JPWO2017212568A1 - 監視装置 - Google Patents

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Abstract

監視装置は、特定エリアの状況を監視する監視カメラ2と、監視カメラ2から出力される監視情報を記録するレコーダ5と、レコーダ5に記録された監視情報を外部に送信する映像送信装置6と、監視カメラ2から出力される監視情報に基づいて、特定エリア内に存在する人の人数および位置の偏り度を算出する判定部3と、判定部3で算出された人数および位置の偏り度に基づいて、レコーダ5が監視情報を記録するときの記録密度d、および、映像送信装置6が監視情報を送信するときの通信頻度eの少なくともいずれか一方を調整する調整部4とを備えている。

Description

本発明は、監視装置に関する。
特定の空間を監視する監視装置においては、監視カメラ画像等の情報を、レコーダ等のローカルの機器へ記録することと、当該情報を外部へ送信することの両方が実施される場合が多い。なお、特定の空間とは、例えば、エレベータ、車両、会社のオフィスルーム等が挙げられる。
ローカルの機器への情報の記録においては、1つの機器に記録できる情報量に限界がある。そのため、記録するデータ量の削減が課題となっている。
また、外部への情報の送信にあたっては、通信に要する費用は、送信するデータ量に比例して上昇するため、送信データ量の削減が課題となっている。
送信データを削減するための従来技術として、エレベータのカゴ内に乗客がいる場合のみ、監視カメラの画像を記録することで、記録するデータ量を削減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、エレベータの乗客の異常行動を検出した場合に、モニタに出力して通知する監視装置について提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、乗客数によって、異常判定項目を変更している。乗客が1人のときは、その乗客が転倒していないかを判定する転倒判定を行い、乗客が2〜3人のときは、暴行行為が発生していないかを判定する暴行判定を行っている。しかしながら、特許文献2では、乗客が4人以上の場合には、転倒判定および暴行判定のいずれも行わない構成になっている。
特開2000−143128号公報 特開2007−131382号公報
鷲見和彦、外2名、「画像によるエレベータ内異常検知技術」、IPSJ Magazine、Jan. 2007、Vol.48、No.1、p.17-22 内舘光、外3名、「実時間画像処理によるエレベータ乗場の人数計測と車いすの識別」、産業計測制御研究会、2008(86)、IIC-08-88、p.1-6
特許文献1では、エレベータのカゴ内に乗客がいる場合のみ、監視カメラの画像を記録することで、記録するデータ量を削減している。特許文献1では、外部への送信は考慮していないが、監視カメラの画像を外部に送信する場合を考えると、通信コストの抑制のために、さらなるデータ量の削減が必要である。
特許文献2では、乗客の人数に応じて、異常判定項目を切り替えることが提案されている。特許文献2においては、カゴ内の乗客数が多い場合、危険な事象が発生する可能性は少ないと判断している。しかしながら、カゴ内の乗客数が多い場合でも、それらの乗客が一ヶ所に集中している場合、集団で示し合わせての危険行為が実施される可能性がある。特許文献2では、乗客が4人以上の異常行動については検出できないという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、乗客が少ない場合および乗客が多い場合のいずれにおいても適切に異常行動発生の可能性を判定しながら、データ量のさらなる削減を図る、監視装置を得ることを目的としている。
本発明の監視装置は、特定エリアの状況を監視する第1の検出装置と、前記第1の検出装置から出力される監視情報を記録する第1の記録装置と、前記第1の記録装置に記録された前記監視情報を外部に送信する第1の通信装置と、前記第1の検出装置から出力される前記監視情報に基づいて、前記特定エリア内に存在する人の人数および位置の偏り度を算出する第1の判定部と、前記第1の判定部で算出された前記人数および前記位置の偏り度に基づいて、前記第1の記録装置が前記監視情報を記録するときの記録密度、および、前記第1の通信装置が前記監視情報を送信するときの通信頻度の少なくともいずれか一方を調整する第1の調整部とを備えた、監視装置である。
本発明の監視装置によれば、空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、乗客が少ない場合および乗客が多い場合のいずれにおいても、適切に異常行動発生の可能性を判定し、重要度の高い情報については高画質の記録および高頻度の送信を行いながら、重要の低い情報については画質および送信頻度を抑えることで、データ量のさらなる削減を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る監視装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る監視装置の動作を示した説明図である。 本発明の実施の形態2に係る監視装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る監視装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る監視装置の動作を示したフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態では、特定エリアを監視するための監視装置について説明する。本発明の実施の形態に係る監視装置においては、監視対象とする空間内の人物が少ない場合、または、人物が多く、且つ、人物同士の位置の偏りが大きい場合に、空間内で危険な事象が発生する可能性が高いと判断し、情報の記録密度や通信頻度を増やし、そうでない場合には、情報の記録密度や通信頻度を減らす技術を提案する。なお、危険な事象の例としては、例えば、人為的な設備の破壊や、人物同士のトラブル等が挙げられる。
これにより、空間内で危険な事象が発生する可能性に応じて、記録データ量及び通信データ量の調整を行うことができるため、空間内で危険な事象が発生する可能性が低い場合には、情報の記録密度や通信頻度を減らすことで、記録データ量及び通信データ量のさらなる削減が可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視装置とその監視対象とを示した図である。本実施の形態においては、図1に示すように、監視装置としてエレベータ監視装置10を例に挙げている。また、監視対象として、エレベータカゴ1内の空間を例に挙げている。
