JPWO2017030187A1 - インスタント発酵茶飲料用組成物及びその製造方法 - Google Patents

インスタント発酵茶飲料用組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、可溶性発酵茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を含有する、液体と混合して発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物を提供する。本発明はまた、原料として、可溶性紅茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種とを用い、液体と混合してバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が40質量ppm以下である発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物を製造する方法も提供する。

Description

本発明は、紅茶や烏龍茶のような発酵茶において、茶葉から淹れた茶飲料のような良好な呈味に近づくように改善されたインスタント発酵茶飲料用組成物、当該インスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法、及び発酵茶飲料添加用組成物に関する。
本願は、2015年8月20日に日本国に出願された特願2015−162692号に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
紅茶の嗜好性は、主に、香り、味、色によって評価される。好ましい紅茶の味としては、紅茶らしい渋味(いわゆるパンジェンシー)があることに加えて、味に厚みと広がりがあり、飲み応えのあることが挙げられる。特に、無糖のストレート紅茶飲料では、芳醇でふくよかな味でかつボディ感(コクのある味)のあるものが好まれる。
インスタント紅茶飲料用組成物は、紅茶の茶葉の抽出液を乾燥又は濃縮させたものであり、水等の液体に溶解又は希釈させるだけで、簡便に紅茶飲料を調製できるものである。インスタント紅茶飲料用組成物は、自宅でも簡単に紅茶を楽しめる手軽さから、近年、消費が伸びている。しかし、インスタント紅茶飲料用組成物は、茶葉の抽出液の乾燥又は濃縮工程により、香気成分等が揮発してしまったり、呈味成分が変性してしまうため、インスタント紅茶飲料用組成物から調製されたインスタント紅茶は、茶葉から淹れ立ての紅茶に比べて、紅茶らしい香りや味が劣るという問題がある。紅茶と同じ発酵茶である烏龍茶においても同様に、烏龍茶の茶葉の抽出液を乾燥又は濃縮させたインスタント烏龍茶飲料用組成物は、より手軽に烏龍茶を楽しめるという利点があるが、茶葉から淹れ立ての烏龍茶に比べて香りや味が劣るという問題がある。
インスタント紅茶飲料の香りを強化する方法としては、例えば、特許文献1に、粉末状のインスタント紅茶飲料用組成物に、デキストリン等の食用固体担体に包接固定化したフェニルアセトアルデヒドを混合させることにより、当該組成物から調製されるインスタント紅茶飲料の香りの高いインスタント紅茶飲料が調製できることが記載されている。
また、インスタント紅茶飲料用組成物に、紅茶特有の香り以外の強い特徴的な香気成分を添加することにより、いわゆるフレーバー紅茶を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物とすることもできる。例えば、粉末状のインスタント紅茶飲料用組成物に充分量のバニラ香料粉末を混合させたインスタント紅茶飲料用組成物にお湯を注ぐことにより、甘いバニラの香りが特徴的なバニラフレーバーティーを調製できる。
特開昭63−24851号公報
本発明は、インスタント紅茶飲料又はインスタント烏龍茶飲料であるにもかかわらず、芳醇でふくよかな味でボディ感に優れた紅茶飲料又は烏龍茶飲料を手軽に調製することができるインスタント発酵茶飲料用組成物、当該インスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法、及び発酵茶飲料添加用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、インスタント紅茶飲料用組成物又はインスタント烏龍茶飲料用組成物に、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種の香気成分を含有させることにより、当該インスタント紅茶飲料用組成物等を液体と混合して得られる紅茶飲料等の味の厚みと広がりを向上させられることを見出し、本発明を完成させた。
[1]本発明の第一の態様に係るインスタント発酵茶飲料用組成物は、液体と混合して発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物であって、可溶性発酵茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を含有することを特徴とする。
[2]前記[1]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、インスタント発酵茶飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜40質量ppmになる量であることが好ましい。
[3]前記[1]又は[2]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、さらに、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
[4]前記[3]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が可溶性紅茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント紅茶飲料用組成物であり、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.1〜25質量ppmになる量であることが好ましい。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかのインスタント発酵茶飲料用組成物としては、前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が可溶性紅茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント紅茶飲料用組成物であり、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.1〜40質量ppmになる量であることが好ましい。
[6]前記[4]又は[5]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートの合計濃度が250質量ppm以下になる量であることが好ましい。
[7]前記[4]〜[6]のいずれかのインスタント発酵茶飲料用組成物としては、バニリンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリンの濃度が0.05〜20質量ppmになる量である、エチルバニリンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が0.05〜10質量ppmになる量である、又は、ヘリオトロピンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が0.1〜40質量ppmになる量であることが好ましい。
[8]前記[1]〜[3]のいずれかのインスタント発酵茶飲料用組成物としては、前記発酵茶飲料が烏龍茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が前記可溶性烏龍茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント烏龍茶飲料用組成物であることが好ましい。
[9]前記[8]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜15質量ppmになる量であることが好ましい。
