JPWO2017164024A1 - 光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 - Google Patents

光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有し、且つ、耐熱性に優れた光学フィルターを提供することにある。本発明の光学フィルターは、600〜1150nmに吸収極大を有する化合物(S)、および、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤(P)を含む基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有することを特徴とする。

Description

本発明は、光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置に関する。詳しくは、特定の波長域に吸収を有する化合物と、特定の構造を有する酸化防止剤とを含む基材を有する光学フィルター、ならびに該光学フィルターを用いた固体撮像装置およびカメラモジュールに関する。
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などの固体撮像装置にはカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSイメージセンサーが使用されているが、これら固体撮像素子は、その受光部において人間の目では感知できない近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードが使用されている。これらの固体撮像素子では、人間の目で見て自然な色合いにさせる視感度補正を行うことが必要であり、特定の波長領域の光線を選択的に透過もしくはカットする光学フィルター(例えば近赤外線カットフィルター)を用いることが多い。
このような光学フィルターとしては、従来から、各種方法で製造されたものが使用されている。例えば、基材として透明樹脂を用い、透明樹脂中に近赤外線吸収色素を含有させた近赤外線カットフィルターが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、本出願人は、鋭意検討の結果、特定の波長領域に吸収極大がある近赤外線吸収色素を含有する透明樹脂製基板を用いることで、入射角度を変化させても光学特性の変化が少ない近赤外線カットフィルターが得られることを見出し、広い視野角および高い可視光透過率を兼ね備えた近赤外線カットフィルターを提案している(特許文献2参照)。
特開平6−200113号公報 特開2011−100084号公報
近年では、モバイル機器等においてもカメラ画像に要求される画質レベルが非常に高くなってきており、光学フィルターにおいても高い可視光透過率および近赤外波長域における高い光線カット特性が必要となってきている。しかしながら、従来の光学フィルターでは、採用されている近赤外線吸収色素の耐熱性能が十分でなく、製造時の加熱プロセスにおける色素の分解や光学フィルターの長期信頼性が問題となる場合があった。特に、吸収波長が800nmを超える色素は分子のHOMOエネルギーが高くなる(分子が不安定化する)ため、この傾向が顕著である。
本発明は、高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有し、且つ、耐熱性に優れた光学フィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の波長域に吸収極大を有する化合物と分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤とを組み合わせることで、高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有し、且つ、耐熱性能に優れた光学フィルターが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の態様の例を以下に示す。
[1] 600〜1150nmに吸収極大を有する化合物(S)、および、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤(P)を含む基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する光学フィルター。
[2] 前記基材が樹脂を含む項[1]に記載の光学フィルター。
[3] 前記樹脂が透明樹脂である項[2]に記載の光学フィルター。
[4] 前記酸化防止剤(P)が、前記透明樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部の範囲で含まれている項[3]に記載の光学フィルター。
[5] 前記酸化防止剤(P)の融点が100〜250℃である項[1]〜[4]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[6] 前記酸化防止剤(P)が下記式(p)で表わされる構造を有する化合物である項[1]〜[5]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
Figure 2017164024
式(p)中、*は結合手を示す。
[7] 前記酸化防止剤(P)が下記式(I)〜(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
Figure 2017164024
式(I)〜(III)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を示し、nは0〜5の整数、mは0または1である。
[8] 前記透明樹脂が、環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である項[3]または[4]に記載の光学フィルター。
[9] 可視光線と近赤外線の一部を選択的に透過する項[1]〜[8]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[10] 項[1]〜[9]のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
[11] 項[1]〜[9]のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
本発明によれば、特定の波長域に吸収極大を有する化合物と分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤とを組み合わせることで、高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有し、且つ、耐熱性能に優れた光学フィルターを提供することができる。
図1は、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率を測定する方法を示す概略図である。 図2は、実施例2で得られた基材の分光透過スペクトルである。 図3は、本発明の光学フィルターの好ましい構成の例を示した模式図である。 図4は、実施例2で得られた光学フィルターの分光透過スペクトルである。 図5は、実施例20で得られた光学フィルターの分光透過スペクトルである。 図6は、比較例1で得られた基材の分光透過スペクトルである。
以下、本発明について具体的に説明する。
[光学フィルター]
本発明に係る光学フィルターは、波長600nm〜1150nmに吸収極大を有する化合物(S)、および、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤(P)を含む基材(i)と、前記基材(i)の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する。このような構成を有する本発明の光学フィルターは、高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有し、且つ、耐熱性に優れている。
本発明の光学フィルターを固体撮像素子などに使用する場合、可視光透過率が高い方が好ましく、近赤外波長領域においては透過率が低い方が好ましい。具体的には、波長430〜580nmの領域において、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の平均透過率が好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは83%以上、特に好ましくは85%以上である。また、波長800〜1150nmの領域において、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の平均透過率が好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。この波長域において平均透過率がこの範囲にあると、本発明の光学フィルターを固体撮像素子用途として使用した場合、近赤外線を十分にカットすることができ、優れた色再現性を達成できるため好ましい。
