JP6690429B2 - バリアフィルム積層体及びその製造方法、波長変換シート、バックライトユニット、並びにエレクトロルミネッセンス発光ユニット - Google Patents

バリアフィルム積層体及びその製造方法、波長変換シート、バックライトユニット、並びにエレクトロルミネッセンス発光ユニット Download PDF

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本発明は、バリアフィルム積層体及びその製造方法、波長変換シート、バックライトユニット、並びにエレクトロルミネッセンス発光ユニットに関する。
液晶ディスプレイのバックライトユニット及びエレクトロルミネッセンス発光ユニット等の発光ユニットでは、発光体が酸素又は水蒸気等と接触して長時間が経過することにより、発光体としての性能が低下することがある。このため、これらの発光ユニットではしばしば、高分子フィルムにガスバリア層が形成されたガスバリアフィルムを接着層を介して積層したバリアフィルム積層体が、発光体の保護フィルムとして使用される(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−76288号公報
ところで、上述のようなバリアフィルム積層体を大量に生産するためには、大規模な製造ラインが用いられる。製造ラインでは、例えば、ロール状のバリアフィルムから巻き出されたバリアフィルムが搬送され、搬送されたバリアフィルム上に接着剤が塗布装置によって塗布された後、別のバリアフィルムが接着剤の塗膜上に貼り合わされる。このような製造ラインでは、長時間連続での運転が行われることも多く、塗布装置には長時間運転に備えて、運転前に大量の接着剤が準備され、運転中保存されている。
一方、バリアフィルムの密着性を向上させるために、接着剤にシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を添加することがある。ところが、本発明者らは、シランカップリング剤やチタンカップリング剤を添加した接着剤を用いてバリアフィルム積層体を大量生産すると、バリアフィルム積層体にスジ状のムラが観察されることがあることを発見した。このようなバリアフィルム積層体を発光ユニットの保護フィルムとして使用すると、発光効率が低下する、ホワイトバランスが変化する、又は、発光異常(黒点若しくは光源からの青色光透過)が起こる可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シランカップリング剤を添加した接着剤を用いて大量生産する場合にも、ムラの発生を抑制することが可能なバリアフィルム積層体及びその製造方法、並びに、上記バリアフィルム積層体を用いて得られる、波長変換シート、バックライトユニット及びエレクトロルミネッセンス発光ユニットを提供することを目的とする。
本発明は、第一基材層と上記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルムと、第二基材層と上記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムと、接着層と、を備える、バリアフィルム積層体を提供する。上記バリアフィルム積層体において、上記第一バリアフィルムと上記第二バリアフィルムとが上記接着層を介して上記第一バリア層と上記第二バリア層とが対向するように貼り合わされている。
また、上記第一バリア層が第一無機薄膜層と第一ガスバリア性被覆層とを含み、上記第二バリア層が第二無機薄膜層と第二ガスバリア性被覆層とを含み、上記接着層が、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤と、を含有する接着剤から形成される。
本発明によれば、シランカップリング剤を添加した接着剤を用いてバリアフィルム積層体を大量生産する場合にも、ムラの発生を抑制することができる。また、上記バリアフィルム積層体はバリアフィルムを重ねた積層構造を有することから、発光ユニットに用いた場合に、外力による発光体層の破損を抑制することができ、且つ、ガスバリア性を向上させることができる。
本発明はまた、上記バリアフィルム積層体と、上記バリアフィルム積層体の上記第一バリアフィルム上に形成された蛍光体層と、を備える、波長変換シートを提供する。本発明はまた、光源と、導光板と、該導光板上に配置された上記波長変換シートと、を備える、バックライトユニットを提供する。本発明はまた、上記バリアフィルム積層体と、上記バリアフィルム積層体の上記第一バリアフィルム上に形成されたエレクトロルミネッセンス発光体層と、を備える、エレクトロルミネッセンス発光ユニットを提供する。
本発明はまた、第一基材層と上記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルム、及び第二基材層と上記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムを準備する工程と、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤と、を含有する接着剤を、上記第一バリアフィルムの上記第一バリア層側の面上に塗布して塗膜を形成する工程と、上記第一バリアフィルムと上記第二バリアフィルムとを上記塗膜を介して上記第一バリア層と上記第二バリア層とが対向するように貼り合わせる工程と、上記塗膜を硬化する工程と、を備える、バリアフィルム積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、シランカップリング剤を添加した接着剤を用いて大量生産する場合にも、ムラの発生を抑制することが可能なバリアフィルム積層体及びその製造方法、並びに、上記バリアフィルム積層体を用いて得られる、波長変換シート、バックライトユニット及びエレクトロルミネッセンス発光ユニットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長変換シートを用いて得られるバックライトユニットの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(バリアフィルム積層体)
