JPWO2017154141A1 - 床版探傷装置 - Google Patents

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Abstract

センサ(100)は、金属製構造物である床版(300)の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源(104、105)と、励磁源(104、105)の磁界印加による電磁誘導作用で金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器(106)とを備える。センサ(100)は、床版(300)上を移動する車両(200)に搭載される。

Description

この発明は、橋梁の道路床面を構成する床版の損傷、例えば鋼床版ではデッキプレートの亀裂、コンクリート床版では鉄筋の腐食や破断などを非破壊で検査する非破壊検査に用いる床版探傷装置に関するものである。
励磁器の作る磁界により被検体を励磁し、その応答磁場波形を検出コイルにより検出する非破壊検査装置としては、従来、例えば特許文献1に記載された検査装置があった。特許文献1に記載された検査装置は、励磁器と検出コイルで構成される。励磁器は一対のU字コアと励磁コイルで構成され、U字コアの片方の極からもう一つの極に向かって一方向に励磁磁界を印加する。この励磁磁界により誘導電流である渦電流がデッキプレート面内かつ励磁磁界の垂直方向に流れる。また、検出コイルはU字コア内に配置され、渦電流により生じた磁界である渦電流磁界を検出する。デッキプレートに渦電流と垂直方向の亀裂がある場合、亀裂により渦電流は遮断され、渦電流磁界が大きく変化する。結果、検出コイルの出力が大きく変動するため、亀裂を検出することができる。
特開2008−249682号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された検出装置では、デッキプレートに渦電流と平行に亀裂がある場合、亀裂による渦電流は殆ど遮断されないことになる。その結果、検出コイルの出力は殆ど変動しないため、亀裂を検出することは困難である。従って、特許文献1に記載された検出装置では、渦電流の向き、すなわち励磁器の向きと亀裂の向きによっては亀裂の検出が困難な場合があった。
このように、従来の検出装置では、励磁磁界を一方向にのみ印加しているため、鋼床版のデッキプレートの亀裂の向きや、コンクリート床版内の破断した鉄筋の向きにより、検出感度が変動し、床版の損傷検出を安定して行うことができないという問題があった。
この発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、鋼床版の亀裂の向き、コンクリート床版内の破断した鉄筋の向きにかかわらず床版の損傷検出を安定して行うことのできる床版探傷装置を得ることを目的としている。
この発明に係る床版探傷装置は、金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源と、励磁源の磁界印加による電磁誘導作用で金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器とを備えたセンサを移動体に搭載したものである。
この発明に係る床版探傷装置は、金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源を備えたセンサを移動体に搭載するようにしたものである。これにより、鋼床版の亀裂の向き、コンクリート床版内の破断した鉄筋の向きにかかわらず床版の損傷検出を安定して行うことができる。
この発明の実施の形態1の床版探傷装置を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置を車両の側面から見た構成図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置を車両の後方から見た構成図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置におけるセンサの斜視図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置におけるセンサの下面図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置における励磁器の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置における信号処理システムのブロック図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置の励磁器が発する磁界強度の時間変化を示す説明図である。 図9A,図9B,図9Cは、励磁器が一つの場合の亀裂形状に対する渦電流分布を示す説明図である。 