本発明の光学フィルターを近赤外センシング機能を併せ持つ固体撮像素子などに使用する場合、光学フィルターは、波長700〜1100nmの領域に光線阻止帯Za、光線透過帯Zb、光線阻止帯Zcを有する。ただし、それぞれの帯域の波長はZa<Zb<Zcである。なお、前記「Za<Zb<Zc」は、各帯域の中心波長がこの式を満たせばよく、各帯域長波長側または短波長側は、一部、他の帯域と重なっていてもよい。例えば、Zaの長波長側とZbの短波長側は一部重なっていてもよい。光線(近赤外線)透過帯Zbの最大透過率は高い方が好ましく、光線阻止帯ZaおよびZcの最小透過率は低い方が望ましい。
本発明の誘電体多層膜は、近赤外線を反射する能力を有する膜である。本発明では、近赤外線反射膜は前記基材(i)の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。片面に設ける場合、製造コストや製造容易性に優れ、両面に設ける場合、高い強度を有し、反りやねじれが生じにくい光学フィルターを得ることができる。光学フィルターを固体撮像素子用途に適用する場合、光学フィルターの反りやねじれが小さい方が好ましいことから、誘電体多層膜を前記基材(i)の両面に設けることが好ましい。
本発明の光学フィルターの厚みは、所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、近年の固体撮像装置の薄型化、軽量化等の流れによれば、本発明の光学フィルターの厚みも薄いことが好ましい。本発明の光学フィルターは、前記基材(i)を有することから、薄型化が可能である。
本発明の光学フィルターの厚みは、例えば、好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは150μm以下、特に好ましくは120μm以下であることが望ましく、下限は特に制限されないが、例えば、20μmであることが望ましい。
[基材(i)]
前記基材(i)は、化合物(S)および酸化防止剤(P)を含み、好ましくは樹脂、より好ましくは透明樹脂をさらに含む。以下、化合物(S)および酸化防止剤(P)から選ばれる少なくとも1種と透明樹脂とを含有する層を「透明樹脂層」ともいい、それ以外の樹脂層を単に「樹脂層」ともいう。
前記基材(i)は、単層であっても多層であってもよい。基材(i)が単層の場合は、例えば、化合物(S)と酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板(ii)からなる基材を挙げることができ、この透明樹脂製基板(ii)が前記透明樹脂層となる。多層の場合は、例えば、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材、化合物(S)を含む透明樹脂製基板(iii)上に酸化防止剤(P)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材、酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板(iv)上に化合物(S)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材、化合物(S)と酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材などを挙げることができる。製造コストや光学特性調整の容易性、さらに、樹脂製支持体や透明樹脂製基板(ii)の傷消し効果を達成できることや基材(i)の耐傷つき性向上等の点から、化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材が特に好ましい。
基材(i)の波長430〜580nmにおける平均透過率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上、特に好ましくは80%以上である。このような透過特性を有する基材を用いると、可視域において高い光線透過特性を達成でき、高感度なカメラ機能を達成することができる。
前記基材(i)の厚みは、所望の用途に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは15〜180μm、特に好ましくは20〜150μmである。
基材(i)の厚みが前記範囲にあると、該基材(i)を用いた光学フィルターを薄型化および軽量化することができ、固体撮像装置等の様々な用途に好適に用いることができる。特に、前記透明樹脂製基板(ii)からなる基材(i)をカメラモジュール等のレンズユニットに用いた場合には、レンズユニットの低背化、軽量化を実現することができるため好ましい。
<化合物(S)>
化合物(S)は、波長600nm〜1150nmに吸収極大を有すれば特に制限されないが、溶剤可溶型の色素化合物であることが好ましく、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオラート系化合物、ジイモニウム系化合物、および環拡張BODIPY(ボロンジピロメテン)系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、金属ジチオラート系化合物、ジイモニウム系化合物 であることがさらに好ましい。化合物(S)の具体例としては、下記式(A)〜(E)で表わされる化合物が挙げられる。このような化合物(S)を用いることにより、吸収極大付近での高い近赤外線カット特性と良好な可視光透過率を同時に達成することができる。
Figure 2017164024
式(A)中、Xは、独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子または−NR8−を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、−NRgh基、−SRi基、−SO2i基、−OSO2i基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2017164024
式(B)中、Xは、独立に酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子または−NR8−を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、−NRgh基、−SRi基、−SO2i基、−OSO2i基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2017164024
式(C)中、R1〜R8は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、−NRgh基、−SRi基、−SO2i基、−OSO2i基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2017164024
式(D)中、Mは、2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、または3価もしくは4価の金属原子を含む置換金属原子を表し、R1〜R2は独立にL1を表し、R1〜R4は独立に水素原子、ハロゲン原子、L1または−SO2−L2を表し、
1は下記La、LbまたはLcを表し、L2は下記La、Lb、Lc、LdまたはLeを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
前記La〜Leは、さらに、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜14の複素環基、および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基Lを有してもよい。
Figure 2017164024
式(E)中、R1〜R2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、−NRgh基、−SRi基、−SO2i基、−OSO2i基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
nは0〜4の整数を表し、
Xは電荷を中和させるのに必要なアニオンを表す。
式(A)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記表1に記載の化合物(s−1)〜(s−40)を挙げることができる。
Figure 2017164024
式(B)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記表2に記載の化合物(s−41)〜(s−58)を挙げることができる。
Figure 2017164024
式(C)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記表3に記載の化合物(s−59)〜(s−64)を挙げることができる。
Figure 2017164024
式(D)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記表4に記載の化合物(s−65)〜(s−99)を挙げることができる。
Figure 2017164024
式(E)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記表5に記載の化合物(s−100)〜(s−113)を挙げることができる。なお、前記式(E)中、Xは電荷を中和するのに必要なアニオンであり、アニオンが2価である場合には1分子、アニオンが1価の場合には2分子が必要となる。Xはこのようなアニオンであれば特に制限されないが、一例として、下記表6に記載のアニオン(X−1)〜(X−28)を挙げることができる。
