JP2021125324A - 燃料電池自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の生成水は廃棄するだけあり、有効活用されていない。
【解決手段】水素エンジン自動車は、水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使ってモータを回して走る自動車であり、化学反応によって発生した水は利用せずに車外へと排出していた。これに対して本発明は、この生成をモータ等発熱部の冷却に利用するものである。燃料電池3の発生水10をモータ5の内部へ供給し、そのモータ5内部の発熱部(例えばコイル)を冷却する。尚、モータ5への供給水量は調整し、余剰水は廃棄する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池自動車に係り、特に、モータの発熱対策に有効な燃料電池自動車に関する。
燃料電池自動車はエンジンの代わりに電気でモータを駆動して走行し、その燃料電池の燃料源は水素と酸素である。一般的には車内の高圧水素ボンベから水素(H2)を燃料電池に送り込み、空気中の酸素(O2)と化学反応を起こして電気を作る。即ち 反応式2H2+O2=2H2O+電気エネルギーで、電気エネルギーと共に水が生成される。
これまで化学反応によって発生した水は利用せずに車外へと排出していた。尚、ラジエータの冷却に使う事例は試みられている(特許文献1)。
一方で自動車に用いるモータも発熱体ではあるが、一般的には機械部品として水の侵入は嫌われ、若し水による冷却を期待するならば利用する水の清浄さが要求される。つまり、モータ等の冷却によって効率を図る必要性と、燃料電池の発生水の有効利用の思考とは存在していた。
特開2002−164065号公報
本発明は、上記従来の問題点に着目し、発熱するモータを冷却する水源として燃料電池の化学反応によって得られる精製された水を用いることにより、発生水の有効利用と、モータの冷却を同時に行うようにしたものである。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池自動車は、水素と酸素を供給して電気を発生させる燃料電池と、燃料電池で作られる電気で駆動するモータとを備え、燃料電池で電気が作られる際に生じる水をモータに供給するラインを備え、このラインの途中に水量調整手段を備えてなることを特徴とする。
本発明においては、モータは、前記の供給水が発熱部に接して気化し、その気化潜熱で発熱部を冷却し、モータ内部の温度を検出するセンサが備えられ、センサの出力によって水量調整手段による水量調整を行うことが好ましい。
或いは、本発明の燃料電池自動車は、密閉されているハウジングの中央で軸方向に伸びている回転中心軸と、このハウジング内で、回転中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されて回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、同ハウジング内で、回転中心軸に対して同心円状に配置され、回転中心軸の円周方向に回転するロータとを備えるものであり、供給水はハウジング内に収容されて、ロータの回転によってハウジング内を流動し、円筒状コイルに接触するものであり、水量が過剰にならぬように水量調整手段による水量調整を行うことが好ましい。
そして、本発明に採用するモータは無鉄心回転電気機械であること一層の効果を発揮する。
前記モータはホイールインモータとされ、ギア内蔵型コアレスモータとされている。
また、前記モータは、回転の中心となる中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されていて前記中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状のコイルと、前記コイルを半径方向で互いの間に挟み、互いの間に磁気回路を形成する円筒状のインナーヨークと円筒状のアウターヨークとを備えていて、前記中心軸に対して同心円状に配置され、半径方向の中心側で前記中心軸に支持されているロータと、円筒状のハウジングであって、半径方向で前記アウターヨークの外側に配置される円筒状部を備えていて前記中心軸に対して回転可能なハウジングとを備えているコアレスモータであって、当該コアレスモータ内における前記中心軸の端部に結合されるユニットを当該コアレスモータ内の空間部に備えているコアレスモータとすることができる。
さらに、前記モータは、コアレスモータの中央で軸方向に伸びていて当該コアレスモータを貫通している固定軸と、前記固定軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されていて前記固定軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、前記固定軸に対して同心円状に配置され、前記円筒状コイルを半径方向で互いの間に挟み、どちらか一方の他方に対向する側の面に磁石を備えていて、互いの間に磁気回路を形成する円筒状のインナーヨークとアウターヨークとからなり、半径方向の中心側で前記固定軸に回転可能に支持されているロータと、半径方向において前記アウターヨークの外側で、前記固定軸に対して同心円状に配置される円筒状部を備えていて、当該円筒状部が前記固定軸を中心として回転する円筒状のハウジングと、前記円筒状ハウジングの内部に配備されていて、前記固定軸を中心とする前記ロータの回転運動を前記円筒状ハウジングに伝達する回転運動伝達機構とを備えているコアレスモータであって、前記回転運動伝達機構は複数のギア部材を備えている歯車機構からなり、前記固定軸が前記円筒状コイルの半径方向内側に位置している前記歯車機構におけるサンギヤを貫通し、回転可能に支持しているコアレスモータとしてもよい。
本発明によれば、燃料電池から発生する水を、モータの冷却に有効利用できるという効果がある。
尚、本発明においてはモータの他に、車載装置(主にエンジン・ポンプ・回路基盤)などに吹きかけ、気化潜熱等で冷却しても良い。そして水タンクに一杯になった場合には水は破棄すれば良い。
本発明の一例を適用した燃料電池自動車の概念図である。 本発明に用いるモータ例の断面模式図である。 図2の破断斜視図である。 本発明に用いるモータへの水供給例のシステム図である。 本発明に用いるモータへの水供給例のシステム図である。 本発明に用いる他のモータ例の断面模式図である。 図2の破断斜視図である。 本発明に用いる更に他のモータ例の拡大断面図である。 図8の実施形態のコアレスモータの他の実施形態の内部構造を説明する一部を省略した拡大断面図である。 図8の実施形態のコアレスモータの他の実施形態における水撹拌手段の他の実施形態を説明する概念図である。 コアレスモータの中心軸が非貫通タイプの断面図である。 コアレスモータの中心軸が貫通タイプの断面図である。
