JP7119541B2 - 蛍光体保護フィルム及び波長変換シート並びに発光ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光体保護フィルム、及びそれを用いた波長変換シート並びに発光ユニットに関する。
液晶ディスプレイは、電圧の印加により液晶の配向状態を制御し、領域ごとに光を透過または遮断することで画像等を表示する表示装置である。この液晶ディスプレイの光源としては、液晶ディスプレイの背面に設けられたバックライトが利用される。バックライトには、従来、冷陰極管が使用されているが、最近では、長寿命、発色の良さ等の理由から、冷陰極管に代えてLED(発光ダイオード)が使用されつつある。
バックライトに使用されるLEDにおいては、白色LED技術が非常に大きな重要度を占める。白色LED技術では、セリウムをドープしたYAG:Ce(イットリウム・アルミニウム・ガーネット:セリウム)下方変換用蛍光体を青色(450nm)LEDチップで励起する方法が一般的に用いられている。この場合、LEDの青色光と、YAG:Ce蛍光体から発生した波長範囲の広い黄色光とが混ざることで白色光となる。しかしながら、この白色光は幾分青味がかっていることが多く、しばしば「冷たい」とか「涼しげな」白色という印象を与える。
一方、近年、量子ドットを用いたナノサイズの蛍光体が製品化されている。量子ドットとは、発光性の半導体ナノ粒子で、直径の範囲は1~20nm程度である。量子ドットは幅広い励起スペクトルを示し量子効率が高いため、LED波長変換用蛍光体として使用することができる。さらに、ドットサイズや半導体材料の種類を変更するだけで、発光の波長を可視域全体にわたって完全に調整することができるという利点がある。そのため、量子ドットは事実上あらゆる色、特に照明業界で強く望まれている暖かい白色を作り出せる可能性を秘めているといえる。加えて、発光波長が赤、緑、青に対応する3種類のドットを組み合わせて、演色評価数の異なる白色光を得ることが可能となる。このように、量子ドットによるバックライトを用いた液晶ディスプレイでは、従来のものよりも厚みや消費電力、コスト、製造プロセスを増やすことなく、色調が向上し、人が識別できる色の多くを表現可能になる。
上述したような白色LEDを用いたバックライトは、所定の発光スペクトルを持つ蛍光体(YAG:Ce及び量子ドット等)をフィルム内に拡散させ、その表面を保護フィルムにて封止し、場合によってはエッジ部も封止した波長変換シートを、LED光源及び導光板と組み合わせた構成を備える。
保護フィルムは、プラスチックフィルム等の基材の表面に蒸着等によって薄膜を形成して、蛍光体の発光特性を劣化させる、水分や気体(例えば酸素)などの大気中の劣化因子の透過を防止するものである。例えば、特許文献1に、蛍光体の発光特性の劣化を抑制するため、蛍光体を保護フィルムで挟んだ構造を有するバックライトが提案されている。
図1の全体を示す符号10は、本発明の蛍光体保護フィルムの実施形態にも係るが、蛍光体保護フィルム(以下、適宜保護フィルム)の層構成を例示する模式断面図である。保護フィルム10は、樹脂フィルム1aの一方の面上に蒸着層1vが形成され、この蒸着層1vの上にガスバリア性被覆層1cが積層され、さらに接着層11を介して嵩増し層16、続けてコーティング層(機能層)15が積層された構成になっている。尚、本願では、蒸着層1vとガスバリア性被覆層1cを合わせてバリア層(図1は1b)、樹脂フィルム1aとバリア層1bを合わせてバリアフィルム(図1は1)と呼ぶ。尚、図1では、樹脂フィルム1a上にバリア層1bが1層形成される構成を例示しているが、バリア層は蒸着層とガスバリア性被覆層が交互に2層以上形成される場合もある。
図2の全体を示す符号100は、図1の蛍光体保護フィルムを用いて得られる、波長変換シートの層構成を例示する模式断面図である。波長変換シート100は、量子ドット等による蛍光体52が封止樹脂51に一種以上混合され封止された蛍光体層50と、蛍光体層50の両面にそれぞれ設けられた第1保護フィルム10-1)、第2保護フィルム10-2)を備えて構成されている。波長変換シート100は、例えばLEDの波長変換用として、発光ユニット(バックライトユニット)に備えることができるものである。
保護フィルム10は、ロールtoロール方式により、バリアフィルム1と嵩増し層16とを接着層11を介して貼り合わせる工程と、嵩増し層16の面上にコーティング層15を形成する工程とを経て作製される。バリアフィルム1と嵩増し層16との貼り合わせはドライラミネーションにより行われる。該ドライラミネーションでは、接着層11用の接着剤を有機溶剤で適当な粘度に希釈してバリアフィルム1に塗布しオーブン等の乾燥ゾーンで乾燥した後、嵩増し層16と加圧接着させて巻き取り、保護フィルム10のロールが作製される。
