JPWO2017138576A1 - 剪断加工方法 - Google Patents

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Abstract

面垂直性及び面性状の優れた剪断加工面を有する加工材を、工具の摩耗及び損傷を抑制しながら生産性よく製造できる剪断加工方法及び剪断加工装置を提供する。第1面及び第2面を有する第1の被加工材を、第2面が第1のダイ側に配置されるように第1のダイ上に配置し、第1の被加工材の第1面から第2面に向かって第1の被加工材の板厚方向に、第1面側に配置された第1のパンチで剪断加工して、第1の抜き材及び第1の加工材を得る第1の剪断加工工程と、第2の被加工材を配置し、(x)第1の抜き材を第2のパンチとして使用するか、(y)第1の加工材を第2のダイとして使用するか、又は(z)第1の抜き材を第2のパンチとして使用し且つ第1の加工材を第2のダイとして使用して、第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得る第2の剪断加工工程と、を含む剪断加工方法。

Description

本開示は、被加工材を剪断加工する剪断加工方法に関し、より具体的には、自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント、ペンストック等で用いる金属部材を剪断加工する際、良好な面垂直性と面性状の剪断加工面を確保し、工具の摩耗及び損傷を抑制し得る剪断加工方法に関する。
自動車、家電製品、建築構造物、船舶、橋梁、建設機械、各種プラント、ペンストック等で用いる金属部材の製造には、剪断加工が多く利用されている。図1及び2に、剪断加工の態様を模式的に示す。図1に、被加工材に穴を形成する剪断加工の態様を模式的に示し、図2に、被加工材に開断面を形成する剪断加工の態様を模式的に示す。
図1に示す剪断加工においては、ダイ40の上に被加工材10(以下、第1の被加工材ともいう)を配置し、パンチ90を被加工材10の板厚方向90aに押し込んで、被加工材10に穴を形成する。図2に示す剪断加工においては、ダイ40の上に被加工材10を配置し、同じく、パンチ90を被加工材10の板厚方向90aに押し込んで、被加工材10に開断面を形成する。
図3及び図4を参照して、図1又は図2に示す態様により形成される剪断加工面の形状及び形成メカニズムが示される。図3に剪断加工で形成される加工材12の剪断加工面19の断面模式図を示し、図4にパンチ90、ダイ40、及びホルダー50を用いて、抜き材11及び加工材12を得る剪断加工の断面模式図を示す。抜き材11及び加工材12の剪断加工面は、通常、図3及び4に示すように、ダレ14、14’、剪断面15、15’、破断面16、16’、及びバリ17、17’によって構成される。ダレ14は、被加工材10がパンチ90で押し込まれることにより、剪断加工面のパンチ側表面18aに形成される。図1、2、及び4に示すように、板厚方向90aにパンチが押し込まれる際、パンチ90とダイ40が接触しないようにパンチ90とダイ40の間には間隔CLが設けられる。間隔CLは、パンチ90とダイ40の接触マージンを得るため、ある程度の距離を確保する必要がある。パンチ90が被加工材10を板厚方向90aに押し込んで剪断加工する際、パンチ90とダイ40の間隔CLに被加工材10が引き込まれることにより、被加工材10が局所的に引き伸ばされて剪断面15が形成される。破断面16は、パンチ90とダイ40の間隔CLに引き込まれた被加工材10が破断して形成される。バリ17は、パンチ90とダイ40の間隔CLに引き込まれた被加工材10が破断して分離する際、剪断加工面のダイ側表面18bに生じる。
剪断加工面は、一般に、機械加工で形成する加工面に比べ面性状が劣り、疲労強度が低い、または耐水素脆化性が低い、という課題を抱えている。
剪断加工面の課題の解決を図る技術は数多く提案されているが、これらの技術は、概して、パンチとダイの構造を工夫して、剪断加工面の面垂直性及び面性状(疲労強度等)の向上を図るもの(例えば、特許文献1〜3を参照)と、剪断加工面にシェービングやコイニング等の処理を施して、面垂直性及び面性状(疲労強度、耐水素脆化性等)の向上を図るもの(例えば、特許文献4〜6を参照)に分けることができる。
しかし、パンチとダイの構造を工夫する技術においては、剪断加工面の面垂直性及び面性状の向上に限界があり、また、剪断加工面に処理を施す技術においては、一工程増える分、生産性が低下し、製造コストが上昇する。また、高強度の材料を加工する際には、工具に、摩耗やチッピング等の損傷が生じ易い。
特許文献7には、パンチとダイによる剪断機構を積層し、ダイに載置した金属板を、順次、パンチを押し下げて剪断加工する加工方法及び加工装置が開示されている。特許文献7の加工方法及び加工装置においては、生産性が向上し、製造コストが低下するが、加工材の剪断加工面の面垂直性及び面性状を高めることは困難であるとともに、高強度材料を剪断加工した際には、パンチ及び/又はダイが損傷する。
非特許文献1には、所定形状にブランキングした抜き材の後加工の際に、切り刃をダイス側に配置し、ダイスより大きいポンチを用い、2枚重ねのブランクをシェービングする重ね抜きシェービング法が開示されている。しかしながら、所定形状にブランキングする際に、パンチ又はダイが損傷するうえ、シェービングを行う際に、切り刃のダイスが損傷する可能性がある。
結局、従来技術において、良好な面垂直性及び面性状の剪断加工面を確保しつつ、工具の摩耗及び損傷を抑えて剪断加工を行うことは困難である。
特開2009−051001号公報 特開2014−231094号公報 特開2010−036195号公報 特開2008−018481号公報 特開2011−218373号公報 特開2006−082099号公報 特開2012−115894号公報
塑性と加工、「シェービング・プレス加工に関する研究」(中村ら)、Vol.4、No.29(1963)、p.387
本開示は、従来技術の現状に鑑み、面垂直性及び面性状の優れた剪断加工面を有する加工材(製品)を、工具(パンチ及びダイ)の摩耗及び損傷を抑制しながら生産性よく製造することを課題とし、該課題を解決する剪断加工方法及び剪断加工装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、被加工材を打ち抜いた抜き材をパンチとして使用し、及び/又は、打抜き後の加工材をダイとして使用すると、面垂直及び面性状に優れた剪断加工面を有する加工材(製品)を、工具の摩耗及び損傷を抑制しながら生産性よく製造できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)ダイ及びパンチで被加工材を剪断加工する剪断加工方法であって、
第1面及びその反対側の第2面を有する第1の被加工材を、前記第2面が第1のダイ側に配置されるように、前記第1のダイ上に配置し、前記第1の被加工材の前記第1面から前記第2面に向かって前記第1の被加工材の板厚方向に、前記第1面側に配置された第1のパンチで剪断加工して、前記第1の被加工材の第1面及び第2面に対応する第1面及び第2面を有する第1の抜き材及び第1の加工材を得る第1の剪断加工工程と、
第2の被加工材を配置し、(x)前記第1の抜き材を第2のパンチとして使用するか、(y)前記第1の加工材を第2のダイとして使用するか、又は(z)前記第1の抜き材を第2のパンチとして使用し且つ前記第1の加工材を第2のダイとして使用して、前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得る第2の剪断加工工程と、
を含むことを特徴とする剪断加工方法。
(2)前記第2の剪断加工工程において、前記第1の抜き材の第2面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の抜き材の第1面が前記第1のパンチ側に配置されるように前記第1の抜き材を配置し、前記第1の抜き材を前記第2のパンチとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、前記(1)に記載の剪断加工方法。
(3)前記第2の剪断加工工程において、前記第1の抜き材の第1面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の抜き材の第2面が前記第1のパンチ側に配置されるように前記第1の抜き材を配置し、前記第1の抜き材を前記第2のパンチとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、前記(1)に記載の剪断加工方法。
(4)前記第2の剪断加工工程において、前記第1の加工材の第1面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の加工材の第2面が前記第1のダイ側に配置されるように前記第1の加工材を配置し、前記第1の加工材を前記第2のダイとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(5)前記第2の剪断加工工程において、前記第1の加工材の第2面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の加工材の第1面が前記第1のダイ側に配置されるように前記第1の加工材を配置し、前記第1の加工材を前記第2のダイとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(6)前記第2の剪断加工工程において、前記第2の被加工材に対して使用されるパンチと、前記第2の被加工材に対して使用されるダイとの間隔であって、前記第2の被加工材の板厚方向に垂直方向の間隔が、略0mmであることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(7)
