JPWO2017170152A1 - Mg−Ti−Oスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

Mg−Ti−Oスパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

原子比:MgαTiβO4(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物を実質的に含むことを特徴とするスパッタリングターゲット。本発明は、成膜速度が速い直流(DC)スパッタリングが可能であり、スパッタリングの際にパーティクルの発生を著しく低減させることができるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ディスク装置用の磁気記録媒体やトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子と言ったエレクトロデバイス用の酸化マグネシウム層を形成するために用いられる酸化マグネシウム系ターゲット及びその製造方法に関し、特には、導電性を有し、DCスパッタリングが可能な酸化マグネシウム系ターゲット及びその製造方法に関するものである。
近年、磁気ディスクの小型化・高記録密度化に伴い、磁気記録媒体の研究・開発が行われ、特に磁性層や下地層の改良が種々行われてきた。ハードディスクの記録密度は、年々急速に増大しており、現状の600Gbit/inの面密度から、将来は1Tbit/inに達すると考えられている。1Tbit/inに記録密度が達すると、記録bitのサイズが10nmを下回るようになり、その場合、熱揺らぎによる常磁性
化が問題となってくると予想され、現在使用されている材料、例えばCo−Cr基合金にPtを添加して、結晶磁気異方性を高めた材料では十分でないことが予想される。10nm以下のサイズで安定的に強磁性として振舞う磁性粒子は、より高い結晶磁気異方性を持っている必要があるためである。
上記のような理由から、L1構造を持つFePt相が超高密度記録媒体材料として注目されている。L1構造を持つFePt相は高い結晶磁気異方性とともに、耐食性、耐酸化性に優れているため、磁気記録媒体としての応用に適した材料と期待されているものである。そして、FePt相を超高密度記録媒体材料として使用する場合には、規則化したFePt磁性粒子を磁気的に孤立させた状態で出来るだけ高密度に方位をそろえて分散させるという技術の開発が求められている。FePt薄膜に磁気異方性を付与するためには、結晶方向を制御することが必要とされているが、これは単結晶基板を選択することで容易に可能となる。磁化方位軸を垂直に配向させるには、FePt層の下地層として酸化マグネシウム膜が適していることが報告されている。
また、酸化マグネシウム膜は、磁気ヘッド(ハードディスク用)やMRAMに用いられるTMR素子の絶縁層(トンネル障壁)等としても使用されることが知られている。上記のような酸化マグネシウム膜は、古くは真空蒸着法によって形成されていたが、最近は製造工程の簡略化や大面積化を容易にするために、スパッタリング法を用いた酸化マグネシウム膜の製作が行われている。酸化マグネシウムスパッタリングとして、例えば、特許文献1には、平均結晶粒径10μm以下、焼結体密度3.0g/cm以上、抗折力100kgf/mm以上、ターゲット表面の中心線平均粗さRa:1μm以下であるMgOスパッタリングターゲットが開示され、特許文献2には、結晶異方性を持つ多結晶MgO焼結体からなるスパッタリングターゲットが開示されている。
MgOスパッタリングターゲットは、絶縁性材料であるため、通常、高周波(RF)スパッタリングが用いられる。しかしながら、このRFスパッタリングは、成膜速度が遅いために生産性が悪く、また、パーティクルの発生が多いという問題があった。このようなことから、本出願人は、以前、酸化マグネシウム(MgO)に、これと同じNaCl型の結晶構造を持ち、かつ格子定数が近い値を有する、導電性の酸化チタン(TiO)を含有させることにより、スパッタリングターゲットに導電性を付与し、成膜速度の速いDCスパッタリングを可能とする技術を提供した(特許文献3)。
なお、上記に関連して、特許文献4には、ガスセンサーに関する技術であるが、MgOにTiOを0.1〜40モル量%固溶させた酸化物系セラミックスが開示されている。
特開2000−169956号公報 特開2009−173502号公報 国際公開第WO2014/156497号 特開平8−5708号公報
上記MgO−TiOスパッタリングターゲットは、DCスパッタリングが可能であり生産性を向上させることができたが、一方、パーティクルを低減することが困難であるとの問題が生じた。これは、MgO相とTiO相とが2相に分離したターゲット組織を有していることで、高抵抗相(MgO相等)に起因してパーティクルが発生することが考えられる。本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、DCスパッタリングの際に、パーティクルの発生が少なく、安定したスパッタリングが可能なスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、Mg−Ti−Oを含む化合物相を形成し、パーティクルの起点となり易い高抵抗相(MgO等)の生成を極力低減することで、DCスパッタリングの際にパーティクルの発生を抑制することができるとの知見を得た。このような知見に基づき、本発明者らは、以下の発明を提供する。