前記のように図1に示す構成の第1保護フィルム10-1)のロール、及び第2保護フィルム10-2)のロールが作製された後、さらにロールtoロール方式によって図2の波長変換シート100が製造される。まず、2つのロールを、それらのバリア層1b側の面が対向するように配置する。別途、封止樹脂51と蛍光体52と必要に応じて溶剤とを混合して混合液を調製する。次に、一方のロールのバリア層1b側の面に前記混合液を塗布し、この面と他方のロールのバリア層1b側の面とを貼り合わせる。この際、封止樹脂51が感光性樹脂である場合、紫外線の照射によって感光性樹脂を硬化(UV硬化)させる。封止樹脂51としては、感光性樹脂以外にも、熱硬化性樹脂や化学硬化性樹脂等を用いてもよい。
前記のように貼り合わせた積層体を、ディスプレイサイズに合わせて、ロールからシート状にする断裁することで、波長変換シート100が得られる。しかしながら、嵩増し層16と、バリアフィルム1のガスバリア性被覆層1cとの、接着層11を介した密着(ラミネート)強度が低いと、バリアフィルム1と嵩増し層16の層間で剥離してしまうことがある。
あるいは、高温高湿の環境下や、実環境下での使用であっても経年的に、前記のラミネート強度が低下して剥離してしまい、ガスバリア性が低下し、蛍光体の発光特性が劣化する懸念がある。
特開2011-013567号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、嵩増し層とバリアフィルムとの初期ラミネート強度が従来よりも高く、かつ高温高湿環境下にも耐え得るラミネート強度を有し、従ってバリア性が高い蛍光体保護フィルム、及びそれを用いた波長変換シート並びに発光ユニットを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、蛍光体層に含まれる蛍光体を
保護するための蛍光体保護フィルムであって、
ガスバリア性を有するバリア層と、接着層と、嵩増し層と、を内側から外側に向けてこの順序で備え、
前記バリア層は、内側から外側に向けて、樹脂フィルム上に蒸着層と、ガスバリア性被覆層との順序で構成され、
前記ガスバリア性被覆層は、水溶性高分子と、無機化合物と、イソシアヌレートシランカップリング剤(SCA)と、を含み、
前記SCAの含有量が、前記ガスバリア性被覆層の固形分比に対して3~7質量%であり、前記ガスバリア性被覆層表面の濡れ指数が、JIS K 6768に準拠する試験方法にて43dyne/cm以上である、
ことを特徴とする蛍光体保護フィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂フィルムは、厚さ9~50μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体保護フィルムとしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の蛍光体保護フィルムからなる第1保護フィルムと、
蛍光体を含む蛍光体層と、
請求項1または2に記載の蛍光体保護フィルムからなる第2保護フィルムと、
がこの順序で積層されており、
前記第1保護フィルムの前記樹脂フィルム側の面と、前記第2保護フィルムの前記樹脂フィルム側の面同士が対面するように配置されている、ことを特徴とする波長変換シートとしたものである。
請求項4に記載の発明は、光源と、導光板と、請求項3に記載の波長変換シートとを備える、ことを特徴とする発光ユニットとしたものである。
本発明によれば、嵩増し層とバリアフィルムとの初期ラミネート強度が従来よりも高く、かつ高温高湿環境下にも耐え得るラミネート強度を有し、従ってバリア性が高い蛍光体保護フィルムが得られる。従って、該蛍光体保護フィルムやそれを用いた波長変換シートを用いることで、蛍光体の発光特性の劣化が抑制される発光ユニットが得られる。
本発明の蛍光体保護フィルムの実施形態に係る、蛍光体保護フィルムの層構成を例示する模式断面図である。 図1の蛍光体保護フィルムを用いて得られる、波長変換シートの層構成を例示する模式断面図である。 図2の波長変換シートを用いて得られる、発光ユニットの構成を例示する模式断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る蛍光体保護フィルム、及び波長変換シート、並びに発光ユニットについて図面を用いて説明する。同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付ける。各図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。また、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態に限定されるものではない。
[蛍光体保護フィルム10]
