JPWO2017146018A1 - ポリアミドエラストマー組成物並びにこれよりなる繊維及び成形体 - Google Patents

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Abstract

各種成形の安定性、染色性及び染色堅牢性に優れるポリアミドエラストマー組成物を提供する。
ポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物とを含み、前記ポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1と、下記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物又は下記式(3)で表されるラクタム化合物から誘導される構成単位2と、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物から誘導される構成単位3とを含み、ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下であり、ポリアミドエラストマーの末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上である、ポリアミドエラストマー組成物である。
Figure 2017146018

(xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1を表す。)

Description

本発明は、ポリアミドエラストマー組成物に関する。また、これよりなる繊維及び成形体に関する。
熱可塑性エラストマーは、ウレタン系、スチレン系、エステル系、アミド系など種々の樹脂組成物として上市されており、その高い柔軟性、高い伸縮性、低比重などの優れた特性により、機能性繊維のみならず、衣料用ボタン、線ファスナー、襟カラーなどにも展開され、幅広く使用されている。
特に近年、衣料品のファッション性、機能性に対する要求がますます高まっている。特に熱可塑性ポリウレタンの用途が広がっており、ストッキング、タイツなどの用途には、高い伸縮性、弾性回復性を有するポリウレタン弾性繊維が幅広く用いられている。また、衣料用ボタンにも展開されている。しかし、ポリウレタンは、耐候性が低いために長期間使用による物性低下が大きい。また染色性にも乏しく、特殊な染色法が必要な上、染料の反応性も悪いために染料が脱落しやすく、染色堅牢度が不十分である。そのため多彩な発色を要する用途への適用が困難であった。
上記に関連して、弾性糸として、特定の構造単位を有するポリエーテルエステルアミドエラストマー弾性糸が提案され、軟化温度、弾性回復性及び耐熱性に優れるとされている(例えば、特許文献1参照)。またアイオノマー樹脂と、α−オレフィン及び不飽和グリシジル化合物の共重合体とを含むポリアミド系の熱可塑性エラストマーが提案され、圧縮永久歪が改善されるとされている(例えば、特許文献2参照)。
一方、溶融成形性、成形加工性に優れ、強靭性、耐屈曲疲労性、反撥弾性、低温柔軟性、消音特性及びゴム的な性質等に優れ、低比重であるポリエーテルアミドエラストマーの製造方法として、リン原子含有化合物の存在下にモノマーを溶融重縮合する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−8324号公報 特開2003−221493号公報 特開2011−256364号公報
しかしながら、特許文献1に記載の弾性糸では、前述の通り酸性染料との親和性が不十分で染色性が十分とはいえずに、衣料用途への適用は困難であった。また弾性糸の紡糸工程では、長時間安定した紡糸操業性が求められるが、紡糸工程における十分な安定生産性が達成できない場合があった。一方、特許文献2に記載の熱可塑性エラストマーでは、繊維等の衣料用途への適用は想定されておらず、また染色性も十分とは言い難かった。
すなわち、従来から伸縮性のあるポリマーは種々検討されているが、優れた生産安定性と、優れた染色性とを兼ね備えた樹脂組成物は得られていなかった。
本発明は、各種成形における安定生産性、染色性及び染色堅牢性に優れるポリアミドエラストマー組成物を提供することを目的とする。また、ポリアミドエラストマーを含む繊維を工業的に製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであり、本発明は以下の態様を包含する。
[1] ポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物とを含むポリアミドエラストマー組成物であり、前記ポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1と、下記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物又は下記式(3)で表されるラクタム化合物から誘導される構成単位2と、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物から誘導される構成単位3とを含み、
前記ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下であり、前記ポリアミドエラストマーの末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上である、ポリアミドエラストマー組成物である。
Figure 2017146018
式中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1を表す。
[2] 前記ポリアミドエラストマー組成物からなる成形体である。
[3] 前記ポリアミドエラストマー組成物からなるポリアミドエラストマー繊維である。
[4] 前記ポリアミドエラストマー組成物からなる衣料用ボタンである。
[5] 前記ポリアミドエラストマー組成物からなる部材を含む衣料用の線ファスナーである。
[6] 前記ポリアミドエラストマー組成物の連続的溶融紡糸のための使用である。
[7] 上記式(1)で表されるジアミン化合物と、上記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は上記式(3)で表されるラクタム化合物と、上記式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを、亜リン酸化合物の存在下で溶融重合して、ポリアミドエラストマーを得ることと、得られるポリアミドエラストマーを含む樹脂組成物を溶融紡糸することと、を含む前記ポリアミドエラストマー繊維の製造方法である。
本発明によれば、各種成形における生産安定性、染色性及び染色堅牢性に優れるポリアミドエラストマー組成物を提供することができる。特に、本発明の熱可塑性エラストマーを使用すれば、紡糸装置を用いて繊維を工業的に生産する際、長時間の連続的運転が容易である。
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