以下、本発明に係る燃料電池自動車の具体的実施例を、図面を参照して、詳細に説明する。
なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上での好適な形態の一部であり、その効果を奏する限りにおいて、構成の一部に変更を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
図1を用いて本発明の一例を適用した燃料電池自動車の概念を説明する。自動車1は水素タンク2と燃料電池3を搭載している。水素タンク2は高圧水素ボンベ等である。水素タンク2から燃料電池3へは水素7が供給される。そして空気供給装置からは酸素8が燃料電池3へ供給される。このように燃料電池3では水素7と酸素8が供給されて内部の化学反応によって水10と電気エネルギー(電流)9が発生する。以上の仕組みは良く知られているのでこれ以上の原理的説明は省略する。
本実施例においては生成された水10は水タンク4に一時的に蓄えられて適宜発熱体15へ供給され、気化冷却原理にて発熱体15の放熱を行うと共に、モータ5へ適宜供給してモータ5の冷却に有効利用する。尚、モータ5は燃料電池3で発生した電流9によって駆動される。水タンク4の余剰水13は排水14として外部へ放出される。水タンク4からモータ5へ至る水の配管経路上には水の流量を調整する流量調整バルブ6が備えられ、モータ5が必要とするタイミングで水10を必要量供給する。その必要量は例えばモータ5内の温度センサからの制御信号12を流量調整バルブ6へ送ることによって決まる。尚、モータ5へ過度の水量が流入した場合や、用済み後の水は車外へ排水14‘として放出される。
燃料電池3の化学反応で得られた水は清浄であるからモータ5の冷却へ使用するに際しての不純物の問題はない。モータ5の発熱を冷やせばモータ5の効率は上がるが、その冷却源として燃料電池3の発生水が有効活用されることになる。
以下に、本発明の自動車に適用するに好適なコアレスモータを例示して説明する。本発明に最適なモータは、過負荷で常時運転する発想に基づき開発された定格を超える負荷で稼働するためのコアレスモータである。ここでいう「定格」は、例えば、所定の電圧でコアレスモータを定格トルクまたは定格出力で稼働する場合を指す。
ステータとロータという部品の電磁気作用によって回転する電動モータに内在する技術的課題は、ステータに配備される電機子のコイルの発熱作用である。電動モータの能力や大小は、通常、電動モータの出力で表現される。その出力P0は、回転速度n(rpm)とトルクT(N・m)との積で表される。電動モータの入力電力P1(W)とすると、入力電力P1と出力P0との差は熱損失PLとして熱エネルギーに変換されて周囲に放出される。これが電機子コイルの発熱作用であり、電動モータの避け難い技術的問題である。 例えば、コアレスモータに限らず、電動モータは、定格を超える負荷で稼働し続けると、その発熱作用によって短時間で電機子コイルの許容上限温度を突破し、焼損し破壊されることは当業者にとって周知の事項である。それはまた、電機子コイルの発熱作用が電機子コイルの抵抗値を高め電動モータの出力変動を惹起するという問題を内在しており、従って、電機子コイルを一定温度範囲に完全制御し出力変動を最小化することは、電動モータの究極的技術的課題でもある。その課題解決は、電機子コイルの温度をいかに制御するかということになる。電機子コイルを一定温度範囲に制御することは重要である。
本発明者らは、過負荷で常時運転する発想に基づく電動モータの開発に挑戦 し、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械、その駆動方法、および、それを含む駆動システムを実現し、この技術的課題を解決するに至った。このことは、本発明の一実施形態に基づき製作されたコアレスモータ(CP50)を用いた駆動試験から確認することができる。
コアレスモータ(CP50)の電圧を24Vに設定し、トルクを測定した。これが定格トルクT0=0.28Nmである。本発明者らは、コアレスモータ(CP50)に定格トルクT0を超える負荷を連続的に付与しながら、電機子コイルである円筒コイルの発熱を完全に制御し、それにより、コアレスモータ(CP50)の長時間運転が可能であることを確認した。
(気化冷却原理を利用したモータ冷却事例)
そのコアレスモータの第1の態様は、図2の断面模式図および図3の破断斜視図に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械16である。それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル17の端面18を固定する蓋型マウント19からなるステータ20と、蓋型マウント19に回転自在に対置される円筒型マウント21で円筒型マウント21の内周面22に複数のマグネット23が配備されているロータ24とでエアギャップを含む第1空隙25を形成し、第1空隙25に水26(図1の水10に相当)を供給する経路27(図1の水タンク4から入る管路に相当する)をステータ20に設け、ステータ20に関連する制御部28と、ロータ24に関連する駆動部29と、を配備する、定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械16である。
それはまた、ステータ20に、経路27に連通する水タンク4を配備し、水タンク4と第1空隙25との間を連通する循環手段30をさらに配備することができる。
このような本実施形態の第1の態様から明らかなように、無鉄心回転電気機械16は、駆動部29を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、制御部28を作動し、第1空隙25に水26を供給し、発熱する円筒コイル17が水26を気化し、水26の気化潜熱で円筒コイル17を冷却し、円筒コイル17が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、水26の供給量を(図1の)流量調整バルブ6にて調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしている。
本発明の一つの実施形態として、無鉄心回転電気機械16は、それが定格を超える負荷で稼働されるときに、制御部28が作動し、円筒コイル17が許容上限温度tを超えないように水26の供給量を調整する動作と、該動作によって円筒コイル17が少なくとも水26が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙25に対する水26の供給を止める動作とを繰り返すことによって、円筒コイル17を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