1)原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物を含むスパッタリングターゲットであって、当該化合物の面積比率が85%以上であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物の面積比率が95%以上であることを特徴とする上記1)に記載のスパッタリングターゲット。
3)原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物以外に、MgO、TiC、又は、原子比:MgγTi2−γ(但し、0≦γ≦1)で表される化合物を含有することを特徴とする上記1)又は2)に記載のスパッタリングターゲット。
4)カーボン含有量が2000wtppm以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
5)バルク抵抗率が1Ω・cm以下である上記1)〜4)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
6)相対密度が95%以上であることを特徴とする上記1)〜5)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
7)MgO粉末、TiO粉末を混合し、混合粉末を不活性ガス雰囲気中、1800〜1900℃で加熱して合成し、得られた合成粉末を1100〜1500℃、プレス圧200kgf/cm以上の条件で焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
8)MgO粉末、TiO粉末、TiH粉末を混合し、混合粉末を1100〜1400℃、プレス圧200kgf/cm以上の条件で焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
9)純度99.9%以上の原料粉末を使用することを特徴とする上記8)又は9)に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
本発明のスパッタリングターゲットは実質的に単一の化合物相からなり、このようなターゲットを用いてDCスパッタリングすることで、パーティクルの発生量を著しく低減することができるという優れた効果を有する。また、従来の通り、RFスパッタリング用の高価なRF電源を必要としないので、装置設備のコストを低減することができるという優れた効果を有する。
実施例1のスパッタリングターゲットのXRDの分析結果を示す図である。 実施例1のスパッタリングターゲットのレーザー顕微鏡写真を示す図である。 実施例2のスパッタリングターゲットのXRDの分析結果を示す図である。 実施例2のスパッタリングターゲットのレーザー顕微鏡写真を示す図である。 実施例2のスパッタリングターゲットの反射電子像を示す図である。 実施例2のスパッタリングターゲットの二次電子像を示す図である。 実施例5のスパッタリングターゲットの二次電子像を示す図である。
本発明のスパッタリングターゲットは、原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物を面積比率で85%以上含有し、好ましくは、面積比率で95%以上含有するものである。このようにターゲットが実質的に単一の化合物から構成されていることで、DCスパッタリングの際の高抵抗相(MgOなど)を起点とするパーティクルの発生を効果的に防止することができる。前記化合物の代表的なものとしては、Mg1.5Ti1.5が挙げられる。なお、MgTiOの場合、後述の比較例の通り、ターゲットのバルク抵抗率が大きく、DCスパッタリングは困難であるため、上記α、βの数値範囲からα=2、β=1が除かれる。
ターゲットを構成する化合物の特定について、ターゲット中心近傍、半径2cmの円内で測定した値が代表すると考えてよい。また、ターゲット特性(組成)は基本同一であるので、焼結体の端材(ターゲット形状に加工する際に余った切れ端)を対象として分析、測定した結果(値)をターゲット材の値とすることもできる。
具体的には、焼結体端材の中心に近い箇所から採取した5g程度の試料を粉末化し、酸などで溶解した後、MgとTiについてはICP質量分析計を用いて分析し、酸素については、X線回折分析(XRD)を用い、メインピークがMgαTiβとなっていることを確認できれば、Oの原子比が4であると判断する。 XRD測定用サンプルは、同じくターゲット材となる焼結体の端材から採取したバルク状のサンプルの一面を平坦な鏡面を得るまで研磨し、その研磨面を測定するのが望ましい。なお、研磨面は、外周部から8mm程度の場所に相当する面である。
ターゲットを構成する各化合物の面積比率は以下のようにして算出する。
まず、ターゲット材となる焼結体の端材において、前記の組成分析とXRD測定で特定された化合物を確認する。次に、SEM/EDS或いはEPMAで反射電子像を取得し、構成元素の分布図(面分析データ)と照らして反射電子像の濃淡部分と構成元素の濃淡により、MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)と、MgαTiβ以外の化合物の位置を判別する。このとき、MgαTiβ以外の化合物が明瞭に識別できる倍率(50〜500倍)に調整して反射電子像を取得する。なお、反射電子像の濃淡部分に焦点を合わせてEDS又はEPMAで簡易定量分析することで化合物の位置を判別することも可能である。