[ポリアミドエラストマー組成物]
本実施形態のポリアミドエラストマー組成物は、ポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物とを含む。前記ポリアミドエラストマーは、下記式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1と、下記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物又は下記式(3)で表されるラクタム化合物から誘導される構成単位2と、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物から誘導される構成単位3とを含み、末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上である。また前記ポリアミドエラストマー組成物は、ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下である。
Figure 2017146018
式中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表す。Rは炭化水素鎖を含む連結基を表す。Rは炭化水素鎖を含む連結基を表す。Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1を表す。
構成単位1
ポリアミドエラストマーは、上記式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1の少なくとも1種を含む。上記式(1)で表されるジアミン化合物は、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物であり、例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等の両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニア等を反応させることによって製造されるポリエーテルジアミン等が挙げられる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物においては、ゴム弾性を始めとする安定した特性を確保し、後述するポリアミド成分との相容性を向上して強靭なポリエーテルアミドエラストマーを確保する観点から、x及びzは、通常1〜20であり、1〜18であることが好ましく、1〜16であることがより好ましく、1〜14であることがさらに好ましく、1〜12であることが特に好ましい。yは、通常4〜50であり、5〜45であることが好ましく、6〜40であることがより好ましく、7〜35であることがさらに好ましく、8〜30であることが特に好ましい。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物の具体例としては、米国HUNTSMAN社製の
XTJ−533(式(1)において、xがおよそ12、yがおよそ11、zがおよそ11)、
XTJ−536(式(1)において、xがおよそ8.5、yがおよそ17、zがおよそ7.5)、
XTJ−542(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ9、zがおよそ2)、
XTJ−559(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ14、zがおよそ2)
RT−1000(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ9、zがおよそ2)等が挙げられる。
また、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物として、
XYX−1(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ14、zがおよそ2)、
XYX−2(式(1)において、xがおよそ5、yがおよそ14、zがおよそ2)、
XYX−3(式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ19、zがおよそ2)等も用いることができる。
これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリアミドエラストマーは、式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1に加えて、その他のジアミン化合物から誘導される構成単位1aを含んでいてもよい。その他のジアミン化合物としては、炭素原子数6〜22の分岐型飽和ジアミン、炭素原子数6〜16の分岐脂環式ジアミン、ノルボルナンジアミン、炭素原子数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、炭素原子数6〜16の直鎖脂環式ジアミン、芳香族ジアミン等が挙げられる。
炭素原子数6〜22の分岐型飽和ジアミンとしては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン等が挙げられる。
炭素原子数6〜16の分岐脂環式ジアミンとしては、例えば、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5
−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(「イソホロンジアミン」ともいう。)等が挙げられる。また、これらのジアミンはシス体及びトランス体のいずれであってもよく、あるいはこれら異性体の混合物であってもよい。
ノルボルナンジアミンとしては、例えば、2,5−ノルボナンジメチルアミン、2,6−ノルボナンジメチルアミン等が挙げられる。
炭素原子数2〜20の直鎖脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。
炭素原子数6〜16の直鎖脂環式ジアミンとしては、例えば、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−/1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、トリシクロデカンジメチルアミン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えばm−/p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
これらのその他のジアミン化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
構成単位2
ポリアミドエラストマーは、上記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物又は下記式(3)で表されるラクタム化合物から誘導される構成単位2の少なくとも1種を含む。
