JP2008095840A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空断熱材の芯材に粉体を使用しても、ハンドリング性が良く、廃棄時には粉が飛散してしまうなどの問題がないようにする。
【解決手段】真空断熱材5における芯材6が、少なくとも乾式シリカ粉体8と無機繊維9と珪酸塩化合物粉体10とからなる成形体であり、珪酸塩化合物粉体10の平均粒子径が、乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径より大きく50μm以下である。乾式シリカ粉体8と無機繊維9と珪酸塩化合物粉体10の組み合わせは、相互の親和性が高いために、強固な成形体が得られる。また、珪酸塩化合物粉体10の平均粒子径を限定することによって良好な断熱性能を有する真空断熱材5が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、芯材を減圧密封した真空断熱材に関するものである。
真空断熱材の芯材としては、繊維系、粉体系、発泡樹脂系などの多孔体が用いられる。このうち、粉体系は微細な空隙を有することから内圧依存性に優れるために、長期に亘って断熱性能が要求される場合や比較的高温となる用途に適用されることが多い。
しかし、粉体を内袋に封入して使用しなければならないため、内袋が必要な分だけコストアップになる。また、廃棄時には粉が飛散し、作業環境が悪くなるという問題がある。ゆえに、それらを改善するために粉体を成形するという手段がある。
従来、粉体を成形体とする技術として、床暖房部材に超微粒子を成形してなる微細多孔体からなる断熱材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材を示すものである。図3に示すように、真空断熱材1は、超微粒子2を成形してなる微細多孔体3が非通気性フィルム4により減圧状態で密封封止されてなる。この超微粒子2は少なくとも一部があらかじめ凝集防止処理されており、微細多孔体3は輻射抑制防止効果のある微粒子や、繊維を含んでいてもよいとされている。
超微粒子2である乾式シリカが凝集防止処理されていることによって、撥水性に優れ、圧縮などにより粒子間が固く結合(固体熱伝導率が大きくなる)することがないため、高湿下においても結露がなく、床材として極めて安定した熱効率を発揮することができる。
特開平5−60335号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、超微粒子2を凝集防止処理することによって、超微粒子2同士の結合力や、微粒子や繊維との親和性が悪化するため、成形体の強度が悪化し、ハンドリング性に問題があり、また、廃棄時の粉の飛散が発生する。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、粉体を強固な成形体とすることによってハンドリング性を向上することや廃棄時の粉の飛散を抑制すること、初期断熱性能および経時断熱性能に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、芯材が、少なくとも乾式シリカと無機繊維と珪酸塩化合物粉体とを含む成形体であり、珪酸塩化合物粉体の平均粒子径が、乾式シリカ粉体の平均一次粒子径より大きく、かつ50μm以下としたものである。
シリカ粉体と繊維を所定の条件で混合圧縮すると成形体が得られることは公知であるが、乾式シリカを使用すると、乾式シリカ粉体は粒子径の小さい粉体であるため分子間力が働き粒子同士が付着しやすいことなどから、他の粉体を使用した場合に比べて格段に成形体の強度が向上する。
また、無機繊維は乾式シリカとの親和性が高いために、成形体の強度を確保しやすい。また、珪酸塩化合物は、珪素成分を多く含むために、乾式シリカとの親和性が高く、成形体の強度を確保しやすい。また、珪酸塩化合物は、二酸化珪素以外に金属酸化物を含む化合物であるため、電荷のバランスが変わることにより、乾式シリカの凝集を抑制し、固体熱伝導率を低減する。さらに、珪酸塩化合物粉体の平均粒子径が乾式シリカ粉体の平均一次粒子径より大きいことで、乾式シリカ粒子の間に空間を形成し固体熱伝導率を低減する、また50μm以下であることで、珪酸塩化合物による固体熱伝導率の増大を抑制する。
本発明の真空断熱材は、芯材が内圧依存性に優れた粉体系であるため、長期に渡って断熱性能を確保することができる。また、乾式シリカと無機繊維と珪酸塩化合物からなる成形体は相互の親和性が高いために優れた強度を有することから、ハンドリング性が良好であり、また、廃棄時の粉の飛散を抑制できる。また、珪酸塩化合物によって固体熱伝導率が低減できるため、初期断熱性能が向上する。
