JP6428095B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーン系粘着層を有する積層体、及び、該積層体を用いた発光装置に関する。
LEDは、その高輝度、高発光効率、低消費電力、高寿命の特徴を生かして、携帯電話のテンキー照明やバックライト、液晶ディスプレイのバックライト、車のヘッドライト、車載照明、或いは一般照明用途に幅広く使用されている。
LEDを用いて液晶ディスプレイのバックライトや一般照明用の白色光を得るためには、LEDチップと、その発光波長に適した、LEDの発光を波長変換する蛍光体とを組み合わせて用いる必要がある。例えば、青色LEDでは、黄色蛍光体を組み合わせ、更に光の演色性を高めるために、赤及び緑の蛍光体を組み合わせることが行われている。また、更に演色性を高めるために、近紫外LEDに、赤、緑、及び青の蛍光体を組み合わせることが行われている。
従来、LEDに対して蛍光体を配置する方法としては、リードフレームパッケージ(Pkg)やチップオンボード(COB)基板において、LEDを封止する封止樹脂に予め所定量の蛍光体を添加、混練し、ディスペンサーで封止する方法が採用されてきた。
しかし、この方法では、封止部内で蛍光体の含有量のバラつきが生じやすく、白色LED発光装置とした場合に、装置間での発光色のバラつきが問題となる。
この問題を解決すべく、近年、予め波長変換部材として蛍光体を含有した成形体を作成し、本部材をLED素子へと載置する方法が用いられるようになってきた。具体的には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に予め所定量の蛍光体を添加、混練した樹脂組成物を、シートやキャップ状に成形し、PkgやCOBに直接配置する方法である。この方法であれば、蛍光体の含有量のバラつきが少なく、色度のバラつきの少ない白色光を得ることが可能である。
この方法で用いられるLEDを封止する封止樹脂にはLEDの高輝度化に伴い、耐熱性、耐光性が高いシリコーン樹脂が用いられるようになってきており、蛍光体含有シートにおいても、シート基材となる樹脂としては、シリコーン樹脂が用いられるようになってきている。
一般的に、シリコーン樹脂を硬化させる際には、加熱による架橋方法が用いられている。例えば、特許文献1には、シリコーンエラストマーに蛍光体を分散させ、熱により架橋
してなる接着性シートが提案されている。
しかしながらPkgやCOBのLEDを封止する封止樹脂との接着においては十分な性能が確保できず、剥がれてその隙間からLEDの発光が漏れたり、長年の使用に耐えなかったりする不具合が発生ないし危惧されていた。
特許04927019公報
そこで本発明の課題は、LEDの発光の一部又は全部を波長変換して白色又はその他の色を発する発光装置に好適に使用される蛍光体を含有するシリコーンシートの層とLEDを封止する封止樹脂の層を有する積層体に関して、この両者の接着性を改善し、かつ、この積層を有する発光性に優れた発光装置とを提供することにある。
本発明の要旨は次の通りである。
[1] (A)層:架橋基を有するオルガノシロキサン、及び、蛍光体を含有するシリコーンシートと、
(C)層:シリコーン系粘着層
とが付着したシートを2枚のカバーシートで挟んだ構造を有する積層シートに、放射線照射することを特徴とする積層体の製造方法。
[2] 前記オルガノシロキサンが、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンである[1]に記載の積層体の製造方法。
] 前記(A)層の蛍光体の含有量が、100重量部のシリコーンシートに対して0.01〜80重量部であることを特徴とする[又は[2]に記載の積層体の製造方法
] 前記(A)層の蛍光体が無機蛍光体であることを特徴とする[のいずれかに記載の積層体の製造方法
] 前記(A)層と(C)層共押し出し成形されていることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の積層体の製造方法
本発明の積層体及び発光装置により、次のような作用効果が得られる。
(1) 封止層用の樹脂として、ミラブル型ポリオルガノシロキサンのようなある程度分子量が大きく、粘度の大きいポリオルガノシロキサンを用いることができるため、液状原料を用いる場合のような、蛍光体の沈降によるシート内での蛍光体の分散のバラつきが防止される。
(2) 熱の影響が少ないため、架橋硬化に到るまでのシート内での粘度の変化が少ない。この結果、膜厚や蛍光体分散が均等かつ均質なシートを確実に製造することができる。
(3) 熱の影響が少ないため、カバーシートに挟んだ状態で放射線を照射して架橋させることができる。即ち、熱架橋では、加熱によりカバーシートにシワが発生し、このカバーシートのシワが蛍光体含有シリコーンシートに転写されることでシートの外観が損なわれるおそれがあるが、放射線架橋であれば、このような問題を引き起こすことなく、カバーシートを利用することができる。
(4) カバーシートを用いて、シート成形、その後の放射線架橋を行って、カバーシートをそのまま製品の保護フィルムとして用いることもできるため、生産性、シートの取り扱い性、得られるシートの機能性の面でも非常に有利である。また、汚染や傷つき防止の点からも有利である。