図1は本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。図1において、バリアフィルム積層体10は第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bと接着層15とを備え、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとが接着層15を介して貼り合わされている。
接着層15の酸素透過率は、厚さ5μmにおいて、厚さ方向に、1000cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。上記酸素透過率は500cm/(m・day・atm)以下であることがより好ましく、100cm/(m・day・atm)以下であることがさらに好ましく、50cm/(m・day・atm)以下であることがよりさらに好ましく、10cm/(m・day・atm)以下であることが特に好ましい。接着層15の酸素透過率が、1000cm/(m・day・atm)以下であることにより、発光ユニットに用いた場合に、仮にバリア層が欠陥を有していたとしても、欠陥周辺のダークスポットの発生を抑制できる傾向がある。上記酸素透過率の下限値は特に制限されないが、例えば、0.1cm/(m・day・atm)である。
接着層15は、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤と、を含有する接着剤から形成される。熱硬化性のエポキシ樹脂とアミノ基を有する硬化剤を含有する接着剤を加熱硬化することにより、バリアフィルムを強固に接着させることができる。さらに、接着剤が官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤を含有することにより、バリアフィルムの接着がより強固になり、また、調製後長時間保存した接着剤を用いたときのバリアフィルムの密着力が安定しやすくなる傾向がある。また、アミノ基を有するシランカップリング剤がさらに2つの加水分解性官能基を有することにより、調製後長時間保存しても白濁しにくく、保存後の接着剤を用いてもバリアフィルム積層体における外観ムラ(外観不良)が発生しにくくなる。これは、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤を用いると、アミノ基及び3つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤を用いた場合と比べて、接着剤中でのシランカップリング剤同士の脱水反応が抑制され、白濁の原因となり得る高分子化が抑制されたためであると考えられる。また、高分子化が抑制されることで、バリアフィルムの密着力を維持しやすくなる傾向がある。なお、シランカップリング剤が加水分解性官能基を2つ有すると、加水分解性官能基を1つのみ有する場合と比べて、バリアフィルムの密着性が得られやすくなる。
アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤は、以下の式(1)で表される構造を有していてもよい。
Si(OR(Am)(R2−t ・・・(1)
式(1)中、ORは加水分解性官能基を示す。式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。Rがアルキル基である場合、加水分解性官能基はアルコキシ基である。R及びRの炭素数が上記範囲にあることにより、加水分解反応性が高く、バリアフィルム16a,16b間のより優れた密着性が得られる傾向がある。また、特にRについては、上記範囲内で炭素数が小さいほど加水分解反応性がより高い傾向がある。一方、Rについては、上記範囲内で炭素数が大きいほど接着層に可撓性が付与されやすくなる傾向がある。Amはアミノ基を有する有機基である。Amは、有機基Rと有機基Rに結合するアミノ基を有する基(−RNH)であってもよく、有機基Rと有機基Rに結合するアミノ基と当該アミノ基に結合する別の有機基Rとを有する基(−RNHR)であってもよく、有機基Rと有機基Rに結合するアミノ基と当該アミノ基に結合する別の有機基R及びRとを有する基(−RNR)であってもよい。有機基Rとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキレン基等が挙げられる。有機基R及びRとしては、炭素数1〜8のアルキル基及びフェニル基等が挙げられる。有機基R及びRは同一であっても異なっていてもよく、有機基R及びRが合わさって二重結合としてアミノ基と結合していてもよい。有機基R、R及びRにはさらに別のアミノ基が結合していてもよい。tは1又は2を示し、好ましくは1を示す。
アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノヘキシルメチルジメトキシシラン、及び、N−2−(アミノエチル)−3−アミノオクチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記接着剤におけるエポキシ樹脂とアミノ基を有する硬化剤との含有量比(エポキシ樹脂/硬化剤(不揮発分の質量比))は、好ましく1.0以下であり、より好ましくは0.1〜0.5であり、さらに好ましくは0.1〜0.35である。接着剤がエポキシ樹脂とアミノ基を有する硬化剤とを上記範囲内で含有することにより、バリアフィルムの密着性がさらに得られやすくなる。また、接着剤(不揮発分の全量)中のアミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤の含有量は、5〜20質量%であることが好ましく、7〜15質量%であることがより好ましい。接着剤中のシランカップリング剤の含有量が5質量%以上であることにより、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとの密着性が安定して得られやすくなる傾向がある。また、接着剤中のシランカップリング剤の含有量が20質量%以下であることにより、より良好な外観が得られる傾向がある。接着剤中におけるエポキシ樹脂とアミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤との含有量比(エポキシ樹脂/シランカップリング剤(不揮発分の質量比))は、好ましくは1.0〜20であり、より好ましくは1.2〜10であり、さらに好ましくは1.3〜5.0であり、特に好ましくは1.5〜3.0である。接着剤がエポキシ樹脂とアミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤とを上記範囲内で含有することにより、密着性に優れ、且つ、ムラの少ないバリアフィルム積層体が得られやすくなる。
接着層15の厚さは、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜6μmあることがさらに好ましい。接着層15の厚さが0.5μm以上であることにより、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとの密着性が得られやすくなり、上記厚さが50μm以下であることにより、ガスバリア性が得られやすくなる。
図1において、第一バリアフィルム16aは第一基材層11aと第一基材層11a上に形成された第一バリア層14aとを含み、第二バリアフィルム16bは第二基材層11bと第二基材層11b上に形成された第二バリア層14bとを含む。
第一基材層11a及び第二基材層11bは加工及び流通等における破損を抑制するための層である。第一基材層11aと第二基材層11bとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等のフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。第一基材層11a及び第二基材層11bは、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム又はポリオレフィンフィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルム又はポリアミドフィルムであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムであることがさらに好ましい。また、第一基材層11a及び第二基材層11bは二軸延伸されていることが好ましい。第一基材層11aと第二基材層11bは同じであっても異なっていてもよい。
第一基材層11a及び第二基材層11bの厚さは、特に制限されないが、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
第一基材層11a及び第二基材層11b上にそれぞれ第一バリア層14a及び第二バリア層14bが、必要に応じてアンカーコート層(図示しない)を介して、形成されている。アンカーコート層としてはポリエステル樹脂等が挙げられ、アンカーコート層の厚さは0.01〜1μm程度である。
第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとは第一バリア層14aと第二バリア層14bとが対向するように貼り合わされている。これにより、より優れたガスバリア性を得ることができ、また、第一バリア層14a及び第二バリア層14bを外力から保護することができ、より安定したガスバリア性を得ることができる。
第一バリアフィルム16aは第一バリア層14aを2つ以上含んでいてもよく、第二バリアフィルム16bは第二バリア層14bを2つ以上含んでいてもよい。第一バリアフィルム16aが第一バリア層14aを2つ以上備える場合、複数の第一バリア層14aの構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。上記第二バリアフィルム16bが第二バリア層14bを2つ以上備える場合、複数の第二バリア層14bの構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。上記バリアフィルム積層体10を発光ユニットに用いる場合、バリアフィルム積層体10は第一バリアフィルム16aが発光体層と接するように配置される。バリアフィルム積層体10が第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとを重ねたバリアフィルム積層体であることにより、発光ユニットに用いた場合に、外力による発光体層の破損を抑制し、且つ、ガスバリア性を向上させることができる。
