JPWO2017115596A1 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

低駆動電圧で、高発光効率、長寿命な熱活性化遅延蛍光型の有機電界発光素子を提供する。
対向する陽極と陰極の間に、発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層に熱活性化遅延蛍光材料、又は熱活性化遅延蛍光材料とホスト材料を含有するものであり、この熱活性化遅延蛍光材料は下記一般式(1)で表され、ここでAはCN基等の電子吸引性基であり、D1及びD2はインドール環構造を有する電子供与性基である。
【化1】

Description

本発明は有機電界発光素子(有機EL素子という)に関するものである。
有機EL素子に電圧を印加することで、陽極から正孔が、陰極からは電子がそれぞれ発光層に注入される。そして発光層において、注入された正孔と電子が再結合し、励起子が生成される。この際、電子スピンの統計則により、一重項励起子及び三重項励起子が1:3の割合で生成する。一重項励起子による発光を用いる蛍光発光型の有機EL素子は、内部量子効率は25%が限界であるといわれている。一方で三重項励起子による発光を用いる燐光発光型の有機EL素子は、一重項励起子から項間交差が効率的に行われた場合には、内部量子効率が100%まで高められることが知られている。
近年では、燐光型有機EL素子の長寿命化技術が進展し、携帯電話等のディスプレイへ応用されつつある。しかしながら青色の有機EL素子に関しては、実用的な燐光発光型の有機EL素子は開発されておらず、高効率であり、且つ長寿命な青色有機EL素子の開発が求められている。
さらに最近では、遅延蛍光を利用した高効率の有機EL素子の開発がなされている。例えば特許文献1には、遅延蛍光のメカニズムの1つであるTTF(Triplet-Triplet Fusion)機構を利用した有機EL素子が開示されている。TTF機構は2つの三重項励起子の衝突によって一重項励起子が生成する現象を利用するものであり、理論上内部量子効率を40%まで高められると考えられている。しかしながら、燐光発光型の有機EL素子と比較すると効率が低いため、更なる効率の改良が求められている。
一方で特許文献2では、熱活性化遅延蛍光(TADF;Thermally Activated Delayed Fluorescence)機構を利用した有機EL素子が開示されている。TADF機構は一重項準位と三重項準位のエネルギー差が小さい材料において三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が生じる現象を利用するものであり、理論上内部量子効率を100%まで高められると考えられている。しかしながら燐光発光型素子と同様に寿命特性の更なる改善が求められている。
WO2010/134350号公報 WO2011/070963号公報 WO2013/154064号公報 WO2014/208698号公報 特開2015-106659号公報 特開2015-109428号公報
Nature, 2012, 492, 234
特許文献2では、下記に示すようなインドロカルバゾール化合物について、TADF材料としての使用を開示している。
Figure 2017115596
非特許文献1では、カルバゾールが置換したシアノベンゼン化合物について、TADF材料としての使用を開示している。
特許文献3では、カルバゾールまたはインドールが置換したシアノベンゼン化合物について、TADF材料としての使用を開示している。
特許文献4、5、6では、下記に示すようなインドロカルバゾールが置換したシアノベンゼン化合物について、TADF材料としての使用を開示している。
Figure 2017115596
しかしながら、いずれも十分なものとは言えず、更なる改良が望まれている。
有機EL素子をフラットパネルディスプレイ等の表示素子、または光源に応用するためには素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。本発明は、上記現状を鑑み、低駆動電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、対向する陽極と陰極の間に1つ以上の発光層を含む有機EL素子において、少なくとも1つの発光層が、下記一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料を含有することを特徴とする有機EL素子である。
Figure 2017115596
(ここで、D1及びD2は式(1a)で表される含窒素複素環であり、式(1a)中の環Yは、式(1a-1)、(1a-2)、又は(1a-3)で表される環構造である。環Yが(1a-2)である場合、環Yはdの位置で縮合し、環Yが(1a-3)である場合、環Yはg、h、及びiのいずれかの位置で縮合する。X1及びX2は独立にO、S、又はN-R6を表す。R1〜R6は独立に、独立に炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。Aは、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、塩素、又はフッ素を表す。a、b、c、及びeは独立に0〜4の整数を表し、fは0〜2の整数を表す。)
一般式(1)において、Aはシアノ基であることが好ましく、環Yは式(1a-2)又は(1a-3)で表されることが好ましく、式(1a-3)で表されることがより好ましい。式(1a-3)中のX2は、NR6であることが好ましく、R6は式(1a-3)と同意である。
本発明の有機EL素子は、一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料を含有する発光層中にホスト材料を含有することができる。
上記ホスト材料としては、下記一般式(2)で表される化合物がある。
Figure 2017115596
(ここで、Lはベンゼン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルボラン、またはこれらが2〜3個連結した化合物から生じるp価の基を表す。pは1又は2の整数を表し、qは0〜4の整数を表すが、Lがベンゼンから生じるp価の基である場合、qは1〜4の整数を表す。)