(x)前記第2の抜き材を第3のパンチとして使用するか、(y)前記第2の加工材を第3のダイとして使用するか、又は(z)前記第2の抜き材を第3のパンチとして使用し且つ前記第2の加工材を第3のダイとして使用して、第3の被加工材を剪断加工して、第3の抜き材及び第3の加工材を得る第3の剪断加工工程を含むことを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の剪断加工方法。
(8)被加工材を剪断加工するパンチとダイとを有し、前記被加工材を剪断加工して、抜き材及び加工材を得る剪断加工装置であって、
第1のパンチ及び第1のダイを備え、並びに
前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の抜き材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のパンチとして使用する、抜き材再利用機構を有するか、
前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の加工材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のダイとして使用する、加工材再利用機構を有するか、または
前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の抜き材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のパンチとして使用する、抜き材再利用機構を有し、且つ前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の加工材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のダイとして使用する加工材再利用機構を有する
ことを特徴とする剪断加工装置。
本開示によれば、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有する加工材(製品)を、工具の摩耗及び損傷を抑制しながら生産性よく製造することが可能となる。
図1は、被加工材に穴を形成する剪断加工の態様を示す断面模式図である。 図2は、被加工材に開断面を形成する剪断加工の態様を示す断面模式図である。 図3は、被加工材の剪断加工面の断面模式図である。 図4は、抜き材及び加工材を得る剪断加工の断面模式図である。 図5は、第1の抜き材及び第1の加工材を得る本開示の剪断加工の実施形態1を示す断面模式図である。 図6は、第1の抜き材及び第1の加工材を得る本開示の剪断加工の実施形態1を示す断面模式図である。 図7は、第2の抜き材及び第2の加工材を得る本開示の剪断加工の実施形態1を示す断面模式図である。 図8は、第2の抜き材及び第2の加工材を得る本開示の剪断加工の実施形態1を示す断面模式図である。 図9は、本方法の実施形態2を示す断面模式図である。 図10は、本方法の実施形態2を示す断面模式図である。 図11は、本方法の実施形態3を示す断面模式図である。 図12は、本方法の実施形態3を示す断面模式図である。 図13は、本方法の実施形態4を示す断面模式図である。 図14は、本方法の実施形態4を示す断面模式図である。 図15は、本方法の実施形態5を示す断面模式図である。 図16は、本方法の実施形態5を示す断面模式図である。 図17は、本方法の実施形態6を示す断面模式図である。 図18は、本方法の実施形態6を示す断面模式図である。 図19は、本方法の実施形態7を示す断面模式図である。 図20は、本方法の実施形態7を示す断面模式図である。 図21は、本方法の実施形態8を示す断面模式図である。 図22は、本方法の実施形態8を示す断面模式図である。 図23は、本方法の実施形態9を示す断面模式図である。 図24は、本方法の実施形態9を示す断面模式図である。 図25は、本方法の実施形態9を示す断面模式図である。 図26は、本方法の実施形態9を示す断面模式図である。 図27は、本方法の実施形態10を示す断面模式図である。 図28は、本方法の実施形態10を示す断面模式図である。 図29は、本方法の実施形態11を示す断面模式図である。 図30は、本方法の実施形態11を示す断面模式図である。 図31は、本方法の実施形態12を示す断面模式図である。 図32は、本方法の実施形態12を示す断面模式図である。 図33は、本方法の実施形態12を示す断面模式図である。 図34は、本方法の実施形態12を示す断面模式図である。 図35は、本方法の実施形態13を示す断面模式図である。 図36は、本方法の実施形態14を示す断面模式図である。 図37は、本方法の実施形態14を示す断面模式図である。 図38は、本方法の実施形態14を示す断面模式図である。 図39は、本方法の実施形態14を示す断面模式図である。 図40は、本方法の実施形態15を示す断面模式図である。 図41は、電磁石を備えたパンチの断面模式図である。 図42は、電磁石を備えたパンチの断面模式図である。 図43は、吸引部を備えたパンチの断面模式図である。 図44は、吸引部を備えたパンチの断面模式図である。 図45は、剪断加工面における残留応力の測定位置を表す模式図である。 図46は、従来技術で剪断加工して得られた第1の加工材の断面写真である。 図47は、実施形態1で剪断加工して得られた第2の加工材の断面写真である。 図48は、実施形態2で剪断加工して得られた第2の加工材の断面写真である。 図49は、実施形態5で剪断加工して得られた第2の加工材の断面写真である。 図50は、実施形態6で剪断加工して得られた第2の加工材の断面写真である。 図51は、第2の加工材の剪断加工面の平均残留応力を測定したグラフである。
本開示の剪断加工方法(以下「本方法」ともいう)及び剪断加工装置(以下、「本装置」ともいう)は、被加工材を剪断加工して得られた抜き材及び加工材のうち少なくとも一方を、その次の被加工材の剪断加工において、パンチ及びダイのうち少なくとも一方の工具として使用することを基本思想とする。
本方法は、ダイ及びパンチで被加工材を剪断加工する剪断加工方法であって、第1の剪断加工工程及び第2の剪断加工工程を含む。第1の剪断加工工程では、第1面及びその反対側の第2面を有する第1の被加工材を、第2面が第1のダイ側に配置されるように、第1のダイ上に配置する。次いで、第1の被加工材の第1面から第2面に向かって第1の被加工材の板厚方向に、第1面側に配置された第1のパンチで剪断加工して、第1の被加工材の第1面及び第2面に対応する第1面及び第2面を有する第1の抜き材及び第1の加工材を得る。第2の剪断加工工程では、第2の被加工材を配置し、(x)第1の抜き材を第2のパンチとして使用するか、(y)第1の加工材を第2のダイとして使用するか、又は(z)第1の抜き材を第2のパンチとして使用し且つ第1の加工材を第2のダイとして使用して、第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得る。
以下、本方法について、適宜、図面に基づいて説明する。
本方法において、第1及び第2の被加工材は、通常、剪断加工が可能な金属質の被加工材である。第1及び第2の被加工材は、剪断加工が可能であれば、非金属質の被加工材を含んでもよく、例えば樹脂層を含むラミネート鋼板でもよい。剪断加工が可能な金属質の被加工材としては、鉄系若しくは鉄合金系の金属板または非鉄系若しくは非鉄合金系の金属板でもよい。第1及び第2の被加工材は、好ましくは鉄系又は鉄合金系の金属板であり、より好ましくは340MPa級以上、さらに好ましくは980MPa級以上の引張強度を有する金属板、さらにより好ましくは上記引張強度を有する鋼材である。340MPa級以上の引張強度を有する金属板では、特に疲労破壊の対策が必要となる。980MPa級以上の引張強度を有する金属板では、水素脆化割れの対策も必要となる。特に被加工材が鋼材の場合に、水素脆化割れ及び疲労破壊の対策が重要となる。本方法は同様にして、後述する第3の被加工材の剪断加工を行うことも可能である。第3の被加工材の材質についても第1及び第2の被加工材の材質と同様である。
(実施形態1)
図5〜8に、本方法の剪断加工の一実施形態を示す。本方法の剪断加工の一実施形態においては、図5及び6に示す第1の剪断加工(従来の剪断加工)を行い、次いで図7及び8に示す第2の剪断加工を行う。
図5及び6に示す第1の剪断加工においては、第1面101及びその反対側の第2面102を有する第1の被加工材10を、第1面が第1のパンチ90側に配置され、第2面102が第1のダイ40側に配置されるように、第1のダイ40と第1のパンチ90との間に配置する。第1のパンチ90が、第1の被加工材10の第1面101から第2面102に向かって第1の被加工材10を打ち抜くことで、第1の抜き材11及び第1の加工材12を得る。第1の抜き材11は、第1の被加工材10の第1面101及び第2面102に対応する第1面111及び第2面112を有する。第1の加工材12も、第1の被加工材の第1面101及び第2面102に対応する第1面121及び第2面122を有する。ホルダー50は、第1のパンチ90による打ち抜きの際、第1の被加工材10を、第1面101側から第1のダイ40側に向かう方向に抑えつけ、第1の被加工材10を固定する。図5及び6にはホルダー50を示しているが、ホルダー50は任意構成であり、以下の説明において特に断りがない限り同様である。
図7及び8に示す第2の剪断加工においては、第1剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、向きを変えずに打ち抜いた状態で第2のパンチとして使用する。詳細には、第1の抜き材11の第2面112が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第1面111が第1のパンチ90に対向するように、第1の抜き材11を第1のパンチ90と第2の被加工材20との間に配置する。この状態から、第1のパンチ90が第2のパンチとしての第1の抜き材11を押し下げて、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を打ち抜くことで、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。ここで、第2面112が第2の被加工材20側、第1面111が第1のパンチ90側とした第1の抜き材、すなわち、「打ち抜いた状態の第1の抜き材」を、第1の抜き材11または第1の非反転抜き材11ともいう。