図10A,図10B,図10Cは、この発明の実施の形態1の床版探傷装置における亀裂形状に対する渦電流分布を示す説明図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置における励磁器の第2の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の床版探傷装置における励磁器の第3の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による床版探傷装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による床版探傷装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による床版探傷装置におけるセンサと床版とを車両の側面から見た断面図である。 この発明の実施の形態5による床版探傷装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態による床版探傷装置を示す機能ブロック図である。
本実施の形態による床版探傷装置は、図示のように、センサ100が移動体である車両200に搭載されて構成される。センサ100は、金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源11と、励磁源11の磁界印加による電磁誘導作用で金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器12とを備えている。車両200は、道路を構成する床版300上を走行する貨物自動車等の車両である。
図2及び図3は、実施の形態1による床版探傷装置の具体例を示している。図2は車両200の側面から見た図であり、図3は車両200の後方から見た図である。これらの図に示すように、センサ100は車両200の車体後部の下側に取り付けられている。また、図3に示すように、センサ100は、車体の幅方向の両側に二つが取り付けられている。図中のX方向、Y方向、Z方向は、それぞれ、車両200の進行方向、幅方向、垂直方向を示している。床版300は橋梁の道路床面を構成し、裏面側(下側)にU字リブ301がデッキプレート302に対して複数本車両進行方向に沿って設けられ、デッキプレート302の表面側(上側)に舗装材であるアスファルト303が設けられている。デッキプレート302は金属製の導電体からなるものである。
図4はセンサ100の斜視図、図5はセンサ100を底面側から見た下面図である。シールドケース101の外側に距離センサ102が、シールドケース101の内部にセンサヘッド103が搭載されている。シールドケース101は、パーマロイなど軟磁性体で構成され、地磁気、隣接車線を走る車両などの鋼鉄製周囲構造物からの外乱磁界を遮蔽し、外乱磁界がセンサヘッド103に干渉することを防止するために設けられている。距離センサ102は、走行中の車両200の振動により、絶えず変化するセンサ100と床版300との間の距離を計測する計測器である。センサヘッド103内には、図1に示した励磁源11に相当する第1の励磁器104と第2の励磁器105からなる2組の励磁器と、図1に示した磁界検出器12に相当する磁界検出素子アレイ106とが内蔵されている。第1の励磁器104と第2の励磁器105は同形状であり、第1の励磁器104は励磁コイル104aを巻回したU字コア104bで構成され、第2の励磁器105は励磁コイル105aを巻回したU字コア105bで構成されている。それぞれのU字コア104b,105bは両端部(先端側)が下向きの状態で配置され、端部に励磁コイル104a,105aが設けられている。また、これら第1の励磁器104及び第2の励磁器105は、互いに図中Z軸に90°ずれた配置で組み付けられている。なお、コアの材質は電磁鋼板、パーマロイ、アモルファス磁性体、フェライトなどの軟磁性体であればよい。
また、図6は、センサヘッド103の励磁器のみの斜視図であり、図4及び図5のU字コア104bとU字コア105bを一つの統合コア107に置き換えた励磁器108の構成を示している。このように、図4及び図5に示した二つからなる第1の励磁器104と第2の励磁器105を、図6に示す一つの励磁器108としてもよい。
磁界検出素子アレイ106は、図4及び図5中のY軸方向に検出素子が1からn個配置される(検出素子106−1〜106−nを備える)ことで構成される。検出素子には、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス素子、フラックスゲート、超伝導量子干渉計(SQUID:Superconducting QUantum Interference Device)、原子磁気センサ、コイルなど、磁界変動を電気信号変化に変換する素子が使用されている。