化合物の判別後に、反射電子像のコントラスト差を利用し、画像解析ソフトウェアで二値化する。なお、反射電子像は試料や測定条件により明暗やコントラストが微妙に変化するので、二値化するときの閾値は濃淡領域の形状に合わせて適宜調整する。次に、二値化したMgαTiβに相当する部分のピクセル数を算出し、総ピクセル数との比率を算出し面積比とする。なお、画像は5枚以上取得し、各々について面積比を算出し平均値をとる。
ピクセル数は、画像ファイルを構成する最小単位であり、本発明において、解析する画像ファイルのピクセル数は720(横)×540(縦)ピクセル(=388800ピクセル)とする。そして、この388800ピクセルのうち、何ピクセルがMgαTiβに相当するかをソフトウェアで計算して、総ピクセル数との比率から、その面積比を算出する。また、前述の通り、SEM/EDS、EPMAにおける観察面積は、MgαTiβ以外の化合物が明瞭に識別できる倍率(50〜500倍)に調整して、画像を取得するため、その都度、ピクセル数は異なるが、画像解析ソフトウェアを用いて、最終的に全ての画像をピクセル数が720(横)×540(縦)ピクセルになるよう処理する。
本発明のスパッタリングターゲットは、原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物を実質的に含むものであるが、製造工程で、MgO、TiC、又は、原子比:MgγTi2−γ(但し、0≦γ≦1)で表される化合物が形成される場合がある。これらの化合物は、Mg1.5Ti1.5と比べて比抵抗や機械的強度が異なるため、スパッタリングの際にパーティクルの発生原因となりやすい。このような化合物は合成や焼結の過程で形成されるため、製造条件を適切に調整することで、その形成を抑制することができる。なお、MgγTi2−γ(但し、0≦γ≦1)相の代表的なものとして、Mg0.5Ti1.5が挙げられる。
また、本発明において、スパッタリングターゲットの平均結晶粒径は20μm以下であることが好ましい。このような微細な結晶組織とすることで、さらなるパーティクル発生を抑制することができるとともに、安定したスパッタリングを可能とする。ターゲットの平均結晶粒径は、原料粉末の粒子径だけではなく、焼結条件によっても変化するため、焼結条件を適切に制御する必要があり、焼結温度としては、1400℃以下が好ましい。なお、平均結晶粒径は、円盤状ターゲットの場合、面内5点(中心1点、直行する2本の直径上の半径の1/2の位置4点)について切断法を用いて測定し、その平均値とする。
本発明のスパッタリングターゲットは、カーボン量を2000wtppm以下とすることが好ましい。不純物であるカーボンは、スパッタリングターゲット中のTiと反応して、TiCを生成することがあり、このTiCはパーティクルの発生原因になることがある。カーボンは、焼結の際に用いるグラファイトダイス或いは合成るつぼから混入することがあり、ダイスやるつぼの材質を変更したり、焼成温度を低めに設定するといった工夫をしたりすることで、カーボンの混入を抑制することができる。カーボン量は、赤外線吸収法(LECO製の炭素分析装置等)を用いて、ターゲット材となる焼結体の端材のうち中心に近い箇所から採取した5g程度の試料を粉末化したものを測定する。
本発明のスパッタリングターゲットは、相対密度を95%以上、さらには、相対密度98%以上とすることが好ましい。また、バルク抵抗率を10Ω・cm以下、さらには0.5Ω・cm以下とすることが好ましい。密度が高く、バルク抵抗率が低いターゲットは、安定的なDCスパッタリングを可能とすると共に、パーティクルの発生を低減することができる。後述するように、高密度化や低抵抗化は、原料粉末の粒子径、焼結温度、プレス圧力等を適切に制御することにより、実現することができる。
なお、相対密度は、理論密度に対する焼結体の実測密度の比で示され、理論密度は、Mg1.5Ti1.5:3.75g/cm、Mg2TiO:3.56g/cm、MgTi2:4.01g/cmとする。また、バルク抵抗率は、ターゲットの面内5箇所(中心1点、直行する2本の直径上の半径の1/2の位置4点)について、四端子法により抵抗率を測定し、その平均値とする。
本発明のスパッタリングターゲット、以下の方法によって、作製することができる。
(1)事前に合成する方法
原料粉として、純度3N以上の、MgO粉末、TiO粉末を用意する。MgO粉末は平均粒径が10μm以下、TiO粉末は平均粒径が50μm以下のものを使用するのが好ましい。粉末の粒径がこの範囲を超えると均一な混合が困難となり、また偏析と結晶の粗大化が生じるため好ましくない。原料粉末の粒径は微細な方が良いが、TiOは微細化が難しく、生産上の観点から、平均粒径0.1μm以上とすることが好ましい。
次に、これらの原料粉末を所定のモル比(例えば、1:1)となるように秤量し、乳鉢等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。このようにして得られた混合粉末をグラファイトるつぼに充填し、不活性ガス雰囲気中で焼成を行う。この焼成の過程で原料が酸化して、MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)が合成される。このとき、焼成温度は1800℃以上、1900℃以下とする。
次に、焼成した粉末を必要に応じて、再度乳鉢で粉砕、混合した後、この粉末をグラファイトダイスに充填し、真空又は不活性ガス雰囲気下でホットプレス法を用いて焼結する。焼結時の保持温度は1100℃以上1500℃以下(望ましくは1300℃以上1500℃以下)とし、焼結時のプレス圧力は200kgf/cm以上、望ましくは300kgf/cm以上の圧力範囲とする。なお、ホットプレス以外にも、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結方法を使用することができる。特に、熱間静水圧焼結法は焼結体の密度向上に有効である。その後、このようにして得られた焼結体を旋盤等により所望の形状に加工して、スパッタリングターゲットを作製することができる。
