JPWO2018092452A1 - 接着剤組成物及びプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを含有し、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下である接着剤組成物。

Description

本発明は、接着剤組成物及びプリント配線板に関する。本発明は2016年11月28日出願の日本出願2016−225550号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載のすべての記載内容を援用するものである。
携帯端末等の電子機器にフレキシブルプリント配線板が広く用いられている。フレキシブルプリント配線板は、一般に、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、ランド部及びこのランド部に接続する配線部を有する導電パターンと、この導電パターンに積層されるカバーレイとを備える。フレキシブルプリント配線板は、上記カバーレイがランド部に対応する位置に開口を有し、このランド部に素子がはんだ接続される。
フレキシブルプリント配線板用のカバーレイは、一般に合成樹脂を主成分とする絶縁層とこの絶縁層に積層される接着剤層とを有し、この接着剤層が導電パターンに積層される。導電パターンと絶縁層とを接続する接着剤としては、柔軟性及び耐熱性に優れる合成樹脂が用いられ、具体例としてはポリアミド、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂等を用いる接着剤が提案されている(特開2008−205125号公報参照)。
特開2008−205125号公報
本発明の一態様に係る接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを含有し、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下である。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品を示す模式的断面図である。
[発明が解決しようとする課題]
フレキシブルプリント配線板は、ハードディスクドライブ(HDD)用途や車載用途等、適用範囲がますます広くなっている。これに伴い、従来のリフロー炉を用いたはんだ付けが適用し難いケースが増加している。具体的には、上記HDD用途にあってはフレキシブルプリント配線板を湾曲させた状態ではんだ付けを行うことが必要とされる場合があり、上記車載用途にあっては素子を積層した状態でのサイズが大きくなりリフロー炉を通し難い場合があり、いずれもリフロー炉を用いたはんだ付けが適用し難くなっている。
また、手はんだによってはんだ付けを行う場合、はんだごてのコテ先温度が300℃程度まで高くなる。これに対し、従来のカバーレイ用接着剤の耐熱温度は260℃程度に過ぎないため、はんだ付け作業においてはんだごてのコテ先がカバーレイ用接着剤に接触すると、カバーレイ用接着剤が劣化して接着性が不十分となるおそれがある。
本発明は以上のような事情に基づいたものであり、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いたプリント配線板を提供することを課題とする。
[本開示の効果]
本発明の接着剤組成物及びこの接着剤組成物を用いたプリント配線板は、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを含有し、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下である。
従来フェノキシ樹脂とポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとは相溶し難いとされており、これらの樹脂の化学反応を利用した接着剤については検討されていなかった。これに対し、本発明者らは、フェノキシ樹脂のガラス転移温度が上記範囲内である場合に、フェノキシ樹脂とポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとが相溶し易く、その結果これらの樹脂間の化学反応が促進されることを見出し、これらを利用した耐熱性の高い接着剤組成物を創案した。当該接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとフェノキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基とが反応することで、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
上記フェノキシ樹脂100質量部に対する上記ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンの含有量としては、20質量部以上100質量部以下が好ましい。このように、上記フェノキシ樹脂100質量部に対する上記ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンの含有量が上記範囲内であることによって、十分な耐熱性を有しつつ、接着強度を十分に向上することができる。
当該接着剤組成物の硬化後の300℃弾性率としては、3MPa以上が好ましい。このように、当該接着剤組成物の硬化後の300℃弾性率が上記下限以上であることによって、内部に含まれる水分や残留溶剤が高温下において揮発した場合でも当該接着剤組成物が膨れ難くなり、被接着体同士の接着強度を十分に維持することができる。
当該接着剤組成物の硬化後のガラス転移温度としては、80℃以上が好ましい。当該接着剤組成物は、用途によっては比較的高温下での屈曲性が要求される。この点、硬化後のガラス転移温度が上記下限以上であることによって、高温屈曲性を十分に高めることができる。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、ベースフィルムと、このベースフィルムに積層される導電パターンと、この導電パターン及び上記ベースフィルムの導電パターン間の領域に積層されるカバーレイとを備えるプリント配線板であって、上記カバーレイが、上記導電パターンの面側に当該接着剤組成物から形成される接着剤層を有する。
