JPWO2018047784A1 - 焼成用セッター - Google Patents
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Abstract
焼成用セッターは、セラミックス製であり、表面層と中間層と裏面層を備えている。中間層は、ハニカム構造を有しており、表面層及び裏面層より低密度である。また、表面層は、平板状であり、厚みが50μm以上2000μm以下である。さらに、表面層は、開気孔率が5%以上50%以下である。
Description
本明細書は、焼成用セッターに関する技術を開示する。特に、セラミックス製の焼成用セッターに関する技術を開示する。
被焼成物を焼成する際、被焼成物をセラミックス製のセッター上に載置し、セッターを焼成炉内に配置する。セッターは、被焼成物とともに焼成炉内で加熱される。炉内温度の変化に良好に追従するために、熱容量が小さいセッターが必要とされる。実開平1−167600号公報(以下、特許文献1と称する)は、セッターをハニカム構造とし、セッターの熱容量を小さくする技術を開示している。特許文献1は、ハニカム構造のセッターを用いることにより、被焼成物の上面(セッターと接触しない面)と下面(セッターと接触する面)の加熱ムラを抑制している。
上記したように、セッターをハニカム構造とすると、セッターの密度が小さくなり、セッターの熱容量を小さくすることができる。しかしながら、典型的に、密度が小さくなると、強度が低下する。そのため、セッターを繰り返し使用することにより、セッターが変形したり、破損することが起こり得る。単にセッターをハニカム構造としただけは、セッターの耐久性が低下する。熱容量の低減と耐久性の向上はトレードオフの関係にあると言える。熱容量が小さく耐久性が高いセッターが必要とされている。本明細書は、熱容量を小さく維持しながら、耐久性が高いセッターを実現する技術を提供する。
本明細書で開示する焼成用セッターは、セラミックス製であり、表面層と中間層と裏面層を備えている。中間層は、ハニカム構造を有しており、表面層及び裏面層より低密度である。また、上記焼成用セッターでは、表面層は、平板状であり、厚みが50μm以上2000μm以下であるとともに開気孔率が5%以上50%以下である。
まず、本明細書でいう「表面層」及び「裏面層」について説明する。「表面層」とは、被焼成物が載置される面を含み、中間層に隣接し、中間層より高密度に形成されている層状部分のことである。「裏面層」とは、中間層に対して表面層とは反対側で中間層に隣接し、中間層より高密度に形成されている層状部分のことである。なお、焼成用セッターの表裏面を被焼成物の載置面として利用する場合、「表面層」,「裏面層」という表現は、焼成の際の相対的位置を示すにすぎない。この場合、「表面層」と「裏面層」の双方が、上記「表面層」と同様の構造的特徴を有する。
上記焼成用セッターでは、中間層が、表面層及び裏面層より低密度である。換言すると、表面層及び裏面層は、中間層より高密度である。低密度の中間層を設けることにより、焼成用セッター全体の熱容量は低下する。高密度の表面層及び裏面層を設けることにより、焼成用セッター全体の強度を維持することができる。
また、表面層の厚みを50μm以上2000μm以下に調整することにより、表面層の強度が確保され、被焼成物の重量を支えることが可能となる。また、表面層の強度を確保することにより、被焼成物を積載したり取り出したりするときの衝撃による表面層の割れや欠けを抑制することができるとともに、焼成工程においてセッターが変形することが抑制される。その結果、被焼成物がセッター表面に確実に保持される。例えば、比較的小サイズの被焼成物を焼成する場合、表面層の割れや欠けが抑制されることにより、被焼成物が遺失することが防止される。また、比較的大サイズの被焼成物を焼成する場合、セッターの変形が抑制されることにより、被焼成物が変形することが防止される。また、表面層を上記厚みに調整することにより、表面層の熱容量が過大になることが抑制され、昇降温の際のセッターと被焼成物との温度差を小さくすることができる。
なお、一般的に、表面層の密度を高くすると、表面層の気孔率が低下する。表面層の気孔(特に開気孔率)が減少すると、被焼成物と表面層の接触部分において被焼成物から生じるガスが抜け難くなったり、炉内雰囲気ガスが表面層に浸透しにくくなって被焼成物とセッターの温度差が大きくなったりする。上記焼成用セッターでは、表面層の開気孔率を5%以上とすることにより、被焼成物から生じるガスが抜け難くなることを防止し、炉内雰囲気ガスが表面層に浸透し易くなることで炉内温度とセッターの温度差を小さくできる。また、開気孔率を50%以下とすることにより、表面層の強度が低下することも防止できる。なお、「開気孔率」とは、多孔質体が有する気孔のうち、多孔質体の外部空間に通じている気孔(開孔)を多孔質体の体積で除したものである。
以下、本明細書で開示される技術の特徴を整理する。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
本明細書で開示するセッターは、被焼成物を焼成する際に、被焼成物を載置するために用いられる。本明細書で開示するセッターは、セラミックス製である。特に限定されるものではないが、セッターの材料は、コージュライト質、ムライト質、アルミナ質、ジルコニア質、窒化珪素質、炭化珪素質を用いることができる。材料自体が比較的低密度であり、熱膨張係数が低いという観点より、セッターの材料はコージュライト質であることが好ましい。
セッターは、表面層と中間層と裏面層を備えている。表面層には、被焼成物が載置される。表面層は、平板状である。具体的には、表面層は、メッシュ構造、ハニカム構造等のような開口を備えておらず、ソリッドであり、表層部分が平面である。表面層を平板状とすることにより、比較的小さな被焼成物(例えば電子部品等)を確実にセッター上に載置することができる。