式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物において、ポリエーテルアミドエラストマーを含む樹脂組成物の安定した強度、弾性率等の機械的物性を確保する観点から、Rは、炭素原子数2〜20の脂肪族、又は炭素原子数6〜20の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2〜20のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数3〜18の脂肪族、又は炭素原子数6〜18の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数3〜18のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数4〜15の脂肪族、又は炭素原子数6〜15の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数4〜15のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数10〜15の脂肪族、又は炭素原子数6〜15の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数10〜15のアルキレン基であることがより好ましい。
式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素原子数3〜18の脂肪族アミノカルボン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
式(3)で表されるラクタム化合物において、ポリエーテルアミドエラストマーを含む樹脂組成物の安定した強度、弾性率等の機械的物性を確保する観点から、Rは、炭素原子数3〜20の脂肪族、又は炭素原子数6〜20の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数3〜20のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数3〜18の脂肪族、又は炭素原子数6〜18の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数3〜18のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数4〜15の脂肪族、又は炭素原子数6〜15の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数4〜15のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数10〜15の脂肪族、又は炭素原子数6〜15の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数10〜15のアルキレン基であることがより好ましい。
式(3)で表されるラクタム化合物としては、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタム、2−ピロリドン等の炭素原子数3〜18の脂肪族ラクタム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
構成単位3
ポリアミドエラストマーは、上記式(4)で表されるジカルボン酸化合物から誘導される構成単位3の少なくとも1種を含む。
式(4)で表されるジカルボン酸化合物において、ポリエーテルアミドエラストマーを含む樹脂組成物の安定したゴム弾性や柔軟性を確保する観点から、Rは、炭素原子数1〜20の脂肪族、又は炭素原子数6〜20の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数1〜15の脂肪族、又は炭素原子数6〜15の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜15のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数2〜12の脂肪族、又は炭素原子数6〜12の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2〜12のアルキレン基であることがより好ましい。
また、炭素原子数4〜10の脂肪族、又は炭素原子数6〜10の脂環族若しくは芳香族の炭化水素基が好ましく、炭素原子数4〜10のアルキレン基であることがより好ましい。
式(4)で表されるジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の炭素原子数2〜20の直鎖脂肪族ジカルボン酸;トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素原子数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
式(4)で表されるジカルボン酸化合物としては、上記脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸であることが好ましい。ダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」等を用いることができる。
ポリアミドエラストマーは、ポリアミド成分の結晶性を向上し、得られるポリアミドエラストマーの強度、弾性率等の機械的物性を確保し、ゴム弾性や柔軟性等のエラストマーとしての機能、性能を安定に発現させる観点から、構成単位1、構成単位2及び構成単位3の合計100質量%に対して、構成単位2が、5〜85質量%であることが好ましく、10〜85質量%であることがより好ましく、15〜85質量%であることがさらに好ましく、15〜80質量%であることがさらに好ましく、構成単位1及び構成単位3の合計が、15〜95質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることがより好ましく、15〜85質量%であることがさらに好ましく、20〜85質量%であることがさらに好ましい。
構成単位1及び構成単位3は、式(1)で表されるジアミン化合物由来のアミノ残基(その他のジアミン化合物を含有するときはそのアミノ基も含む)と、式(4)で表されるジカルボン酸化合物由来のカルボキシ残基とがほぼ等モルであることが好ましい。
また式(1)で表されるジアミン化合物由来のアミノ残基(その他のジアミン化合物を含有するときはそのアミノ基も含む)と、式(4)で表されるジカルボン酸化合物由来のカルボキシ残基とのモル比が、45/55〜55/45であることが好ましく、47/53〜53/47であることがより好ましく、49/51〜51/49であることがさらに好ましく、50/50であることがさらに好ましい。