[10]前記[8]又は[9]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、バニリンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリンの濃度が0.005〜7.5質量ppmになる量である、エチルバニリンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が0.005〜3質量ppmになる量である、又は、ヘリオトロピンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が0.01〜15質量ppmになる量であることが好ましい。
[11]前記[1]〜[10]のインスタント発酵茶飲料用組成物としては、さらに、デキストリンを含有することが好ましい。
[12]本発明の第二の態様に係るインスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法は、原料として、可溶性紅茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を用い、液体と混合してバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が40質量ppm以下である発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物を製造することを特徴とする。
[13]前記[12]のインスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法としては、前記発酵茶飲料が、紅茶飲料又は烏龍茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が、可溶性紅茶固形分又は可溶性烏龍茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物が、インスタント紅茶飲料用組成物又はインスタント烏龍茶飲料用組成物であることが好ましい。
[14]本発明の第三の態様に係る発酵茶飲料添加用組成物は、発酵茶飲料に添加される粉末状組成物であって、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする。
[15]前記[14]の発酵茶飲料添加用組成物としては、さらに、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
[16]前記[14]又は[15]の発酵茶飲料添加用組成物としては、前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記発酵茶飲料添加用組成物が紅茶飲料添加用組成物であり、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記紅茶飲料添加用組成物を混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.05〜40質量ppmになる量であることが好ましい。
[17]前記[14]又は[15]の発酵茶飲料添加用組成物としては、前記発酵茶飲料が烏龍茶飲料であり、前記発酵茶飲料添加用組成物が烏龍茶飲料添加用組成物であり、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記烏龍茶飲料添加用組成物を混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜15質量ppmになる量であることが好ましい。
[18]本発明の第四の態様に係る紅茶飲料は、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.05〜40質量ppmであることを特徴とする。
[19]本発明の第五の態様に係る烏龍茶飲料は、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.005〜15質量ppmであることを特徴とする。
[20]本発明の第六の態様に係る紅茶飲料の製造方法は、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.05〜40質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることを特徴とする。
[21]本発明の第七の態様に係る烏龍茶飲料の製造方法は、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.005〜15質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることを特徴とする。
本発明の第一の態様に係るインスタント発酵茶飲料用組成物を水等の液体に混合するだけで、芳醇でふくよかな味でボディ感に優れた紅茶飲料や烏龍茶飲料のような発酵茶飲料を、簡便に調製することができる。
また、本発明の第二の態様に係るインスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法によって、前記インスタント発酵茶飲料用組成物を製造することができる。
さらに、本発明の第三の態様に係る発酵茶飲料添加用組成物を用いることによっても、芳醇でふくよかな味でボディ感に優れた紅茶飲料や烏龍茶飲料のような発酵茶飲料を製造することができる。
本発明及び本願明細書において、「発酵茶」とは、茶葉のタンニンを酸化させた茶を意味し、紅茶、烏龍茶、プーアール茶等が挙げられる。本発明及び本願明細書において、「インスタント発酵茶飲料用組成物」とは、水や牛乳等の液体に溶解、希釈、又は分散させることによって、発酵茶飲料を調製し得る組成物を意味する。このうち、「インスタント紅茶飲料用組成物」とは、水や牛乳等の液体に溶解、希釈、又は分散させることによって、紅茶飲料を調製し得る組成物を意味し、「インスタント烏龍茶飲料用組成物」とは、水や牛乳等の液体に溶解、希釈、又は分散させることによって、烏龍茶飲料を調製し得る組成物を意味する。本発明に係るインスタント発酵茶飲料用組成物(以下、単に「本発明に係る飲料用組成物」ということがある。)は、粉末や顆粒等の固形物であってもよく、液体であってもよいが、より安定的に長期保存が可能であるため、固形物であることが好ましい。
本発明及び本願明細書において、「粉末」とは粉粒体(異なる大きさの分布をもつ多くの固体粒子からなり,個々の粒子間に,何らかの相互作用が働いているもの)を意味する。また、「顆粒」は粉末から造粒された粒子(顆粒状造粒物)の集合体である。粉末には、顆粒も含まれる。
<飲料用組成物及びその製造方法>
本発明に係るインスタント発酵茶飲料用組成物は、液体と混合して発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物であって、可溶性発酵茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を含有する。このうち、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物は、可溶性紅茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を含有し、液体と混合して紅茶飲料を調製するものである。本発明に係るインスタント烏龍茶飲料用組成物は、可溶性烏龍茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を含有し、液体と混合して烏龍茶飲料を調製するものである。
バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンは、いずれもバニラのような甘い香りがする香気成分である。以下、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンをあわせて、「バニラ香気成分」ということがある。バニラ香気成分は、紅茶や烏龍茶等の香気成分ではなく、一般的な紅茶飲料や烏龍茶飲料等の発酵茶飲料には通常含まれていない。インスタント紅茶飲料用組成物から調製される紅茶飲料(インスタント紅茶飲料)は、紅茶の茶葉から淹れられた紅茶飲料に比べて、味が単調で飲み応えが乏しい。しかし、インスタント紅茶飲料用組成物に、バニラ香気成分を、バニラの香りがいわゆるストレート紅茶として違和感のない程度の量となる範囲内で添加することにより、当該組成物から調製されたインスタント紅茶飲料の味の厚みと広がりが増し、飲み応え(芳醇かつふくよかでボディ感のある味。一般的に、メロウやボディ感として評価されるもの)が改善される。つまり、バニラ香気成分は、紅茶飲料に飲み応えを底上げすることができ(飲み応え改善効果)、本発明に係る飲料用組成物から、インスタント紅茶飲料でありながら、芳醇でふくよかな味でボディ感に優れた紅茶飲料を調製することができる。烏龍茶をはじめとする紅茶以外の発酵茶においても同様に、インスタント発酵茶飲料用組成物に、バニラ香気成分を、バニラの香りがいわゆるストレート発酵茶(又は烏龍茶)として違和感のない程度の量となる範囲内で添加することにより、当該組成物から、バニラ香気成分を添加していないものよりも飲み応えが改善された発酵茶飲料を得ることができる。