当該プリント配線板は、上記カバーレイが導電パターンの面側に当該接着剤組成物から形成される接着剤層を有するので、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
なお、本発明において「ガラス転移温度」とは、幅10mm、長さ50mm、厚さ0.02mmに切り出した試験片を、チャック間長さを20mmとして動的粘弾性測定装置(DMA)にて昇温速度10℃/min、周波数1Hzで測定を行った場合のtanδのピーク温度をいう。また、「弾性率」とは、上記試験片を動的粘弾性測定装置(DMA)にて上記条件で測定した貯蔵弾性率をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る接着剤組成物及びプリント配線板について詳説する。
[接着剤組成物]
当該接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを含有する。当該接着剤組成物は、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下である。
従来フェノキシ樹脂とポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとは相溶し難いとされており、これらの樹脂の化学反応を利用した接着剤については検討されていなかった。これに対し、本発明者らは、フェノキシ樹脂のガラス転移温度が上記範囲内である場合に、フェノキシ樹脂とポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとが相溶し易く、その結果これらの樹脂間の化学反応が促進されることを見出し、これらを利用した耐熱性の高い接着剤組成物を創案した。当該接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとフェノキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基とが反応することで、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
当該接着剤組成物は、例えばプリント配線板のカバーレイ用接着剤として用いられる。
プリント配線板の製造方法において、従来のように導電パターンのランド部と素子とのはんだ付けをリフロー炉を用いて行う場合、このはんだ付けは250℃程度のピーク温度で実施される。そのため、従来のカバーレイ用接着剤は、250℃程度のはんだ耐熱性があれば十分な耐熱性を有するとされていた。これに対し、今日ではプリント配線板の用途の多様化に伴い、手はんだによるはんだ付けが行われるケースが増加しており、この場合はんだごてのコテ先温度が300℃以上となるため、従来のカバーレイ用接着剤では耐熱性が不十分となっている。この点、当該接着剤用組成物は、上記構成を有することで300℃以上のはんだ耐熱性を実現することができるので、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
また、当該接着剤組成物は、フレキシブルフラットケーブル用の接着剤として用いられる。フレキシブルフラットケーブルは、2枚の絶縁フィルムの間に複数本の導体を並列して挟み、この絶縁フィルム同志を熱融着して一体化することにより製造されている。この絶縁フィルムは、一般にベースフィルムと接着剤層とからなり、接着剤層が導体と接している。この接着剤層を構成する接着剤として当該接着剤組成物を使用することができる。
従来のフレキシブルフラットケーブル用接着剤は250℃程度のはんだ耐熱性があれば十分な耐熱性を有するとされていた。しかしフレキシブルフラットケーブルの用途の多様化に伴い、手はんだによるはんだ付けが行われるケースが増加しており、この場合はんだごてのコテ先温度が300℃以上となるため、従来のフレキシブルフラットケーブル用接着剤では耐熱性が不十分となっている。この点、当該接着剤用組成物は、上記構成を有することで300℃以上のはんだ耐熱性を実現することができるので、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
(ポリビニルアセタール)
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの結合により形成される熱可塑性樹脂である。上記ポリビニルアセタールは、水酸基がフェノキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基と反応することで当該接着剤組成物の接着性を向上する。上記ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルメチラール等が挙げられ、中でも、耐熱性、寸法安定性、靱性等に優れるポリビニルブチラールが好ましい。
上記ポリビニルアセタールのガラス転移温度の下限としては、60℃が好ましく、70℃がより好ましく、80℃がさらに好ましい。一方、上記ポリビニルアセタールのガラス転移温度の上限としては、140℃が好ましく、130℃がより好ましい。上記ガラス転移温度が上記下限未満であると、当該接着剤組成物の耐熱性を十分に向上できないおそれがある。一方、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、接着力を発現させるために高温が必要となり、被接着体への接着が容易でなくなるおそれがあると共に、フェノキシ樹脂との相溶性が十分に得られないおそれがある。また、当該接着剤組成物は、プリント配線板のカバーレイ用接着剤組成物として用いられる場合、熱プレスによって導電パターン間に充填される。この点、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、熱プレス時における柔軟性が不十分となり、導電パターン間の領域に十分に充填され難くなり、その結果カバーレイと導電パターンとの接着が不十分となるおそれがある。
