JPWO2017086319A1 - 保護フィルム及び波長変換シート - Google Patents

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Abstract

本発明は、第一基材及び第一バリア層を含むバリアフィルムを備える、蛍光体層を保護するための保護フィルムであって、上記第一バリア層は前記保護フィルムの一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層を含み、上記ガスバリア性被覆層はポリビニルアルコール及び無機化合物を含有し、上記ガスバリア性被覆層は、下記式(1)で表される強度比Dが0.35以上0.77以下となる表面処理領域を前記最表面側に有する、保護フィルムを提供する。D=ICOH/ICC・・・(1)

Description

本発明は、保護フィルム、及びそれを用いた波長変換シートに関する。
近年、量子ドットを用いたナノサイズの蛍光体が製品化されている。量子ドットとは、発光性の半導体ナノ粒子で、直径の範囲は1〜20nm程度である。量子ドットは幅広い励起スペクトルを示し量子効率が高いため、LED波長変換用蛍光体として使用することができる。さらに、ドットサイズ又は半導体材料の種類を変更するだけで、発光の波長を可視域全体にわたって完全に調整することができるという利点がある。そのため、量子ドットは事実上あらゆる色、特に照明業界で強く望まれている暖かい白色を作り出せる可能性を秘めているといわれている。加えて、発光波長が赤、緑、青に対応する3種類のドットを組み合わせることにより、演色評価数の異なる白色光を得ることが可能となる。このような量子ドットを例えば液晶ディスプレイのバックライトユニットに用いた場合、従来のものよりも厚み、消費電力、コスト、及び製造プロセス等を増やすことなく、色調が向上し、人が識別できる色の多くを表現可能になる。
上述したような量子ドットを用いたバックライトユニットは、所定の発光スペクトルを持つ蛍光体(量子ドット及びYAG(Ce等))を層内に分散させ、層の表面を保護フィルムにて封止し、場合によっては層のエッジ部も封止した波長変換シートを、LED光源及び導光板と組み合わせた構成を有する。
上記保護フィルムは、プラスチックフィルム等の基材の表面に蒸着等によって薄膜を形成して、水分や気体の透過を防ぐものである。保護フィルムには、透明性及びバリア性の他に、スプラッシュ、キズ又はシワといった外観不良を持たないことが要求される。ここで、スプラッシュとは、蒸着材料が高温の微細な粒のまま飛散する現象であり、蒸着時にそのまま基材に付着して異物になったり、基材に穴を開けたりする現象をいう。このような要求に対し、従来の保護フィルムは、その多くが食品や医療品等の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料として用いられてきたものであるため、満足できる性能を得ることができないという課題があった。特許文献1には、蛍光体を有する色変換層が一対のバリアフィルム間に設けられた色変換部材とこれを用いた表示装置が開示されている。
特開2011−013567号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に記載のバリアフィルムを用いた場合、蛍光体層(色変換層)との十分な密着性が得られず、色変換部材を高温高湿環境下で長期間保存した場合に、良好な外観や蛍光体の発光状態を維持することが困難であるという問題があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、蛍光体層との密着性を向上し、高温高湿環境下で長期間保存したときでも良好な外観及び発光状態を維持することができる波長変換シートを製造可能な保護フィルム、及びこれを用いて得られる波長変換シートを提供することを目的とする。
本発明は、その一側面において、第一基材及び第一バリア層を含むバリアフィルムを備える、蛍光体層を保護するための保護フィルムを提供する。上記保護フィルムは、上記バリアフィルムの上記第一基材側に配置されたコーティング層をさらに備えていてもよく、上記第一基材と上記コーティング層との間に配置された支持基材をさらに備えていてもよい。
上記保護フィルムにおいて、上記第一バリア層は上記保護フィルムの一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層を含み、上記ガスバリア性被覆層はポリビニルアルコール及び無機化合物を含有する。また、上記ガスバリア性被覆層は、下記式(1)で表される強度比Dが0.35以上0.77以下となる表面処理領域を上記最表面側に有する。
D=ICOH/ICC ・・・(1)
[式(1)中、ICOHは上記保護フィルムの上記ガスバリア性被覆層側の面のX線光電子分光スペクトルのC1s波形における炭素−水酸基結合に由来するピークの強度を示し、ICCは上記C1s波形における炭素−炭素結合に由来するピークの強度を示す。]
上記保護フィルムは一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層に樹脂との高い密着性を有する表面処理領域を有することから、波長変換シートに用いたとき、蛍光体層に対して優れた密着性を得ることができる。また、上記保護フィルムを用いて得られた波長変換シートを高温高湿環境下で長期間保存しても、保護フィルムの剥離等がなく、良好な外観及び発光状態を維持することができる。
上記保護フィルムにおいて、上記ガスバリア性被覆層の上記表面処理領域の水に対する接触角は28〜40度であることが好ましい。接触角が上記範囲内にあることにより、蛍光体層との密着性が向上し、高温高湿環境下で長時間保存したときの上記密着性の低下をさらに抑制できる傾向がある。
上記保護フィルムにおいて、上記第一バリア層が無機薄膜層をさらに含み、上記無機薄膜層が上記第一基材と上記ガスバリア性被覆層との間に配置されていることが好ましい。第一バリア層が無機薄膜層をさらに含むことにより、保護フィルムのバリア性が一層向上する傾向がある。上記無機薄膜層の厚さは5〜100nmであることが好ましい。
上記保護フィルムにおいて、上記無機化合物は金属アルコキシド又はその加水分解物であることが好ましい。上記無機薄膜層は酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含有することが好ましい。また、上記コーティング層は、バインダー樹脂、及び、該バインダー樹脂中に分散された微粒子を含有することが好ましい。
本発明はまた、その一側面において、上記保護フィルムと、上記保護フィルムの上記最表面側に配置された蛍光体層とを備える、波長変換シートを提供する。上記波長変換シートにおいて、上記ガスバリア性被覆層の上記表面処理領域と上記蛍光体層とが接している。
本発明は、別の側面において、第一基材及び第一バリア層を含むバリアフィルムを備える、蛍光体層を保護するための保護フィルムを提供する。上記保護フィルムは、接着層を介して上記第一バリア層と接着された第二基材をさらに備えていてもよい。また、上記保護フィルムは、第二基材と、上記第二基材の一方の面に積層された第二バリア層をさらに備え、接着層を介して上記第二バリア層が上記第一バリア層と接着されていてもよい。また、上記保護フィルムは、上記第二基材の上記接着層と反対側の面に形成されたコーティング層をさらに備えていてもよい。
上記保護フィルムにおいて、上記第一基材はポリエチレンテレフタレートフィルムである。さらに、この第一基材の上記第一バリア層と反対側の面は、X線光電子分光測定を行ったときに、C1s波形分離におけるC−C結合のピークの半値幅が1.340〜1.560eVとなるように処理を施した処理面である。
上記保護フィルムにおいて、上記第一基材の上記処理面の水に対する接触角は30〜65度であることが好ましい。接触角が上記範囲内にあることにより、蛍光体層との密着性が向上し、高温高湿環境下で長時間保存したときの上記密着性の低下をさらに抑制できる傾向がある。
上記保護フィルムにおいて、上記第一バリア層は無機薄膜層を含むことが好ましく、ガスバリア性被覆層をさらに含むことが好ましい。また、上記無機薄膜層が、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素及び酸化アルミニウムの少なくとも一種を含有する層であることが好ましい。また、上記接着層が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びエステル系樹脂のいずれか一種を含有することが好ましい。また、上記コーティング層は、干渉縞防止機能、反射防止機能及び拡散機能のうちの少なくとも一種の光学的機能を有することが好ましい。また、上記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含有することが好ましい。
本発明はまた、別の側面において、蛍光体層の両面に、上記保護フィルムを、該保護フィルムの上記第一基材の上記処理面と接して備えている、波長変換シートを提供する。
本発明によれば、その一側面において、蛍光体層との密着性を向上し、高温高湿環境下で長期間保存したときでも良好な外観及び発光状態を維持することができる波長変換シートを製造可能な保護フィルム、及びこれを用いて得られる波長変換シートを提供することができる。また、本発明によれば、別の側面において、保護フィルムと蛍光体層との密着性を向上させることができ、これにより長期間にわたって外観不良がなく、発光効率の低下も十分小さい波長変換シートを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 保護フィルムのガスバリア性被覆層側の面のX線光電子分光スペクトル及び分析結果の一例の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 本発明の第3実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 本発明の一側面に係る波長変換シートの模式断面図である。 本発明の一側面に係る波長変換シートを用いて得られるバックライトユニットの模式断面図である。 本発明の第4実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 本発明の第5実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 本発明の第6実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。 保護フィルムに第一基材側の面のX線光電子分光スペクトル及び分析結果の一例の拡大図である。 本発明の別の側面に係る波長変換シートの模式断面図である。 本発明の別の側面に係る波長変換シートの模式断面図である。 本発明の別の側面に係る波長変換シートの模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[保護フィルム]