本発明に係る飲料用組成物からは、バニラフレーバーティーを調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物は除かれる。このため、本発明に係る飲料用組成物のバニラ香気成分の含有量は、バニラの香りによって紅茶としての違和感が生じない量に調整される。「バニラの香りによって紅茶としての違和感が生じない」とは、明らかにバニラの香りがするとは認識できないことを意味し、バニラとは認識できない程度のほのかな甘い香りがするものであってもよい。
バニラの香りは、飲料中のバニラ香気成分の含有量が多くなるほど強くなるが、紅茶等の発酵茶として違和感があり、バニラフレーバーティーであると認識され得るバニラ香気成分の濃度の閾値は、バニラ香気成分以外の甘い香りの香気成分の濃度にも影響を受ける。例えば、バニラ香以外の甘い香りの香料(以下、「その他の甘い香りの香料」ということがある。)を添加していない紅茶飲料よりも、その他の甘い香りの香料を添加させた紅茶飲料のほうが、より高濃度のバニラ香気成分を含有していても、紅茶としての違和感を生じさせることなく、バニラ香気成分による飲み応え改善効果を発揮させることができる。
本発明に係る飲料用組成物が含有するバニラ香気成分は、1種類のみであってもよく、2種類以上を組み合わせてもよく、3種類全てを含有していてもよい。本発明に係る飲料用組成物のバニラ香気成分の含有量(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量)としては、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料等の発酵茶飲料のバニラ香の強さが、バニリン濃度が20質量ppmであるバニリン水溶液(バニリンを水で希釈した溶液)のバニラ香の強さ以下となる量が好ましい。調製された紅茶飲料等の発酵茶飲料のバニラ香の強さが、20質量ppmのバニリン水溶液以下であれば、紅茶や烏龍茶としての違和感を生じない。
本発明に係る飲料用組成物のバニラ香気成分の含有量(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量)としては、例えば、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニラ香気成分の濃度(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度)が、50質量ppm未満になる量であることが好ましく、40質量ppm以下になる量であることがより好ましく、25質量ppm以下になる量であることがさらに好ましく、25質量ppm未満になる量であることがよりさらに好ましく、20質量ppm以下になる量であることが特に好ましい。また、本発明に係る飲料用組成物のバニラ香気成分の含有量としては、例えば、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニラ香気成分の濃度が、0.005質量ppm以上であることが好ましく、0.01質量ppm以上であることがより好ましい。なお、紅茶飲料や烏龍茶飲料におけるバニラ香気成分の濃度が50質量ppm以上になると、その他の甘い香りの香料の添加の有無にかかわらず、バニラの香りが強く、紅茶や烏龍茶として違和感を覚えるほど特徴的なバニラの香りがするバニラフレーバーティーとなる。
本発明に係る飲料用組成物のバニラ香気成分の含有量としては、当該組成物がインスタント紅茶飲料用組成物である場合には0.05〜40質量ppmであることが好ましく、0.1〜40質量ppmであることがより好ましい。当該組成物がインスタント烏龍茶飲料用組成物である場合には、0.005〜15質量ppmであることが好ましく、0.01〜15質量ppmであることがより好ましい。
本発明に係る飲料用組成物が紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物であり、かつバニラ香気成分がバニリンである場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するバニリンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリンの濃度が、0.05質量ppm以上25質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜20質量ppmであることがより好ましく、0.5〜20質量ppmであることがさらに好ましく、2.0〜15質量ppmであることがよりさらに好ましく、5.0〜12質量ppmであることが特に好ましい。バニラ香気成分がバニリンであり、かつその他の甘い香りの香料を含有している場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するバニリンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリンの濃度が、0.05質量ppm以上50質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜40質量ppmであることがより好ましく、0.05〜25質量ppmであることがさらに好ましく、0.1〜25質量ppmであることがよりさらに好ましく、0.5〜25質量ppmであることが特に好ましい。
バニラ香気成分がエチルバニリンである場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するエチルバニリンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が、0.05質量ppm以上15質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜10質量ppmであることがより好ましく、0.1〜10質量ppmであることがさらに好ましく、0.3〜10質量ppmであることがよりさらに好ましく、1.0〜7.5質量ppmであることが特に好ましい。バニラ香気成分がエチルバニリンであり、かつその他の甘い香りの香料を含有している場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するエチルバニリンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が、0.05質量ppm以上25質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜20質量ppmであることがより好ましく、0.1〜15質量ppmであることがさらに好ましく、0.3〜15質量ppmであることがよりさらに好ましく、1.0〜10質量ppmであることが特に好ましい。
バニラ香気成分がヘリオトロピンである場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するヘリオトロピンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が、0.05質量ppm以上50質量ppm未満であることが好ましく、0.1〜40質量ppmであることがより好ましく、1.0〜40質量ppmであることがさらに好ましく、5.0〜30質量ppmであることがよりさらに好ましい。バニラ香気成分がヘリオトロピンであり、かつその他の甘い香りの香料を含有している場合には、本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物が含有するヘリオトロピンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が、0.05質量ppm以上100質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜75質量ppmであることがより好ましく、0.1〜50質量ppmであることがさらに好ましく、1.0〜50質量ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係る飲料用組成物が烏龍茶飲料を調製するためのインスタント烏龍茶飲料用組成物であり、かつバニラ香気成分がバニリンである場合には、本発明に係るインスタント烏龍茶飲料用組成物が含有するバニリンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリンの濃度が、0.005〜8.5質量ppmであることが好ましく、0.005〜7.5質量ppmであることがより好ましく、0.025〜5質量ppmであることがさらに好ましく、0.05〜2質量ppmであることがよりさらに好ましく、0.1〜2質量ppmであることが特に好ましい。バニラ香気成分がバニリンであり、かつその他の甘い香りの香料を含有している場合には、本発明に係るインスタント烏龍茶飲料用組成物が含有するバニリンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリンの濃度が、0.005質量ppm以上20質量ppm未満であることが好ましく、0.005〜7.5質量ppmであることがより好ましく、0.025〜5質量ppmであることがさらに好ましい。