図1に示すように、エレベータ監視装置10は、監視カメラ2、判定部3、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6を有している。
監視カメラ2は、エレベータカゴ1の内部に設けられている。監視カメラ2は、エレベータカゴ1内の撮影を行ってカゴ内画像aを取得し、判定部3及びレコーダ5に対して、カゴ内画像データbを出力する。このように、本実施の形態においては、監視カメラ2が特定エリアの状況を監視する検出装置を構成しており、また、監視カメラ2から出力されるカゴ内画像データbが、検出装置が出力する監視情報を構成している。
判定部3は、監視カメラ2からカゴ内画像データbを受信する。判定部3は、カゴ内画像データbに基づいて、エレベータカゴ1内の乗客の人数、および、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度を算出し、判定結果cとして出力する。なお、乗客の人数および位置の偏り度の算出方法については後述する。
調整部4は、判定結果cに基づいて、レコーダ5がカゴ内画像データbを記録する際の画質およびフレームレートを決定し、記録密度dとして、レコーダ5に対して出力する。従って、記録密度dには、画質およびフレームレートが含まれる。また、調整部4は、判定結果cに基づいて、レコーダ5に記録されたカゴ内画像データbを映像送信装置6が外部に送信する際の画質および送信頻度または送信間隔を決定し、通信頻度eとして、映像送信装置6に対して出力する。従って、通信頻度eには、画質および送信頻度または送信間隔が含まれる。
レコーダ5は、監視カメラ2から取得したカゴ内画像データbを記録する。レコーダ5においては、画像を記録する際の画質およびフレームレートが変更可能である。従って、レコーダ5は、調整部4が出力した記録密度dに基づいて画質およびフレームレートの値を設定して、カゴ内画像データbを記録する。
映像送信装置6は、レコーダ5からカゴ内画像データbを取得し、監視センター等の外部に送信する。映像送信装置6においては、画像を外部に送信する際の画質および送信頻度または送信間隔が変更可能である。従って、映像送信装置6は、調整部4が出力した通信頻度eに基づいて画質および送信頻度または送信間隔の値を設定して、カゴ内画像データbを送信する。
以下、監視装置10のハードウエア構成について説明する。監視装置10は、カメラと、プロセッサと、メモリと、送信装置とから構成されている。監視カメラ2は、ビデオカメラ等のカメラから構成される。映像送信装置6は、送信装置から構成される。送信装置には、送信インタフェース、送信回路、及び、送信アンテナなどが含まれる。レコーダ5はメモリから構成される。メモリには、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とが含まれる。判定部3および調整部4は、プロセッサとメモリから構成される。判定部3および調整部4は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサ及び複数のメモリが連携して、判定部3および調整部4の機能を実行してもよい。
次に、本発明の実施の形態1に係る監視装置10の動作について説明する。図2に、監視装置10の動作のフローを示す。
図2に示すように、まず、監視カメラ2が、エレベータカゴ1内の撮影を行い、カゴ内画像aを取得して、判定部3及びレコーダ5に対して、カゴ内画像データbとして出力する(ステップS1)。
次に、判定部3が、監視カメラ2からカゴ内画像データbを受信し、カゴ内画像データbに基づいて、エレベータカゴ1内の乗客の人数、および、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度を算出し、判定結果cとして出力する。乗客の人数および乗客の位置の偏り度の算出方法については後述する(ステップS2)。
次に、調整部4が、判定部3から出力された判定結果cに基づいて、レコーダ5がカゴ内画像データbを記録する際の画質およびフレームレートを決定し、記録密度dとしてレコーダ5に対して出力する(ステップS3)。
次に、レコーダ5が、記録密度dに基づいて画質およびフレームレートの値を設定し、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbを記録する(ステップS4)。
次に、調整部4が、判定結果cに基づいて、映像送信装置6がカゴ内画像データbを外部に送信する際の画質および送信頻度を決定し、通信頻度eとして映像送信装置6に対して出力する(ステップS5)。
次に、映像送信装置6が、通信頻度eに基づいて画質および送信頻度を設定し、レコーダ5からカゴ内画像データbを取得して、監視センター等の外部に送信する(ステップS6)。
このように、本発明の実施の形態1に係る監視装置は、監視対象の空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbの記録密度dおよび通信頻度eを調整する。
なお、本実施の形態1においては、上記ステップS3において、調整部4は、エレベータカゴ1内の乗客が第1の閾値より少ない場合、すなわち、乗客が例えば2名以下の場合に、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度が高いと判定して、カゴ内画像データを記録する際の画質およびフレームレートを「高レベル」に決定する。また、調整部4は、エレベータカゴ1内の乗客が第2の閾値以上、すなわち、乗客が例えば3名以上の場合で、且つ、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度が第3の閾値以上の場合、すなわち、乗客が一か所に集中している場合に、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度が高いと判定して、カゴ内画像データを記録する際の画質およびフレームレートを「高レベル」に決定する。このように、本実施の形態では、調整部4は、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度の高いカゴ内画像データについては、記録密度dを「高レベル」に決定する。