(5) 熱による蛍光体の劣化の問題がなく、また、硬化触媒を用いることなく架橋させることも可能であるため、硬化触媒の残存による問題も回避することができる。
(6) シリコーンシート保管時の接着性の低下がない。
(7) シリコーンシートと粘着層を共押し出しすることで一体成形品としての提供が可能である。共架橋するので接着力が向上する。ゴミ等がしわ等入らないのでLED製品にとって好ましい。
このようなことから、本発明によれば、熱架橋を行う場合のシリコーンシート保管時の接着性低下の問題を解決することができ、かつ接着性に優れた発光装置を高い生産性で効率的に製造することができる。さらに接着性が改善されることにより、発光装置の発光性の向上も達成することができる。
カバーシート付シリコーンシートを示す断面図である。 実施の形態にかかるPkg型発光装置の一例を示す模式的断面図である。 実施の形態に係るCOB型発光装置の一例を示す模式的断面図である。 実施例を説明する断面図である。 比較例を説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特に断わらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特に断わらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特に断わらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
[用語の説明]
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
[(A)層:シリコーンシート]
(1)ポリオルガノシロキサン
シリコーンシートに使用される樹脂としては、従来知られているいずれの樹脂を使用してもよいが、成形が既存の成形機を利用して連続して効率的にできる、蛍光体の分散性等の点から、以下に記載するポリオルガノシロキサンからなることが好ましい。
本発明で用いるポリオルガノシロキサンは、下記式(1)で表されるシロキサン骨格を有する。
Figure 0006428095
式(1)中、nは2以上の整数であり、Rは水素原子、オキセタニル基、メチル基やエチル基等のアルキル基、ビニル基、フェニル基などの炭化水素基、又はフルオロアルキル基などのハロゲン置換炭化水素基である。なお、複数のRは互いに同一であってもよく、異なるものであってもよい。具体的には、式(1)中のRが全てメチル基等のアルキル基であるポリジメチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が上記炭化水素基やハロゲン置換炭化水素基等の1種又は2種以上によって置換された各種のポリオルガノシロキサンが挙げられる。これらの中でも、分子内に炭素−炭素不飽和結合(特にビニル基)、ケイ素−水素結合、オキセタニル基などの架橋性基を有するポリオルガノシロキサンが多く市販されているが、架橋性基を有さないポリオルガノシロキサンであってもよい。本発明においては、これらのポリオルガノシロキサンの1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。放射線で架橋反応を起こさせることができるものがより好ましく、炭素−炭素不飽和結合(特にビニル基)、ケイ素−水素結合、オキセタニル基などの架橋性基を有するものがより好ましい。この中でもビニル基を有しているものが特に好ましい。
ポリオルガノシロキサンの分子量は、通常10,000〜700,000であり、分類からすればシリコーンオイルと呼ばれる低分子量のものも使用することができる。ただし、ポリオルガノシロキサンの分子量が小さい場合(例えば液状シリコーン)は、ポリオルガノシロキサンに蛍光体を混練した際に、蛍光体が沈降し、シート化する際にシート内で含有量のバラつきが生じる可能性があるため、未架橋時の粘度がある程度高い、分子量として400,000〜700,000程度のミラブル型ポリオルガノシロキサンを使用することが好ましい。
(2)蛍光体
本発明で用いられる蛍光体は、無機蛍光体であることが好ましく、赤色(橙色)、緑色、青色、黄色蛍光体については、代表的な蛍光体として下記のものが挙げられる。
蛍光体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。2種類以上の蛍光体を用いることにより、色温度を低下させたり、演色性を向上させたりすることができる。
特に、放射線架橋を行って後述のカバーシートの適用を可能とすることによる、雰囲気中の湿気による蛍光体の劣化を防止する効果を有効に得る点において、本発明で用いる蛍光体としては、湿気により劣化し易い蛍光体が挙げられ、このような蛍光体としては、以下に例示する蛍光体のうち、アルカリ土類金属を含有し、湿気によりアルカリ土類金属炭酸塩を生じやすい蛍光体(具体的には、特開2007−314626号公報に記載の蛍光体)又は硫黄を含有し、湿気により硫化水素ガスが発生しやすい蛍光体(具体的には、国際公開第2013/021990号公報に記載の蛍光体)等が挙げられる。
(2−1)赤色蛍光体
