1空隙を形成し、
    前記ロータを構成する前記カップ型マウントは、一方は開放され他方は閉じられた底部を有し、前記底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化し、前記インナーヨークの外周面および/または前記アウターヨークの内周面に複数のマグネットを互いに円周方向に間隙を空けて配備し、前記間隙に対応する前記インナーヨークの位置に前記インナーヨークに貫通するスリットを設けており、
    前記円筒コイルの他方の端面を、前記カップ型マウントの前記底部との間で隙間を残して前記円筒コイルを前記第1空隙に浮かせて配置し、前記カップ型マウントの一方の端面と前記蓋型マウントとの間に前記円筒コイルの内周側に第2空隙が形成され、前記円筒コイルの外周側に第3空隙が形成され、前記第1空隙に冷媒液を供給する経路が前記ステータに設けられ、前記ステータに関連する制御部と、前記ロータに関連する駆動部と、が配備される、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械であって、
    前記駆動部を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、前記制御部を作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、前記スリットを介して前記円筒コイルに送られる前記冷媒液を発熱する前記円筒コイルが気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却し、前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように、前記冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする無鉄心回転電気機械。
  10. 定格を超える負荷で稼働するときに、前記制御部が作動し、前記円筒コイルが前記許容上限温度を超えないように前記冷媒液の供給量を調整する動作と、前記動作によって前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記第1空隙に対する前記冷媒液の供給を止める動作とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持するようにしたことを特徴とする請求項9に記載された無鉄心回転電気機械。
  11. 前記制御部は、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給するためのポンプと、該ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含むことを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  12. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  13. 前記制御部は、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給するための電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含むことを特徴とする請求項12に記載された無鉄心回転電気機械。
  14. 前記冷媒液容器と前記第1空隙との間を連通する循環手段を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項12または13のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  15. 前記制御部は、前記循環手段により前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収することを特徴とする請求項14に記載された無鉄心回転電気機械。
  16. 前記カップ型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  17. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成される請求項1から16のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  18. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成される請求項1から16のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  19. 前記冷媒液は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかである請求項1から18のいずれかに記載された無鉄心回転電気機械。
  20. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型マウントで該円筒型マウントの内周面に複数のマグネットが配備されているロータとによってエアギャップを含む空隙を形成し、前記空隙に冷媒液を供給する経路を前記ステータに設け、前記ステータに関連する制御部と、前記ロータに関連する駆動部と、を配備する、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械の駆動方法であって、
    前記駆動部を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働する工程と、
    前記制御部を作動し、前記空隙に前記冷媒液を供給する工程と、
    発熱する前記円筒コイルが前記冷媒液を気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却する工程と、
    前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように前記冷媒液の供給量を調整する工程と、
    を含むことを特徴とする駆動方法。
  21. 前記制御部を作動し、前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記空隙に対する前記冷媒液の供給を止める工程を含み、該工程と前記空隙に前記冷媒液を供給する前記工程とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載された駆動方法。
  22. 前記制御部が、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記冷媒液を供給するポンプと、該ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含み、
    前記コイル温度検知センサを作動し、前記円筒コイルの温度を検出する工程と、
    該工程に連動して前記コントローラが前記ポンプを作動し、前記空隙に前記冷媒液を供給する工程および前記冷媒液の供給量を調整する工程と
    を含むことを特徴とする請求項20または21のいずれかに記載された駆動方法。
  23. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項20から22のいずれかに記載された駆動方法。
  24. 前記制御部が、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記空隙に前記冷媒液を供給する電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、
    前記コイル温度検知センサを作動し、前記円筒コイルの温度を検出する工程と、
    該工程に連動して前記コントローラが前記電磁弁を作動し、前記冷媒液容器から前記空隙に前記冷媒液を供給する工程および前記冷媒液の供給量を調整する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項23に記載された駆動方法。