一方、エレベータカゴ1内の乗客が第2の閾値以上、すなわち、乗客が3名以上の場合で、且つ、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度が第3の閾値未満の場合、すなわち、エレベータカゴ1内の乗客の位置が一か所に集中していない場合には、危険な事象が発生する可能性が低い、すなわち、重要度が低いと判定して、調整部4は、記録密度dを「低レベル」に決定する。
なお、記録密度dの画質及びフレームレートの値は、「高レベル」の場合と「低レベル」の場合に分けて、それぞれ、予め設定されており、メモリ内に格納されている。
このように、重要度に応じて画質およびフレームレートを切り替えることで、限りのあるレコーダ5の記録容量をより有効に活用できるようになる。なお、画質およびフレームレートの切り替えは、それぞれ、「高レベル」と「低レベル」の2段階としてもよいが、重要度をランク分けして、当該ランクに応じた複数段階の切り替えとしてもよい。なお、ランク分けする場合には、乗客の人数と乗客の位置の偏り毎に重要度を予め設定しておき、さらに、それらの重要度と記録密度dとの対応関係を予め定めたルックアップテーブルを用意しておき、重要度に基づいて、当該ルックアップテーブルから、対応する記録密度dを取得するようにすればよい。
また、本実施の形態1においては、上記ステップS5において、調整部4は、エレベータカゴ1内の乗客が少ない場合、すなわち、乗客が2名以下の場合に、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度が高いと判定して、カゴ内画像データを外部に送信する際の画質および送信頻度を「高レベル」に決定する。また、調整部4は、エレベータカゴ1内の乗客が3名以上の場合で、且つ、エレベータカゴ1内の乗客の位置が集中している場合に、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度が高いと判定して、カゴ内画像データを外部に送信する際の画質および送信頻度を「高レベル」に決定する。それ以外の場合は、調整部4は、画質および送信頻度を「低レベル」に決定する。このように、本実施の形態では、危険な事象が発生する可能性が高い、すなわち、重要度の高いカゴ内画像データについては、高画質および高送信頻度で送信を行うが、危険な事象が発生する可能性が低い、すなわち、重要度の低いカゴ内画像データについては、画質および送信頻度を「低レベル」にして送信を行う。このように、重要度に応じて画質および送信頻度を切り替えることで、外部に送信するデータ量の全体量を削減し、通信コストを下げることが可能になる。
なお、通信頻度eの画質及び送信頻度の値は、「高レベル」の場合と「低レベル」の場合に分けて、それぞれ、予め設定されており、メモリ内に格納されている。
また、画質および送信頻度の切り替えは、それぞれ、「高レベル」と「低レベル」の2段階としてもよいが、重要度をランク分けして、当該ランクに応じた複数段階の切り替えとしてもよい。なお、ランク分けする場合には、乗客の人数と乗客の位置の偏り毎に重要度を予め設定しておき、さらに、それらの重要度と通信頻度eとの対応関係を予め定めたルックアップテーブルを用意しておき、重要度に基づいて、当該ルックアップテーブルから、対応する通信頻度eを取得するようにすればよい。
なお、上述したように、本実施の形態において、エレベータカゴ1内の乗客が2名以下の場合だけでなく、エレベータカゴ1内の乗客が3名以上の場合で、且つ、エレベータカゴ1内の乗客の位置が集中している場合も、カゴ内画像データの重要度を高くしている。その理由について説明する。一般的に、エレベータカゴ内の乗客数が多い場合には、他人から見られていることで、危険な事象が発生する可能性は少ないと判断される。しかしながら、エレベータカゴ内の乗客が多い場合でも、それらの乗客が一ケ所に集中している場合には、集団で示し合わせての危険行為が実施される可能性がある。そこで、本実施の形態においては、エレベータカゴ内の乗客の位置の偏りを考慮することで、乗客が多い場合にも異常行動の検出を可能にしている。
次に、上記のステップS2における、判定部3によるカゴ内画像データbに基づく乗客の人数の算出方法について説明する。当該算出は、例えば、以下のように行う。図3に、フローを示す。
まず、ステップS11で、エレベータ監視装置10の設置時に、判定部3が、エレベータカゴ1内に人物がいない状態で、監視カメラ2を用いてエレベータカゴ1内の背景画像を撮影し、背景画像a0を取得して、背景画像データb0として学習する。
そうして、ステップS12で、エレベータ監視装置10の運用中に、監視カメラ2を用いてエレベータカゴ1内を撮影してカゴ内画像データbを取得し、カゴ内画像データbと背景画像データb0との差分を演算し、当該差分に基づいて、人物が存在する領域を抽出する。以下では、この領域を、「人物領域」と呼ぶ。なお、差分による人物領域の検出については、非特許文献1に記載の方法が提案されている。本実施の形態においては、例えば、非特許文献1に記載の方法を用いることとするが、この場合に限らず、既存の方法のいずれの方法を用いるようにしてもよい。
次に、ステップS13で、ステップS12で抽出した人物領域に存在する頭部領域を抽出し、頭部の数を人数としてカウントすることで、人物領域内の乗客の人数を算出して出力する。なお、頭部領域の抽出方法については、非特許文献2に、輪郭情報を用いた方法が提案されている。本実施の形態においては、例えば、非特許文献2に記載の方法を用いることとするが、この場合に限らず、既存の方法のいずれの方法を用いるようにしてもよい。
次に、上記のステップS2における、判定部3によるエレベータカゴ1内の乗客の位置の偏りの算出方法について説明する。当該算出は、例えば、以下のように行う。図4に、フローを示す。
まず、ステップS20で、判定部3は、監視装置10の設置時に、カゴ内画像の二次元座標とエレベータカゴ1内の三次元座標とのマッピングを実施しておく。
次に、ステップS21,22で、判定部3は、図3のステップS11,S12と同様の処理を行って、監視カメラ2により取得されたカゴ内画像データbと背景画像データb0との差分に基づいて、人物領域を抽出する。
次に、ステップS23で、判定部3は、図5に示すように、エレベータカゴ1内を複数のブロックに分け、各ブロックに含まれる人物領域の面積を算出する。なお、図5(a)は、エレベータカゴ1内を上から見た上面図である。図5(a)において、20は人物領域、21はブロックである。このように、エレベータカゴ1内を複数のブロック21に分け、ブロック21毎に、各ブロック21の画像データに含まれる人物領域20の面積を算出する。算出した結果を図5(b)のグラフに示す。横軸が各ブロック21を示し、縦軸が、各ブロック21における人物領域20の面積である。図5(b)の棒グラフにおいて、人物領域の面積が大きいブロックほど、人物が集中しているブロックである。
