JP6446778B2 - 蛍光体含有シリコーンシートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はまた、この方法により製造された蛍光体含有シリコーンシートと、この蛍光体含有シリコーンシートを含む発光装置に関する。
一般的に、シリコーン樹脂を硬化させる際には、加熱による架橋方法が用いられている。例えば、特許文献1には、シリコーンエラストマーに蛍光体を分散させ、熱により架橋してなるシートが提案されている。
また、特許文献2には、硫化物蛍光体を含むシリコーン樹脂組成物の硬化不良抑制のため、蛍光体表面をコートする提案がなされている
さらに、一般的には、従来のLED発光素子の封止樹脂のように、低粘度のシリコーン樹脂と、蛍光体と、蛍光体の分散安定性を向上させる添加材(チキソ材)およびシリコーン樹脂の熱硬化を促進する硬化触媒が含まれるシリコーン組成物を用いて、シート形状とした後に熱硬化させ、シートを得る方法が考えられるが、本方法を用いた場合には、残存する硬化触媒が、蛍光体などに作用し、材料の長期安定性が低下する問題があり、また、蛍光体によっては、熱による硬化の際に、シリコーン樹脂内の官能基、または微量な水分などを伴って、硬化反応を阻害させ、十分に硬化したシートが得られなくなる問題もあった。
(1) 膜厚、蛍光体の分散等が均等な、高品質の薄膜シート状の蛍光体含有シートを得ることが困難である。
(2) 残存する硬化触媒による長期安定性低下の問題がある。
(3) 熱硬化の際にシリコーン樹脂の硬化阻害が起こる場合がある。
(4) 蛍光体による硬化阻害が起こる場合がある。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
(1) ポリオルガノシロキサンとして、ミラブル型ポリオルガノシロキサンのようなある程度分子量が大きく、粘度の大きいポリオルガノシロキサンを用いることができるため、液状原料を用いる場合のような、蛍光体の沈降によるシート内での蛍光体の分散のバラつきが防止される。
(2) 熱の影響が少ないため、架橋硬化に到るまでのシート内での粘度の変化が少ない。この結果、膜厚や蛍光体分散が均等かつ均質なシートを確実に製造することができる。
(3) 熱の影響が少ないため、カバーシートに挟んだ状態で放射線を照射して架橋させることができる。即ち、熱架橋では、加熱によりカバーシートにシワが発生し、このカバーシートのシワが蛍光体含有シリコーンシートに転写されることでシートの外観が損なわれるおそれがあるが、放射線架橋であれば、このような問題を引き起こすことなく、カバーシートを利用することができる。
(4) カバーシートを用いて、シート成形、その後の放射線架橋を行って、カバーシートをそのまま製品の保護フィルムとして用いることもできるため、生産性、シートの取り扱い性、得られるシートの機能性の面でも非常に有利である。また、雰囲気中の湿気による蛍光体やシートの劣化も防止することができる。
(5) 熱による蛍光体の劣化の問題がなく、また、硬化触媒を用いることなく架橋させることも可能であるため、硬化触媒の残存による問題も回避することができる。
(6) 熱架橋では、架橋度の調整が難しいが、放射線架橋では、その照射量を調整することにより、目的に応じた架橋度を調整することができる。また、熱硬化の場合のようなシリコーン樹脂や蛍光体に由来する硬化阻害も回避される。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明で用いるポリオルガノシロキサンは、下記式(1)で表されるシロキサン骨格を有し、放射線で架橋反応を起こさせることができるものである。
本発明で用いられる蛍光体の種類は適宜選択されるが、無機蛍光体であることが好ましく、赤色(橙色)、緑色、青色、黄色蛍光体については、代表的な蛍光体として下記のものが挙げられる。
蛍光体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。2種類以上の蛍光体を用いることにより、色温度を低下させたり、演色性を向上させたりすることができる。
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常565nm以上、好ましくは575nm以上、より好ましくは580nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
以上に例示した赤色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
以上に例示した緑色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲である。
このうち、(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、BaMgAl10O17:Euを好ましく用いることができる。また、(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+で示される蛍光体のうち、SraBabEux(PO4)cCld(c、d及びxは、2.7≦c≦3.3、0.9≦d≦1.1、0.3≦x≦1.2を満足する数であり、xは好ましくは0.3≦x≦1.0である。さらに、a及びbは、a+b=5−xかつ0.05≦b/(a+b)≦0.6の条件を満足するものであり、b/(a+b)は好ましくは0.1≦b/(a+b)≦0.6である。)で示される蛍光体を好ましく用いることができる。