図7及び8に示す第2の剪断加工工程において、第1のダイ40の上に配置した第2の被加工材20を剪断加工する際、第1の非反転抜き材11を打抜き予定部位に配置して第2のパンチとして使用し、第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。第1の非反転抜き材11は、第1の剪断加工工程で打ち抜かれる際に加工硬化されており、さらには第1のパンチ90で押し込まれるため、第2の被加工材20が第1の被加工材10と同じ材質であっても、第1の非反転抜き材11を第2のパンチとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工することができる。
図7に破線で示すように、第2の剪断加工工程では、第2のパンチとして用いる第1の抜き材11の外径と第1のダイ40の内径が実質的に同じである。すなわち、第2の剪断加工工程では、第2のパンチとして用いる第1の抜き材11の外径と第1のダイ40の内径との間隔CLは、第1のパンチ90の外形と第1のダイ40の内径との間隔CLよりも小さくなる。このため、第2の剪断加工工程では、第1の抜き材11による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の抜き材11を第2のパンチとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。面垂直性とは、剪断加工面が被加工材の第1面及び第2面に垂直な度合いをいい、言い換えれば、被加工材の板厚方向に平行な度合いをいう。面性状とは、疲労強度及び耐水素脆化性をいう。
非特許文献1には、切り刃をダイス側に配置する重ね抜きシェービング法が開示されている。これに対して、本方法では、抜き材を切り刃として使用し、抜き材とダイの協働で剪断加工を行うことを特徴とする。
通常、剪断加工は、パンチとダイの間隔CL(図5及び7の「CL」を参照)を所要の間隔に設定して行う。図7に示す第2の剪断加工においては、第1の抜き材11を第2のパンチとして使用するので、第2のパンチとして使用する第1の抜き材11と第1のダイ40との間隔を、図5に示す剪断加工よりも小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。そのため、被加工材に、パンチとして用いる抜き材と同じ寸法・形状の抜き穴を、高精度で打ち抜くことができ、面垂直性と面性状に優れた剪断加工面を有する加工材を得ることができる。
本方法及び本装置における間隔CLとは、図5及び7に示すように、被加工材の板厚方向に垂直方向の、第1のパンチまたは第2のパンチとして使用する抜き材と第1のダイまたは第2のダイとして使用する加工材との一方の間隔をいう。間隔CLが略0mmであるとは、パンチとダイの間隔が、好ましくは板厚の±1%以内、より好ましくは板厚の±0.5%以内、さらに好ましくは板厚の±0.1%以内、さらにより好ましくは実質的に0であることをいう。
通常、図5に示すように間隔CLが大きいと、剪断加工中、剪断される部位に引張応力が発生して、延性破壊の起因となるボイドが生じ易い破断面(図3及び4の符号「16」、「16’」を参照)が形成される。
一方、図7に示すように間隔CLが小さいと、好ましくは略0mmであると、剪断加工中、剪断される部位に引張応力が発生し難く、延性破壊の起因となるボイドが生じ易い破断面の形成を抑制して、剪断加工を行うことができる。このようにして形成された剪断加工面は、優れた面垂直性を有するとともに、引張応力の残留が抑制された優れた面性状を有し、耐水素脆化特性及び疲労特性が優れている。
以下に別の実施形態を説明する。以下の実施形態の説明において、共通する第1の剪断加工の説明は省略する。
(実施形態2)
図9及び10に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、打ち抜いた状態から反転させて、第2の剪断加工工程における第2のパンチとして使用してもよい。ここで、第1面111が第2の被加工材20側、第2面112が第1のパンチ90側とした第1の抜き材、すなわち「打ち抜いた状態から反転させた第1の抜き材」を、第1の抜き材11’または第1の反転抜き材11’ともいう。図9及び10に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、打ち抜いた状態から反転させて第2のパンチとして使用する。詳細には、第1面111が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第2面112が第1のパンチ90に対向するように、第1の反転抜き材11’を第1のパンチ90と第2の被加工材20との間に配置する。この状態から、第1のパンチ90が第2のパンチとしての第1の反転抜き材11’を押し下げて、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を打ち抜くことで、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。
図9及び10に示す第2の剪断加工工程において、第1のダイ40の上に配置した第2の被加工材20を剪断加工する際、第1の反転抜き材11’を打抜き予定部位に配置して第2のパンチとして使用し、第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることできる。第1の反転抜き材11’は、第1の剪断加工工程で打ち抜かれる際に加工硬化されており、さらには第1のパンチ90で押し込まれるため、第2の被加工材20が第1の被加工材10と同じ材質であっても、第1の反転抜き材11’を第2のパンチとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工することができる。
図9に示すように、第1の反転抜き材11’は、第1の非反転抜き材11を、被加工材20に対して反転した形状である。図9に破線で示すように、第1の反転抜き材11’を第2のパンチとして用いて剪断加工する場合も、実施形態1と同様に、第1の反転抜き材11’の外径と第1のダイ40の内径が実質的に同じである。すなわち、本実施形態においても、第1の反転抜き材11’の外径と第1のダイ40の内径との間隔CLは、第1のパンチ90の外形と第1のダイ40の内径との間隔CLよりも小さくなり、好ましくは略0mmとなる。このため、第1の反転抜き材11’による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の反転抜き材11’を第2のパンチとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態3)
図11及び12に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の加工材12を、向きを変えずに打ち抜かれた状態で第2の剪断加工工程における第2のダイとして使用してもよい。図11及び12に示す第2の剪断加工工程においては、第1の加工材12を、打ち抜かれた状態で第2のダイとして使用する。詳細には、第1の加工材12の第1面121が第2の被加工材20に対向し、第1の加工材12の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の加工材12を第1のダイ40と第2の被加工材20との間に配置して第2のダイとして使用する。この状態から、第1のパンチ90が、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を打ち抜くことで、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。ここで、第1面121が第2の被加工材20側、第2面122が第1のダイ40側とした第1の加工材、すなわち、「打ち抜かれた状態の第1の加工材」を、第1の加工材12または第1の非反転加工材12ともいう。
図11及び12に示す第2の剪断加工工程においては、第2のダイとして使用する第1の非反転加工材12の上に配置した第2の被加工材20を第1のパンチ90で打ち抜いて、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得る。第1の非反転加工材12は、第1の剪断加工工程で加工される際に加工硬化されており、さらには第1のダイ40で支えられているため、第2の被加工材20が第1の被加工材10と同じ材質であっても、第1の非反転加工材12を第2のダイとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工することができる。
図11に破線で示すように、本実施形態における第2の剪断加工工程では、第2のダイとして用いる第1の加工材12の内径と第1のパンチ90の外径が実質的に同じである。図11に破線で示すように、第1の加工材12の内径とは、第1の加工材12の剪断加工面の剪断面における打ち抜き方向に垂直方向の内径である(以下、同様)。第1の加工材12を第2のダイとして用いて剪断加工する場合、第1の加工材12の内径と第1のパンチ90の外径との間隔CLは、第1のダイ40の内径と第1のパンチ90の外径との間隔CLよりも小さくなり、好ましくは略0mmとなる。このため、第1のパンチ90による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の加工材12を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態4)
