JPWO2017159120A1 - 真空断熱材およびそれを備える家電製品、住宅壁または輸送機器 - Google Patents

真空断熱材およびそれを備える家電製品、住宅壁または輸送機器 Download PDF

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Abstract

真空断熱材は、外被材と、外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材を備える。外被材は、層状物質を含有するガスバリア層を含む。そして、外被材は、外被材の厚さd(単位mm)と、動的粘弾性測定装置を用いて測定した引張弾性率E(単位Pa)との積d×Eが、600MPa・mm以下で構成される。これにより、層状物質を含有するガスバリア層を有する外被材の脆化を有効に抑制することが可能な真空断熱材を提供できる。

Description

本発明は、外被材に層状物質を配合した真空断熱材と、真空断熱材を備える家電製品、住宅壁または輸送機器に関する。
一般的に、真空断熱材は、外被材の内部に芯材(コア材)を減圧密閉状態(略真空状態)で封入して構成される。外被材は、内部の略真空状態を維持するためにガスバリア性を備える。
従来、ガスバリア性を向上させるために、外被材が備えるガスバリア層に対して層状物質を配合する構成が提案されている(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
特許文献1および特許文献2は、真空断熱材の外被材が、樹脂と無機層状化合物とからなるガスバリア性樹脂組成物層を有する構成を開示している。無機層状化合物の具体例として、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物、カルコゲン化物、粘土系鉱物などが例示されている。
また、特許文献3は、真空断熱材の外被材が溶着層およびガスバリア層を有し、ガスバリア層が層状粘土質材と高分子材とを含有する構成を開示している。
上記各特許文献は、真空断熱材の外被材が、層状物質を含有するガスバリア層を有する構成である。
しかしながら、上記構成の外被材は、時間の経過とともに、破断または破損する可能性がある。この理由としては、層状物質を含有するガスバリア層により、外被材の剛性が増大する。そのため、従来の外被材の構成では、経時的な変形に十分に対応できない。これは、外被材が脆化しやすくなるためであると考えられる。
特開平11−182781号公報 特開平11−257580号公報 特開2009−085255号公報
本発明は、層状物質を含有するガスバリア層を有する外被材の脆化を有効に抑制できる真空断熱材を提供する。
なお、本願発明者らは、外被材の脆化の抑制方法について、鋭意検討した。その結果、以下の知見が得られ、外被材の脆化を有効に抑制できること見出した。
具体的には、本願発明者らは、層状物質を含有するガスバリア層を備える外被材において、外被材の厚さと引張弾性率との積の値により、外被材の脆化の抑制に影響することを見出した。つまり、外被材の厚さと引張り弾性率との積を所定の上限値以下に設定することにより、外被材の脆化を有効に抑制できることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の真空断熱材は、外被材と、外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材を備える。外被材は、層状物質を含有するガスバリア層を含む。そして、外被材は、外被材の厚さd(単位mm)と、動的粘弾性測定装置を用いて測定した引張弾性率E(単位Pa)との積d×Eが、600MPa・mm以下となるように構成される。
この構成によれば、層状物質を含有するガスバリア層を含む外被材の場合、外被材の厚さと引張り弾性率との積を、所定の上限値以下になるように設定する。これにより、例えば外被材に大気圧などの外力が加わっても、外被材は良好に変形することができる。そのため、層状物質を含有するガスバリア層およびこれを含む外被材でも、脆化を抑制または回避し、外被材の経時的な変形による破断または破損などを有効に抑制できる。その結果、長期間に亘って、優れた断熱性能を有する真空断熱材を実現できる。
また、本発明の家電製品、住宅壁、または輸送機器は、上記構成の真空断熱材を備える。
図1は、本発明の実施の形態に係る真空断熱材の、構成例を模式的に示す断面図である。 図2Aは、同真空断熱材の外被材の、構成例を模式的に示す断面図である。 図2Bは、同真空断熱材の外被材の、別の構成例を模式的に示す断面図である。 図2Cは、同真空断熱材の外被材の、さらに別の構成例を模式的に示す断面図である。 図2Dは、同真空断熱材の外被材の、また別の構成例を模式的に示す断面図である。 図3は、同真空断熱材の外被材の各種構成における特性の比較結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態について、「真空断熱材」、「外被材」、「ガスバリア層および外被材の製造方法」、「真空断熱材の製造方法およびその用途」などに項分けして、説明する。