表面層の厚みは、50μm以上2000μm以下である。表面層の厚みを50μm以上とすることにより、表面層の強度が確保され、被焼成物の重量を支えることが可能となる。表面層の強度を確保することにより、被焼成物を積載したり取り出したりするときの衝撃による表面層の割れや欠けを抑制することができる。また、表面層の強度を確保することにより、焼成工程においてセッターが変形することが抑制される。その結果、被焼成物がセッター表面に確実に保持される。例えば、比較的小サイズの被焼成物を焼成する場合、表面層の割れや欠けが抑制されることにより、被焼成物が遺失することが防止される。比較的大サイズの被焼成物を焼成する場合、セッターの変形が抑制されることにより、被焼成物が変形することが防止される。また、表面層の厚みを2000μm以下とすることにより、表面層の熱容量が過大になることが抑制され、中間層を流れる炉内雰囲気ガスの熱が表面層を介して被焼成物に伝わり易くなる。その結果、昇降温の際のセッターと被焼成物との温度差を小さくすることができる。特に限定されるものではないが、表面層の厚みは、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは150μm以上である。また、表面層の厚みは、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは250μm以下であり、特に好ましくは200μm以下である。
表面層の開気孔率は、5%以上50%以下である。表面層の開気孔率を5%以上とすることにより、被焼成物から生じるガスが抜け難くなることが防止される。また、炉内雰囲気ガスが表面層に浸透し易くなって、炉内温度とセッターの温度差が小さくなる。被焼成物のセッターとの接触面の温度が炉内温度によく追従し、被焼成物全体を均一に加熱することができる。また、開気孔率を50%以下とすることにより、表面層の強度が低下することを防止できる。特に限定されるものではないが、表面層の開気孔率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、特に好ましくは30%以上である。また、表面層の開気孔率は、好ましくは45%以下であり、より好ましくは40%以下であり、特に好ましくは35%以下である。
裏面層は、表面層と同様に、平板状であってよい。それにより、裏面層の表面も被焼成物を載置する面として利用することができる。この場合、裏面層の厚みは、表面層の厚みと同じであってよい。また、裏面層の厚みを表面層の厚みより厚くし、裏面層をセッターの強度を確保する層として利用することもできる。この場合、裏面層の厚みは、100μm以上2000μm以下であってよい。厚みを100μm以上とすることにより、被焼成物及びセッター自身の荷重でセッターに反りが生じることを防止することができる。すなわち、耐久性の高いセッターが得られる。表面層及び裏面層の厚みを100μm以上とすれば、表面層及び裏面層を被焼成物の載置面として利用できるとともに、耐久性の高いセッターを実現することができる。高い耐久性を実現するという観点より、裏面層の厚みは、好ましくは200μm以上であり、より好ましくは300μm以上である。また、裏面層の厚みは、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは400μm以下であり、特に好ましくは350μm以下である。
裏面層の開気孔率は、表面層と同様に、5%以上50%以下であってよい。表面層と裏面層は、同じ材料で構成されていてよい。裏面層の開気孔率を5%以上とすることにより、裏面層を被焼成物の載置面として利用する際、被焼成物から生じるガスが抜け難くなることが防止される。また、開気孔率を50%以下とすることにより、裏面層の強度を確保することができる。特に限定されるものではないが、裏面層の開気孔率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、特に好ましくは30%以上である。また、裏面層の開気孔率は、好ましくは45%以下であり、より好ましくは40%以下であり、特に好ましくは35%以下である。
また、裏面層をセッターの強度を確保する層として利用する場合、裏面層に微粉砕したコージェライトセルベン、微粒ムライト、微粒アルミナ、微粒ジルコニア、微粒窒化珪素、微粒炭化珪素等を含浸させて焼成することにより、裏面層の強度を向上させてもよい。裏面層の厚みを増加させずに裏面層の強度を確保することができ、軽量で高強度のセッターが得られる。
中間層は、表面層及び裏面層より低密度である。なお、表面層及び裏面層は、同じ密度であってもよいし、異なる密度であってもよい。中間層は、ハニカム構造を有している。中間層を構成しているハニカム構造の開口率は、50%以上95%以下であってよい。すなわち、開口が伸びる方向に直交する断面において、開口を画定している隔壁の面積が5%以上50%以下であり、隔壁以外の部分(空隙)が50%以上95%以下であってよい。なお、隔壁の開気孔率は、表面層及び/又は裏面層と同様に、5%以上50%以下であってよい。表面層及び/又は裏面層と同様の理由により、隔壁の開気孔率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、特に好ましくは30%以上である。また、裏面層の開気孔率は、好ましくは45%以下であり、より好ましくは40%以下であり、特に好ましくは35%以下である。