本発明の請求項1に記載の真空断熱材の発明は、芯材を外被材で覆い前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記芯材が、少なくとも乾式シリカ粉体と無機繊維と珪酸塩化合物粉体とからなる成形体であり、前記珪酸塩化合物粉体の平均粒子径が、前記乾式シリカ粉体の平均一次粒子径より大きく、かつ50μm以下であるものである。
乾式シリカと無機繊維の組み合わせは、他の材料を使用した場合に比べて格段に高い強度を有する成形体が得られる。この理由としては、乾式シリカが粒子径の小さい粉体であるため、分子間力が働き粒子同士が付着しやすいことや、乾式シリカ表面に水酸基を有するため、粒子同士が結合しやすいことや、あるいはシリカと無機繊維という親和性の高い組合せであるため、相互に付着しやすいことなどが考えられる。
また、乾式シリカに、所定平均粒子径の珪酸塩化合物を混合すると断熱性能が向上する。なお、この現象は成形体に限らず、粉末の状態でも認められる。これは、常温でも断熱性能の向上が認められることから、輻射抑制のみでは説明がつかない。理由として、乾式シリカのみでは粒子が凝集しやすく、また粒子形状が概球状であり、粒径にもバラツキが少ないために密充填になりやすいが、シリカの平均一次粒子径よりの大きい粒子を混合することで、シリカの粒子間に空間を形成し密充填を抑制することや、珪酸塩化合物が二酸化珪素以外に金属酸化物を含む化合物であるため、電荷のバランスを変え、乾式シリカの凝集を抑制することなどによる固体熱伝導率の低減が考えられる。
また、珪酸塩化合物粉体の平均粒子径が50μm以下であることで、珪酸塩化合物による固体熱伝導率の増大を抑制する。さらに、珪酸塩化合物は、珪素成分を多く含むために、乾式シリカとの親和性が高く、他の化合物を混合した場合に比べて成形体の強度を確保しやすい。なお、珪酸塩化合物を混合することで、乾式シリカの使用量が削減できるため、珪酸塩化合物として、乾式シリカより安い粉体を選択すれば、低コスト化になる。
芯材が成形体であると、内袋が必要なくなるために、低コスト化が可能になる。また、粉体状の場合に比べ、厚みムラが小さくなるために薄肉化が容易になると共に、大気圧中の厚みと減圧封止後の厚みとの差が小さく寸法安定性に優れた真空断熱材を得ることができる。また、ハンドリング性が向上し、廃棄時の粉立ちを抑制できる。
本発明で用いる乾式シリカは、アーク法、燃焼法などの乾式法により製造されたものであれば、特に指定するものではない。平均一次粒子径が小さいと強固な成形体を得ることができるばかりでなく、断熱性能も向上するため、一次粒子径は50nm以下のものが望ましく、10nm以下のものがより望ましい。
また、種々の粒径の乾式シリカの混合物も利用可能である。例えば、粒径を規定した量産品Aと量産品Bの生産切り替えの際に生成する粒径がAからBの間で制御されていない正規ロット外品であっても使用することが可能であり、より低コストで断熱材を製造することが可能である。
本発明で用いる無機繊維は、特に指定するものではなく、グラスウール、グラスファイバー、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維などが使用可能である。なお、シリカとの親和性を確保するために、これらの繊維表面にフェノール処理などをしていないものがよい。また、これらを複数種使用してもよい。
また、繊維が細いほど、固体熱伝導率が低減できるために断熱性能が向上し、かつ繊維の表面エネルギーが増大することでシリカ粒子との結合力が向上することにより成形体の強度が向上するため、繊維径は10μm以下が望ましい。
本発明で用いる珪酸塩化合物とは、二酸化珪素と金属酸化物とからなる化合物であれば、特に指定するものではなく、パーライト、珪藻土、珪砂、珪酸白土、カオリナイト、バーミキュライト、雲母などの粉体が使用可能である。これらを複数種使用してもよい。低コスト化のためには、パーライトや珪藻土などのように非常に安価な材料を選択することがより望ましい。
また、成形体の密度は、特に指定するものではないが、成形体としての形状を維持できるという観点から100kg/m以上、良好な断熱性能が得られるという観点から300kg/m以下の範囲が望ましい。
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における前記成形体が、導電性粉体を含有するものである。
乾式シリカに導電性粉体を混合すると、断熱性能が向上する。この理由としては、導電性粉体によりシリカの凝集粒子が解砕されることで、固体接触面積の減少による固体熱伝導率の低下が考えられる。
本発明で用いる導電性粉体は、導電性を有する粉体であれば、特に指定するものではなく、粉末状カーボン、金属粉体、金属酸化物粉体、金属ドープ粉体などが使用可能である。これらを複数種使用してもよい。
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項2に記載の発明における前記導電性粉体が、粉末状カーボンであるものである。
粉末状カーボンは、工業的にも安価なものが選択でき、少量でも乾式シリカの解砕効果が高い。