バニラ香気成分がエチルバニリンである場合には、本発明に係るインスタント烏龍茶飲料用組成物が含有するエチルバニリンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が、0.005質量ppm以上6質量ppm未満であることが好ましく、0.005〜3質量ppmであることがより好ましく、0.025〜2質量ppmであることがさらに好ましく、0.05〜1質量ppmであることがよりさらに好ましく、0.25〜0.5質量ppmであることが特に好ましい。
バニラ香気成分がヘリオトロピンである場合には、本発明に係るインスタント烏龍茶飲料用組成物が含有するヘリオトロピンの含有量は、その他の甘い香りの香料を含有していない場合には、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が、0.01質量ppm以上20質量ppm未満であることが好ましく、0.01〜15質量ppmであることがより好ましく、0.05〜10質量ppmであることがさらに好ましく、0.2〜4質量ppmであることがよりさらに好ましい。
原料として用いられるバニラ香気成分は、粉末状等の固体物であってもよく、液状であってもよいが、長期保存安定性に優れているため、固体物が好ましく、適当な固体媒体に固定化されたものがより好ましい。バニラ香気成分の固体媒体への固定化は、揮発性の高い有機化合物を固定化したり、香料を製造する方法のうちの公知の方法の中から適宜選択して行うことができる。例えば、前記特許文献1に記載されているように、デキストリン、シクロデキストリン、アラビアガム等の食用ガムを固体媒体とし、水に溶解又は分散させた固体媒体に、バニラ香気成分を添加してさらに高速撹拌した後、乾燥させることによって、バニラ香気成分を固体媒体に包接固定化することができる。バニラ香気成分を固定化する固体媒体としては、造粒後にもバニラ香気成分を充分に固定化されることから、デキストリンを用いることが好ましく、紅茶飲料等の発酵茶飲料の本来の味に対する影響が小さいため、甘味の少ないDE(Dextrose Equivalent)値の低いデキストリン(例えば、DE値が10以下のデキストリン)を用いることがより好ましい。
前記その他の甘い香りの香料としては、例えば、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、マルトール、エチルマルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種の香気成分が挙げられる。これらの香気成分は、いずれもバニラ香とは異なる甘い香りを有している。バニラ香気成分とは異なり、これらの香気成分はそれ自体では紅茶飲料や烏龍茶飲料に飲み応えを底上げすることはほとんどできないが、バニラ香気成分と併用することにより、バニラ香気成分による飲み応え改善効果をさらに増強させたり、バニラの香りの違和感を抑えることができる。
本発明に係る飲料用組成物が含有するその他の甘い香りの香料は、1種類のみであってもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。本発明に係る飲料用組成物がその他の甘い香りの香料を含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するその他の甘い香りの香料の含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料や烏龍茶飲料に紅茶や烏龍茶としての違和感を引き起こさない量であればよく、使用する香料の種類ごとに適宜調整することができる。
例えば、本発明に係る飲料用組成物がβ−ダマセノンを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するβ−ダマセノンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料や烏龍茶飲料等の発酵茶飲料におけるβ−ダマセノンの濃度が、1質量ppb以上50質量ppb未満であることが好ましく、1〜25質量ppbであることがより好ましい。本発明に係る飲料用組成物がフラネオールを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するフラネオールの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるフラネオールの濃度が、1質量ppb以上500質量ppb未満であることが好ましく、1〜250質量ppbであることがより好ましく、1〜100質量ppbであることがさらに好ましく、10〜50質量ppbであることが特に好ましい。本発明に係る飲料用組成物がシクロテンを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するシクロテンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるシクロテンの濃度が、0.1質量ppm以上25質量ppm未満であることが好ましく、0.1〜10質量ppmであることがより好ましく、0.5〜5質量ppmであることがさらに好ましい。本発明に係る飲料用組成物がヨノンを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するヨノンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるヨノンの濃度が、0.005質量ppm以上5質量ppm未満であることが好ましく、0.01〜2.5質量ppmであることがより好ましく、0.01〜0.5質量ppmであることがさらに好ましい。本発明に係る飲料用組成物がマルトールを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するマルトールの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるマルトールの濃度が、0.5質量ppm以上50質量ppm未満であることが好ましく、0.5〜25質量ppmであることがより好ましく、1〜15質量ppmであることがさらに好ましい。本発明に係る飲料用組成物がエチルマルトールを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するエチルマルトールの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるエチルマルトールの濃度が、0.05質量ppm以上5質量ppm未満であることが好ましく、0.05〜2.5質量ppmであることがより好ましく、0.1〜0.5質量ppmであることがさらに好ましい。本発明に係る飲料用組成物がソトロンを含有する場合、本発明に係る飲料用組成物が含有するソトロンの含有量は、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるソトロンの濃度が、0.05質量ppb以上5質量ppb未満であることが好ましく、0.05〜2.5質量ppbであることがより好ましく、0.1〜0.5質量ppbであることがさらに好ましい。