ハニカム構造の開口を画定している隔壁の厚みが、50μm以上2000μm以下であってよい。隔壁の厚みを50μm以上とすることにより、隔壁の強度が確保され、ハニカム構造体としての強度を確保することが可能となる。隔壁の厚みを2000μm以下とすることにより、セッターの熱容量が増加することを抑制することができる。ハニカム構造体の強度を確保しながら熱容量の増加を抑制するという観点より、隔壁の厚みは、好ましくは60μm以上であり、より好ましくは80μm以上である。また、隔壁の厚みは、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは100μm以下である。なお、隔壁の厚みは、表面層及び/又は裏面層の厚みと同じであってもよい。隔壁の厚みが表面層及び裏面層と同一であれば、セッターを構成する部位の全てが同一厚みとなり、製造を容易とすることができる。
隔壁によって画定されている開口の水力直径は、0.3mm以上7mm以下であってよい。水力直径を0.3mm以上とすることにより、中間層の内部を雰囲気ガスが通過し易くなる。雰囲気ガスによって、セッターが内部から加熱又は冷却されるので、セッターの温度変化が炉内雰囲気の温度変化に追従し易くなり、焼成の際の昇降温速度を速く設定することができる。水力直径を7mm以下とすることにより中間層の構造体としての強度を高く維持することができる。水力直径は、好ましくは0.4mm以上であり、より好ましくは0.5mm以上であり、特に好ましくは0.6mm以上である。また、水力直径は、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2mm以下であり、特に好ましくは1.5mm以下である。
中間層は、表面層と裏面層の間に設けられている。換言すると、中間層を介して、表面層と裏面層が接合されている。表面層、中間層及び裏面層は、一体に成形されたものであってよい。具体的には、表面層と中間層の隔壁が連続しており、裏面層と中間層の隔壁が連続しており、表面層と中間層と裏面層が一体であってよい。この場合、表面層と中間層と裏面層は、同じ材料で構成される。このような構造のセッターは、例えば押出成形により製造することができる。
中間層の開口は、表面層と裏面層を結ぶ方向(すなわち、厚み方向)に伸びていてよい。あるいは、開口は、表面層と裏面層を結ぶ方向に直交する方向(すなわち、表面または裏面に平行な方向)に伸びていてよい。以下、厚み方向を第1方向と称し、第1方向に直交する方向を第2方向と称することがある。
開口が第1方向に伸びる形態は、厚み方向の強度(圧縮強度)を高くすることができ、重量の重い被焼成物を焼成するためのセッターとして好適である。また、開口が第2方向に伸びる形態は、押出成形において表面層及び裏面層の厚みを容易に制御できるので、一体成型が容易という点で有利である。なお、開口が第2方向に伸びる形態において、第1方向において、開口が1回だけ現れてもよいし、複数回現れてもよい。すなわち、表面層と裏面層の間に、ハニカムセル(隔壁で囲まれた開口)が1セル以上現れてよい。この場合、ハニカムセルは、1セル以上6セル以下であってよい。ハニカムセルの数は、所望するセッターの厚み、水力直径等に基づいて適宜調整することができる。
本明細書が開示するセッターは、熱膨張係数が2.0ppm/℃以下であってよく、好ましくは1.5ppm/℃以下であり、より好ましくは1.0ppm/℃以下である。なお、「セッターの熱膨張係数」とは、表面層,中間層(ハニカム構造層),裏面層を含み、中間層がハニカムセルを1セル以上含む試料について、室温から800℃まで測定したときの値である。なお、プレス成型等で形成したバルク品の熱膨張係数が2.0ppm/℃を超える材料を用いた場合であっても、押出成形によってハニカム構造層(中間層)を備えたセッターを形成することによって、熱膨張係数が2.0ppm/℃以下のセッターを得ることができる。
本明細書で開示するセッターは、全体として平板状であってよいし、面内端部にリブが設けられていてもよい。平板状のセッターは、製造を容易とすることができる。セッターにリブを設けることにより、セッターの強度を補うことができる。また、リブを設けることにより、焼成炉内に複数のセッターを積載するときに、各セッター間に隙間を確保するためのスペーサを不要とすることができる。
また、本明細書で開示するセッターは、表面及び/又は裏面に、コーティング層が設けられていてもよい。コーティング層により、被焼成物とセッターの間で化学反応が生じることを防止することができる。コーティングを施すことにより、セッターの材質、あるいは、被焼成物の種類の選択肢を増加させることができる。また、コーティングを施すことにより、セッター表面の平滑性を向上させることもできる(表面粗さを小さくすることができる)。
なお、コーティング層は、開気孔を有していることが好ましい。被焼成物から生じるガスが抜け難くなることが防止される。特に限定されるものではないが、上記した表面層及び裏面層と同様の理由により、コーティング層の開気孔率は、5%以上70%以下であってよく、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、特に好ましくは40%以上である。また、コーティング層の開気孔率は、好ましくは50%以下であり、より好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは40%以下であり、特に好ましくは35%以下である。
コーティング層を設ける場合、コーティング層の厚みは、500μm以下であってよい。コーティング層が厚すぎると、繰り返し焼成することによって、コーティング層が剥離することが起こり得る。また、コーティング層が厚すぎると、セッターのコストが増大する。剥離の抑制,高コスト化の抑制という観点より、コーティング層の厚みは、500μm以下であってよく、400μm以下であってよく、300μm以下であってよく、250μm以下であってよく、200μm以下であってよく、150μm以下であってよく、100μm以下であってよく、50μm以下であってよい。