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項3に記載の発明における前記粉末状カーボンの含有率が、1wt%以上30wt%以下であるものである。
請求項3に記載の発明における粉末状カーボンの含有率は、1wt%でも断熱性能の向上が認められ、30wt%で熱伝導率は極小となり、それを超えると再び熱伝導率は増大する。また、粉末状カーボンの含有率が増大すると粉末状カーボンからのアウトガスにより、経時断熱性能に影響が出てしまう。ゆえに、1wt%以上30wt%以下が望ましい。
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における前記珪酸塩化合物粉体の含有率が、1wt%以上70wt%以下であるものである。
請求項1から4のいずれか一項に記載の発明における珪酸塩化合物粉体の含有率は、1wt%でも断熱性能の向上が認められ、20wt%から60wt%で熱伝導率は極小となり、それを超えると再び熱伝導率は増大する。さらに70wt%で珪酸塩化合物を含まない場合と同様の熱伝導率となる。ゆえに、含有率は1wt%以上70wt%以下が望ましい。
請求項6に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明における前記無機繊維が、ガラス繊維であるものである。
乾式シリカとガラス繊維の組み合わせは、ガラス繊維が表面に水酸基を有しているために、乾式シリカ粉体表面に存在する水酸基との親和性が高く相互に付着しやすいことが影響し、他の材料を使用した場合に比べて強固な成形体を得ることができる。
本発明で用いるガラス繊維は、短繊維、長繊維によらず、ガラス組成により構成される繊維質のものであれば使用可能である。
請求項7に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明における前記無機繊維の含有率が、1wt%以上80wt%以下であるものである。
請求項1から6のいずれか一項に記載の発明における無機繊維の含有率を1wt%以上80wt%以下としたが、この範囲外であると成形体形状を保つのが難しい。また、少なくなるほど成形体強度が悪化し、多くなるほど断熱性能が繊維に依存するようになり経時的な断熱性能が悪化するため、より望ましくは5wt%以上70wt%以下である。
また、本発明で用いる外被材のラミネート構成は特に指定するものではない。
最内層の熱溶着層には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ナイロン、無延伸エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂などが使用可能であり、特に指定するものではない。
また、外部からのガス侵入を抑制するために、金属箔や、蒸着フィルム、コーティングフィルム、蒸着コーティングフィルムなどが使用可能である。その種類や積層数は特に指定するものではない。
金属箔は、アルミニウム、ステンレス、鉄やその混合物など、特に指定するものではない。また、蒸着やコーティングの基材となるプラスチックフィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレート、EVOH、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなど特に指定するものではない。また、蒸着の材料としては、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、シリカ、アルミナ、ダイヤモンドライクカーボンやそれらの混合物など、特に指定するものではない。また、コーティングの材料としては、PVA、ポリアクリル酸系樹脂やその混合物など特に指定するものではない。また、蒸着コーティングフィルムにおける蒸着とコーティングの積層順序は特に指定するものではない。
また、耐ピンホール性や耐摩耗性の向上、難燃性の付与、さらなるバリア性の向上などを目的として、さらに外層や中間層にフィルムを設けることも可能である。
ここで、外層や中間層に設けるフィルムは、ナイロン、エチレン・4フッ化エチレン共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体樹脂など、その種類や積層数は、特に指定するものではない。また、蒸着フィルムやコーティングフィルム、蒸着コーティングフィルムであってもよいし、さらに金属箔を積層してもよい。
また、外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋、センターテープシール袋など、特に指定するものではない。