<第1実施形態>
本発明に係る保護フィルムは、その一側面において、下記第1〜第3実施形態に係る保護フィルムであることができる。まず、本発明の第1実施形態に係る保護フィルムについて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。図1において、保護フィルム20は、バリアフィルム10とコーティング層12とを備える。
本実施形態において、バリアフィルム10は、第一基材1及び該第一基材1の一方の面上に設けられたバリア層2から構成されている。第一基材1は、特に限定されず、全光線透過率が85%以上のフィルムであることが望ましい。第一基材1としては、例えば透明性が高く、耐熱性に優れた基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。
第一基材1の厚さは、特に限定されず、波長変換シートの総厚を薄くするために、50μm以下とすることが望ましい。また、優れたバリア性を得るために、第一基材1の厚さは12μm以上とすることが望ましい。
バリア層2は保護フィルム20の一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層4を含んで構成され、図1では、具体的には、無機薄膜層3とガスバリア性被覆層4とから構成されている。無機薄膜層3は、第一基材1と、保護フィルム20の一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層4との間に配置されている。バリア層2は、無機薄膜層3とガスバリア性被覆層4とがそれぞれ交互に2層以上積層された積層構成とすることもできる。
無機薄膜層3としては、特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、又は酸化マグネシウムを含有することができる。これらの中でも、バリア性及び生産性の観点から、無機薄膜層3は酸化アルミニウム及び酸化珪素の少なくとも一方を含有することが望ましい。
無機薄膜層3の厚さ(膜厚)は、5〜500nmとすることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、10〜100nmとすることがさらに好ましい。ここで、上記膜厚が5nm以上であると、均一な膜を形成しやすく、よりバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、上記膜厚が500nm以下であると、無機薄膜層3により十分なフレキシビリティを保持させやすくなる。その結果、成膜後の折り曲げ及び引っ張りなどの外的要因により、無機薄膜層3に亀裂が生じることをより確実に防ぐことができる傾向がある。
無機薄膜層3は生産性の観点から真空蒸着法により形成された無機蒸着膜層であることができる。また、無機薄膜層3は、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法などを用いて形成することも可能である。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、及び誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましく、蒸着材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着膜と第一基材1との密着性、及び蒸着膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために、酸素等の各種ガスなどを吹き込む反応蒸着を用いても構わない。
ガスバリア性被覆層4は、後工程での二次的な各種損傷を防止するとともに、保護フィルム20に高いバリア性を付与するために設けられ、保護フィルム20の一方の最表面を構成している。本実施形態において、ガスバリア性被覆層4は、ポリビニルアルコール及び無機化合物を含有している。ガスバリア性被覆層4がポリビニルアルコール(以下、PVAということがある)を含有することにより、優れたバリア性が得られやすくなる。また、ガスバリア性被覆層4が無機化合物を含有することにより、水蒸気バリア性が高くなることに加え、耐湿熱性が上がるという効果が得られる。
上記無機化合物は金属アルコキシド又はこれを加水分解して得られるもの(加水分解物)であることが好ましい。金属アルコキシドは、例えば、下記式(a)で表される。
M(OR(Rn−m ・・・(a)
上記式(a)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1〜nの整数である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))、及び、トリイソプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
ガスバリア性被覆層4はさらにポリビニルアルコールとは異なる水溶性高分子を含有していてもよい。このような水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
ガスバリア性被覆層4の厚さ(膜厚)は、50〜1000nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。ここで、上記膜厚が50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、ガスバリア性被覆層4により十分なフレキシビリティを保持できる傾向がある。
本実施形態において、ガスバリア性被覆層4は、ポリビニルアルコール及び無機化合物を含有する混合溶液を無機薄膜層3上に塗布し、塗膜を固化することにより形成される。上記混合溶液の全不揮発成分中のPVAの含有量は、好ましくは20〜50質量%であり、より好ましくは25〜40質量%である。PVAの含有量が20質量%以上であると、ガスバリア性被覆層の柔軟性が得られやすく、ガスバリア性被覆層4を形成しやすくなる。また、PVAの含有量が50質量%以下であると、バリアフィルムにより十分なバリア性を付与することができる傾向がある。
上記混合溶液の全不揮発成分中の金属アルコキシド及びその加水分解物の含有量は、例えば、10〜90質量%(MOn/2換算)である。
また、上記混合溶液がPVA以外の水溶性高分子を含有する場合、上記混合溶液の全不揮発成分中の当該水溶性高分子の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。上記水溶性高分子の含有量を10質量%以下とすることにより、後述する表面処理領域のX線光電子分光スペクトルにおける強度比Dを所定の範囲に制御しやすくなる。
保護フィルム20において、ガスバリア性被覆層4はコーティング層12の反対側(保護フィルム20の上記最表面側)に表面処理領域4tを有している。表面処理領域4tを形成するための表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ処理、オゾン処理及びフレーム処理等が挙げられる。表面処理方法はプラズマ処理であることが好ましく、真空中又はアルゴンガス等の雰囲気中で行う低温プラズマ処理であることがより好ましく、リアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ処理であることがさらに好ましい。上記表面処理、特にRIEを利用したプラズマ処理を行うことで、ラジカル又はイオンを発生させ、これを利用して、ガスバリア性被覆層の表面に官能基を導入する等、その表面構造を化学的に変化させることが可能である。さらに、処理条件を適切に選択することによって、導入される官能基の種類及び量等を制御することができる。図1において、表面処理領域4tは上記方法によりガスバリア性被覆層4の厚さ方向に形成されてもよい。表面処理領域4tとガスバリア性被覆層4の表面処理されていない部分との間には明確な境界がなくてもよい。また、ガスバリア性被覆層4は表面処理領域4tを面方向の一部にのみ有していてもよく、全部に有していてもよい。
図2は、保護フィルムのガスバリア性被覆層側の面のX線光電子分光スペクトルの一例の拡大図であり、C1s(炭素原子の1s軌道の電子)ピークの波形(C1s波形)を示すものである。図2の横軸は結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は強度を示す。図2において、実線で示されるC1s波形PINTは、分析により点線及び一点鎖線で示される複数のピークに分離することができる。分離されたそれぞれのピークは炭素原子の化学状態によってシフトした結合エネルギーの位置に現れることから、分離されたピークの結合エネルギーの位置によってそれぞれの炭素原子の化学状態を知ることができる。
X線光電子分光法による測定(XPS測定)では、測定対象の表面から数nmの深さ領域での、原子の種類及び濃度、並びに、その原子と結合している原子の種類及びそれらの結合状態が分析でき、元素比率及び官能基比率などを求めることができる。
X線光電子分光スペクトルに現れるピークの結合エネルギーの位置は炭素原子の化学状態(結合種)ごとに固有であり、例えば、炭素−炭素結合(C−C結合)に由来するピークPCCは285.0eV付近に現れ、炭素−水酸基結合(C−OH結合)に由来するピークPCOHは286.5eV付近に現れる。図2では具体的に、C1s波形PINTが、C−C結合に由来するピークPCC、C−OH結合に由来するピークPCOH、及び、炭素−酸素二重結合及び炭素−酸素結合(O−C=O結合)に由来するピークPCOOに分離されている。
本実施形態に係る保護フィルムから得られる上記X線光電子分光スペクトルでは、下記式(1)で表される強度比Dが0.35以上0.77以下(0.35≦D≦0.77)となる。
D=ICOH/ICC ・・・(1)