図13及び14に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材12を、打ち抜いた状態から反転させて第2の剪断加工工程における第2のダイとして使用してもよい。ここで、第1面121が第1のダイ40側、第2面122が第2の被加工材20側とした第1の加工材、すなわち「打ち抜かれた状態から反転させた第1の加工材」を、第1の加工材12’または第1の反転加工材12’ともいう。図13及び14に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材を、打ち抜いた状態から反転させて第2のダイとして使用する、詳細には、第2面122が第2の被加工材20に対向し、第1の加工材12’の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の反転加工材12’を第1のダイ40と第2の加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。この状態から、第1のパンチ90が、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を打ち抜くことで、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。
図13及び14に示す第2の剪断加工工程においては、第2のダイとして使用する第1の反転加工材12’の上に配置した第2の被加工材20を第1のパンチ90で打ち抜いて、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることできる。第1の反転加工材12’は、第1の剪断加工工程で加工される際に加工硬化されており、さらには第1のダイ40で支えられているため、第2の被加工材20が第1の被加工材10と同じ材質であっても、第1の反転加工材12’を第2のダイとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工することができる。
図13に破線で示すように、第2のダイとして用いる第1の反転加工材12’の内径と第1のパンチ90の外径が実質的に同じである。図13に破線で示すように、第1の反転加工材12’の内径とは、第1の反転加工材12’の剪断加工面の剪断面における打ち抜き方向に垂直方向の内径である(以下、同様)。すなわち、本実施形態においても、実施形態3と同様に、第1の加工材12’の内径と第1のパンチ90の外径との間隔CLは、第1のダイ40の内径と第1のパンチ90の外径との間隔CLよりも小さくなり、好ましくは略0mmとなる。このため、第1のパンチ90による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の反転加工材12’を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態5)
図15及び16に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、向きを変えずに打ち抜いた状態で第2の剪断加工工程における第2のパンチとして使用し、且つ図6に示す第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材12を、向きを変えずに打ち抜いた状態で第2の剪断加工工程における第2のダイとして使用してもよい。図15及び16に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の非反転抜き材11の第2面112が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第1面111が第1のパンチ90に対向するように、第1の抜き材11を、第1のパンチ90と第2の被加工材20との間に配置する。それに加えて、図15及び16に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において加工された第1の非反転加工材12の第1面121が第2の被加工材20に対向し、第1の加工材12の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の加工材12を、第1のダイ40と第2の被加工材20との間に配置する。この状態から、第1のパンチ90が第2のパンチとしての第1の非反転抜き材11を押し下げて、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。なお、第1の抜き材11と第1の加工材12とは同等の硬さを有するが、第1の抜き材11はパンチ90で押し込まれているので、第1の抜き材11で第1の加工材12も剪断加工され得る。
図15に破線で示すように、第2のパンチとして用いる第1の抜き材11の外径が、第2のダイとして用いる第1の加工材12の内径よりも大きく、間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。このため、第1の非反転抜き材11による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の非反転抜き材11を第2のパンチとして用い、第1の非反転加工材12を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90及び第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態6)
図17及び18に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、打ち抜いた状態から反転して第2の剪断加工工程における第2のパンチとして使用し、且つ図6に示す第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材12を、打ち抜いた状態から反転して第2の剪断加工工程における第2のダイとして使用してもよい。図17及び18に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の反転抜き材11’の第1面111が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第2面112が第1のパンチ90に対向するように、第1の反転抜き材11’を第1のパンチ90と第2の被加工材20との間に配置する。それに加えて、図17及び18に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において加工された第1の反転加工材12’の第2面122が第2の被加工材20に対向し、第1の反転加工材12’の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の反転加工材12’を第1のダイ40と第2の加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。この状態から、第1のパンチ90が第2のパンチとしての第1の反転抜き材11’を押し下げて、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。なお、第1の抜き材11’と第1の加工材12’とは同等の硬さを有するが、第1の抜き材11’はパンチ90で押し込まれているので、第1の抜き材11’で第1の加工材12’も剪断加工され得る。
図17に破線で示すように、第2のパンチとして用いる第1の反転抜き材11’の外径が、第2のダイとして用いる第1の反転加工材12’の内径よりも大きく、間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。このため、第1の反転抜き材11’による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の反転抜き材11’を第2のパンチとして用い、第1の反転加工材12’を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90及び第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態7)
図19及び20に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、打ち抜いた状態から反転して第2の剪断加工工程における第2のパンチとして使用し、且つ図6に示す第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材12を、打ち抜いた状態で第2の剪断加工工程における第2のダイとして使用してもよい。図19及び20に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の反転抜き材11’の第1面111が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第2面112が第1のパンチ90に対向するように、第1の反転抜き材11’を第1のパンチ90と第2の被加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。それに加えて、図19及び20に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において加工された第1の非反転加工材12の第1面121が第2の被加工材20に対向し、第1の非反転加工材12の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の反転加工材12を第1のダイ40と第2の加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。この状態から、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。なお、第1の抜き材11’と第1の加工材12とは同等の硬さを有するが、第1の抜き材11’はパンチ90で押し込まれているので、第1の抜き材11’で第1の加工材12も剪断加工され得る。