上記発光層は、ホスト材料として、第1ホストと第1ホストよりも一重項励起エネルギー(S1)が大きい化合物から選ばれる第2ホストを含むことが好ましい。また、第1ホストと第2ホストの少なくとも1つは前記一般式(2)で表される化合物であることがよく、更に、第1ホストと第2ホストの両方が前記一般式(2)で表される化合物であることがより好ましい。
上記発光層中の一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料のイオン化ポテンシャル(IP)がホスト材料のIPよりも小さいことが好ましい。
上記有機EL素子は、一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料の発光波長が440〜470nmの範囲に発光極大波長を有することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、発光層に特定の熱活性化遅延蛍光材料と特定のホスト材料を含有するため、低駆動電圧で高発光効率、且つ長寿命な有機EL素子となることができる。
有機EL素子の一例を示した模式断面図である。 熱活性化遅延蛍光材料の1H-NMRチャートを示す。 熱活性化遅延蛍光材料の1H-NMRチャートを示す。 熱活性化遅延蛍光材料の1H-NMRチャートを示す。 熱活性化遅延蛍光材料の時間分解スペクトルである。 本発明の有機EL素子の発光スペクトルである。
本発明の有機EL素子は、対向する陽極と陰極の間に、1つ以上の発光層を有し、発光層の少なくとも1層が、上記一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料(TADF材料という。)を含有する。この有機EL素子は、対向する陽極と陰極の間に複数の層からなる有機層を有するが、複数の層の少なくとも1層は発光層であり、発光層には必要によりホスト材料を含有することができ、好ましいホスト材料は、上記一般式(2)で表される化合物である。
上記一般式(1)について、説明する。
置換基D1及びD2は式(1a)で表される含窒素複素環であり、D1及びD2は同一であっても、異なってもよい。
式(1a)中の環Yは、式(1a-1)、(1a-2)、又は(1a-3)で表される環構造である。d、g、h、及びiは、環Yが隣接するピロール環と縮合する辺を示す。環Yが(1a-2)である場合、環Yはdの位置で縮合し、環Yが(1a-3)である場合、環Yはg、h、iのいずれかの位置で縮合する。環Yが(1a-1)である場合、ベンゼン環のいずれかの位置で縮合する。
好ましくは、D1及びD2の少なくとも一方の式(1a)の環Yが式(1a-2)又は式(1a-3)で表される環構造である。より好ましくは、式(1a-3)であり、更に好ましくは式(1a-3)におけるX2がN-R6である環構造である。
式(1a-2)又は(1a-3)において、X1及びX2は、各々独立に、O、S、またはN-R6を表す。
式(1a)、(1a-1)、(1a-2)、及び(1a-3)において、R1〜R6は、各々独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。好ましくは、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基、炭素数3〜9の芳香族複素環基を表す。より好ましくは、フェニル基、炭素数3〜6の芳香族複素環基を表す。
a、b、c、eは独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0〜1の整数である。fは0〜2の整数を表し、好ましくは0〜1の整数である。
上記炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
上記炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜12の芳香族複素環基の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラジン、フラン、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾトリアジン、フタラジン、テトラゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、又はカルバゾールから1個のHをとって生じる芳香族基が挙げられる。好ましくは、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラジン、フラン、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾトリアジン、フタラジン、テトラゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソチアゾール、又はベンゾチアジアゾールから生じる芳香族基が挙げられる。より好ましくは、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラジン、フラン、イソキサゾール、オキサゾール、又はオキサジアゾールから生じる芳香族基が挙げられる。
Aは、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、塩素、又はフッ素を表す。好ましくはシアノ基、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基である。より好ましくはシアノ基である。
一般式(1)で表される化合物の具体的な例を以下に示すが、これらの例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2017115596
Figure 2017115596
Figure 2017115596
Figure 2017115596
前記一般式(1)で表される化合物をTADF材料として、発光層に含有させることで優れた有機EL素子とすることができる。
また、発光層には、必要により、上記TADF材料と共にホスト材料を含有させることができる。ホスト材料を含有させることにより、優れた有機EL素子となる。この場合、TADF材料はドーパントともいう。ホスト材料は、ドーパントであるTADF材料からの発光を促進する。ホスト材料は、TADF材料よりも大きいイオン化ポテンシャル(IP)を有していることが望ましい。また、TADF材料よりも大きい一重項励起エネルギー(S1)を有していることが望ましい。
ホスト材料としては、上記一般式(2)で表される化合物が適する。