第一バリア層14aは第一無機薄膜層12aと第一ガスバリア性被覆層13aとを含み、第一基材層11a上に第一無機薄膜層12aと第一ガスバリア性被覆層13aとがこの順に積層されている。第二バリア層14bは第二無機薄膜層12bと第二ガスバリア性被覆層13bとを含み、第二基材層11b上に第二無機薄膜層12bと第二ガスバリア性被覆層13bとがこの順に積層されている。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bは無機化合物を含み、金属酸化物を含むことが好ましい。上記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、イットリウム、タンタル、ケイ素、マグネシウム等の金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、安価でバリア性能に優れることから、酸化ケイ素(SiO、xは1.0〜2.0)であることが好ましい。xが1.0以上であると、良好なガスバリア性が得られやすい傾向がある。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの形成方法は真空成膜であることが好ましい。真空成膜としては、物理気相成長法及び化学気相成長法が挙げられる。物理気相成長法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。また、化学気相成長法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等が挙げられる。製造コストの観点から、第一無機薄膜層12a又は第二無機薄膜層12bは蒸着法で形成された無機蒸着膜層であることが好ましい。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さは、10〜300nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さが10nm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さが300nm以下であることにより、第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bに柔軟性を保持させることができ、成膜後に折り曲げ、引張等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bは下記式(2)で表わされる金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR(Rn−m ・・・(2)
上記式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1〜nの整数である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))、及び、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における金属アルコキシド及びその加水分解物の含有量は、例えば、10〜90質量%である。
上記組成物はさらに水酸基含有高分子化合物を含んでいてもよい。水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられる。水酸基含有高分子化合物はバリア性の観点からポリビニルアルコールであることが好ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における水酸基含有高分子化合物の含有量は、例えば、10〜90質量%である。
第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bの厚さは、50〜1000nmであることが好ましく、100〜500nmであることがより好ましい。第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bの厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
バリアフィルム積層体10は、光散乱機能を発揮させるために、第二バリアフィルム16b側の表面にさらにコーティング層(図示しない)を備えていてもよい。バリアフィルム積層体10がコーティング層を備えることにより、光散乱機能以外にも、干渉縞(モアレ)防止機能及び反射防止機能等を得ることができる。
バリアフィルム積層体10は、酸素や水蒸気等と接触することにより劣化し得る発光体の保護フィルム(発光体保護フィルム)として好適に用いることができる。上記発光体としては、量子ドット等の蛍光体、エレクトロルミネッセンス発光体等が挙げられる。
本実施形態に係るバリアフィルム積層体の製造方法について説明する。まず、第一バリアフィルム16a及び第二バリアフィルム16bが準備される。第一バリアフィルム16a及び第二バリアフィルム16bの作製方法は上述のとおりである。次に、上記接着剤が、第一バリアフィルム16aの第一バリア層14a側(又は第二バリアフィルム16bの第二バリア層14b側)の面上に塗布され、塗膜が形成される。接着剤の塗布方法としては、リバースグラビア塗工方法等が挙げられる。白濁した接着剤をこれらの塗布方法にて塗布すると、ドクタースジができやすく、スジ状の塗布抜けが発生する可能性があり、バリアフィルム間に部分的な浮きが発生し、外観不良(スジ状のムラ)となるおそれがある。上記塗膜は、必要に応じて、乾燥されてもよい。乾燥温度は70〜130℃程度であり、乾燥時間は10〜60秒間程度である。その後、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとが上記塗膜を介して第一バリア層14aと第二バリア層14bとが対向するように貼り合わせられる。貼り合わせ後、上記塗膜を加熱硬化させることにより、上記塗膜が接着層15となり、バリアフィルム積層体10を製造することができる。上記塗膜を硬化させるための加熱(エージング)温度は例えば40〜60℃であり、加熱時間は例えば1〜4日間である。本実施形態では、接着剤がアミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤を有することから、接着剤の乾燥温度によらず白濁を抑制することができ、また、バリアフィルムの安定した密着性を得ることができる。
(波長変換シート)
