JP2020147822A - MgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

MgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、非導電性酸化物であるマグネシウム酸化物と、導電性酸化物であるTiOを主成分とする酸化チタンとの混合相の焼結体からなり、MgO相の大きさが最大でも10μmでかつDCスパッタ時にパーティクル発生の少ないスパッタリングターゲットの製造方法を提供する。【解決手段】Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加熱することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉を調製する工程1と、前記混合粉を非酸化雰囲気で焼結することにより、混合焼結体を作製する工程2とを有するMgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、Mg粉及びTiO2粉の混合粉を焼結することにより、MgO相とTiO相を主とする混合相からなり、かつ、パーティクル発生の少ないスパッタリングターゲットを作製する方法を提供する。
従来から、基板上への薄膜形成技術としてスパッタリング法が知られている。このスパッタリング法では、真空容器内に導入されたアルゴン等の希ガス元素がプラズマ化し、このプラズマ化された希ガス元素がスパッタリングターゲットに衝突することによって、スパッタ粒子がターゲットから飛び出し、これが基板上に堆積して薄膜が形成される。
このようなスパッタリング法が適用されるターゲットの製造工程には、大きく分けて溶解法と焼結法の2種類ある。溶解法は金属及びその合金に多く用いられる。一方、焼結法は融点が高く、溶解することが比較的容易でない酸化物、窒化物、硫化物等のセラミックスに多く用いられる。一般的に溶解法で作製される金属及びその合金からなるターゲットは導電性であり、ターゲットに印加する電源にDC(直流)を利用するDCスパッタが可能であるが、焼結法で作製される酸化物、窒化物、又は硫化物等のセラミックスからなるターゲットの多くは非導電性であり、DCスパッタは難しく、ターゲットに印加する電源にRF(高周波)を利用するRFスパッタが用いられる。
しかし、非特許文献1によると、RFスパッタしていると考えられる酸化物ターゲットの成膜速度はSiO2で0.03〜0.09μm/分、Al23で0.03〜0.06μm/分と、DCスパッタしている金属ターゲットの成膜速度に比べて、約1桁低い(非特許文献1のP.32)。本発明に係る対象材と同じ系統であるMgOターゲットの成膜速度は、非特許文献1によれば0.003μm/分と、SiO2やAl23よりさらに1桁低くなっている。一方、透明導電膜と基板の間に、MgO薄膜又はTiO2/SiO2混合薄膜からなる中間膜を設けた低界面反射導電膜等(例えば、特許文献1)、酸化物ターゲットを用いた成膜形成技術には需要があり、改善が望まれている。
成膜速度は、実際にスパッタして種々の素子を作製する場合にその生産性に大きく影響を与える因子であり、成膜速度が低いと、素子を作製する生産性が低下し、素子の製造コストを上げる要因となる。
成膜速度が低いという問題以外に、非特許文献1によると、RFスパッタによる方式は、大きな電源がなく大面積基板には向かないこと、基板が加熱されること、化合物ターゲットの価格が高いこと、RF電源のサイズが大きくて場所を取ること、電力当たりの電源価格が高いという問題がある(非特許文献1のP.69〜70)。
これらの問題に対して、特許文献2では、絶縁物であるMgOを含む非導電性物質に導電性物質TiOを添加して、ターゲット全体を導電性物質としてDCスパッタリングを可能にしている。
特開2000−222945号公報 国際公開第2014/156497号
小島啓安著 「現場のスパッタリング薄膜Q&A」 日刊工業新聞社発行 2008年8月25日 初版1刷発行
しかしながら、特許文献2に記載された導電性スパッタリングターゲットを作製する場合には、次のような問題がある。すなわち、DCスパッタが可能なスパッタリングターゲットは、絶縁物MgO源であるMgO粉と導電性物質TiO源であるTiO粉とをボールミルで混合した後、焼結工程を経て作製している。
その結果、MgO−TiO焼結体では、例えば、MgO:TiO=50:50の場合、最長径(大きさ)が50μm以上あるMgO相の個数が多くなる。これはMgO相及びTiO相の混合相を得るために、MgO粉及びTiO粉を使用していることによるものである。最長径が50μm以上、或いは少なくとも30μm以上あるMgO相の個数が多くなるということは、焼結体中のMgO相自体の面積が大きくなり、該焼結体をターゲットとしてスパッタリングを行うとパーティクルの発生が多くなることが経験的に知られている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合相の焼結体からなり、パーティクル発生の少ないスパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のMgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法は、Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加熱することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉を調製する工程1と、前記混合粉を非酸化雰囲気で焼結することにより、混合焼結体を作製する工程2とを有することを特徴とする。