図7は、センサ100における信号処理システムのブロック図である。センサ100のシステム構成は、磁界検出素子アレイ106、増幅器109、切り替えスイッチ110、コントローラ111、記憶部112、3次元自己位置検知システム113、交流発生器114、パワーアンプ115,116、90゜位相シフタ117、励磁コイル104a,105aを備える。
磁界検出素子アレイ106におけるそれぞれの検出素子106−1〜106−nの出力信号は、それぞれの検出素子106−1〜106−nに対応して設けられた増幅器109−1〜109−nに与えられ、それぞれの増幅器109−1〜109−nの出力は切り替えスイッチ110を介してコントローラ111に与えられるよう構成されている。コントローラ111は、センサ100における各部の制御を司る制御部である。記憶部112は、コントローラ111の処理結果を一時記憶する一時記憶領域やコントローラ111の作業領域として使用するための記憶部である。3次元自己位置検知システム113は、センサ100の自己位置を検知する装置である。また、3次元自己位置検知システム113を車両200に設け、この信号をセンサ100が取得するよう構成してもよい。交流発生器114は、コントローラ111からの制御に基づいて所定の周波数の交流信号を発生する信号発生器である。パワーアンプ115,116は、交流発生器114で発生させた交流信号を増幅して励磁コイル104a及び励磁コイル105aに供給するための増幅器である。また、90゜位相シフタ117は、交流発生器114からの交流信号を90゜位相を変化させてパワーアンプ116に供給するための信号処理部である。
このように構成されたセンサ100において、床版300への磁界印加は、次のように行われる。すなわち、コントローラ111からの制御信号により、周波数fの信号が交流発生器114で生成され、次いでパワーアンプ115で増幅後、励磁コイル104aに増幅後の電流が印加され、U字コア104b先端から励磁磁界が発生する。また、交流発生器114での周波数の信号を90°位相シフタ117で位相を90°変化させた後に、パワーアンプ116で増幅後、励磁コイル105aに印加され、U字コア105b先端から励磁磁界が発生する。なお、コントローラ111、交流発生器114、パワーアンプ115,116、90゜位相シフタ117及び励磁コイル104a,105aの構成が、図1に示した励磁源11に対応し、磁界検出素子アレイ106、増幅器109、切り替えスイッチ110及びコントローラ111の構成が、図1に示した磁界検出器12に対応している。
なお、90°位相シフタ117の代わりに、交流発生器114と同期した第2の交流発生器を設け、交流発生器114からの周波数の信号と90°位相を変化させた信号を第2の交流発生器で直接生成し、パワーアンプ116に入力するよう構成してもよい。
図8は、その時の第1の励磁器104と第2の励磁器105から生じる磁界強度の時間変化を示すグラフであり、縦軸は第1の励磁器104のU字コア104bと第2の励磁器105のU字コア105bの各先端から発生する磁界の強度を示し、横軸は経過時間を示す。また、実線は第1の励磁器104の磁界強度変化を示し、破線は第2の励磁器105の磁界強度変化を示している。さらに、横軸上の時間1/fは、周波数fの信号の1周期にかかる時間を示しており、t1は時間ゼロ、t2は1/8周期(t1から45°の位相差)、t3は1/4周期(t1から90°の位相差)を示す時間である。第1の励磁器104と第2の励磁器105から生じる磁界強度は、時間としてt3分ずれており、つまり位相が90°ずれていることが分かる。
床版300に励磁磁界が印加されると、床版300内のデッキプレート302に電磁誘導の法則により、渦電流と呼ばれる励磁電流が流れ、渦電流による渦電流磁界が発生する。
図9Aは、励磁器が一つのみの場合での、デッキプレート302上面からみた時の励磁器による励磁磁界401と、励磁磁界401により、電磁誘導の法則に則ってデッキプレート302上に生じた誘導電流(渦電流402)の分布を模式的に示す説明図である。図中の点線部403は、励磁器のU字コア先端の位置を示している。デッキプレート302に亀裂がない場合、渦電流402は楕円状に、かつ、U字コアの直下では、Y方向に流れることがわかる。それに対して、図9Bは、図9Aに対して、デッキプレート302上にX方向の亀裂404、図9Cは、図9Aに対して、デッキプレート302上にY方向の亀裂405が存在する場合の、デッキプレート302上を流れる渦電流402の分布を示している。図9Bでは、X方向の亀裂404により、X方向の亀裂404周囲で渦電流402が大きく変化しているが、図9Cでは、渦電流402がほとんど変化していないことがわかる。つまり、励磁器のU字コアと同じ向きの亀裂は検出できるが、U字コアと垂直な方向の亀裂は検出が困難であることがわかる。