原料として用いられる前記その他の甘い香りの香料は、粉末状等の固体物であってもよく、液状であってもよいが、長期保存安定性に優れているため、固体物が好ましく、適当な固体媒体に固定化されたものがより好ましい。その他の甘い香りの香料の固体媒体への固定化は、バニラ香気成分と同様に行うことができる。
なお、インスタント発酵茶飲料用組成物、発酵茶飲料、及び発酵茶飲料添加用組成物中のバニラ香気成分や前記その他の甘い香りの香料の濃度は、Likens測定法(Nickerson;‘Pro American Society of Brewing Chemists’,vol.5,p.5〜13(1964))により、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)計を用いて測定することができる。GCMSにおいて用いるカラムとしては、例えば、InertCap(登録商標) WAX HT(0.25mm×60m)(液相:ポリエチレングリコール)(GL Sciences社製)を用いることができる。バニリン、ヘリオトロピン等の低極性化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によっても分析できる。その場合、C18カラム(ODSカラム)等の逆相系カラムを用いて分離し、MS検出器又はUV検出器によって検出した後、標準試薬を用いて作成された外部検量線に基づいて定量することによって測定することができる。
本発明に係る飲料用組成物の原料として用いられる可溶性紅茶固形分や可溶性烏龍茶固形分等の可溶性発酵茶固形分は、紅茶や烏龍茶等の発酵茶の茶葉から抽出された可溶性の固形分であり、粉末であってもよく、水溶液であってもよい。保存安定性が良好であるため、本発明に係る飲料用組成物においては、粉末の可溶性発酵茶固形分を原料とすることが好ましい。
本発明に係る飲料用組成物の原料となる可溶性紅茶固形分や可溶性烏龍茶固形分としては、1種類の紅茶葉又は烏龍茶葉から調製された可溶性茶固形分であってもよく、2種類以上の紅茶葉又は烏龍茶葉からそれぞれ別個に調製された可溶性茶固形分の混合物であってもよく、2種類以上の紅茶葉又は烏龍茶葉の混合物から抽出された可溶性茶固形分であってもよい。
粉末又は液状である可溶性発酵茶固形分は、常法により製造することができ、また、市販されているものを用いてもよい。例えば、粉末状の可溶性紅茶固形分は、紅茶葉等の発酵茶葉から熱水を用いて可溶性の固形分を抽出し、得られた抽出物を乾燥することにより得られる。得られた抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等が挙げられる。また、紅茶葉等の発酵茶葉からの抽出物は、乾燥前に、必要に応じて濃縮してもよい。当該濃縮方法としては、熱濃縮方法、冷凍濃縮方法、逆浸透膜や限外濾過膜等を用いた膜濃縮方法等の汎用されている濃縮方法により行うことができる。
可溶性紅茶固形分には、一般的に、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレート(以下、これらの4種をまとめて「ガレート型カテキン」ということがある。)が含まれている。紅茶飲料中のガレート型カテキンの濃度が高すぎる場合には、苦渋味が強くなりすぎ、バニラ香気成分による飲み応え改善効果が発揮されない上に、飲料に適さなくなる。本発明に係る飲料用組成物のガレート型カテキンの含有量としては、該飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるガレート型カテキンの濃度が250質量ppm以下になる量であることが好ましく、5〜250質量ppmになる量であることがより好ましく、10〜250質量ppmになる量であることがさらに好ましく、20〜120質量ppmになる量であることがよりさらに好ましい。紅茶飲料中のガレート型カテキン濃度を上記範囲内とすることにより、バニラ香気成分による飲み応え改善効果を充分に発揮させることができる。
なお、インスタント紅茶飲料用組成物及び紅茶飲料中のガレート型カテキンの濃度は、C18カラム等の逆相系カラムを用いたHPLC分析によって、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートをそれぞれ分離してUV検出器によって検出した後、それぞれ標準試薬を用いて作成された外部検量線に基づいて定量することによって測定することができる。
本発明に係る飲料用組成物には、可溶性発酵茶固形分とバニラ香気成分の他に、さらに、望まれる品質特性によってその他の成分を含有させてもよい。当該その他の成分としては、乳原料、クリーミングパウダー、甘味料、酸味料、香料(但し、バニラ香気成分とその他の甘い香りの香料を除く。)、果汁、果実、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)等が挙げられる。
乳原料としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、牛乳、低脂肪乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、乳糖、生クリーム、バター、クリームチーズ等が挙げられる。なお、全粉乳及び脱脂粉乳は、それぞれ、牛乳(全脂乳)又は脱脂乳を、スプレードライ等により水分を除去して乾燥し粉末化したものである。
クリーミングパウダーは、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、コーン油、綿実油、ナタネ油、乳脂、牛脂、豚脂等の食用油脂;ショ糖、グルコース、澱粉加水分解物等の糖質;カゼインナトリウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、脱脂粉乳、乳化剤等のその他の原料等を、望まれる品質特性に応じて選択し、水に分散し、均質化し、乾燥することによって製造できる。クリーミングパウダーは、例えば、食用油脂をはじめとする原料を水中で混合し、次いで乳化機等で水中油型乳化液(O/Wエマルション)とした後、水分を除去することによって製造することができる。水分を除去する方法としては、噴霧乾燥、噴霧凍結、凍結乾燥、凍結粉砕、押し出し造粒法等、任意の方法を選択して行うことができる。得られたクリーミングパウダーは、必要に応じて、分級、造粒及び粉砕等を行ってもよい。
甘味料としては、砂糖、ショ糖、オリゴ糖、ブドウ糖、果糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、還元水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン等の高甘味度甘味料、ステビア等が挙げられる。砂糖としては、グラニュー糖であってもよく、粉糖であってもよい。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸が挙げられる。
香料としては、紅茶香料、烏龍茶香料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸。グルコン酸等の有機酸や、リン酸等の無機酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、二酸化炭素等が挙げられる。
増粘剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、モノグリセライド、ジグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステル等のグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤;プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールオレエート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル系乳化剤;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のシュガーエステル系乳化剤;レシチン、レシチン酵素分解物等のレシチン系乳化剤等が挙げられる。
賦形剤や結合剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。なお、賦形剤や結合剤は、造粒時の担体としても用いられる。本発明に係る飲料用組成物において用いられる賦形剤等としては、保存時における飲料用組成物からのバニラ香気成分の損失が効果的に抑制されることから、デキストリンが好ましい。
流動性改良剤としては、微粒酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム等の加工用製剤が用いられてもよい。