本発明のMgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法のもう一つの形態は、Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加圧しながら焼結することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合焼結体を作製するというものである。
つまり、本発明におけるスパッタリングターゲットの作製方法は、Mg粉及びTiO2粉を用いて、特定の方法で焼結することにより、DCスパッタ時にパーティクル発生の少ないMgO−TiO系焼結体ターゲットを製造する方法である。
前記原料混合粉は、30〜70mol%のMg粉と70〜30mol%のTiO2粉とからなることが好ましい。ただし、Mg粉及びTiO2粉の合計100mol%である。
本発明によれば、Mg粉及びTiO2粉の原料混合粉を用いて、該原料混合粉を反応後、焼結させるか、或いはいわゆる反応焼結を行うことにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合相の焼結体からなり、最長径が50μm以上、或いは少なくとも30μm以上あるMgO相の個数を抑え、パーティクル発生が少ないスパッタリングターゲットを作製することができる。
図1は、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉を非酸化雰囲気で焼結して得られた実施例2の焼結体のミクロ組織のSEM像である。 図2は、MgO粉及びTiO粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加圧下に焼結して得られた比較例2の焼結体のミクロ組織のSEM像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のMgO−TiO系スパッタリングターゲット(以下単に「ターゲット」ともいう。)の製造方法は、Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加熱することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉を調製する工程1と、前記混合粉を非酸化雰囲気で焼結することにより、混合焼結体を作製する工程2とを有する。
本発明の実施の形態を工程1、工程2の順に説明する。
まず、原料としてMg粉及びTiO2粉を用意する。Mg粉末には、平均粒径が通常150μm以下、好ましくは75μm以下、TiO2粉末には、平均粒径が通常45μm以下、好ましくは10〜30μmのものを使用する。前記原料粉の粒径が前記範囲を超えると、均一な混合が難しくなり、また結晶粒の粗大化や粒界偏析が起こることがある。そのため、原料粉の粒径は小さい方が良いが、TiO2は微細化が難しいため、平均粒径1μm以上とするのが好ましい。なお、Mg粉及びTiO2粉の粒径を選択することは、原料粉の比表面積が制御されて、混合焼結体に高い相対密度を与えることに繋がる。
次いで、Mg粉及びTiO2粉をそれぞれ秤量し、公知の粉砕方法を用いて粉砕・混合する。粉砕方法は、例えば、湿式又は乾式によるボールミル、振動ミル、ビーズミル等である。本発明では、粉と粉の混合に一般的に用いられるボールミルが用いられる。原料混合粉において、Mg粉の含有量は30〜70mol%が好ましく、45〜55mol%がより好ましい。一方、TiO2粉の含有量は70〜30mol%が好ましく、55〜45mol%がより好ましい。ただし、Mg粉及びTiO2粉の合計100mol%である。
Mg粉の含有量が70mol%を超えると、ターゲットにおいて、非導電性であるMgO相の割合が高くなり、DCスパッタが可能なバルク抵抗が得られ難くなる。また、スパッタ中にMgO相に電子が集中する、いわゆるチャージアップ現象が起こり、アーキングの発生原因となる。アーキングが発生すると、ターゲット表面の焼結体の一部がクラスター状に飛散し、パーティクルの発生原因となる。一方、Mg粉の含有量が30mol%未満では、得られる薄膜の性状が酸化チタンそのものに近く、DCスパッタ用MgO−TiO系ターゲットを作製するという所期の目的を達しない。
さらに、前記Mg粉及びTiO2粉は等モル量で使用することが特に好ましい。Mg粉をTiO2粉より多くのモル量で使用すると、得られる焼結体ターゲットにおいて、MgO相及びTiO相は、TiO2と等モル量生成するが、Mg相が残り、スパッタリングを行う際に制約を生ずる。一方、TiO2粉をMg粉より多くのモル量で使用すると、MgO相とTiO相がMgと等モル量生成し、TiOにならなかったTiO2がTiO2として残るか、TiOよりチタン価数の高いTi23とTiOの混合相になる場合がある。
Mg粉及びTiO2粉を等モル量ずつ使用すると、MgO相とTiO相が等モル量の割合で生成する。
工程1では、前記混合粉を粉砕機から取り出し、真空熱処理炉等の熱処理装置に入れて、非酸化雰囲気で加熱することにより、マグネシウム酸化物と、TiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉(以下単に「混合粉」という。)を調製する。加熱温度は通常550〜900℃、好ましくは600〜800℃、加熱時間は通常0.25〜1.5時間、好ましくは0.5〜1時間である。非酸化雰囲気は、窒素、ヘリウム及びアルゴン等の不活性ガス、又は一酸化炭素及び炭化水素ガス等の還元性ガスのいずれの雰囲気でもよい。
前記混合粉において、マグネシウム酸化物はその組成のほとんどがMgOである。一方、酸化チタンはTiO(酸化チタン(II))を主成分とし、その他にTiO2(酸化チタン(IV))、Ti23(酸化チタン(III))、Ti25及びTi2O等、種々のチタン価数の組成を含んでいる。酸化チタン中のTiOの割合は、概ね80〜99mol%である。