本発明の蛍光体保護フィルムの層構成は、図1の蛍光体保護フィルムの層構成と外観上は同じである。すなわち、保護フィルム10は、樹脂フィルム1aの一方の面上に、蒸着層1vとその面上のガスバリア性被覆層1cからなるバリア層1bが形成され、樹脂フィルム1aとともにバリアフィルム1を成し、さらに接着層11を介して嵩増し層16、続けてコーティング層15が積層された構成になっている。ここで、バリア層1bは1層形成される構成を例示しているが、バリア層は蒸着層とガスバリア性被覆層が交互に2層以上形成されていてもよい。尚、図1ではコーティング層15を図示しているが、本発明の範囲は、コーティング層15を必須とするものではない。
(ガスバリア性被覆層1c)
ガスバリア性被覆層2cは、高いバリア性を付与するとともに、後工程での二次的な各種損傷を防止するために設けられるものである。本発明の蛍光体保護フィルム10を構成するガスバリア性被覆層1cは、水溶性高分子と、無機化合物と、イソシアヌレートシランカップリング剤(以下、適宜SCAと略記)と、を含み、SCAの含有量が、ガスバリア性被覆層1cの固形分比に対して3~7質量%であり、ガスバリア性被覆層表面の濡れ指数が、JIS K 6768に準拠する試験方法にて43dyne/cm以上である。これらの数値限定の有効性は実施例において示す。
前記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVA)を用いた場合にはガスバリア性被覆層1cのガスバリア性が最も優れるので好ましい。
上記無機化合物としては、ガスバリア性被覆層が優れたバリア性を得る観点から、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物からなる群より選択される少なくとも一種を成分として含有していることが好ましい。時に、1種以上の金属アルコキシドを加水分解して得られるものが好ましい。金属アルコキシドは、一般式、M(OR)(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、O:酸素、R:CH、C等のアルキル基)で表せる化合物である。例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O-iso-C]が、加水分解後に水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましく用いられる。
ガスバリア性被膜層1cは、水溶性高分子を水あるいは水/アルコール混合溶媒で溶解させたものに、金属アルコキシドを加水分解させた混合液を塗布、乾燥して得られることが好ましいが、前記混合溶液中に、シランカップリング剤を添加することにより、バリアフィルム1のバリア性の劣化を防止する効果がある。シランカップリング剤の有機官能基としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、イソシアネート基を持つものを選択すると、官能基が疎水性であるためバリア性は向上する。
本発明の蛍光体保護フィルム10を構成するガスバリア性被覆層1cでは、シランカップリング剤の有機官能基をイソシアネートの三量体であるイソシアヌレートとし、SCAの含有量をガスバリア性被覆層1cの固形分比に対して好適な範囲(3~7質量%)とすることにより、嵩増し層との初期ラミネート強度が従来よりも高く、かつ高温高湿環境下にも耐え得るラミネート強度を有する蛍光体保護フィルムが得られる。
前記イソシアヌレートシランカップリング剤(SCA)とは、下記式(1)で表わされる三量体1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートであり、これは、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランの縮合体である。
(NCO-RSi(OR・・・(1)
(但し、式(1)中Rは(CH)n、nは1以上。
はCH,C,またはCOCH
前記1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、イソシアヌレート部には化学的反応性はないけれども、ヌレート部の極性により反応と同様の性能を示すことが知られている。一般的には、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランと同様に接着剤などに添加され、接着性向上剤として知られる。よって、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートをシランカップリング剤とすることにより、水素結合に基づき蛍光体保護フィルムが水により膨潤することを防ぎ、耐水性を向上させることができる。また、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランは、反応性が高く液安定性が低いのに対し、ヌレート部はその極性により水溶性ではないが、水系液中に分散しやすく、液粘度を安定に保つことができ、その耐水性性能は3-イソシアネートアルキルアルコキシシランと同等である。