また、コーティング層を設ける場合、被焼成物とセッターの間の化学反応を効果的に防止するという観点より、コーティング層の厚みは、5μm以上であってよい。なお、被焼成物とセッターの間の化学反応を長期間に亘り防止するという観点より、コーティング層の厚みは、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、特に好ましくは50μm以上である。
コーティング層は、例えば、ガスプラズマ溶射、水プラズマ溶射、スプレーコート、流し込み等により形成することができる。良好な開気孔率が得られるという観点より、コーティング層は、スプレーコート又は流し込みにより形成することが好ましい。コーティング層は、セッターの材料、コーティング層の形成方法により、種々の材料を選択することができる。一例として、コーティング層の材料は、ムライト質、アルミナ質、アルミナ−ジルコニア質、Y2O3安定化ジルコニア質、CaO安定化ジルコニア質、CaO/Y2O3安定化ジルコニア質、スピネル質である。良好な開気孔率が得られ、被焼成物との化学反応を抑制するという観点より、コーティング層の材料は、アルミナ質、又は、アルミナ−ジルコニア質であることが好ましい。
本明細書で開示するセッターの一例として、電子部品を焼成するためのセラミックスセッターが挙げられる。本明細書で開示するセッターは、セッターと接する面が0.1mm×0.2mm程度のサイズの電子部品の焼成に好適に用いることができる。特に限定されるものではないが、本明細書で開示する技術は、一例として、幅50〜500mm、長さ50〜250mm、厚さ0.5〜10mmのセラミックスセッターに好適に適用することができる。
(第1実施例)
図1及び図2を参照し、セッター10について説明する。図1に示すように、セッター10は、表面層2と中間層4と裏面層6を備えている。中間層4は、表面層2と裏面層6の間に設けられている。表面層2と中間層4と裏面層6の材料は、コージェライトである。表面層2の表面及び裏面層6の表面(裏面)は平坦である。すなわち、表面層2及び裏面層6は平板状である。そのため、セッター10自身が平板状である。
図1及び図2を参照し、セッター10について説明する。図1に示すように、セッター10は、表面層2と中間層4と裏面層6を備えている。中間層4は、表面層2と裏面層6の間に設けられている。表面層2と中間層4と裏面層6の材料は、コージェライトである。表面層2の表面及び裏面層6の表面(裏面)は平坦である。すなわち、表面層2及び裏面層6は平板状である。そのため、セッター10自身が平板状である。
中間層4はハニカム構造を有しており、表面層2及び裏面層6より低密度である。詳細は後述するが、中間層4の開口は、厚み方向に直交する方向(図1の矢印20方向)に伸びている。中間層4の開口は、矢印20方向に、セッター10の一端から他端まで連通して伸びている。セッター10の側面には、側壁8が設けられている。側壁8は、中間層4の開口が伸びる方向には設けられていない。すなわち、側壁8は、セッター10の側面のうち、矢印20方向に直交する2面に設けられている。側壁8は、セッター10の厚み方向に伸びている(表面層2及び裏面層6に直交している)。
図2に示すように、中間層4は、隔壁14と、隔壁14によって囲まれた空間(開口部)12を備えている。そのために、中間層4は、表面層2及び裏面層6より低密度である。表面層2の厚みt2は100μmであり、中間層4の厚みt4は800μmであり、裏面層6の厚みt6は100μmである。セッター10の厚みt10は1mmである。
中間層4には、隔壁14によって、トラス構造16が構成されている。トラス構造16は、ハニカム構造の一例である。セッター10では、表面層2と裏面層6の間に1段のハニカムセルが設けられている。トラス構造16の開口12の―辺の長さD16は0.92mmである。隔壁14の厚みt14は100μmである。すなわち、セッター10では、表面層2の厚みt2、裏面層6の厚みt6及び隔壁14の厚みt14が等しい。セッター10は、開口率が70%であり、水力直径が0.53mmである。なお、中間層4の端部(開口12の一部が側壁8によって画定されている部分)では、開口12の面積が他の開口12の面積のおよそ半分である。
隔壁14は、表面層2、裏面層6及び側壁8と連続している。セッター10では、表面層2、中間層4、裏面層6及び側壁8は、同一の材料(コージェライト)で、一体に形成されている。表面層2、中間層4、裏面層6及び側壁8は、開気孔を有しており、開気孔率は35%である。また、セッター10の熱膨張係数は、0.9ppm/℃である。なお、バルク(組織が配向性を有していない状態)のコージェライトの熱膨張係数は、2.2〜2.8ppm/℃である。セッター10は、中間層4が押出成形によるハニカム構造を有しているので、ソリッドなセッターと比較して、熱膨張係数を大幅に小さくすることができる。
上記したように、セッター10は、平面状の表面層2及び裏面層6と、表面層2及び裏面層6の間に設けられたハニカム状の中間層4を備えている。セッター10は、ハニカム状の中間層4を有することにより、ソリッドなセッターと比較して重量を低減することができる。セッター10は、熱容量を低減することができ、炉内温度の変化に良好に追従することができる。また、中間層4の開口12の水力直径が0.53mmであり、中間層4内を炉内ガスが良好に移動することができる。セッター10は、外部及び内部(中間層4内)から加熱され、さらに炉内温度の変化に良好に追従することができる。