ポリアミドエラストマーが、その他のジアミン化合物から誘導される構成単位1aを含む場合、構成単位1と構成単位1aの総質量中の構成単位1の含有率は、ポリアミドエラストマーを含む組成物の安定したゴム弾性や柔軟性等のエラストマーとしての機能、性能
を確保する観点から、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好
ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。
また、構成単位1aの含有率は、ポリアミドエラストマーを含む組成物の安定した透明性を確保する観点から、ポリアミドエラストマーの総質量中に0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
ポリアミドエラストマー中の構成単位1、構成単位2及び構成単位3の定性と定量は、加水分解によってモノマーとした後、液クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、IR、H−NMRなど一般的に高分子の評価に用いられる方法によって測定することができる。
加水分解による組成分析の方法の一例を説明する。
酸として、ポリアミドを選択的に加水分解できる臭化水素酸、塩酸などを用いる。
酸の使用量は、ポリアミドエラストマー混合物0.1gに対して、50〜100mlである。
より早く加水分解を促進するため、ポリアミドエラストマー混合物は、例えば凍結粉砕により粉砕してパウダー状で用いる。
加水分解時の温度は、100〜130℃である。
加水分解した後、濾過または遠心分離により不溶物を酸溶液から分離する。
分離した溶液を評価する方法として高速液体クロマトグラフ分析(HPLC)やガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)などを用いることができる。
例えばGC/MSの場合であれば、分析機器を島津製作所製GCMS−QP5050A型にて、カラムをUltra ALLOY+−1(MS/HT)(0.25φ×15m、0.15μm)を用い、120−390℃(12℃/min hold)のカラム温度で、注入口温度340℃、インターフェース温度340℃においてキャリアーガスHe 2.0ml/minで導入し、イオン化法(EI法70eV)、測定範囲20−900、注入法スプリット法1:8、注入量1μlにて測定できる。
ポリアミドエラストマーは、溶融紡糸時の溶融張力を維持する、または射出成形時の型離れをよくするという観点から、できるだけ高めの相対粘度を有することが好ましい。但し、あまり粘度を上げすぎると、エラストマー重合の生産性が低下するだけでなく、溶融時の流動性が大きく低下し、様々な熱成形が困難となる。ポリアミドエラストマーは、m−クレゾールを溶媒として5g/dmの濃度における相対粘度が、25℃において、1.9以上であることが好ましく、1.9〜3.5であることがより好ましく、1.9〜3.0であることがさらに好ましい。
ポリアミドエラストマーは、末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上であり、染色性の観点から、2.0×10−5〜10.0×10−5eq/gであることが好ましく、4.0×10−5〜10.0×10−5eq/gであることがより好ましい。末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上であると、得られるポリアミドエラストマー組成物の染色性、染色堅牢性がより向上する傾向がある。また末端アミノ基濃度が10.0×10−5eq/g以下であると、ポリアミドエラストマーの製造時において十分な重合度を達成することができる傾向がある。末端アミノ基濃度が前記した範囲にあるポリアミドエラストマーは、例えば、重合反応において、使用するジカルボン酸に対するジアミンのモル比を1より大きくすることにより得られる。
ポリアミドエラストマーの末端カルボキシル基濃度は、重合がバランスよく進行した場合、計算上末端アミノ基と同等量となる。しかし、染色性改善のために重合バランスを崩したり、末端反応させたりすることにより、末端アミノ基濃度を増やすことができる。重合安定性の観点から、末端カルボキシ基濃度は2.0×10−5〜10×10−5eq/gであることが好ましく、3.0×10−5〜8.0×10−5eq/gであることがより好ましい。
ポリアミドエラストマー組成物を成形する場合、射出成形、押出成形を安定化させるため、材料内の異物を除去する目的で、押出機にフィルターやろ過材を配することがある。特に溶融紡糸法においては、紡糸中の糸切れ防止対策として、紡糸ノズルの上流側に、ガラスビーズ、メタルパウダーなどのろ過材を充填し、更に金網型、もしくは焼結型のフィルターを配するのが一般的である。これにより、ノズル詰まりや糸切れを低減して長時間安定した紡糸操業性を得ることができる。しかし、ろ過材における捕捉物が多くなると、徐々にろ過材が閉塞してろ過圧上昇により押出機に負荷がかかり、紡糸を停止せざるを得なくなる。
ろ過の閉塞の原因として、重合時に混入した微細な異物、炭化物、ポリマー中の未溶融物、ポリマー内の無機物質の凝集などが挙げられる。特に、重合触媒、艶消し剤等としてポリマー内に含有させた金属含有粒子が溶融ポリマー内で凝集し、これらがろ過圧上昇を引き起こし、紡糸操業性を著しく低下させることがある。よって、ポリアミドエラストマー組成物に使用される重合触媒は金属成分を含まないものであることが必要であり、重合反応の安定性の観点から、亜リン酸を包含する亜リン酸化合物であることが必要である。
ポリアミドエラストマー組成物は、亜リン酸化合物をポリアミドエラストマーに対して0.02〜0.15質量%の含有率で含む。亜リン酸化合物の含有率は、安定した触媒反応と成形性の観点から、ポリアミドエラストマーに対して0.02〜0.07質量%であることが好ましく、0.03〜0.05質量%であることがより好ましい。0.15質量%以上になると、ポリアミドエラストマーの重合時、釜内の酸性度が高くなり、重合反応が進みにくくなるので好ましくない。
亜リン酸化合物としては、亜リン酸、亜リン酸塩及び亜リン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の亜リン酸化合物が使用される。また、亜リン酸は、溶液中の水素イオン濃度等の影響により、ホスホン酸に互変異性化することがある。亜リン酸塩としては、 亜リン酸ナトリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウムなどが挙げられる。亜リン酸エステルとしては、トリメチルホスホン酸、トリエチルホスホン酸、トリプロピルホスホン酸、トリフェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルエチルホスホン酸などが挙げられる。好ましい亜リン酸化合物は、亜リン酸である。