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常565nm以上、好ましくは575nm以上、より好ましくは580nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
赤色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜120nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような赤色蛍光体として、例えば、特開2006−008721号公報に記載されているCaAlSiN:Eu(以下、「CASN」と略称することがある。)、特開2008−7751号公報に記載されている(Sr,Ca)AlSiN:Eu、特開2007−231245号公報に記載されているCa−xAl−xSi+xN−xOx:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体等や、特開2008―38081号公報(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu(以下、「SBS蛍光体」と略称することがある。)を用いることも可能である。
(2−2)緑色蛍光体
緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
緑色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜80nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような緑色蛍光体として、例えば、国際公開WO2007−091687号公報に記載されている(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO:Eu(以下、「BSS蛍光体」と略称することがある。)で表されるEu付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
(2−3)青色蛍光体
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲である。
青色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常10nm〜100nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような青色蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)(POCl:Euで表されるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
(2−4)黄色蛍光体
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲である。
黄色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常80nm〜130nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような黄色蛍光体として、例えば、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やMaMbMc12:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AEMdO:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mdは、Si、及び/又はGeを表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体をCeで付活した蛍光体、LaSi11:Ce、Ca1.5xLa−xSi11:Ce(但し、xは0≦x≦1である)等のランタンケイ素窒化物結晶を母体とする蛍光体が挙げられる。
以上に例示した蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(2−5)平均粒径
蛍光体の平均粒径は5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましい。蛍光体の平均粒径を上記下限以上とすることで、波長変換部材としたときの波長変換効率の低下を抑制し得る。また、蛍光体の平均粒径は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。蛍光体の平均粒径が上記上限以下であれば、蛍光体粒子が凝集すること無く、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じにくいため好ましい。
ここで、平均粒径とは、一次粒子の平均粒径であり、レーザ粒度計により測定された値である。
(2−6)表面処理