また、真空断熱材の初期断熱性能や経時断熱性能をより一層向上させるために、水分吸着剤やガス吸着剤を使用することも可能である。吸着剤の種類は特に指定するものではなく、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイトなどが使用可能であり、これらを単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図1に示すように、真空断熱材5は、芯材6を外被材7で覆い、外被材7の内部を減圧密封したものである。
まず、真空断熱材5の製造方法を説明する。
芯材6は、乾式シリカ粉体8と無機繊維9と珪酸塩化合物粉体10を所定割合で混合した粉体を型に入れ、圧縮成形して成形体を作製する。なお、このときの珪酸塩化合物粉体10の平均粒子径は乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径より大きく、かつ50μm以下である。
外被材7は、同じ大きさの長方形に切った2枚のラミネートフィルムの熱溶着層同士を向かい合わせて三辺をヒートシールし、袋状とする。
次に、三辺シールした外被材7の開口部から140℃の乾燥炉にて1時間程度乾燥させた芯材6を挿入する。これをチャンバー内に設置し、内部を13Pa以下まで減圧した後、外被材7の開口部をヒートシールすることで真空断熱材5を得る。
乾式シリカ粉体8と無機繊維9と珪酸塩化合物粉体10の組み合わせは、相互の親和性が高いために強固な成形体が得られる。また、珪酸塩化合物粉体10の粒子径を限定することによって、固体熱伝導率を低減し、初期断熱性能が向上する。また、芯材6が粉体系であるため、経時断熱性能も優れている。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における真空断熱材を用いた断熱箱体の一例である冷蔵庫の断面図である。図2に示すように、冷蔵庫11は、内箱12と外箱13とで構成される箱体内部に実施の形態1の真空断熱材5を配置し、真空断熱材5以外の空間部を硬質ウレタンフォーム14で発泡充填している。また、冷蔵庫11の背面下部の機械室15と庫内18との間にも真空断熱材5を配設している。
このように構成された冷蔵庫11の消費電力量を測定したところ、真空断熱材5を装着しない冷蔵庫よりも15%低下しており、優れた断熱効果を確認した。
本実施の形態の真空断熱材5は経時断熱性能に優れるために、10年後を想定した加速試験を行ったところ、初期の消費電力量から2〜3%しか変化しなかった。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例では実施の形態1における成形体の構成について検討した。
(実施例1)
珪酸塩化合物粉体10の粒径について評価した。本実施例では、無機繊維9としてガラス繊維、珪酸塩化合物粉体10としてパーライトまたは珪藻土を使用し、乾式シリカ粉体8が70wt%と、無機繊維9が10wt%と、珪酸塩化合物粉体10が20wt%とからなる成形体の強度、および前記成形体を芯材6として使用した真空断熱材5の熱伝導率を評価した。乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径100nmに対し、パーライトの平均粒子径を0.5μmとした。
成形体の強度は強く、作製時に崩れや粉落ちなどの発生はなく、取り扱い性は良好であった。
珪酸塩化合物粉体10を混合しない場合、すなわち乾式シリカ90wt%と無機繊維10wt%からなる成形体を芯材として使用した場合の真空断熱材の熱伝導率0.0068W/mKに対し、上記構成の熱伝導率は、0.0060W/mKであり、断熱性能が向上した。
さらに、珪酸塩化合物粉体10の粒子径を変更して評価したところ、平均粒子径が小さいほど断熱性能は向上するが、乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径と同等以下になると、0.0068W/mKとなり、断熱性能は向上しなかった。
また、珪酸塩化合物粉体10の平均粒子径が増大すると共に断熱性能は悪化し、50μmの時には、珪酸塩化合物粉体10を混合しない場合と同等の0.0068W/mKとなり、60μmでは0.0070W/mKと混合しない場合より悪化した。よって、珪酸塩化合物粉体10の平均粒子径は、乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径より大きく、かつ50μm以下が望ましい。
なお、本実施例では、珪酸塩化合物粉体10としてパーライトを使用したが、珪藻土などでも同様に熱伝導率は向上した。
(実施例2)
導電性粉体含有の影響について評価した。珪酸塩化合物粉体10としてパーライトを、無機繊維9としてガラス繊維を、導電性粉体として粉末状カーボンであるカーボンブラックを使用し、乾式シリカ粉体8と、無機繊維9と、珪酸塩化合物粉体10と導電性粉体とを混合した場合の成形体を芯材6として使用した真空断熱材5の熱伝導率を評価した。乾式シリカ粉体8と無機繊維9と珪酸塩化合物粉体10の重量比を7:1:2に固定し、導電性粉体の含有率を変更した。