1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3-イソシアネートプロピルアルコキシシランの熱縮合により製造されるものもあり、原料の3-イソシアネートプロピルアルコキシシランが含まれる場合もあるが、特に問題はない。さらに好ましくは、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートであり、さらに好ましくは、下記構造式(1)に示す1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである。メトキシ基は、加水分解速度が早く、また、プロピル基を含むものは比較的安価に入手し得ることから、下記構造式(1)で表される化合物は実用上有利である。
Figure 0007119541000001
ガスバリア性被覆層1cの膜厚は50~1000nmの範囲内とすることが好ましく、100~500nmの範囲内とすることがより好ましい。膜厚が50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、薄膜により、十分なフレキシビリティを保持できる傾向がある。尚、ガスバリア性被覆層が蒸着層と交互に2層以上ある場合は、各ガスバリア性被覆層の厚さは同一であっても異なっていてもよい。
以下、本発明の蛍光体保護フィルムを構成する、その他の要因について説明する。
(樹脂フィルム1a)
樹脂フィルム1aとしては、特に限定されるものではないが、全光線透過率が85%以上のフィルムが望ましい。例えば透明性が高く、耐熱性に優れたフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。樹脂フィルム1aの厚さはそれぞれ9~50μmであり、好ましくは12~30μmである。樹脂フィルム1aの厚さがそれぞれ9μm以上であれば、強度を十分に確保することができ、他方、50μm以下であれば、長いロール(バリアフィルム1のロール)を効率的且つ経済的に製造することができる。
(蒸着層1v)
蒸着層1vは、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物を樹脂フィルム1aに蒸着させることによって形成することができる。これら無機材料の中でも、バリア性、生産性の観点から、酸化アルミニウムまたは酸化珪素を用いることが望ましい。蒸着層は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD等の手法により形成される。
蒸着層1vの膜厚は5~500nmの範囲内とすることが好ましく、9~50nmの範囲内とすることがより好ましい。膜厚が5nm以上であると、均一な膜を形成しやすく、
ガスバリア材としての機能をより十分に果たすことができる傾向がある。一方、膜厚が500nm以下であると、薄膜により十分なフレキシビリティを保持させることができ、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じることをより確実に防ぐことができる傾向がある。9~50nmの範囲内とすることで、それらの特性はより確実なものとなる。
(接着層11)
接着層11は、図1に示すように、嵩増し層16とバリアフィルム1(より具体的にはガスバリア性被覆層1c)とを貼り合わせて積層するために、これら両者の間に設けられる。接着層11を構成する接着剤または粘着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。特にアクリル系粘着剤は透明性が高く、耐熱性にも優れることから好ましい。接着層11の厚さは、0.5~50μmであることが好ましく、1~20μmであることがより好ましく、2~6μmあることがさらに好ましい。接着層11の厚さが0.5μm以上であることにより、嵩増し層16とバリアフィルム1との密着性が得られやすくなり、50μm以下であることにより、より優れたガスバリア性が得られやすくなる。
(嵩増し層16)
最外層をなすコーティング層15と、バリアフィルム1との間に嵩増し層16が介在していることで以下の効果が奏される。すなわち、バリアフィルム1に性能上問題とならない程度の小さな異物(例えば蒸着粉)が存在していても、蛍光体保護フィルム10を用いてディスプレイを組み立て、コーティング層15の側(外側)から表示上の欠陥の有無を観察したとき、バリアフィルム1における異物が欠陥として視認されにくいという効果が奏される。また、嵩増し層をバリアフィルム1に貼り合わせることで、保護フィルム10の製造工程において生じるシワやカールを低減することができる。
