JP3164612B2 - シリコーン架橋フイルムの製造方法 - Google Patents

シリコーン架橋フイルムの製造方法

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武幸 恒川
喜三 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンの架橋フイ
ルムの製造方法に関し、特に厚さの小さいフイルムが連
続成形可能で、生産性に優れた方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】ポリオルガノシロキサンは、
シリコーン、シリコーンオイルなどの名称で親しまれ、
工業的には他のポリマに見られない無毒性、耐熱性、離
型性、反応性などの特異な性能を持ち、コンタクトレン
ズ材料、半導体封止材料、防水剤、シランカプリング剤
などとしてその利用価値は近年徐々に高まっている。
【0003】ポリオルガノシロキサンの内シリコーンゴ
ムといわれているものは、分子量が約40万〜70万の
粘ちょうなポリマで、ポリオルガノシロキサン中、唯一
の連続した可塑成形が可能な材料であり、可塑成形後架
橋して、電線、ホース、パッキンなどとして、電気、自
動車、医療分野で利用されている。ここでいう可塑成形
とは、押出成形、カレンダ成形といったコンパウンドか
らの一次成形のことを指す。
【0004】しかしながらポリオルガノシロキサンは、
その材料固有の性質として、成形時の未架橋状態では材
料強度が低く、可塑成形において制限を受けている現状
にある。その最も大きいところは、薄いフイルムが採取
できないことである。
【0005】例えば押出成形においては、肉厚の大きい
薄板状のもののみが製造可能であり、肉厚が0.5mm
以下といった薄いフイルム・シートは、口金直後に設け
られた引取りロールにより張力を受けて破断し、その張
力を抑えるために速度を落とせば、たるみ、あるいはそ
れによる厚さ不良、ならびに生産性を損ねる結果を招
く。また、巻き取った後に巻き出す工程においても、同
様の結果を招く。
【0006】また、引取りにおける張力に耐え得る強度
を付与するため、押出機内(口金内)あるいは押出直後
の加熱によりフイルム・シートの架橋、硬化を図ると、
押出機内での滞留時間の長い材料の過度の架橋に伴うフ
イルム外観の悪化、生産性の低下、フイルムのたるみの
発生などの弊害を生じる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解消し、薄いフイルムを生産性良く製造できる方法を提
供するものであって、ポリオルガノシロキサンを、2枚
の支持用ダミーフイルムの間に挟んだ状態でフイルム状
に成形し、次いで、得られた3層の積層フイルムに電離
性放射線を照射してポリオルガノシロキサンのフイルム
を架橋させた後、両面のダミーフイルムを剥離すること
を特徴とする。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。なお、説明
中「フイルム」とは、時にシートと称される幾分厚手の
ものも含むものである。
【0009】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンは、シロキサン骨格、すなわち、 を有し、R1 〜R4 の全てがメチル基であるポリジメチ
ルシロキサンをはじめ、メチル基の一部がビニル基、フ
エニル基、フルオロアルキル基などの一種あるいはそれ
以上と置換された各種ポリオルガノシロキサンを単独あ
るいは2種以上ブレンドしたものである。
【0010】望ましくは、後の架橋工程を考慮して、架
橋反応効率の大きいビニル基を有するポリオルガノシロ
キサンを含む系が好適である。分子量は10,000〜
700,000のものが使用でき、分類からすれば、シ
リコーンオイル、シリコーンゴムと言われているもので
ある。ここでシリコーンオイルと呼ばれる分子量の小さ
いものも使用できることは特徴的である。
【0011】材料的にはポリオルガノシロキサン単独で
もフイルム成形は可能であるが、その他に、加工特性、
製品特性を付与するために、充填剤、加硫剤、特性向上
剤、加工助剤、耐熱性向上剤、難燃剤などの各種添加剤
を加えることができる。これらは従来からシリコーンの
成形にあたり添加されているものと同様である。
【0012】望ましくは、後の架橋工程を考慮して、架
橋反応効率のよいビニル系、アリル系の多官能の架橋
(加硫)剤を含む系が好適である。ビニル系、アリル系
の架橋剤としては、ジビニルベンゼン、スチレン、ビニ
ルトルエン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレートなどが用いられる。
【0013】これらポリオルガノシロキサンの添加剤
は、予め、公知の混練装置を用いてコンパウンデイング
(均一分散)され、本用途に使用される。シリコーンコ
ンパウンドは、押出成形、カレンダ成形など可塑成形機
によってフイルムに成形される。
【0014】通常一般に使用されているポリオルガノシ
ロキサンは、その流動開始点が室温以下で、室温で流動
性を有するゴム状物質であるので、可塑成形は室温で行
うことができる。またポリオルガノシロキサンは耐熱性
が良いので、加熱下で成形することもできる。
【0015】押出成形およびカレンダ成形方法の例を以
下に説明する。押出成形においては、3層のマルチマニ
ホールドダイにより、中間層にシリコーンコンパウン
ド、両表面層にその他のプラスチックからなる支持用の
フイルム(ダミーフイルムとよぶ)を押出し、ダイ外接
着により3層積層フイルムを得る。
【0016】一般に3層の押出しフイルムを得る方法と
しては、他に、フイードブロックを使う方法、マルチマ
ニホールドダイのダイ内接着タイプを使う方法がある
が、いずれもダイ内で積層された後、拘束された空間で
の流動不安定化により厚み精度が悪くなるので好ましく
ない。押出成形機として、混練分散とポンプ機能を兼ね
備えた押出機、例えば同方向2軸押出機を利用すれば、
コンパウンデイングの工程は省略できる。