図2は本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。波長変換シートは液晶ディスプレイ用バックライトユニットの光源からの光の一部の波長を変換可能なシートである。図2に示すように、本実施形態の波長変換シート20は、第一保護フィルムと、上記第一保護フィルム上に形成された蛍光体層21と、上記蛍光体層21上に設けられた第二保護フィルム22と、を備えて概略構成されている。波長変換シート20は、第一保護フィルム及び第二保護フィルム22の間に、蛍光体層21が包み込まれた(すなわち、封止された)構造を有する。図2において、第一保護フィルムには、上述したバリアフィルム積層体10が用いられる。一方、第二保護フィルム22には、上述したバリアフィルム積層体10が用いられてもよく、別の保護フィルムが用いられてもよい。また、波長変換シート20は必ずしも第二保護フィルム22を備えていなくてもよい。すなわち、本実施形態の波長変換シート20は、バリアフィルム積層体10と、上記バリアフィルム積層体10の上記第一バリアフィルム16a上に形成された蛍光体層21と、を備える。
蛍光体層21は樹脂及び蛍光体を含む。蛍光体層21の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。蛍光体層21は、量子ドットからなる2種類の蛍光体を含むことが好ましい。また、蛍光体層21は、1種類の蛍光体を含む蛍光体層と別の種類の蛍光体を含む蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、バックライトユニットの光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。光源に青色発光ダイオード(青色LED)を用いる場合、各蛍光色は、赤色及び緑色である。各蛍光の波長、及び光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば、赤色で610nmであり、緑色で550nmである。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル型量子ドットが好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第一シェル及び第二シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第一シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第二シェルにはZnSが使用可能である。
蛍光体層21は、蛍光体をすべて単一の層に分散させた単層構成を有していてもよく、各蛍光体を複数の層に別々に分散させ、これらを積層させた多層構成を有していてもよい。
次に、本実施形態の波長変換シート20の製造方法について図2を参照しながら説明する。蛍光体層21の形成方法としては、特に限定されず、例えば、特表2013−544018号明細書に記載される方法が挙げられる。バインダー樹脂に蛍光体を分散させ、調製した蛍光体分散液を第一保護フィルム(バリアフィルム積層体10)の第一バリアフィルム16a側の面上に塗布した後、塗布面に第二保護フィルム22を貼り合わせ、蛍光体層21を硬化することにより、波長変換シート20を製造することができる。また反対に、第二保護フィルム22の一方の面上に上記蛍光体分散液を塗布し、塗布面にバリアフィルム積層体10を第一バリアフィルム16aが蛍光体層21と対向するように貼り合わせ、蛍光体層21を硬化することにより、波長変換シート20を製造することもできる。
[バックライトユニット]
上記波長変換シート20を用いることにより、バックライトユニットが得られる。図3は、上記波長変換シート20を用いて得られるバックライトユニットの概略断面図である。図3において、バックライトユニット30は光源32と上記波長変換シート20とを備え、上記蛍光体層21を挟んで上記光源32と反対側に上記バリアフィルム積層体10が配置される。詳細には、バックライトユニット30は、波長変換シート20の第二保護フィルム22側の表面上に導光板34及び反射板36がこの順で配置され、光源32は上記導光板34の側方(導光板34の面方向)に配置される。
導光板34及び反射板36は、光源32から照射された光を効率的に反射し、導くものであり、公知の材料が使用される。導光板34としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。光源32には、例えば、青色発光ダイオード素子が複数個設けられている。この発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、又はさらに低波長の発光ダイオードであってもよい。光源32から照射された光は、導光板34(D方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って蛍光体層21(D方向)に入射する。蛍光体層21を通過した光は、蛍光体層21を通過する前の光に蛍光体層21で発生した黄色光が混ざることで、白色光となる。
[エレクトロルミネッセンス発光ユニット]
図4は本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニット50は、エレクトロルミネッセンス発光体層56と、バリアフィルム積層体10とを備える。エレクトロルミネッセンス発光ユニット50は、例えば、透明電極層54と、該透明電極層54上に設けられたエレクトロルミネッセンス発光体層56と、該エレクトロルミネッセンス発光体層56上の設けられた誘電体層58と、該誘電体層58上に設けられた背面電極層60を含む電極要素を、第一保護フィルム及び第二保護フィルム62で挟持するとともに密封することにより得られる。上記エレクトロルミネッセンス発光ユニットにおいて、第一保護フィルムには、上述したバリアフィルム積層体10が用いられる。エレクトロルミネッセンス発光体層56は上記バリアフィルム積層体10の第一バリアフィルム16a上に形成される。