嵩増し層16用のフィルムとしては、特に限定されるものではないが、全光線透過率が85%以上のフィルムが望ましい。例えば透明性が高く、耐熱性に優れたフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。嵩増し層16の厚さは例えば10~250μmであり、好ましくは25~240μmであり、より好ましくは40~210μmであり、さらには55~200μmである。嵩増し層16の厚さが10μm以上であることにより、バリアフィルム1における異物をコーティング層15側から視認しにくくすることができ、250μm以下であることにより、波長変換シート100の総厚が過剰に厚くなることを抑制しやすい。
(機能層15)
コーティング層(機能層)15は、バインダー樹脂と微粒子とを含んで構成されている。微粒子の一部がコーティング層15の表面から露出するようにバインダー樹脂中に埋め込まれるように構成されている。コーティング層15が上記構成を備えることにより、コーティング層15の表面には露出した微粒子による微細な凹凸が生じることになる。このようにコーティング層15を保護フィルム10の表面、すなわち、波長変換シート100(図2)の表面に設けることにより、光散乱機能を発現することができる。光散乱機能を有するコーティング層15と嵩増し用樹脂フィルム16aとを併用することで、これらの相乗効果によってバリアフィルム1における異物をより一層見えにくくすることができる。
コーティング層15の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは0.2μm以上であることが好ましい。上記表面粗さRaが0.2μm以上であることにより、例えば、バックライトユ
ニットを構成する際にプリズムシート等の他の部材と接触した場合、平滑なフィルム同士が密着することによる干渉縞が発生することを抑制することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び紫外線硬化性樹脂等を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、アセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、フッ素樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。上記セルロース誘導体としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース及びメチルセルロース等が挙げられる。上記ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル重合体及び共重合体、塩化ビニル重合体及び共重合体、並びに、塩化ビニリデン重合体及び共重合体等が挙げられる。上記アセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。上記アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル系重合体及び共重合体、並びにメタアクリル系重合体及び共重合体等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等の光重合性プレポリマーが挙げられる。また、上記光重合性プレポリマーを主成分とし、希釈剤として単官能または多官能のモノマーを使用することもできる。
コーティング層15において微粒子の露出部分を除いたバインダー樹脂層の厚さは、0.1~20μmであることが好ましく、0.3~10μmであることがより好ましい。バインダー樹脂層の膜厚が0.1μm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、必要な光学的機能を得られる傾向がある。一方、膜厚が20μm以下であることにより、コーティング層15の表面へ微粒子が表出して、凹凸付与効果が得られやすくなる傾向がある。また、透明性を維持し薄膜化のトレンドにも合わせることができる。
微粒子としては、有機粒子または無機粒子を使用することができる。これらのうち、いずれか一種類のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
有機粒子としては、球状アクリル樹脂微粉末、ナイロン樹脂微粉末、四フッ化エチレン樹脂微粉末、架橋ポリスチレン樹脂微粉末、ポリウレタン樹脂微粉末、ポリエチレン樹脂微粉末、ベンゾグアナミン樹脂微粉末、シリコーン樹脂微粉末、エポキシ樹脂微粉末やポリエチレンワックス粒子、及びポリプロピレンワックス粒子等が挙げられる。無機粒子としては、シリカ粒子、ジルコニア粒子、硫酸バリウム粒子、酸化チタン粒子、及び酸化バリウム粒子等が挙げられる。特に、LEDバックライトユニットに使用される導光板を傷つけることを抑制できる傾向から有機粒子が好ましく、ポリプロピレン樹脂粒子またはウレタン樹脂粒子であることがより好ましい。