Figure 2017164024
Figure 2017164024
化合物(S)は1種であっても複数種であってもよく、1種である場合はコスト面に優れ、複数種である場合は近赤外線カット性能に優れた光学フィルターを得ることができる。特に、化合物(S)が波長600〜750nmに吸収極大を有する少なくとも1種と波長800〜1150nmに吸収極大を有する少なくとも1種とを組み合わせた場合では、広い視野角、優れた色再現性と近赤外線カット性能、さらに、暗い環境で光源を撮影した際のゴースト抑制効果を得られるため好ましい。
化合物(S)1種あたりの含有量は、前記基材(i)として、例えば、化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する透明樹脂製基板(ii)からなる基材や、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(iii)上に酸化防止剤(P)を含有する樹脂層が積層された基材を用いる場合、化合物(S)を含有する透明樹脂層を構成する透明樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜2.0重量部、より好ましくは0.002〜1.5重量部、特に好ましくは0.003〜1.0重量部である。また、前記基材(i)として、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体に化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する透明樹脂層が積層された基材や、酸化防止剤(P)を含有する透明樹脂製基板(iv)上に化合物(S)を含有する樹脂層が積層された基材を用いる場合、化合物(S)1種あたりの含有量は、酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を形成する透明樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.2〜4.0重量部、特に好ましくは0.3〜3.0重量部である。化合物(S)の含有量が前記範囲内にあると、良好な近赤外線吸収特性と高い可視光透過率とを両立した光学フィルターを得ることができる。
<酸化防止剤(P)>
本発明で用いる酸化防止剤(P)は、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤であれば特に制限されないが、下記式(p)で表わされる構造を有する化合物が好ましく、下記式(I)〜(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく、下記式(p−1)〜(p−4)で表わされる化合物がさらに好ましい。なお、本発明における「酸化防止剤」とは、種々の化合物に対して、常温または高温条件下において起こる酸化を防止ないし抑制する性質を有する化合物をいう。
Figure 2017164024
式(p)中、*は結合手を示す。
Figure 2017164024
式(I)〜(III)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を示し、nは0〜5の整数、mは0または1である。
Figure 2017164024
特に、上記のような構造を有する酸化防止剤(P)であれば、光学フィルター製造時の乾燥工程等の加熱プロセスや光学フィルターの使用環境下における化合物(S)の酸化による分解を効果的に抑制できるため好ましい。
ここで、実施例に記載の乾燥条件(1)〜(3)のいずれかの条件における第二段階目の乾燥(減圧下100℃/8時間)後の基材(i)の分光透過率(Ta)および第四段階目の乾燥後の基材(i)の分光透過率(Tb)等に基づいて算出される化合物(S)の残存率(Sr)は、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。化合物(S)の残存率(Sr)が前記範囲であれば、前記乾燥後においても高い可視光透過率に加え、近赤外波長領域において高い光線カット特性を有した光学フィルターを得ることができる。なお、乾燥後における化合物(S)の残存率(Sr)は、下記式により算出される。
(Ta)´=(Ta)×100/(Tr)
(Tb)´=(Tb)×100/(Tr)
(Tr):吸収極大波長における樹脂単体からなる基材の外部透過率
(Aa)=−log{(Ta)´/100}
(Ab)=−log{(Ta)´/100}
log:常用対数
(Sr)={(Ab)/(Aa)}×100
(Ta)および(Tb)は、上記乾燥段階における化合物(S)由来の600nm〜1150nmの吸収極大波長における透過率である。但し、600nm〜1150nmに吸収極大波長を2つ以上有する場合は、最も長波長側の吸収極大波長の透過率で算出する。上記透過率(Tb)は、好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下、特に好ましくは60%以下である。
酸化防止剤(P)の融点は、100℃以上であれば特に制限されないが、好ましくは100〜300℃、より好ましくは100〜250℃、特に好ましくは100〜200℃である。また、前記酸化防止剤の融点が300℃以上の場合、分子量が高くなり、同重量部における耐熱性に対する効果は低くなる。
酸化防止剤(P)の含有量は、透明樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜3.0重量部、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部、特に好ましくは0.1〜1.0重量部である。
酸化防止剤(P)の融点や含有量が上記範囲にあれば、(透明)樹脂層のガラス転移温度(Tg)変化を抑制できるため好ましい。基材(i)を構成する透明樹脂本来のガラス転移温度(Tg1)と、酸化防止剤(P)等を含有した状態の基材(i)のガラス転移温度(Tg2)との変化幅(Tg1−Tg2)は、好ましくは0〜20℃、さらに好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0℃〜5℃である。
<透明樹脂>
樹脂製支持体やガラス支持体などに積層する透明樹脂層および透明樹脂製基板(ii)〜(iv)は、透明樹脂を用いて形成することができる。
前記基材(i)に用いる透明樹脂としては、1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
透明樹脂としては、本発明の効果を損なわないものである限り特に制限されないが、例えば、熱安定性およびフィルムへの成形性を確保し、かつ、100℃以上の蒸着温度で行う高温蒸着により誘電体多層膜を形成しうるフィルムとするため、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110〜380℃、より好ましくは110〜370℃、さらに好ましくは120〜360℃である樹脂が挙げられる。また、前記樹脂のガラス転移温度が140℃以上であると、誘電体多層膜をより高温で蒸着形成可能なフィルムが得られるため、特に好ましい。
透明樹脂としては、当該樹脂からなる厚さ0.1mmの樹脂板を形成した場合に、この樹脂板の全光線透過率(JIS K7105)が、好ましくは75〜95%、さらに好ましくは78〜95%、特に好ましくは80〜95%となる樹脂を用いることができる。全光線透過率がこのような範囲となる樹脂を用いれば、得られる基板は光学フィルムとして良好な透明性を示す。
透明樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常15,000〜350,000、好ましくは30,000〜250,000であり、数平均分子量(Mn)は、通常10,000〜150,000、好ましくは20,000〜100,000である。
透明樹脂としては、例えば、環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド(アラミド)系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂を挙げることができる。
≪環状(ポリ)オレフィン系樹脂≫
環状(ポリ)オレフィン系樹脂としては、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体から得られる樹脂、および当該樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
Figure 2017164024
式(X0)中、Rx1〜Rx4はそれぞれ独立に、下記(i')〜(ix')より選ばれる原子または基を表し、kx、mxおよびpxはそれぞれ独立に、0または正の整数を表す。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し、(iv')を除く。)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基(但し、前記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(ix')Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1とRx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