[真空断熱材]
まず、本発明の実施の形態の真空断熱材の構成について、図1を参照しながら、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る真空断熱材の構成例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の真空断熱材10は、外被材(外包材)20と、芯材30などから構成される。芯材30は、外被材20の内部に、減圧密閉状態(略真空状態)で封入される。
外被材20は、ガスバリア性を有する袋状の部材で形成される。本実施の形態では、外被材20は、例えば2枚の積層シートを対向させ、積層シートの周囲を封止して、袋状にしている。周囲の封止した箇所は、内部に芯材30が存在せずに積層シート同士が接触して、封止部11を構成する。封止部11は、真空断熱材10の本体から外周に向かって延伸するヒレ状で形成される。
なお、本実施の形態では、封止部11の外周縁部分(特に、封止部11の外側の端面およびその近傍部分)を「辺縁部11a」と記して説明する。外被材20の具体的構成については、後述する。
この場合、芯材30の材料は、断熱性を有する部材であれば、特に限定されない。具体的には、例えば繊維材料、発泡材料などの公知の材料が挙げられる。
本実施の形態では、芯材30として、例えば無機系材料の繊維からなる無機繊維を用いる。具体的な無機繊維としては、例えばガラス繊維、セラミック繊維、スラグウール繊維、ロックウール繊維などが挙げられる。
また、芯材30は、例えば板状に成形して用いられる。成形により、複数の試料を混合時に発生しやすい、材料の偏析などを防ぐことができる。このとき、上記無機繊維以外に、公知のバインダ材、粉体などを含んでもよい。これらの材料の導入は、芯材30の強度、均一性、剛性などの物性の向上に寄与する。
さらに、芯材30の材料としては、上記無機繊維以外に、例えば熱硬化性発泡体が挙げられる。熱硬化性発泡体は、熱硬化性樹脂、または、これを含む樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を公知の方法で発泡させて形成される。具体的には、熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリウレタンなどが挙げられる。このとき、熱硬化性発泡体の発泡方法も特に限定されず、公知の発泡剤を用いて公知の条件で発泡させて形成すればよい。
さらに、上記無機繊維および熱硬化性発泡体以外に、芯材30の材料としては、公知の有機繊維(例えばナイロン、ポリエステルなどの有機系材料からなる繊維)が挙げられる。この場合、有機繊維の具体的な種類は、特に限定されない。
以上のように、本実施の形態の真空断熱材10は構成される。
[外被材]
つぎに、上記真空断熱材10が備える外被材20の具体的な構成例について、図2Aから図2Dを参照しながら、説明する。
図2Aは、同真空断熱材の外被材の、構成例を模式的に示す断面図である。図2Bは、同真空断熱材の外被材の、別の構成例を模式的に示す断面図である。図2Cは、同真空断熱材の外被材の、さらに別の構成例を模式的に示す断面図である。図2Dは、同真空断熱材の外被材の、また別の構成例を模式的に示す断面図である。
図2A〜図2Dに示すように、本実施の形態の外被材20は、多層構造の積層シートで構成される外被材20A〜20Dなどで例示される。外被材20A〜20Dは、以下で説明する、少なくとも層状物質が分散されたガスバリア層23、25または26を含む。
まず、外被材20の一例である外被材20Aの構成について、図2Aを用いて、説明する。
図2Aに示すように、外被材20Aは、保護層21、熱融着層22およびガスバリア層23を備える3層構造の積層シートで構成される。ガスバリア層23は、保護層21および熱融着層22の間に挟持されて配設される。
保護層21は、外気と接触する真空断熱材10の外面を構成する。一方、熱融着層22は、芯材30と接触する真空断熱材10の内面を構成する。
ガスバリア層23は、後述する層状物質が全体に分散して含有され、層状物質含有ガスバリア層を構成する。
以上のように、外被材20Aが構成されている。
なお、以降では、保護層21側、すなわち真空断熱材10の外面となる側を「上側」とし、熱融着層22側、すなわち真空断熱材10の内面となる側を「下側」として、説明する。
つぎに、外被材20の別の例である外被材20Bの構成について、図2Bを用いて、説明する。
図2Bに示すように、外被材20Bは、保護層21、熱融着層22、および2層のガスバリア層23、ガスバリア層24を備える4層構造の積層シートで構成される。2層構成のガスバリア層23、24は、保護層21および熱融着層22の間に挟持されて配設される。
つまり、外被材20Bは、上側から下側に向かって、保護層21、ガスバリア層24、ガスバリア層23、および熱融着層22の順で積層されている。図2Bに示す外被材20Bでは、下側のガスバリア層23が、層状物質を含有する層状物質含有ガスバリア層を構成する。一方、上側のガスバリア層24は、層状物質を含有しないガスバリア層を構成する。