本発明に係る飲料用組成物は、可溶性発酵茶固形分と、バニラ香気成分と、必要に応じてその他の原料とを、混合することによって製造される。バニラ香気成分は、可溶性発酵茶固形分にはほとんど含まれていないため、可溶性発酵茶固形分とは別に原料として添加する必要がある。バニラ香気成分のみからなる香料を原料として用いてもよく、バニラ香気成分とその他の香気成分であって、バニラ香気成分による飲み応え改善効果を損なわないものを含む香料混合物を原料として用いてもよい。混合の順番は特に限定されるものではなく、全ての原料を同時に混合してもよく、順次混合させてもよい。全ての原料が粉末の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、粉末の飲料用組成物が製造される。一方で、全ての原料が液状の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、液状の飲料用組成物が製造される。
粉末原料と液状の原料を用いる場合、粉末の原料を全て予め混合し、得られた混合粉末に、液状の原料の混合液を噴霧して乾燥させることによって、粉末の飲料用組成物が製造される。また、液状の原料の混合液に、粉末の原料を溶解又は分散させることによって、液状の飲料用組成物が製造される。
バニラ香気成分は揮発性が高いため、本発明に係る飲料用組成物の製造方法としては、まず、バニラ香気成分以外の原料の混合物(可溶性発酵茶固形分を含む。)を造粒し、得られた造粒物にバニラ香気成分を混合する方法も好ましい。例えば、固形状の可溶性発酵茶固形分を用い、かつ賦形剤としてデキストリンを用いる場合には、本発明に係る飲料用組成物は、水、アルコール類、グリセリン類、又はこれらの混合溶媒に溶解させたデキストリンを、可溶性茶固形分等の固形状のその他の原料を全て混合した混合物の造粒時に噴霧した後に乾燥させて得られた造粒物に、バニラ香気成分を所望の含有量となるように混合することによって製造することができる。
本発明に係る飲料用組成物は、飲用1杯分を小パウチなどに個包装したり、使用時に容器から振り出したりスプーンで取り出したりして使用するように瓶などの容器に数杯分をまとめて包装して商品として供給することもできる。個包装タイプとは、スティック状アルミパウチ、ワンポーションカップなどに紅茶飲料1杯分の中身を充填包装するものであり、容器を開けて指で押し出すなどの方法で中身を取り出すことができる。個包装タイプは、1杯分が密閉包装されているので取り扱いも簡単で、衛生的であるという利点を有する。
<紅茶及びその製造方法>
紅茶飲料のバニラ香気成分の濃度(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度)を、0.05質量ppm以上であり、かつバニラの香りによって紅茶としての違和感が生じない濃度範囲内に調整することにより、紅茶飲料の飲み応えを改善することができる。各バニラ香気成分のバニラの香りによって紅茶としての違和感が生じない濃度範囲は、前述の通りである。例えば、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.05〜40質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることにより、紅茶飲料の飲み応えを改善することができる。
<烏龍茶及びその製造方法>
烏龍茶飲料のバニラ香気成分の濃度(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度)を、0.005質量ppm以上であり、かつバニラの香りによって烏龍茶としての違和感が生じない濃度範囲内に調整することにより、烏龍茶飲料の飲み応えを改善することができる。各バニラ香気成分のバニラの香りによって烏龍茶としての違和感が生じない濃度範囲は、前述の通りである。例えば、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.005〜15質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることにより、烏龍茶飲料の飲み応えを改善することができる。
<発酵茶飲料添加用組成物>
本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物は、発酵茶飲料に添加される粉末状組成物であって、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する。本発明に係る飲料用組成物は、バニラ香気成分を含有していないインスタント紅茶飲料用組成物やインスタント烏龍茶飲料用組成物に、本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物を添加することによっても調製することができる。
本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物が含有しているバニラ香気成分としては、粉末状の固体媒体への固定化されたものを用いることができる。バニラ香気成分を固定化する固体媒体、及び固体媒体への固定化方法は、前述のものを用いることができる。
本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物は、バニラ香気成分以外にも、その他の成分を含有させてもよい。当該その他の成分としては、例えば、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物が含有するバニラ香気成分の含有量(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量)としては、例えば、当該飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるバニラ香気成分の濃度(バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度)が、飲み応え改善効果が得られる充分な濃度であればよい。各バニラ香気成分の飲み応え改善効果が得られる濃度は、前述の通りである。例えば、本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物が紅茶飲料に添加される紅茶飲料添加用組成物の場合、バニラ香気成分の総含有量が、当該紅茶飲料添加用組成物を混合して得られる紅茶飲料におけるバニラ香気成分の合計濃度が0.05〜40質量ppmになる量であることが好ましい。本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物が烏龍茶飲料に添加される烏龍茶飲料添加用組成物の場合、バニラ香気成分の総含有量が、当該烏龍茶飲料添加用組成物を混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニラ香気成分の合計濃度が0.005〜15質量ppmになる量であることが好ましい。
本発明に係る発酵茶飲料添加用組成物を、発酵茶飲料に直接添加することによって、発酵茶飲料の飲み応えを改善することができる。つまり、紅茶飲料に本発明に係る紅茶飲料添加用組成物を添加して溶解させることにより、芳醇でふくよかな味でボディ感に優れた紅茶飲料を調製することができる。同様に、烏龍茶飲料に本発明に係る烏龍茶飲料添加用組成物を添加して溶解させることにより、飲み応えのある烏龍茶飲料を調製することができる。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、特に記載がない限り、「%」は「質量%」を、「ppm」は「質量ppm」を、「ppb」は「質量ppb」を、それぞれ意味する。
<紅茶パウダー中のガレート型カテキン含有量の測定>
原料として用いた紅茶パウダー中のガレート型カテキン含有量は、以下のようにして測定した。紅茶パウダーを水に溶解させた後、0.45μmのディスポフィルターにより濾過して得られた濾液を、測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、C18カラムを用いたHPLCにアプライし、化合物ごとに分離してUV検出器によって検出した。検出された各化合物のクロマトグラフ上のピーク面積を、予め標準試薬を用いて作成していた外部検量線に照らして、各化合物の濃度を測定した。この4種の化合物の濃度の合計を、紅茶パウダー中のガレート型カテキン含有量とした。
[実施例1]