Figure 2017164024
式(Y0)中、Ry1およびRy2はそれぞれ独立に、前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表し、kyおよびpyはそれぞれ独立に、0または正の整数を表す。
≪芳香族ポリエーテル系樹脂≫
芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することが好ましい。
Figure 2017164024
式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dはそれぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
Figure 2017164024
式(2)中、R1〜R4およびa〜dはそれぞれ独立に、前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは、単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhはそれぞれ独立に、0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0のとき、R7はシアノ基ではない。
また、前記芳香族ポリエーテル系樹脂は、さらに下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することが好ましい。
Figure 2017164024
式(3)中、R5およびR6はそれぞれ独立に、炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfはそれぞれ独立に、0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。
Figure 2017164024
式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhはそれぞれ独立に、前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfはそれぞれ独立に、前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。
≪ポリイミド系樹脂≫
ポリイミド系樹脂としては、特に制限されず、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子化合物であればよく、例えば、特開2006−199945号公報や特開2008−163107号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フルオレンポリカーボネート系樹脂≫
フルオレンポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008−163194号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フルオレンポリエステル系樹脂≫
フルオレンポリエステル系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリエステル樹脂であればよく、例えば、特開2010−285505号公報や特開2011−197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フッ素化芳香族ポリマー系樹脂≫
フッ素化芳香族ポリマー系樹脂としては、特に制限されないが、フッ素原子を少なくとも1つ有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合を含む繰り返し単位とを含有するポリマーであることが好ましく、例えば特開2008−181121号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪アクリル系紫外線硬化型樹脂≫
アクリル系紫外線硬化型樹脂としては、特に制限されないが、分子内に一つ以上のアクリル基もしくはメタクリル基を有する化合物と、紫外線によって分解して活性ラジカルを発生させる化合物を含有する樹脂組成物から合成されるものを挙げることができる。アクリル系紫外線硬化型樹脂は、前記基材(i)として、ガラス支持体上やベースとなる樹脂製支持体上に化合物(S)および硬化性樹脂を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合、該硬化性樹脂として特に好適に使用することができる。
≪市販品≫
透明樹脂の市販品としては、以下の市販品等を挙げることができる。環状(ポリ)オレフィン系樹脂の市販品としては、JSR(株)製アートン、日本ゼオン(株)製ゼオノア、三井化学(株)製APEL、ポリプラスチックス(株)製TOPASなどを挙げることができる。ポリエーテルサルホン系樹脂の市販品としては、住友化学(株)製スミカエクセルPESなどを挙げることができる。ポリイミド系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ネオプリムLなどを挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂の市販品としては、帝人(株)製ピュアエースなどを挙げることができる。フルオレンポリカーボネート系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ユピゼータEP−5000などを挙げることができる。フルオレンポリエステル系樹脂の市販品としては、大阪ガスケミカル(株)製OKP4HTなどを挙げることができる。アクリル系樹脂の市販品としては、(株)日本触媒製アクリビュアなどを挙げることができる。シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂の市販品としては、新日鐵化学(株)製シルプラスなどを挙げることができる。
<その他成分>
前記基材(i)は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、近紫外線吸収剤、前記酸化防止剤(P)以外の酸化防止剤(Q)、蛍光消光剤および金属錯体系化合物等の添加剤を含有してもよい。これらのその他成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記近紫外線吸収剤としては、例えばアゾメチン系化合物、インドール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
前記酸化防止剤(Q)としては、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤(P)以外であれば特に制限されないが、例えば下記式(q−1)〜(q−3)で表わされる化合物などが挙げられ、下記式(q−1)で表わされる化合物が特に好ましい。
Figure 2017164024
Figure 2017164024
Figure 2017164024
なお、これら添加剤は、基材(i)を製造する際に、樹脂などとともに混合してもよいし、樹脂を合成する際に添加してもよい。また、添加量は、所望の特性に応じて適宜選択されるものであるが、樹脂100重量部に対して、通常0.1〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部、特に好ましくは0.1〜1.0重量部である。
<基材(i)の製造方法>
前記基材(i)が、前記透明樹脂製基板(ii)〜(iv)を含む基材である場合、該透明樹脂製基板(ii)〜(iv)は、例えば、溶融成形またはキャスト成形により形成することができ、さらに、必要により、成形後に、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等のコーティング剤をコーティングすることで、オーバーコート層が積層された基材を製造することができる。
前記基材(i)が、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体上に化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材である場合、例えば、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体に化合物(S)と酸化防止剤(P)を含む樹脂溶液を溶融成形またはキャスト成形することで、好ましくはスピンコート、スリットコート、インクジェットなどの方法にて塗工した後に溶媒を乾燥除去し、必要に応じてさらに光照射や加熱を行うことで、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体上に透明樹脂層が形成された基材を製造することができる。
≪溶融成形≫
前記溶融成形としては、具体的には、樹脂と化合物(S)と酸化防止剤(P)等とを溶融混練りして得られたペレットを溶融成形する方法;樹脂と化合物(S)と酸化防止剤(P)とを含有する樹脂組成物を溶融成形する方法;または、化合物(S)、酸化防止剤(P)、樹脂および溶剤を含む樹脂組成物から溶剤を除去して得られたペレットを溶融成形する方法などが挙げられる。溶融成形方法としては、射出成形、溶融押出成形またはブロー成形などを挙げることができる。