また、表面層2及び裏面層6の厚みが十分に確保されており(100μm)、ハニカム構造を有しているにも関わらず、十分な強度を発揮することができる。典型的に、表面層の厚みを厚くすると、被焼成物と表面層が接触する部分において、被焼成物から発生するガスの移動が妨げられる。しかしながら、セッター10では、表面層2が開気孔を有しており、開気孔率が35%に調整されている。そのため、被焼成物とセッター10が接触する部分においても、被焼成物から発生するガスが被焼成物の外部に確実に移動し、被焼成物を良好に焼成することができる。また、炉内ガスが、セッター10の外部及び開口12(中間層4)から表面層2に浸透し、表面層2の温度が炉内温度に良好に追従する。さらに、側壁8が表面層2及び裏面層6に直交しているので、セッター10の端部において十分な圧縮強度を確保することができる。
セッター10は、本明細書で開示する技術を具現化した一例であり、種々の変形例を取り得る。以下、セッター10の変形例の幾つかを説明する。
図3に示すセッター10aは、裏面層6aの厚みt6aがセッター10と異なる。大まかな外観は、図1を参照されたい。セッター10aについて、セッター10と同じ構造については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。
セッター10aでは、裏面層6aの厚みt6aが300μmである。セッター10aは、セッター10よりも強度を高くすることができる。なお、セッター10において、裏面層6に加え、表面層2又は中間層4の厚みを増加させても強度を高くすることができる。あるいは、裏面層6の厚みは増加させず、表面層2又は中間層4の厚みを増加させても強度を高くすることができる。しかしながら、各層2,4及び6の厚みを増加させると、セッターの重量が増加する。セッター10aは、強度の向上に最も寄与する裏面層の厚みだけを増加させることにより、重量の増加を抑制しつつ、強度を高くすることができる。
セッター10aは、被焼成物に接触する表面層2、及び、隔壁14の構造がセッター10と同じである。セッター10aは、表面層2及び表面層2近傍の中間層4の熱容量が、セッター10に対して増加しない。そのため、セッター10aは、強度を向上させながら、セッター10と同様に熱容量を小さくすることができる。
図4に示すセッター10bは、隔壁14aの厚みt14aがセッター10と異なる。大まかな外観は、図1を参照されたい。セッター10bについて、セッター10と同じ構造については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。
セッター10bでは、隔壁14aの厚みt14aが60μmである。セッター10bは、セッター10よりも軽量にすることができる。また、隔壁14の厚みをセッター10より薄くすることにより、中間層4の開口率が増加し(中間層4の密度が低下し)、熱容量がさらに低減する。上記したように、セッターの強度に最も寄与するのは裏面層である。そのため、隔壁の厚みを薄くしても、セッターの強度低下には大きく寄与しない。セッター10bは、強度低下を抑制しつつ、軽量であり、熱容量を低減させることができる。
なお、セッター10bにおいて、裏面層6の厚みをセッター10a(図2)と同一にしてもよい。換言すると、セッター10において、裏面層6の厚みを表面層2の厚みより厚くし、隔壁14の厚みを表面層2より薄くしてもよい。
図5に示すセッター10cは、側壁8aの形状がセッター10と異なる。大まかな外観は、図1を参照されたい。セッター10cについて、セッター10と同じ構造については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。セッター10cでは、側壁8aが、厚み方向に対して傾斜している。具体的には、開口12のサイズが、中間層4の中央部と端部で等しい。その結果、中間層4の全体を、炉内ガスが均等に通過することができる。セッター10cは、面内に温度ムラが生じることを抑制することができる。
なお、側壁を傾斜させて開口12サイズを中間層4の中央部と端部で等しくするという特徴は、上記したセッター10a及び10bに適用することもできる。
図6に示すセッター10dは、中間層4の構造がセッター10と異なる。セッター10dについて、セッター10と同じ構造については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。セッター10dは、中間層4が2段のトラス構造(ハニカムセル)16a,16bを備えている。すなわち、表面層2と裏面層6を結ぶ方向(厚さ方向)において、開口12が2回現れている。なお、側壁8は、セッター10dの厚み方向に伸びている(表面層2及び裏面層6に直交している)。
セッター10dは、各々のトラス構造のサイズを大きくすることなく、セッターの厚みを厚くすることができる。トラス構造のサイズが増大しすぎると、セッターの強度が低下することがある。2段のトラス構造とすることにより、強度低下を抑制しつつ、セッターの厚みを確保することができる。あるいは、セッター10dは、表面層2及び裏面層6の厚みを厚くすることなく、セッターの厚みを確保していると表現することもできる。すなわち、セッター10dは、重量増加を抑制しつつ、厚みを確保することができる。
なお、図6は2段のトラス構造16a,16bを備えるセッター10dを示しているが、トラス構造の段数は、2段以上であってもよい。トラス構造の段数は、2段以上6段以下であってよい。また、セッター10dにおいて、裏面層6の厚みを表面層2の厚みより厚くし、及び/又は、隔壁14の厚みを表面層2より薄くしてもよい。