なお、上記外被材20Bでは、下側のガスバリア層23が層状物質を含有し、上側のガスバリア層24は層状物質を含有しない構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、下側のガスバリア層23ではなく、上側のガスバリア層24が層状物質を含有する構成としてもよい。さらに、ガスバリア層23、24のいずれも、層状物質を含有する構成としてもよい。
また、上記外被材20Bでは、保護層21および熱融着層22の間に2層のガスバリア層23、24を挟持する構成を例に説明したが、3層以上のガスバリア層を挟持する構成としてもよい。
以上のように、外被材20Bが構成されている。
なお、本実施の形態の外被材20の構成は、保護層21、熱融着層22および1層以上のガスバリア層23を備える外被材20A、20Bの積層シートの構成に限定されない。外被材20は、例えば上述した層状物質含有ガスバリア層を少なくとも1層含む構成であればよい。
つまり、図2Cに示す外被材20Cのように、上側がガスバリア層25で、下側が熱融着層22を備える2層構造の積層シートで構成してもよい。この場合、ガスバリア層25は、保護層21を兼ねた「保護層兼ガスバリア層」の機能を有する。
また、図2Dに示す外被材20Dのように、上側が保護層21で、下側がガスバリア層26を備える2層構造の積層シートで構成してもよい。この場合、ガスバリア層26は、熱融着層22を兼ねた「熱融着層兼ガスバリア層」の機能を有する。
さらに、図示しないが、単層のガスバリア層が保護層21および熱融着層22を兼ねる構成の場合、単層のガスバリア層のみで外被材20を構成してもよい。
また、上記では、保護層21、熱融着層22、および1層以上のガスバリア層23〜26で外被材20を構成する例で説明したが、これに限られない。上記の層構成以外に、例えば着色層などの他の機能を有する層を含んで外被材20を構成してもよい。これにより、外観性を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態の外被材20は構成される。
つぎに、外被材20の一部を構成する保護層21について、説明する。
保護層21は、外気と接触する真空断熱材10の外面(表面)を保護する機能を有する。
保護層21の具体的な材料は、特に限定されないが、例えば耐薬品性、耐衝撃性、長期安定性、耐熱性などに対して、ある程度の耐久性を有する樹脂であればよい。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(ポリアミド、PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリサルフォン(PSF)、超高分子量ポリエチレン(U−PE、UHPEまたはUHMWPE)などが挙げられる。
なお、保護層21を構成する上記樹脂は、単独で用いても、2種類以上を適宜組み合わせたポリマーアロイとして用いてもよい。ポリマーアロイの場合、保護層21として好適な樹脂以外に、例えばABSなどの樹脂を含んでもよい。
さらに、保護層21は、上述の樹脂以外の成分、例えば酸化防止剤などの各種添加剤などを含んでもよい。つまり、保護層21は、樹脂のみでも、他の成分を含む樹脂組成物で構成してもよい。
また、図2A〜図2Dに示す外被材20A〜20Dでは、保護層21を、1層(単層)の樹脂フィルムで構成した例で図示したが、複数の樹脂フィルムを積層して構成してもよい。なお、保護層21の厚さは、外被材20ならびに真空断熱材10の外面を保護できる所定の範囲内(例えば、数μm以上数100μm以下)の厚さであれば、特に限定されない。
以上のように、外被材20の保護層21は構成される。
つぎに、外被材20の一部を構成する熱融着層22について、説明する。
熱融着層22は、外被材20を構成する積層シート同士を対面させて貼り合わせることにより、封止部11を形成する接着層として機能する。さらに、熱融着層22は、芯材30などの真空断熱材10の内面を保護する内面保護層としても機能する。
以下に、熱融着層22の接着層として機能、および、熱融着層22の内面保護層としての機能について、説明する。
はじめに、熱融着層22の接着層としての機能について、図2Aに示す外被材20Aの構成を例に、説明する。
図2Aに示す3層構造の積層シートからなる外被材20Aの場合、2枚の積層シートの熱融着層22同士を対面させて配置し、所定の箇所(例えば、外周周縁)を加熱する。これにより、外被材20A同士が、熱融着層22を接着層として、熱融着される。つまり、対面させた外被材20Aの周囲を熱融着することにより、上述したように、袋状の外被材20Aが形成される。
つぎに、熱融着層22の内面保護層としての機能について、説明する。
図2Aに示す外被材20Aの場合、ガスバリア層23の一方の面(外面)は、保護層21で保護される。同様に、ガスバリア層23の他方の面(内面)は、熱融着層22により保護される。この場合、ガスバリア層23から見れば、保護層21は「外面保護層」として機能する。一方、熱融着層22は、「内面保護層」として機能することになる。