本発明のポリアミドエラストマーを溶融紡糸する際には、ポリアミドエラストマーに対して、亜リン酸化合物を好ましくは0.02〜0.07質量%、より好ましくは0.03〜0.05質量%含有するようにする。亜リン酸化合物のポリアミドエラストマーへの添加時期は、縮重合反応の開始前、途中又は終了後でもよく、縮重合反応の開始前が好ましい。亜リン酸化合物は、水等の液体に分散させたスラリーや溶解した溶液等の形態で反応系へ添加してもよい。溶融紡糸又は射出成形を行う前に、ポリアミドエラストマーにおいて含まれる亜リン酸化合物の含有量が前記した範囲になるように、適量の亜リン酸化合物をポリアミドエラストマーに添加することもできる。
ポリアミドエラストマー組成物は、その特性が阻害されない範囲で、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、香料、難燃剤、補強材等を含んでいてもよい。またポリアミドエラストマー組成物は、本実施形態に係るポリアミドエラストマーを除くポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)等の他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。ポリアミドエラストマーは、他の熱可塑性樹脂との相溶性が良好で、これらの他の熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、成形性、耐衝撃性、弾性及び柔軟性等を改良することができる。
ポリアミドエラストマー組成物は優れた染色性及び染色堅牢性を示す。ポリアミドエラストマー組成物の着色には、従来公知の染料、顔料を使用することができ、酸性染料、含金属酸性染料、分散染料、着色顔料などが挙げられる。ポリアミドエラストマー繊維に用いる着色材は、紡糸操業性、発色性、染色堅牢度などの観点から、酸性染料及び含金属酸性染料が特に好ましい。
酸性染料及び含金属酸性染料としては、アゾ系、アントラキノン系、ピラゾロン系、フタロシアニン系、インジゴイド系、トリフェニルメタン系などの染料が挙げられる。染色は、従来公知の染色機及び染色手法が用いられ、特に限定されない。また、染色助剤、均染剤、pH調整剤など、染色性を向上させるための添加剤も用いることができる。
酸性染料及び含金属酸性染料を用いる染色においては、染料が水溶液中で解離したアニオンと、酸性水溶液中のポリアミドエラストマー組成物のアミノ基に由来するカチオンとが、イオン結合により染着されるのが主な反応と考えられる。また、水素結合、及び分子間力なども寄与していると考えられ、染色の機構は複雑である。
[成形体]
ポリアミドエラストマー組成物は成形体に用いることができる。すなわち、本発明はポリアミドエラストマー組成物からなる成形体を包含する。成形体としては例えば、繊維、衣料用ボタン、衣料用の線ファスナーの構成部材等を挙げることができる。成形体の成形方法は、成形体の種類に応じて通常用いられる方法から適宜選択すればよい。したがって、本発明の好ましい実施態様の一つは、染色されたポリアミドエラストマー成形体である。
ポリアミドエラストマー組成物を成形体に用いる場合、成形体に含まれるポリアミドエラストマーと亜リン酸の総含有率は、20〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましく、40〜100質量%であることがより好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。特に、ポリアミドエラストマー組成物を繊維に成形し、スポーツ衣料等に使用される場合、ポリアミドエラストマーの伸縮性が活かされるためには、総含有率は100質量%に近いことが好ましい。
[ポリアミドエラストマー繊維]
本実施形態のポリアミドエラストマー繊維は、ポリアミドエラストマー組成物からなる。ポリアミドエラストマー繊維は例えば、ポリアミドエラストマー組成物を溶融紡糸することで製造することができる。本発明のポリアミドエラストマー組成物は、工業的な溶融紡糸装置においてポリアミドエラストマー繊維として良好に連続的に製造することができる。
ポリアミドエラストマー繊維の太さは目的等に応じて適宜選択することができる。
ポリアミドエラストマー繊維の断面形状は、丸断面、三角断面、四角断面、多角断面、偏平断面、中空断面など多様な形状を利用することができ、特に限定されない。二成分以上のポリマーを複合化して繊維化することも可能であり、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、割繊型など多様な形状を利用することができる。
ポリアミドエラストマー繊維は、優れた染色性及び染色堅牢性を有することから、一般衣料用途、スポーツ衣料用途等に好適に用いられる。またポリアミドエラストマー繊維は、織物、編物、不職布などの形態で使用することができる。したがって、本発明の好ましい実施態様の一つは、染色されたポリアミドエラストマー繊維である。
[衣料用ボタン]
本実施形態の衣料用ボタンは、ポリアミドエラストマー組成物からなる。衣料用ボタンは例えばポリアミドエラストマー組成物を射出成形することで製造することができる。
衣料用ボタン等に代表されるポリアミドエラストマー組成物を使用した射出成形品は、優れた染色性及び染色堅牢性を有することから、ファッション性の良い一般衣料などに好適に用いられる。
[衣料用線ファスナー]
本実施形態の衣料用の線ファスナーは、ポリアミドエラストマー組成物からなる部材を含んでなる。ポリアミドエラストマー組成物を用いて成形される線ファスナーを構成する部材としては、線ファスナーの務歯(エレメント)、スライダー、上止、下止等を挙げることができる。線ファスナーの務歯は、それぞれが独立したブロック状であっても、コイル状であってもよい。線ファスナーの部材は例えば、ポリアミドエラストマー組成物を射出成形することで製造することができる。
[ポリアミドエラストマー繊維の製造方法]
ポリアミドエラストマー繊維の製造方法は、上記式(1)で表されるジアミン化合物と、上記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は上記式(3)で表されるラクタム化合物と、上記式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを、亜リン酸の存在下で溶融重合するポリアミドエラストマー製造工程と、得られたポリアミドエラストマーを含む樹脂組成物を溶融紡糸する紡糸工程と、を含む。
本実施形態に係るポリアミドエラストマーは、ポリアミドエラストマーを構成する特定構成のモノマーを亜リン酸の存在下で溶融重合して得られるため、紡糸工程におけるろ過圧上昇の原因となる無機粒子等の含有量が低く、優れた紡糸操業性を達成することができる。また、詳細なメカニズムは不明であるが、ポリアミドエラストマーを含む樹脂組成物が亜リン酸化合物を含むことで、溶融紡糸法におけるろ過圧の上昇を効果的に抑制することができると考えられる。
ポリアミドエラストマー製造工程では、式(1)で表されるジアミン化合物と、式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は式(3)で表されるラクタム化合物と、式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを、亜リン酸の存在下で溶融重合して、ポリアミドエラストマーを製造する。