換言すると、本実施態様の無鉄心回転電気機械16を駆動する方法は、駆動部29を作動し、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械16を稼働する工程と、制御部28を作動し、第1空隙25に水26を供給する工程と、発熱する円筒コイル17が水26を気化し、水26の気化潜熱で円筒コイル17を冷却する工程と、円筒コイル17が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、水26の供給量を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一つの実施形態として、それは更に、制御部28を作動し、円筒コイル17が少なくとも水26が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙25に対する水26の供給を止める工程を含み、該工程と第1空隙25に水26を供給する工程と を繰り返すことによって、円筒コイル17を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持する工程を更に含むことが、より好ましい。
尚、図2及び図3において、符号31はコイル温度検知センサであり、この出力信号が図1の制御信号12になって送信されている。符号32は蓋形マウントの中心部であり、符号33は駆動シャフトであり、符号34は円筒形マウントの中心部である。また、符号35はポンプで水タンク4からの水をモータ内部へ送るものであり、符号36はそのコントローラであり、符号37は隣接するマグネット4の相互の間隙である。
本発明のもう一つの実施形態として、制御部28は、図4の模式図に示されるように、円筒コイル17の温度を検出するコイル温度検知センサ31と、コイル温度検知センサ31と連動して水26を第1空隙25に供給するポンプ35と、ポンプ35に対するオン・オフ指令によって水26の供給量を調整するコントローラ36を含むことができる 。そして更に、コイル温度検知センサ31を作動し、円筒コイル17の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ36がポンプ35を作動し、第1空隙25に水26を供給する工程および水26の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法とすることができる。こうして本態様による駆動システムでは、第1空隙25に水26を供給すると共に水26の供給量を調整する駆動システムとすることができる。
本発明の更にもう一つの実施形態として、制御部28は、図5の模式図に示されるように、円筒コイル17の温度を検出するコイル温度検知センサ31と、コイル温度検知センサ31と連動して円筒コイル17より高い位置に配置された水タンク4から第1空隙25に水26を供給する電磁弁(流量調整バルブ)6と、流量調整バルブ6に対する開閉指令によって水26の供給量を調整するコントローラ36を含むこともできる。そして、コイル温度検知センサ31を作動し、円筒コイル17の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ36が電磁弁6を作動し、水タンク4から第1空隙25に水26を供給する工程および水26の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法でもよい。
本発明の他の実施形態として、制御部28は、図4または図5に示されるように、循環手段30により水26の気相を水タンク4に液相で回収するようにしてもよい。すなわち本発明の実施形態として、制御部28が循環手段30を作動し、水26の気相を水タンク4に液相で 回収する工程をさらに含む駆動方法及び駆動システムとすることもできる。
本発明の更に他の実施形態として、図2及び図3に示されるように、駆動シャフト33が円筒型マウント21の中心部に固定し、蓋型マウント19の中心部32に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械16、その駆動方法、駆動システムにすることができる。
本発明の第2の態様は、図6の断面模式図および図7の破断斜視図に示される定格を超える負荷で稼働するための無鉄心回転電気機械16である。それは、通電可能な無鉄心の円筒コイル17の一方の端面18を固定する蓋型マウント19からなるステータ20と、蓋型マウント19に回転自在に対置されるカップ型マウント38とからなるロータ24とによってエアギャップを含む第1空隙25を形成している。ロータ24を構成するカップ型マウント38は、一方は開放されており、他方は閉じられた底部39を有し、底部39に同心円のインナーヨーク40およびアウターヨーク41を一体化している。インナーヨーク40の外周面42‘および/またはアウターヨーク41の内周面43に複数のマグネット23を互いに円周方向に間隙37を空けて配備し、間隙37に対応するインナーヨーク40の位置にインナーヨーク40を貫通するスリット44を設けている。
さらに、円筒コイル17の他方の端面45を、カップ型マウント38の底部39との間で隙間を残して円筒コイル17を第1空隙25に浮かせて配置している。カップ型マウント38の一方の端面と蓋型マウント19との間に円筒コイル17の内周側に第2空隙46が形成され、円筒コイル17の外周側に第3空隙47が形成されている。ステータ20に第1空隙25に水26を供給する経路27を有する無鉄心回転電気機械16からなっている。ロータ24と連動して作動する無鉄心回転電気機械16を駆動する駆動部29と、ステータ20に配備されるコイル温度検知センサ31と連動して第1空隙25に水26を供給する制御部28とからなる、定格を超える負荷で無鉄心回転電気機械16を稼働するための駆動システムが構成されている。
それはまた、ステータ20に、経路27に連通する水タンク4を配備し、水タンク4と第1空隙25との間を連通する循環手段30をさらに配備することができる。
本発明の第2の態様から明らかなように、無鉄心回転電気機械16は、駆動部29を作動し、定格を超える負荷で稼働するときに、制御部28を作動し、第1空隙25のインナーヨーク40の内側42に水26(図1の水11に相当)を供給し、スリット44を介して円筒コイル17に送られる水26を発熱する円筒コイル17を水26の気化潜熱で気化冷却し、円筒コイル17が定格運転時の許容上限温度tを超えないように水26の供給量を調整することによって、定格を超える負荷で稼働するようにしたことを特徴とする。