インスタント紅茶飲料における、バニリンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、表1の処方からなる粉末のベース組成物を調製し、これに粉末状のバニリン(以下、「バニリン香料」)を添加したサンプルを調製した。バニリン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度が表2の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。なお、紅茶飲料中のガレート型カテキン濃度が30ppmになるように、原料として用いる紅茶パウダーのガレート型カテキン含有量を調整した。
得られた紅茶飲料の飲み応え(芳醇かつふくよかでボディ感のある味)を、トレーニングされた専門パネル6人により、バニリン無添加の紅茶飲料を基準とし、飲み応え改善効果がみられたかどうかを、10段階(0〜9)でスコア付けすることによって評価した。10段階のスコア中、「0」は「効果なし(バニリン添加なしの紅茶飲料と同等又はそれ以下の飲み応えである)」を示し、「1」は「わずかに効果あり」を示し、「3」は「少々効果あり」を示し、「5」は「効果あり」を示し、「7」は「大きく効果あり」を示し、「9」は「非常に効果あり」を示す。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各紅茶飲料の評価とした。評価結果を表2に示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
この結果、飲料中のバニリン濃度が0.05〜20ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、バニリン添加により紅茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、紅茶として違和感は感じられなかった。特に、紅茶飲料中のバニリン濃度が2〜15ppmである紅茶飲料では、バニリンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、バニリン含有量が25ppmの紅茶飲料では、バニラ風味が強く別飲料として評価された為、効果なしと評価された。
[実施例2]
インスタント紅茶飲料における、エチルバニリンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物に粉末状のエチルバニリン(以下、「エチルバニリン香料」)を添加したサンプルを調製した。エチルバニリン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のエチルバニリン濃度が表3の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2017030187
この結果、飲料中のエチルバニリン濃度が0.1〜10ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、バニリンと同様にエチルバニリンを添加することにより紅茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、紅茶として違和感は感じられなかった。特に、紅茶飲料中のエチルバニリン濃度が1〜7.5ppmである紅茶飲料では、エチルバニリンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、エチルバニリン含有量が15ppmの紅茶飲料では、バニラ風味が強く別飲料として評価されたため、効果なしと評価された。
[実施例3]
インスタント紅茶飲料における、ヘリオトロピンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物に粉末状のヘリオトロピン(以下、「ヘリオトロピン香料」)を添加したサンプルを調製した。ヘリオトロピン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のヘリオトロピン濃度が表4の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2017030187
この結果、飲料中のヘリオトロピン濃度が0.1〜40ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、バニリンやエチルバニリンと同様にヘリオトロピンを添加することにより紅茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、紅茶として違和感は感じられなかった。特に、紅茶飲料中のヘリオトロピン濃度が5〜30ppmである紅茶飲料では、ヘリオトロピンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、ヘリオトロピン濃度が50ppm以上のサンプルでは、ヘリオトロピン自身の香りが強く、別の風味の飲料としても評価された。
[実施例4]
インスタント紅茶飲料における、バニリンとヘリオトロピンの組み合わせによる飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物に、バニリン香料及びエチルバニリン香料を添加したサンプル(サンプル1)、バニリン香料及びヘリオトロピン香料を添加したサンプル(サンプル2)、バニリン香料、エチルバニリン香料、及びヘリオトロピン香料を添加したサンプル(サンプル3)を調製した。各香料の添加量は、表5の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2017030187
この結果、全てのサンプルの飲み応えのスコアは7であり、5ppmのバニリンを含有させたサンプル(実施例1のサンプル5、表2参照。)のスコア(6)よりも高く、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンは、これらのうちの2種又は3種を組み合わせたとしても、飲み応え改善効果が得られることが確認された。
また、5ppmのバニリンと2.5ppmのエチルバニリンを含有させたサンプル1の飲み応えのスコアは、実施例1における10ppmのバニリンを含有させたサンプル6(表2)と同じであったことから、エチルバニリンの飲み応え改善効果における力価は、バニリンのおよそ2倍程度と示唆される。実際に、実施例1と実施例2の結果を比較すると、最大のスコア値である7を達成するために、バニリンは10ppm配合する必要があり(実施例1のサンプル6)、エチルバニリンは5ppm配合する必要があった(実施例2のサンプル5)。
同様に、5ppmのバニリンと10ppmのヘリオトロピンを含有させたサンプル2の飲み応えのスコアは、実施例1における10ppmのバニリンを含有させたサンプル6(表2)と同じであったことから、ヘリオトロピンの飲み応え改善効果における力価は、バニリンのおよそ1/2倍程度と示唆される。実際に、実施例1と実施例3の結果を比較すると、最大のスコア値である7を達成するために、バニリンは10ppm配合する必要があり(実施例1のサンプル6)、ヘリオトロピンは20ppm配合する必要があった(実施例3のサンプル6)。
[実施例5]
インスタント紅茶飲料における、バニリンの飲み応え改善効果に対するガレート型カテキンの含有量の影響を調べた。
具体的には、表6の処方からなる粉末の組成物を調製し、これにバニリン香料を添加したサンプルを調製した。バニリン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度が10ppmとなるようにした。また、対照として、バニリン香料を添加していない組成物をそのままサンプルとした。なお、表中の「ガレート型カテキン量を調整した紅茶パウダー」は、沸騰水に溶解した際に、飲料中のガレート型カテキン量が目的濃度(表7参照)になるように調整した紅茶抽出物のパウダーである。
得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製し、飲み応えを、トレーニングされた専門パネル5人により、5段階(1が最も弱く、5が最も強い。)でスコア付けをして評価した。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各紅茶飲料の評価とした。評価結果を表7に示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