真空断熱材10の外被材20は、内部に、芯材30などが封入される。このとき、熱融着層22は、ガスバリア層23の表面(内面側)を覆うことになる。これにより、熱融着層22は、内部の芯材30などの封入物の、例えば侵入などによるガスバリア層23への影響を、抑制または回避できる。
なお、熱融着層22の材料としては、加熱により溶融して接着可能な熱融着性を有する材料であれば、特に限定されない。例えば、各種の熱可塑性樹脂(熱融着性樹脂)などであればよい。具体的には、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(U−PE、UHPEまたはUHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロン(ポリアミド、PA)などが挙げられる。
また、熱融着層22を構成する上記樹脂は、単独で用いても、2種類以上を適宜組み合わせたポリマーアロイとして用いてもよい。ポリマーアロイの場合、熱融着層22として好適な樹脂以外に、例えばポリスチレン(PS)などの樹脂を含んでもよい。
さらに、熱融着層22は、上述の樹脂以外の成分、例えば可塑剤などの各種添加剤などを含んでもよい。つまり、熱融着層22は、樹脂のみでも、他の成分を含む樹脂組成物で構成してもよい。
また、図2A〜図2Cに示す外被材20A〜20Cでは、熱融着層22を、保護層21と同様に、1層(単層)の樹脂フィルムで構成した例で図示したが、複数の樹脂フィルムを積層して構成してもよい。これにより、適用可能な熱融着温度範囲を拡大する効果が得られる。
熱融着層22の厚さは、特に限定されないが、外被材20同士を貼り合わせたときに十分な接着性を発揮できる厚さ(例えば、数μm程度以上)であればよい。さらに、熱融着層22の厚さは、内面保護層として外被材20の内面を保護できる範囲の厚さ(例えば、数μm程度以上)であれば、より好ましい。これにより、熱融着時の圧力を低減できる効果が得られる。
以上のように、本実施の形態の熱融着層22は構成される。
つぎに、外被材20の一部を構成するガスバリア層について、説明する。
ガスバリア層23、24、25、26は、上述したように、外気の、真空断熱材10の内部への侵入を防ぐ機能を有する。
本実施の形態のガスバリア層は、外被材20に含まれるガスバリア層のうち少なくとも1層が、層状物質含有ガスバリア層で構成される。
なお、ガスバリア層23〜26の具体的な構成、ならびに、層状物質含有ガスバリア層を含む外被材20A〜20Dの製造方法については、後述する。
本実施の形態では、特に、外被材20の厚さと引張弾性率との積を、所定の上限値以下に設定し、外被材20の脆化を抑制している。
具体的には、外被材20の厚さd[mm]と、動的粘弾性測定装置を用いて測定した室温下での引張弾性率E[Pa]との積d×Eが、600MPa・mm以下となるように設定している。この点については、後述する。
以上のように、本実施の形態の外被材20は構成される。
[ガスバリア層および外被材の製造方法]
以下に、ガスバリア層および外被材の製造方法について、説明する。
はじめに、ガスバリア層の製造方法について、説明する。
上述したように、ガスバリア層23、25、26は層状物質含有ガスバリア層を構成し、ガスバリア層24は層状物質を含有しないガスバリア層を構成する。
ここで、層状物質を含有しないガスバリア層24の場合、ガスバリア性を有する公知のフィルムを、ガスバリア層24として用いることができる。
具体的には、公知のフィルムとして、例えばアルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔などの金属箔が例示される。また、基材となる樹脂フィルムに対して金属または無機酸化物などを蒸着した蒸着層を有する蒸着フィルムが例示される。さらに、上記蒸着フィルムの表面に公知のコーティング処理を施したフィルム(コーティング蒸着フィルム)などがガスバリア層24の公知のフィルムとして例示される。しかし、ガスバリア層24は、上記に例示する公知のフィルムに、特に限定されない。
上記蒸着フィルムまたはコーティング蒸着フィルムに蒸着される金属または無機酸化物としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム、銅、アルミナ、シリカなどが挙げられる。
また、蒸着フィルムまたはコーティング蒸着フィルムの基材となる樹脂フィルムを構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などが挙げられる。
なお、樹脂フィルムは、保護層21または熱融着層22と同様に、樹脂のみで構成しても、例えば酸化防止剤などの樹脂以外の成分を含む樹脂組成物として構成してもよい。例えば、ガスバリア層24を金属箔で構成する場合、金属箔に対して樹脂層などを積層してもよい。つまり、ガスバリア層24は、単層構造でも、多層構造でもよい。
一方、層状物質含有ガスバリア層であるガスバリア層23、25、26の場合、樹脂または樹脂組成物に層状物質を分散させた構成であればよい。層状物質含有ガスバリア層を構成する樹脂または樹脂組成物としては、ガスバリア層24で例示した樹脂フィルム(蒸着フィルムなどの基材)と、同様の樹脂または樹脂組成物を用いることができる。