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲である。
また、高温においても波長変換効率の高い蛍光体が好ましく、そのような蛍光体として、La3Si6N11:Ce、Ca1.5xLa3−xSi6N11:Ce(但し、xは0≦x≦1である)等のランタンケイ素窒化物結晶を母体とする蛍光体(以下、「LSN」と略称することがある。)が好ましい。
本発明で用いる蛍光体の平均粒径は5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましい。蛍光体の平均粒径を上記下限以上とすることで、波長変換部材としたときの波長変換効率の低下を抑制し得る。また、蛍光体の平均粒径は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。蛍光体の平均粒径が上記上限以下であれば、蛍光体粒子が凝集すること無く、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じにくいため好ましい。
ここで、上記平均粒径とは、一次粒子の平均粒径であり、レーザ粒度計により測定された値である。
本発明で用いる蛍光体は表面処理が施されていても良い。
表面処理剤としては、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシロキサン化合物、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシラン、ジアルキルジメトキシシラン、グリシジルトリメトキシシラン等のシラン化合物、チタネートカップリング剤等を好ましく使用することができる。これらの中で、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシランが特に好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサンが最も好ましい。これらは、1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することができ、得られる蛍光体含有シリコーンシートの透明性を高めたり、着色を防いだりすることができる。
蛍光体の含有量は、シート用組成物、即ち架橋前シート中の含有量として、ポリオルガノシロキサン100重量部としたときの蛍光体含有量は、通常0.01重量部以上であるが、0.2重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1重量部以上が最も好ましい。一方、蛍光体含有量の上限はポリオルガノシロキサン100重量部に対して通常80重量部以下であるが、75重量部以下であることが好ましく、67重量部以下であることがより好ましい。この範囲とすることで、シート用組成物をシートとしたときの厚みが適切な範囲になり易く、本シートを用いた白色LED発光装置の色度のバラつきを抑制し得る。
本発明に係るシート用組成物は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、シリカを5〜100質量部、好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは20〜30質量部含有するものであってもよい。このような範囲でシリカを含有することによって、得られる架橋シートの機械的物性のみならず、LEDの光拡散性、ガスバリア性をより向上させることができるようになる。
本発明に係るシート用組成物は、光拡散性、熱伝導率、ガスバリア性、機械的物性の向上のために無機充填材を含有しても良い。無機充填材としては、例えばタルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、チタン酸塩(チタン酸カリウム等)、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
本発明に係るシート用組成物には、その性質を損なわない程度に、ポリオルガノシロキサン、蛍光体、シリカ、無機充填材以外の他の樹脂や各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合してもよい。
なお、本発明では、ポリオルガノシロキサンを放射線により架橋させるため、架橋剤を必要としないが、必要に応じて、シート用組成物中の含有量として5質量%以下の範囲で架橋剤を含有していても良い。架橋剤としては、過酸化物(例えば過酸化ベンゾイル等)やハイドロジェンオルガノシロキサン(白金化合物を触媒)等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンと蛍光体を含むシート用組成物の調製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ポリオルガノシロキサン、蛍光体、及び必要に応じて配合されるシリカ、無機充填材やその他の添加剤を混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法や、蛍光体、その他の配合材を高濃度で含有するポリオルガノシロキサンのマスターバッチを別途作製しておき、これをポリオルガノシロキサンの残部やその他の配合材と、濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法が挙げられる。