すなわち本実施態様の駆動方法は、駆動部29を作動し、定格を超える負荷で前記無鉄心回転電気機械16を稼働する工程と、制御部28を作動し、第1空隙25のインナーヨーク40の内側42に水26を供給し、スリット44を介して発熱する円筒コイル17に水26を送る工程と、発熱する円筒コイル17が水26を気化し、水26の気化潜熱で円筒コイル17を冷却する工程と、円筒コイル17が定格運転時の許容上限温度tを超えないように、水26の供給量を調整する工程と、を含むことを特徴とする。円筒コイル17を許容上限温度tと下限温度tとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明の一つの実施形態として、無鉄心回転電気機械16は、それが定格を超える負荷で稼働されるときに、制御部28が作動し、円筒コイル17が許容上限温度tを超えないように水26の供給量を調整する動作と、該動作によって円筒コイル17が少なくとも水26が気化する下限温度tを下回らないように第1空隙25に対する水26の供給を止める動作を繰り返すことによって、円筒コイル17を許容上限温度tMと下限温度tNとの範囲に維持することが、より好ましい。
本発明のもう一つの実施形態として、制御部28は、図4の模式図に示されるように、円筒コイル17の温度を検出するコイル温度検知センサ31と、コイル温度検知センサ31と連動して第1空隙25のインナーヨーク40の内側に水26を供給するポンプ35と、ポンプ35に対するオン・オフ指令によって水26の供給量を調整するコントローラ36を含むことができる。そして、コイル温度検知センサ31を作動し、円筒コイル17の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ36がポンプ35を作動し、第1空隙25のインナーヨーク40の内側に水26を供給し、スリット44を介して発熱する円筒コイル17に水26を送る工程および水26の供給量を調整する工程と、を含む駆動方法とすることができる。
本発明の更にもう一つの実施形態として、制御部28は、図5の模式図に示されるように、円筒コイル17の温度を検出するコイル温度検知センサ31と、コイル温度検知センサ31と連動して円筒コイル17より高い位置に配置された水タンク4から第1空隙25のインナーヨーク40の内側に水26を供給する電磁弁6と、 電磁弁6に対する開閉指令によって水26の供給量を調整するコントローラ36を含むこともできる。こうして、コイル温度検知センサ31を作動し、円筒コイル17の温度を検出する工程と、該工程に連動してコントローラ36が電磁弁6を作動し、第1空隙25のインナーヨーク40の内側に水26を供給し、スリット44を介して発熱する円筒コイル17に水26を送る工程および水26の供給量を調整する工程と、含む駆動方法、駆動システムとすることもできる。
本発明の他の実施形態として、制御部28は、図4または図5に示されるように、循環手段30により水26の気相を水タンク4に液相で回収するようにしてもよい。
本発明の更に他の実施形態として、図6及び図7に示されるように、駆動シャフト33がカップ型マウント38の中心部に固定し、蓋型マウント19の中心部32に回転自在に連結するように配備された無鉄心回転電気機械16にすることができる。
本発明の第1および第2の態様における一つの実施形態として、円筒コイル17は、絶縁層で覆われた軸方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
本発明の駆動システムにおいて、無鉄心回転電気機械16の円筒コイル17は、絶縁層で覆われた長手方向に離間する線状部を有する導電性金属シートの積層体で円筒形に 形成されるものか、または、絶縁層で覆われた線状導体で円筒形に形成されるものの、いずれかであることが好ましい。
(回転による小量水の微粒子化によるモータ冷却事例)
次に今まで説明したコアレスモータとは冷却方式の異なる実施態様を説明する。コアレスモータはコアたる鉄心が無いので軽量化されており、かつ、コンパクトになっているので自動車搭載等に向いている。
本願発明者らが市場に提供した電動モータとして、ハウジング内で回転中心軸に対して同心円状に配置され一方の側の端面がステータに支持されて回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、ハウジング内で回転中心軸に対して同心円状に配置され回転中心軸の円周方向に回転するロータとを備えている構造のものがある。このコアレスモータの定格は、円筒状コイルの温度が許容上限温度130℃を超えない条件として、定格トルクT=0.28Nm、定格電流I=9.7Arms、定格回転速度n=6537rpm、定格出力P=191.67Wであった。
このコアレスモータを用いて、定格を越える条件で駆動させて検討したところ、駆動開始後、僅か数十秒で円筒状コイルの許容上限温度130℃を超えることになった。このことから容易に想定され得る最悪の事態は、定格を越える条件で駆動させると、円筒状コイルが焼損し破壊されることである。また、たとえ破壊にまで至らなくとも、性能面から、コアレスモータの長時間の正常運転を期待することはできなくなるということである。このように、電動モータは、始動時などに定格電流を瞬間的に超えることはあっても、通常、定格を超える状態で連続運転されることを想定していない。電動モータを過負荷の状態、つまり定格以上で連続運転すると、電流によって電動モータのコイルは想定以上に発熱する。
そこで、本願発明者は、円筒状コイルを備えているコアレスモータに冷却機構を配備することで、円筒状コイルの発熱やマグネットの加熱に伴う電動モータの性能低下を防止し、或いは定格を超える負荷で稼働できるようにすることを考えた。
以下の説明では、簡易な構造で、モータ稼働時におけるコイルの過熱を抑制し、コイルに過剰な電流を供給して電動モータを高回転出力させることが可能なコアレスモータを用いた例を述べる。
すなわち本例では、コアレスモータを構成するハウジングを密閉し、前記ハウジング内で高速で回転するロータによってハウジング内で水を高速で流動させることで水を微細化、微粒子化させる。これによって、噴霧状態になった水がハウジング内を高速で流動する。また、この流動する水の一部が発熱しているコイルに接触することで気化する。これらによって、ハウジング内部の雰囲気を気液混在状態にする。ハウジング内部の雰囲気が噴霧状態になった液状冷媒が存在している気液混在状態になることで、通電によって発熱しているコイルからハウジングへの熱伝導が向上する。この結果、ハウジングの温度を、発熱しているコイルと同程度の温度にまで効率よく昇温させ、ハウジングの外側表面全体から放熱させる構成にした。これによって、コアレスモータ稼働時におけるコイルの過熱を抑制し、コイルに過剰な電流を供給してコアレスモータを高回転出力させることを可能にした。
より具体的には次の態様のいずれかのコアレスモータを燃料電池自動車(概念は図1に例示)に組み込んで、燃料電池3から得られる水10を以下のように導入して用いるものである。