ガスバリア層23、25、26のうち、保護層兼ガスバリア層として機能するガスバリア層25については、樹脂または樹脂組成物として、上述した保護層21と、同様の樹脂または樹脂組成物を用いることができる。また、熱融着層兼ガスバリア層として機能するガスバリア層26については、樹脂または樹脂組成物として、上述した熱融着層22と同様の樹脂または樹脂組成物を用いることができる。なお、ガスバリア層23については、保護層21または熱融着層22と同様の樹脂または樹脂組成物を用いることができる。
また、ガスバリア層23、25、26に含まれる層状物質としては、特に限定されないが、例えば粘土鉱物、合成ヘクトライト、変性ベントナイトなどの層状ケイ酸塩が挙げられる。同様に、アルミニウム鱗片、酸化鉄鱗片、チタン酸ストロンチウム鱗片、銀鱗片、ステンレス鱗片、亜鉛鱗片などの金属または金属化合物の鱗片状(フレーク状、薄片状)粒子が挙げられる。また、アルミニウム箔、スズ箔、青銅箔、ニッケル箔、インジウム箔などの金属箔が挙げられる。さらに、層状シリカ、六方晶窒化ホウ素、グラファイト、シリコン鱗片、層状ニオブ・チタン酸塩などの層状非金属系無機化合物が挙げられる。
上記層状物質は、単独で用いても、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これにより、バリア性向上などの効果が得られる。
また、上述した層状ケイ酸塩のうち、粘土鉱物は、さまざまな種類の粘土鉱物が知られている。つまり、これらの粘土鉱物も、層状物質として用いることができる。具体的な粘土鉱物としては、特に限定されないが、例えばリザーダイト、アメサイト、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、タルク、パイロフィライトなどの1:1層型が挙げられる。同様に、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト、金雲母、黒雲母、レピドライト、イライト、白雲母、パラゴナイト、クリントナイト、マーガライト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ドンバサイト、クッケアイト(クーカイト)、スドーアイトなどの2:1層型が挙げられる。さらに、アンチゴライト、グリーナライト、カリオピライト等のミスフィット類が挙げられる。なお、上記クリントナイトは、2:1層型だけでなく、ミスフィット類にも分類される。
上記粘土鉱物は、層状物質として、単独で用いても、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。さらに、粘土鉱物以外の1種類以上の層状物質と適宜組み合わせて、層状物質として用いてもよい。
つぎに、層状物質含有ガスバリア層(ガスバリア層23、25、26)の製造方法について、説明する。
なお、層状物質含有ガスバリア層の製造方法は、特に限定されず、上述した層状物質を樹脂または樹脂組成物に分散させて含有させる方法であれば、公知の製造方法を用いることができる。
本実施の形態の層状物質含有ガスバリア層は、図2A〜図2Dに示すように、外被材20A〜20Dとなる多層構造の積層シートに含まれる。
そのため、多層構造の積層シートの製造方法であれば、特に限定されず、公知の方法を、層状物質含有ガスバリア層の製造方法として用いることができる。
以下に、層状物質含有ガスバリア層を含む外被材20の製造方法について、代表的な例を説明する。
上記外被材20の製造方法として、例えば層状物質含有ガスバリア層を溶融混練法、またはコーティング法により形成する、層状物質含有ガスバリア層形成ステップを含む方法などが挙げられる。
はじめに、溶融混練法による製造方法について、説明する。
まず、樹脂(または樹脂組成物)と、層状物質とを混合し、溶融混練機に投入する。
つぎに、溶融混練機で樹脂を加熱混練して溶融させる。このとき、圧力を印加して、層状物質を樹脂中に分散させる。これにより、層状物質が分散した樹脂混練物が得られる。
つぎに、得られた樹脂混練物を、押出成型によりフィルム状(シート状)に成型して、層状物質分散樹脂フィルムを形成する。なお、層状物質分散樹脂フィルムは、例えばガスバリア層23に相当する。
つぎに、得られた層状物質分散樹脂フィルムに対して、保護層21および熱融着層22となる樹脂フィルムを積層する。これにより、図2Aに示す、3層構造の積層シートからなる外被材20Aが作製される。なお、上記製造方法の場合、保護層21、ガスバリア層23および熱融着層22の3層の積層構造を、例えば共押出成型法により成型して作製してもよい。
以下に、コーティング法による製造方法について、具体的に説明する。
まず、保護層21となる樹脂フィルムの一方の面(例えば、図2Aの保護層21の下側(内面側)となる面)に、例えばアリルアミン重合体などのアンカーコート剤を塗布する。
つぎに、樹脂(または樹脂組成物)を、例えばシクロペンタノンなどの溶媒に溶解させるとともに、層状物質も添加して攪拌混合する。これにより、層状物質含有樹脂溶液が得られる。