微粒子の平均一次粒径(以下、平均粒径)は、0.5~20μmであることが好ましい。ここでは、平均粒径とはレーザー回折法により測定した、体積平均径である。微粒子の平均粒径が0.5μm以上であることにより、コーティング層15の表面に凹凸を効果的に付与することができる傾向がある。一方、微粒子の平均粒径が20μm以下であることにより、バインダー樹脂層の厚さを大きく超える粒子を使用することなく、光線透過率を高く維持することができる。コーティング層15は、バインダー樹脂100質量部に対して、微粒子を0.1~50質量部含むことが好ましく、2~20質量部含むことがより好ましい。コーティング層15が微粒子を0.1~50質量部含むことにより、塗膜の密着性を維持することができる。
コーティング層15は、光散乱機能を発揮する一層構造に限定されるものではなく、光散乱機能以外にも、干渉縞防止機能、反射防止機能、光散乱機能、帯電防止機能及び傷つけ防止機能からなる群から選ばれる少なくとも一種の機能を有する層の積層体であってもよい。
以下、本発明の蛍光体保護フィルムを用いた波長変換シート、及び発光ユニットについて説明する。
[波長変換シート]
本発明の波長変換シートの構成は、図2の波長変換シートの構成と外観上は同じである。すなわち、波長変換シート100は、量子ドット等による蛍光体52が封止樹脂51に一種以上混合され封止された蛍光体層50と、蛍光体層50の両面にそれぞれ設けられた本発明の第1保護フィルム10-1)、第2保護フィルム10-2)を備えて構成されている。
図2の実施形態においては、第1保護フィルム10-1)、第2保護フィルム10-2)ともに、樹脂フィルム1a上にバリア層1bが1層形成される構成を例示しているが、より優れたガスバリア性を達成する観点から、少なくとも第1保護フィルム10-1)のバリア層1bは蒸着層とガスバリア性被覆層が交互に2層以上形成した構成であってもよい。また、第1保護フィルム10-1)と第2保護フィルム10-2)の、視認側となる少なくとも一方がコーティング層15を有する構成であってもよい。
第1保護フィルム10-1)、第2保護フィルム10-2)のそれぞれの樹脂フィルム1aの厚さは、9~50μmの範囲内である限り、同一であっても異なっていてもよい。また、図2に示した波長変換シート100において、蛍光体層50の両端面(保護フィルムで被覆されていない図中の左右の端面)が封止樹脂で封止されていてもよく、蛍光体50全体が封止樹脂で覆われていてもよい。
第1保護フィルム10-1)と第2保護フィルム10-2)の少なくとも一方で、バリア層が2層以上形成され、樹脂フィルム1aも2層以上形成される場合、蛍光体層50に近い側の樹脂フィルムの厚さを、蛍光体層50から遠い側の樹脂フィルムよりも薄くしてもよい。水分及び気体は、波長変換シート100の表面から透過するため、蛍光体層50から遠い側の樹脂フィルムの厚さを相対的に厚くして表面からの水分や酸素の透過を防ぎつつ、蛍光体層50に近い側の樹脂フィルムの厚さを相対的に薄くして波長変換シート100全体の厚さを薄くすることができる。また、水分及び酸素の透過は、バリアフィルム1の表面からだけでなく、端面からも生じるため、蛍光体層50に近い側の樹脂フィルムの厚さが薄い方が端面からの水分や酸素の侵入を抑制することができる。
(蛍光体層)
蛍光体層50は、厚さ数十~数百μmの薄膜であり、図1に示すように封止樹脂51と蛍光体52とを含む。蛍光体層50の内部には、蛍光体52が一種以上混合された状態で封止されている。封止樹脂51は、蛍光体層50と一対の保護フィルム10-1),10-2)とを積層する際に、これらを接合するとともに、これらの空隙を埋める役割を果たす。蛍光体層50は、一種類の蛍光体52のみが封止された蛍光体層が二層以上積層されたものであってもよい。それら一層または二層以上の蛍光体層に用いられる二種類以上の蛍光体52は、励起波長が同一のものが選択される。この励起波長は、光源L(図3参照
)が照射する光の波長に基づいて選択され、二種類以上の蛍光体52の蛍光色は相互に異なる。使用する蛍光体52が二種類の場合、各蛍光色は、好ましくは、赤色、緑色である。各蛍光の波長、及び光源Lが照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば赤色が610nm、緑色が550nmである。