≪キャスト成形≫
前記キャスト成形としては、化合物(S)、酸化防止剤(P)、樹脂および溶剤を含む樹脂組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶剤を除去する方法;または化合物(S)、酸化防止剤(P)、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とを含む硬化性組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶媒を除去した後、紫外線照射や加熱などの適切な手法により硬化させる方法などにより製造することもできる。
前記基材(i)が、化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する透明樹脂製基板(ii)からなる基材である場合には、該基材(i)は、キャスト成形後、支持体から塗膜を剥離することにより得ることができ、また、前記基材(i)が、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体等の支持体などの上に化合物(S)と酸化防止剤(P)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材である場合には、該基材(i)は、キャスト成形後、塗膜を剥離しないことで得ることができる。
前記支持体としては、例えば、ガラス板、スチールベルト、スチールドラムおよび透明樹脂(例えば、ポリエステルフィルム、環状オレフィン系樹脂フィルム)製支持体が挙げられる。
さらに、ガラス板、石英または透明プラスチック製等の光学部品に、前記樹脂組成物をコーティングして溶剤を乾燥させる方法、または、前記硬化性組成物をコーティングして硬化および乾燥させる方法などにより、光学部品上に透明樹脂層を形成することもできる。
前記方法で得られた透明樹脂層(透明樹脂製基板(ii))中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよい。具体的には、前記残留溶剤量は、透明樹脂層(透明樹脂製基板(ii))の重さに対して、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残留溶剤量が前記範囲にあると、変形や特性が変化しにくい、所望の機能を容易に発揮できる透明樹脂層(透明樹脂製基板(ii))が得られる。
[誘電体多層膜]
誘電体多層膜としては、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層したものが挙げられる。高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率が通常は1.7〜2.5の材料が選択される。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛または酸化インジウム等を主成分とし、酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウム等を少量(例えば、主成分に対して0〜10重量%)含有させたものが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、屈折率が通常は1.2〜1.6の材料が選択される。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウムが挙げられる。
高屈折率材料層と低屈折率材料層とを積層する方法については、これらの材料層を積層した誘電体多層膜が形成される限り特に制限はない。例えば、基材(i)上に、直接、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法またはイオンプレーティング法等により、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成することができる。
高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さは、通常、遮断しようとする近赤外線波長をλ(nm)とすると、0.1λ〜0.5λの厚さが好ましい。λ(nm)の値としては、例えば700〜1400nm、好ましくは750〜1300nmである。厚さがこの範囲であると、屈折率(n)と膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算出される光学的膜厚と、高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さとがほぼ同じ値となって、反射・屈折の光学的特性の関係から、特定波長の遮断・透過を容易にコントロールできる傾向にある。
誘電体多層膜における高屈折率材料層と低屈折率材料層との合計の積層数は、光学フィルター全体として16〜70層であることが好ましく、20〜60層であることがより好ましい。各層の厚み、光学フィルター全体としての誘電体多層膜の厚みや合計の積層数が前記範囲にあると、十分な製造マージンを確保できる上に、光学フィルターの反りや誘電体多層膜のクラックを低減することができる。
本発明では、化合物(S)の吸収特性に合わせて高屈折率材料層および低屈折率材料層を構成する材料種、高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さ、積層の順番、積層数を適切に選択することで、可視域に十分な透過率を確保した上で近赤外波長域に十分な光線カット特性を有する光学フィルターを得ることができる。
[その他の機能膜]
本発明の光学フィルターは、本発明の効果を損なわない範囲において、基材(i)と誘電体多層膜との間、基材(i)の誘電体多層膜が設けられた面と反対側の面、または誘電体多層膜の基材(i)が設けられた面と反対側の面に、基材(i)や誘電体多層膜の表面硬度の向上、耐薬品性の向上、帯電防止および傷消しなどの目的で、反射防止膜、ハードコート膜や帯電防止膜などの機能膜を適宜設けることができる。
[光学フィルターの用途]
本発明の光学フィルターは、優れた耐久性能、優れた近赤外線カット能等を有する。したがって、カメラモジュールのCCDやCMOSイメージセンサー等の固体撮像素子の視感度補正用として有用である。特に、デジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビゲーション、携帯情報端末、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機、指紋認証システム、デジタルミュージックプレーヤー等に有用である。さらに、自動車や建物等のガラス板等に装着される熱線カットフィルターなどとしても有用である。
[固体撮像装置]
本発明の固体撮像装置は、本発明の光学フィルターを具備する。ここで、固体撮像装置とは、CCDやCMOSイメージセンサー等といった固体撮像素子を備えたイメージセンサーであり、具体的にはデジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、デジタルビデオカメラ等の用途に用いることができる。例えば、本発明のカメラモジュールは、本発明の光学フィルターを具備する。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「重量部」を意味する。また、各物性値の測定方法および物性の評価方法は以下のとおりである。
<分子量>
樹脂の分子量は、各樹脂の溶剤への溶解性等を考慮し、下記の(a)または(b)の方法にて測定を行った。
(a)ウオターズ(WATERS)社製のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)装置(150C型、カラム:東ソー社製Hタイプカラム、展開溶剤:o−ジクロロベンゼン)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
(b)東ソー社製GPC装置(HLC−8220型、カラム:TSKgelα‐M、展開溶剤:THF)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
なお、後述する樹脂合成例3で合成した樹脂については、上記方法による分子量の測定ではなく、下記方法(c)による対数粘度の測定を行った。
(c)ポリイミド樹脂溶液の一部を無水メタノールに投入してポリイミド樹脂を析出させ、ろ過して未反応単量体から分離した。80℃で12時間真空乾燥して得られたポリイミド0.1gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解し、キャノン−フェンスケ粘度計を使用して30℃における対数粘度(μ)を下記式により求めた。
μ={ln(ts/t0)}/C
0:溶媒の流下時間
s:希薄高分子溶液の流下時間
C:0.5g/dL
<ガラス転移温度(Tg)>
エスアイアイ・ナノテクノロジーズ株式会社製の示差走査熱量計(DSC6200)を用いて、昇温速度:毎分20℃、窒素気流下で測定した。
<分光透過率>