  25. 前記冷媒液容器と前記空隙との間を連通する循環手段を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項23または24のいずれかに記載された駆動方法。
  26. 前記制御部が前記循環手段を作動し、前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収する工程をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載された駆動方法。
  27. 前記円筒型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項20から26のいずれかに記載された駆動方法。
  28. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの一方の端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置されるカップ型マウントとからなるロータとによってエアギャップを含む第1空隙を形成し、
    前記ロータを構成する前記カップ型マウントは、一方は開放され他方は閉じられた底部を有し、前記底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化し、前記インナーヨークの外周面および/または前記アウターヨークの内周面に複数のマグネットを互いに円周方向に間隙を空けて配備し、前記間隙に対応する前記インナーヨークの位置に該インナーヨークに貫通するスリットを設けており、
    前記円筒コイルの他方の端面を、前記カップ型マウントの前記底部との間で隙間を残して前記円筒コイルを前記第1空隙に浮かせて配置し、前記カップ型マウントの一方の端面と前記蓋型マウントとの間に前記円筒コイルの内周側に第2空隙が形成され、前記円筒コイルの外周側に第3空隙が形成され、前記第1空隙に冷媒液を供給する経路が前記ステータに設けられ、前記ステータに関連する制御部と、前記ロータに関連する駆動部と、が配備される、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械の駆動方法であって、
    前記駆動部を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働する工程と、
    前記制御部を作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送る工程と、
    発熱する前記円筒コイルが前記冷媒液を気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却する工程と、
    前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように、前記冷媒液の供給量を調整する工程と、
    を含むことを特徴とする駆動方法。
  29. 前記制御部を作動し、前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記第1空隙に対する前記冷媒液の供給を止める工程をさらに含み、該工程と前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送る前記工程とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載された駆動方法。
  30. 前記制御部が、コイル温度検知センサと、前記冷媒液を供給するためのポンプと、前記ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラを含み、
    前記コイル温度検知センサを作動し、前記円筒コイルの温度を検出する工程と、
    該工程に連動して前記コントローラが前記ポンプを作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送る工程および前記冷媒液の供給量を調整する工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項28または29のいずれかに記載された駆動方法。
  31. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項28から30のいずれかに記載された駆動方法。
  32. 前記制御部が、前記円筒コイルの温度を検出するコイル温度検知センサと、前記コイル温度検知センサと連動して前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記冷媒液を前記第1空隙に供給するための電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、
    前記コイル温度検知センサを作動し、前記円筒コイルの温度を検出する工程と、
    前記工程に連動して前記コントローラが前記電磁弁を作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送る工程および前記冷媒液の供給量を調整する工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載された駆動方法。
  33. 前記冷媒液容器と前記第1空隙との間を連通する循環手段を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項31または32のいずれかに記載された駆動方法。
  34. 前記制御部が前記循環手段を作動し、前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収する工程をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載された駆動方法。
  35. 前記カップ型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項28から34のいずれかに記載された駆動方法。
  36. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成される請求項20から35のいずれかに記載された駆動方法。
  37. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成される請求項20から35のいずれかに記載された駆動方法。
  38. 前記冷媒液は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかである請求項20から37のいずれかに記載された駆動方法。
  39. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置される円筒型マウントで該円筒型マウントの内周面に複数のマグネットを内周面に配備されているロータとによってエアギャップを含む空隙を形成し、前記ステータに前記空隙に冷媒液を供給する経路を有する無鉄心回転電気機械と、前記ロータと連動して作動する前記回転電気機械を駆動する駆動装置と、前記ステータに配備されるコイル温度検知センサと連動して前記空隙に前記冷媒液を供給する制御装置とからなる、前記無鉄心回転電気機械を定格を超える負荷で稼働するための駆動システムであって、
    前記駆動装置を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働するときに、前記制御装置を作動し、前記空隙に前記冷媒液を供給し、発熱する前記円筒コイルが前記冷媒液を気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却し、前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように前記冷媒液の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働することを特徴とする駆動システム。