封止樹脂51としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び紫外線硬化型樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルとその共重合体、塩化ビニルとその共重合体、及び塩化ビニリデンとその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;アクリル樹脂とその共重合体、メタアクリル樹脂とその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;フッ素樹脂;並びに、ポリカーボネート樹脂等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、及びポリエステルアクリレート等の光重合性プレポリマーが挙げられる。また、これら光重合性プレポリマーを主成分とし、希釈剤として単官能や多官能のモノマーを使用することもできる。
蛍光体52としては、量子ドットが好ましく用いられる。量子ドットとしては、例えば、発光部としてのコアが保護膜としてのシェルにより被膜されたものが挙げられる。コアとしては、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)等が挙げられ、シェルとしては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)等が挙げられる。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子効率が向上する。また、蛍光体52は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCsSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用できる。また、量子ドット以外の蛍光体52として、YAG:Ce等を用いることもできる。
蛍光体52の平均粒子径は、好ましくは1~20nmである。蛍光体層50の厚さは、好ましくは1~500μmである。蛍光体層50における蛍光体52の含有量は、蛍光体層50全量を基準として、1~20質量%であることが好ましく、3~10質量%であることがより好ましい。
[発光ユニット]
図3は、図2の波長変換シートを用いて得られる、発光ユニット(バックライトユニット)の構成を例示する模式断面図である。同図に示す発光ユニット500は、光源Lと、導光板Gと、波長変換シート100とを備える。詳細には、発光ユニット500は、一方の保護フィルム10側の表面上に導光板G及び反射板Rがこの順で配置され、光源Lは導光板Gの側方に配置される。導光板Gの厚さは、例えば、100~1000μmである。
導光板G及び反射板Rは、光源Lから照射された光を効率的に反射し、蛍光体層50へ導くものである。導光板Gとしては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。光源Lには、例えば、青色発光ダイオード素子が複
数個設けられている。この発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、またはさらに低波長の発光ダイオードであってもよい。光源Lから照射された光は、導光板G(D1方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って蛍光体層50(D2方向)に入射する。
蛍光体層50を通過した光は、例えば蛍光体層50を通過する前の光に蛍光体層50で発生した黄色光(赤色光と緑色光の混合光の場合も含む)が混ざることで、白色光となる。蛍光体層50は、酸素または水蒸気等と接触して長時間が経過することにより性能が低下することがあるので、図2に示すように、一対の保護フィルム10によって保護されている。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示す形態でコーティング層15を省略した、実施例1~3、比較例1~3の評価用蛍光体保護フィルムを作製した。実施例1~3、比較例1~3で形成したガスバリア性被覆層1cではいずれも、水溶性高分子としてはポリビニルアルコール(PVA)、金属アルコキシドとしてはテトラエトキシシラン(TEOS)を用い、イソシアヌレートシランカップリング剤(SCA)を添加した。実施例1~3、比較例1~3で変化させたパラメータは、(PVA+TEOS)/SCAの固形分比のみである。
その他、各評価用蛍光体保護フィルムで共通して以下の材料を使用した。
・樹脂フィルム1・・・PET(厚さ12μm)
・接着層11・・・・・OC-3405(サイデン化学製)、K341(サイデン化学製)、トルエン
配合比:OC-3405/K341/トルエン=33.2/0.5/66.3
・嵩増し層16・・・PET(南亜製BH116#50)
PVA、TEOS、イソシアヌレートシランカップリング剤(SCA)についても、共通した材料を使用した。
実施例1~3、比較例1~3の評価用蛍光体保護フィルムの作製工程は共通であり、次のようである。まず、樹脂フィルム1aとしての厚さ12μmのPETフィルムの片面に、アクリル樹脂塗液を塗布乾燥させてアンカーコート層を形成し、アンカーコート層上に蒸着層1vとして酸化珪素を真空蒸着法により厚さ30nmで設けた。