図7に示すセッター10eは、セッター10dの変形例ということができる。セッター10eについて、セッター10dと同じ構造については、セッター10dと同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。セッター10eは、側壁8bの構造がセッター10dと相違する。側壁8bの外面は、曲線を有している。側壁8bを有することにより、セッター10eの端部を欠け難くすることができる。
(第2実施例)
図8及び図9を参照し、セッター210について説明する。セッター210は、セッター10の変形例であり、セッター10と共通する事項については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
図8及び図9を参照し、セッター210について説明する。セッター210は、セッター10の変形例であり、セッター10と共通する事項については、セッター10と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
セッター210は、表面層2側の端部34に、リブ30が設けられている。換言すると、セッター210の中央部32は、端部34より厚みが薄い。リブ30は、開口12が伸びる矢印20に沿って(開口12が伸びる方向と平行に)伸びている。リブ30は、開口12が伸びる方向に直交する方向において、表面層2の両端に設けられている。リブ30を設けることにより、被焼成物を焼成する際、複数のセッター210を重ねて焼成することができる。被焼成物は、リブ30によって形成された空間(積載されたセッター210,210間に形成される空間)に配置される。
図9に示すように、セッター210の端部34は、4段のトラス構造16a,16b,16c及び16dを備えている。それに対して、中央部32は、2段のトラス構造16c及び16dを備えている。このように、トラス構造によってリブ30を構成することにより、セッター210の重量が増加することが抑制される。また、端部34と中央部32を結ぶ壁面30aは、厚み方向に対して傾斜している。リブ30の全体を、炉内ガスが均等に通過することができる。
なお、セッター210は、図10に示す4段のトラス構造16a,16b,16c及び16dを備える平板を用意し、破線36に沿って、中央部32が形成される部分のトラス構造16a,16bを除去することによって容易に形成することができる。すなわち、セッター210は、被焼成物を載置する中央部32とリブ30が一体構造である。
図11は、セッター210aを示している。セッター210aは、セッター210の変形例である。セッター210aについて、セッター210と同じ構造については、セッター210と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。セッター210aの中央部32には、コーティング層40が設けられている。コーティング層40は、アルミナ質であり、スプレーコートにより表面層2の表面に形成されている。コーティング層40の開気孔率は30%であり、厚みは50μmである。
なお、図12に示すセッター210bのように、コーティング層40aをセッター210bの中央部32及び壁面30aに設けてもよい。また、コーティング層40は、平板状のセッターの表層に設けもよい。すなわち、上記したセッター10,10a,10b,10c,10d及び10eの表面層2の表面にコーティング層40を設けてもよい。
(第3実施例)
図13を参照し、セッター310について説明する。セッター310は、セッター10及び210の変形例であり、セッター10及び210と共通する事項については、セッター10及び210と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
図13を参照し、セッター310について説明する。セッター310は、セッター10及び210の変形例であり、セッター10及び210と共通する事項については、セッター10及び210と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
セッター310は、セッター210と同様に、開口12が伸びる方向(矢印20方向)に直交する方向において、表面層2の両端にリブ330aが設けられている。さらに、セッター310は、開口12が伸びる方向の一端に、リブ330bが設けられている。リブ330aとリブ330bは一体である。そのため、セッター310は、リブ330(リブ330a,330b)が、表面層2の端部の三方に設けられているといえる。セッター310は、セッター210と比較して、複数のセッター310を重ねる際に、セッター310,310同士が三方で接触する。そのため、セッター310,310同士を安定して積載することができる。また、被焼成物が、セッター310の表面が落下することも抑制することができる。
なお、セッター310において、表面層2、及び/又は、リブ330の壁面に、コーティング層を設けてもよい(図11及び12も参照)。リブ330にコーティング層を設ける場合、リブ330aの壁面にコーティング層を設け、リブ330bの壁面にコーティング層を設けなくてもよい。あるいは、リブ330aの壁面とリブ330bの壁面の双方にコーティング層を設けてもよい。リブ330bの壁面にコーティング層を設ける場合、開口12を確保しつつ、隔壁14の端面にコーティング層を設ける。こうすることにより、被焼成物とセッター表面との反応を防止しつつ、炉内ガスがリブ330bの開口14を通過するので表面層2の温度を内雰囲気によく追従させることができる。
(第4実施例)
図14を参照し、セッター410について説明する。セッター410は、セッター10、210及び310の変形例であり、セッター10、210及び310と共通する事項については、セッター10、210及び310と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