次に、ステップS24で、判定部3は、ステップS23で求めた各面積の分散の逆数(1/σ2)を算出し、位置の偏り度として出力する。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る監視装置は、監視対象の空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbの記録密度dおよび通信頻度eを調整する。すなわち、危険な事象が発生する可能性を判定して、当該可能性に応じて、画像情報の記録密度dおよび通信頻度eを調整する。これにより、重要度の高い画像データについては、高画質および高フレームレートで記録し、かつ、高画質および高送信頻度で送信を行う。一方、重要度の低い画像データについては、低画質および低フレームレートで記録し、かつ、低画質および低送信頻度で送信を行う。こうすることで、重要度の高い画像データについては高品質の記録および送信を保持することができる。また、重要度の低い画像データについては、記録密度および送信頻度を低く抑えることで、全体としてのデータ量の削減を図ることができる。また、本実施の形態においては、乗客の人数だけでなく、乗客の位置の偏りについても考慮して、危険な事象が発生する可能性を判定するようにしたので、監視対象とする空間内に存在する人物が少ない場合、あるいは、当該空間内の人物の位置の偏りが大きい場合に、空間内で危険な事象が発生する可能性がより高いと判定するため、上記の特許文献2では検出されなかった空間内の人数が多い場合の異常行動についても、検出が可能となる。
なお、上記のステップS3における記録密度dの算出と、上記のステップS5における通信頻度eの算出は、どちらか片方のみ実施するようにしても良い。例えば、レコーダ5の記録容量が潤沢である場合、記録密度dは常に一定の「高レベル」または「標準レベル」とし、通信頻度eのみを判定部3の出力に応じて制御しても良い。
以上のように、本実施の形態1に係る監視装置10は、特定エリアの状況を監視する第1の検出装置としての監視カメラ2と、第1の検出装置から出力される監視情報を記録する第1の記録装置としてのレコーダ5と、第1の記録装置に記録された監視情報を外部に送信する第1の通信装置としての映像送信装置6と、第1の検出装置から出力される監視情報に基づいて、特定エリア内に存在する人の人数および位置の偏り度を算出する第1の判定部としての判定部3と、第1の判定部で算出された人数および位置の偏り度に基づいて、第1の記録装置が監視情報を記録するときの記録密度、および、第1の通信装置が監視情報を送信するときの通信頻度の少なくともいずれか一方を調整する第1の調整部としての調整部4とを備えている。これにより、空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、乗客が少ない場合および乗客が多い場合のいずれにおいても、適切に異常行動発生の可能性を判定し、重要度の高い情報については高画質の記録および高頻度の送信を行いながら、重要の低い情報については画質および送信頻度を抑えることで、データ量のさらなる削減を図ることができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る監視装置、及び、その監視対象を示した図である。図6においては、実施の形態1と同様に、監視装置としてエレベータ監視装置を例に挙げており、監視対象として、エレベータカゴ1内の空間を例に挙げている。
図6に示すように、エレベータ監視装置10Aは、検出装置7、判定部3A、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6を有している。
実施の形態1と実施の形態2との違いについて説明する。図6では、図1の監視カメラ2の代わりに、検出装置7が設けられている。また、図6では、図1の判定部3の代わりに、判定部3Aが設けられている。判定部3と判定部3Aとの動作は異なる。
検出装置7は、監視カメラと荷重センサとを備えている。検出装置7の監視カメラは、図1の監視カメラ2と同等のものである。従って、検出装置7の監視カメラは、図1の監視カメラ2と同様に、エレベータカゴ1内を撮影して、カゴ内画像データbを出力する。検出装置7の荷重センサは、エレベータカゴ1内に設けられている。荷重センサは、エレベータカゴ1の床面全体に対して設置されている。荷重センサは、エレベータカゴ1内の全体の荷重を検出する。検出装置7は、監視カメラで撮影したカゴ内画像データbをレコーダ5に出力し、荷重センサで取得した荷重情報iを判定部3Aに出力する。このように、本実施の形態においては、検出装置7による監視情報には、カゴ内画像データbと荷重情報iとが含まれる。
判定部3Aは、荷重情報iを受信し、エレベータカゴ1内の乗客の人数、および、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度を算出し、判定結果jとして出力する。乗客の人数および位置の偏り度の算出方法については後述する。
監視装置10Aの調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6の構成については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
以下、監視装置10Aのハードウエア構成について説明する。監視装置10Aは、カメラと、重量センサと、プロセッサと、メモリと、送信装置とから構成されている。検出装置7は、ビデオカメラ等のカメラと重量センサから構成される。映像送信装置6は、送信装置から構成される。送信装置には、送信インタフェース、送信回路、及び、送信アンテナなどが含まれる。レコーダ5はメモリから構成される。メモリには、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とが含まれる。判定部3Aおよび調整部4は、プロセッサとメモリから構成される。判定部3Aおよび調整部4は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサ及び複数のメモリが連携して、判定部3Aおよび調整部4の機能を実行してもよい。
次に、本発明の実施の形態1に係る監視装置10Aの動作について説明する。図7に、監視装置10Aの動作のフローを示す。