ポリアミドエラストマー製造工程では、式(1)で表されるジアミン化合物、式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物、式(3)で表されるラクタム化合物、及び式(4)で表されるジカルボン酸化合物から選択されるモノマーを目的とするポリアミドエラストマーの構成となるような仕込み割合で混合してモノマー混合物を得る。また亜リン酸の仕込み量はモノマー混合物の合計100質量部に対して、0.02質量部以上0.15質量部以下であり、0.02質量部以上0.07質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
亜リン酸の反応系への添加時期は、縮重合反応の開始前から反応途中の任意でよく、亜リン酸の反応系外への飛散が比較的少ないこと、及び重合時間又は混錬時間が比較的短くなることから、縮重合反応開始直前から重合反応が進行して反応物の相対粘度が1.2に達するまでの間に添加することが好ましい。亜リン酸は、水等の液体に分散させたスラリーや溶解した溶液等の形態で反応系へ添加してもよい。
ポリアミドエラストマー製造工程の一例を挙げると、モノマー混合物を加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じてさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、アミノカルボン酸化合物及び/又はラクタム化合物とジカルボン酸化合物の2成分を先に重合させ、ついで、亜リン酸化合物とともに、ジアミン化合物と重合させる方法も利用できる。
ポリアミドエラストマー製造工程において、重合温度は、重合反応を良好に進行し、熱分解が抑制して、安定して良好な物性のポリマーを得る観点から、150〜300℃であることが好ましく、160〜280℃であることがより好ましく、180〜250℃であることがさらに好ましい。
アミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合又は常圧溶融重合とそれに続く減圧溶融重合での工程からなる方法で製造することができる。一方、ラクタム化合物を用いる場合には、適量の水を共存させ、通常0.1MPa〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
ポリアミドエラストマー製造工程では、分子量の上昇を安定に確保し、熱分解による着色等を抑制して安定して所望の物性を有するポリエーテルアミドエラストマーを得る観点から、重合時間を例えば、0.5時間〜20時間とすることができる。
ポリアミドエラストマー製造工程は、回分式でも、連続式でも実施することができ、また、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置等を単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
ポリアミドエラストマー製造工程は、例えば、特開2011−256464号公報の記載を参照して実施することもできる。
紡糸工程では、得られたポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物を含む樹脂組成物を紡糸してポリアミドエラストマー繊維を製造する。樹脂組成物の紡糸方法としては溶融紡糸法が好適であり、コンベンショナル法、直接紡糸延伸法、メルトブロー法、エレクトロスピニング法など、従来公知の紡糸方法を用いて紡糸することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
物性測定、評価は次のようにして行った。
1)相対粘度
ポリアミドエラストマーの相対粘度(ηr)は、ISO307に準拠して測定した。すなわち、m−クレゾールに1g/200mlの濃度でポリアミドエラストマーを溶解させ、測定温度25℃で溶液粘度法により相対粘度を求めた。
2)末端アミノ基濃度(NH
ポリアミドエラストマー約1gを40mLのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定して、末端アミノ基濃度NH(×10−5eq/g)を測定した。
3)末端カルボキシ基濃度(COOH)
ポリアミドエラストマー約1gに40mLのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定して、末端カルボキシ基濃度COOH(×10−5eq/g)を測定した。
4)染色性
染色性は、筒編を染色した後の染色液の透過率によって評価した。得られたポリアミドエラストマー繊維を、釜径3.5インチ、ゲージ数20の筒編機にて編成した。この筒編を、センカノールLW−21(センカ株式会社製)2g/L、炭酸ナトリウム2g/Lを加えた80℃の温水にて、30分間精練処理を行った。処理後の筒編を軽く脱水した後、染色を行った。染色液は、Optilan Golden Yellow MF−RC(アークロマジャパン製)0.5%owf、LYOGEN KSE LIQ.(オー・ジー長瀬カラーケミカル株式会社製)2.0%owf、80%酢酸1g/Lの水溶液を1L準備した。この染色液に浴比1:20とした筒編を投入し、95℃、40分間染色処理を行った。筒編を十分に絞って染液を回収し、純水で1Lにメスアップした。メスアップ後の染液を分光光度計にて535nmの波長で透過率を測定した。染色前の染液透過率を100%とし、染色後の染液の透過率を算出した。染色後の染液透過率が高いほど、染料が繊維により多く吸着しているということであり、染色性が良好であると判断した。
5)染色堅牢度
染色性評価で作製した筒編サンプルを、JIS L 0844 A−2号に準拠し、洗濯による染色堅牢度を評価した。なお、汚染用の白布は、ナイロン製、及び毛製の2種類を使用した。
6)亜リン酸化合物の含有率
ポリアミドエラストマー組成物における、ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率を以下のようにして測定した。
(1)ペレット1g(w)に酸化亜鉛を加え、燃焼灰化させて五酸化リンにする。
(2)得られた五酸化リンを10%硫酸溶液25mlに溶解させる。
(3)溶解させた五酸化リン溶液に、
モリブデン酸アンモニウム溶液(水500mlに濃硫酸150mlを混合し、その中でモリブデン酸アンモニウムを50g溶解させ、水を加え、1000mlにした溶液)を10ml、
0.05%亜硫酸ナトリウム水溶液を5ml、
ハイドロキノン溶液(ハイドロキノン2.5gを水100mlに溶解させ、濃硫酸5mlを加えて、水を加え、500mlにした溶液)を5ml、及び
水を加え、100mlにする。
(4)45分後に分光光度計にて655nmの波長で吸光度を測定する。なお、使用した試薬であらかじめ空試験を行い、試料の吸光度から空試験結果を差し引く。