【0017】一方カレンダ成形においては、シリコーン
コンパウンドを十分に溶融させた後、2本タイプのカレ
ンダロールの各々のロールに添わせて供給されるダミー
フイルムの間に供給し、ロール接点でバンクを形成させ
ながら、シリコーンコンパウンドをフイルム化すると同
時にダミーフイルムと貼り合わせて3層積層フイルムと
する。
【0018】ここでいうダミーフイルムは、後に取り除
かれるもので、強度がありシリコーンとの接着性が低い
材料が選ばれる。これにはポリエチレンテレフタレート
などのプラスチツクフイルムが使用できる。またダミー
フイルムは、前述のように、シリコーンコンパウンドの
フイルム化の際に同時に熱可塑成形されるものであって
も良い。
【0019】このようにして得られた3層の積層フイル
ムは、電離性放射線により架橋、硬化が進められる。電
離性放射線による架橋は、フイルムにほとんど熱が加わ
らない方法であり、本用途に好適である。
【0020】通常行われている熱による架橋、硬化は、
例えば250〜300℃で数分間加熱というような過酷
な条件が必要なため、フイルムなどの形状的に強度の低
い材料に対する処理方法としては、先に述べたフイルム
の破断、たるみ、および生産性の低下を招く危険を有す
るため、適当でない。
【0021】電離性放射線は、電子線、γ線、X線が利
用できる。これらの放射線は、工業的にも広く利用され
ているものであり、容易に利用でき、またエネルギ効率
のよい方法である。電離性放射線の照射量は、1〜10
0Mradの範囲の吸収線量となるように照射され、好
適には3〜50Mradの範囲である。
【0022】この線量は、ポリオルガノシロキサンの側
鎖のアルキル基の構造や添加する架橋剤の種類、量に大
きく依存する。なお、電離性放射線による架橋は、アウ
トラインで実施することもできる。
【0023】このようにして得た3層の積層フイルムの
両外面のダミーフイルムを剥離することにより、目的と
するシリコーン架橋フイルムが得られる。剥離は、シリ
コーン架橋フイルムを巻き取る巻取機の両側に配した巻
き取り装置を用いて、ダミーフイルムを剥離しながら巻
き取る方法によって可能である。得られたシリコーン架
橋フイルムは、架橋処理により、その強度、伸び特性が
大幅に改善されていることにより、巻き取り時にかかる
張力により破断することのない材料となり、通常のプラ
スチツクフイルムと同様に巻き取ることができる。
【0024】また場合によっては、シリコーンフイルム
をダミーフイルムと積層したまま供給することもでき、
その場合ダミーフイルムは、シリコーンフイルムの無菌
状態を維持するカバーフイルムとして機能する。
【0025】本発明方法によれば、厚さが10〜500
μmといった薄いフイルム、特に50〜200μm程度
のフイルムを高速で精度良く製造することができる。以
下本製法について、例を挙げて詳述する。
【0026】
【実施例】 (実施例)TSE2571−5U(東芝シリコーン
(株)製ポリメチルビニルシロキサン、比重1.15、
充填剤としてシリカ10%添加、粘ちょうな液体)を、
径100mmの2本カレンダに沿って供給された厚さ3
8μmの2枚のポリエチレンテレフタレートフイルム
(ダミーフイルム)の間に投入し、ロール温度25℃下
でロールにバンクを形成させ、厚さ100μmのフイル
ムとすると同時に、ダミーフイルムと貼り合わせ、厚さ
176μmの3層積層フイルムを得た。
【0027】これに電子線照射装置により、加速電圧2
00kV、吸収線量10Mradの条件下で電子線を照
射して架橋させた後、得られた3層のフイルムからダミ
ーフイルムを剥がした。この時、シリコーンフイルムお
よびダミーフイルムともに変形することなく容易に剥離
することができた。
【0028】得られたシリコーン架橋フイルムは、引張
り強度110kg/cm2 、伸び360%(JIS K
6301に準じた方法による)を示した。
【0029】(比較例1)実施例に準じた方法で、ダミ
ーフイルムであるポリエチレンテレフタレートフイルム
のない状態、つまり通常のカレンダ成形にてフイルム採
取を試みたが、フイルムの強度不足による破断のため、
評価するに至らなかった。
【0030】(比較例2)実施例に準じた方法で、電子
線照射を行わない方法により、シリコーンが未架橋の積
層フイルムを採取した後、ダミーフイルムを剥がしてシ
リコーン未架橋フイルムの物性を測定しようとしたが、
ダミーフイルムへの接着力が大きくて、剥離速度1cm
/秒以下の極めて低速でのみ当該フイルムを得るに至っ
た。
【0031】得られたフイルムは、引張り強度5kg/
cm2 未満、伸び10%未満の測定検出限界以下の値
で、単独のフイルムとしては実用性のないものであっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、薄くて強度のあるシリ
コーン架橋フイルムを効率的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−24351(JP,A) 特開 昭61−167408(JP,A) 特開 昭61−284419(JP,A) 特公 昭50−24357(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08J 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオルガノシロキサンを、2枚の支持
    用ダミーフイルムの間に挟んだ状態でフイルム状に成形
    し、次いで、得られた3層の積層フイルムに電離性放射
    線を照射してポリオルガノシロキサンのフイルムを架橋
    させた後、両面のダミーフイルムを剥離することを特徴
    とするシリコーン架橋フイルムの製造方法。
JP27590191A 1991-10-24 1991-10-24 シリコーン架橋フイルムの製造方法 Ceased JP3164612B2 (ja)

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