基材の(Ta)および(Tb)、ならびに、光学フィルターの各波長域における透過率は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−4100)を用いて測定した。尚、この透過率は、図1のようにフィルターに対して垂直に透過した光を測定した。
[合成例]
下記実施例で用いた化合物(S)は、一般的に知られている方法で合成した。一般的合成方法としては、例えば、特許第3366697号公報、特許第2846091号公報、特許第2864475号公報、特許第3703869号公報、特開昭60−228448号公報、特開平1−146846号公報、特開平1−228960号公報、特許第4081149号公報、特開昭63−124054号公報、「フタロシアニン −化学と機能―」(アイピーシー、1997年)、特開2007−169315号公報、特開2009−108267号公報、特開2010−241873号公報、特許第3699464号公報、特許第4740631号公報、特許5033632号公報などに記載されている方法を挙げることができる。
下記実施例で用いた酸化防止剤(P)は、市販されているものを使用、もしくは一般的に知られている方法で合成した。一般的合成方法としては、例えば、特開平7−267971号公報、特開平8−283280号公報などに記載されている方法を挙げることができる。
<樹脂合成例1>
下記式(a)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下「DNM」ともいう。)100部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部およびトルエン(開環重合反応用溶媒)300部を、窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6mol/リットル)0.2部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025mol/リットル)0.9部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
Figure 2017164024
このようにして得られた開環重合体溶液1,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533を0.12部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱撹拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」ともいう。)を得た。得られた樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が32,000、重量平均分子量(Mw)が137,000であり、ガラス転移温度(Tg)が165℃であった。
<樹脂合成例2>
3Lの4つ口フラスコに2,6−ジフルオロベンゾニトリル35.12g(0.253mol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」ともいう。)443gおよびトルエン111gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、ディーンスターク管および冷却管を取り付けた。次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をディーンスターク管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(以下「樹脂B」ともいう。)を得た(収率95%)。得られた樹脂Bは、数平均分子量(Mn)が75,000、重量平均分子量(Mw)が188,000であり、ガラス転移温度(Tg)が285℃であった。
<樹脂合成例3>
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク管および冷却管を備えた500mLの5つ口フラスコに、窒素気流下、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン27.66g(0.08モル)および4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル7.38g(0.02モル)を入れて、γ−ブチロラクトン68.65g及びN,N−ジメチルアセトアミド17.16gに溶解させた。得られた溶液を、氷水バスを用いて5℃に冷却し、同温に保ちながら1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物22.62g(0.1モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.50g(0.005モル)を一括添加した。添加終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら、6時間還流させた。反応終了後、内温が100℃になるまで空冷した後、N,N−ジメチルアセトアミド143.6gを加えて希釈し、攪拌しながら冷却し、固形分濃度20重量%のポリイミド樹脂溶液264.16gを得た。このポリイミド樹脂溶液の一部を1Lのメタノール中に注ぎいれてポリイミドを沈殿させた。濾別したポリイミドをメタノールで洗浄した後、100℃の真空乾燥機中で24時間乾燥させて白色粉末(以下「樹脂C」ともいう。)を得た。得られた樹脂CのIRスペクトルを測定したところ、イミド基に特有の1704cm-1、1770cm-1の吸収が見られた。樹脂Cはガラス転移温度(Tg)が310℃であり、対数粘度を測定したところ、0.87であった。
[実施例1]
実施例1では、透明樹脂製基板からなる基材(1)を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
容器に、樹脂合成例1で得られた樹脂A 100部、化合物(S)として上述の化合物(s−27)(ジクロロメタン中での吸収極大波長874nm)0.005部、化合物(s−60)(ジクロロメタン中での吸収極大波長703nm)0.04部、化合物(s−76)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)0.09部、酸化防止剤(P)として上述の化合物(p−1)(融点180〜190℃)0.3部、および塩化メチレンを加えて樹脂濃度が23重量%の溶液を調製した。得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの透明樹脂製基板からなる基材(1)を得た。この基材(1)の分光透過率を測定し(Ta)を求めた。測定後、基材を150℃で1時間、さらに200℃で15分間乾燥した後、再度基材(1)の分光透過率を測定し(Tb)および(Sr)を求めた。また、基材(1)のガラス転移温度を測定した。結果を表11に示す。
続いて、得られた基材(1)の片面に第一光学層として誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材(1)のもう一方の面に第二光学層として誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.104mmの光学フィルターを得た。誘電体多層膜(I)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計26層)。誘電体多層膜(II)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計20層)。誘電体多層膜(I)および(II)のいずれにおいても、シリカ層およびチタニア層は、基材側からチタニア層、シリカ層、チタニア層、・・・シリカ層、チタニア層、シリカ層の順で交互に積層されており、光学フィルターの最外層をシリカ層とした。
誘電体多層膜(I)および(II)の設計は、以下のようにして行った。
各層の厚さと層数については、可視域の反射防止効果と近赤外域の選択的な透過・反射性能を達成できるよう基材屈折率の波長依存特性や、適用した化合物(S)の吸収特性に合わせて光学薄膜設計ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用いて最適化を行った。最適化を行う際、本実施例においてはソフトへの入力パラメーター(Target値)を下記表7の通りとした。
Figure 2017164024
膜構成最適化の結果、実施例1では、誘電体多層膜(I)は、膜厚31〜157nmのシリカ層と膜厚11〜95nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数26の多層蒸着膜となり、誘電体多層膜(II)は、膜厚38〜199nmのシリカ層と膜厚12〜117nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数20の多層蒸着膜となった。最適化を行った膜構成の一例を表8に示す。
Figure 2017164024
得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を表11に示す。
[実施例2]
実施例2では、両面に樹脂層を有する透明樹脂製基板からなる基材(2)を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