一般式(2)において、Lはp価の基であり、ベンゼン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルボラン、又はこれらの環が2〜3個連結した連結化合物から生じるp価の基である。ここで、連結化合物は、ベンゼン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルボランの環が、直接結合で連結した構造の化合物であり、Ar-Ar、Ar-Ar-Ar、又はAr-Ar(Ar)で表される。ここで、Arは、ベンゼン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルボランの環であり、複数のArは同一であっても、異なってもよい。好ましい連結化合物としては、ベンゼン環が2又は3連結した化合物であるビフェニル又はターフェニルが挙げられる。
好ましくは、Lはベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、又はカルボランからp個の水素を取って生じるp価の基である。pは1又は2の整数を表し、好ましくは1の整数を表す。qは0〜4の整数を表し、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜2の整数を表すが、Lがベンゼンから生じる基である場合、qが0であることは無い。
一般式(2)において、L及びカルバゾール環は、ホストとしての機能を阻害しない限り置換基を有してもよい、かかる置換基としては、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基である。置換基の数は0〜4が好ましい。
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2017115596
Figure 2017115596
Figure 2017115596
前記一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料から選ばれるドーパント材料を含有する発光層が、前記一般式(2)で表される化合物から選ばれるホスト材料を含有することで優れた特性を有する有機EL素子を提供することができる。また、2種以上のホスト材料を含有することで、特性を改良することもできる。2種のホスト材料を含有する場合、一重項エネルギー(S1)がより大きい化合物を第2ホストとして含有することが好ましい。3種以上のホスト材料を含有する場合は、一重項エネルギーが小さい順に、第1ホスト、第2ホスト、第3ホスト等という。
2種以上のホスト材料を含有する場合、少なくとも1種は、一般式(2)で表される化合物から選ばれるホスト材料であることがよい。第1ホストが一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。第2ホストは、第1ホストよりも一重項エネルギー(S1)が大きい化合物であればよく、前記一般式(2)の化合物であってもよいし、他のホスト材料であってもよいが、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
ここで、S1は次のようにして測定される。石英基板上に真空蒸着法にて、真空度10-4Pa以下の条件にて試料化合物を蒸着し、蒸着膜を100nmの厚さで形成する。この蒸着膜の発光スペクトルを測定し、この発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸の交点の波長値λedge[nm]を、次に示す式(i)に代入してS1を算出する。
S1[eV] = 1239.85/λedge (i)
次に、本発明の有機EL素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機EL素子の構造はこれに限定されない。
図1は本発明に用いられる一般的な有機EL素子の構造例を示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を表す。本発明の有機EL素子は発光層と隣接して励起子阻止層を有してもよく、また発光層と正孔注入層との間に電子阻止層を有しても良い。励起子阻止層は発光層の陰極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。本発明の有機EL素子では、陽極、発光層、そして陰極を必須の層として有するが、必須の層以外に正孔注入輸送層、電子注入輸送層を有することが良く、更に発光層と電子注入輸送層の間に正孔阻止層を有することがよい。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか、または両者を意味し、電子注入輸送層は、電子注入層と電子輸送層のいずれかまたは両者を意味する。
図1とは逆の構造、すなわち基板1上に陰極7、電子輸送層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、この場合も必要により層を追加、省略することが可能である。
―基板―
本発明の有機EL素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については特に制限はなく、従来から有機EL素子に用いられているものであれば良く、例えばガラス、透明プラスチック、石英等からなるものを用いることができる。
―陽極―
有機EL素子における陽極材料としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3-ZnO)等の非晶質で、透明導電膜を作成可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成しても良く、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合(100μm以上程度)は、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは有機導電性化合物のような塗布可能な物質を用いる場合には印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極側より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
―陰極―