一方、図10は、実施の形態1の第1の励磁器104と第2の励磁器105を備えた構成の誘導電流の分布を示している。すなわち、図10は、デッキプレート302上面から見た時の第1の励磁器104と第2の励磁器105による励磁磁界401と、デッキプレート302上に生じた誘導電流(渦電流402)の分布を模式的に示す説明図である。なお、図10では説明を簡略化するため、第1の励磁器104と第2の励磁器105の設置方向をX方向とY方向に平行としている。図中の点線部406はU字コア104bの先端の位置を示し、点線部407はU字コア105bの先端の位置を示している。また、405はY方向の亀裂である。さらに、図10A、図10B、図10Cの順で、図8のt1、t2、t3への時間変化を示している。
時間がt1からt3に進むにつれて、励磁磁界401がX方向から右回りにY方向に回転する。時間t1では、図9と励磁磁界401の印加向きが同じであり、図9Cの状態と同様に、Y方向の亀裂405による渦電流402の変化は見られないが、時間t3では、励磁磁界401がY方向となるため、Y方向の亀裂405周囲で渦電流402が大きく変化する。従って、時刻t3で渦電流402の変化により渦電流磁界が変化する。このように、第1の励磁器104及び第2の励磁器105の二つの励磁器を用いて、90°位相をずらして各励磁器から磁界を発生することにより、亀裂の向きに関係なく、亀裂により渦電流402が変化することが分かる。
亀裂による渦電流磁界の変化は、磁界検出素子アレイ106内の検出素子106−1〜106−nを用いて電気信号の変化に変換され、増幅器109−1〜109−nで増幅後、切り替えスイッチ110を介してコントローラ111に送信される。コントローラ111は、磁界検出素子アレイ106からの2次元の電気信号の変動分布情報と、車両200に搭載された3次元自己位置検知システム113からの車両の緯度、経度、高度などの現在位置情報と走行速度及び加速度情報と、距離センサ102からのセンサ100と床版300間の距離情報と、パワーアンプ115,116からの位相情報とから、床版300上の渦電流磁界の変動分布イメージを導出し、記憶部112への保存作業を行う。
計測後、例えばコントローラ111や図示しない外部装置で記憶部112に保存した床版300上の渦電流磁界の変動分布イメージを読み出し、この変動分布イメージから、亀裂が生じた時の渦電流磁界変化箇所を抽出することにより、床版の亀裂箇所を迅速に発見することが出来る。
このように、センサ100による計測作業を、車両200の走行中に実施することにより、短時間の間に広範囲の床版300に存在する亀裂の有無を、亀裂の向きに依存することなく検査することが出来る。
なお、上記例では励磁器の数を第1の励磁器104と第2の励磁器105の二つとしたが、励磁器の数はM個(M≧2)の構成にしてもよい。
ここで、時間tでのp個目の励磁器の発生磁界Bpが、
Bp=L×sin(2×π×f×t+π/M×p)
であれば、励磁磁界401がデッキプレート302中を回転するため、亀裂の向きに依存することなく検査することが出来る(ただし、fは発生磁界の周波数、Lは発生磁界の振幅を示す)。すなわち、励磁源11として、U字コアとU字コアにおけるそれぞれの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をM個有し、このM個の励磁器のそれぞれの励磁コイルに対して、180/M°の位相差を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加することで、本実施の形態の床版探傷装置を実現することができる。
図11は、励磁器を三つとした場合の例である。図示例では、第1の励磁器104と第2の励磁器105と第3の励磁器118の三つの励磁器を60°毎に回転して配置した構成としている。なお、第3の励磁器118は、励磁コイル118aとU字コア118bとから構成されている。
また、図6にて示したように、各励磁器のU字コアを統合する場合は、コアの先端の数はm個(m≧3)の構成にしてもよい。
ここで、時間tでのコアのq個目の先端の発生磁界Bqが、
Bq=L×sin(2×π×f×t+2×π/m×q)
であれば、励磁磁界401がデッキプレート302中を回転するため、亀裂の向きに依存することなく検査することが出来る。
図12は、このような構成を示す励磁器のみの斜視図である。図示例では、一つの励磁器119内に120°毎に統合コア120の先端が三つ設けられており、各先端に励磁コイル121a、励磁コイル121bと励磁コイル121cを配置した構成を示している。
また、図12に示すような統合コアを複数個設けるようにしても良い。この場合は図12に示す統合コアを複数個図11に示すように重ねた配置とする。すなわち、統合コアを用いる場合、m個の先端部が円周上に等間隔に配置されたコアとコアの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をn個有し、n個の励磁器におけるm個の励磁コイルに対して、それぞれ360/(m×n)°の位相差(ただし、m×n≧3)を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加することでも本実施の形態の床版探傷装置を実現することができる。