図14を参照し、セッター410について説明する。セッター410は、セッター10、210及び310の変形例であり、セッター10、210及び310と共通する事項については、セッター10、210及び310と同じ参照番号を付すことにより説明を省略することがある。
セッター410では、表面層2の端部の全周をリブ430が囲っている。換言すると、セッター410は、中央部32が窪んでいる。詳細には、開口12が伸びる方向(矢印20方向)に直交する方向において、表面層2の両端にリブ430aが設けられている。また、開口12が伸びる方向の両端に、リブ430bが設けられている。リブ430aとリブ430bは一体である。セッター410においても、表面層2、及び/又は、リブ430の壁面に、コーティング層を設けてもよい。リブ430にコーティング層を設ける場合、リブ430aの壁面にのみコーティング層を設け、リブ430bの壁面にはコーティング層を設けなくてもよい。あるいは、リブ430aの壁面とリブ430bの壁面の双方にコーティング層を設けてもよい。リブ430bの壁面にコーティング層を設ける場合、開口12を確保しつつ、隔壁14の端面にコーティング層を設ける。こうすることにより被焼成物とセッター表面との反応を防止しつつ、炉内ガスがリブ430bの開口14を通過するので表面層2の温度を炉内雰囲気によく追従させることができる。
(第5実施例)
図15及び図16を参照し、セッター510について説明する。図15は、セッター310の断面の一部を示しており、セッター10において図2に示した部分に相当する。また、図16は、セッター310を表面層2側から観察した図を、中間層の形状を破線で示している。
図15及び図16を参照し、セッター510について説明する。図15は、セッター310の断面の一部を示しており、セッター10において図2に示した部分に相当する。また、図16は、セッター310を表面層2側から観察した図を、中間層の形状を破線で示している。
セッター510は、中間層4(トラス構造)の開口12が、表面層2と裏面層6を結ぶ方向(矢印50方向)に伸びている。すなわち、セッター510では、隔壁14が、矢印50方向に平行に伸びている。そのため、セッター510は、厚さ方向の圧縮強度を増加させることができる。また、セッター10,210等のように開口12が矢印20方向に伸びる場合(図1及び図8を参照)、開口12が大きな水力直径を確保するためには、中間層4の厚みを厚くすることが必要である。しかしながら、セッター510の場合、中間層4の厚みを薄く(すなわち、セッター510の厚みを薄く)しながら、開口12の水力直径を大きくすることができる。
セッター510は、表面層2と中間層4と裏面層6を各々別個に形成し、各層2,4,6をセラミックペーストで貼り合わせ、所定温度で焼成することにより製造することができる。具体的には、例えば押出成形により、ハニカム構造を備え、表裏面に開口12が現れる中間層4を形成する。また、中間層4とは別に、例えば押出成形により、シート状の表面層2,裏面層6を形成する。その後、表面層2及び裏面層6を、中間層4に貼り合わせ、焼成することによりセッター510を形成することができる。表面層2と中間層4と裏面層6を各々別個に形成することにより、各層2,4,6の材料、及び/又は、開気孔率を異ならせることができる。例えば、中間層4の隔壁14の開気孔率を、表面層2の開気孔率より小さくすることができる。表面層2の開気孔率を確保したまま、中間層4の強度をさらに向上させることができる。なお、セッター510においても、表面層2の表面にコーティング層を設けてもよい。
(コーティング層の厚みの検討)
セッター10(図1を参照)の表面にコーティング層を形成し、セッター10自体の加熱試験、及び、被焼成物との反応性試験を行った。なお、セッター10の材料として、コージュライトを用いた。コーティング材料は、平均粒子20−100μmの粒状セラミックス100部に親水性の有機バインダーを0.5部添加し、さらにイオン交換水を60部添加した混合物を、セラミック玉石を入れた容器内に導入し、ポットミルを用いて粉砕,混合し、スラリーを作製した。なお、イオン交換水は、コーティング材料(スラリー)を塗布し易い粘度に調整するためのものである。また、セラミック玉石として、例えば、アルミナ玉石を用いることができる。ポットミルに代えて、トロンメルを用いることもできる。スプレーガンを用いて作製したコーティング材料(原料スラリー)をセッター10の表面に塗布し、コーティング層を形成した。なお、コーティング時間を調整し、セッター10の表面に5〜600μmのコーティング層を形成した(試料1−12)。また、プラズマ溶射機を用いて平均粒径20−100μmの粒状セラミックスをセッター10の表面に溶射し、セッター10の表面に100μmのコーティング層を形成した(試料13)。さらに、上記コーティング材料(原料スラリー)をセッター10の表面に流し込み、セッター10の表面に100μmのコーティング層を形成した(試料14)。上記した粒状セラミックスとして、例えば、ジルコニア、ムライト、アルミナ等を用いることができる。なお、コーティング層が設けられていないセッター10についても、加熱試験、及び、反応性試験を行った(試料15)。試験条件及び結果を図17に示す。