図7に示すように、まず、検出装置7は、監視カメラを用いて、エレベータカゴ1内の撮影を行い、カゴ内画像aを取得して、レコーダ5に対して、カゴ内画像データbを出力する。また、それと同時に、検出装置7は、荷重センサを用いて、エレベータカゴ1内の荷重を測定して、荷重情報iを判定部3Aに対して出力する(ステップS30)。
次に、判定部3Aが、検出装置7から受信した荷重情報iに基づいて、エレベータカゴ1内の乗客の人数、および、エレベータカゴ1内の乗客の位置の偏り度を算出し、判定結果jとして出力する(ステップS31)。なお、乗客の人数および位置の偏り度の算出方法については後述する。
次に、調整部4が、判定結果jに基づいて、レコーダ5がエレベータカゴ1内の画像を記録する際の画質およびフレームレートを決定し、記録密度dとしてレコーダ5に出力する(ステップS32)。なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、調整部4は、判定部3Aで算出された人数が第1の閾値以下の場合、および、判定部3Aで算出された人数が、第1の閾値より大きい第2の閾値以上で、かつ、判定部3Aで算出された乗客の位置の偏り度が第3の閾値以上の場合は、記録密度dを「高レベル」にし、それ以外の場合は、記録密度dを「低レベル」にする。
次に、レコーダ5が、記録密度dに基づいて画質およびフレームレートを設定し、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbを記録する(ステップS33)。
次に、調整部4が、判定結果jに基づいて、映像送信装置6がカゴ内画像データbを外部に送信する際の画質および送信頻度を決定し、通信頻度eとして映像送信装置6に出力する(ステップS34)。なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、調整部4は、判定部3Aで算出された人数が第1の閾値以下の場合、および、判定部3Aで算出された人数が、第1の閾値より大きい第2の閾値以上で、かつ、判定部3Aで算出された乗客の位置の偏り度が第3の閾値以上の場合は、通信頻度eを「高レベル」に設定し、それ以外の場合は、通信頻度eの両方を「低レベル」にする。
次に、映像送信装置6が、通信頻度eに基づいて画質および送信頻度を設定するとともに、カゴ内画像データbをレコーダ5から取得して、当該カゴ内画像データbを監視センター等の外部に送信する(ステップS35)。
このように、本発明の実施の形態2に係る監視装置は、実施の形態1と同様に、空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、カゴ内画像データbの記録密度dおよび通信頻度eを調整する。
次に、上記のステップS31における、判定部3Aによる荷重情報iに基づく乗客の人数の算出方法について説明する。当該算出は、例えば、以下のように行う。図8に、フローを示す。
まず、ステップS40で、判定部3Aは、検出装置7の荷重センサから出力された荷重情報を、予め設定した判別閾値で2値化する。すなわち、荷重情報と判別閾値とを比較し、荷重情報が判別閾値以上の場合は「1」にし、荷重情報が判別閾値未満の場合は「0」にする。判別閾値は、乗客の有無を判定するための値であるため、5〜15kgの範囲で適宜設定する。
次に、ステップS41で、判定部3Aは、2値化された荷重情報に対して、モルフォロジ等の領域分割処理を行って、人物領域を抽出する。この人物領域は、図5(a)に示す人物領域20と同等のものである。従って、以下では、この人物領域を、人物領域20と呼ぶ。
次に、ステップS42で、判定部3Aは、人物領域の数をカウントし、カウント値を乗客の人数として出力する。
次に、上記のステップS31における、判定部3Aによるエレベータカゴ1内の乗客の位置の偏りの算出方法について説明する。当該算出は、例えば、以下のように行う。図9に、フローを示す。
まず、ステップS50,S51で、判定部3Aは、図8のステップS40,S41と同様の処理を行って、人物領域20を抽出する。
次に、ステップS52で、判定部3Aは、図4のステップS23の処理と同様に、図5(a)に示すように、エレベータカゴ1内の領域を複数のブロック21に分け、各ブロック21に含まれる人物領域20の面積を算出する。算出した結果は、図5(b)のグラフに示す結果となる。
次に、ステップS53で、判定部3Aは、上記面積の分散の逆数(1/σ2)を算出し、偏り度として出力する。
以上のように、本実施の形態2に係る監視装置は、特定エリアの状況を監視する第1の検出装置としての検出装置7と、第1の検出装置から出力される監視情報を記録する第1の記録装置としてのレコーダ5と、第1の記録装置に記録された監視情報を外部に送信する第1の通信装置としての映像送信装置6と、第1の検出装置から出力される監視情報に基づいて、特定エリア内に存在する人の人数および位置の偏り度を算出する第1の判定部としての判定部3Aと、第1の判定部で算出された人数および位置の偏り度に基づいて、第1の記録装置が監視情報を記録するときの記録密度d、および、第1の通信装置が監視情報を送信するときの通信頻度eの少なくともいずれか一方を調整する第1の調整部としての調整部4とを備えている。それにより、本実施の形態2に係る監視装置は、実施の形態1と同様に、監視対象の空間内に存在する人物の人数とその位置の偏りとに応じて、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbの記録密度dおよび通信頻度eを調整するようにしたので、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態2においては、乗客の人数および偏り度の算出に、荷重センサによる荷重情報を使用するようにしたので、エレベータカゴ1内の照明の変化あるいは監視カメラの位置などの環境の変化に対して、より頑強な動作が可能となる。
なお、上記の実施の形態1および実施の形態2においては、監視装置を「エレベータ監視装置」とし、監視対象を「エレベータカゴ1内の空間」とした実施例について説明した。以下では、上記の実施の形態1および実施の形態2に係る監視装置の他の実施例について説明する。
<車両監視装置における実施例>
上記の実施の形態1および実施の形態2における別の実施例として、監視装置を、電車の「車両監視装置」とする実施例が考えられる。この実施例では、監視対象が「電車の車両内」となる。この実施例では、車両監視装置によって、電車の車両内を監視する。「車両監視装置」において、他の構成は、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。すなわち、「車両監視装置」は、監視カメラ2または検出装置7、判定部3または3A、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。また、本実施例の動作は、監視対象が「電車の車両」であることを除き、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。