以上説明したように、実施の形態1の床版探傷装置によれば、金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源と、励磁源の磁界印加による電磁誘導作用で金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器とを備えたセンサを移動体に搭載したので、鋼床版の亀裂の向き、コンクリート床版内の破断した鉄筋の向きにかかわらず床版の損傷検出を安定して行うことができる。
また、実施の形態1の床版探傷装置によれば、励磁源として、m個の先端部が円周上に等間隔に配置されたコアとコアの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をn個有し、n個の励磁器におけるm個の励磁コイルに対して、それぞれ360/(m×n)°の位相差を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加するようにしたので、床版内の鋼鉄部に回転磁界を印加することができる。
また、実施の形態1の床版探傷装置によれば、励磁源として、U字コアとU字コアにおけるそれぞれの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をM個有し、M個の励磁器のそれぞれの励磁コイルに対して、180/M°の位相差を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加するようにしたので、床版内の鋼鉄部に回転磁界を印加することができる。
また、実施の形態1の床版探傷装置によれば、磁界検出器を励磁源の内部に配置するようにしたので、損傷の近傍で生じた渦電流磁界を近距離で検出することが出来るため、検出感度を高めることができる。すなわちS/NのSを高めることができる。
また、実施の形態1の床版探傷装置によれば、磁界検出器は、複数の磁界検出素子を有する磁界検出素子アレイとしたので、損傷の向きがどのような向きであっても安定した検出感度を得ることができる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2による床版探傷装置を示す構成図である。実施の形態2では、センサ100を車両200の車体中央下部に取り付けている。センサ100の内部構成及び床版300に対する損傷の検出処理については実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
通常、車両200の車体後部の下側には、スペアタイヤや貨物部への昇降装置といった車両200の装備が既に搭載されていることが多く、このような構成に対してセンサ100を取り付ける場合は、スペアタイヤや昇降装置等の移設作業が発生する。これに対し、貨物自動車の車体中央下部は空間的な余裕がある場合が多く、車両200に備えられた装置等の移設作業を行うことなくセンサ100を車両200に搭載することができ、移設の手間及び移設先の確保を省くことができる。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3による床版探傷装置を示す構成図である。実施の形態3では、センサ100を車両200に取り付けた牽引車201の下面側に取り付けている。牽引車201は、車両200の車体後部に接続され、車両200と一体に移動する移動体である。このような構成では、車両200とセンサ100との距離を離すことができるため、車両200に起因する外乱磁界が、センサ100内のセンサヘッド103に与える影響を低減することができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4の床版探傷装置におけるセンサ100aと床版300とを車両の側面から見た断面図である。実施の形態4のセンサ100aは、磁界検出素子アレイ106が、第1の励磁器104と第2の励磁器105におけるU字コア104bとU字コア105bの外側かつ後方に配置されている。
このように構成された床版探傷装置では、励磁磁界401は、U字コア104b及びU字コア105bとデッキプレート302との間に生じており、磁界検出素子アレイ106までは届いていない。それに対して、渦電流により生じる渦電流磁界408は、U字コア104b及びU字コア105b直下のデッキプレート302から広がるように分布している。そのため、磁界検出素子アレイ106には、励磁磁界401は印加されず、渦電流磁界408のみ印加されるため、より高感度に亀裂を検出することができる。
以上説明したように、実施の形態4の床版探傷装置によれば、磁界検出器を励磁源の外側に配置するようにしたので、磁界検出器には励磁磁界が直接印加されずに渦電流磁界のみを検出するため、検出感度を高めることができる。すなわち、S/NのNを減少させることができる。
実施の形態5.