つぎに、保護層21に塗布されたアンカーコート剤の層の上に、層状物質含有樹脂溶液を塗布して乾燥する。なお、層状物質含有樹脂溶液の塗布方法は、特に限定されない。例えば、グラビア法などのロール工法や、スプレー工法などを用いることができる。そして、乾燥により、保護層21の一方の面にガスバリア層23が形成される。
つぎに、保護層21に接着されていないガスバリア層23の一方の面に、例えばエポキシ系接着剤などの接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布したガスバリア層23の面に、熱融着層22となる樹脂フィルムを、例えばドライラミネート法などにより積層する。これにより、図2Aに示す、3層構造の積層シートからなる外被材20Aが製造される。
以上のように、外被材20が製造される。
なお、ガスバリア層23〜26の厚さは、材質などに応じてガスバリア性を発揮できる所定の範囲の厚さ(例えば、数μm程度)であれば、特に限定されない。このとき、上述のガスバリア層23、25、26などの層状物質含有ガスバリア層の場合、材質などの条件だけでなく、層状物質の種類または添加量なども考慮して厚さを設定すればよい。さらに、図2Bに示す複数のガスバリア層23、24を含む場合、複数のガスバリア層全体でのガスバリア性を考慮して厚さを設定すればよい。
[真空断熱材の製造方法およびその用途]
以下に、真空断熱材の製造方法およびその用途について、説明する。
はじめに、真空断熱材10の製造方法について、説明する。
なお、真空断熱材10の具体的な製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができる。
例えば、本実施の形態の真空断熱材10の製造方法は、まず、外被材20を、以下で説明する袋状に形成する。
つぎに、袋状の外被材20の内部に、芯材30、ならびに、必要に応じて、例えば気体吸着材などの他の部材を挿入する。そして、減圧環境下(略真空状態)で、上記袋状の外被材20を密閉封止する真空断熱材10の製造方法を採用している。
この場合、外被材20を袋状に形成する方法は、特に限定されないが、例えば以下に示す方法で形成される。
まず、外被材20となる積層フィルムを2枚準備する。そして、それぞれの積層フィルムの熱融着層22同士を対面配置した状態で、外被材20の周縁部の大部分を熱溶着する。これにより、袋状の外被材20が形成される。
具体的には、外被材20が矩形の場合、4辺のうち1辺のみを開口部として残し、開口部を除いた周縁部を熱融着する。このとき、芯材30が収容される外被材20の中央部分を包囲するように熱溶着する。これにより、袋状の外被材20が形成される。
つぎに、上記方法により袋状に形成された外被材20の内部に、開口部から芯材30などを挿入する。このとき、芯材30が挿入された外被材20を、例えば減圧チャンバなどの減圧設備内で減圧する。これにより、開口部を介して、袋状の外被材20の内部が減圧され、略真空状態となる。
つぎに、減圧設備内で、他の周縁部と同様に、外被材20の開口部を熱溶着して、外被材20の内部を密閉封止する。これにより、図1に示す真空断熱材10が作製される。
なお、上記真空断熱材10の製造において行われる熱溶着、減圧などの諸条件については、特に限定されず、公知の種々の条件を採用できる。
また、袋状の外被材20は、2枚の積層フィルムを用いて形成する方法に限定されない。例えば、1枚の積層フィルムを半分に折り曲げて、両方の側縁部を熱溶着して、開口部を有する袋状の外被材20を作製してもよい。さらに、積層フィルムを筒型に成形して、一方の開口部を封止して、袋状の外被材20を作製してもよい。
以上により、本実施の形態の真空断熱材10が製造される。
上記方法で製造された真空断熱材10は、内部が減圧密閉状態(略真空状態)にあるため、非常に優れた断熱性能を発揮する。
しかし、上記真空断熱材10は、内部が略真空状態であるため、真空断熱材10に対して大気圧がかかる。そのため、大気圧により、特に、外被材20が経時的に変形する虞がある。
なお、本実施の形態の外被材20は、上述したように、層状物質含有ガスバリア層を少なくとも1層含んで、構成される。層状物質含有ガスバリア層は、分散した層状物質により剛性が増大する。そのため、層状物質含有ガスバリア層を含む外被材20は、大気圧による変形に十分に対応できなくなる。これにより、外被材20が脆化して、破断または破損する可能性がある。その結果、外被材20が破断または破損により、内部の略真空状態が維持できなくなるため、優れた断熱性能が失われてしまう。
そこで、本願発明者らは、外被材20の脆化を抑制または回避する外被材の構成について、検討した。
このとき、本願発明者らは、上述したように、外被材の弾性率Eと厚みdの積が指標として有効であることを見出した。
この理由は、単位厚さあたりの弾性率E(単位:MPa)は、外被材に1%の変形を加えた際に生じる単位断面積当たりの内部応力の大きさを示す。そのため、弾性率Eが低い場合、外被材が変形しても、外被材に内部応力が生じにくい。一方、外被材の厚みd(単位:mm)が厚くなるにしたがって、内部応力が高くなる。
そこで、上記弾性率Eと厚みdの積を指標として、各種外被材の変形性などの特性を比較検討した。比較検討した結果を、図3に示す。
図3は、同真空断熱材の外被材の各種構成における特性の比較結果の一例を示す図である。
