JP7165023B2 - 酸化マグネシウムスパッタリングターゲット - Google Patents

酸化マグネシウムスパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、磁気ディスク装置用の磁気記録媒体やトンネル磁気抵抗(TMR)素子といったエレクトロデバイスにおける酸化マグネシウム(MgO)層の形成に適した酸化マグネシウムスパッタリングターゲットに関し、特に、スパッタ時に、パーティクルの発生が少ない、酸化マグネシウムスパッタリングターゲットに関する。
磁気ディスクの小型化・高記録密度化に伴い、磁気記録媒体の研究、開発が行われ、磁性層や下地層などについて種々改良が行われている。また、不揮発性メモリーの分野では、例えば、スピントルク型の磁気抵抗メモリー(MRAM)は、TMR素子に流れる電流の、トンネル接合を介して流れる電子のスピンにより磁化を制御することにより、従来型のMRAMに比べて、低消費電力且つ小型化を可能とした。
このTMR素子のトンネル接合部分に酸化マグネシウム(MgO)を用いると、その特性が格段に改善することから、MgOトンネル接合をどのように作製するかがカギとなる。MgO膜の作製方法として、スパッタリングターゲットに、マグネシウム(Mg)ターゲットを用いて成膜後に酸化させる方法と、酸化マグネシウム(MgO)ターゲットを用いて成膜する方法があるが、後者の方が、磁気抵抗効果が大きく、高特性が得られるとされている。
従来から、MgO焼結体を、スパッタリングターゲットとして用いることは知られている。例えば、特許文献1には、スパッタ法によるMgO保護膜の成膜に好適なMgOターゲットが開示されている。この文献によると、スパッタ成膜速度1000Å/min以上に対応可能であることが記載されている。しかしながら、このような従来品は、スパッタリング時にパーティクルが多く発生し、製品の歩留まりを大きく低下させるという問題が発生していた。
また、特許文献2には、(111)面を多く配向させたMgO焼結体ターゲットが開示されている。この文献によれば、ターゲットの機械的性質及び熱伝導性が良好であることが記載されている。また、特許文献3には、平均結晶粒径が8μm以下、X線回折によるピーク強度比I(111)/I(200)が8%以上25%未満である酸化マグネシウム焼結体スパッタリングターゲットが開示されている、これによれば、優れた絶縁耐性と均質性を有するスパッタ膜を作製できることが記載されている。
酸化マグネシウム焼結体は、MgO粉末を焼結することで作製することができ、作製自体はそれほど困難ではないが、MgO焼結体からなるスパッタリングターゲットは、特にパーティクルが発生し易いということがある。しかしながら、上記特許文献に開示される焼結体では、パーティクルは十分に低減できないという問題があった。特に近年では、TMR素子の主要部であるトンネル接合部分において、許容されるパーティクルに対する要求は、ますます厳しいものとなってきている。
特開平10-130827号公報 特開2009-173502号公報 国際公開第2013/065564号
本発明は、酸化マグネシウムからなるスパッタリングターゲットであって、スパッタリング時にパーティクルの発生が少ないターゲットを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、スパッタリングターゲットを構成するMgOの結晶配向及び結晶粒径を適切に制御することで、スパッタリング時のパーティクルの発生を抑制することができる、との知見を得た。
このような知見に基づき、本願は、以下の発明を提供する。
1)酸化マグネシウム焼結体からなるスパッタリングターゲットであって、スパッタ面の(200)面の配向率が0.5以上であり、平均結晶粒径が30μm以上であることを特徴とする酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
2)前記スパッタ面の(200)面の配向率が0.7以上であることを特徴とする上記1)記載の酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
3)相対密度が99.7%以上であることを特徴とする上記1)又は2)記載の酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
本発明の酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタリング時のパーティクルの発生を抑制することができるという優れた効果を有する。これにより、例えばTMR素子のトンネル障壁(絶縁層)を形成する場合に、そのデバイス特性を改善することができ、また、歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。
酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、通常、ホットプレスなどの焼結法を用いて作製される。本発明者らは、スパッタリングターゲットの結晶組織を観察して、スパッタ面と結晶配向との関係性について鋭意研究したところ、スパッタ面において(200)面が強く配向していると、スパッタリング時に発生するパーティクル(微小なゴミ)が減少する傾向が見られるとの知見が得られた。
また、スパッタリングターゲットの結晶粒を微細化することで、パーティクルを低減することが広く行われていることから、酸化マグネシウムターゲットにおいても同様に焼結条件等を調整して結晶粒の微細化を行うことが考えられた。しかしながら、結晶粒を微細化しても、パーティクルを十分に低減することは困難であり、却って、結晶粒が小さいと、パーティクルが増加することが分かった。
このようなことから、本発明に係る酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタ面の(200)面の配向率が0.5以上であり、平均結晶粒径が30μm以上であることを特徴とするものである。このような酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタリング時に発生するパーティクル数を低減することができる、という優れた効果を有する。
さらに、本発明に係る酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタ面の(200)面の配向率が0.7以上であることが好ましい。このような酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタリング時に発生するパーティクル数を著しく低減することができるという優れた効果を有する。また、平均結晶粒径は50μm以上であることがさらに好ましく、一方、結晶粒が粗大化しすぎると、パーティクルが増加するおそれがあることから、平均結晶粒径300μm以下であることが好ましい。