図19に破線で示すように、第2のパンチとして用いる第1の反転抜き材11’の外径が、第2のダイとして用いる第1の非反転加工材12の内径よりも大きく、間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。このため、第1の反転抜き材11’による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の反転抜き材11’を第2のパンチとして用い、第1の非反転加工材12を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90及び第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
(実施形態8)
図21及び22に、本方法の剪断加工における第2の剪断加工工程の別の実施形態を示す。図6に示す第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の抜き材11を、打ち抜いた状態で第2のパンチとして使用し、図6に示す第1の剪断加工工程において加工された第1の加工材を、打ち抜いた状態から反転して第2のダイとして使用してもよい。図21及び22に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において打ち抜かれた第1の非反転抜き材11の第2面112が第2の被加工材20における打抜き予定部位に対向し、第1面111が第1のパンチ90に対向するように、第1の非反転抜き材11を第1のパンチ90と第2の被加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。それに加えて、図21及び22に示す第2の剪断加工工程においては、第1の剪断加工工程において加工された第1の反転加工材12’の第2面122が第2の被加工材20に対向し、第1の反転加工材12’の内径が、第2の被加工材20における打抜き予定部位に整合するように、第1の反転加工材12’を第1のダイ40と第2の加工材20との間の打抜き予定部位に配置する。この状態から、第1のパンチ90が第2のパンチとしての第1の非反転抜き材11を押し下げて、第2の被加工材20の第1面201から第2面202に向かって第2の被加工材20を剪断加工して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得ることができる。なお、第1の抜き材11と第1の加工材12’とは同等の硬さを有するが、第1の抜き材11はパンチ90で押し込まれているので、第1の抜き材11で第1の加工材12’も剪断加工され得る。
図21に破線で示すように、第2のパンチとして用いる第1の非反転抜き材11の外径が、第2のダイとして用いる第1の反転加工材12’の内径よりも大きく、間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。このため、第1の非反転抜き材11による間隔CLへの第2の被加工材20の引き込み量は低減され、第2の加工材22は、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。第2の抜き材21についても、同様に、面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の非反転抜き材11を第2のパンチとして用い、第1の反転加工材12’を第2のダイとして用いるので、工具(本実施形態では、第1のパンチ90及び第1のダイ40)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
本方法は上記実施形態1〜8のいずれかを含み、実施形態1、3、5、6〜8が好ましく、実施形態1及び6〜8がより好ましい。剪断加工面における平均残留応力を、実施形態1〜8では、従来よりも小さくすることができ、実施形態1、3、5、6〜8では、より小さくすることができ、特に、実施形態1及び6〜8では、剪断加工面における平均残留応力を圧縮側にすることができる。
(実施形態9)
本方法は、好ましくは、(x)第2の抜き材を第3のパンチとして使用するか、(y)第2の加工材を第3のダイとして使用するか、又は(z)第2の抜き材を第3のパンチとして使用し且つ第2の加工材を第3のダイとして使用して、第3の被加工材を剪断加工して、第3の抜き材及び第3の加工材を得る第3の剪断加工工程を含む。
第2の抜き材及び第2の加工材は、第1の抜き材及び第1の加工材と同様に、非反転または反転した状態で第3のパンチ及び第3のダイとして使用することができる。第3のパンチとしての第2の抜き材と第2のダイとしての第1の加工材または第1のダイとを組みあわせて用いてもよく、第3のダイとしての第2の加工材と第2のパンチとしての第1の抜き材または第1のパンチとを組み合わせて用いてもよい。第1のパンチまたは第2以降のパンチとして用いる抜き材と、第1のダイまたは第2以降のダイとして用いる加工材との間隔を、図5に示す従来の剪断加工よりも小さくなる組み合わせであれば、特に組み合わせは限定されない。
第2の抜き材及び第2の加工材の剪断加工面は、上記のように面垂直性及び面性状に優れている。したがって、第3の加工材は、面垂直性及び面性状により優れた剪断加工面を有することができる。第3の抜き材についても、同様に、面垂直性及び面性状により優れた剪断加工面を有することができる。また、第2の抜き材を第3のパンチとして使用し、及び/または第2の加工材を第3のダイとして使用するので、工具(第1のパンチ及び/または第1のダイ)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
図23〜26に、第3の被加工材に対する第3の剪断加工について2つの実施形態を例示するが、これらの組み合わせに限られない。図23及び24は、図7及び8に示す実施形態1で得られた第2の加工材22を第1のダイ40と第3の被加工材30との間に配置して第3のダイとして用いる実施形態である。図23及び24においては、図7及び8に示す実施形態1で使用した第1の抜き材11を再度第2のパンチとして用いて、第3の被加工材30を剪断加工して第3の抜き材31及び加工材32を得る。図25及び26は、図7及び8に示す実施形態1で得られた第2の加工材22を第1のダイ40と第3の被加工材30との間に配置して第3のダイとして用いる実施形態である。図25及び26においては、図7及び8に示す実施形態1で使用した第1の抜き材を反転して第1の反転抜き材11’として再度第2のパンチとして用いて、第3の被加工材30を剪断加工して第3の抜き材31及び第3の加工材32を得る。
図23〜26に例示する第3の剪断加工工程においても、図23及び25に破線で示すように、再度第2のパンチとして用いる第1の抜き材11又は第1の反転抜き材11’のいずれかの外径と、第1のダイ40の内径との間隔CLは、第1のパンチ90の外形と第1のダイ40の内径との間隔CLよりも小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。したがって、実施形態1〜8と同様に、第3の加工材32は、優れた面垂直性を有するとともに、引張応力の残留が抑制された優れた面性状を有し、耐水素脆化特性及び疲労特性に優れる剪断加工面を、加工材(製品)に形成することができる。
図23〜26に例示する第3の剪断加工工程において、再度第2のパンチとして用いる第1の抜き材と、第3のダイとして用いる第2の加工材とは、上記のように面垂直性及び面性状に優れた剪断加工面を有する。このため、第3の加工材32は、面垂直性及び面性状により優れた剪断加工面を有することができる。第3の抜き材31についても、同様に、面垂直性及び面性状により優れた剪断加工面を有することができる。また、第1の抜き材を第2のパンチとして用い、第2の加工材を第3のダイとして用いる場合、工具(第1のダイ40及び第1のパンチ90)の摩耗及び損傷を抑制しながら、加工材(製品)を生産性よく製造することができる。
実施形態9と同様にして、第4以降の被加工材を剪断加工することができる。すなわち、抜き材をパンチとして、あるいは、加工材をダイとして、繰り返し使用することができる。抜き材及び加工材は、使用回数が多くなると端面性状が劣化するので、繰返して使用する回数の上限を、100回以内または10回以内にしてもよい。
(実施形態10)
図27及び28に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。第2のパンチとして用いる抜き材の位置決め治具として、加工材を用いることができる。図27は、図5及び6に示す第1の剪断加工工程において、固定用治具60を第1の被加工材の外周に配置して第1の被加工材を固定しながら、第1の被加工材を剪断加工して、第1の抜き材11及び第1の加工材12を得る実施形態を示す。
図28は、図27に続く第2の剪断加工工程を表す。図28においては、第2の被加工材20の外周と第1の剪断加工工程で得られた第1の加工材12の外周とを、第1の剪断加工工程と同じ位置に配置された固定用治具60で固定しながら、第1の剪断加工工程で得られた第1の抜き材11を第2のパンチとして使用して、第2の被加工材20を剪断加工する実施形態を示す。