本発明に係るターゲットは、マグネシウム酸化物と、TiOを主成分とする酸化チタンとの混合焼結体である。工程2では、前記混合粉を焼結装置内で、非酸化雰囲気で焼結する。このとき、焼結温度は、通常1000〜1400℃、好ましくは1150〜1250℃であり、焼結時間は、通常0.25〜1.5時間、好ましくは0.5〜1時間である。ここで、焼結とは、ホットプレス法、常圧焼結法、HIP法(熱間等方圧加圧法)、及びSPS法(放電プラズマ焼結法)等により、粉末を高温で固めることをいう。非酸化雰囲気は、前記と同様であり、不活性ガス及び還元性ガスのいずれの雰囲気でもよい。また、工程2は、通常は常圧で行われるが、必要に応じて1〜1000Pa程度の減圧下で行ってもよい。
本発明のもう一つの実施の形態は、前記原料混合粉を非酸化雰囲気で加圧しながら焼結することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合焼結体を作製する工程を有する。
前記もう一つの実施の形態では、Mg粉及びTiO2粉の混合粉の反応と焼結とを同時に行う反応焼結法が用いられる。反応焼結法は、一段階でターゲットを製造できるため、生産性の面で優れた方法である。
反応焼結法では、原料混合粉を焼結装置内で、3000Pa以下、具体的には、1〜1000Paの減圧下で焼成する。焼結温度は、通常1100〜1400℃、好ましくは1150〜1250℃であり、焼結時間は、通常0.25〜1.5時間、好ましくは0.5〜1時間である。非酸化雰囲気は、前記したとおり、不活性ガス及び還元性ガスのいずれの雰囲気でもよい。
前記の2つの実施形態ではいずれも、MgO−TiO系ターゲットとなる混合焼結体を効率良く作製することができる。
本発明では、原料として、Mg粉及びTiO2粉を用いることで、従来のMgO−TiO系ターゲットの製造時の焼結温度に比べて約200℃低い、600〜800℃で行うことが可能となる。このように大幅に焼結温度を低下することで、結晶粒の粒成長が抑制され、結晶粒が微細化されることとなる。結果として、MgO相及びTiO相を形成する結晶粒の大きさが小さくなる。本発明に係るMgO−TiO系ターゲットは、従来のMgO−TiO系ターゲットに比べて、最長径が50μm以上、或いは少なくとも30μm以上のMgO相の個数が少ない。実際に、本発明では、MgO相の最長径が、最も大きくても10μm、平均して3μm以下であるターゲットを製造することができる。これは、例えば、MgO粉及びTiO粉を原料に作製した焼結体におけるMgO相より小さいのが特徴である。本発明に係るターゲットにおいて、最も大きい最長径でも10μmであるMgO相の個数は1mm2当たり3個以下である。なお、最長径とは、ターゲットの表面を部分的に削り取って光学顕微鏡で観察したときのMgO相の最大長さを指す。
このようなMgO相の小さいターゲットはDCスパッタに好適であり、また、前記のとおり、スパッタ時にアーキング現象を回避できるため、パーティクル発生を大幅に低減することができる。
前記混合焼結体は、TiO相を含むため、ターゲット全体として導電性を有し、DCスパッタリングが可能である。TiOの比抵抗は0.31mΩ・cmである。なお、比抵抗は四端針法で測定する。
TiOはMgOと同じ立方晶でNaCl型の結晶構造を持ち、かつ、その格子定数も4.172Åであり、MgOの格子定数4.208Åと近い。また、TiOは、MgOと同様に酸化物であるから、MgOとの整合性も高く、形成される薄膜の結晶構造がMgO単体の結晶構造と同様となり、従来の酸化マグネシウム単独の膜と比べて、その特性を損なうことがない。
前記混合焼結体の相対密度は95%以上、好ましくは98%以上である。相対密度を95%以上にすることで、比抵抗を10Ωcm以下にすることができる。このような高密度の焼結体からなるターゲットは、スパッタ時にパーティクルの発生量を低減することができる。
なお、本発明に係るターゲットは、マグネシウム酸化物相とTiOを主成分とする酸化チタン相からなるが、本発明の効果を損なわない範囲内で、例えば、製造過程で生じ得る酸化物及び窒化物等の不可避的な成分を含有することを排除するものではない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
Mg粉及びTiO2粉をモル比が30:70となるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、ボールミルで12時間混合した。得られた混合粉を取り出し、ホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を800℃、焼結時間を1時間、焼成雰囲気をアルゴンとした。得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは8μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、0.41mΩcmであった。
次にその焼結体を、スパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は8ケであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
Mg粉及びTiO2粉をモル比が50:50となるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、ボールミルで12時間混合した。得られた混合粉を取り出し、真空熱処理炉内で加熱温度700℃、処理時間5時間で真空加熱処理を行った。熱処理後の混合粉をホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を800℃、焼結時間を1時間、焼成雰囲気をアルゴンとした。得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは9μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、0.71mΩcmであった。