なお、図3は、図2Aで説明した3層構成の外被材について、保護層と熱融着層を同じ材料とし、ガスバリア層の材料を3種類変更して、異なる弾性率Eと厚みdの積となるように作製した、7つの試料の変形性に関する評価結果を示している。
まず、試料1から3は、ナイロン/アルミ箔/ポリエチレンの3層で構成した。このとき、外被材の総厚みdを同じとし、例えば各層の厚みや添加物を換えて、弾性率が異なるように作製した。
また、試料4から6は、ナイロン/アルミ蒸着フィルム/ポリエチレンの3層で構成した。このとき、上記と同様に、外被材の総厚みdを同じとし、例えば各層の厚みや添加物を換えて、弾性率が異なるように作製した。
また、試料7は、ナイロン/層状物質含有フィルム/ポリエチレンの3層で構成し、弾性率Eと厚みdの積が200MPa・mm程度となるように作製した。
その結果、弾性率Eと厚みdの積が600MPa・mm以下である試料2、3、5、6、7は、変形性に対する良好な結果が得られた。
一方、弾性率Eと厚みdの積が600MPa・mmを超える試料1および4は、良好な結果が得られなかった。
さらに、試料7に示す外被材20が層状物質含有ガスバリア層を含む場合でも、大気圧による外被材20の変形に良好に対応できることがわかった。つまり、バリア機能を損なうことなく、外被材を良好に変形させることができることがわかった。
なお、図3では、図2Aに示す外被材の構成を例に示したが、図2Bから図2Dの構成においても、同様の結果が得られた。
以上の結果から、外被材20の厚さd[mm]と、動的粘弾性測定装置を用いて測定した引張弾性率E[Pa]との積d×Eを、次式(1)に示す、600MPa・mm以下になるように構成すると、脆化に有効であることがわかった。
d×E ≦ 600MPa・mm ・・・・ (1)
つまり、上記条件を満たすことにより、外被材20の破断または破損などを有効に抑制できる。その結果、長期間に亘って、優れた断熱性能を良好に維持できる真空断熱材10を実現できる。
なお、外被材20において、厚さdと引張弾性率Eとの積d×Eを、上記上限値以下とする具体的な手法は、特に限定されない。例えば、外被材20の厚さdの調整、および、配合する樹脂成分の選択などが挙げられる。
特に、樹脂成分として、層状物質含有ガスバリア層に含まれる樹脂または樹脂組成物が、熱融着層22に用いられる熱融着性樹脂(熱可塑性樹脂)と、同様の場合、樹脂成分と、厚さdの調整とを組み合わせることにより、積d×Eを容易に600MPa・mm以下に設定することができる。
この場合、好ましい熱融着性樹脂として、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、および、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の少なくとも一方を挙げることができる。これらは、接着時の熱量を低くできる、例えば軟化温度、ガラス転移温度などを指標として選択される。
また、外被材20の引張弾性率Eの測定方法は、特に限定されず、例えば公知の動的粘弾性測定装置を用いて測定すればよい。このとき、測定温度は、特に限定されないが、例えば1〜30℃の室温の範囲内であればよい。さらに、例えばJIS Z8703で規定される20±15℃の常温の範囲内でもよい。
以下に、引張弾性率Eを測定する際の、実験的に好ましい測定条件および測定方法の一例について、説明する。
まず、動的粘弾性測定装置として、例えばティー・エイ・インスツルメント(TA Instruments)社製の製品名Q800型を用いる。
つぎに、動的粘弾性測定装置の測定モードを、引張/昇温モードとする。
つぎに、所定寸法の試料片に切り出し、外被材20を動的粘弾性測定装置にセットする。
つぎに、動的粘弾性測定装置を、所定の昇温速度、所定の温度領域、所定の初期荷重、歪割合などの諸条件を設定する。そして、動的粘弾性測定装置にセットした試料片の引張弾性率Eを測定する。
これにより、所望の引張弾性率Eを有する構成の外被材の組成が選定される。
そして、選定された組成で、上述した製造方法を用いて、1層以上の適切な構成を有する外被材を作製する。
さらに、作製された外被材を、上述した製造方法を用いて、真空断熱材10を作製する。
以上のように、真空断熱材10は製造される。
つぎに、上記方法で製造された真空断熱材10の用途について、説明する。
つまり、長期間に亘って、断熱性能を維持できる真空断熱材10は、さまざまな断熱が必要な用途に適用できる。
代表的な断熱用途の一例として、家電製品が挙げられる。家電製品の具体的な種類は、特に限定されないが、例えば冷蔵庫、給湯器、炊飯器、またはジャーポットなどが挙げられる。
また、他の断熱用途の一例として、住宅壁が挙げられる。
さらに、他の断熱用途の一例として、輸送機器が挙げられる。輸送機器の具体的な種類は、特に限定されないが、例えばタンカーなどの船舶、自動車、航空機などが挙げられる。