実施例1と同様の手順および条件で化合物(S)および化合物(P)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)を得た。この基材(1)の分光透過率を測定し(Ta)を求めた。測定後、基材(1)を150℃で1時間、200℃で15分間乾燥した後、再度基材(1)の分光透過率を測定し(Tb)および(Sr)を求めた。また、基材(1)のガラス転移温度を測定した。結果を図2および表11に示す。
続いて、前記透明樹脂製基板の片面に、下記組成の樹脂組成物(1)をバーコーターで塗布し、オーブン中70℃で2分間加熱し、溶剤を揮発除去した。この際、乾燥後の厚みが2μmとなるように、バーコーターの塗布条件を調整した。次に、コンベア式露光機を用いて露光(露光量500mJ/cm2,200mW)を行い、樹脂組成物(1)を硬化させ、透明樹脂製基板上に樹脂層を形成した。同様に、透明樹脂製基板のもう一方の面にも樹脂組成物(1)からなる樹脂層を形成し、化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)を得た。
樹脂組成物(1):
トリシクロデカンジメタノールアクリレート 60重量部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 40重量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5重量部、
メチルエチルケトン(溶剤、固形分濃度(TSC):30%)。
続いて、実施例1と同様に、得られた基材(2)の片面に第一光学層として誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材(2)のもう一方の面に第二光学層として誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.104mmの光学フィルターを得た。得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を図4および表11に示す。
[実施例3]
実施例2において、化合物(p−1)0.3部の代わりに上述の化合物(p−2)(融点146〜152℃)0.3部を用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターを得た。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[実施例4]
実施例2において、化合物(p−1)0.3部の代わりに上述の化合物(p−3)(融点234〜240℃)0.3部を用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターを得た。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[実施例5]
実施例2において、化合物(p−1)0.3部の代わりに上述の化合物(p−4)(融点115℃)0.3部を用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターを得た。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[実施例6]
実施例2において、化合物(p−1)0.3部に加え、上述の化合物(q−1)(融点110〜130℃)0.3部を酸化防止剤(Q)として用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)、酸化防止剤(P)および酸化防止剤(Q)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターを得た。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[実施例7〜17]
樹脂、溶媒、樹脂製基板の乾燥条件、化合物(S)および酸化防止剤(P)を表11に示すように変更したこと以外は、実施例2と同様にして、基材および光学フィルターを作成した。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[実施例18]
実施例18では、両面に化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を有する樹脂製基板からなる基材(3)を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
容器に、樹脂合成例1で得られた樹脂Aおよび塩化メチレンを加えて樹脂濃度が23重量%の溶液を調製し、得られた溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂製基板を作成した。
得られた樹脂製基板の両面に、実施例2と同様にして、下記組成の樹脂組成物(2)からなる樹脂層を形成し、両面に化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を有する樹脂製基板からなる基材(3)を得た。この基材(3)の分光透過率を測定し(Ta)を求めた。測定後、基材(3)を150℃で1時間、200℃で15分間乾燥した後、再度基材(3)の分光透過率を測定し(Tb)および(Sr)を求めた。結果を表11に示す。
樹脂組成物(2):
トリシクロデカンジメタノールアクリレート 100重量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部、
化合物(s−1)0.125重量部、
化合物(s−2)1.0重量部、
化合物(s−3)2.25重量部、
酸化防止剤(p−1)7.5重量部、
メチルエチルケトン(溶剤、TSC:25%)。
続いて、実施例1と同様に、得られた基材(3)の片面に第一光学層としてシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計26層)誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材(3)のもう一方の面に第二光学層としてシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計20層)誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.108mmの光学フィルターを得た。得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を表11に示す。
[実施例19]
実施例19では、片面に化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を有する透明ガラス基板からなる基材(4)を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA−10G(厚み200um)」(日本電気硝子(株)製)上に下記組成の樹脂組成物(3)をスピンコーターで塗布し、ホットプレート上80℃で2分間加熱して溶剤を揮発除去した。この際、乾燥後の厚みが2μmとなるように、スピンコーターの塗布条件を調整した。次に、コンベア式露光機を用いて露光(露光量500mJ/cm2,200mW)を行い、樹脂組成物(3)を硬化させ、化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を有する透明ガラス基板からなる基材(4)を得た。この基材(4)の分光透過率を測定し、(Ta)を求めた。測定後、基材(4)を150℃で1時間、200℃で15分間乾燥した後、再度基材(4)の分光透過率を測定し(Tb)および(Sr)を求めた。結果を表11に示す。
樹脂組成物(3):
トリシクロデカンジメタノールアクリレート 20重量部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80重量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部、
化合物(s−27)0.25重量部、化合物(s−60)2.0重量部、
化合物(s−76)4.5重量部、化合物(p−1)15重量部、
メチルエチルケトン(溶剤、TSC:35%)。
続いて、実施例1と同様に、得られた基材(4)の片面に第一光学層として誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材のもう一方の面に第二光学層として誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.108mmの光学フィルターを得た。得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を表11に示す。
[実施例20]
実施例2において、化合物(s−27)0.005部の代わりに下記式(s−5)で表わされる化合物(S)0.03部を用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)を得た。得られた基材の光学特性および基材のガラス転移温度を以下に示す。
(Ta):1.3%、
(Tb):1.5%、
色素残存率(Sr):2.5%、
基材のガラス転移温度:162℃
Figure 2017164024