各電極層、エレクトロルミネッセンス発光体層及び誘電体層は、例えば、蒸着及びスパッタ法等により、公知の材料を用いて、形成することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[バリアフィルム積層体の作製]
(実施例1)
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、全固形分に対して5質量%となるように添加し、これらを混合することでアンカーコート層組成物を作製した。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第一基材層、厚さ:25μm)の一方の面上に、上記アンカーコート層組成物をバーコート法により塗布し、100℃1分間乾燥硬化させることにより、厚さ50nmのアンカーコート層を形成した。
電子ビーム加熱式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を1.5×10−2Paの圧力下で電子ビーム加熱によって蒸発させ、上記アンカーコート層上に厚さ30nmのSiO膜(第一無機薄膜層)を形成した。なお、蒸着における加速電圧は40kVであり、エミッション電流は0.2Aであった。
次に、テトラエトキシシラン10.4質量部と塩酸(濃度:0.1N)89.6質量部とを混合して、混合液を30分間撹拌し、テトラエトキシシランの加水分解溶液を得た。一方、ポリビニルアルコールを水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(水/イソプロピルアルコール(質量比)=90:10)中に溶解させ、3質量%のポリビニルアルコール溶液を得た。テトラエトキシシランの加水分解溶液60質量部とポリビニルアルコール溶液40質量部とを混合し、ガスバリア性被覆層組成物を得た。
第一無機薄膜層上に、上記ガスバリア性被覆層組成物を塗布、乾燥することにより、300nmの厚さを有する第一ガスバリア性被覆層を形成した。さらに、上記第一ガスバリア性被覆層上に、上記と同様にして、厚さ30nmの別の第一無機薄膜層を形成し、上記別の第一無機薄膜層上に、厚さ300nmの別の第一ガスバリア性被覆層を形成した。上記のようにして、第一基材層、アンカーコート層、第一無機薄膜層、第一ガスバリア性被覆層、第一無機薄膜層、及び第一ガスバリア性被覆層がこの順に積層されてなる第一バリアフィルムを得た。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第二基材層、厚さ:25μm)の一方の面上に、上記アンカーコート層組成物をバーコート法により塗布し、100℃1分間乾燥硬化させることにより、厚さ50nmのアンカーコート層を形成した。
電子ビーム加熱式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を1.5×10−2Paの圧力下で電子ビーム加熱によって蒸発させ、上記アンカーコート層上に厚さ30nmのSiO膜(第二無機薄膜層)を形成した。なお、蒸着における加速電圧は40kVであり、エミッション電流は0.2Aであった。
第二無機薄膜層上に、上記ガスバリア性被覆層組成物を塗布、乾燥することにより、300nmの厚さを有する第二ガスバリア性被覆層を形成した。上記のようにして、第二基材層、アンカーコート層、第二無機薄膜層、及び第二ガスバリア性被覆層がこの順に積層されてなる第二バリアフィルムを得た。
エポキシ樹脂系主剤(三菱ガス化学株式会社製、商品名:M−100)5質量部、アミン系硬化剤(三菱ガス化学株式会社製、商品名:C−93、不揮発分:65質量%)23質量部、及び、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−602)2質量部をメタノール23質量部及び酢酸エチル47質量部からなる溶媒中に溶解し、接着剤を調製した。接着剤の調製に用いたシランカップリング剤の官能基の種類、加水分解性官能基数、及び、接着剤(不揮発分の全量)中の含有量を表1に示す。
得られた第一バリアフィルムの第一ガスバリア性被覆層の表面上に、調製後6時間が経過した接着剤を、リバースグラビア装置を用いて塗布後82℃で1分間乾燥し、接着剤の塗布面と第二ガスバリア性被覆層とが対向するように第二バリアフィルムを貼り合わせ、50℃2日間エージングを行った。上記のようにして、第一バリアフィルムと第二バリアフィルムとを5μmの厚さを有する接着層を介して貼り合せ、バリアフィルム積層体を作製した。
(実施例2)
接着剤の調製において、シランカップリング剤の添加量を2質量部から3質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の調製に用いたシランカップリング剤の官能基の種類、加水分解性官能基数、及び、接着剤(不揮発分の全量)中の含有量を表1に示す。
(比較例1)
接着剤の調製において、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−602)に代えて、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−603)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の調製に用いたシランカップリング剤の官能基の種類、加水分解性官能基数、及び、接着剤(不揮発分の全量)中の含有量を表1に示す。
(比較例2)
接着剤の調製において、シランカップリング剤の添加量を2質量部から3質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の調製に用いたシランカップリング剤の官能基の種類、加水分解性官能基数、及び、接着剤(不揮発分の全量)中の含有量を表1に示す。
(比較例3)