(5)あらかじめ作成しておいた検量線から、リンの量pを読み取る。
(6)読み取ったリンの量pから、以下の式を用いて、亜リン酸の量aを算出する。
a=p/30.97×82含有率=a/w×100(%)
(実施例1)
ポリアミドエラストマー製造工程
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた容量70リットルの圧力容器に、12−アミノドデカン酸(宇部興産株式会社製)17.54kg、アジピン酸(旭化成株式会社製)0.30kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製:ELASTAMINE RT−1000)2.09kg、イルガノックス245(BASFジャパン社製)0.06kg、及び亜リン酸(太平化学産業株式会社製)0.004kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換したあと、窒素ガスを200リットル/時間で供給しながら、容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら、1時間かけて室温から230℃まで昇温、さらに容器内の圧力を0.05に維持しながら230℃で重合を行った。
攪拌動力のアンペア値(撹拌電流値)を経時記録し、攪拌動力のアンペア値が重合開始時からプラス0.2Aとなった時点を重合終点とした。重合終了後、攪拌停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜出、水冷した後、ペレタイズしてペレットを得た。なお、重合終点は、槽内温度が230℃に到達してから250分後であった。
紡糸工程
得られたペレットを従来公知の紡糸方法で溶融紡糸して、ポリアミドエラストマー繊維を得た。即ち、温度設定170℃の40mm単軸押出機を使用し、溶融樹脂を、ギアポンプを用いて50gのガラスビーズ(円形度:0.95、平均粒径100μm)及びろ過径50μmの焼結フィルターを封入した紡糸パックに押出した。その溶融樹脂を、冷却工程、オイリング工程を経て、紡糸速度600m/分、延伸速度1300m/分で巻き取り、140デシテックス/24フィラメントの繊維を得た。
紡糸を12時間連続して実施したところ、ギアポンプと紡糸パックの間に配した樹脂圧力計の12時間後の上昇度(ΔP)が0.5MPaであり、安定した紡糸操業性を示すことが分かった。
(比較例1)
実施例1のポリアミドエラストマー製造工程において、亜リン酸の代わりに次亜リン酸ナトリウム(太平化学産業株式会社製)を0.004kg仕込んだ以外は同様にして重合を行い、ペレットを得た。
得られたペレットを実施例1の紡糸工程と同様にして溶融紡糸したところ、紡糸開始3時間から樹脂圧力計が急上昇し、4時間目までに樹脂圧力計の上昇度(ΔP)が10MPaを超えてしまい、押出機破損の恐れがあるために溶融紡糸を中止した。
(実施例2〜4、比較例2、3)
実施例1のポリアミドエラストマー製造工程において、亜リン酸の仕込み量を下表に示すように変更し、槽内温度230℃到達時点から250分後を重合終点としたこと以外は同様にして重合を行い、ペレットを得た。
その際、重合終点時の攪拌電流値から、重合開始点の攪拌電流値を差し引いて、攪拌電流値の上昇度を確認した。一般的に、重合度が上がれば攪拌電流値も上昇する傾向にあるため、重合度制御の指標として用いられる。その結果を表1に示す。
次いで得られたペレットを用いて、実施例1記載の『紡糸工程』と同様の方法にて紡糸を実施した。
Figure 2017146018
比較例1は、重合度も上昇しペレットも得られたが、前述の通り安定した溶融紡糸が出来なかった。亜リン酸の添加量が少ない比較例2では攪拌電流値が低く、分子量が上がらなかった。これは触媒効果が不十分なためと考えられる。また、亜リン酸の添加量が多い比較例3では、同じく攪拌電流値が低くなり、分子量が上がらなかった。これは過剰の亜リン酸が酸性度を増加させ、重合を阻害したためと考えられる。
一方、実施例1〜4では、重合度も上がりやすく、生産性が良好であった。特に実施例2は攪拌電流値の上昇が大きく、重合時間の短縮も期待でき良好な結果が得られた。また、実施例1〜4では、溶融紡糸時の樹脂圧力計の上昇値が小さいことに示されるように、溶融紡糸装置の駆動抵抗が上昇することなく、連続的な溶融紡糸を良好に行うことができた。
(実施例5〜6、比較例4)
アミノ末端基量の違いによる染色性を確認した。比較例4は、ポリアミドエラストマー製造工程にて、アジピン酸の添加量を0.39kgとした以外は実施例1に従ってポリアミドエラストマーを得た。実施例5では、実施例1と同様の方法でポリアミドエラストマーを得た。実施例6では、ELASTAMINE RT−1000の添加量を3.00kgとした以外は実施例1に従ってポリアミドエラストマーを得た。更に、上記で得られたポリアミドエラストマーを実施例1の紡糸工程に従って溶融紡糸してポリアミドエラストマー繊維を得た。得られた繊維を用いて筒編を作製し、上記の評価方法に従って、染色性及び染色堅牢性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2017146018
『5.染色堅牢度』の記載に従って染色堅牢度の評価を行ったところ、比較例4の筒編は染色堅牢度が4級であったが、実施例5、6の筒編の変退色評価は5級であり、良好であった。また、汚染評価についても、比較例4の筒編は4級にとどまったのに対し、実施例5、6の筒編は、ナイロン白布、毛白布、共に5級であり、良好な染着性を保持していた。
(実施例7)
実施例1に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレット使用し、射出成型機を用いて、半径10mm、厚さ2mmの衣料用の円形ボタンを作成した。このボタンを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は108%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のボタンから、洗濯後のボタンの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をボタンに代えて行った。
(実施例8)
実施例4に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレット使用し、射出成型機を用いて、半径10mm、厚さ2mmの衣料用の円形ボタンを作成した。このボタンを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は108%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のボタンから、洗濯後のボタンの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をボタンに代えて行った。
(実施例9)