上記ポリビニルアセタールの重量平均分子量の下限としては、10,000が好ましく、20,000がより好ましい。一方、上記ポリビニルアセタールの重量平均分子量の上限としては、70,000が好ましく、60,000がより好ましい。上記重量平均分子量が上記下限未満であると、上記ポリビニルアセタールの凝集力が低下して当該接着剤組成物の接着力が不十分となるおそれがある。逆に、上記重量平均分子量が上記上限を超えると、上記ポリビニルアセタールの溶解性が低下して当該接着剤組成物の溶液中における高濃度化が困難となるおそれがある。なお、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められたポリスチレン換算の値をいう。
上記ポリビニルアセタールの水酸基濃度の下限としては、20mol%が好ましく、25mol%がより好ましい。一方、上記ポリビニルアセタールの水酸基濃度の上限としては、40mol%が好ましく、35mol%がより好ましい。上記水酸基濃度が上記下限に満たないと、上記ポリビニルアセタールの水酸基とフェノキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基との反応が十分に行われ難くなり、当該接着剤組成物の架橋度が低下し、耐熱性が十分に向上しないおそれがある。逆に、上記水酸基濃度が上記上限を超えると、上記ポリビニルアセタールの吸水性が高くなり過ぎて当該接着剤組成物が高温下において膨れやすくなるおそれがある。なお、「ポリビニルアセタールの水酸基濃度」とは、ポリビニルアセタールに含まれるアセタール基、アセチル基、水酸基の個数をA、B、C個とし、C/(A+B+C)×100で表される数値をいう。
(ポリエーテルサルフォン)
ポリエーテルサルフォンは、構成分子中にスルホニル基を有する熱可塑性ポリマーであり、例えばジハロゲノジフェニルスルホンとジヒドロキシジフェニルスルホンとを縮合重合させることにより得られる。
上記ポリエーテルサルフォンのガラス転移温度の下限としては、180℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、上記ポリエーテルサルフォンのガラス転移温度の上限としては、280℃が好ましく、250℃がより好ましい。上記ガラス転移温度が上記下限未満であると、当該接着剤組成物の耐熱性を十分に向上できないおそれがある。一方、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、接着力を発現させるために高温が必要となり、被接着体への接着が容易でなくなるおそれがある。また、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、当該接着剤組成物がカバーレイ用接着剤組成物として用いられた場合に、熱プレス時の柔軟性が不十分となり、カバーレイと導電パターンとの接着が不十分となるおそれがある。
上記ポリエーテルサルフォンの重量平均分子量の下限としては、10,000が好ましく、30,000がより好ましい。一方、上記ポリエーテルサルフォンの重量平均分子量の上限としては、100,000が好ましく、80,000がより好ましい。上記重量平均分子量が上記下限未満であると、上記ポリエーテルサルフォンの凝集力が低下して当該接着剤組成物の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記重量平均分子量が上記上限を超えると、上記ポリエーテルサルフォンの溶解性が低下して当該接着剤組成物の溶液中における高濃度化が困難となるおそれがある。
(フェノキシ樹脂)
フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂のうち、分子量(重合度)の大きいものをいう。このフェノキシ樹脂の重量平均分子量の下限としては、10,000が好ましく、30,000がより好ましい。
一方、上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量の上限としては、100,000が好ましい。上記フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピハロヒドリンとから得られるビスフェノールA変性フェノキシ樹脂、ビスフェノールSとエピハロヒドリンとから得られるビスフェノールS変性フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度の下限としては、上述のように90℃であり、100℃がより好ましい。一方、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度の上限としては、上述のように140℃であり、130℃がより好ましい。上記ガラス転移温度が上記下限未満であると、当該接着剤組成物の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、上記フェノキシ樹脂と、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンとの相溶性が十分に得られないおそれがある。また、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、カバーレイ用接着剤組成物として用いられた場合に、熱プレス時の柔軟性が不十分となり、カバーレイと導電パターンとの接着が不十分となるおそれがある。