(200)面の配向率は、以下の式に示す通り、スパッタ面における(200)面のXRDピーク強度をI(200)、(111)面のXRDピーク強度をI(111)、(220)面のXRDピーク強度を (220) としたときに、これらのXRDピーク強度の総和に対する、(200)面のXRDのピーク強度の比を意味する。
(200)面の配向率=I(200)/{I(111)+I(200)+I(220)
本発明において「スパッタ面」とは、スパッタリングプロセスにおいて、プラズマに曝され、イオン衝突によってターゲットを構成する粒子が飛び出す、基板に対向する側の面を意味する。
但し、通常スパッタリングターゲットは、バッキングプレートに接合されて使用されるが、使用前のターゲットは、どちら側が「スパッタ面」或いは「バッキングプレートに接合される側の面」であるかを区別できないため、どちらか一方の面が本発明の範囲に含まれていれば、その面を「スパッタ面」とする。なお、ターゲットの側面(板厚方向)もスパッタされることがあるが、その面は「スパッタ面」に含まない。
上述の通り、結晶配向及び結晶粒径を調整することでスパッタリング時に発生するパーティクルを減らすことできるが、緻密な焼結体とすることで、さらにパーティクルの発生を抑制することができる。特に、相対密度を99.7%以上、さらには、相対密度99.9%以上とすることにより、パーティクルを抑制することができる。
本発明に係る酸化マグネシウムスパッタリングターゲット(焼結体)は、以下の方法によって、作製することができる。
まず、原料として、平均粒径が5μm以下のMgO粉を用意する。平均粒径がこの範囲のものであれば、市販品を用いることもできる。原料粉の粒径が、この範囲を超えると焼結性の低下によって高密度化が阻害されるため好ましくない。原料の純度は、99.99wt%以上のものを使用するのが好ましい。不純物の存在は半導体デバイスの歩留まり低下に大きく影響するためである。
次に、このMgO粉末を真空中、最高焼結温度:1300~1800℃、荷重:100~400kg/cmの条件で、一軸加圧焼結(ホットプレス)を行う。最高焼結温度が1300℃未満であると高密度な焼結体が得られ難く、一方、1800℃超であると、ダイス等の成分が焼結体に拡散するため、好ましくない。また、荷重が100kg/cm未満であると緻密な焼結体が得られ難く、400kg/cmを超えると結晶粒が粗大化し易いため、好ましくない。
最高焼結温度での保持時間は、3~6時間とすることが好ましい。最高温度に到達してから、十分な時間をおくことにより、温度分布が小さくなり、焼結の進行が均一になり、焼結体内外での焼結状態を均一にすることができる。また、昇温速度は5℃/min以下、降温速度は-5℃/min以下とすることが好ましい。これによりも、急速に昇温又は降温すると、所望の結晶配向が得られ難くなるため好ましくない。
なお、焼結条件において、例えば、焼結温度が1700℃、保持時間が6時間、荷重が400kg/cm、昇温速度5℃/min、降温速度-5℃/minのように各々の焼結条件を上述の範囲としても、所望の結晶配向や結晶粒径にならない場合がある。しかしながら、低温、低荷重、短時間の焼結により、結晶粒の成長を抑制でき、また、緩やかな昇温速度/降温速度とすることにより、(200)面が配向しやすくなることから、それら条件を適宜、調整することで、所望の結晶粒径を得ることができる。
このようにして得られた酸化マグネシウム焼結体を旋盤等により所望の形状に加工することで、スパッタリングターゲットとする。このようにして得られた酸化マグネシウムスパッタリングターゲットは、スパッタリング時のパーティクルの発生を、著しく抑制することができる。
本開示おける評価方法は、実施例、比較例を含め、以下の通りである。
(平均結晶粒径について)
ターゲットのスパッタ面(研磨面)をレーザー顕微鏡により観察し組織写真を得る。次に、組織写真上に直線を引き、線の上に乗る粒界の個数を数える。そして、線の長さをL(μm)、粒界の個数をn(個)として、結晶粒径d(μm)をd=L/nから算出する(切片法)。このとき、写真上に引く線の数は、縦(写真の短手方向を縦方向とする)、横(写真の長手方向を横方向とする)、等間隔で2本ずつとし、1枚の写真(視野)において、計4本の平均値を、1視野の結晶粒径とする。なお、写真の長さが同じ程度である場合は、いずれか一方を縦方向として一方を横方向とする。
また、同様の操作を、ターゲット(円盤状)のスパッタ面に対して中心1点、および、中心とスパッタ面の端部とを結ぶ線を半径として、この半径の1/2となる円周上の点について、中心を基準として90°間隔で選択した4点、の計5点について行い、この5点の平均値を、本発明における平均結晶粒径と定義する。
なお、SEMの倍率は1つの線上に縦方向で7~14個程度、横方向で10~20個程度の粒界が乗るような倍率とする。なお、写真の長さが同じ程度である場合は、いずれか一方の1つの線上に7~20個程度の粒界が乗るような倍率とする。
(結晶配向について)
スパッタリングターゲットのスパッタ面における(200)面、(111)面、(220)面のXRDピーク強度を求める。測定条件は、以下の通りとする。
[測定条件]
装置:X線回折装置(例えば、リガク社製UltimaIV)
管球:Cu-Kα線
管電圧:40kV
電流:30mA
測定方法:2θ-θ反射法
ここで(200)面、(111)面、(220)面は、ICDD(International Centre for Diffraction Data)01-071-3631のMgOを参考にして、歪などによるピークシフトを考慮して、参照値から±1°の範囲での最大のピーク強度をそれぞれのピーク強度とする。
(相対密度について)
スパッタリングターゲットとなる焼結体からサンプルを切り出し、アルキメデス法により見掛け密度を算出する。そして、見掛け密度を理論密度(3.585g/cm)で除して100倍したものを相対密度(%)と定義する。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例は、あくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意した。次に、このMgO粉末2400gを、内径206mmのグラファイトダイスに充填し、ホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、最高温度1550℃とし、300kg/cmで加圧した。また、保持時間を6時間とした。このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は、50μmであった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率は0.65であり、スパッタ面において(200)面が強く配向していることを確認した。また、スパッタリングターゲットの密度を測定した結果、相対密度99.9%以上であった。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、スパッタリングを実施した。スパッタリング条件は、投入電力1kW、Arガス圧1.7Paとし、シリコン基板上に成膜した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ39個と十分に少ないものであった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007165023000001