蛍光体は表面処理が施されていても良い。表面処理剤としては、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシロキサン化合物、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシラン、ジアルキルジメトキシシラン、グリシジルトリメトキシシラン等のシラン化合物、チタネートカップリング剤等を好ましく使用することができる。これらの中で、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシランが特に好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサンが最も好ましい。これらは、1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて使用することができ、得られる蛍光体含有シリコーンシートの透明性を高めたり、着色を防いだりすることができる。
(2−7)蛍光体の含有量
蛍光体の含有量は、シート用組成物、即ち架橋前シート中の含有量として、ポリオルガノシロキサン100重量部としたときの蛍光体含有量は、通常0.01重量部以上であるが、0.2重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1重量部以上が最も好ましい。一方、蛍光体含有量の上限はポリオルガノシロキサン100重量部に対して通常80重量部以下であるが、75重量部以下であることが好ましく、67重量部以下であることがより好ましい。この範囲とすることで、シート用組成物をシートとしたときの厚みが適切な範囲になり易く、本シートを用いた白色LED発光装置の色度のバラつきを抑制し得る。
(3)無機充填材
シート用組成物は、光拡散性、熱伝導率、ガスバリア性、機械的物性の向上のために無機充填材を含有しても良い。無機充填材としては、例えばシリカ、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、チタン酸塩(チタン酸カリウム等)、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
無機充填材は、ポリオルガノシロキサンへの分散性を向上させるために、表面を、シリコーン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理されたものを使用してもよい。その中でもシリコーン系化合物(シロキサンやシランカップリング剤など)で処理されたものを好適に使用することができる。
無機充填材の粒径は、0.05μm以上、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは粒径0.1μm以上、50μm以下、更に好ましくは0.05μm以上、15μm以下の微粉状である。無機充填材の粒径が0.05μm以上、15μm以下であれば、ポリオルガノシロキサンへの分散性を維持することができ、均質なシートが得られる。
シート用組成物中の無機充填材の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対し、0.1〜100質量部であることが好ましく、0.5〜50質量部であることがより好ましく、さらには1〜20質量部であるのが好ましい。無機充填材の含有量を上記範囲内とすることで、ポリオルガノシロキサンへの分散性を維持することができ、また得られる架橋シートの厚みが薄くなっても均質なシートが得られる。
シート用組成物は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、シリカを5〜100質量部、好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは20〜30質量部含有するものであってもよい。このような範囲でシリカを含有することによって、得られる架橋シートの機械的物性のみならず、LEDの光拡散性、ガスバリア性をより向上させることができるようになる。
(4)その他の添加剤
本発明に係るシート用組成物には、その性質を損なわない程度に、ポリオルガノシロキサン、蛍光体、シリカ、無機充填材以外の他の樹脂や各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合してもよい。
なお、本発明では、ポリオルガノシロキサンを放射線により架橋させるため、架橋剤を必要としないが、前述の熱架橋性に起因する問題とならない程度に、シート用組成物中含有量として5質量%以下の範囲で架橋剤を含有していても良い。架橋剤としては、過酸化物(例えば過酸化ベンゾイル等)やハイドロジェンオルガノシロキサン(白金化合物を触媒)等が挙げられる。
(5)2層以上のシリコーン層を有するシリコーンシート
シリコーンシートは1層以上のシリコーン層からなる。シリコーンシートは、異なる仕様の2層以上のシリコーン層を備えてもよい。具体的には厚さやポリオルガノシロキサンの組成・分子量、蛍光体種類・含有量、シリカ、その他成分等変更したシリコーン層を備えてもよい。演色性、光拡散性、ガスバリアー性、光変換効率性、耐熱性、接着性等が層別機能化することで効率的に調整ができる。
(6)シリコーンシート用組成物の調製方法