式(1)中、ICOHはX線光電子分光スペクトルのC1s波形におけるC−OH結合に由来するピークPCOHの強度を示し、ピークPCOHのピークトップとベースラインBとの強度差から求められる。また、式(1)中、ICCはX線光電子分光スペクトルのC1s波形におけるC−C結合に由来するピークPCCの強度を示し、ピークPCCのピークトップとベースラインBとの強度差から求められる。
強度比Dが0.35以上0.77以下(0.35≦D≦0.77)であることにより、保護フィルム20と蛍光体層との密着性を向上させることができる。
上記X線光電子分光スペクトルは、保護フィルム20のガスバリア性被覆層4側の面をX線光電子分光法(XPS)で分析することにより得られる。分析では、X線源としてMgKαを用いることができ、出力は100Wとすることができる。X線光電子分光スペクトル中のC1s波形の分離・解析方法は特に限定されず、ガウシアン関数及びローレンツ関数等を用いて数学的に行うことができる。
強度比Dは、例えば、ガスバリア性被覆層4の表面処理条件により制御することができる。すなわち、十分な表面処理を行うことにより強度比Dを0.77以下とすることができ、過剰な表面処理を行わないことにより強度比Dを0.35以上とすることができる。
強度比Dを上記範囲内とすることにより、保護フィルム20と蛍光体層との密着性が向上する理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考える。すなわち、強度比Dが0.77以下(D≦0.77)となる程度に表面処理を行うことにより、蛍光体層を構成する樹脂との密着性により大きく寄与し得る官能基がガスバリア性被覆層4の表面(保護フィルム20の表面)に導入されるためであると考えられる。また、強度比Dが0.35以上(0.35≦D)となる程度に表面処理を抑えることにより、導入された官能基が密着性に寄与しにくい状態にさらに変化することを抑制することができるためであると考えられる。
また、保護フィルム20と蛍光体層との密着性をより強固にする点から、ガスバリア性被覆層4の表面処理領域の水に対する接触角θは28〜40度(28度≦θ≦40度)にあることが好ましい。
強度比Dが上記範囲内にあり、且つ、表面処理領域4tの接触角θが40度以下である(θ≦40度)と、より優れた密着性が得られる傾向がある。接触角θが40度以下である表面処理領域4tには密着性に寄与しうる官能基がより効果的に導入されているためであると考えられる。強度比Dが上記範囲内にあり、且つ、接触角θが28度以上である(28度≦θ)と、高温高湿環境下で長期間保存したときの密着性の低下をさらに抑制できる傾向がある。接触角θが28度以上である表面処理領域4tには密着性に寄与しつつも親水性が高くなりすぎない種類又は量の官能基が導入されているためであると考えられる。
リアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ処理で表面処理領域4tを形成する場合、処理条件は、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が20V・s/m以上20000V・s/m以下であることが好ましい。Epd値が20V・s/m以上であると、ガスバリア性被覆層4に強度比Dが0.77以下となるような表面処理領域4tを形成しやすくなる。また、20000V・s/m以下であると、ガスバリア性被覆層4に強度比Dが0.35以上となるような表面処理領域4tを形成しやすくなる。また、強度比Dを上記範囲内とする観点から、例えば、印加電力は50〜500W程度であってもよく、処理時間は0.05〜0.3秒程度であってもよく、処理ユニット圧力は1.0〜3.0Pa程度であってもよい。
コーティング層12はバリアフィルム10の第一基材1側の面上に配置され、1以上の光学的機能又は帯電防止機能を発揮させるために、保護フィルム20のガスバリア性被覆層4と反対の表面に配置されている。ここで、光学的機能としては、特に限定されず、干渉縞(モアレ)防止機能、反射防止機能及び拡散機能等が挙げられる。これらの中でも、コーティング層12は、光学的機能として少なくとも干渉縞防止機能を有することが好ましい。本実施形態では、コーティング層12が少なくとも干渉縞防止機能を有するものである場合について説明する。
コーティング層12は、バインダー樹脂、及び、該バインダー樹脂中に分散された微粒子を含有していてもよい。そして、コーティング層12の表面から微粒子の一部が露出するように微粒子がバインダー樹脂に埋め込まれることにより、コーティング層12の表面には微細な凹凸が生じていてもよい。このようにコーティング層12を保護フィルム20の表面に設けることにより、ニュートンリング等の干渉縞の発生をより十分に防止することができる。
バインダー樹脂としては、特に限定されず、光学的透明性に優れた樹脂を用いることができる。バインダー樹脂としては、より具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、及びフェノール系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、並びに放射線硬化性樹脂などを用いることができる。これらの中でも耐光性や光学特性に優れるアクリル系樹脂を使用することが望ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子としては、特に限定されず、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、及びアルミナなどの無機微粒子、並びに、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂などの有機微粒子を用いることができる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子の平均粒径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。微粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、優れた干渉縞防止機能が得られる傾向があり、30μm以下であると、透明性がより向上する傾向がある。
コーティング層12における微粒子の含有量は、コーティング層12全量を基準として0.5〜30質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。微粒子の含有量が0.5質量%以上であると、光拡散機能と干渉縞の発生を防止する効果がより向上する傾向があり、30質量%以下であると、輝度が低減しにくくなる。
コーティング層12は、上述したバインダー樹脂及び微粒子を含む塗布液をバリアフィルム10の表面上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等によるウエットコーティング法が挙げられる。
コーティング層12の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。コーティング層12の厚さが0.1μm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、光学的機能を十分に得やすくなる傾向がある。一方、コーティング層12の厚さが20μm以下であることにより、コーティング層12に微粒子を用いた場合、コーティング層12の表面へ微粒子が露出して、凹凸付与効果が得られやすくなる傾向がある。
本発明において、保護フィルム20はコーティング層12を備えていなくてもよい。しかし、保護フィルム20がバリアフィルム10とコーティング層12の両方を備える場合、保護フィルム20は、バリアフィルム10によるガスバリア性と、コーティング層12による光学的機能や帯電防止機能とを有することから、波長変換シート用保護フィルムとして、波長変換シートの蛍光体層の保護に好適に用いることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る保護フィルムについて説明する。図3は本発明の第2実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。図3において、第2実施形態に係る保護フィルム20は、支持基材14をさらに備える点で第1実施形態と異なる。支持基材14は第一基材1とコーティング層12との間に配置される。より具体的には、図3に示すように、支持基材14は第一基材1の他方の面(表面処理領域4tと反対側の面)上に接着層16を介して設けられ、コーティング層12は支持基材14のバリアフィルム10と反対側の面上に形成される。保護フィルム20が支持基材14を備えることにより、保護フィルム20のバリア性を一層向上でき、さらに製造の際にシワの発生を低減できる傾向がある。
支持基材14は、第一基材1と同様に特に限定されず、全光線透過率が85%以上のフィルムであることが望ましい。支持基材14としては、例えば透明性が高く、耐熱性に優れた基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。
支持基材14の厚さは、特に限定されず、波長変換シートの総厚を薄くするために、50μm以下とすることが望ましい。また、支持基材14の厚さは、優れたバリア性を得るために、12μm以上とすることが望ましい。
接着層16は、例えば、アクリル系材料、ウレタン系材料、及びポリエステル系材料などの接着剤や粘着剤から形成することができる。接着層16は、より具体的には、アクリル系粘着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、及びエステル系接着剤のいずれかを用いて形成されることができる。
接着剤又は粘着剤の塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
接着層16の厚さは、特に限定されず、波長変換シート用保護フィルムの総厚を薄くするために、10μm以下とすることが望ましい。一方、より良好な接着性を得る観点から、3μm以上であることが望ましい。
本実施形態の保護フィルム20の製造では、第一実施形態と同様にしてバリアフィルム10を得て、バリアフィルム10と支持基材14とが接着層16を介して貼り合わせられる。バリアフィルム10と支持基材14とは、バリアフィルム10の表面処理領域4tが支持基材14と反対側を向くように、貼り合せられる。