(1)密閉されているハウジングの中央で軸方向に伸びている回転中心軸と、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されて前記回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、前記回転中心軸の円周方向に回転するロータと、前記ハウジング内に収容されていて、前記ロータの回転によって前記ハウジング内を流動し、前記円筒状コイルに接触する水(この水が燃料電池から供給される)とを備えているコアレスモータ。
(2)前記ロータは、前記円筒状コイルを半径方向で互いの間に挟むインナーヨークとアウターヨークとを備えていて、前記アウターヨークは、前記アウターヨークを半径方向に貫通する孔を備えている(1)のコアレスモータ。
(3)密閉されているハウジングの中央で軸方向に伸びている回転中心軸と、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されて前記回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、前記回転中心軸を中心として回転するロータと、前記ハウジング内に配備されていて、前記回転中心軸を中心とする前記ロータの回転運動を回転運動出力部の回転運動に伝達する遊星歯車機構からなる減速機と、前記ハウジング内に収容されていて、前記ロータの回転によって前記ハウジング内を流動し、前記円筒状コイルに接触する水(この水が燃料電池から供給される)を備えているコアレスモータ。
(4)前記減速機は、前記回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状のギアケース内に収容されており、当該ギアケースは、当該ギアケースを半径方向に貫通する孔を備えている(3)のコアレスモータ。
以上、この態様によって、簡易な構造で、モータ稼働時におけるコイルの過熱を抑制し、コイルに過剰な電流を供給して電動モータを高回転出力させることが可能なコアレスモータを提供することができる。
導入される水10は少量で良く、内部の回転によって、僅かな水量でも水分は充分にモータ内部に行き亘る。
図8図示のコアレスモータ51は、密閉されているハウジング52と、ハウジング52の中央で軸方向(図8における左右方向)に伸びている回転中心軸53とを備えている。
図8に図示の実施形態では、回転中心軸53はハウジング52に回転可能に支持されており、回転中心軸53がコアレスモータ51における回転運動出力部になっている。
図示の実施形態では、密閉されているハウジング52は、円筒状ケーシング54と、円筒状ケーシング54の図8中の右端側開口部を閉鎖する円板状の蓋部55とからで構成されている。
円筒状ケーシング54は、円板状部54bと円筒状部54aとを備えている。円筒状ケーシング54を構成する円筒状部54aの図8中の右端部は、パッキン56a、56bを介して、円板状の蓋部55に圧着されている。回転中心軸53は蓋部55の半径方向内側で、シール付きベアリング57a、57bを介して、ハウジング52に回転可能に支持されている。シール付きベアリング57a等としては、例えば、オイルシール付きベアリングを採用することができる。以下、本例にて、シール付きベアリング57a、57bを、単に、ベアリング57a、57bと記載することがある。
図示の実施形態では、パッキン56a、56b、ベアリング57a、57bの存在によってハウジング52の密閉が図られている。
コアレスモータ51は、ハウジング52の内側に円筒状コイル58、ロータ59を備えている。
円筒状コイル58は、回転中心軸53に対して同心円状に配置され、一方の側の端面(図1の実施形態では、右側端面)がハウジング52に支持されているステータに支持されて回転中心軸53が伸びる方向に伸びている。
円筒状コイル58は通電可能な無鉄心コイルである。図示の実施形態では、図8中、回転中心軸53が伸びる方向である長手方向に複数の離間された線状部と絶縁層を介して重畳により形成される導電性金属シートの積層体構造によって円筒状に形成されている。半径方向における厚みは、例えば、5mm以下で、所定の剛性を備えている。このような円筒状のコイルは、例えば、日本国特許第3704044号に記載されている製造方法によって製造される。
ロータ59は、回転中心軸53に対して同心円状に配置され、径方向の中心側で回転中心軸53に支持されている。図8図示の実施形態では、ロータ59は、円筒状コイル58を半径方向で互いの間に挟むインナーヨーク60とアウターヨーク61とからで構成されている。アウターヨーク61はインナーヨーク60に対向する半径方向内側面に磁石62を備えている。これによって、円筒状コイル58を互いの間に挟む、半径方向内側面に磁石62を備えているアウターヨーク61と、インナーヨーク60との間に断面ドーナッツ状の磁界が形成され、磁気回路が形成されている。
図8に図示の実施形態では、アウターヨーク61の半径方向内側面に磁石62が配備されているが、これに替えて、インナーヨーク60の半径方向外側面に磁石62が配備されている形態にすることもできる。
密閉されているハウジング52内には、水11が収容されている。図8に図示の実施形態では、ハウジング52の円板状の蓋部55が、栓63によって密封される開口部64を備えている。
栓63には循環手段(配管)30(図1の水タンク4由来)が貫通しており、バルブ6で調整された所定の量の水11をハウジング52内に入れた後、再び、バルブ6を閉じることで、ハウジング52の密閉状態を維持している。
図8に図示のコアレスモータ51において、インナーヨーク60とアウターヨーク61との間に断面ドーナッツ状の磁界が形成されている下で円筒状コイル58に所定の電流を供給することによりロータ59は回転中心軸53の円周方向に回転する。ロータ59を構成しているインナーヨーク60の半径方向内側は回転中心軸53に支持されており、これによって、回転中心軸53も図8に矢印65で示す周方向に回転運動する。
図8に図示の実施形態のコアレスモータ51では、密封されているハウジング52内に収納されている水11は、上述したように、ロータ59が回転中心軸53の円周方向に高速で回転することで、微細化、微粒子化され、噴霧状態になってハウジング52内を高速で流動する。ハウジング52内を高速で流動する噴霧状態の水11は、磁石62の半径方向内側と、円筒状コイル58の半径方向外側との間に形成されている断面ドーナッツ状の隙間及び、インナーヨーク60の半径方向外側と、円筒状コイル58の半径方向内側との間に形成されている断面ドーナッツ状の隙間に入り込む。
電流の供給を受けている円筒状コイル58は発熱しており、円筒状コイル58の半径方向内側面、半径方向外側面に接触した噴霧状態の水11の一部は、高温の円筒状コイル58によって気化される。