ポリオルガノシロキサンと蛍光体を含むシリコーンシート用組成物の調製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、ポリオルガノシロキサン、蛍光体、及び必要に応じて配合されるシリカ、無機充填材やその他の添加剤を混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法や、蛍光体、その他の配合材を高濃度で含有するポリオルガノシロキサンのマスターバッチを別途作製しておき、これをポリオルガノシロキサンの残部やその他の配合材と、濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法が挙げられる。
(7)シート用組成物からのシリコーンシートの成形方法
シート用組成物からのシリコーンシートの成形方法としては、押出法、カレンダー法、プレス法、溶液コーティング法、又はこれらを組み合わせた方法を好適に用いることができる。
両面を後述のカバーシートで挟んだ状態でシートを成形する場合にも、同様の成形方法を用いることが可能である。
カバーシートを用いる場合、シリコーンシートの一方又は双方の面にカバーシートをシリコーンシートの押出と同時に押出成形したり、予め製造されたカバーシートを用意し、押出成形によりシリコーンシート用組成物を口金よりカバーシート間にシート状に吐出させると同時にカバーシートをラミネートさせる方法等、種々の方法を用いることが可能である。カレンダー法の場合、2本のカレンダーロールに2枚のカバーシートを通し、その間にシート用組成物を供給し、カレンダーロールにおいてバンクを形成すると同時に2枚のカバーシート終製品(巻きロール)を自在に得ることができる。
シリコーンシートが2層以上のシリコーン層よりなる場合は2層を同時にシート化する成形機を用いて行ってもよく、首記の成形を別々に実施しロール法、プレス法、コーティング法などでラミネートしてもよい。2層間の界面の接着性や脱泡性の面で同時に行う方法が好ましい。
カバーシートを有したシリコーンシートを製造する際には、架橋前シートを2枚のカバーシート間に挟んだ状態で成形して積層シートとし、この積層シートの状態で架橋シリコーンシートを架橋することが望ましい。
本発明においては、(C)層:シリコーン系粘着剤からなる粘着層と、(A)層:蛍光体を含有するシリコーンシートを共押し出し成形したシートを用いて、2枚のカバーシートに挟み放射線照射をして硬化させることが、粘着層とシリコーンシートの界面接着性、製造の効率性の点から好ましい。
図1は、前述のように、カバーシート内でシート成形した後放射線架橋を行って得られ
たカバーシート3/シリコーンシート2/カバーシート3の3層積層シートよりなるカバーシート付シリコーンシート1を示す断面図である。
放射線架橋で得られるシリコーンシート及びカバーシート付シリコーンシートは、シリコーンシートの膜厚が均一で、蛍光体の均一分散性に優れるため、これを発光装置に適用してシート全面にわたって均等な発光を得ることができる。
2枚のカバーシート間に挟んだ状態でシートを成形し、粘着剤のない側は目的に応じて剥がす場合には片面、剥がさない場合や両面粘着剤で構成される場合には両面に積層されたカバーシートとを有するシリコーンシートが得られる。ここで厳密にはシリコーンシートの層数ならびに粘着剤の層数によりシリコーンシート全体として層数は増えることになり、また、粘着剤加工セパレータをカバーシートとした場合にもカバーシート全体として層数は増えることになるが、本説明ではシリコーンシート、カバーシートを各々1層と簡略化して原理説明したものであり、以後の説明においても同様である。
カバーシートとしては、架橋前シートの形状を固定し、そのままの状態で放射線架橋を行い、架橋後のシートを外力や汚染から保護し、搬送、巻き取り、貯蔵、更にはシート使用時のハンドリング性を改良するものであって、それ自体が非粘着性(シート同士が粘着しない)で強度が高く、架橋条件下で実用上必要な物性を損なわない性質を持ったものが好ましく用いられる。
また、このカバーシートは放射線を吸収しないことが必要である。ただし、放射線としてγ線を用いる場合、透過性が高いので実用上は問題にならない。
カバーシートの表面特性、特に架橋前シートと接する面の特性は、目的に応じて設定することが可能である。例えば、架橋後、カバーシートを架橋シートから剥離して使用する場合には、架橋前のポリオルガノシロキサンと非接着性で剥離しやすい材料が選ばれる。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムあるいはアルミ箔、銅箔等の金属箔が好適であって、一般的には表面平滑性に優れたものが用いられる。剥離性を向上させる目的で、これらのフィルムや金属箔の表面にフッ素等の離型層を設けることも可能である。
またこれとは逆に、架橋後もカバーシートを積層したまま使用する場合には、カバーシートに接着性向上のための処理を施してもよい。その方法としては、カバーシート自体を接着性の材料で構成しても良いし、通常のフィルム又はシートに接着性の材料(プライマー)を積層、塗布することも可能である。
接着性の材料としてはシリコーンをグラフト、ブロック共重合したもの、シランカップリング剤を配合したもの、あるいは放射線重合性の官能基(例えばビニル基、アクリロイル基等)を持つものなどが挙げられる。これらは放射線架橋で生じる化学結合によりそれらの界面での接着力が向上する。