一方、陰極材料としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が用いられる。このような電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム―カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの陰極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度は向上し、好都合である。
また、陰極材料としての上記金属を1〜20nmの膜厚で形成した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に形成することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
―発光層―
発光層は陽極及び陰極のそれぞれから注入された正孔及び電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層である。発光層には、本発明のTADF材料を単独で使用しても良いし、本発明のTADF材料をホスト材料と共に使用してもよい。ホスト材料と共に使用する場合は、本発明のTADF材料は、有機発光性ドーパント材料となる。
有機発光性ドーパント材料は、発光層中に1種類のみが含有されても良いし、2種類以上を含有しても良い。有機発光性ドーパント材料の含有量は、ホスト材料に対して0.1〜50wt%であることが好ましく、1〜30wt%であることがより好ましい。
発光層における正孔と電子の再結合確率を高めるために、有機発光性ドーパント材料のIPをホスト材料のIPより小さくすることが好ましい。
IPの測定は、大気下で光電子分光装置を用いて測定することができる。具体的には、材料に光を照射し、その際に電荷分離によって生じる電子量を測定することにより測定する。測定装置としては、理研計器株式会社製の光電子分光装置(AC-3)等が挙げられる。
発光層における有機発光性ドーパント材料は、440〜470nmの範囲に発光極大波長を有することが好ましく、450〜470nmの範囲に発光極大波長を有することがより好ましい。
発光層におけるホスト材料としては、燐光発光素子や蛍光発光素子で使用される公知のホスト材料をすることができるが、前記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。またホスト材料を複数種類併用して用いても良い。ホスト材料を複数種類併用して用いる場合、少なくとも1種類のホスト材料が前記一般式(2)で表される化合物から選ばれることが好ましい。
使用できる公知のホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ高いガラス転移温度を有する化合物であり、発光性ドーパント材料よりも大きいS1を有していることが好ましい。
このような他のホスト材料は、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することができる。ホスト材料の具体例としては、特に限定されるものではないが、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、スチルベン誘導体、カルボラン化合物、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン誘導体、8―キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
ホスト材料を複数種使用する場合は、それぞれのホストを異なる蒸着源から蒸着するか、蒸着前に予備混合して予備混合物とすることで1つの蒸着源から複数種のホストを同時に蒸着することもできる。
−注入層−
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
−正孔阻止層−
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで発光層中での電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔阻止層には、公知の正孔阻止層材料を用いることもできる。
−電子阻止層−
電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで発光層中での電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
電子阻止層の材料としては、公知の電子阻止層材料を用いることができ、また後述する正孔輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。電子阻止層の膜厚は好ましくは3〜100nmであり、より好ましくは5〜30nmである。
−励起子阻止層−
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は2つ以上の発光層が隣接する素子において、隣接する2つの発光層の間に挿入することができる。
励起子阻止層の材料としては、公知の励起子阻止層材料を用いることができる。例えば、1,3−ジカルバゾリルベンゼン(mCP)や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラトアルミニウム(III)(BAlq)が挙げられる。
−正孔輸送層−
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。正孔輸送層には従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。かかる正孔輸送材料としては例えば、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体及びスチリルアミン誘導体を用いることが好ましく、アリールアミン化合物を用いることがより好ましい。
−電子輸送層−
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。電子輸送層には、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントロリン等の多環芳香族誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、ビピリジン誘導体、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体等が挙げられる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