導電性粉体を含まない場合の熱伝導率0.0060W/mKに対し、導電性粉体が1wt%で0.0058W/mKとなり、断熱性能が向上、30wt%で極小値0.0050W/mKとなり、それを超えると再び悪化し始めた。
また、導電性粉体が30wt%以上を超えると、導電性粉体からのアウトガスが多くなり、経時断熱性能に影響するため、望ましくは1wt%以上30wt%以下である。
本実施例では導電性粉体として粉末状カーボンであるカーボンブラックを使用したが、酸化錫などの酸化金属でも同様に熱伝導率は向上する。しかし、kg当たりのコストを考慮すると、カーボンブラックが数百円であるのに対し、酸化錫では、その数十倍高くなるため、粉末状カーボンを使用する方が、より望ましい。
(実施例3)
珪酸塩化合物粉体10の含有率について評価した。珪酸塩化合物粉体10として、パーライトを、無機繊維9としてガラス繊維を使用し、それらを混合した成形体の強度および前記成形体を芯材6として使用した真空断熱材5の熱伝導率を評価した。なお、成形体における無機繊維9の含有率を10wt%に固定し、残りの90wt%のうちの乾式シリカ粉体8と珪酸塩化合物粉体10の比率を変更した。
珪酸塩化合物粉体10を含まない場合の熱伝導率0.0068W/mKに対し、珪酸塩化合物粉体10が1wt%で0.0066W/mKとなり、断熱性能が向上、20wt%から60wt%の範囲で極小値0.0060W/mKとなり、それを超えると再び悪化し始め、珪酸塩化合物粉体10が70wt%で珪酸塩化合物粉体10を含まない場合と同等の0.0068W/mKとなり、珪酸塩化合物粉体10が80wt%では0.0070W/mKと、珪酸塩化合物粉体10を含まない場合より悪化した。
ゆえに、珪酸塩化合物粉体10の含有率は、1wt%以上70wt%以下が望ましい。
(実施例4)
無機繊維9の材料について評価した。珪酸塩化合物粉体10としてパーライトを、無機繊維9として、ガラス繊維またはシリカアルミナ繊維を使用し、乾式シリカ粉体8が70wt%と、無機繊維9が10wt%と、珪酸塩化合物粉体10が20wt%とからなる成形体の強度および、前記成形体を芯材6として使用した真空断熱材5の熱伝導率を評価した。
どちらもハンドリングに問題ない強固な成形体が得られたが、ガラス繊維を使用したほうがより強い成形体が得られた。なお、熱伝導率はどちらも0.0060W/mKであった。
(実施例5)
無機繊維9の混合率について評価した。珪酸塩化合物粉体10としてパーライト、無機繊維9としてガラス繊維を使用し、成形体強度を評価した。なお、乾式シリカ粉体8と珪酸塩化合物粉体10の重量比を2:1に固定し、無機繊維9の含有率を変更した。
無機繊維9の混合率が少なすぎても多すぎても成形体強度は悪化し、1wt%未満または80wt%を超えると成形体の形状を保つことが難しかった。ゆえに、無機繊維9の含有率は、1wt%以上80wt%以下の範囲が望ましい。
(実施例6)
乾式シリカ粉体8の粒子径について評価した。珪酸塩化合物粉体10としてパーライト、無機繊維9としてガラス繊維を使用し、乾式シリカ粉体8が70wt%と、無機繊維9が10wt%と、珪酸塩化合物粉体10が20wt%とからなる成形体の強度、および前記成形体を芯材6として使用した真空断熱材5の熱伝導率を評価した。
乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径と熱伝導率の関係は、100nmでは0.0060W/mK、50nmでは0.0058W/mK、10nmでは0.0055W/mKであり、乾式シリカ粉体8の粒子径が小さいほど断熱性能は向上した。また、成形体の強度も向上した。これは、粒子が細かいほど表面エネルギーが増大することで乾式シリカ粉体8の粒子同士や無機繊維9との結合力が高まったと考える。
(比較例1)
珪酸塩化合物粉体10の代わりに、非珪酸塩化合物として酸化アルミニウムを混合し、成形体強度と前記成形体を芯材として用いた真空断熱材の熱伝導率を評価した。
珪酸塩化合物粉体10を混合した場合に比べて、成形体強度が悪化し、粉落ちが発生した。おそらく、酸化アルミニウムは珪素成分を含まないか、含んでいても不純物レベル程度にしか含まないために、乾式シリカとの親和性が悪化したと考える。
酸化アルミニウムを含まない場合の熱伝導率0.0068W/mKに対し、0.0066W/mKと若干の改善はあったものの、珪酸塩化合物を混合した場合の0.0060W/mKには及ばなかった。成形体強度が悪化したことによる真空断熱材の高密度化により固体熱伝導率が増大したことが要因であると推測する。
(比較例2)
珪酸塩化合物粉体10の代わりに湿式シリカを混合し、成形体の強度、および前記成形体を芯材として用いた真空断熱材の熱伝導率を評価した。
珪酸塩化合物粉体10を混合した場合と同等の強度を有する成形体を得ることができたが、真空断熱材の熱伝導率は湿式シリカを混合しない場合と同等の0.0068W/mKであり、断熱性能は向上しなかった。湿式シリカは珪酸塩化合物ではないために、電荷のバランスが変わることなく、断熱性能が向上しなかったと推測する。