この場合、カバーシートとしてガスバリア性のフィルムを用いた場合には、製造後の蛍光体含有シリコーンシートの雰囲気中の湿気による蛍光体の劣化を抑制したり、チップを装している導体の銀メッキの変色を抑制することができる。
また、カバーシートとして、表面粗化フィルムを用いた場合には、放射線架橋後、カバーシートを剥離して使用する際に、得られる蛍光体含有シリコーンシートの表面に表面粗化フィルムの表面性を転写して凹凸を形成することができる。この場合の蛍光体含有シリコーンシートの表面凹凸の程度は、Raで0.1〜10μm程度であることが好ましく、0.3〜5μm程度であることが更に好ましく、0.5〜1μmであることが特に好ましい。
このように蛍光体含有シリコーンシートに表面凹凸を形成することにより、シート表面のべとつきを抑えることができ、またエア吸着により吸着しやすい等、発光装置製造工程面でのハンドリング性が向上したり、LEDの光の拡散性が向上したり、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の接着剤を用いてPkgやCOBの表面へ貼り付ける際に、接着剤のエア抜きがしやすいといった利点が得られる。
これらのようにカバーシートを種々選択することによって、得られる蛍光体含有シリコーンシートの光学特性やハンドリング性等を向上させることが可能である。
なお、カバーシートの厚さは、その材質、使用目的等に応じて適宜決定され、例えば、PETフィルム等のプラスチックフィルムであれば5〜500μm程度、アルミ箔、銅箔等の金属箔であれば5〜100μm程度であることが好ましい。
(8)架橋方法
架橋の方法は放射線を照射して架橋硬化させることが、前述の熱架橋による問題を回避するうえでより好ましく、架橋前シートを2枚のカバーシート間に挟んだ状態で成形して積層シートとし、この積層シートの状態で照射架橋することが架橋前シートの形状を固定、保持し、また、架橋時の雰囲気中の湿気によるシート内の蛍光体の劣化を防止する上でより好ましい。また、架橋前シートを2枚のカバーシート間に成形し、それをそのまま放射線照射に供することにより、生産性を高めることもできる。
放射線としてはγ線が好適である。γ線の積算照射線量としては、線源の種類にもよるが、10kGyから300kGyであることが好ましく、更に好ましくは、20kGyから200kGyであり、特に好ましくは50kGyから150kGyである。
この積算照射線量の選定には、ポリオルガノシロキサンの架橋密度の他、カバーシートとして使用するプラスチックフィルム等の耐放射線性、蛍光体の劣化も考慮に入れることが好ましい。
(9)シリコーンシートの厚み
シリコーンシートの厚みは、3μm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは10μm〜500μmであり、さらに好ましくは30μm〜300μmである。シリコーンシートの厚みがかかる範囲内であれば、LEDの発光の一部又は全部を波長変換して白色又はその他の色を発する発光装置に用いた場合、バラつきの少ない白色その他の色の光を実現することができ、PkgやCOB基板で薄型化の要求にも対応することができる。
[(B)層:封止樹脂硬化物]
LEDを封止する封止樹脂硬化物として使用される樹脂としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられるが、耐熱性、透明性等の点からシリコーン樹脂であることが好ましい。封止用液状硬化性樹脂であるシリコーン樹脂としては、一般に、分子中にケイ素原子結合アルケニル基を有する化合物(主剤)と、分子中にケイ素原子結合水素原子を有する化合物(硬化剤)と、ヒドロシリル化反応触媒(硬化反応促進剤)とを含有してなる液状硬化性シリコーン樹脂が好ましい。このような液状硬化性シリコーン樹脂は、例えば、特開2006−202952号公報(段落(0040)〜(0060))に詳述されている。封止用シリコーン樹脂としては、これらの中でも、硬化性、透明性、耐熱非着色性、非分解性等の特徴を有するものが好ましい。
[(C)層:シリコーン系粘着剤]
本発明の積層体は、シリコーンシートの一方の側にシリコーン系粘着層を有する。この粘着層は、常温で2〜200kPaで圧着して接着される特性を有することが好ましい。ただし、生産効率向上、接着性向上のため熱を加えた条件で接着する場合もある。シリコーン系粘着層として用いられる樹脂としては特に制約なく市販のものが利用できる。ポリオルガノシロキサンをベースに溶液系の付加型、縮合型の粘着剤や低硬度のシリコーンゴムなど種々の高付着性、低硬度等のシリコーン系材料が適用可能である。硬化方式は熱や放射線や種々の方法が制約なく利用できる。
シリコーン粘着層は、前記の蛍光体を含んでいてもよい。
粘着層の厚さは、要求される接着性、接着耐久性などにより適宜に選択することができ、例えば、5〜300μm、好ましくは20〜150μm程度である。ただし、粘着層の厚さが5μmよりも薄い場合には、封止樹脂との接着力が損なわれ、LEDからの発光が剥離隙間からもれる場合がある。一方、熱膨張性粘着層の厚さが300μmより厚い場合には、シート断面でのシート間相互の接着等、ハンドリング性を損なう場合がある。
[発光装置]
本発明の発光装置は、本発明の蛍光体含有シリコーンシート或いは2枚のカバーシート間に挟まれた積層シートである本発明のカバーシート付シリコーンシートを用いて製作される。