(2)焼結と同時に合成する方法
原料粉として、純度3N以上の、MgO粉末、TiO粉末、TiH粉末を用意する。MgO粉末は平均粒径が10μm以下、TiO粉末は平均粒径が50μm以下、TiH粉末は平均粒径が45μm以下のものを使用するのが好ましい。粉末の粒径がこの範囲を超えると均一な混合が困難となり、また偏析と結晶の粗大化が生じるため好ましくない。原料粉末の粒径は微細な方が良いが、TiH粉末は微細化が難しく、酸化もし易いことから、平均粒径1μm以上とすることが好ましい。
次に、これらの原料粉末を所定のモル比(例えば、Mg1.5Ti1.5の場合は、MgO:TiO:TiH=6:5:1)となるように秤量し、乳鉢等の公知の手法を用いて、粉砕を兼ねて混合する。このようにして得られた混合粉末をホットプレス法で真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気において成型、焼結する。また、ホットプレス以外にも、上記と同様、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結法を使用することができる。焼結時の保持温度は1100℃以上1400℃以下(望ましくは、1300℃以上1400℃以下)の温度範囲とする。また、焼結時のプレス圧力は200kgf/cm以上、望ましくは300kgf/cm以上の圧力範囲とする。このようにして得られた焼結体を、旋盤等により所望の形状に加工して、スパッタリングターゲットを作製することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にて両粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末をグラファイトダイスに充填し、加圧はせず、Ar雰囲気中、1800℃で焼成を行った。その後、焼成したものを再度乳鉢で1時間混合した。次に、乳鉢から取り出した粉末を直径180mmのグラファイトダイスに充填し、ホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1500℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度99%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.027Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、Mg1.5Ti1.5を含むことを確認した。XRD分析結果を図1に示す。また、他の化合物として、図2に示す通り、TiCが存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして約97%存在していた。TiCは焼成中にグラファイトダイスとTiOとが反応して生成されたものを考えられる。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、スパッタパワー:0.5kW、Arガス圧:5Paとし、直径10mmのシリコン基板上に30秒間成膜した。そして、Si基板上における直径が250nm以上パーティクルをパーティクルカウンターで測定した結果、43個と良好な結果を示した。
(実施例2)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度99%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.206Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、Mg1.5Ti1.5を含むことを確認した。XRD分析結果を図3に示す。
また、レーザー顕微鏡を用いて表面観察を行った結果、図4に示す通り空隙の少ない組織を有していることがわかった。さらに、SEMで組織観察した結果、図5に示す通り、他の化合物として、Mg0.5Ti1.5が存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして約89%存在していた。また、図6に示す通り、Mg1.5Ti1.5部を高倍率で観察した結果、三重点の見られる平衡組織を有していることがわかった。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、このときのパーティクル個数は76個と良好な結果を示した。
(実施例3)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にて両粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末をグラファイトダイスに充填し、加圧はせず、Ar雰囲気中、1900℃で焼成を行った。その後、焼成したものを再度乳鉢で1時間混合した。次に、乳鉢から取り出した粉末を直径180mmのグラファイトダイスに充填し、ホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度98%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.041Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、Mg1.5Ti1.5を含むことを確認した。