上記フェノキシ樹脂100質量部に対する上記ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンの含有量の下限としては、20質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、100質量部が好ましく、80質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限未満であると、当該接着剤組成物の接着力が不十分となるおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、当該接着剤組成物の耐熱性を十分に高め難くなるおそれがある。なお、当該接着剤組成物は、上記ポリビニルアセタール及びポリエーテルサルフォンを共に含有していてもよく、いずれか一方のみを含有していてもよい。当該接着剤組成物が上記ポリビニルアセタール及びポリエーテルサルフォンを共に含有する場合、上記含有量はフェノキシ樹脂100質量部に対するポリビニルアセタール及びポリエーテルサルフォンの合計含有量を意味する。
(ノボラック型エポキシ樹脂)
ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとの反応生成物であるノボラックとエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。上記ノボラック型エポキシ樹脂は、高耐熱性及び低吸湿性を有する熱硬化性樹脂である。上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック及びエピハロヒドリンの反応によって得られるフェノールノボラック型エポキシ樹脂や、クレゾールノボラック及びエピハロヒドリンの反応によって得られるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、常温で固体であり、軟化点が120℃以下のノボラック型エポキシ樹脂が耐熱性向上の点から好ましい。
上記フェノキシ樹脂100質量部に対する上記ノボラック型エポキシ樹脂の含有量の下限としては、3質量部が好ましく、8質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限未満であると、耐熱性が十分に向上し難いおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、当該接着剤組成物がカバーレイ用接着剤組成物として用いられた場合に、熱プレス時の柔軟性が不十分となり、カバーレイと導電パターンとの接着が不十分となるおそれがある。
当該接着剤組成物は、上述のポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォン、フェノキシ樹脂、並びにノボラック型エポキシ樹脂以外に硬化剤等の他の成分を含有していてもよい。
上記硬化剤は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基との反応を促進させる。上記硬化剤としては、例えばメラミン樹脂、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等が挙げられる。
また、当該接着剤組成物は、耐熱性、接着性等に影響を及ぼさない範囲内で他の合成樹脂をさらに含有していてもよい。但し、当該接着剤組成物は、耐熱性及び接着力を十分に発揮するうえでは、実質的に他の合成樹脂を含まないことが好ましい。
当該接着剤組成物によって接着剤層を形成する方法としては、例えば当該接着剤組成物を溶剤に溶かした塗布液を被接着体に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記溶剤としては、例えばエステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。
当該接着剤組成物の硬化後の300℃弾性率の下限としては、3MPaが好ましく、5MPaがより好ましく、7MPaがさらに好ましい。上記弾性率が上記下限未満であると、内部に含まれる水分や残留溶剤がはんだごてのコテ先温度に起因して揮発した場合に当該接着剤組成物が膨れやすくなり、これにより当該接着剤組成物から形成される接着剤層と被接着体との間に歪みが生じ、この接着剤層及び被接着体との接着強度が低下するおそれがある。一方、当該接着剤組成物の硬化後の300℃弾性率の上限としては、特に限定されないが、例えば20MPaとすることができる。なお、当該接着剤組成物の硬化後の300℃弾性率は、用いる樹脂の構造によって調節することができる。
当該接着剤組成物の硬化後のガラス転移温度の下限としては、80℃が好ましく、90℃がより好ましい。一方、当該接着剤組成物の硬化後のガラス転移温度の上限としては、130℃が好ましく、120℃がより好ましい。当該接着剤組成物は、例えばハードディスクドライブ用、車載用等の用途に用いられる場合には比較的高温下での屈曲性が要求される。この点、上記ガラス転移温度が上記下限未満であると、高温屈曲性が不十分となり、十分な剥離強度を維持できなくなるおそれがある。逆に、上記ガラス転移温度が上記上限を超えると、カバーレイ用接着剤組成物として用いられた場合に、熱プレス時の柔軟性が不十分となり、カバーレイと導電パターンとの接着が不十分となるおそれがある。なお、当該接着剤組成物のガラス転移温度は、例えばポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォン、並びにフェノキシ樹脂のガラス転移温度を調整することで調整可能である。
[プリント配線板]
図1のプリント配線板1は、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板として構成されている。当該プリント配線板1は、ベースフィルム2と、ベースフィルム2に積層される導電パターン3と、導電パターン3及びベースフィルム2の導電パターン3間の領域に積層されるカバーレイ4とを備える。カバーレイ4は、絶縁層4aと、絶縁層4aに積層され、上述の当該接着剤組成物から形成される接着剤層4bとを有し、接着剤層4bが導電パターン3の面側に配設されている。
当該プリント配線板1は、カバーレイ4が導電パターン3の面側に当該接着剤組成物から形成される接着剤層4bを有するので、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。