バリアフィルム10と支持基材14とを貼り合せた後、必要に応じてエージングすることができる。エージングは、例えば、20〜80℃で1〜10日間行われる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る保護フィルムについて説明する。図4は本発明の第3実施形態に係る保護フィルムの模式断面図である。図4において、第3実施形態に係る保護フィルム20は、別のバリアフィルムをさらに備える点で第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態に係る保護フィルム20は、第一バリアフィルム10aと第二バリアフィルム10bとコーティング層12とを備える。保護フィルム20が2つのバリアフィルムを備えることにより、保護フィルム20のバリア性を一層向上できる傾向がある。
本実施形態において、第一バリアフィルム10a並びにこれを構成する第一基材1a及び第一バリア層2a(第一無機薄膜層3a及び第一ガスバリア性被覆層4a)は、第1及び第2実施形態におけるバリアフィルム10並びにこれを構成する第一基材1及びバリア層2(無機薄膜層3及びガスバリア性被覆層4)とそれぞれ同様である。また、第二バリアフィルム10b並びにこれを構成する第二基材1b及び第二バリア層2b(第二無機薄膜層3b及び第二ガスバリア性被覆層4b)は、第1及び第2実施形態におけるバリアフィルム10並びにこれを構成する無機薄膜層3及びガスバリア性被覆層4とそれぞれ同様である。本実施形態において、第二ガスバリア性被覆層4bは必ずしも表面処理領域4tを有している必要はなく、図4においても第二ガスバリア性被覆層4b中に表面処理領域を図示していない。しかし、第二ガスバリア性被覆層4bが表面処理領域4tを有していても本発明を実施することは可能である。
図4に示すように、第二バリアフィルム10bは第一バリアフィルム10aとコーティング層12との間に配置される。より具体的には、第一バリアフィルム10aの第一基材1a側の面(表面処理領域4tと反対側の面)上に、接着層16を介して、第二バリアフィルム10bが第一基材1aと第二ガスバリア性被覆層4bとが対向するように設けられ、コーティング層12は第二バリアフィルム10bの第二基材1b側の面上に形成される。
本実施形態の保護フィルム20の製造では、第一実施形態のバリアフィルム10と同様にして得た第一バリアフィルム10aと、表面処理領域を形成しない点を除いて第一実施形態のバリアフィルム10と同様にして得た第二バリアフィルム10bとが接着層16を介して貼り合わせられる。第一バリアフィルム10aと第二バリアフィルム10bとは、第一バリアフィルム10aの表面処理領域4tが第二バリアフィルム10bと反対側を向くように貼り合せられる。本実施形態においても、第一バリアフィルム10aと第二バリアフィルム10bとを貼り合せた後、必要に応じてエージングすることができる。エージングは、例えば、20〜80℃で1〜10日間行われる。
[波長変換シート]
以下に、本発明の一側面に係る波長変換シートについて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る波長変換シートの模式断面図である。波長変換シートは液晶ディスプレイ用バックライトユニットの光源からの光の一部の波長を変換可能なシートである。図5において、波長変換シート100は、蛍光体層30と、蛍光体層30の一方の面側及び他方の面側に、第一保護フィルム及び第二保護フィルムとして、それぞれ設けられた保護フィルム20,20とを備える。すなわち、保護フィルム20、蛍光体層30及び保護フィルム20がこの順で積層されている。波長変換シート100は、一対の保護フィルム20,20の間に蛍光体層30が包み込まれた(すなわち、封止された)構造となっている。一対の保護フィルム20,20は、それぞれのガスバリア性被覆層4(表面処理領域4t)が蛍光体層30側を向くように配置され、ガスバリア性被覆層4の表面処理領域4tと蛍光体層30とが接している。
蛍光体層30は、厚さ数十〜数百μmの薄膜であり、図5に示すように封止樹脂24と蛍光体22とを含む。封止樹脂24の内部には、蛍光体22が一種以上混合された状態で封止されている。封止樹脂24は、蛍光体層30と一対の保護フィルム20,20とを積層する際に、これらを接合するとともに、これらの空隙を埋める役割を果たす。蛍光体層30は、一種類の蛍光体22のみが封止された蛍光体層が二層以上積層されたものであってもよい。それら一層又は二層以上の蛍光体層に用いられる二種類以上の蛍光体22は、励起波長が同一のものが選択される。この励起波長は、光源Lが照射する光の波長に基づいて選択される。二種類以上の蛍光体22の蛍光色は相互に異なる。光源に青色発光ダイオード(青色LED)を用いる場合、各蛍光色は、赤色、緑色である。各蛍光の波長、及び光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば赤色が610nm、緑色が550nmである。
封止樹脂24としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び紫外線硬化型樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルとその共重合体、塩化ビニルとその共重合体、及び塩化ビニリデンとその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;アクリル樹脂とその共重合体、メタアクリル樹脂とその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;フッ素樹脂;並びに、ポリカーボネート樹脂等を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、及びポリエステルアクリレート等の光重合性プレポリマーが挙げられる。また、これら光重合性プレポリマーを主成分とし、希釈剤として単官能や多官能のモノマーを使用することもできる。
蛍光体22としては、量子ドットが好ましく用いられる。量子ドットとしては、例えば、発光部としてのコアが保護膜としてのシェルにより被膜されたものが挙げられる。コアとしては、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)等が挙げられ、シェルとしては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)等が挙げられる。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子効率が向上する。また、蛍光体22は、コアが第一シェル及び第二シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCsSe、第一シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第二シェルにはZnSが使用できる。また、量子ドット以外の蛍光体22として、YAG:Ce等を用いることもできる。
蛍光体22の平均粒子径は、好ましくは1〜20nmである。蛍光体層30の厚さは、好ましくは1〜500μmである。蛍光体層30における蛍光体22の含有量は、蛍光体層30全量を基準として、1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
なお、波長変換シート100の上記実施形態において、保護フィルム20は、蛍光体層30の両面に設けられていたが、蛍光体層30の一方の面のみに設けられていてもよい。すなわち、蛍光体層30の一方の面には第一保護フィルムとして保護フィルム20が設けられ、他方の面には第二保護フィルムとして別の保護フィルムが設けられていてもよい。
波長変換シート100の製造方法としては、特に限定されず、以下の方法が挙げられる。例えば、封止樹脂24に蛍光体22を分散させ、調製した蛍光体分散液を保護フィルム20の表面処理領域4t側の面上に塗布した後、塗布面に別の保護フィルム20を貼り合わせ、蛍光体分散液を硬化して蛍光体層30とすることにより、波長変換シート100を製造することができる。
図6は、上記波長変換シートを用いて得られるバックライトユニットの模式断面図である。図6において、バックライトユニット200は光源Lと波長変換シート100とを備える。詳細には、バックライトユニット200は、波長変換シート100、導光板G及び反射板Rがこの順で配置され、光源Lは上記導光板Gの側方(導光板Gの面方向)に配置される。導光板Gの厚さは、例えば、100〜1000μmである。
導光板G及び反射板Rは、光源Lから照射された光を効率的に反射し、導くものであり、公知の材料が使用される。導光板Gとしては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。光源Lには、例えば、青色発光ダイオード素子が複数個設けられている。この発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、又はさらに低波長の発光ダイオードであってもよい。光源Lから照射された光は、導光板G(D1方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って蛍光体層30(D2方向)に入射する。蛍光体層30を通過した光は、蛍光体層30を通過する前の光に蛍光体層30で発生した黄色光が混ざることで、白色光となる。
[保護フィルム]
<保護フィルムの全体構成>
本発明に係る保護フィルムは、別の側面において、下記第4〜第6実施形態に係る保護フィルムであり得る。図7、図8及び図9はそれぞれ、第4〜第6の実施形態に係る保護フィルムの全体構成を示す断面模式図である。図7に示される第4実施形態は、第5及び第6実施形態の基本となる形態であるため、まず図7に示される第4実施形態について説明する。
図7に示される本実施形態に係る保護フィルム230は第一基材201(以下、基材又は第1の基材ということがある)を有し、基材201の一方の面(第1面)に第一バリア層(以下、バリア層ということがある)の一例として、無機薄膜層203及びガスバリア性被覆層204がこの順で積層されている。本実施形態において、基材201のもう一方の面(第2面)(第一バリア層と反対側の面)は蛍光体層(図示せず)と接する面となるため、蛍光体層との密着性を向上するために処理が施された処理面210となっている。以上が全体としてバリアフィルム220(以下、ガスバリアフィルムということがある)を構成している。さらに保護フィルム230は第二基材202(以下、基材又は第2の基材ということがある)を有し、上記基材201上のガスバリア性被覆層204と、上記基材202の一方の面とが対向する形で、接着層205を介して接着されている。すなわち、基材202がガスバリア性被覆層204(第一バリア層)と接着層205を介して接着されている。