<室内監視装置における実施例>
上記の実施の形態1および実施の形態2における別の実施例として、監視装置を、会社のオフィスルームを監視する「室内監視装置」とする実施例が考えられる。この実施例では、監視対象が「会社のオフィスルーム内」となる。この実施例では、室内監視装置によって、会社のオフィスルーム内を監視する。「室内監視装置」において、他の構成要素は、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。すなわち、「室内監視装置」は、監視カメラ2または検出装置7、判定部3または3A、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。また、本実施例の動作は、監視対象が「会社のオフィスルーム内」であることを除き、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。
<店舗監視装置における実施例1>
上記の実施の形態1および実施の形態2における別の実施例として、監視装置を、コンビニエンスストア等の店舗内を監視する「店舗監視装置」とする実施例が考えられる。この実施例では、監視対象が「店舗内」となる。この実施例では、店舗監視装置によって、店舗内を監視する。「店舗監視装置」において、他の構成要素は、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。すなわち、「店舗監視装置」は、監視カメラ2または検出装置7、判定部3または3A、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。また、本実施例の動作は、監視対象が、コンビニエンスストア等の「店舗内」であることを除き、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。
<店舗監視装置における実施例2>
この実施例では、「店舗監視装置」における監視カメラが、売り場内を撮影する第1の監視カメラと、レジ周辺を撮影する第2の監視カメラとを含む。この実施例では、監視対象が「売り場内」と「レジ周辺」となる。この実施例では、店舗監視装置によって、店舗の売り場内とレジ周辺とを監視する。この実施例に係る「店舗監視装置」において、他の構成要素は、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。すなわち、「店舗監視装置」は、監視カメラ2または検出装置7、判定部3または3A、調整部4、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。但し、監視カメラ2及び検出装置7が、第1の監視カメラと第2の監視カメラとを含む。また、本実施例の動作は、監視対象が、「売り場内」と「レジ周辺」であることを除き、エレベータ監視装置10,10Aと基本的に同様である。
但し、この実施例においては、第1の監視カメラおよび第2の監視カメラが、売り場画像データ及びレジ画像データを出力する。判定部3または3Aは、売り場画像データから、売り場内の人数と偏り度を算出し、調整部4に出力する。調整部4、レコーダ5、映像送信装置6の動作は、エレベータ監視装置10,10Aと同様である。ただし、レコーダ5は、売り場画像データとレジ画像データとの両方を記録するものとする。この実施例では、売り場の人数が少ない場合に、レジ画像の記録密度dおよび通信頻度eを上げることによって、店員による盗難を防止する。
一方、判定部3が、レジ画像データから、レジ周辺の人数と偏り度を算出する構成も考えられる。この場合、レジの人数が少ない場合に、売り場画像データの記録密度dおよび通信頻度eを上げることによって、勤務中の店員が少ない場合の店内の犯罪行為を記録しやすくなる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る監視装置、及び、その監視対象を示した図である。図10においては、実施の形態1,2と同様に、監視装置としてエレベータ監視装置を例に挙げており、監視対象として、エレベータカゴ1内の空間を例に挙げている。
図10に示すように、エレベータ監視装置10Bは、監視カメラ2、調整部4A、レコーダ5、および、映像送信装置6を有している。
実施の形態1と実施の形態3との違いについて説明する。図10では、図1の判定部3が設けられていない。また、図10では、図1の調整部4の代わりに、調整部4Aが設けられている。調整部4と調整部4Aとの動作は異なる。
調整部4Aには、エレベータ監視装置10Bの外部に設けられたエレベータ制御盤から、エレベータカゴ1の移動経路情報kが入力される。移動経路情報kとは、エレベータカゴ1の発車階と目的階とを示す情報、または、発車階から目的階までの間の距離または階数を示す情報である。また、エレベータ制御盤とは、エレベータカゴ1の運行を制御する制御装置である。エレベータ制御盤は、エレベータカゴ1が昇降する昇降路の上端に設けられた機械室に設置されている。調整部4Aは、移動経路情報kに基づいて、記録密度dと通信頻度eとを決定する。本実施の形態では、移動経路情報kが第4の閾値以上の場合に、記録密度dおよび通信頻度eを「高レベル」に決定する。その理由としては、移動経路が長いほど、すなわち、移動時間が長いほど、危険な事象が発生する可能性が高いと判断できるためである。一方、移動経路情報kが第4の閾値未満の場合、すなわち、乗客が指定した目的階が発車階に近い階である場合には、危険な事象を乗客が発生させる可能性は低いと推測されるため、調整部4Aは、記録密度dおよび通信頻度eを「低レベル」に決定する。
他の構成については、実施の形態1または2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
以下、監視装置10Bのハードウエア構成について説明する。監視装置10Bは、カメラと、プロセッサと、メモリと、送信装置とから構成されている。監視カメラ2は、ビデオカメラ等のカメラから構成される。映像送信装置6は、送信装置から構成される。送信装置には、送信インタフェース、送信回路、及び、送信アンテナなどが含まれる。レコーダ5はメモリから構成される。メモリには、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とが含まれる。調整部4Aは、プロセッサとメモリから構成される。調整部4Aは、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサ及び複数のメモリが連携して、調整部4Aの機能を実行してもよい。