本発明の有機EL素子を作製する際の、各層の製膜方法は特に限定されず、ドライプロセス、ウェットプロセスのどちらで作製しても良い。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で用いた化合物を次に示す。なお化合物1−17、1−24、1−36、2−4、2−12、2−15、2−20、及び2−37は、前掲した化合物である。
Figure 2017115596
合成例1
Figure 2017115596
窒素雰囲気下、NaH 0.95g、DMF 10mlを加え室温で撹拌した。そしてDMF 100mlに溶解させた中間体(A) 7.13gを加え室温で30分間撹拌した。 さらに2,6-ジフルオロベンゾニトリル 6.58gを加え室温で6時間撹拌した。反応溶液に水 500mlを加え室温で1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで中間体(B)7.81g(収率 80%)を得た。
窒素雰囲気下、NaH 1.00g、DMF 10mlを加え室温で撹拌した。そしてDMF 100mlに溶解させたカルバゾール 3.47gを加え室温で30分間撹拌した。 さらに2中間体(B) 7.81gを加え室温で1時間撹拌した。反応溶液に水 200mlを加え室温で1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製することで黄色固体として化合物(1-17)8.16g(収率 79%)を得た。
APCI-TOFMS m/z 599 [M+1]、1H-NMR 測定結果(測定溶媒:THF-d8)を図2に示す。
合成例2
Figure 2017115596
窒素雰囲気下、NaH 3.44g、DMF 10mlを加え室温で撹拌した。そしてDMF 50mlに溶解させたカルバゾール 11.90gを加え室温で30分間撹拌した。 さらに2,6-ジフルオロベンゾニトリル 19.81g を加え室温で3時間撹拌した。反応溶液に水 200mlを加え室温で1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製することで中間体(C)12.76g(収率 62%)を得た。
窒素雰囲気下、NaH 4.30g、DMF 10mlを加え室温で撹拌した。そしてDMF 50mlに溶解させた中間体(D) 12.59gを加え室温で30分間撹拌した。 さらにDMF 50mlに溶解させた中間体(C)12.76g を加え室温で1時間撹拌した。反応溶液に水 200mlを加え室温で1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。得られた固体を再結晶で精製することで中間体(E)22.11g(収率 85%)を得た。
窒素雰囲気下、中間体(E) 22.11g、ヨードベンゼン 495.53g、炭酸カリウム64.31g、銅 17.47gを加え180℃で撹拌した。溶媒を減圧蒸留により除去し、得られた固体を再結晶で精製することで白色固体として化合物(1-24)16.42g(収率 65%)を得た。
APCI-TOFMS m/z 599 [M+1]、1H-NMR 測定結果(測定溶媒:THF-d8)を図3に示す。
合成例3
Figure 2017115596
窒素雰囲気下、NaH 6.94g、DMF 100mlを加え室温で撹拌した。そしてDMF 100mlに溶解させた中間体(D) 20.00gを加え室温で20分間撹拌した。 さらに2,6-ジフルオロベンゾニトリル 5.43g を加え50℃で8時間撹拌した。反応溶液に水200mlを加え室温で1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。得られた固体を再結晶で精製することで中間体(F)21.31g(収率 88%)を得た。
窒素雰囲気下、中間体(F) 15.00g、ヨードベンゼン 599.79g、炭酸カリウム37.25g、銅10.10gを加え180℃で撹拌した。溶媒を減圧蒸留により除去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製することで黄色固体として化合物(1-36)15.25g(収率 81%)を得た。
APCI-TOFMS m/z 764 [M+1]、1H-NMR 測定結果(測定溶媒:THF-d8)を図4に示す。
前記化合物1−17、1−24、1−36、2−4、2−12、2−15、2−20、2−37、mCP、TD-1、TD-2、及びTD-3のS1とIPを測定した。測定方法および算出方法は、前述した方法である。
Figure 2017115596
実験例1
化合物1−17の蛍光寿命及び量子収率を測定した。石英基板上に真空蒸着法にて、真空度10-4Pa以下の条件にて化合物(1−17)と化合物(2−4)を異なる蒸着源から蒸着し、化合物1−17の濃度が5.0重量%である共蒸着膜を100nmの厚さで形成した。この薄膜の発光スペクトルを測定し、469nmをピークとする発光が確認された。また、大気下と窒素雰囲気下で小型蛍光寿命測定装置(浜松ホトニクス(株)製Quantaurus-tau)による測定を行い、図5に示す過渡減衰曲線を得た。大気下では、励起寿命が9.1nsの蛍光が観測され、窒素雰囲気下では、励起寿命が9.1nsの蛍光と478.9μsの遅延蛍光が観測された。さらに大気下と窒素雰囲気下でフォトルミネッセンス量子効率を絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス(株)製Quantaurus-QY)により励起波長300nmで測定したところ、大気下が44%であり、窒素雰囲気下が50%であった。
化合物1−24、1−36についても実験例1と同様に蛍光寿命及び量子収率を測定したところ、遅延蛍光が観測された。
実施例1
膜厚70nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを10nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを25nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を5nmの厚さに形成した。そして、ホストとして化合物(2−12)を、ドーパントとして化合物(1−17)をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに発光層を形成した。この時、化合物(1−17)の濃度が15wt%となる蒸着条件で共蒸着した。次に、正孔阻止層として化合物(2−12)を5nmの厚さに形成した。次に電子輸送層としてET-1を40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