なお、図7ではバリア層の一例として、無機薄膜層203及びガスバリア性被覆層204がこの順で積層されている場合を示したが、バリア層は少なくとも1層の無機薄膜層を含む層であればよい。
図8に示される第5実施形態に係る保護フィルム231は、図7に示される保護フィルム230の形態に加えて、基材202の接着層205と対向する側の面と反対側の面に干渉縞防止機能、反射防止機能、及び拡散機能などの光学的機能、又は、帯電防止機能を有するコーティング層206が形成されている。すなわち、基材202の接着層205と反対側の面上に、コーティング層206が形成されている。
図9に示される第6実施形態においては、基材201の両面の構成は図7に示される第4実施形態の場合と同じであり、ガスバリアフィルム220を構成している。すなわち、第6実施形態において、ガスバリアフィルム220の構成は第4実施形態におけるガスバリアフィルム220の構成と同様である。基材202の一方の面には、バリア層の一例として、無機薄膜層203及びガスバリア性被覆層204がこの順で積層され、これらがガスバリアフィルム221を構成している。第6実施形態においても、基材202のもう一方の面には、図8に示される第5実施形態と同じくコーティング層206が形成されている。さらに、基材201上のガスバリア性被覆層204と、基材202上のガスバリア性被覆層204とが、接着層205を介して接着されている。
なお、図9では基材202に積層されるバリア層として、無機薄膜層203及びガスバリア性被覆層204がこの順で積層されている場合を示したが、該バリア層は少なくとも1層の無機薄膜層を含む層であればよい。
また、第4〜第6実施形態では、保護フィルムが第二基材202を有する構成について説明したが、保護フィルムは第二基材202を有していなくてもよい。したがって、この場合、保護フィルムは例えば第一基材と第一バリア層とが積層されたバリアフィルムであることもできる。さらに、図8〜9に示される第5〜第6実施形態の変形として、コーティング層206を省略した形態もあり得る(図示省略)。
図7、図8及び図9に示される第4〜第6実施形態に係る保護フィルムの一部であるガスバリアフィルム220,221において、無機薄膜層203とガスバリア性被覆層204は各々1層ずつで構成されているが、必要に応じて各々2層以上交互に積層することもできる。
以下、図7、図8及び図9に示される第4〜第6実施形態を構成する各要素について説明する。
<基材201(第1の基材)>
基材201はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(通常、一軸又は二軸延伸)であり、少なくとも片面に処理面210を持つフィルムである。フィルム基材201の厚さは、特に限定されるものではないが、波長変換シートの総厚を薄くするために、50μm以下とすることが望ましい。また、優れたバリア性を得るために、12μm以上とすることが望ましい。
図10は、保護フィルムに用いるガスバリアフィルムの第一基材側の面のX線光電子分光スペクトルの一例の拡大図であり、C1s(炭素原子の1s軌道の電子)ピークの波形(C1s波形)を示すものである。図10の横軸は結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は強度を示す。図10において、実線で示されるC1s波形PINTは、分析により点線及び一点鎖線で示される複数のピークに分離することができる。分離されたそれぞれのピークは炭素原子の化学状態によってシフトした結合エネルギーの位置に現れることから、分離されたピークの結合エネルギーの位置によってそれぞれの炭素原子の化学状態を知ることができる。
X線光電子分光法(XPS)による測定では、被測定物質の表面から数nmの深さ領域での、原子の種類と濃度、その原子と結合している原子の種類、及びそれらの結合状態が分析でき、元素比率及び官能基比率などを求めることができる。なお、第4〜第6実施形態で適用するXPSの測定条件は下記のとおりである。
X線源:MgKα、出力:100W・・・(条件1)
X線光電子分光スペクトルに現れるピークの結合エネルギーの位置は炭素原子の化学状態(結合種)ごとに固有であり、例えば、炭素−炭素結合(C−C結合)に由来するピークPCCは285.0eV付近に現れ、炭素−水酸基結合(C−OH結合)に由来するピークPCOHは286.5eV付近に現れる。図10では具体的に、C1s波形PINTが、C−C結合に由来するピークPCC、C−OH結合に由来するピークPCOH、及び、炭素−酸素二重結合及び炭素−酸素結合(O−C=O結合)に由来するピークPCOOに分離されている。
各種表面処理の施されていない未処理の二軸延伸PETフィルムの場合、条件1で測定すると、C1s波形分離におけるPETフィルム基材表面のC−C結合に由来するピークの半値幅は1.220eV程度となる。このような半値幅の表面を有するPETフィルム基材は、蛍光体層との密着性が比較的低く、長期保存においてはデラミネーションを引き起こし得る。
PETフィルム基材と蛍光体層との密着性を向上させるためには、フィルム表面のXPS測定において、C1s波形分離におけるPETフィルム基材表面のC−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCが1.340〜1.560eVの範囲であるような処理面210を持つPETフィルムを使用することが有効である。半値幅WCCが1.340eV以上であると、未処理のPETフィルムと比べて密着性に優れ、長期保存においてデラミネーションが起きにくくなる。また、半値幅WCCが1.560eV以下であると、PETフィルム表面の劣化が起こりにくく、密着を保持しやすくなる。
上記測定条件で、表面のC−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCが1.340〜1.560eVの範囲となるようなPETフィルム基材を得るために、フィルム表面にリアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ処理を施すことが有効である。RIEを利用したプラズマ処理を行うことで、発生したラジカル又はイオンを利用してPETフィルムの表面構造を化学的に変化させることが可能であり、C−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCを制御することができる。
PETフィルム基材の表面と蛍光体層との密着強度をより強固なものにする点から、PETフィルム基材表面(処理面210)のC−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCが上記範囲内にあることに加えて、そのPETフィルム基材表面(処理面210)の水に対する接触角を測定したときに、その接触角θが30〜65度の範囲内(30度≦θ≦65度)にあることが好ましい。
処理面210における半値幅WCCが上記範囲にあり、且つ、接触角θが65度以下である(θ≦65度)と、より優れた密着性が得られる傾向がある。接触角θが65度以下である処理面は、表面処理による化学変化がより効果的に行われているためであると考えられる。処理面210における半値幅WCCが上記範囲にあり、且つ、接触角θが30度以上である(30度≦θ)と、高温高湿環境下で長期間保存したときの密着性の低下をさらに抑制できる傾向がある。接触角θが30度以上である処理面210には密着性に寄与しつつも親水性が高くなりすぎない化学変化が起こっているためであると考えられる。
RIE処理を行う際の加工速度及びエネルギーレベルなどで示される処理条件は、適宜設定することができる。ただし、Epd=プラズマ密度×処理時間で定義されるEpd値が20V・s・m−2以上20000V・s・m−2以下にすることが好ましい。Epd値が20V・s・m−2以上であると、PETフィルムに十分な処理を施すことができ、密着性が得られやすくなる。また、Epd値が20000V・s・m−2以下であると、処理が強くなりすぎず、PETフィルム表面の劣化、又は、密着性の低下が起こりにくくなる。プラズマ用の気体及びその混合比などに関しては、ポンプの性能又は取り付け位置などによって、導入分と実効分とでは流量等が異なるため、用途、基材、及び装置特性に応じて適宜設定するべきである。
<基材202(第2の基材)>
基材202は、特に限定されるものではないが、全光線透過率が85%以上のフィルムであることが望ましい。例えば、基材202としては、透明性が高く、耐熱性に優れた基材である、PETフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。
また、基材202の厚さは、特に限定されるものではないが、波長変換シートの総厚を薄くするために、50μm以下とすることが望ましい。また、優れたバリア性を得るために、基材202の厚さは12μm以上とすることが望ましい。
<バリア層(1層の場合は図示せず)>
バリア層はガスバリアフィルムにガスバリア性を持たせるための層であり、特に本実施形態では蛍光体層の劣化を防ぐために、酸素遮断性が求められる。ガスバリア層は無機材料、有機材料の別を問わないが、ガスバリア性の高い無機薄膜層を少なくとも1層以上備えていることが好ましい。また、無機薄膜層を保護するために、ガスバリア性被覆層を設けることが好ましい。特に無機薄膜層に隣接するようにガスバリア性被覆層を配置することで、無機薄膜層の欠陥を補填する効果も生じる。無機薄膜層及びガスバリア性被覆層は複数設けられてもよい。
<無機薄膜層203>
無機薄膜層(無機酸化物薄膜層)203としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、バリア性又は生産性の観点から、酸化アルミニウム、又は酸化珪素を用いることが望ましい。
無機薄膜層203の膜厚は、5〜500nmの範囲内とすることが好ましく、10〜100nmの範囲内とすることがより好ましい。ここで、膜厚が5nm以上であると、均一な膜を形成しやすく、ガスバリア性の機能を果たしやすくなる。一方、膜厚が500nm以下であると、薄膜により十分なフレキシビリティを保持させることができ、成膜後の折り曲げ又は引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じることをより確実に防ぐことができる傾向がある。