発光装置は、図2に示すようなPkg型発光装置、図3に示すようなCOB型発光装置などのいずれでもよい。
図2に示すPkg型発光装置10は、パッケージ11と、該パッケージ11に実装された発光素子(LED)12とを有する。パッケージ11は、第1のリード電極13、第2のリード電極14、該リード電極13,14と一体化するように成形された樹脂成形体15を有する。樹脂成形体15は凹穴状のカップ部15aを有した環形状であり、その外周形状は略正方形状となっている。発光素子12を実装した後、カップ部15a内には熱硬化性の封止樹脂(16)が充填される。この封止樹脂は、未硬化のものをカップ部15aに充填した後、硬化させることにより形成される。
カップ部15a内において、リード電極14上にLED等の発光素子12が固着されている。発光素子12は、ワイヤボンディングによる金属細線17,18によって各リード電極13,14と接続されている。リード電極13,14の対峙縁同士の間に樹脂よりなるブリッジ部15bが充填されている。このブリッジ部15bは樹脂成形体15と一体となっている。
樹脂成形体15及び封止樹脂16の上面を覆うように接着剤層33を介して蛍光体含有シート19が設けられている。
図3に示すCOB型発光装置20は、アルミ基板21と、該アルミ基板21上に形成された絶縁膜22と、該絶縁膜22上に形成された配線23,24と、該配線23,24間の絶縁膜22上に設置された発光素子(LED)25と、該発光素子25と各配線23,24とを接続するワイヤボンディングによる金属細線26,27と、配線23,24及び発光素子25を囲む環状のスペーサ28と、該スペーサ28の内側領域に充填された封止樹脂29と、スペーサ28及び封止樹脂29の上面を粘着剤層34を介して覆うシリコーンシート30とで構成されている。
蛍光体含有シート19,30は、上記の蛍光体含有シリコーンシートであり、上面側には前記カバーシートが残置されてもよい。接着剤層33,34は、上記の粘着剤よりなる。
図2,3に示す発光装置10又は20にあっては、(A)層は蛍光体含有シート19又は30であり、(C)層は粘着剤層33又は34であり、(B)層は封止樹脂16又は29である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1,2においては、PETフィルム(図示略)上に図4の通り、
(A)層:蛍光体含有シート
(C)層:粘着剤層
(B)層:封止樹脂硬化物層
の3層を形成して積層体を製造した。
比較例1では、図5の通り、PETフィルム上に
(A)層:蛍光体含有シート
(B)層:封止樹脂硬化物層
の2層を形成して積層体を製造した。
各積層体について(A)層の接着状態を測定した。また、各積層体を用いた発光装置を製作し、発光特性を測定した。
<実施例1>
[粘着剤層付きシリコーンシート((A)層と(C)層の積層体)の製造]
ビニル基含有ポリシロキサン樹脂(モメンティブ製「TSE2571−5U」)100質量部と、黄色蛍光体(YAG、三菱化学社製BY−102D、平均粒径17μm)36.4質量部とをプラネタリミキサーで混合してシート用樹脂組成物Aを得た。
さらにシリコーン系粘着剤としてポリシロキサン樹脂(モメンティブ製「TSE200」)100質量部と、黄色蛍光体(YAG、三菱化学社製BY−102D、平均粒径17μm)36.4質量部とをプラネタリミキサーで混合して粘着剤用樹脂組成物Cを得た。
得られた各樹脂組成物を、共押し出し機にてフィーダーで供給し、口金より100℃で2種2層のシートとなるよう押し出し、2本の対向するロール温度25℃の引き取りロール間に75μmの2枚の2軸延伸PETフィルムからなるカバーシートをロールに沿うよう供給する間に引き取り、樹脂組成物A/Cが厚さ250/50μm計300μmのシートとすると同時に2枚の2軸延伸PETフィルムに積層し、4層積層シートとした。この積層シートにγ線を積算照射線量が50kGyとなるように照射してポリオルガノシロキサンを架橋させることにより、カバーシート付シリコーンシートを得た。この、カバーシート付シリコーンシートから両面のカバーシートを剥がし粘着剤層((C)層)付きシリコーンシート((A)層)を得た。
[封止樹脂硬化物層((B)層)の製造]
封止樹脂としてポリシロキサン樹脂(モメンティブ製「IVS4752」)を厚さ100μmの2軸延伸PETフィルム上に均一に流し、熱風オーブン内で、150℃120分加熱して厚さ2mmの板状の封止樹脂硬化物層((B)層)を得た。
[積層体の製造]
封止樹脂硬化物((B)層)上に粘着剤層((C)層)側が接するように粘着剤層付きシリコーンシートを被せ、熱風オーブン内で90℃2分加熱圧着して接着させシリコーンシート((A)層)/粘着剤層((C)層)/封止樹脂((B)層)からなる積層体を得た。
この積層体について、(A)層の接着性及び蛍光体の分散性を以下に示す方法で評価した。結果を表1に示す。
(接着性)
接着体を23℃雰囲気に2時間放置して調温し、蛍光体含有シリコーンシートを封止樹脂より手で剥がして接着強度および剥離状態を測定し、以下の評価基準により評価した。
○:接着強度が発現する。
×:強度がない
<実施例2>
[(A)層の製造]