次に、本発明の実施の形態3に係る監視装置10Bの動作について説明する。図11に、監視装置10Bの動作のフローを示す。
図11に示すように、まず、監視カメラ2が、エレベータカゴ1内の撮影を行い、カゴ内画像aを取得して、レコーダ5に対して、カゴ内画像データbとして出力する(ステップS60)。
次に、調整部4Aが、外部から移動経路情報kを取得する(ステップS61)。
次に、調整部4Aが、移動経路情報kに基づいて、レコーダ5がカゴ内画像データbを記録する際の画質およびフレームレートを決定し、記録密度dとしてレコーダ5に対して出力する(ステップS62)。
次に、レコーダ5が、記録密度dに基づいて画質およびフレームレートの値を設定し、監視カメラ2から取得したカゴ内画像データbを記録する(ステップS63)。
次に、調整部4Aが、移動経路情報kに基づいて、映像送信装置6がカゴ内画像データbを外部に送信する際の画質および送信頻度を決定し、通信頻度eとして映像送信装置6に対して出力する(ステップS64)。
次に、映像送信装置6が、通信頻度eに基づいて画質および送信頻度を設定し、レコーダ5からカゴ内画像データbを取得して、監視センター等の外部に送信する(ステップS65)。
このように、本発明の実施の形態3に係る監視装置は、エレベータカゴ1の移動経路情報に応じて、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbの記録密度および通信頻度を調整することができる。
なお、上記のステップS62において、調整部4Aは、まず、移動経路情報kから推定される予定移動時間k’を算出し、予定移動時間k’が、予め設定した閾値以上の場合に、レコーダ5に設定する画質を「高レベル」にし、また、フレームレートを「高レベル」にする。一方、予定移動時間k’が、予め設定した閾値未満の場合に、レコーダ5に設定する画質を「低レベル」にし、また、フレームレートを「低レベル」にする。これにより、限りのあるレコーダ5の記録容量をより有効に活用できるようになる。なお、画質およびフレームレートの切り替えは、それぞれ、「高レベル」と「低レベル」の2段階としてもよいが、予定移動時間k’の長さに応じて重要度をランク分けして、当該ランクに応じた複数段階の切り替えとしてもよい。なお、ランク分けする場合には、予定移動時間k’の長さと、記録密度dとの対応関係を予め定めたルックアップテーブルを用意しておき、予定移動時間k’の長さに基づいて、当該ルックアップテーブルから、対応する記録密度dを取得するようにすればよい。
上記のステップS64において、調整部4Aは、予定移動時間k’が、予め設定された閾値以上の場合に、映像送信装置6に設定する画質を「高レベル」にし、また、送信頻度を「高レベル」にする。一方、予定移動時間k’が、予め設定した閾値未満の場合に、映像送信装置6に設定する画質を「低レベル」にし、また、送信頻度を「低レベル」にする。このように、エレベータカゴ1の予定移動時間k’により重要度を判定し、重要度に応じて画質および送信頻度を切り替えることで、外部に送信するデータ量の全体量を削減し、通信コストを下げることが可能になる。なお、画質および送信頻度の切り替えは、それぞれ、「高レベル」と「低レベル」の2段階としてもよいが、重要度をランク分けして、当該ランクに応じた複数段階の切り替えとしてもよい。なお、ランク分けする場合には、予定移動時間k’の長さと、通信頻度eとの対応関係を予め定めたルックアップテーブルを用意しておき、予定移動時間k’の長さに基づいて、当該ルックアップテーブルから、対応する通信頻度eを取得するようにすればよい。
なお、上記のステップS62における記録密度dの算出と、上記のステップS64における通信頻度eの算出は、どちらか片方のみ実施しても良い。例えば、レコーダ5の記録容量が潤沢である場合、記録密度dは常に一定の「高レベル」または「標準レベル」とし、通信頻度eのみを移動経路情報kに応じて制御しても良い。
また、上記の説明においては、移動経路情報kから予定移動時間k’を推定すると説明したが、その場合に限らず、予定移動距離を推定し、予定移動距離に基づいて、記録密度dおよび通信頻度eを決定するようにしてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態3に係る監視装置は、移動体における特定エリアの状況を監視する第2の検出装置としての監視カメラ2と、第2の検出装置から出力される監視情報を記録する第2の記録装置としてのレコーダ5と、第2の記録装置に記録された監視情報を外部に送信する第2の通信装置としての映像送信装置6と、移動体の予定移動時間または予定移動距離が外部から入力され、予定移動時間または予定移動距離に基づいて、第1の記録装置が監視情報を記録するときの記録密度d、および、第1の通信装置が監視情報を送信するときの通信頻度eの少なくともいずれか一方を調整する第2の調整部としての調整部4Aとを備えている。このように、本実施の形態3に係る監視装置は、エレベータカゴ1の移動経路情報kに応じて、監視カメラ2が取得したカゴ内画像データbの記録密度dおよび通信頻度eを調整する。すなわち、危険な事象が発生する可能性を判定して、当該可能性に応じて、画像情報の記録密度dおよび通信頻度eを調整する。これにより、重要度の高い画像データについては、高画質および高フレームレートで記録し、かつ、高画質および高送信頻度で送信を行う。一方、重要度の低い画像データについては、低画質および低フレームレートで記録し、かつ、低画質および低送信頻度で送信を行う。こうすることで、重要度の高い画像データについては高品質の記録および送信を保持することができる。また、重要度の低い画像データについては、記録密度および送信頻度を低く抑えることで、全体としてのデータ量の削減を図ることができる。また、本実施の形態においては、エレベータカゴ1の移動経路情報に基づいて、危険な事象が発生する可能性を判定するようにしたので、移動経路が長い場合に、空間内で危険な事象が発生する可能性がより高いと判定するため、上記の特許文献2では検出されなかった集団での異常行動についても、検出が可能となる。
なお、上記の実施の形態3においては、監視装置を「エレベータ監視装置」とし、監視対象を「エレベータカゴ1内の空間」とした実施例について説明した。以下では、上記の実施の形態3に係る監視装置の他の実施例について説明する。
<移動車両監視装置における実施例>