無機酸化物をプラスチック基材上に形成する方法としては種々あるが、通常の真空蒸着法により形成する方法が挙げられる。また、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はプラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。ただし、生産性を考慮すれば、真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式、及び誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また、無機薄膜層と基材との密着性、及び無機薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法又はイオンビームアシスト法を併用して蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスを吹き込む反応性蒸着を用いても構わない。
<ガスバリア性被覆層204>
ガスバリア性被覆層204は、上述のように、後工程での二次的な各種損傷を防止するとともに、高いバリア性を付与するために設けられるものである。このガスバリア性被覆層204は、優れたバリア性を得る観点から、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物、及び金属アルコキシド重合物からなる群より選択される少なくとも1種を成分として含有していることが好ましい。
水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられるが、ポリビニルアルコールを用いた場合に特に優れたバリア性が得られる。
金属アルコキシドは、一般式:Me(OR)(MeはSi、Ti、Al又はZr等の金属原子を示し、Rは−CH又は−C等のアルキル基を示し、xはMeの価数に対応した整数を示す)で表される化合物である。金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−iso−C〕などが挙げられる。テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。また、金属アルコキシドの加水分解物及び重合物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物又は重合物であるケイ酸(Si(OH))、及びトリイソプロポキシアルミニウムの加水分解物又は重合物である水酸化アルミニウム(Al(OH))などが挙げられる。
ガスバリア性被覆層204の膜厚は、50〜1000nmの範囲内とすることが好ましく、100〜500nmの範囲内とすることがより好ましい。ここで、膜厚が50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、層により十分なフレキシビリティを保持できる傾向がある。
<接着層205>
接着層205は、基材202とガスバリアフィルム220、もしくはガスバリアフィルム220,221同士を貼り合わせるために設けられている。接着層205としては、特に限定されるものではないが、アクリル系材料、ウレタン系材料、及びポリエステル系材料などの接着剤又は粘着剤を用いることができる。より具体的には、アクリル系粘着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、及びエステル系接着剤のいずれかを用いることができる。
接着層205の厚さとしては、特に限定されるものではないが、保護フィルムの総厚を薄くするために、10μm以下とすることが望ましい。一方、より良好な接着性を得る観点から、接着層205の厚さは3μm以上であることが望ましい。
ガスバリアフィルム220を貼り合せる際には、ガスバリアフィルム220の基材201の処理面210は接着層205とは反対向きになるように貼り合わされる。
<コーティング層206>
コーティング層206は、光学的機能又は帯電防止機能を発揮させるために、保護フィルム231,232の処理面210と反対側の最表面に設けられる。ここで、光学的機能としては、特に限定されるものではないが、干渉縞(モアレ)防止機能、反射防止機能、及び拡散機能等が挙げられる。これらの中でも、コーティング層206は少なくとも干渉縞防止機能を有することが好ましい。以下の実施形態では、コーティング層206が少なくとも干渉縞防止機能を有する場合について説明する。
コーティング層206は、バインダー樹脂と微粒子とを含んで構成されていてもよい。さらに、コーティング層206の表面から微粒子の一部が露出するように微粒子をバインダー樹脂に埋め込むことにより、コーティング層206の表面には微細な凹凸が生じる。このようなコーティング層を保護フィルム231,232の最表面に設けることにより、ニュートンリング等の干渉縞の発生を十分に防止することができる。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、光学的透明性に優れた樹脂を用いることができる。バインダー樹脂としては、より具体的には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、及びフェノール系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は放射線硬化性樹脂などを用いることができる。これらの中でも耐光性又は光学特性に優れるアクリル系樹脂を使用することが望ましい。これらは1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
上記微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの有機微粒子を用いることができる。これらは1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子の平均粒径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。微粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、干渉縞防止機能が得られる傾向があり、30μm以下であると、透明性が向上する傾向がある。
コーティング層206における微粒子の含有量は、コーティング層の全量を基準として0.5〜30質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。微粒子の含有量が0.5質量%以上であると、光拡散機能と干渉縞の発生を防止する効果がより向上する傾向があり、30質量%以下であると、輝度を低減させることがない。
<波長変換シートの全体構成>
図11、図12、及び図13は、本発明の別の側面に係る波長変換シートの3つの実施形態の全体構成を示す断面模式図である。本発明の別の側面に係る波長変換シート300,400,500は、蛍光体層209と、該蛍光体層209の両面にそれぞれ上述の保護フィルム230,231,232とを備えて構成されている。これによって、保護フィルム230,231,232の間に蛍光体層209が包み込まれた構造となっている。
蛍光体層209と、その両面に設けられた保護フィルム230,231,232は、保護フィルム230,231,232の基材201の処理面210と蛍光体層209が対向するように積層されている。
本発明の別の側面における波長変換シートは、図11〜図13に示されるように、蛍光体層209が同一構成の保護フィルムによって挟まれていてもよく、また異なる構成の保護フィルムによって挟まれていてもよい。
<蛍光体層>
蛍光体層209は、蛍光体207及び封止樹脂208を含む層である。蛍光体層209の内部には、蛍光体207が1種以上混合された状態で封止されている。封止樹脂208は、蛍光体層209と保護フィルム230,231,232を積層する際に、これらの空隙を埋める役割を果たす。また、蛍光体層209は、1種類の蛍光体のみが封止された蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。それら1層又は2層以上の蛍光体層に用いられる2種類以上の蛍光体は、励起波長が同一のものが選択される。この励起波長は、LED光源が照射する光の波長に基づいて選択される。
上記蛍光体層209の厚さは、好ましくは1〜500μmである。また、蛍光体207の平均粒子径は、好ましくは1〜20nmである。
蛍光体層209における蛍光体207の含有量は、蛍光体層209の全量を基準として、1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
蛍光体207としては、量子ドットが好ましく用いられる。量子ドットとしては、例えば、発光部としてのコアが保護膜としてのシェルにより被膜されたものが挙げられる。上記コアとしては、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)等が挙げられ、上記シェルとしては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)等が挙げられる。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子効率が向上する。また、蛍光体は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCsSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用できる。また、量子ドット以外の蛍光体として、YAG:Ce等を用いることもできる。
封止樹脂208としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び紫外線硬化型樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体と共重合体、塩化ビニルの単独重合体と共重合体、及び塩化ビニリデンの単独重合体と共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;アクリル樹脂とその共重合体、メタアクリル樹脂とその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;フッ素樹脂;並びに、ポリカーボネート樹脂等を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