次に、蒸着層1v上に厚さ300nmのガスバリア性被覆層1cを形成した。ガスバリア性被覆層1cは、PVAとTEOSとを含む混合液に、それぞれ後述の表1に示す割合でSCAを添加して塗液とし、該塗液をウエットコーティング法により塗工することによって形成した。これにより、樹脂フィルム1aの一方の面上に蒸着層1v及びガスバリア性被覆層1cからなるバリア層1bを有するバリアフィルム1が得られた。
さらに、接着層11(5μm厚)をワイヤーバー#14でバリアフィルム1に塗布し、80°/分の条件で乾燥させ、ドライラミネートにより、バリアフィルム1と嵩増し層16との貼り合わせを行った。ドライラミネート条件は、温度40℃、ラミネート速度1m/分、エアー圧力0.5MPaとした。
<濡れ性評価方法>
ラミネート強度が高くなるためには、ガスバリア性被覆層1cの表面は濡れ性が高く、接着層11の塗工性が良好であることが好ましい。濡れ性の評価は、JIS K 6768に準拠する試験方法で濡れ指数を測定することで行った。濡れ指数の測定は、市販の濡れ張力試験用混合液を用いて行った。
<ラミネート強度(密着性)の評価方法>
各評価用蛍光体保護フィルムから25mm幅の試験片を切り出し、カッターでバリアフィルムと嵩増し層16の端部を剥がし、500mm/分の速度で90°の角度方向に剥離するときの強度をラミネート強度(N/mm)として測定し、密着性を評価した。測定は島津製作所社製万能引張試験装置を用いた。
<評価結果>
表1に、各評価用蛍光体保護フィルムの、ガスバリア性被覆層に含有するSCAの固形分比(質量%)と、濡れ性、ラミネート強度(密着性)の測定・評価結果を示す。尚、濡れ性は濡れ指数が43dyne/cm以上(未満)であるときに○(×)、ラミネート強度は3.0(N/mm)以上(未満)であるときに○(×)と判定した。
Figure 0007119541000002
表1から次のことが分かる。比較例2、3は、SCA固形分比が各々10、13質量%と高すぎるため、濡れ指数が低くなり、ラミネート強度が初期で既に不足している。比較例1は、SCAを含まないため濡れ性が高く、初期のラミネート強度も高いが、高温高湿環境下(65℃95%RH、500時間)でラミネート強度は3.0(N/mm)未満となり、密着性が不足している。これに対し、SCAの含有量が3~7質量%である本発明の蛍光体保護フィルム(実施例1~3)は、初期、高温高湿環境下ともにラミネート強度が高く、密着性が維持されている。
10・・・・・・蛍光体保護フィルム
10-1)・・・第1保護フィルム
10-2)・・・第2保護フィルム
1・・・・・・バリアフィルム
1a・・・・・樹脂フィルム
1b・・・・・バリア層
1c・・・・・ガスバリア性被覆層
1v・・・・・蒸着層
11・・・・・接着層
15・・・・・コーティング層(機能層)
16・・・・・嵩増し層
100・・・・・波長変換シート
50・・・・・蛍光体層
51・・・・・封止樹脂
52・・・・・蛍光体
500・・・・・発光ユニット
L・・・・・光源
G・・・・・導光板
R・・・・・反射板

Claims (4)

  1. 蛍光体層に含まれる蛍光体を保護するための蛍光体保護フィルムであって、
    ガスバリア性を有するバリア層と、接着層と、嵩増し層と、を内側から外側に向けてこの順序で備え、
    前記バリア層は、内側から外側に向けて、樹脂フィルム上に蒸着層と、ガスバリア性被覆層との順序で構成され、
    前記ガスバリア性被覆層は、水溶性高分子と、無機化合物と、イソシアヌレートシランカップリング剤(SCA)と、を含み、
    前記SCAの含有量が、前記ガスバリア性被覆層の固形分比に対して3~7質量%であり、前記ガスバリア性被覆層表面の濡れ指数が、JIS K 6768に準拠する試験方法にて43dyne/cm以上である、
    ことを特徴とする蛍光体保護フィルム。
  2. 前記樹脂フィルムは、厚さ9~50μmである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体保護フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の蛍光体保護フィルムからなる第1保護フィルムと、
    蛍光体を含む蛍光体層と、
    請求項1または2に記載の蛍光体保護フィルムからなる第2保護フィルムと、
    がこの順序で積層されており、
    前記第1保護フィルムの前記樹脂フィルム側の面と、前記第2保護フィルムの前記樹脂フィルム側の面同士が対面するように配置されている、
    ことを特徴とする波長変換シート。
  4. 光源と、導光板と、請求項3に記載の波長変換シートとを備える、ことを特徴とする発光ユニット。
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