図16は、実施の形態5による床版探傷装置を示す構成図である。図16は、車両200の後側かつ下面側から見た斜視図を示している。実施の形態5では、センサヘッド103を複数個シールドケース101内に千鳥配置でY方向に搭載している。このような構成により、センサヘッド103の単体の寸法を大きくすることなく、Y方向に隙間なくセンサヘッド103を配置できるため、コストを抑えたまま、床版300内のデッキプレート302全面の亀裂の検査を行うことができる。
なお、センサヘッド103については、図4及び図5で示した構成に限定されるものではなく、コアを統合した図6や図12の構成、3組の励磁器を有する図11の構成等であってもよい。
以上説明したように、実施の形態5の床版探傷装置によれば、励磁源と磁界検出器とを移動体の幅方向に千鳥配置で複数配置するようにしたので、励磁源と磁界検出器とを隙間なく配置することができ、従って損傷をもれなく検出することができる。
なお、上記各実施の形態では、移動体を車両200としたが、センサ100(100a,100b)を搭載するものであればどのようなものであってもよい。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係る床版探傷装置は、励磁器の作る磁界により被検体を励磁し、その応答磁場波形を検出コイルにより検出することで金属製構造物の損傷を検出する構成に関するものであり、橋梁の道路床面を構成する床版の損傷を非破壊で検査する非破壊検査に用いるのに適している。
11 励磁源、12 磁界検出器、100,100a,100b センサ、101 シールドケース、102 距離センサ、103 センサヘッド、104 第1の励磁器、104a 励磁コイル、104b U字コア、105 第2の励磁器、105a 励磁コイル、105b U字コア、106 磁界検出素子アレイ、107 統合コア、108 励磁器、109 増幅器、110 切り替えスイッチ、111 コントローラ、112 記憶部、113 3次元自己位置検知システム、114 交流発生器、115,116 パワーアンプ、117 90゜位相シフタ、118 第3の励磁器、118a 励磁コイル、118b U字コア、119 励磁器、120 統合コア、121a,121b,121c 励磁コイル、200 車両、201 牽引車、300 床版、301 U字リブ、302 デッキプレート、303 アスファルト。
この発明に係る床版探傷装置は、センサを移動体に搭載した床版探傷装置であって、センサは、金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源と、当該励磁源の磁界印加による電磁誘導作用で金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器とを備え、磁界検出器は、励磁源の内部に配置され、移動体の幅方向に配列された複数の磁界検出素子を有する磁界検出素子アレイと、磁界検出素子アレイからの電気信号の変動分布情報に基づいて渦電流による磁界の変動分布イメージを導出するコントローラとを備えるものである。

Claims (7)

  1. 金属製構造物の損傷に対して磁界の向きが回転する磁界を印加する励磁源と、当該励磁源の磁界印加による電磁誘導作用で前記金属製構造物に生じた誘導電流である渦電流による磁界を検出する磁界検出器とを備えたセンサを移動体に搭載したことを特徴とする床版探傷装置。
  2. 前記励磁源として、m個の先端部が円周上に等間隔に配置されたコアと当該コアの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をn個有し、前記n個の励磁器における前記m個の励磁コイルに対して、それぞれ360/(m×n)°の位相差を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加することを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置(ただし、m×n≧3)。
  3. 前記励磁源として、U字コアと当該U字コアにおけるそれぞれの先端部に巻回した励磁コイルとで構成される励磁器をM個有し、当該M個の励磁器のそれぞれの励磁コイルに対して、180/M°の位相差を有する同一周波数及び同一振幅の交流電流を印加することを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置(ただし、M≧2)。
  4. 前記磁界検出器を前記励磁源の内部に配置することを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置。
  5. 前記磁界検出器を前記励磁源の外側に配置することを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置。
  6. 前記磁界検出器は、複数の磁界検出素子を有する磁界検出素子アレイであることを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置。
  7. 前記励磁源と前記磁界検出器とを前記移動体の幅方向に千鳥配置で複数配置することを特徴とする請求項1記載の床版探傷装置。
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