実施例2〜6、比較例1〜3
ホスト及びドーパントを表2に示す化合物とした他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例7
膜厚70nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを10nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを25nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を5nmの厚さに形成した。次に、ホストとして化合物(2−15)を、第2ホストとして化合物(2−4)を、そしてドーパントとして化合物(1−17)をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに発光層を形成した。この時、化合物(1−17)の濃度が15wt%、ホストと第2ホストの重量比が50:50となる蒸着条件で共蒸着した。次に、正孔阻止層として化合物(2−12)を5nmの厚さに形成した。次に電子輸送層としてET-1を40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
ドーパント、ホスト、第2ホストとして使用した化合物を表2に示す。
Figure 2017115596
作製した有機EL素子の発光スペクトルの極大波長、輝度、駆動電圧、発光効率、寿命を表3に示す。極大波長、輝度、駆動電圧、発光効率は駆動電流密度が2.5mA/cm2時の値であり、初期特性である。寿命は、初期輝度500cd/m2時に輝度が初期輝度の95%まで減衰するまでの時間を測定した。
Figure 2017115596
表3から一般式(1)で表されるTADF材料を発光ドーパントとして使用した有機EL素子は、公知のTADF材料であるTD-1を使用した場合に対して駆動電圧が低く、良好な発光効率を示し、且つ優れた寿命特性を有することが分かる。さらに公知のTADF材料であるインドロカルバゾール化合物系のTD-2及びTD-3を使用した場合に対しては、発光波長が短波長であり、より色純度の優れた有機EL素子であることがわかる。
本発明の有機EL素子は、低駆動電圧で高発光効率、且つ長寿命であり、携帯機器ディスプレイに利用できる他、TV等の有機ELディスプレイや有機EL照明にも利用できる可能性がある。
1 基板、2 陽極、3 正孔注入層、4 正孔輸送層、5 発光層、6 電子輸送層、7 陰極

Claims (11)

  1. 対向する陽極と陰極の間に1つ以上の発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が、下記一般式(1)で表される熱活性化遅延蛍光材料を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2017115596
    (ここで、D1及びD2は独立に式(1a)で表される含窒素複素環であり、式(1a)中の環Yは、式(1a-1)、(1a-2)、及び(1a-3)のいずれかである。環Yが(1a-2)である場合、環Yはdの位置で縮合し、環Yが(1a-3)である場合、環Yはg、h、又はiの位置で縮合する。X1及びX2は独立にO、S、又はN-R6を表す。R1〜R6は独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。Aは、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、塩素、又はフッ素を表す。a、b、c、及びeは、独立に0〜4の整数を表し、fは0〜2の整数を表す。)
  2. Aがシアノ基であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. D1及びD2の少なくとも一方の式(1a)の環Yが、式(1a-2)又は(1a-3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 環Yが式(1a-3)で表されることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 式(1a-3)におけるX2がN-R6である請求項4に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記熱活性化遅延蛍光材料を含有する発光層が、ホスト材料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  7. 前記ホスト材料が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2017115596
    (ここで、Lはベンゼン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルボラン、またはこれらが2〜3個連結した化合物から生じるp価の基を表す。pは1又は2の整数を表し、qは0〜4の整数を表すが、Lがベンゼンから生じるp価の基である場合、qは1〜4の整数である。)
  8. ホスト材料が、第1ホストと、第1ホストよりも一重項励起エネルギー(S1)が大きい化合物から選ばれる第2ホストを含み、第1ホストと第2ホストの少なくとも1つは前記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  9. 一般式(2)で表されるホスト材料を少なくとも2種類含有することを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記熱活性化遅延蛍光材料のイオン化ポテンシャルが、ホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記熱活性化遅延蛍光材料の発光波長が440〜470nmの範囲に発光極大波長を有する請求項1に記載の有機電界発光素子。
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