また、他の化合物として、TiCが存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして、約95%存在していた。TiCは焼成中にグラファイトダイスとTiOとが反応して生成されたものを考えられる。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、このときのパーティクル個数は37個と良好な結果を示した。
(実施例4)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1300℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度99%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.286Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、Mg1.5Ti1.5を含むことを確認した。
また、SEMで組織観察した結果、他の化合物として、Mg0.5Ti1.5が存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして約91%存在していた。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、このときのパーティクル個数は95個と良好な結果を示した。
(実施例5)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。なお、この組成比は、狙い組成がMg1.5Ti1.53.9となるように調整したもので、酸素を意図的に減らし実施例2や実施例4で発生した、Mg0.5Ti1.5の発生を防ぐことを目的としたものである。
次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度98%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.110Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、Mg1.5Ti1.5を含むことを確認した。
また、SEMで組織観察した結果、図7に示すように、他の化合物としてMgOが存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして、約97%存在していた。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、このときのパーティクル個数は39個と良好な結果を示した。
(実施例6)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1200℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、アルキメデス法による密度測定を行った結果、相対密度99%であった。また、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、0.009Ω・cmであった。さらに、この焼結体の端材について、ICP質量分析計を用いてMgとTiの濃度分析を行い、XRD分析を実施した結果、MgTiを含むことを確認した。
また、SEMで組織観察した結果、他の化合物としてMg0.2Ti1.8が存在することが観察された。反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、MgTiは面積比にして、約93%存在していた。
さらに、焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、このときのパーティクル個数は31個と良好な結果を示した。
(比較例1)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にて両粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末をグラファイトダイスに充填し、加圧はせず、Ar雰囲気中、2000℃で焼成を行った。その後、焼成したものを再度乳鉢で1時間混合した。次に、乳鉢から取り出した粉末を直径180mmのグラファイトダイスに充填し、ホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで300kgf/cmで加圧した。
この焼結体の端材について、レーザー顕微鏡で組織観察した結果、Mg1.5Ti1.5からなる母材にTiCが存在することが観察された。
また、反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして約70%存在していた。焼成温度が高過ぎたために、TiCの生成量が増えてしまったと考えられる。
さらに、焼結体をターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、基板上へ付着したパーティクルの個数2918個であった。
(比較例2)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にて両粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末をグラファイトダイスに充填し、加圧はせず、Ar雰囲気中、1700℃で焼成を行った。