本発明の蛍光体含有シリコーンシートを製造する際には、架橋前シートを2枚のカバーシート間に挟んだ状態で成形して3層積層シートとし、この3層積層シートに放射線を照射して架橋硬化させることが、架橋前シートの形状を固定、保持し、また、架橋時の雰囲気中の湿気によるシート内の蛍光体の劣化を防止する上で好ましい。また、架橋前シートを2枚のカバーシート間に成形し、それをそのまま放射線照射に供することにより、生産性を高めることもできる。
接着性の材料としてはシリコーンをグラフト、ブロック共重合したもの、シランカップリング剤を配合したもの、あるいは放射線重合性の官能基(例えばビニル基、アクリロイル基等)を持つものなどが挙げられる。これらは放射線架橋で生じる化学結合によりそれらの界面での接着力が向上する。
この場合、カバーシートとしてガスバリア性のフィルムを用いた場合には、製造後の蛍光体含有シリコーンシートの雰囲気中の湿気による蛍光体の劣化を抑制したり、チップを実装している導体の銀メッキの変色を抑制することができる。
これらは、ポリオルガノシロキサンに合わせて適宜選定し、1種類以上のシランカップリング剤を使用することができる。
このように蛍光体含有シリコーンシートに表面凹凸を形成することにより、シート表面のべとつきを抑えることができ、またエア吸着により吸着しやすい等、発光装置製造工程面でのハンドリング性が向上したり、LEDの光の拡散性が向上したり、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の接着剤を用いてPkgやCOBの表面へ貼り付ける際に、接着剤のエア抜きがしやすいといった利点が得られる。
なお、後述のように、本発明の蛍光体含有シリコーンシートを実装する発光装置の封止樹脂がエポキシ樹脂を含む場合には、表面粗化フィルムは、表面層として、離型剤、アミノシラン等のシランカップリング剤を含有する層が設けられていることが、封止樹脂との密着が簡便にできることから好ましい。
架橋前シートの成形方法としては、押出法、カレンダー法、プレス法、溶液コーティング法、又はこれらを組み合わせた方法を好適に用いることができる。
両面を2枚のカバーシートで挟んだ状態でシート成形する場合にも、同様の成形方法を用いることが可能である。
溶液コーティング法の場合、カバーシート上にシート用組成物の溶液をコーティングして乾燥した後、もう1枚のカバーシートをシート用組成物側からラミネートする方法を用いることが可能である。
本発明においては、上述のようにして得られた架橋前シートに放射線を照射してポリオルガノシロキサンを架橋させることにより硬化させる。
この積算照射線量の選定には、ポリオルガノシロキサンの架橋密度の他、カバーシートとして使用するプラスチックフィルム等の耐放射線性、蛍光体の劣化も考慮に入れることが好ましい。
本発明により製造される本発明の蛍光体含有シリコーンシートの厚みは、3μm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは10μm〜500μmであり、さらに好ましくは30μm〜300μmである。蛍光体含有シリコーンシートの厚みがかかる範囲内であれば、LEDの発光の一部又は全部を波長変換して白色又はその他の色を発する発光装置に用いた場合、バラつきの少ない白色その他の色の光を実現することができ、PkgやCOB基板で薄型化の要求にも対応することができる。
放射線架橋で得られる本発明の蛍光体含有シリコーンシート及び保護シート付蛍光体含有シリコーンシートは、蛍光体含有シリコーンシートの膜厚が均一で、蛍光体の均一分散性に優れるため、これを発光装置に適用してシート全面にわたって均等な発光を得ることができる。
本発明の蛍光体含有シリコーンシートは、後述する発光装置を製造するために、蛍光体含有シリコーンシートとカバーシートとの間に接着又は粘着シート(以下「接着(粘着)シート」と称す場合がある。)を備えていても良い。
片方のカバーシートを剥離し、接着(粘着)樹脂をインラインでコーティング加工した後、カバーシートを貼り合わせることにより、図1(b)に示す4層積層構造の保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート1Aとすることができる。