(比較例3)
無機繊維9の代わりに有機繊維としてポリエステル繊維を混合し、成形体の強度を評価した。
成形体は非常にもろく、手で持つと崩れてしまった。乾式シリカとの親和性が悪化したことが原因である推測する。
(比較例4)
乾式シリカ粉体8の代わりに湿式シリカを混合し、成形体の強度および前記成形体を芯材として使用した真空断熱材の熱伝導率を評価した。
乾式シリカ粉体8を混合した場合に比べて、成形体の強度が悪化し、粉落ちが発生した。湿式シリカは比表面積が小さいために、粒子同士の結合力や無機繊維9との結合力が悪化したと推測する。乾式シリカ粉体8の場合の熱伝導率0.0060W/mKに対し、0.0075W/mKであり、悪化した。粒径が大きいことや、成形体強度が悪化したことによる真空断熱材の高密度化により固体熱伝導率が増大したことが原因であると推測する。
以上、実施例および比較例より、粉体を成形体とするには乾式シリカ粉体8と無機繊維9の組み合わせが適していること、かつ、乾式シリカ粉体8の平均一次粒子径よりも大きく50μm以下の平均粒径を有する珪酸塩化合物粉体10を混合することで、その成形体を芯材6として用いた真空断熱材5の断熱性能が向上することがわかった。よって、成形体は、少なくとも乾式シリカ粉体8と無機繊維9と所定粒子径の珪酸塩化合物粉体10を含むことが望ましい。
また、導電性粉体を混合すると、さらに断熱性能が向上するためより望ましい。
また、良好な断熱性能を得るためには、珪酸塩化合物粉体10の混合比が1wt%以上70wt%以下の範囲であることが望ましい。
また、無機繊維9の中でも、強度を確保するためには、ガラス繊維を使用するのがより望ましく、その混合比は1wt%以上80wt%以下の範囲であることが望ましい。
以上のように、以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、芯材が内圧依存性に優れた粉体系の成形体であるため、長期に渡って断熱性能を維持できる。このため、非常に長い間断熱性能が要求される建築材料としての使用が可能である。また、冷蔵庫のような保冷機器や、電気湯沸かし器、炊飯器、保温調理器、給湯器などの保温機器に使用すれば長期に渡って優れた省エネ効果を示す。
また、芯材が成形体であることから、薄肉化した場合にも厚みムラが小さくなるために、省スペースで高い断熱性能が要求されるようなノート型コンピューター、コピー機、プリンター、プロジェクターなどの事務機器への適用も可能である。また、コンテナボックスやクーラーボックスなどの保冷が必要な用途や、防寒具や寝具などへの適用も可能である。
さらには、本発明にかかる芯材は、取り扱い性や寸法安定性、経時断熱性能に優れているため真空断熱箱体用の芯材としての使用も可能である。なお、真空断熱箱体とは、少なくともガスバリア性材料からなる外箱と内箱とからなる箱体であり、前記外箱と前記内箱の間の空間に前記箱体と接する芯材を設け、前記空間を減圧することで真空断熱構造を有する箱体である。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態2における真空断熱材を用いた冷蔵庫の断面図 従来の真空断熱材の断面図
符号の説明
5 真空断熱材
6 芯材
7 外被材
8 乾式シリカ粉体
9 無機繊維
10 珪酸塩化合物粉体

Claims (7)

  1. 芯材を外被材で覆い前記外被材の内部を減圧密封した真空断熱材であって、前記芯材が、少なくとも乾式シリカ粉体と無機繊維と珪酸塩化合物粉体とからなる成形体であり、前記珪酸塩化合物粉体の平均粒子径が、前記乾式シリカ粉体の平均一次粒子径より大きく、かつ50μm以下である真空断熱材。
  2. 前記成形体が、導電性粉体を含有する請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記導電性粉体が、粉末状カーボンである請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記粉末状カーボンの含有率が、1wt%以上30wt%以下である請求項3に記載の真空断熱材。
  5. 前記珪酸塩化合物粉体の含有率が、1wt%以上70wt%以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  6. 前記無機繊維が、ガラス繊維である請求項1から5のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  7. 前記無機繊維の含有率が、1wt%以上80wt%以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の真空断熱材。
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