(実施例2-7)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、それぞれ表1に記載する条件で行った。その後、このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径はいずれも30μm以上の範囲内であった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、いずれも(200)面の配向率が0.5以上であり、スパッタ面において(200)面が強く配向していることを確認した。また、スパッタリングターゲットの密度を測定した結果、相対密度99.7%以上であった。
次に、それぞれのターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、いずれも50個以下と十分に少ないものであった。
(実施例8)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、それぞれ表1に記載する条件で行った。その後、このようにして得られた焼結体について、HIP(熱間等方加圧)処理を行った。HIP処理の条件は、温度1400℃、圧力1000kgf/cm、保持時間3時間とした。その後、この焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は30μm以上の範囲内であった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率が0.5以上であり、(220)面がより強く配向していることを確認した。また、スパッタリングターゲットの密度を測定した結果、相対密度99.9%以上であった。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、50個以下と十分に少ないものであった。
(比較例1)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、表1に記載する条件で行った。このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は15μmと、30μm以上の範囲を逸脱するものであった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率が0.38であり、(220)面が強く配向するものではないことを確認した。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、120個以上とパーティクルが著しく多いものであった。
(比較例2)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、表1に記載する条件で行った。このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は50μmであった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率が0.37であり、(220)面が強く配向するものではないことを確認した。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、85個以上とパーティクルが著しく多いものであった。
(比較例3)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、表1に記載する条件で行った。このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は90μmであった。また、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率が0.46であり、(220)面が強く配向するものではないことを確認した。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、95個以上とパーティクルが著しく多いものであった。
(比較例4)
原料粉として、平均粒径1μm、純度4N(99.99%)のMgO粉末を用意し、実施例1と同様にホットプレス装置を用いて成形、焼結した。ホットプレスの条件は、表1に記載する条件で行った。このようにして得られた焼結体を、旋盤等を用いて、ターゲット形状に仕上げた。
スパッタリングターゲットのスパッタ面をレーザー顕微鏡で観察した結果、平均結晶粒径は25μmであり、30μm以上の範囲を逸脱するものであった。なお、ターゲットの結晶配向性をXRDで評価した結果、(200)面の配向率が0.51であり、(220)面が強く配向していることを確認した。
次に、ターゲットをスパッタ装置に取り付け、実施例1と同様の条件で、スパッタリングを実施した。シリコン基板上の薄膜について、パーティクルカウンターを用いて、0.06μm以上のパーティクルの個数を調べたところ、65個以上とパーティクルが著しく多いものであった。
本発明の酸化マグネシウム(MgO)スパッタリングターゲットは、パーティクルの発生を抑制することができるという優れた効果を有する。本発明のMgOスパッタリングターゲットは、スピネル型MRAMに用いられTMR素子のトンネル膜として、特に有用である。

Claims (3)

  1. 酸化マグネシウム焼結体からなるスパッタリングターゲットであって、スパッタ面の(200)面の配向率が0.5以上であり、平均結晶粒径が30μm以上であり、相対密度が99.7%以上であることを特徴とする酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
  2. 前記スパッタ面の(200)面の配向率が0.70以上であることを特徴とする請求項1記載の酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
  3. 前記スパッタ面の(200)面の配向率が0.82以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化マグネシウムスパッタリングターゲット。
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