この結果、ハウジング52の内部空間は、高速回転するロータ59によって微細化、微粒子化され、噴霧状態になった水が存在している気液混在状態になる。この気液混在状態の密閉された雰囲気下でロータ59が高速回転する。高速回転するロータ59によって噴霧状態の気液混在物が密閉状態のハウジング52内を流動することで、ハウジング52内が気体だけである状態の時に比較して、通電によって発熱している円筒状コイル58からハウジング52への熱伝導が向上する。
これによって、円筒状コイル58への通電が開始されて、ロータ59が回転開始し、円筒状コイル58の温度が上昇し始めると、ハウジング52を構成する円板状部54b、円筒状部54aの温度も上昇し始め、円板状部54b、円筒状部54aの温度は、次第に、円筒状コイル58の温度に近づいていく。こうして、円板状部54b、円筒状部54aの外側表面という広い放熱面積から放熱が行われる。
この結果、コアレスモータ51稼働時における円筒状コイル58の過熱を抑制し、円筒状コイル58に過剰な電流を供給してコアレスモータ51を高回転出力させることが可能になる。
図8に図示の実施形態では密封されているハウジング52に収納されている水11はロータ59の一部に接触する状態でハウジング52に収納されている。そこで、ロータ59が回転すると、直ちに、水11は、ハウジング52内を流動開始するようになる。
図示していないが、ハウジング52に収納されている水11がロータ59の一部に接触していない形態にすることもできる。この場合でも、ロータ59がハウジング52で高速で回転することで、ハウジング52内にロータ59の回転方向に高速の空気流が発生し、この空気流によって、水11は、ハウジング52内を流動開始するようになる。
図8に図示の実施形態では、アウターヨーク61は、アウターヨーク61を半径方向に貫通する孔66a、66b、66c、66dを備えている。
ロータ59が回転すると、水11は孔66a、66b、66c、66dを介してアウターヨーク61、円筒状コイル58の半径方向内側に向かって流動することが可能になる。
そこで、ハウジング52内における水11の流動状態がより活性化され、より効率よく、上述したハウジング52内部空間の気液混在状態が生起されることになる。
上述したように、密封されているハウジング52に収納されている水11がロータ59の一部に接触している、或いは接触していなくても、ロータ59の高速回転によってハウジング52内部空間が気液混在状態になるが、ロータ59が上述したように、半径方向に貫通する孔66a、66b、66c、66dを備えていることで、より効率よく気液混在状態が生起され、発熱している円筒状コイル58からハウジング52へのより効率よい熱伝導が行われる。
図8に図示の実施形態では、円筒状のアウターロータ61の図8における左端側の円周方向に所定の間隔をあけて複数の孔66a、66b、66c、66dが形成されているが、孔の数や、孔が設けられている位置は図8に図示のものには限られない。
図9は、密閉されているハウジング52内に収容されている水11を、ロータ59の回転によって、より効率よくハウジング52内で流動させる実施形態の一例を説明するものである。
ロータ59が、ハウジング52の円筒状部54aの内周面側に向かって伸びる撹拌羽根67、67を備えている。その他の構造については、図8図示の実施形態と同一であるので、共通する部材には共通する符号をつけてその説明を省略する。
ロータ59が、ハウジング52の円筒状部2aの内周面側に向かって伸びる撹拌羽根67、67を備えていることで、ロータ59が回転中心軸5の円周方向に回転することで生起されるハウジング52内での水11の流動がより確実、強力に行われるようになる。
図9に図示の実施形態では、撹拌羽根67、67は、ロータ59の半径方向外側であって、なおかつ、図9中の右端面から、ハウジング52の円筒状部54aの内周面側に向かう半径方向外側、かつ、ハウジング52の円板状部54bの内面側に向かって伸びている。
そこで、コアレスモータ51が、図8、図9図示の配置形態で、水11液が図8、図9に図示のように収容されているときも、また、図示していないが、コアレスモータ51が、ハウジング52の円板状部54bを下側にし、ハウジング52の外側に向かって伸びる回転中心軸53の先端が上側に向かっている配置形式で、ハウジング52内に収納されている水11が円板状部54b側に位置しているときも、ロータ59が回転中心軸53の円周方向に回転することで生起されるハウジング52内での水11の流動がより確実、強力に行われるようになる。
図10は、密閉されているハウジング52内に収容されている水11を、ロータ59の回転によって、より効率よくハウジング52内で流動させる実施形態の他の一例を説明する概念図である。
円筒状コイル58が半径方向外側に向かって伸びる撹拌用の突起68を備えている。
ロータ59が回転すると、ロータ59の回転で生じる遠心力で、円筒状コイル58の半径方向外側面に対向する箇所に、図10図示のように、水11が押しつけられることがある。
図10では、アウターヨーク61の半径方向内側面に磁石62が配備されていて、磁石62の周囲に水11が入り込んで液体溜りが形成されている。
円筒状コイル58から半径方向外側に向かって伸びる撹拌用の突起68が水溜りに突入するので、ロータ59が回転すると水溜りが解消されて、水11は効率よくハウジング52内で流動するようになる。
(試験例)
本願出願人が市販しているコアレスモータ(CPH80F)を用いて試験を行った。このコアレスモータは、ハウジング内で回転中心軸に対して同心円状に配置され一方の側の端面がステータに支持されて回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、ハウジング内で回転中心軸に対して同心円状に配置され回転中心軸の円周方向に回転するロータとを備えている構造のものである。
試験に供した2台のコアレスモータ(CPH80F)をいずれも密閉構造にし、一台には内部に水を入れ、他方の一台には水を入れない通常の状態で運転を行った。
試験運転は、2台とも24Vdc入力、トルク:1Nm、出力:380Wで同一の室内で、同時に行った。結果は以下の表1(実施例(液状冷媒(水)あり)、表2(比較例(液状冷媒(水)なし)の通りであった。
Figure 2021125324

Figure 2021125324
この試験結果から、密閉されているコアレスモータのハウジング内に水を収容しておき、ロータの回転によって水をハウジング内で流動させ、水を発熱している円筒状コイルに接触させることでハウジング内を気液混在状態にすることで、ハウジング内の熱伝導効率が向上し、ハウジングの温度が円筒状コイルの温度上昇に追随して上昇すること、これによって効率よく放熱が図られることを確認できた。
次に、図11、12に示した前記モータはホイールインモータとして利用され、ギア内蔵型コアレスモータとされている場合について、説明する。