上記の実施の形態3における別の実施例として、監視装置を、「移動車両監視装置」とする実施例が考えられる。この実施例では、監視対象が、移動する「車両の室内」となる。移動する車両の例としては、タクシーまたはバス等が挙げられる。この実施例では、移動車両監視装置によって、車両の室内を監視する。「移動車両監視装置」において、他の構成は、エレベータ監視装置10Bと同様である。すなわち、「移動車両監視装置」は、監視カメラ2、調整部4A、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。また、本実施例の動作は、監視対象が「車両の室内」であることを除き、エレベータ監視装置10Bと同様である。すなわち、監視カメラ2、レコーダ5、映像送信装置6の動作は、エレベータ監視装置10Bと同様である。調整部4Aは、移動経路情報kとして発車地点の座標と、目的値の座標とを受け取り、予定移動時間k’を算出する。調整部4Aは、エレベータ監視装置10Bの場合と同様に、予定移動時間k’が閾値より大きい場合に、レコーダ5に設定する記録密度dを高く、映像送信装置6に設定する通信頻度eを高く設定する。これにより、移動する車両内の監視において、より効率の良い画像の記録および送信が可能となる。
<船舶監視装置における実施例>
上記の実施の形態3における別の実施例として、監視装置を、「船舶監視装置」とする実施例が考えられる。この実施例では、監視対象が、「船舶の室内」となる。この実施例では、船舶監視装置によって、船舶の室内を監視する。「船舶監視装置」において、他の構成は、エレベータ監視装置10Bと同様である。すなわち、「船舶監視装置」は、監視カメラ2、調整部4A、レコーダ5、および、映像送信装置6から構成される。また、本実施例の動作は、監視対象が「船舶の室内」であることを除き、エレベータ監視装置10Bと同様である。すなわち、監視カメラ2、レコーダ5、映像送信装置6の動作は、エレベータ監視装置10Bと同様である。調整部4Aは、移動経路情報kとして発車地点の座標と、目的値の座標とを受け取り、予定移動時間k’を算出する。調整部4Aは、エレベータ監視装置10Bの場合と同様に、予定移動時間k’が閾値より大きい場合に、レコーダ5に設定する記録密度dを高く、映像送信装置6に設定する通信頻度eを高く設定する。これにより、移動する車両内の監視において、より効率の良い画像の記録および送信が可能となる。
なお、船舶監視装置は、監視カメラ2、調整部4A、レコーダ5、映像送信装置6から構成される。監視カメラ2、調整部4、レコーダ5、映像送信装置6の動作は、車両監視装置10Bと同様である。これにより、移動する船舶内の監視において、より効率の良い画像の記録および送信が可能となる。

Claims (8)

  1. 特定エリアの状況を監視する第1の検出装置と、
    前記第1の検出装置から出力される監視情報を記録する第1の記録装置と、
    前記第1の記録装置に記録された前記監視情報を外部に送信する第1の通信装置と、
    前記第1の検出装置から出力される前記監視情報に基づいて、前記特定エリア内に存在する人の人数および位置の偏り度を算出する第1の判定部と、
    前記第1の判定部で算出された前記人数および前記位置の偏り度に基づいて、前記第1の記録装置が前記監視情報を記録するときの記録密度、および、前記第1の通信装置が前記監視情報を送信するときの通信頻度の少なくともいずれか一方を調整する第1の調整部と
    を備えた、監視装置。
  2. 前記第1の調整部は、
    前記第1の判定部で算出された前記人数が第1の閾値以下の場合、および、
    前記第1の判定部で算出された前記人数が、前記第1の閾値より大きい第2の閾値以上で、かつ、前記第1の判定部で算出された前記位置の偏り度が第3の閾値以上の場合は、
    前記記録密度および前記通信頻度のうち少なくともいずれか一方のレベルを高レベルに設定し、
    それ以外の場合は、前記記録密度および前記通信頻度のうち少なくともいずれか一方のレベルを低レベルに設定する、
    請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記第1の検出装置は、前記特定エリアを撮影する監視カメラから構成されている、
    請求項1または2に記載の監視装置。
  4. 前記第1の判定部は、
    前記監視カメラにより撮影した画像データと、人がいない状態の前記特定エリアの背景画像データとの差分を求め、
    前記差分に基づいて、前記特定エリア内で人が存在する人物領域を抽出し、
    前記特定エリアを区分して得られる各ブロックに含まれる前記人物領域の面積を算出し、
    前記面積の分散の逆数を算出して、
    前記逆数を前記位置の偏り度として出力する、
    請求項3に記載の監視装置。
  5. 前記第1の検出装置は、
    前記特定エリアを撮影する監視カメラと、
    前記特定エリア内の荷重を検出する荷重センサと
    を含む、
    請求項1または2に記載の監視装置。
  6. 前記第1の判定部は、
    前記荷重センサの検出結果に基づいて、前記特定エリア内で人が存在する人物領域を抽出し、
    前記特定エリアを区分して得られる各ブロックに含まれる前記人物領域の面積を算出し、
    前記面積の分散の逆数を算出して、
    前記逆数を前記位置の偏り度として出力する、
    請求項5に記載の監視装置。
  7. 移動体における特定エリアの状況を監視する第2の検出装置と、
    前記第2の検出装置から出力される監視情報を記録する第2の記録装置と、
    前記第2の記録装置に記録された前記監視情報を外部に送信する第2の通信装置と、
    前記移動体の移動経路情報が外部から入力され、前記移動経路情報に基づいて前記移動体の予定移動時間または予定移動距離を算出し、前記予定移動時間または予定移動距離に基づいて、前記第2の記録装置が前記監視情報を記録するときの記録密度、および、前記第2の通信装置が前記監視情報を送信するときの通信頻度の少なくともいずれか一方を調整する第2の調整部と
    を備えた、監視装置。
  8. 前記第2の調整部は、
    前記予定移動時間または前記予定移動距離が第4の閾値以上の場合は、前記記録密度および前記通信頻度のうち少なくともいずれか一方のレベルを高レベルに設定し、
    それ以外の場合は、前記記録密度および前記通信頻度のうち少なくともいずれか一方のレベルを低レベルに設定する、
    請求項7に記載の監視装置。
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