つまり、本実施の形態によれば、真空断熱材の外被材が層状物質含有ガスバリア層を含む場合、外被材の厚さと引張り弾性率との積を所定の上限値以下に設定する。これにより、例えば外被材に大気圧などの外力が加わっても、外被材は良好に変形することができる。そのため、層状物質含有ガスバリア層およびこれを含む外被材でも、脆化を抑制または回避し、外被材の経時的な変形による破断または破損などを有効に抑制できる。その結果、長期間に亘って、優れた断熱性能を有する真空断熱材を実現できる。
なお、本発明は、上記実施の形態の記載に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能である。また、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的方法を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
以上で説明したように、本発明の真空断熱材は、外被材と、外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材を備える。外被材は、層状物質を含有するガスバリア層を含む。そして、外被材は、外被材の厚さd(単位mm)と、動的粘弾性測定装置を用いて測定した引張弾性率E(単位Pa)との積d×Eが600MPa・mm以下となるように構成される。
これにより、例えば外被材に大気圧などの外力が加わっても、外被材が良好に変形する。そのため、外被材の経時的な変形による破断または破損などを有効に抑制できる。その結果、長期間に亘って、優れた断熱性能を有する真空断熱材を実現できる。
また、本発明の真空断熱材は、ガスバリア層を、樹脂または樹脂組成物中に層状物質を含有する構成としてもよい。
この構成によれば、層状物質を含有するガスバリア層が、樹脂を主成分とする層となる。そのため、特に、樹脂の種類を選定することにより、外被材の厚さと引張り弾性率との積を、所定の値に容易に設定できる。
また、本発明の真空断熱材は、ガスバリア層を、熱融着性樹脂を含有する構成としてもよい。
この構成によれば、ガスバリア層に含まれる樹脂が熱融着性樹脂である。そのため、外被材の厚さと引張り弾性率との積を、所定の値に、より容易に設定できる。
また、本発明の真空断熱材は、熱融着性樹脂を、低密度ポリエチレン(LDPE)、および、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の少なくとも一方の熱可塑性樹脂である構成してもよい。
これにより、外被材の厚さと引張り弾性率との積を、所定の値に、より容易に設定できる。
また、本発明の家電製品は、上記構成の真空断熱材を備えてもよい。
この構成によれば、家電製品は、優れた断熱性能を有する真空断熱材を備える。そのため、消費電力量を軽減し、省エネルギー化を進めることができる。
また、本発明の住宅壁は、上記構成の真空断熱材を備えてもよい。
さらに、本発明の輸送機器は、上記構成の真空断熱材を備えてもよい。
この構成によれば、住宅壁または輸送機器は、優れた断熱性能を有する真空断熱材を備える。これにより、住宅内部もしくは輸送機器内部の断熱性を高めることができる。その結果、エコで、高い環境性能を有する住宅または輸送機器を提供できる。
本発明は、長期間に亘って、高い断熱性が要望される、真空断熱材の分野、および、真空断熱材を用いた家電製品、住宅壁または輸送機器などの分野にも広く適用できる。
10 真空断熱材
11 封止部
20,20A,20B,20C,20D 外被材
21 保護層
22 熱融着層
23,24,25,26 ガスバリア層
30 芯材

Claims (7)

  1. 外被材と、
    前記外被材の内部において減圧密閉状態で封入される芯材と、を備え、
    前記外被材は、層状物質を含有するガスバリア層を含み、
    前記外被材は、前記外被材の厚さdと、動的粘弾性測定装置を用いて測定した引張弾性率Eとの積d×Eが600MPa・mm以下で構成される、
    真空断熱材。
  2. 前記ガスバリア層は、樹脂または樹脂組成物中に前記層状物質を含有する、
    請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記ガスバリア層は、熱融着性樹脂を含有する、
    請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記熱融着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、および、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の少なくとも一方の熱可塑性樹脂である、
    請求項3に記載の真空断熱材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の真空断熱材を備える家電製品。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の真空断熱材を備える住宅壁。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の真空断熱材を備える輸送機器。
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