ビニル基含有ポリシロキサン樹脂(モメンティブ製「TSE2571−5U」)100質量部と、黄色蛍光体(YAG、三菱化学社製BY−102D、平均粒径17μm)36.4質量部とをプラネタリミキサーで混合してシート用樹脂組成物を得た。
得られたシート用樹脂組成物を、径100mmの2本カレンダーに沿って供給された厚さ75μmの2枚の2軸延伸PETフィルムからなるカバーシートの間に投入し、室温25℃にて、ロール温度80℃でロールにバンクを形成させ、厚さ250μmのシートとすると同時に積層し、未硬化のシリコーン系3層積層シートとした。
[(C)層の製造]
シリコーン系粘着剤として熱硬化型シリコーン樹脂溶液組成物(モメンティブ製「YR3286」(不揮発性分50質量%)200質量部と黄色蛍光体(YAG、三菱化学社製BY−102D、平均粒径17μm)36.4質量部)をPEフィルム20μm/PETフィルム25μmのドライラミネートフィルムのPE側にロールコートし、熱風乾燥機にて90℃で2分乾燥して粘着層が厚さ50μmの未硬化のシリコーン粘着剤系2層積層シートを得た。
[(A)層と(C)層との貼り合せ]
未硬化のシリコーン系3層積層シートの片面のPETフィルムを剥離し、剥離したシリコーンシート面に未硬化のシリコーン粘着剤系2層積層シートのシリコーン粘着層を向けて室温25℃にてロールラミネートし、4層積層シートとした。この積層シートにγ線を積算照射線量が50kGyとなるように照射してポリオルガノシロキサンを架橋させることにより、カバーシート付シリコーンシートを得た。このカバーシート付シリコーンシートから両面のカバーシートを剥がし、シリコーンシートを得た。
[封止樹脂硬化物層((B)層)の製造]
実施例1と同様にして封止樹脂硬化物を製造した。
[積層体の製造]
以下、実施例1と同様に蛍光体含有シリコーンシート/粘着剤層/封止樹脂からなる積層体を製造した。この積層体は、実施例1の積層体に比べて気泡、たるみしわのため加工難であり、きれいに仕上がりにくいものであった。接着性及び発光性の評価結果を表1に示す。
<比較例1>
粘着剤層((C)層)を形成することなくシリコーンシート(A)層を実施例1と同様にして製造した。封止樹脂硬化物(B)層を実施例1と同様にして製造した。
封止樹脂硬化物(B)層上にシリコーンシート(A)層を被せ、熱風オーブン内で90℃2分加熱圧着して接着させシリコーンシート((A)層)/封止樹脂((B)層)からなる積層体を得た。
この積層体の接着性及び発光性の評価結果を表1に示す。
Figure 0006428095
[全光束(発光性)]
実施例1、2、及び、比較例1でPETフィルムを剥がして得られた蛍光体含有シリコーンシートに対して、LEDチップ(ピーク波長450nm)から発光させた青色光を照射することで白色光を得ることができる発光装置を作製した。その装置から発光スペクトルを積分球および分光器を用いて観測し、全光束(lumen)を計測した。
その結果、比較例1に対して、実施例1と2は全光束が約3割向上した。
[考察]
表1の通り、実施例1,2は接着性がいずれも良好であったが、比較例1は、平面性や厚さ精度、分散性が悪いためシリコーンシートとしては不適であった。また
実施例1、2は比較例1に対して発光性が良好であったが、これはシリコーン系接着剤で封止剤樹脂層に接着していることにより、封止剤樹脂層と蛍光体含有シリコーンシートの間でのLEDチップからの励起光の漏れが少なくなったことが原因の1つと考えられる。
1 カバーシート付シリコーンシート
2 シリコーンシート
3 カバーシート
10 Pkg型発光装置
11 パッケージ
12,25 発光素子(LED)
13,14 リード電極
15 樹脂成形体
16,29 封止樹脂
17,18,26,27 金属細線
19,30 シリコーンシート
20 COB型発光装置
21 アルミ基板
22 絶縁膜
23,24 配線
28 スペーサ
33,34 粘着剤層

Claims (5)

  1. (A)層:架橋基を有するオルガノシロキサン、及び、蛍光体を含有するシリコーンシートと、
    (C)層:シリコーン系粘着層
    とが付着したシートを2枚のカバーシートで挟んだ構造を有する積層シートに、放射線照射することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記オルガノシロキサンが、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンである請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記(A)層の蛍光体の含有量が、100重量部のシリコーンシートに対して0.01〜80重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の製造方法
  4. 前記(A)層の蛍光体が無機蛍光体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法
  5. 前記(A)層と(C)層共押し出し成形されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層体の製造方法
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