  40. 定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働するときに、前記制御装置を作動し、前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように前記空隙に前記冷媒液を供給する動作と、該動作によって前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記空隙に対する前記冷媒液の供給を止める動作とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持するようにしたことを特徴とする請求項39に記載された駆動システム。
  41. 前記制御装置が、前記冷媒液を供給するポンプと、前記ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、前記コイル温度検知センサに連動して前記コントローラが前記ポンプを作動し、前記空隙に前記冷媒液を供給すると共に前記冷媒液の供給量を調整することを特徴とする請求項39または40のいずれかに記載された駆動システム。
  42. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項39から41のいずれかに記載された駆動システム。
  43. 前記制御装置が、前記冷媒液を供給する電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、前記コイル温度検知センサと連動して前記電磁弁を作動し、前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記空隙に前記冷媒液を供給すると共に前記冷媒液の供給量を調整することを特徴とする請求項42に記載された駆動システム。
  44. 前記冷媒液容器と前記空隙との間を連通する循環手段を前記無鉄心回転電気機械の前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項42または43のいずれかに記載された駆動システム。
  45. 前記制御装置が、前記循環手段により前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収することを特徴とする請求項44に記載された駆動システム。
  46. 前記無鉄心回転電気機械は、前記円筒型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項39から45のいずれかに記載された駆動システム。
  47. 通電可能な無鉄心の円筒コイルの一方の端面を固定する蓋型マウントからなるステータと、前記蓋型マウントに回転自在に対置されるカップ型マウントとからなるロータとによってエアギャップを含む第1空隙を形成し、
    前記ロータを構成する前記カップ型マウントは、一方は開放され他方は閉じられた底部を有し、前記底部に同心円のインナーヨークおよびアウターヨークを一体化し、前記インナーヨークの外周面および/または前記アウターヨークの内周面に複数のマグネットを互いに円周方向に間隙を空けて配備し、前記間隙に対応する前記インナーヨークの位置に該インナーヨークに貫通するスリットを設けており、
    前記円筒コイルの他方の端面を、前記カップ型マウントの前記底部との間で隙間を残して前記円筒コイルを前記第1空隙に浮かせて配置し、前記カップ型マウントの一方の端面と前記蓋型マウントとの間に前記円筒コイルの内周側に第2空隙が形成され、前記円筒コイルの外周側に第3空隙が形成され、前記ステータに前記第1空隙に冷媒液を供給する経路を有する無鉄心回転電気機械と、前記ロータと連動して作動する前記回転電気機械を駆動する駆動装置と、前記ステータに配備されるコイル温度検知センサと連動して前記第1空隙に前記冷媒液を供給する制御装置とからなる、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械を稼働するための駆動システムであって、
    前記駆動装置を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働するときに、前記制御装置を作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、発熱する前記円筒コイルが前記スリットを介して前記円筒コイルに送られる前記冷媒液を気化し、前記冷媒液の気化潜熱で前記円筒コイルを冷却し、前記円筒コイルが定格運転時の許容上限温度を超えないように前記冷媒液の供給量を調整することを特徴とする駆動システム。
  48. 定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械を稼働するときに、前記制御装置を作動し、前記円筒コイルが定格運転時の前記許容上限温度を超えないように前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給する動作と、該動作によって前記円筒コイルが少なくとも前記冷媒液が気化する下限温度を下回らないように前記第1空隙に対する前記冷媒液の供給を止める動作とを繰り返すことによって、前記円筒コイルを前記許容上限温度と前記下限温度との範囲に維持するようにしたことを特徴とする請求項47に記載された駆動システム。
  49. 前記制御装置が、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給するポンプと、該ポンプに対するオン・オフ指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、前記コイル温度検知センサに連動して前記コントローラが前記ポンプを作動し、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送ると共に前記冷媒液の供給量を調整することを特徴とする請求項47または48のいずれかに記載された駆動システム。
  50. 前記経路に連通する冷媒液容器を前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項47から49のいずれかに記載された駆動システム。
  51. 前記制御装置が、前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給する電磁弁と、前記電磁弁に対する開閉指令によって前記冷媒液の供給量を調整するコントローラとを含み、前記コイル温度検知センサと連動して前記コントローラが前記電磁弁を作動し、前記円筒コイルより高い位置に配置された前記冷媒液容器から前記第1空隙の前記インナーヨークの内側に前記冷媒液を供給し、前記スリットを介して発熱する前記円筒コイルに前記冷媒液を送ると共に前記冷媒液の供給量を調整することを特徴とすることを特徴とする請求項50に記載された駆動システム。
  52. 前記冷媒液容器と前記空隙との間を連通する循環手段を前記無鉄心回転電気機械の前記ステータにさらに配備することを特徴とする請求項50または51のいずれかに記載された駆動システム。
  53. 前記制御装置が、前記循環手段により前記冷媒液の気相を前記冷媒液容器に液相で回収することを特徴とする請求項52に記載された駆動システム。
  54. 前記無鉄心回転電気機械は、前記円筒型マウントの中心部に固定され、前記蓋型マウントの中心部に回転自在に連結される駆動シャフトを配備することを特徴とする請求項47から53のいずれかに記載された駆動システム。
  55. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成される請求項39から54のいずれかに記載された駆動システム。
  56. 前記円筒コイルは、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成される請求項39から54のいずれかに記載された駆動システム。
  57. 前記冷媒液は、水、エタノール、アンモニア、液体窒素、液体ヘリウム、フッ素系液体のいずれかである請求項39から56のいずれかに記載された駆動システム。

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