固定用治具60は、第1の加工材12の外周を第1の剪断加工工程と同じ位置にて固定できる。このため、第1のダイ40の内径に対する第1の加工材12の、打ち抜き方向に垂直方向の相対位置は、第1の剪断加工のときと第2の剪断加工のときとで同じになる。第1の抜き材11は、第1の加工材12の抜き穴に嵌め込まれるように配置され得る。このため、第1の加工材12の抜き穴の、打ち抜き方向に対して垂直方向における中心位置に第1の抜き材11を配置することができる。したがって、第1のダイ40の内径に対する第1の抜き材11の、打ち抜き方向に垂直方向における位置決めを正確に行うことができ、且つ打ち抜き方向に垂直方向の第1の抜き材11のずれを抑制しながら、第2の被加工材20に対する第2の剪断加工を行うことができる。第1の加工材12は、剪断加工する際に第2の被加工材20を抑えるホルダーとしても作用することもできる。
第1の抜き材は、非反転抜き材11または反転抜き材11’として使用してもよい。非反転加工材12を抜き材の位置決め部材として用いる場合は、第1の抜き材は、好ましくは非反転抜き材11として使用する。抜き材の破断面と加工材の破断面との整合性が高いため、第2のパンチとして用いる抜き材の位置合わせ及び抜き材の打ち抜き方向に対する垂直方向のずれの抑制がより容易になるからである。また、第1の剪断加工後に、第1の抜き材11、第1の加工材12、及び固定用治具60を別々にせずに、剪断加工後の組み合わされた状態を保ったまま、第2の被加工材の剪断加工に用いることが好ましい。反転加工材12’を抜き材の位置決め部材として用いる場合は、抜き材は、好ましくは反転抜き材11’として使用する。抜き材のだれと加工材のだれとの整合性が高いため、第2のパンチとして用いる抜き材の位置合わせ及び抜き材の打ち抜き方向に垂直方向のずれの抑制がより容易になるからである。
(実施形態11)
図29及び30に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。第2のパンチとして用いる抜き材の位置決め治具として、加工材を用いることができる。図29は、図7及び8に示す第2の剪断加工工程において、固定用治具60を第2の被加工材の外周に配置して第2の被加工材を固定しながら、第2の被加工材を剪断加工して第2の抜き材21及び第2の加工材22を得る実施形態を示す。
図30は、第3の剪断加工工程において、第3の被加工材30の外周と図29に示す第2の剪断加工工程で得られた第2の加工材22の外周とを第2の剪断加工工程と同じ位置に配置された固定用治具60で固定しながら、第2の剪断加工工程で得られた第2の抜き材21を第3のパンチとして使用して、第3の被加工材30を剪断加工する実施形態を示す。
固定用治具60は、第2の加工材22の外周を第2の剪断加工工程と同じ位置にて固定できる。このため、第1のダイ40の内径に対する第2の加工材22の、打ち抜き方向に垂直方向の相対位置は、第2の剪断加工のときと第3の剪断加工のときとで同じになる。このため、第2の加工材22の抜き穴の、打ち抜き方向に対して垂直方向における中心位置に第2の抜き材21を配置することができる。したがって、第1のダイ40の内径に対する第2の抜き材21の、打ち抜き方向に垂直方向における位置決めを正確に行うことができ、且つ打ち抜き方向に垂直方向の第2の抜き材21のずれを抑制しながら、第3の被加工材30に対する第3の剪断加工を行うことができる。第2の加工材22は、剪断加工する際に第3の被加工材30を抑えるホルダーとしても作用することもできる。
第2の抜き材は、非反転抜き材21または反転抜き材21’として使用してもよく、第2の抜き材に代えて第1の抜き材であってもよい。いずれの組み合わせにおいても、第1のダイ40の内径に対する抜き材の、打ち抜き方向に垂直方向における位置決めを正確に行うことができ、且つ打ち抜き方向に対する垂直方向における抜き材のずれを抑制しながら、剪断加工を行うことができる。
図27〜30に示す実施形態10及び11の剪断加工においても、第1のダイ40の内径と第2のパンチとして用いる第1の抜き材11の外径または第3のパンチとして用いる第2の抜き材21の外径との間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができる。したがって、優れた面垂直性を有するとともに、引張応力の残留が抑制された優れた面性状を有し、耐水素脆化特性や疲労特性に優れる剪断加工面を、加工材(製品)に形成することができる。
(実施形態12)
打ち抜き面に凸部を備えた第1のパンチを用いて、凸部を第1の被加工材の第1面に食い込ませながら第1の被加工材を剪断加工(第1の剪断加工)して、抜き材及び加工材を得ることができる。次いで、凸部が食い込んで第1のパンチの打抜き面に固定された抜き材を第2のパンチとして用いて、第2の被加工材を剪断加工(第2の剪断加工)することができる。図31〜34に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。
図31及び32においては、打ち抜き面に凸部80を備えた第1のパンチ90を用いて、凸部80を第1の被加工材10の第1面101に食い込ませながら第1の被加工材10を剪断加工(第1の剪断加工)して、第1の抜き材11及び第1の加工材12を得る。第1の抜き材11の第1面111には凸部80が食い込んで、第1の抜き材11は第1のパンチ90の打ち抜き面に固定される。
図33及び34においては、凸部80が食い込んで第1のパンチ90の打ち抜き面に固定された第1の抜き材11を第2のパンチとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工(第2の剪断加工)して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得る。
第1のパンチ90の打ち抜き面に凸部80を設けると、第1のパンチ90の打ちぬき面に第1の抜き材11が固定されるので、第1の抜き材11を第2のパンチとして使用する場合に、第1のダイ40の内径に対する第1の抜き材11の、打ち抜き方向に対して垂直方向における位置合わせを容易に行うことができる。
(実施形態13)
凸部を備えた第1のパンチと、第1のパンチに対向するように第1の被加工材の第2面側に配置されたバックホルダーとによって、第1の被加工材を挟んで固定しながら剪断加工して、第1の抜き材及び第1の加工材を得ることができる。図35に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。
図35においては、打ち抜き面に凸部80を備えた第1のパンチ90と、第1のパンチ90に対向するように第1の被加工材10の第2面102側に配置されたバックホルダー70とによって、第1の被加工材10が挟まれる。凸部80を第1の被加工材10の第1面101に食い込ませながら第1の被加工材10を剪断加工(第1の剪断加工)して、第1の抜き材及び第1の加工材を得る。バックホルダー70は、好ましくは弾性部材71で保持されている。
図35は、図31に示す剪断加工にバックホルダー70を用いることを加えた実施形態を示す。バックホルダー70によって、凸部80を備えた第1のパンチ90の打ち抜き面とバックホルダー70とで第1の被加工材10を挟んで固定することができるので、打ち抜いた後も第1の抜き材を挟んで固定することができる。そのため、凸部80を備えた第1のパンチ90の打ち抜き面から第1の抜き材が外れることを防止することができる。図35に示す剪断加工に続いて、凸部80を備えた第1のパンチ90の打ち抜き面とバックホルダー70とで第1の抜き材を挟んで固定しながら、図32〜34に示す実施形態と同様に、第1の被加工材10及び第2の被加工材20を剪断加工(第2の剪断加工)することができる。
(実施形態14)
被加工材の第2面に接する面(以下、保持面ともいう)に凸部を備えた第1のダイを用いて、凸部を第1の被加工材の第2面に食い込ませながら第1の被加工材を剪断加工して、抜き材及び加工材を得ることができる。次いで、凸部が食い込んで第1のダイの保持面に固定された加工材を第2のダイとして用いて、第2の被加工材を剪断加工(第2の剪断加工)し、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることができる。図36〜39に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。
図36及び37においては、保持面に凸部80を備えた第1のダイ40を用いて、凸部80を第1の被加工材の第2面に食い込ませながら第1の被加工材を剪断加工(第1の剪断加工)して、第1の抜き材11及び凸部80が食い込んで第1のダイ40の保持面に固定された第1の加工材12を得る。
図38及び39には、凸部80が食い込んで第1のダイ40の保持面に固定された加工材12を第2のダイとして用いて、第2の被加工材20を剪断加工(第2の剪断加工)して、第2の抜き材21及び第2の加工材22を得る。
第1のダイ40の保持面に凸部80を設けると、第1のダイ40に第1の加工材12が固定されるので、第1の加工材12を第2のダイとして使用する場合に、第1のパンチ90に対する第1の加工材12の位置合わせを容易に行うことができる。
図36〜39に例示する実施形態において、ホルダー50を用いても用いなくてもよいが、好ましくはホルダー50を用いる。ホルダー50と第1のダイ40とで第1の被加工材10を挟んで固定して、打ち抜いた後も第1の加工材12を挟んで固定することができる。そのため、凸部80を備えた第1のダイ40の保持面から第1の加工材12が外れることまたは位置がずれることを防止することができる。
図31〜35に例示する実施形態と図36〜39に例示する実施形態とを組み合わせてもよい。
凸部の形状は、被加工材を拘束できるものであればよく、突起、凹凸、表面処理面等の摩擦抵抗を上昇させる形状であることができる。突起、凹凸、及び表面処理面の形成方法は特に限定されないが、例えば次のようにして行うことができる。突起の形成は、先端に突起形状を有するピンを埋め込むことにより行うことができる。凹凸の形成は、切削加工により、鋼板との接触面に深さ10μm〜500μmの溝を作ることにより行うことができる。表面処理面の形成は、サンドブラストなど、摩擦抵抗を大きくする方法により行うことができる。