また、図1(c)の5層積層構造の保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート1Bであれば、上記の4層積層シートと、カバーシート/接着(粘着)シート/カバーシートの3層積層シートを用い、同様にそれぞれ片方のカバーシートを剥離しつつ、蛍光体含有シリコーンシート面と接着(粘着)シート面とを貼り合わせることにより、製造することができる。または、保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを製造し、両面のカバーシートを剥離し、接着(粘着)樹脂をインラインでコーティング加工した後、カバーシートを貼り合わせることにより、図1(c)に示す5層積層構造の保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート1Bとすることができる。
本発明の発光装置は、本発明の製造方法により製造された単層の本発明の蛍光体含有シリコーンシート或いは2枚のカバーシート間に挟まれた3層積層シートである本発明の保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを用いたものであり、図2に示すようなPkg型発光装置、図3に示すようなCOB型発光装置などに適用することができる。
樹脂成形体15及び封止樹脂16の上面を覆うように蛍光体含有シート19が設けられている。
本発明の発光装置は、蛍光体含有シートとして、本発明の蛍光体含有シリコーンシート、本発明の保護シート付蛍光体含有シリコーンシート、又は本発明の保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート(以下、これらを「本発明の蛍光体シート」と称す場合がある。)を用いたものであれば特に限定なく製造することができる。
具体的には、本発明の蛍光体シートを、カッター、ダイシング、金型等で小片にカットする切断工程、及び該小片を表面実装装置等により、パッケージ又はブリッジ部内に充填された封止樹脂の上面に設置して接着又は粘着により固定する実装工程を含む。
以下に各工程について説明する。
本発明の蛍光体シートをカットする手段には特段の制限はなく、カッター、ダイシング、金型等が挙げられる。好ましくはカッターであり、市販品(例えば、スーパーカッター((株)荻野精機製作所製))を好適に用いることができる。
実装工程においては、上記切断工程で得られた小片を、公知の方法(例えば、表面実装装置、マウンタ等)で運搬し、発光装置の一部である封止樹脂の上面に設置する。表面実装装置としては、例えば、パナソニックファクトリーソリューションズ、ヤマハ発動機、エーアイテック、富士機械製造、アイパルス、ソニーイーエムシーエス、マイクロニックマイデータ、JUKI製等より市販されているものを用いることができる。
図5を参照して、図1(a)に示す本発明の保護シート付蛍光体含有シリコーンシート1を小片に切断して実装することにより、本発明の発光装置を製造する方法を説明する。
次いで、切断部を部分的に剥離除去して下側のカバーシート3上に短冊状片1aを残す(図5(b))。
次いで、上記切断方向と直交する方向に所定の間隔をあけて、同様に切断して格子状に分割する(図5(c))。
同様に切断部を部分的に剥離除去して下側のカバーシート3上に小片1bを残す(図5(d))。
小片1bの上のカバーシート3を剥離除去して、蛍光体含有シリコーンシート2のみの小片(チップ)1cをカバーシート3上に分割形成する(図5(e))。
その後、表面実装装置によりチップ1cを表面実装装置のエア吸着ノズル9で吸引してピックアップし(図5(f))、Pkg型発光装置のパッケージ11の封止樹脂16上に載置する(図5(g))。その後、加熱することで封止樹脂16を硬化させると共に、チップ1cと封止樹脂16を接着させる。
このとき、チップ1cの下面及び/又は封止樹脂16の上面には前述の小片と封止樹脂とを接着するための前処理を施しておいてもよい。
なお、図5ではPkg型発光装置の製造方法を示したが、チップ1cをCOB型発光装置の封止樹脂上に同様に載置して接着することにより、COB型発光装置を製造することができる。
図6を参照して、図1(b)に示す本発明の保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート1Aを小片に切断して実装することにより、本発明の発光装置を製造する方法を説明する。
次いで、切断部を部分的に剥離除去して下側のカバーシート3上に短冊状片1a’を残す(図6(b))。
次いで、上記切断方向と直交する方向に所定の間隔をあけて、同様に切断して格子状に分割する(図6(c))。
同様に切断部を部分的に剥離除去して下側のカバーシート3上に小片1b’を残す(図6(d))。
小片1b’の上のカバーシート3を剥離除去して、蛍光体含有シリコーンシート2と接着(粘着)シート4のみの小片(チップ)1c’をカバーシート3上に分割形成する。(図6(e))。
その後、表面実装装置によりチップ1c’を表面実装装置のエア吸着ノズル9で吸引してピックアップし(図6(f))、Pkg型発光装置のパッケージ11の封止樹脂16上に載置する(図6(g))。その後、接着シートの場合は、加熱することで、チップ1cと封止樹脂16を接着させる。
このとき、チップ1c’の下面側は接着(粘着)シート4となっているため、封止樹脂16上に載置するのみでチップ1c’を封止樹脂16に固定することができる。封止樹脂16の上面には前述の前処理を施しておいてもよい。