上記紫外線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、及びポリエステルアクリレート等の光重合性プレポリマーが挙げられる。また、これら光重合性プレポリマーを主成分とし、希釈剤として単官能又は多官能のモノマーを使用することもできる。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<第1〜第3実施形態に係る保護フィルムの作製>
(実施例1−1)
第一基材1としての厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、無機薄膜層3としての酸化珪素を真空蒸着法により250Åの厚みに設けた。さらに、テトラエトキシシランとポリビニルアルコールとを含む混合溶液をウエットコーティング法により無機薄膜層3上に塗工し、0.3μmの厚みのガスバリア性被覆層を形成した。
続いて、ガスバリア性被覆層の表面にアルゴンガス雰囲気下でプラズマ処理を施して、ガスバリア性被覆層に表面処理領域4tを設けた。このようにして、第一基材1上に、無機薄膜層3及び表面処理されたガスバリア性被覆層4からなるバリア層2が形成されたバリアフィルム10を作製した。上記プラズマ処理には、印加電力120W、処理時間0.1秒、処理ユニット圧力2.0Pa、プラズマ密度2500V/mの条件での、リアクティブイオンエッチング(RIE)を採用した。RIE処理の電源には周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。
次に、バリアフィルム10の表面処理領域4tとは反対の面(第一基材1側の面)にアクリル樹脂とシリカ微粒子(平均粒径3μm)とを含む塗液をウエットコーティング法により塗工し、5μmの厚みのコーティング層12を形成することにより、実施例1−1の保護フィルム20を作製した。
(実施例1−2)
表面処理領域4tを設ける際に、プラズマ処理の印加電力を60Wにしたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、実施例1−2の保護フィルム20を作製した。
(実施例1−3)
表面処理領域4tを設ける際に、プラズマ処理の印加電力を500Wにしたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、バリアフィルム10を得た。
次に、支持基材14としての厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、アクリル樹脂とシリカ微粒子(平均粒径3μm)とを含む塗液をウエットコーティング法により塗工し、5μmの厚みのコーティング層12を形成した。
上記で得たバリアフィルム10のガスバリア性被覆層4と反対側の面(第一基材1側の面)と、支持基材14のコーティング層12と反対側の面とを、アクリル樹脂接着剤を用いて貼り合わせることにより、実施例1−3の保護フィルム20を得た。
(比較例1−1)
プラズマ処理を行わず、表面処理領域4tを設けなかったこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、比較例1−1の保護フィルムを作製した。
(比較例1−2)
表面処理領域を設ける際に、プラズマ処理の印加電力を250W、処理時間を0.5秒にしたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、比較例1−2の保護フィルムを作製した。
(比較例1−3)
表面処理領域を設ける際に、プラズマ処理の印加電力を30W、処理時間を0.1秒にしたこと以外は、実施例1−3と同様の方法で、比較例1−3の保護フィルムを作製した。
<ガスバリア性被覆層の表面の分析>
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3で得られた保護フィルムのガスバリア性被覆層側の表面を、X線光電子分光法(装置:日本電子株式会社製JPS−90MXV)により分析し、X線光電子分光スペクトルを得た。X線源として非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、出力を100W(10kV−10mA)として分析した。X線光電子分光スペクトルにおけるC1s波形を、ガウシアン関数とローレンツ関数の混合関数を使用して結合種ごとに分離解析した。なお、ベンゼン環に由来するC−C結合ピーク位置を285.0eVとして帯電補正した。波形分離解析よりC−C結合に由来するピークPCCの強度ICCと、C−OH結合に由来するピークPCOHの強度ICOHを求め、これらの値より強度比Dを算出した。算出した強度比Dをそれぞれ表1に示す。
<接触角測定>
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3で得られた保護フィルムのガスバリア性被覆層側の表面の水に対する接触角θを、日本工業規格JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」の中の静滴法で規定されている試験方法に従って、試験測定器(協和界面科学(株)製、「CA−V型」)を用いて温度25℃、湿度50%の環境下にて測定した。測定した接触角θをそれぞれ表1に示す。
<波長変換シートの作製>
量子ドットとして、SIGMA−ALDRICH社製CdSe/ZnS 530(商品名)をエポキシ系感光性樹脂と混合後、混合液を実施例1−1で作製した保護フィルムのガスバリア性被覆層側の面上に塗布し、量子ドット層(蛍光体層)を形成した。量子ドット層上に同じ構成の保護フィルムをガスバリア性被覆層同士が対向するように積層し、UV硬化ラミネートすることにより、実施例1−1の保護フィルムを使用した波長変換シートを得た。実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜1−3及び比較例1−1〜1−3の保護フィルムを使用した波長変換シートを得た。
<ラミネート強度測定>
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3の保護フィルムを使用した波長変換シートにおける、保護フィルムと量子ドット層との間のラミネート強度を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて、JIS Z1707のヒートシール強さ試験方法に準拠して、測定した。ラミネート強度の測定結果を表1に示す。
<発光状態評価>
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3の保護フィルムを使用した波長変換シートを、65℃95%RHの環境下にて100時間保存した。保存後の波長変換シートにUVランプにて254nmの波長のUV光を照射して、照射面の反対側から波長変換シートを目視にて観察し、下記基準に従って発光状態を評価した。発光状態の評価結果を表1に示す。
A:波長変換シートを通して観察したUV光にムラが観察されなかった。
B:波長変換シートを通して観察したUV光に斑点模様又はスジが観察された。
<外観評価>
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3の保護フィルムを使用した波長変換シートを、65℃95%RHの環境下にて100時間保存した。保存後の波長変換シートの外観を目視にて確認し、下記基準に従って評価した。外観の評価結果を表1に示す。
A:波長変換シートに外観上の不良は観察されなかった。
B:波長変換シートの蛍光体層と保護フィルムとの間に浮きが観察された。
Figure 2017086319
表1に示した結果から明らかなように、実施例1−1〜1−3の保護フィルムを使用した波長変換シートでは、保護フィルムと量子ドット層との間の密着が強く、これにより保存試験後でも良好な発光状態及び外観を保つことが可能な波長変換シートを得ることができた。
<第4〜第6実施形態に係る保護フィルムの作製>
(実施例2−1)
基材201としての厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、無機薄膜層203として酸化珪素を真空蒸着法により25nmの厚みに設け、さらにテトラエトキシシランとポリビニルアルコールとを含む塗液をウエットコーティング法により無機薄膜層203上に塗工し、300nmの厚みのガスバリア性被覆層204を形成した。
続いて、電源周波数13.56MHzのリアクティブイオンエッチング(RIE)装置を用いて、上記PETフィルムのガスバリア性被覆層204を形成した面とは反対側の面に、アルゴンガス雰囲気中で、処理ユニット圧力2.0Pa、印加電力100W、処理時間0.1秒の条件にてプラズマ処理を施し、処理面210を形成してガスバリアフィルム220を得た。
次に、基材202として厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、バインダー樹脂としてのアクリル樹脂と、シリカ微粒子(平均粒径3μm)とを含む塗液をウエットコーティング法により塗工し、5μmの厚みのコーティング層206を形成した。
上記で作製したバリアフィルム220のガスバリア性被覆層204側の面と、基材202のコーティング層206とは反対側の面(基材202が露出した面)とを、アクリル樹脂接着剤を用いて貼り合わせ、図8に示される構成を持つ保護フィルム231を作製した。
(実施例2−2)
処理面210の形成において、プラズマ処理の印加電力を500Wにしたこと以外は、実施例2−1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
(比較例2−1)
プラズマ処理を行わず、処理面210を形成しなかったこと以外は、実施例2−1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
(比較例2−2)
プラズマ処理ではなく、コロナ処理を行って処理面を形成したこと以外は、実施例2−1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