被加工材の板厚方向における凸部の高さは、好ましくは10〜500μmである。被加工材の板厚方向に垂直方向の凸部の円相当径は、好ましくは10〜500μmである。凸部の高さが高いほど、拘束力を強くすることができるが、凸部の摩耗が大きくなりやすく、また、被加工材への食い込みに必要な荷重が大きくなる。凸部の円相当径が小さいほど、小さな荷重で被加工材に食い込ませることができるが、凸部の摩耗は大きくなりやすい。凸部の数(密度)が少ないほど、小さな荷重で被加工材に食い込ませることができるが、拘束力は弱まる。
(実施形態15)
第1のパンチの一部に電磁石を備えてもよい。図40に、本方法の剪断加工の別の実施形態を示す。図40においては、一部に電磁石92を備えた第1のパンチ90を用いて剪断加工する態様を示す。第1のパンチ90の内部に電磁石92を配置することにより、電磁力で第1の被加工材及び第1の抜き材をひきつけることができ、凸部を第1のパンチに設けた場合と同様に、第2のパンチとして用いる第1の抜き材の位置合わせを容易に行うことができる。
第1のパンチ90内における電磁石92の配置は、刃先91を除く所望の位置にすることができる。図41及び42に、電磁石92の配置が異なる第1のパンチ90の断面模式図を示す。第1のパンチ90は、好ましくは2以上の電磁石92を備える。第1のパンチ90が2以上の電磁石92を備えることにより、モーメントの影響で被加工材及び抜き材の落下やずれを、より抑制することができる。図41の第1のパンチ90は内部に1つの電磁石92を含み、図42の第1のパンチ90は内部に2つの電磁石92を含む。そのため、図42の第1のパンチ90は、図41の第1のパンチ90に比べて、被加工材及び抜き材の落下やずれを、より抑制することができる。ただし、第1のパンチ90は、スクラップを小さくして、歩留まりを良くするために、打ち抜き方向に垂直方向の寸法は小さい方がよく、電磁石92の数は好ましくは2〜4個である。
電磁石の材質は、被加工材及び抜き材を固定することができるものであれば特に限定されないが、電磁石は、好ましくは抜き材の重さ1kgあたり50N以上、より好ましくは抜き材の重さ1kgあたり500N以上の最大吸着力を有する。電磁石の形状は、第1のパンチの内部に配置され、被加工材を固定することができるものであれば特に限定されないが、好ましくは第1のパンチと同心円状の略円柱形状を有する。例えば、株式会社フジタ製の丸型電磁石FSGP(商標)を用いることができる。
第1のパンチは、電磁石を備え且つ打ち抜き面に上記の凸部を有してもよく、上記のバックホルダーと組み合わせてもよい。
第1のダイが電磁石を備えてもよい。この場合も、電磁力で被加工材及び加工材をひきつけることができ、凸部を第1のダイに設けた場合と同様に、第2のダイとして用いる加工材の位置合わせを容易に行うことができる。
(実施形態16)
第1のパンチの一部に吸引部を備えてもよい。図43及び44に、内部に吸引部94を備えた第1のパンチ90の断面模式図を示す。第1のパンチ90の内部に吸引部94を配置することにより、吸引により被加工材をひきつけることができ、凸部を第1のパンチまたは第1のダイに設けた場合と同様に、第2のパンチとして用いる第1の抜き材の位置合わせを容易に行うことができる。
第1のパンチ90内における吸引部94の配置は、刃先91を除く所望の位置にすることができる。第1のパンチ90は、好ましくは2以上の吸引部94を備える。第1のパンチ90が2以上の吸引部94を備えることにより、モーメントの影響で被加工材及び抜き材の落下やずれを、より抑制することができる。図43の第1のパンチ90は、内部に1つの吸引部94を含み、図44の第1のパンチ90は内部に2つの吸引部94を含む。そのため、図44の第1のパンチ90は、図43の第1のパンチ90に比べて、被加工材及び抜き材の落下やずれを、より抑制することができる。ただし、第1のパンチ90は、スクラップを小さくして、歩留まりを良くするために、打ち抜き方向に垂直方向の寸法は小さい方がよく、吸引部94の数は好ましくは2〜4個である。
吸引部94の構成は、被加工材及び抜き材を固定することができるものであれば特に限定されないが、吸引部94は、好ましくは抜き材の重さ1kgあたり50N以上、より好ましくは抜き材の重さ1kgあたり500N以上の最大吸引力を有する。吸引部94の形状は、第1のパンチ90の内部に配置され、被加工材を固定することができるものであれば特に限定されないが、例えば、株式会社日本ピスコ製フリーホルダ(商標)を用いることができる。
第1のパンチは、一部に吸引部を備え且つ打ち抜き面に上記の凸部を有してもよく、上記のバックホルダーと組み合わせてもよい。
第1のダイが吸引部を備えてもよい。この場合も、吸引力で被加工材及び加工材をひきつけることができ、凸部を第1のダイに設けた場合と同様に、第2のダイとして用いる加工材の位置合わせを容易に行うことができる。
本方法は、実施形態10〜16のうち少なくとも1つと、実施形態1〜8のいずれかと、実施形態9とから選択される実施形態を、所望の組み合わせで行うことができる。
被加工材は、穴広げ率λが好ましくは1%超、より好ましくは5%超、さらに好ましくは10%超である。上記範囲の穴広げ率λを有することにより、より長い剪断面を得ることができる。電磁石を含む第1のパンチを用いる場合、被加工材は、電磁力で引きつけられる材料である。
以上説明したように、本方法は、抜き材を、打ち抜いた状態若しくは打ち抜いた状態から反転させてパンチとして使用し、及び/又は加工材を、打ち抜いた状態若しくは打ち抜いた状態から反転させてダイとして使用することを基本思想とする。
本方法においては、このように、抜き材をパンチとして使用する、及び/又は、加工材をダイとして使用するので、第1のパンチ及び/又は第1のダイの摩耗及び損傷を低減できることともに、間隔CLを小さくすることができ、好ましくは略0mmにすることができるので、加工材に、面垂直性と面性状に優れた剪断加工面を形成することができる。
本開示はまた、剪断加工装置を対象とする。本装置は、被加工材を剪断加工するパンチとダイとを有し、被加工材を剪断加工して、抜き材及び加工材を得る剪断加工装置である。剪断加工装置は、第1のパンチ及び第1のダイを備える。剪断加工装置においては、抜き材再利用機構、加工材再利用機構、またはその両方の機構を有する。抜き材再利用機構は、第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の抜き材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のパンチとして使用する機構である。加工材再利用機構は、第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の加工材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のダイとして使用する機構である。
抜き材再利用機構の構成は、第2の被加工材を剪断加工する際に、第1の抜き材を第2のパンチとして使用する機構を有する限り、限定されるものではない。同様に、加工材再利用機構の構成は、第2の被加工材を剪断加工する際に、第1の加工材を第2のダイとして使用する機構を有する限り、限定されるものではない。抜き材再利用機構及び加工材再利用機構の構成は、好ましくは、剪断加工方法の上記実施形態10〜16のうち少なくとも1つに対応する構成と、実施形態1〜8のいずれかに対応する構成と、実施形態9に対応する構成とから選択される構成を、所望の組み合わせで有することができる。
剪断加工装置は、第1のパンチ及び第1のダイ、第1の被加工材を自動的に剪断加工部に配置可能な被加工材配置機構、第1の剪断加工で得られた第1の抜き材を、続けて行われる第2の剪断加工の第1のパンチ側の打抜き予定部位に配置する抜き材再利用機構、並びに第1の剪断加工で得られた第1の加工材を、続けて行われる第2の剪断加工の第1のダイ側の打抜き予定部位に配置する加工材再利用機構を備えることができる。
剪断加工装置は、好ましくは、第1の被加工材を挟んで固定することができる第1のパンチ及びバックホルダー並びに第1のダイ及びホルダーを備える。
抜き材再利用機構は、第1の剪断加工で得られた第1の抜き材を、続けて行われる第2の剪断加工の第1のパンチ側の打抜き予定部位に配置するために、好ましくは、ロボットアームを備える。
抜き材再利用機構は、好ましくは、打ち抜き面に凸部を有する第1のパンチ及び電磁石または吸引部を備える第1のパンチのうち少なくとも一方を含む。打ち抜き面に凸部を有する第1のパンチは、凸部を第1被加工材及び第1の抜き材に食い込ませて第1のパンチの打ち抜き面に第1の抜き材を保持することができる。電磁石または吸引部を備える第1のパンチは、第1の被加工材及び第1の抜き材を第1のパンチの打ち抜き面に引きつけて保持することができる。
加工材再利用機構は、第1の剪断加工で得られた第1の加工材を、続けて行われる第2の剪断加工の第1のダイ側の打抜き予定部位に配置するために、好ましくは、ロボットアームを備える。
加工材再利用機構には、好ましくは、保持面に凸部を有する第1のダイ及び電磁石または吸引部を備える第1のダイのうち少なくとも一方を含む。
加工材再利用機構はまた、第1の剪断加工で得られた第1の加工材を、続けて行われる第2の剪断加工のホルダーとして配置することもできる。加工材再利用機構は、第1の加工材をホルダー部位に配置するために、好ましくは、ロボットアームを備える。
抜き材再利用機構及び加工材再利用機構は、好ましくは、第1の剪断加工後の第1の抜き材及び第1の加工材を分離しないで、続けて行われる第2の剪断加工の第1のパンチ側の打抜き予定部位及びホルダー部位に配置することができる。
剪断加工装置は、抜き材再利用機構に代えて、第1の抜き材を取り除く抜き材取り出し機構を備えてもよい。抜き材取り出し機構は、第1の抜き材を取り出して排出することを除いて、抜き材再利用機構と同様の構成を有する。剪断加工装置はまた、加工材再利用機構に代えて、第1の加工材を取り除く加工材取り出し機構を備えてもよい。加工材取り出し機構は、第1の加工材を取り出して排出することを除いて、加工材再利用機構と同様の構成を有する。