その後、焼成したものを再度乳鉢で1時間混合した。次に、乳鉢から取り出した粉末を直径180mmのグラファイトダイスに充填し、ホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで300kgf/cmで加圧した。
この焼結体の端材について、レーザー顕微鏡で組織観察した結果、Mg1.5Ti1.5からなる母材にMgOが存在することが観察された。
また、反射電子像から画像解析ソフトウェアを使用して面積比を算出した結果、Mg1.5Ti1.5は面積比にして約75%存在していた。焼成温度が低すぎたために、充分に反応が進まず、未反応のMgOの原料粉が残ってしまったと考えられる。またTiCも含まれていた。
さらに、焼結体をターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをDCスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った結果、基板上へ付着したパーティクルの個数2412個であった。
(比較例3)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1500℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体は、取り出し時に割れており、スパッタリング評価を実施することはできなかった。MgO粉末とTiO粉末、TiH粉末を混ぜて、Mg1.5Ti1.5を合成する際の合成温度1500℃は高温のため、焼結が進みすぎて、脆くなったと考えられる。
(比較例4)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末、平均粒径30μm、純度3N(99.9%)のTiO粉末、平均粒径45μm、純度3N(99.95)のTiH粉末を用意した。そして、表1に記載される組成比となるようにこれらの原料粉を調合した。次に、秤量した粉末を、乳鉢にてこれらの粉末が均一に分散するように1時間混合・粉砕した。その後、乳鉢から取り出した粉末を、直径180mmのグラファイトダイスに充填しホットプレス装置を用いて成形・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、保持温度1400℃とし、昇温開始時から保持終了まで250kgf/cmで加圧した。
このようにして作製した焼結体について、四端子法により焼結体のバルク抵抗測定を行った結果、500kΩ・cm以上という高抵抗であった。この焼結体を、ターゲット形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを試みたが、高抵抗のために放電ができなかった。
本発明は、磁気ディスク装置用の磁気記録媒体やトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子などといったエレクトロデバイス用の薄膜を形成する際に使用されるスパッタリングターゲットとして有用である。また、従来の絶縁性MgOでは実現できなかった導電性セラミックス材料として、静電気除去や耐熱部材などの新たな分野に対しても利用可能である。

Claims (9)

  1. 原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物を含むスパッタリングターゲットであって、当該化合物の面積比率が85%以上であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物の面積比率が95%以上であることを特徴とする上記1)に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 原子比:MgαTiβ(但し、1≦α<2、1<β≦2、α+β=3)で表される化合物以外に、MgO、TiC、又は、原子比:MgγTi2−γ(但し、0≦γ≦1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. カーボン含有量が2000wtppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. バルク抵抗率が1Ω・cm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  6. 相対密度が95%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  7. MgO粉、TiO粉を混合し、混合粉末を不活性ガス雰囲気中、1800〜1900℃で加熱して合成し、得られた合成粉を1100〜1500℃、プレス圧200kgf/cm以上の条件で焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  8. MgO粉、TiO粉、TiH粉を混合し、混合粉末を1100〜1400℃、プレス圧200kgf/cm以上の条件で焼結することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  9. 純度99.9%以上の原料粉末を使用することを特徴とする請求項7又は8に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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