次にその焼結体を、スパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は17ケであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
Mg粉及びTiO2粉をモル比が70:30となるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、ボールミルで12時間混合した。得られた混合粉を取り出し、ホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を800℃、焼結時間を1時間、焼結雰囲気をアルゴンとした。得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは10μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、1.9mΩcmであった。
次にその焼結体を、スパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は38ケであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
MgO粉及びTiO粉をモル比が30:70となるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、ボールミルで12時間混合した。得られた混合粉を取り出し、ホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を1220℃、焼結時間を1時間、焼結雰囲気をアルゴンとした。得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは48μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、0.43mΩcmであった。
次に、その焼結体をスパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は64ケであった。結果を表2に示す。
[比較例2]
MgO粉及びTiO粉をモル比が50:50になるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、ボールミルで12時間混合した。ボールミルで混合して得た混合粉を取り出し、ホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を1200℃、焼結時間を1時間、焼結雰囲気をアルゴンとした。焼結して得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは56μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、0.73mΩcmであった。
次にその焼結体を、スパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は75ケであった。結果を表2に示す。
[比較例3]
MgO粉及びTiO粉をモル比が70:30となるように秤量して、ボールミル用容器に装入した後、容器をボールミルで12時間混合した。得られた混合粉を取り出し、ホットプレス焼結炉の内径76.2mmのカーボン型に装入し、焼結した。焼結条件は、焼結温度を1180℃、焼結時間を1時間、焼結雰囲気をアルゴンとした。焼結して得られた焼結体のMgO相を光学顕微鏡でφ200μmの視野を10ヶ所観察したところ、最大大きさは68μmであった。また、四端子比抵抗測定装置で焼結体の表面の比抵抗を測定したところ、2.0mΩcmであった。次に、その焼結体をスパッタリングターゲットの形状である外径75mmで厚さ5mmの円盤状に機械加工した後、銅製で該スパッタリングターゲットと同形状のバッキングプレートに低融点金属であるインジウムで接着し、スパッタリング装置で外径6インチのシリコン基板上にスパッタリングした。その成膜厚さは10nmとした。スパッタリングを終了し、トプコン社製WM−3によりシリコン基板上のパーティクル数を測定した結果、パーティクル数は322ケであった。結果を表2に示す。

Claims (3)

  1. Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加熱することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合粉を調製する工程1と、
    前記混合粉を非酸化雰囲気で焼結することにより、混合焼結体を作製する工程2とを有するMgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法。
  2. Mg粉及びTiO2粉を含有する原料混合粉を非酸化雰囲気で加圧しながら焼結することにより、マグネシウム酸化物とTiOを主成分とする酸化チタンとの混合焼結体を作製する、MgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 前記原料混合粉が、30〜70mol%のMg粉と70〜30mol%のTiO2粉とからなる請求項1又は2に記載のMgO−TiO系スパッタリングターゲットの製造方法。
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