(ベースフィルム)
ベースフィルム2は、絶縁性及び可撓性を有する。ベースフィルム2の主成分としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂が挙げられる。中でも、絶縁性、柔軟性、耐熱性等に優れるポリイミドが好ましい。
なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
ベースフィルム2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、ベースフィルム2の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましく、500μmがさらに好ましい。ベースフィルム2の平均厚さが上記下限未満であると、絶縁性及び機械的強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム2の平均厚さが上記上限を超えると、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれがある。なお、「平均厚さ」とは、任意の10点での測定値の平均値をいう。
(導電パターン)
導電パターン3は、複数のランド部及びこのランド部に接続する配線部を有している。
上記ランド部は、カバーレイ4が覆われずに露出した部分であり、このランド部に素子を実装可能に構成されている。
導電パターン3の主成分としては、例えば無酸素銅等の銅、アルミニウム、銀、金、ニッケル、これらの合金、ステンレス鋼などが挙げられる。これらの中で銅及び銅合金が好ましく、銅がより好ましい。
導電パターン3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、5μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。一方、導電パターン3の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。上記平均厚さが上記下限未満であると、導電パターン3の強度が低下するおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、当該プリント配線板1の可撓性が不十分となるおそれがある。
導電パターン3は、さらに表面処理層を有してもよい。表面処理層は、導電パターン3の表面を被覆するものであり、導電パターン3からの導電成分の漏出、又は導電パターン3への導電成分に対する反応性成分(酸素、硫黄等)の拡散を防止するものである。
表面処理層の材質としては、導電パターン3からの導電成分の漏出又は導電パターン3への反応性成分の拡散を防止できるものであれば特に限定されないが、例えば金属、樹脂、セラミック、それらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、表面処理層の材質としては、ニッケル、スズ、金及びアルミニウムが好ましい。表面処理層は、単層として形成しても、複数層として形成してもよい。
(カバーレイ)
カバーレイ4は、当該プリント配線板1において主として導電パターン3を保護するものである。カバーレイ4は、例えば絶縁層4aと接着剤層4bとから形成される。カバーレイ4は、導電パターン3側に当該接着剤用組成物から形成される接着剤層4bを有しており、この接着剤層4bが熱プレスによって導電パターン3に積層されると共に導電パターン3間の領域に充填される。また、カバーレイ4は、上記ランド部と重なる部分に開口を有する。
絶縁層4aは、絶縁性及び可撓性を有する。絶縁層4aの主成分としては、例えばベースフィルム2の主成分と同様の合成樹脂が挙げられる。
絶縁層4aの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。
一方、絶縁層4aの平均厚さの上限としては、60μmが好ましく、40μmがより好ましい。絶縁層4aの平均厚さが上記下限未満であると、絶縁性が不十分となるおそれがある。逆に、絶縁層4aの平均厚さが上記上限を超えると、当該プリント配線板1の可撓性が不十分となるおそれがある。
接着剤層4bは、上述の当該接着剤組成物によって構成されている。接着剤層4bの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、接着剤層4bの平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、75μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限未満であると、カバーレイ4と導電パターン3との接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、当該プリント配線板1の可撓性が不十分となるおそれがある。
[電子機器]
図2の電子機器11は、図1のプリント配線板1の導電パターン3のランド部にはんだ13を介して素子12が電気的に接続されている。この素子12としては、特に限定されるものではなく受動素子及び能動素子のいずれであってもよい。この素子12としては、例えばコンデンサ、インダクタ、抵抗、発光ダイオード、光センサ、ICチップ等が挙げられる。
当該電子機器11は、カバーレイ4が導電パターン3の面側に当該接着剤組成物から形成される接着剤層4bを有するので、手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有する。そのため、当該電子機器11は、はんだ付け時における接着剤層4bの劣化を防止しつつ素子12を容易かつ確実に実装することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、当該接着剤組成物は、必ずしもプリント配線板のカバーレイ用接着剤として用いられる必要はなく、プリント配線板の導電パターン及びベースフィルムを接着するための接着剤として用いられてもよい。また、当該接着剤組成物は、プリント配線板以外の用途に用いられてもよい。例えば、フレキシブルフラットケーブル用の接着剤として用いることができる。