続いて、得られた基材の片面に誘電体多層膜(III)を形成し、さらに基材のもう一方の面に誘電体多層膜(IV)を形成し、厚さ約0.104mmの光学フィルターを得た。
誘電体多層膜(III)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計24層)。誘電体多層膜(IV)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計18層)。誘電体多層膜(III)および(IV)のいずれにおいても、シリカ層およびチタニア層は、基材側からチタニア層、シリカ層、チタニア層、・・・シリカ層、チタニア層、シリカ層の順で交互に積層されており、光学フィルターの最外層をシリカ層とした。
誘電体多層膜(III)および(IV)の設計は、以下のようにして行った。
各層の厚さと層数については、可視域の反射防止効果と近赤外域の選択的な透過・反射性能を達成できるよう基材屈折率の波長依存特性や、適用した化合物(S)の吸収特性に合わせて光学薄膜設計ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用いて最適化を行った。最適化を行う際、本実施例においてはソフトへの入力パラメーター(Target値)を下記表9の通りとした。
Figure 2017164024
膜構成最適化の結果、実施例1では、誘電体多層膜(III)は、膜厚13〜174nmのシリカ層と膜厚9〜200nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数24の多層蒸着膜となり、誘電体多層膜(IV)は、膜厚41〜198nmのシリカ層と膜厚12〜122nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数18の多層蒸着膜となった。最適化を行った膜構成の一例を表10に示す。
Figure 2017164024
得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を図5に示す。
[比較例1]
実施例2において、酸化防止剤(P)を用いなかったこと以外は実施例2と同様にして基材および光学フィルターを作成した。得られた基材および光学フィルターの評価結果を図6および表11に示す。
[比較例2]
実施例2において、酸化防止剤(P)として化合物(p−1)0.3部の代わりに上述の化合物(q−2)(融点119℃)0.3部を酸化防止剤(Q)として用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(Q)を含む透明樹脂製基板からなる基材および光学フィルターを得た。得られた基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
[比較例3]
実施例2において、酸化防止剤(P)として化合物(p−1)0.3部の代わりに上述の化合物(q−3)(融点49〜52℃)0.3部を酸化防止剤(Q)として用いたこと以外は、実施例2と同様の手順および条件で化合物(S)および酸化防止剤(Q)を含む透明樹脂製基板からなる基材(1)、前記透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材(2)および光学フィルターを得た。得られた基材および光学フィルターの評価結果を表11に示す。
実施例および比較例で適用した基材の構成や各種化合物の詳細などは下記の通りである。
<基材の形態>
基材(1):化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板からなる形態
基材(2):化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する形態
基材(3):樹脂製基板の両面に化合物(S)および酸化防止剤(P)を含む透明樹脂層を有する形態
基材(4):ガラス基板からなる形態
<透明樹脂>
樹脂A:環状オレフィン系樹脂(樹脂合成例1)
樹脂B:芳香族ポリエーテル系樹脂(樹脂合成例2)
樹脂C:ポリイミド系樹脂(樹脂合成例3)
樹脂D:環状オレフィン系樹脂「ゼオノア 1420R」(日本ゼオン(株)製)
<ガラス基板>
ガラス基板(1):縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA−10G(厚み200μm)」(日本電気硝子(株)製)
<近赤外線吸収色素>
<<化合物(S)>>
化合物(s−27):上記化合物(s−27)(ジクロロメタン中での吸収極大波長868nm)
化合物(s−60):上記化合物(s−60)(ジクロロメタン中での吸収極大波長703nm)
化合物(s−76):上記化合物(s−76)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)
化合物(s−104):上記化合物(s−104)(ジクロロメタン中での吸収極大波長1093nm)
化合物(s−5):上記化合物(s−5)(ジクロロメタン中での吸収極大波長770nm)
<酸化防止剤>
<<酸化防止剤(P)>>
化合物(p−1):上記化合物(p−1)(融点:180〜190℃)
化合物(p−2):上記化合物(p−2)(融点:146〜152℃)
化合物(p−3):上記化合物(p−3)(融点:234〜240℃)
化合物(p−4):上記化合物(p−4)(融点:115℃)
<<酸化防止剤(Q)>>
化合物(q−1):上記化合物(q−1)(融点:110〜130℃)
化合物(q−2):上記化合物(q−2)(融点:119℃)
化合物(q−3):上記化合物(q−3)(融点:49〜52℃)
<溶媒>
溶媒(1):塩化メチレン
溶媒(2):N,N−ジメチルアセトアミド
溶媒(3):シクロヘキサン/キシレン(重量比:7/3)
また、表11における、実施例および比較例の(透明)樹脂製基板の乾燥条件は以下の通りである。なお、減圧乾燥前に、塗膜をガラス板から剥離した。
<フィルム乾燥条件>
条件(1):20℃/8hr→減圧下100℃/8hr→150℃/1hr→200℃/15min
条件(2):20℃/8hr→減圧下100℃/8hr→150℃/1hr→190℃/15min
条件(3):20℃/8hr→減圧下100℃/8hr→150℃/1hr→180℃/15min
Figure 2017164024
本発明の光学フィルターは、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピューター用カメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビゲーションシステム用車載装置、携帯情報端末、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機、指紋認証システム用装置、デジタルミュージックプレーヤー等に好適に用いることができる。さらに、自動車や建物などのガラス等に装着される熱線カットフィルターなどとしても好適に用いることができる。
1:光学フィルター
2:分光光度計
3:光
4:基材(i)
5:誘電体多層膜(I)
6:誘電体多層膜(II)

Claims (11)

  1. 600〜1150nmに吸収極大を有する化合物(S)、および、分子内に少なくとも1つのリン原子を有する酸化防止剤(P)を含む基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する光学フィルター。
  2. 前記基材が樹脂をさらに含む請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 前記樹脂が透明樹脂である請求項2に記載の光学フィルター。
  4. 前記酸化防止剤(P)が、前記透明樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部の範囲で含まれている請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 前記酸化防止剤(P)の融点が100〜250℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  6. 前記酸化防止剤(P)が下記式(p)で表わされる構造を有する化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルター。
    Figure 2017164024
    [式(p)中、*は結合手を示す。]
  7. 前記酸化防止剤(P)が下記式(I)〜(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルター。
    Figure 2017164024
    [式(I)〜(III)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を示し、nは0〜5の整数、mは0または1である。]
  8. 前記透明樹脂が、環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項3または4に記載の光学フィルター。
  9. 可視光線と近赤外線の一部を選択的に透過する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
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