<処理面のXPS分析>
実施例2−1〜2−2及び比較例2−1〜2−2で作製した4種の保護フィルムの基材201側の面(処理面)を、X線光電子分光法(XPS)(装置:日本電子株式会社製JPS−90MXV)により分析し、X線光電子分光スペクトルを得た。X線源には非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、出力を100W(10kV−10mA)として測定した。定量分析にはO1sで2.28、C1sで1.00の相対感度因子を用いて計算を行った。C1s波形の波形分離解析にはガウシアン関数とローレンツ関数の混合関数を使用し、帯電補正はベンゼン環のC−C結合に由来するピークを285.0eVとして行った。C1s波形の波形分離から、C−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCを算出した。
<接触角測定>
実施例2−1〜2−2及び比較例2−1〜2−2で得られた保護フィルムの第一基材側の表面の水に対する接触角θを、日本工業規格JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」の中の静滴法で規定されている試験方法に従って、試験測定器(協和界面科学(株)製、「CA−V型」)を用いて温度25℃、湿度50%の環境下にて測定した。
<波長変換シートの作製>
量子ドットとしてCdSe/ZnS 530(商品名、SIGMA−ALDRICH社製)を封止樹脂としてのエポキシ系感光性樹脂と混合した後、混合液を実施例2−1で得られた保護フィルム231の第一基材201側に塗布して蛍光体層209を形成し、さらに該蛍光体層209上に、同じ構成の保護フィルム231を第一基材201どうしが対向するように積層し、UV硬化ラミネートにより、実施例2−1の保護フィルム231の間に蛍光体層209が包み込まれた、図5の構成を持つ波長変換シート400を作製した。実施例2−1と同様にして、実施例2−2及び比較例2−1〜2−2の保護フィルムを使用した波長変換シートを得た。
<ラミネート強度測定>
実施例2−1〜2−2及び比較例2−1〜2−2を使用して作製した4種の波長変換シートの保護フィルムと蛍光体層の間のラミネート強度を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて測定した(JIS Z1707準拠)。
<保存後の発光状態評価>
実施例2−1〜2−2及び比較例2−1〜2−2を使用して作製した4種の波長変換シートを、それぞれ65℃95%RHの環境下にて100時間保存した。保存後の各波長変換シートに、UVランプにて254nmの波長のUV光を当て、目視にて発光状態を観察した。斑点模様やスジが見られたものをB、それらが見られず正常に発光していたものをAと判定した。
<保存後の外観評価>
実施例2−1〜2−2及び比較例2−1〜2−2を使用して作製した各波長変換シートを65℃95%RHの環境下にて100時間保存した。保存後の各波長変換シートの外観を目視にて確認した。浮きが発生したものをB、発生しなかったものをAと判定した。
以上、半値幅WCCの算出値、接触角θの測定値、ラミネート強度の測定値、発光状態評価結果、外観評価結果を表2に示す。
Figure 2017086319
表2に示した結果から明らかなように、C1s波形分離におけるC−C結合に由来するピークPCCの半値幅WCCが1.340〜1.560eVの範囲にある実施例1〜2の保護フィルムを使用した波長変換シートは、保護フィルムと蛍光体層との間の密着が強く、これにより保存試験後でも良好な発光状態と外観を保つ波長変換シートを得ることができた。
本発明の一側面における保護フィルム及びこの保護フィルムを使用した波長変換シートによれば、長期間にわたって発光効率の低下の少ないバックライトユニットを得ることができ、このバックライトユニットを使用することにより耐久性に優れたディスプレイを製造することが可能である。本発明の別の側面における保護フィルム、及び該保護フィルムを使用した波長変換シートによれば、長期間にわたって発光効率の低下の少ないバックライトユニットを得ることができる。また、該バックライトユニットを使用することで、耐久性に優れたディスプレイを製造することが可能である。
1…第一基材、2…バリア層、3…無機薄膜層、4…ガスバリア性被覆層、4t…表面処理領域、10…バリアフィルム、12…コーティング層、14…支持基材、20…保護フィルム、30…蛍光体層、100…波長変換シート、200…バックライトユニット、PINT…C1s波形、ICC…C−C結合に由来するピークの強度、ICOH…C−OH結合に由来するピークの強度、201…第一基材、202…第二基材、203…無機薄膜層、204…ガスバリア性被覆層、205…接着層、206…コーティング層、207…蛍光体、208…封止樹脂、209…蛍光体層、210…処理面、220,221…ガスバリアフィルム、230,231,232…保護フィルム、300,400,500…波長変換シート。

Claims (19)

  1. 第一基材及び第一バリア層を含むバリアフィルムを備える、蛍光体層を保護するための保護フィルムであって、
    前記第一バリア層は前記保護フィルムの一方の最表面を構成するガスバリア性被覆層を含み、
    前記ガスバリア性被覆層はポリビニルアルコール及び無機化合物を含有し、
    前記ガスバリア性被覆層は、下記式(1)で表される強度比Dが0.35以上0.77以下となる表面処理領域を前記最表面側に有する、保護フィルム。
    D=ICOH/ICC ・・・(1)
    [式(1)中、ICOHは前記保護フィルムの前記ガスバリア性被覆層側の面のX線光電子分光スペクトルのC1s波形における炭素−水酸基結合に由来するピークの強度を示し、ICCは前記C1s波形における炭素−炭素結合に由来するピークの強度を示す。]
  2. 前記ガスバリア性被覆層の前記表面処理領域の水に対する接触角が28〜40度である、請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記バリアフィルムの前記第一基材側に配置されたコーティング層をさらに備える、請求項1又は2に記載の保護フィルム。
  4. 前記コーティング層が、バインダー樹脂、及び、該バインダー樹脂中に分散された微粒子を含有する、請求項3に記載の保護フィルム。
  5. 前記第一基材と前記コーティング層との間に配置された支持基材をさらに備える、請求項3又は4に記載の保護フィルム。
  6. 前記無機化合物が金属アルコキシド又はその加水分解物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  7. 前記第一バリア層が無機薄膜層をさらに含み、
    前記無機薄膜層が前記第一基材と前記ガスバリア性被覆層との間に配置され、
    前記無機薄膜層の厚さが5〜100nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  8. 前記無機薄膜層が酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含有する、請求項7に記載の保護フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の保護フィルムと、前記保護フィルムの前記ガスバリア性被覆層側に配置された蛍光体層とを備え、前記ガスバリア性被覆層の前記表面処理領域と前記蛍光体層とが接している、波長変換シート。
  10. 第一基材及び第一バリア層を含むバリアフィルムを備える、蛍光体層を保護するための保護フィルムであって、
    前記第一基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    前記第一基材の前記第一バリア層と反対側の面はX線光電子分光測定を行ったときに、C1s波形分離におけるC−C結合に由来するピークの半値幅が1.340〜1.560eVとなるように処理を施した処理面である、蛍光体層を保護するための保護フィルム。
  11. 前記第一基材の前記処理面の水に対する接触角が30〜65度である、請求項10に記載の保護フィルム。
  12. 前記第一バリア層は無機薄膜層とガスバリア性被覆層とを含む、請求項10又は11に記載の保護フィルム。
  13. 前記無機薄膜層が、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素及び酸化アルミニウムの少なくとも一種を含有する層である、請求項12に記載の保護フィルム。
  14. 第二基材をさらに備え、
    前記第二基材が、前記第一バリア層と、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びエステル系樹脂のいずれか一種を含有する接着層を介して接着されている、請求項10〜13のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  15. 第二基材と、
    前記第二基材の一方の面に積層され、少なくとも1層の無機薄膜層を含む第二バリア層とをさらに備え、
    該第二バリア層が、前記第一バリア層と、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びエステル系樹脂のいずれか一種を含む接着層を介して接着されている、請求項10〜13のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  16. 前記第二バリア層はガスバリア性被覆層をさらに含む、請求項15に記載の保護フィルム。
  17. 前記第二基材の前記接着層と反対側の面に形成されたコーティング層をさらに備え、
    前記コーティング層は、干渉縞防止機能、反射防止機能及び拡散機能のうちの少なくとも一種の光学的機能を有する、請求項14〜16のいずれか一項に記載の保護フィルム。
  18. 前記コーティング層が、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散された微粒子とを含有する、請求項17に記載の保護フィルム。
  19. 蛍光体層の両面に、請求項10〜18のいずれか一項に記載の保護フィルムを、該保護フィルムの前記第一基材の前記処理面と接して備えている、波長変換シート。
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