接着剤の調製において、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−602)に代えて、シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBE−903)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の調製に用いたシランカップリング剤の官能基の種類、加水分解性官能基数、及び、接着剤(不揮発分の全量)中の含有量を表1に示す。
[接着剤の外観]
実施例及び比較例で調製した接着剤を室温で保存し、接着剤の経過時間に伴う外観の変化を目視にて下記基準に従って評価した。接着剤の外観の評価結果を表1に示す。
A:調製後6時間が経過した接着剤に白濁が観察されなかった。
B:調製後2時間が経過した接着剤に白濁が観察されなかったが、調製後6時間が経過した接着剤に白濁が観察された。
C:調製後30分が経過した接着剤に白濁が観察されなかったが、調製後2時間が経過した接着剤に白濁が観察された。
D:調製直後の接着剤に白濁が観察されなかったが、調製後30分が経過した接着剤に白濁が観察された。
[バリアフィルム積層体の外観]
実施例及び比較例で作製したバリアフィルム積層体の外観を目視にて下記基準に従って評価した。バリアフィルム積層体の外観の評価結果を表1に示す。
A:バリアフィルム積層体にムラが観察されなかった。
B:バリアフィルム間にスジ状の浮きが発生し、バリアフィルム積層体にスジ状のムラが観察された。
Figure 0006690429
実施例1〜2で調製した接着剤では、調製後6時間経過しても白濁が観察されず、これらを用いて得られたバリアフィルム積層体においても外観上の不良は観察されなかった。一方、比較例1〜3で調製した接着剤では、調製後6時間経過までに白濁が観察され、これらを用いて得られたバリアフィルム積層体においてもスジ状のムラが観察された。
[密着性]
実施例1及び比較例1で得られたバリアフィルム積層体を幅1cmの短冊状にカットし、バリアフィルム積層体の第一バリアフィルム側をガラス板上に固定した。固定された短冊状のバリアフィルム積層体の第二バリアフィルムを、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、ガラス板に対して垂直な方向に、300mm/分の速度で、第一バリアフィルムから剥離し、剥離に要した強度を測定した。上記強度は温度23℃湿度65%RHの環境下で測定した。実施例1で得られたバリアフィルム積層体では、バリアフィルムの密着性が高く、バリアフィルムが剥離する前に破断したのに対し、比較例1で得られたバリアフィルム積層体では、バリアフィルムの剥離が可能であり、剥離強度は5N/cmであった。
10…バリアフィルム積層体、11a…第一基材層、11b…第二基材層、12a…第一無機薄膜層、12b…第二無機薄膜層、13a…第一ガスバリア性被覆層、13b…第二ガスバリア性被覆層、14a…第一バリア層、14b…第二バリア層、15…接着層、16a…第一バリアフィルム、16b…第二バリアフィルム、20…波長変換シート、21…蛍光体層、22…第二保護フィルム、30…バックライトユニット、50…エレクトロルミネッセンス発光ユニット。

Claims (5)

  1. 第一基材層と前記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルムと、
    第二基材層と前記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムと、
    接着層と、
    を備え、
    前記第一バリアフィルムと前記第二バリアフィルムとが前記接着層を介して前記第一バリア層と前記第二バリア層とが対向するように貼り合わされており、
    前記第一バリア層が第一無機薄膜層と第一ガスバリア性被覆層とを含み、
    前記第二バリア層が第二無機薄膜層と第二ガスバリア性被覆層とを含み、
    前記接着層が、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤と、を含有する接着剤から形成される、バリアフィルム積層体。
  2. 請求項1に記載のバリアフィルム積層体と、前記バリアフィルム積層体の前記第一バリアフィルム上に形成された蛍光体層と、を備える、波長変換シート。
  3. 光源と、導光板と、該導光板上に配置された請求項2に記載の波長変換シートと、を備える、バックライトユニット。
  4. 請求項1に記載のバリアフィルム積層体と、前記バリアフィルム積層体の前記第一バリアフィルム上に形成されたエレクトロルミネッセンス発光体層と、を備える、エレクトロルミネッセンス発光ユニット。
  5. 第一基材層と前記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルム、及び第二基材層と前記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムを準備する工程と、
    エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、アミノ基及び2つの加水分解性官能基を有するシランカップリング剤と、を含有する接着剤を、前記第一バリアフィルムの前記第一バリア層側の面上に塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記第一バリアフィルムと前記第二バリアフィルムとを前記塗膜を介して前記第一バリア層と前記第二バリア層とが対向するように貼り合わせる工程と、
    前記塗膜を硬化する工程と、
    を備える、バリアフィルム積層体の製造方法。
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