上記プリント配線板は、必ずしも可撓性を有するフレキシブルプリント配線板である必要はない。また、上記カバーレイは、当該接着剤組成物によって形成される接着剤層が導電パターン側の表層を構成する限り、絶縁層及び接着剤層の2層構造体である必要はなく、他の層を備えていてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[No.1]
ガラス転移温度(Tg)が104℃のポリビニルブチラール(PVB)(積水化学工業株式会社製の「HR−4」)、ガラス転移温度が93℃のフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の「YP070」)及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製の「N−695」)を表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.2]
No.1と同様のポリビニルブチラール及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ガラス転移温度が107℃のフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の「YP050」)とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.3]
No.1と同様のフェノキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ガラス転移温度が106℃のポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製の「KS−1」)とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.4]
No.1と同様のフェノキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ガラス転移温度が67℃のポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製の「BM−SZ」)とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.5]
No.1と同様のフェノキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ガラス転移温度が73℃のポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製の「BM−5」)とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.6]
No.2と同様のフェノキシ樹脂及びNo.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ガラス転移温度が225℃のポリエーテルサルフォン(PES)(住友化学株式会社製の「スミカエクセル5003P」)とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.7〜No.10]
No.1と同様のポリビニルブチラール及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、No.2と同様のフェノキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.11〜No.13]
No.6と同様のポリエーテルサルフォンと、No.2と同様のフェノキシ樹脂と、No.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[比較例]
[No.14]
ガラス転移温度40℃のポリアミド(PA)(大都産業株式会社製の「FTS」)と、No.2と同様のフェノキシ樹脂と、No.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.15]
ガラス転移温度が−10℃のアクリル樹脂(ナガセケムテックス株式会社製の「WS023」)と、No.2と同様のフェノキシ樹脂と、No.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.16]
常温で液状のエポキシ樹脂(DIC株式会社製の「EXA−4850−150」)と、ガラス転移温度が146℃のフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の「ERF−001M30」)と、No.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.17]
No.2と同様のフェノキシ樹脂と、No.1と同様のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
[No.18]
No.1と同様のポリビニルブチラール及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、No.16と同様のフェノキシ樹脂とを表1の割合で含有する接着剤組成物を得た。
Figure 2018092452
[No.19]
デュポン株式会社製のアクリル系接着剤パイララックス(登録商標)「LF−0110」を用意した。
<硬化後のガラス転移温度>
No.1〜No.18の接着剤組成物及びNo.19の接着剤の硬化物から幅10mm、長さ50mm、厚さ0.02mmの試験片を作成し、この試験片をチャック間長さを20mmとして動的粘弾性測定装置(DMA)(株式会社日立ハイテクソリューションズ製)にて昇温速度10℃/min、周波数1Hzで測定し、tanδのピーク温度をガラス転移温度(Tg)[℃]として測定した。この測定結果を表2に示す。
<硬化後の300℃弾性率>