図11、12は、車輪の駆動用に用いられる構造としたモータに適用してもので、中心軸が貫通しないタイプと貫通するタイプを記している。
図11に記載のコアレスモータ71は、回転軸72、ステータ73、コイル74、ロータ77、ハウジング79を備えている。回転軸72が回転の中心となる中心軸である。円筒状のコイル74は、回転軸72が伸びている方向に伸びていて、回転軸72に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータ73に支持されている。図11の実施形態では左側の端面がステータ73に支持されている。ロータ77は、回転軸72に対して同心円状に配置されていて、半径方向の中心側で回転軸72に固定的に支持されている。
ロータ77は、円筒状のインナーヨーク75と円筒状のアウターヨーク76とを備え、円筒状のコイル74を半径方向で互いの間に挟み、互いの間に磁気回路を形成している。図11の実施形態では、アウターヨーク76の内周面にマグネット78が配備されている。これによって、インナーヨーク75とアウターヨーク76との間に断面ドーナッツ状の磁界が形成されている。
ハウジング79は、円筒状で、図11図示のように、半径方向でアウターヨーク76の外側に配置される円筒状部を備えている。図示の実施形態では、ハウジング79の円筒状部の開口している側である一方の側(図1の左側)がステータ73に固定されている。
ハウジング79は、半径方向の中心で回転軸72を回転自在に支承している。図11の実施形態では、ハウジング79は、ステータ73に固定されている一方の側と反対側に円板状部を備えている。その円板状部の半径方向の中心に筒状部80を備えている。筒状部80は、回転軸72が伸びる方向でステータ73の方向に向かって伸びている。回転軸72は、筒状部80の回転軸72が伸びている方向の両端側でそれぞれ軸受81a、81bを介して回転可能にハウジング79に支持されている。
この実施形態では、回転軸72は、円筒状のコイル74を回転軸72が伸びる方向に貫通することなしに、回転軸72が伸びる方向におけるコイル74の途中で終端している。これによって、コアレスモータ71内に空間部84が形成されている。
そして、コアレスモータ71内の空間部84において、回転軸72のコアレスモータ71内の端部82にユニット83が結合されている。こうして、ユニット83はコアレスモータ71内の空間部84に配置されている。すなわち、コアレスモータ71は、コアレスモータ71内における回転軸72の端部82に結合されるユニット83をコアレスモータ71内の空間部84に備えている。図11の実施形態では、ユニット83はギアなどから構成される従来公知の減速機である。
したがって、コアレスモータ71の回転軸方向の長さを大きくすることなく、コアレスモータの回転軸72にギアなどから構成される減速機を接続することができる。
このようなコアレスモータ71を燃料自動車のホイールインモータとして利用し、ギヤインモータとする場合には、燃料電池からの精製水を貰うことが出来る。そこで燃料電池で電気が作られる際に生じる水を前記コアレスモータ71に供給するライン85を備えている。この形成位置はステータ73の上端部に位置し、また、このライン85には、途中に水量調整手段86を備えている。水供給ライン85から精製水が供給されるとともに、水量調整手段86により適量の水がコアレスモータ71内に導入され、特に加熱量の大きい円筒コイル74が冷却される。コアレスモータ71が作動しているときには、円筒コイル74の内外周面をインナーヨーク75とアウターヨーク76とが高速で回転し、熱量の大きい円筒コイル74との小さい隙間を精製水が通るので、冷却効果は高いものとなる。なお、冷却後の水はハウジング79のロータ77寄りの位置から排水管87を設け、排水弁88を開閉して行う。
もちろん、前記コアレスモータ71は、前記の供給水が発熱部に接して気化し、その気化潜熱で前記発熱部を冷却し、前記コアレスモータ71内部の温度を検出するセンサが備えられ、該センサの出力によって前記水量調整手段86による水量調整を行うものとしている。
次に、図12に示した中心軸が貫通するタイプのコアレスモータについて説明する。
このコアレスモータ91は、コアレスモータ91の中央で軸方向に伸びていて当該コアレスモータ91を貫通している固定軸92を有している。前記固定軸92に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータ93に支持されていて前記固定軸92が伸びる方向に伸びている円筒状コイル94が固定軸92に取り付けられる。
また、前記固定軸92に対して同心円状に配置され、前記円筒状コイル94を半径方向で互いの間に挟み、どちらか一方の他方に対向する側の面に磁石97を備えていて、互いの間に磁気回路を形成する円筒状のインナーヨーク96とアウターヨーク95とからなり、半径方向の中心側で前記固定軸92に回転可能に支持されているロータ98が設けられている。
さらに、半径方向において前記アウターヨーク95の外側で、前記固定軸92に対して同心円状に配置される円筒状部99を備えていて、当該円筒状部99が前記固定軸92を中心として回転する円筒状のハウジング100が設けられている。
この円筒状ハウジング100の内部に配備されていて、前記固定軸92を中心とする前記ロータ98の回転運動を前記円筒状ハウジング100に伝達する回転運動伝達機構とを備えている。回転運動伝達機構は複数のギア部材を備えている歯車機構からなり、前記固定軸92が前記円筒状コイル94の半径方向内側に位置している前記歯車機構における高速側サンギヤ111を貫通し、回転可能に支持している。
このようなコアレスモータ91において、固定軸92に燃料電池からの精製水を供給するライン118を備えている。このライン118には、途中に水量調整手段119を備えている。水供給ライン118から精製水が供給されるとともに、水量調整手段119により適量の水がコアレスモータ91内に導入され、特に加熱量の大きい円筒状コイル94が冷却される。コアレスモータ91が作動しているときには、円筒状コイル94の内外周面の隙間を精製水が通るので、冷却効果は高いものとなる。
もちろん、前記コアレスモータ91は、前記の供給水が発熱部に接して気化し、その気化潜熱で前記発熱部を冷却し、前記コアレスモータ91内部の温度を検出するセンサが備えられ、該センサの出力によって前記水量調整手段119による水量調整を行うものとしている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物がそれについての要素に代替され得ることが理解されるであろう。従って、本発明を実施するために考慮された最良の実施態様として開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属する全ての実施形態を含むものである。