セッター10(図1を参照)の表面にコーティング層を形成し、セッター10自体の加熱試験、及び、被焼成物との反応性試験を行った。なお、セッター10の材料として、コージュライトを用いた。コーティング材料は、平均粒子20−100μmの粒状セラミックス100部に親水性の有機バインダーを0.5部添加し、さらにイオン交換水を60部添加した混合物を、セラミック玉石を入れた容器内に導入し、ポットミルを用いて粉砕,混合し、スラリーを作製した。なお、イオン交換水は、コーティング材料(スラリー)を塗布し易い粘度に調整するためのものである。また、セラミック玉石として、例えば、アルミナ玉石を用いることができる。ポットミルに代えて、トロンメルを用いることもできる。スプレーガンを用いて作製したコーティング材料(原料スラリー)をセッター10の表面に塗布し、コーティング層を形成した。なお、コーティング時間を調整し、セッター10の表面に5〜600μmのコーティング層を形成した(試料1−12)。また、プラズマ溶射機を用いて平均粒径20−100μmの粒状セラミックスをセッター10の表面に溶射し、セッター10の表面に100μmのコーティング層を形成した(試料13)。さらに、上記コーティング材料(原料スラリー)をセッター10の表面に流し込み、セッター10の表面に100μmのコーティング層を形成した(試料14)。上記した粒状セラミックスとして、例えば、ジルコニア、ムライト、アルミナ等を用いることができる。なお、コーティング層が設けられていないセッター10についても、加熱試験、及び、反応性試験を行った(試料15)。試験条件及び結果を図17に示す。
加熱試験は、大気圧下、窒素雰囲気で、セッター10に被加熱部材を載置しないで(セッター10自体について)行った。加熱試験は、昇温速度100℃/hrで1350℃まで加熱し、1350℃で2時間保持し、その後室温まで自然冷却するサイクルを1サイクルとし、5サイクル実施した。図17に、各サイクル後にコーティング層に全く異常が確認されなかった試料に「A」、剥離は発生していないものの変質(ふくれ等)が確認された試料に「B」、剥離が確認された試料に「C」を付している。
反応性試験は、大気圧下、窒素雰囲気で、セッター10に被加熱部材(セラミックス製コンデンサ)を100個載置し、昇温速度100℃/hrで1200℃まで加熱し、1200℃で10分間保持し、その後室温まで自然冷却するサイクルを1サイクルとし、5サイクル実施した。図17に、各サイクル後に、焼ムラが生じた被加熱部材が0−2個の試料に「A」、焼ムラが生じた被加熱部材が3−4個の試料に「B」、焼ムラが生じた被加熱部材が5個以上の試料に「C」を付している。
図17に示すように、加熱試験においては、コーティング層の厚みが500μm以下であれば、コーティング層の異常(剥離、ふくれ)を抑制できることが確認された。但し、コーティング層の厚みが250μmを超えると、加熱試験のサイクル数が増えるに従って、コーティング層に異常が生じる試料が確認された。しかしながら、コーティング層の厚みが250μm以下であれば、繰り返し加熱試験を実施してもコーティング層に異常が生じないことが確認された。また、反応性試験においては、コーティング層を設けることにより、セッターと非加熱部材の反応に伴う焼成ムラの発生が改善されることが確認された(試料1,15)。特に、コーティング層の厚みが20μm以上であれば、サイクル数を増やしても、被加熱部材に焼ムラが生じないことが確認された(全て評価「A」であった)。なお、今回の試験では、反応性試験を5サイクル実施しても、評価が「C」となる試料は確認されなかった。以上の結果より、コーティング層の厚みは5〜500μmに調整することが好ましく、特に、20〜250μmに調整することにより、コーティング層に異常が生じることを防止することができるとともに、被加熱部材に焼ムラが生じることを防止することができることが確認された。なお、今回の試験では、コーティング層の形成方法による差異は確認されなかった(試料5,13及び14)。
上記実施例では、ハニカム構造として、トラス形状(三角形形状)を備えるセッターについて説明した。しかしながら、ハニカム構造の形状は、四角形(正方形、長方形)、六角形等であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (11)
- セラミックス製の焼成用セッターであり、
表面層と中間層と裏面層を備えており、
中間層は、ハニカム構造を有しており、表面層及び裏面層より低密度であり、
表面層は、平板状であり、厚みが50μm以上2000μm以下であるとともに開気孔率が5%以上50%以下である、焼成用セッター。 - 裏面層は、平板状であり、厚みが100μm以上2000μm以下である請求項1に記載の焼成用セッター。
- 中間層のハニカム構造の開口を画定している隔壁の厚みが、50μm以上2000μm以下である請求項1又は2に記載の焼成用セッター。
- 前記開口の水力直径が0.3mm以上7mm以下である請求項3に記載の焼成用セッター。
- 前記開口の開口率が50%以上95%以下である請求項3又は4に記載の焼成用セッター。
- 前記開口が、表面層と裏面層を結ぶ第1方向に直交する第2方向に向けて開口している請求項1から5のいずれか一項に記載の焼成用セッター。
- 裏面層の強度が、表面層及び中間層より高い請求項1から6のいずれか一項に記載の焼成用セッター。
- 熱膨張係数が、2.0ppm/℃以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成用セッター。
- 表面層と中間層の隔壁が連続しており、
裏面層と中間層の隔壁が連続しており、
表面層と中間層と裏面層が一体である請求項1から8のいずれか一項に記載の焼成用セッター。 - 表面層に、コーティング層が設けられている請求項1から9のいずれか一項に記載の焼成用セッター。
- コーティング層の厚みが、5μm以上500μm以下である請求項10に記載の焼成用セッター。
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