No.1〜No.18の接着剤組成物及びNo.19の接着剤の硬化物から幅10mm、長さ50mm、厚さ0.02mmの試験片を作成し、この試験片をチャック間長さを20mmとして動的粘弾性測定装置(DMA)(株式会社日立ハイテクソリューションズ製)にて昇温速度10℃/min、周波数1Hzで測定し、300℃における貯蔵弾性率[MPa]を測定した。この測定結果を表2に示す。
<剥離強度>
No.1〜No.18の接着剤組成物及びNo.19の接着剤から形成される接着剤層を厚さ12.5μmのポリイミドフィルムに積層したカバーレイ用フィルムを作成した。
また、これらのカバーレイ用フィルムの接着剤層を厚さ18μmの圧延銅箔と接着した。
このカバーレイ用フィルムから圧延銅箔を剥離する際の剥離強度[N/cm]をJIS−K6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法、第2部:180度はく離」に準拠して、はく離スピード50mm/minで測定した。この測定結果を表2に示す。
<手はんだ耐熱性>
ポリイミドを主成分とするベースフィルムに厚さ18μmの銅箔からなる導電パターンが積層された積層体を作成した。また、厚さ12.5μmのポリイミドフィルムにNo.1〜No.18の接着剤組成物及びNo.19の接着剤から形成される接着剤層を積層したカバーレイ用フィルムを作成した。さらに、上記導電パターンの側に接着剤層が対向するように上記積層体にカバーレイ用フィルムを積層し、温度190℃、圧力3MPaで45分間加熱圧着することでプリント配線板を作成した。これらのプリント配線板を一端側の端縁を支点として空中に浮かせた状態で、カバーフィルムの平面視で銅箔と重ならない部分に先端に尖りのない(つまり先端が球状に湾曲した)はんだごて(白光株式会社製の「HAKKO FX−951」)を一定温度で3秒間当接した。これにより、接着剤層に膨れが生じた温度を手はんだ耐熱温度として測定した。この測定結果を表2に示す。
<250℃リフロー耐熱性>
上記手はんだ耐熱性試験で用いたものと同様のプリント配線板をリフロー炉内で250℃で10秒間保持し、接着剤層の膨れの有無を以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。
A:目視にて接着剤層の膨れが確認されない。
B:目視にて接着剤層の膨れが確認される。
<相溶性>
No.1〜No.18の接着剤組成物及びNo.19の接着剤を目視にて観察し、各成分の相溶性を以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。
A:目視にて観察した際に透明である。
B:目視にて観察した際に濁りがある。
Figure 2018092452
[評価結果]
表2に示すように、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、フェノキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを含有し、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下であるNo.1〜No.13の接着剤組成物は、剥離強度が6N/cm以上と高く、かつ手はんだ耐熱性が310℃以上であり、250℃リフロー耐熱性にも優れていることから、十分な接着強度及び手はんだによるはんだ付けに対する十分な耐熱性を有することが分かる。また、表1及び表2に示すように、ポリビニルブチラール及びフェノキシ樹脂のガラス転移温度が高い方が接着剤組成物の硬化後のガラス転移温度も相対的に高くなっており、高温屈曲性に優れている。
一方、No.14〜No.17及びNo.19の接着剤組成物は、ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンを含有していないため、手はんだ耐熱性が290℃以下と低く、かつ300℃弾性率も低い。また、No.18の接着剤組成物は、フェノキシ樹脂のガラス転移温度が146℃と高いため、このフェノキシ樹脂とポリビニルブチラールとの相溶性が悪い。そのため、No.18の接着剤組成物は、面内における接着性にバラツキが生じ易いと共に、放置中にゲル化又は相分離するおそれが高い。
1 プリント配線板
2 ベースフィルム
3 導電パターン
4 カバーレイ
4a 絶縁層
4b 接着剤層
11 電子部品
12 素子
13 はんだ

Claims (5)

  1. ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンと、
    フェノキシ樹脂と、
    ノボラック型エポキシ樹脂と
    を含有し、
    上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が90℃以上140℃以下である接着剤組成物。
  2. 上記フェノキシ樹脂100質量部に対する上記ポリビニルアセタール又はポリエーテルサルフォンの含有量が20質量部以上100質量部以下である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 硬化後の300℃弾性率が3MPa以上である請求項1又は請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 硬化後のガラス転移温度が80℃以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. ベースフィルムと、このベースフィルムに積層される導電パターンと、この導電パターン及び上記ベースフィルムの導電パターン間の領域に積層されるカバーレイとを備えるプリント配線板であって、
    上記カバーレイが、上記導電パターンの面側に請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の接着剤組成物から形成される接着剤層を有するプリント配線板。
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