実施例6に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレット使用し、射出成型機を用いて、半径10mm、厚さ2mmの衣料用の円形ボタンを作成した。このボタンを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は112%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のボタンから、洗濯後のボタンの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をボタンに代えて行った。
(実施例10)
実施例1に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレットを使用し、射出成型機を用いて、全長100mmの男性用ズボン用のファスナーエレメントを作成した。このファスナーエレメントを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は108%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のファスナーエレメントから、洗濯後のファスナーエレメントの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をファスナーエレメントに代えて行った。
(実施例11)
実施例4に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレットを使用し、射出成型機を用いて、全長100mmの男性用ズボン用のファスナーエレメントを作成した。このファスナーエレメントを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は107%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のファスナーエレメントから、洗濯後のファスナーエレメントの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をファスナーエレメントに代えて行った。
(実施例12)
実施例6に準じて作成してペレット化したエラストマーを、80℃、24時間の真空乾燥器内でペレット水分率0.1%以下となるように乾燥させた。その乾燥ペレットを使用し、射出成型機を用いて、全長100mmの男性用ズボン用のファスナーエレメントを作成した。このファスナーエレメントを、前記染色性評価に準じて染色を行い、透過率評価を行った。その結果、透過率は111%となり、染色性は良好だった。さらに、前記染色堅牢度評価方法に準じて堅牢度評価を行った。洗濯前のファスナーエレメントから、洗濯後のファスナーエレメントの色落ち度を目視評価で確認したところ、判定は4級であった。染色性評価及び染色堅牢度評価は、前記試験において筒編をファスナーエレメントに代えて行った。
日本国特許出願2016−032233号(出願日:2016年2月23日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. ポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物とを含むポリアミドエラストマー組成物であり、
    前記ポリアミドエラストマーが、下記式(1)で表されるジアミン化合物から誘導される構成単位1と、下記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物又は下記式(3)で表されるラクタム化合物から誘導される構成単位2と、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物から誘導される構成単位3とを含み、
    前記ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下であり、前記ポリアミドエラストマーの末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上であるポリアミドエラストマー組成物。
    Figure 2017146018

    (式中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1を表す。)
  2. 前記ポリアミドエラストマーは、前記構成単位2の含有率が5〜85質量%である請求項1に記載のポリアミドエラストマー組成物。
  3. 亜リン酸化合物が亜リン酸である請求項1又は2に記載のポリアミドエラストマー組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー組成物からなるポリアミドエラストマー成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー組成物からなるポリアミドエラストマー繊維。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー組成物からなる衣料用ボタン。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー組成物からなる部材を含む衣料用の線ファスナー。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー組成物の連続的溶融紡糸のための使用。
  9. 下記式(1)で表されるジアミン化合物と、下記式(2)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は下記式(3)で表されるラクタム化合物と、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを、亜リン酸化合物の存在下で溶融重合して、ポリアミドエラストマーを得ることと、
    得られるポリアミドエラストマーを含む樹脂組成物を溶融紡糸することと、
    を含む請求項4に記載のポリアミドエラストマー繊維の製造方法。
    Figure 2017146018

    (式中、xは1〜20の整数、yは4〜50の整数、及びzは1〜20の整数をそれぞれ表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0又は1を表す。)
  10. ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下である、請求項9に記載のポリアミドエラストマー繊維の製造方法。
  11. 亜リン酸化合物が亜リン酸である請求項9又は10に記載のポリアミドエラストマー繊維の製造方法。
  12. 前記ポリアミドエラストマーの末端アミノ基濃度が2.0×10−5eq/g以上である請求項9〜11のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー繊維の製造方法。
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