なお、図6ではPkg型発光装置の製造方法を示したが、チップ1cをCOB型発光装置の封止樹脂上に同様に載置して接着することにより、COB型発光装置を製造することができる。
以下の実施例及び比較例において、得られた蛍光体含有シリコーンシートについての種々の測定値及び評価は以下のようにして求めた。
ビニル基含有ポリシロキサン樹脂(モメンティブ製「TSE2571−5U」)100質量部と、黄色蛍光体(YAG、三菱化学社製BY−102D、平均粒径17μm)36.4質量部とをプラネタリミキサーで混合してシート用樹脂組成物を得た。
得られたシート用樹脂組成物を、径100mmの2本カレンダに沿って供給された厚さ75μmの2枚の2軸延伸PETフィルムの間に投入し、室温25℃にて、ロール温度80℃でロールにバンクを形成させ、厚さ300μmのシートとすると同時に積層し、3層積層シートとした。この積層シートにγ線を積算照射線量が50kGyとなるように照射してポリオルガノシロキサンを架橋させることにより、保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを得た。
実施例1において、γ線積算照射線量を150kGyとした以外は同様にして保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを得た。
実施例1において、黄色蛍光体(YAG)の代わりに、黄色蛍光体(LSN、三菱化学社製BY−201A、平均粒径15μm))を用いた以外は同様にして保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを得た。
実施例3において、γ線積算照射線量を150kGyとした以外は同様にして保護シート付蛍光体含有シリコーンシートを得た。
実施例1においてγ線照射を行わなかった以外は同様にして3層の積層シートを得た。
実施例1〜4の保護シート付蛍光体含有シリコーンシートについて、両面のPETフィルムを剥がしたところ、容易に単層の蛍光体含有シリコーンシートが得られた。これらについては剥離性良好(○)と評価した。
また、比較例1の3層積層シートについてPETフィルムを剥がして評価を試みたが、中間層の蛍光体含有シリコーンシート部分のフィルムへの接着力が強く、シート強度がないため、PETフィルムを剥がす際にシートが破壊され、評価するに至らなかった。この積層シートについては剥離性不良(×)と評価した。
実施例1〜4でPETフィルムを剥がして得られた単層の蛍光体含有シリコーンシートに対して、LEDチップ(ピーク波長450nm)から発光させた青色光を照射することで白色光を得ることができる発光装置を作製した。その装置から発光スペクトルをSphereOptics社製20inch積分球およびOceanOptics社製分光器USB2000を用いて観測し、色度(CIE−x,CIE−y)、輝度(lumen)、及び平均演色係数(Ra,平均演色評価数ともいう。)を計測した測定結果を、PET剥離性の評価結果と共に表1に示す。
一方、比較例1では、γ線によりポリオルガノシロキサンを架橋させていないため、実用に耐えうるシートを得ることができなかった。
図4に示すように、実施例1で得られた蛍光体含有シリコーンシート40から、直径15mmの円形のサンプル41〜50を打ち抜き機を用いて切り出し、それぞれのサンプルの膜厚と発光特性を評価した。発光特性は上記の方法により評価した。結果を表2に示す。
1A,1B 保護シート・接着(粘着)シート付蛍光体含有シリコーンシート
2 蛍光体含有シリコーンシート
3 カバーシート
4 接着(粘着)シート
9 エア吸着ノズル
10 Pkg型発光装置
11 パッケージ
12,25 発光素子(LED)
15 樹脂成形体
16,29 封止樹脂
19,30 蛍光体含有シート
20 COB型発光装置
21 アルミ基板
22 絶縁膜
28 スペーサ
40 蛍光体含有シリコーンシート
Claims (5)
- ミラブル型ポリオルガノシロキサン及び蛍光体を含有する架橋前シートを、2枚のカバーシート間に挟んだ状態で成形し、得られた3層積層シートに放射線を照射してミラブル型ポリオルガノシロキサンを架橋させることを特徴とする蛍光体含有シリコーンシートの製造方法。
- 前記放射線がγ線であり、その照射量が10〜300kGyであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体含有シリコーンシートの製造方法。
- 前記架橋前シートの蛍光体含有量が、前記ミラブル型ポリオルガノシロキサン100重量部とした時の前記蛍光体含有量で、0.01重量部以上80重量部以下である請求項1または2に記載の蛍光体含有シリコーンシートの製造方法。
- 前記蛍光体含有シリコーンシートの厚みが、3μm〜1000μmである請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体含有シリコーンシートの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造された蛍光体含有シリコーンシートを用いる発光装置の製造方法。
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