本発明は燃料電池自動車に係り、特に、燃料電池反応で発生する水をモータ等の冷却に有効利用できる燃料電池自動車に関する。
1……燃料電池自動車、2……水素タンク、3……燃料電池、4……水タンク、5……モータ、6……流量調整バルブ、7……水素、8……酸素、9……電気エネルギー(電流)、10……水、12……制御信号、13……余剰水、14……排水、14‘……排水、15……発熱体、16……無鉄心回転電気機械、17……円筒コイル、18……端面、19……蓋型マウント、20……ステータ、21……円筒型マウント、22……内周面、23……マグネット、24……ロータ、25……第1空隙、26……水、27……経路、28……制御部、29……駆動部、30……循環手段、31……コイル温度検知センサ、32……蓋型マウント中心部、33……駆動シャフト、34……円筒形マウント中心部、35……ポンプ、36……コントローラ、37……間隙、38……カップ型マウント、39……底部、40……インナーヨーク、41……アウターヨーク、42……内側、42’……外周面、43……内周面、44……スリット、45……他方端面、46……第2空隙、47……第3空隙、51……コアレスモータ、52……ハウジング、53……回転中心軸、54……円筒状ケーシング、54a……円筒状部、54b……円盤状部、55……蓋部、56a、56b……パッキン、57a、57b……シール付きベアリング、58……円筒状コイル、59……ロータ、60……インナーヨーク、61……アウターヨーク、62……磁石、66a、66b、66c、66d……孔、68……攪拌用突起、71……コアレスモータ、72……回転軸、73……ステータ、74……コイル、75……インナーヨーク、76……アウターヨーク、77……ロータ、79……ハウジング、80……筒状部、81a、81b……軸受、82……端部、83……ユニット、84……空間部、85……水供給ライン、86……水量調整手段、87……排水管、88……排水弁、91……コアレスモータ、92……固定軸、93……ステータ、94……円筒状コイル、95……アウターヨーク、96……インナーヨーク、97……磁石、98……ロータ、99……円筒状部、100……ハウジング、111……高速側サンギヤ、112……高速側遊星ギヤ、113……高速側キャリア、114……低速側入力軸、116……アイドルギヤ、117……低速側キャリア、118……水供給ライン、119……水量調整手段。

Claims (7)

  1. 水素と酸素を供給して電気を発生させる燃料電池と、該燃料電池で作られる電気で駆動するモータとを備えた燃料電池自動車において、前記燃料電池で電気が作られる際に生じる水を前記モータに供給するラインを備え、該ラインの途中に水量調整手段を備えてなることを特徴とする燃料電池自動車。
  2. 前記モータは、前記の供給水が発熱部に接して気化し、その気化潜熱で前記発熱部を冷却し、前記モータ内部の温度を検出するセンサが備えられ、該センサの出力によって前記水量調整手段による水量調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池自動車。
  3. 前記モータは、密閉されているハウジングの中央で軸方向に伸びている回転中心軸と、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されて前記回転中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、前記ハウジング内で、前記回転中心軸に対して同心円状に配置され、前記回転中心軸の円周方向に回転するロータとを備えるものであり、前記の供給水は前記ハウジング内に収容されて、前記ロータの回転によって前記ハウジング内を流動し、前記円筒状コイルに接触するものであり、当該水量が過剰にならぬように前記水量調整手段による水量調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池自動車。
  4. 前記モータは無鉄心回転電気機械であることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の燃料電池自動車。
  5. 前記モータはホイールインモータとされ、ギア内蔵型コアレスモータとされていることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の燃料電池自動車。
  6. 前記モータは、回転の中心となる中心軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されていて前記中心軸が伸びる方向に伸びている円筒状のコイルと、前記コイルを半径方向で互いの間に挟み、互いの間に磁気回路を形成する円筒状のインナーヨークと円筒状のアウターヨークとを備えていて、前記中心軸に対して同心円状に配置され、半径方向の中心側で前記中心軸に支持されているロータと、円筒状のハウジングであって、半径方向で前記アウターヨークの外側に配置される円筒状部を備えていて前記中心軸に対して回転可能なハウジングとを備えているコアレスモータであって、当該コアレスモータ内における前記中心軸の端部に結合されるユニットを当該コアレスモータ内の空間部に備えているコアレスモータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池自動車。
  7. 前記モータは、コアレスモータの中央で軸方向に伸びていて当該コアレスモータを貫通している固定軸と、前記固定軸に対して同心円状に配置され、一方の側の端面がステータに支持されていて前記固定軸が伸びる方向に伸びている円筒状コイルと、前記固定軸に対して同心円状に配置され、前記円筒状コイルを半径方向で互いの間に挟み、どちらか一方の他方に対向する側の面に磁石を備えていて、互いの間に磁気回路を形成する円筒状のインナーヨークとアウターヨークとからなり、半径方向の中心側で前記固定軸に回転可能に支持されているロータと、半径方向において前記アウターヨークの外側で、前記固定軸に対して同心円状に配置される円筒状部を備えていて、当該円筒状部が前記固定軸を中心として回転する円筒状のハウジングと、前記円筒状ハウジングの内部に配備されていて、前記固定軸を中心とする前記ロータの回転運動を前記円筒状ハウジングに伝達する回転運動伝達機構とを備えているコアレスモータであって、前記回転運動伝達機構は複数のギア部材を備えている歯車機構からなり、前記固定軸が前記円筒状コイルの半径方向内側に位置している前記歯車機構におけるサンギヤを貫通し、回転可能に支持しているコアレスモータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池自動車。
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