その他、剪断加工方法の構成について説明した上記記載は、本装置の構成にも適用される。
次に、本発明の実施例について説明する。実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
直径10.00mmの第1のパンチ及び内径10.32mmの第1のダイを用いて、1.6mmの板厚を有し引張強度が1180MPaの第1の鋼板を剪断加工して第1の抜き材及び第1の加工材を得た。得られた第1の抜き材を第2のパンチとして使用し、及び/又は得られた第1の加工材を第2のダイとして使用して、1.6mmの板厚を有し引張強度が1180MPaの第2の鋼板を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得た。
具体的には、図5及び6に示す第1の剪断加工方法(従来の剪断加工方法)で、第1の鋼板を剪断加工して第1の加工材を得た。さらに、第1の鋼板を剪断加工して第1の加工材を得て、次いで、図7及び8、図9及び10、図11及び12、図13及び14、図15及び16、図17及び18、図19及び20、並びに図21及び22に示す実施形態1〜8に示す第2の剪断加工方法で、第2の鋼板を剪断加工して第2の加工材を得た。第1の加工材及び第2の加工材を、抜き穴の中心を通る線で板厚方向に平行に切断し、剪断加工面の面垂直性を観察した。第1の加工材及び第2の加工材の剪断加工面の平均引張残留応力を、スポット径500μmのX線を照射してsinΨ法を用いて測定した。図45に、第1の加工材12の平均残留応力の測定箇所を示す。平均粒応力の測定箇所は、第1の加工材12の板厚方向に沿って、図45の上から、S1(剪断面側)、S2(板厚中央)、及び、S3(バリ側)の3箇所である。第2の加工材についても、同様に、S1(剪断面側)、S2(板厚中央)、及び、S3(バリ側)の3箇所の平均残留応力を測定した。
図46に、図5及び6に示した態様(第1の剪断加工、従来技術)で第1の鋼板を剪断加工して得られた第1の加工材12の断面写真を示す。図47〜50に、実施形態1、2、5、及び6に示した方法で第2の鋼板を剪断加工して得られた第2の加工材22の断面写真を示す。
図46に示すように、従来の剪断加工を行った第1の加工材12の剪断加工面19aは傾斜しているのに対し、図47〜50に示すように、実施形態1、2、5、及び6に示した方法で剪断加工した第2の加工材22の剪断加工面19b〜19eの面垂直性は良好である。
図51に、従来技術で得られた第1の加工材及び実施形態1〜8に示した方法で得られた第2の加工材の剪断加工面の平均引張残留応力を測定した結果を示す。抜き材をパンチとして使用、及び/又は加工材をダイとして使用すると、従来の剪断加工を行った場合よりも、加工材の剪断加工面における平均残留応力が低減した。これにより、優れた耐疲労特性と耐水素脆化性が得られることが分かる。特に実施形態1、3、5、6〜8に示した方法で得られた加工材の平均残留応力は小さく、さらには、実施形態1及び6〜8に示した方法で得られた加工材の剪断加工面における平均残留応力は圧縮側であった。剪断加工面における残留応力が圧縮側にあると、剪断加工面において、特に優れた耐疲労特性と耐水素脆化性を確保することができる。
抜き材をパンチとして使用し、及び/または加工材をダイとして使用して形成した剪断加工面の面垂直性及び面性状は、従来の打抜き方法で形成した剪断加工面に比べ優れていることが分かる。
10 第1の被加工材
101 第1の被加工材の第1面
102 第1の被加工材の第2面
11 第1の抜き材
11’ 第1の反転抜き材
111 第1の抜き材の第1面
112 第1の抜き材の第2面
12 第1の加工材
12’ 第1の反転加工材
121 第1の加工材の第1面
122 第1の加工材の第2面
14 ダレ
14’ ダレ
15 剪断面
15’ 剪断面
16 破断面
16’ 破断面
17 バリ
17’ バリ
18a パンチ側表面
18b ダイ側表面
19 剪断加工面
19a、19b、19c、19d、19e 剪断加工面
20 第2の被加工材
201 第2の被加工材の第1面
202 第2の被加工材の第2面
21 第2の抜き材
22 第2の加工材
30 第3の被加工材
301 第3の被加工材の第1面
302 第3の被加工材の第2面
31 第3の抜き材
32 第3の加工材
40 ダイ
50 ホルダー
60 固定用治具
70 バックホルダー
71 弾性部材
80 凸部
90 パンチ
90a 被加工材の板厚方向
91 刃先
92 電磁石
94 吸引部
CL パンチとダイの間隔
S1、S2、S3 残留応力の測定箇所

Claims (8)

  1. ダイ及びパンチで被加工材を剪断加工する剪断加工方法であって、
    第1面及びその反対側の第2面を有する第1の被加工材を、前記第2面が第1のダイ側に配置されるように、前記第1のダイ上に配置し、前記第1の被加工材の前記第1面から前記第2面に向かって前記第1の被加工材の板厚方向に、前記第1面側に配置された第1のパンチで剪断加工して、前記第1の被加工材の第1面及び第2面に対応する第1面及び第2面を有する第1の抜き材及び第1の加工材を得る第1の剪断加工工程と、
    第2の被加工材を配置し、(x)前記第1の抜き材を第2のパンチとして使用するか、(y)前記第1の加工材を第2のダイとして使用するか、又は(z)前記第1の抜き材を第2のパンチとして使用し且つ前記第1の加工材を第2のダイとして使用して、前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得る第2の剪断加工工程と、
    を含むことを特徴とする剪断加工方法。
  2. 前記第2の剪断加工工程において、前記第1の抜き材の第2面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の抜き材の第1面が前記第1のパンチ側に配置されるように前記第1の抜き材を配置し、前記第1の抜き材を前記第2のパンチとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、請求項1に記載の剪断加工方法。
  3. 前記第2の剪断加工工程において、前記第1の抜き材の第1面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の抜き材の第2面が前記第1のパンチ側に配置されるように前記第1の抜き材を配置し、前記第1の抜き材を前記第2のパンチとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、請求項1に記載の剪断加工方法。
  4. 前記第2の剪断加工工程において、前記第1の加工材の第1面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の加工材の第2面が前記第1のダイ側に配置されるように前記第1の加工材を配置し、前記第1の加工材を前記第2のダイとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剪断加工方法。
  5. 前記第2の剪断加工工程において、前記第1の加工材の第2面が前記第2の被加工材に対向し且つ前記第1の加工材の第1面が前記第1のダイ側に配置されるように前記第1の加工材を配置し、前記第1の加工材を前記第2のダイとして使用して前記第2の被加工材を剪断加工して、第2の抜き材及び第2の加工材を得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剪断加工方法。
  6. 前記第2の剪断加工工程において、前記第2の被加工材に対して使用されるパンチと、前記第2の被加工材に対して使用されるダイとの間隔であって、前記第2の被加工材の板厚方向に垂直方向の間隔が、略0mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剪断加工方法。
  7. (x)前記第2の抜き材を第3のパンチとして使用するか、(y)前記第2の加工材を第3のダイとして使用するか、又は(z)前記第2の抜き材を第3のパンチとして使用し且つ前記第2の加工材を第3のダイとして使用して、第3の被加工材を剪断加工して、第3の抜き材及び第3の加工材を得る第3の剪断加工工程を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の剪断加工方法。
  8. 被加工材を剪断加工するパンチとダイとを有し、前記被加工材を剪断加工して、抜き材及び加工材を得る剪断加工装置であって、
    第1のパンチ及び第1のダイを備え、並びに
    前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の抜き材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のパンチとして使用する、抜き材再利用機構を有するか、
    前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の加工材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のダイとして使用する、加工材再利用機構を有するか、または
    前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の抜き材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のパンチとして使用する、抜き材再利用機構を有し、且つ前記第1のパンチ及び第1のダイで第1の被加工材を剪断加工して得られた第1の加工材を、第2の被加工材を剪断加工する際に第2のダイとして使用する加工材再利用機構を有する
    ことを特徴とする剪断加工装置。
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