この結果、バニリンを配合していない紅茶飲料では、飲料中のガレート型カテキン濃度(「ガレート型カテキン飲用濃度(ppm)」)が10ppm以下ではほとんど飲み応えがなく(スコア:1)、20〜120ppmで少し飲み応えが強くなるが(スコア:2)、250ppm以上では、苦渋味が強く、飲み応えも弱かった(スコア:1)。これに対して、飲料中のガレート型カテキン濃度が250ppm以下の紅茶飲料では、バニリンを飲料中の濃度が10ppmとなるように添加することにより、明らかにスコアが高くなっており、飲み応えが改善されたことが確認できた。なかでも、飲料中のガレート型カテキン濃度が5〜250ppmの紅茶飲料では、バニリン添加による飲み応え改善効果が高かった。
[比較例1]
インスタント紅茶飲料における、β−ダマセノンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物に粉末状のβ−ダマセノン(β−ダマセノン香料)を添加したサンプルを調製した。β−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のβ−ダマセノン濃度が表8の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
Figure 2017030187
この結果、紅茶飲料中のβ−ダマセノン濃度が5〜15ppbのサンプルにおいて、紅茶の飲み応えの底上げ効果がほんの少し確認された。また、β−ダマセノン濃度が25ppb以上のサンプルでは、β−ダマセノン自身の香りが強く、別の風味の飲料としても評価された。
[実施例6]
インスタント紅茶飲料における、バニリンとβ−ダマセノンを併用することの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物にバニリン香料とβ−ダマセノン香料をそれぞれ添加したサンプルを調製した。バニリン香料及びβ−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度及びβ−ダマセノン濃度が表9の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
Figure 2017030187
この結果、単独では飲み応え改善効果のなかったβ−ダマセノンを1〜25ppb含有する紅茶飲料に、飲料中のバニリン濃度が0.1〜25ppmとなるようにバニリンを添加すると、バニリンのみを同じ濃度添加した紅茶飲料よりも、紅茶の飲み応えがより改善されることがわかった。また、飲料中のバニリン濃度が50ppmの紅茶では、バニラ風味が強く別飲料として評価されたため、飲み応え改善効果なし(スコア:0)と評価された。なお、バニリンを単独で添加した場合には、飲料中のバニリン濃度が25ppmではバニラ風味が強すぎ、別飲料であると評価されたにもかかわらず、β−ダマセノン25ppbと併用することにより、バニラ風味はマスクされ、ストレートティーとして好ましく、かつ飲み応え改善効果も得られていた(スコア:5)。バニリンによる飲み応え改善効果に対する、バニリンとβ−ダマセノンの併用による増強効果は、飲料中のバニリン濃度0.05〜25ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbにおいて得られており、飲料中のバニリン濃度0.1〜25ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでより強く得られ、飲料中のバニリン濃度0.5〜25ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでさらに強く得られた。
[実施例7]
インスタント紅茶飲料における、バニリンとβ−ダマセノンの併用による飲み応え改善効果に対するガレート型カテキンの含有量の影響を調べた。
具体的には、表10の処方からなる粉末の組成物を調製し、これにバニリン香料とβ−ダマセノン香料を添加したサンプルを調製した。バニリン香料とβ−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度及びβ−ダマセノン濃度が表9の濃度となるようにした。また、対照として、バニリン香料とβ−ダマセノン香料を添加していない組成物をそのままサンプルとした。なお、表中の「ガレート型カテキン量を調整した紅茶パウダー」は、沸騰水に溶解した際に、飲料中のガレート型カテキン量が目的濃度(表11参照)になるように調整した紅茶抽出物のパウダーである。
得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製し、飲み応えを、トレーニングされた専門パネル5人により、5段階(1が最も弱く、5が最も強い。)でスコア付けをして評価した。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各紅茶飲料の評価とした。評価結果を表11に示す。表11中、「バニリン0ppm/β−ダマセノン0ppb」の欄は、バニリン香料とβ−ダマセノン香料のいずれも配合しなかったサンプルから調製された紅茶飲料の評価結果を示す。同様に、「バニリン10ppm/β−ダマセノン0ppb」の欄は、バニリン香料のみ飲料中のバニリン濃度が10ppmとなるように配合したサンプルの評価結果を、「バニリン0ppm/β−ダマセノン10ppb」の欄は、β−ダマセノン香料のみ飲料中のβ−ダマセノン濃度が10ppbとなるように配合したサンプルの評価結果を、「バニリン10ppm/β−ダマセノン10ppb」の欄は、バニリン香料とβ−ダマセノン香料を飲料中のバニリン濃度が10ppm、β−ダマセノン濃度が10ppbとなるように配合したサンプルの評価結果を、それぞれ示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
表11に示すように、飲料中のガレート型カテキン濃度が500ppm以下の場合に、バニリンとβ−ダマセノンをいずれも配合していない紅茶飲料に比べて、バニリンとβ−ダマセノンの両方を配合した紅茶飲料のほうが、スコアが高く、飲料中のガレート型カテキン濃度が500ppm以下の場合に、バニリンとβ−ダマセノンを併用配合して飲み応え改善効果が得られることがわかった。特に、飲料中のガレート型カテキン濃度が5〜500ppm、より好ましくは5〜250ppmの場合には、バニリンのみを配合させた紅茶飲料よりも、バニリンとβ−ダマセノンの両方を配合した紅茶飲料のほうが、スコアが高く、バニリンの飲み応え改善効果に対するβ−ダマセノンによる効果増強は、ガレート型カテキン量5〜500ppmにおいて得られることがわかった。
[実施例8]
日常的に紅茶を飲用しているティーバッグユーザー120人に対して、バニリンとガレート型カテキンを含む紅茶パウダーを含む粉末状のサンプルから調製された紅茶飲料と、市販のティーバッグで入れた紅茶飲料のどちらが嗜好の評価が高いかを調べる官能評価を実施した。
まず、粉末状のサンプルは、ガレート型カテキン量を調整した紅茶抽出物に、バニリン及びβ−ダマセノンが配合された紅茶香料及びデキストリンを混ぜ込み、粉末状に造粒することによって調製した。得られた粉末状のサンプルは、150mLの沸騰水に溶解させて、紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料は、飲料中のガレート型カテキン濃度が30ppmであり、バニリンとβ−ダマセノンの濃度は、実施例6において飲み応え改善効果が確認できた濃度になるように調製した。
また、ティーバッグで入れた紅茶飲料は、市販のティーバッグ1包に150mLの沸騰水を注いで抽出した紅茶抽出液をもちいた。
各紅茶飲料について、ティーバッグユーザー120人により、嗜好性を9段階(1が極めて嫌い、9が最に好き)でスコア付けをすることにより評価した。飲用終了後、各ユーザーが付けた点数を平均し、平均スコアを各紅茶飲料の評価とした。評価結果を表12に示す。
Figure 2017030187
この結果、ガレート型カテキン、バニリン及びβ−ダマセノンが配合された粉末状のサンプルから調製された紅茶飲料のほうが、ティーバッグで入れた紅茶飲料よりも明らかに嗜好性が高かった。
なお、ガレート型カテキンとバニリンを含まないように調製された粉末状のサンプルから調製された紅茶飲料について、紅茶ユーザー26人に対して、嗜好性評価を行ったところ、ティーバッグで入れた紅茶飲料のほうが、ガレート型カテキンとバニリンを含まない粉末状サンプルから調製された紅茶飲料よりも嗜好性が高かった。
[実施例9]
紅茶は、クリーミングパウダーを入れて飲用するユーザーが多い。そこで、砂糖とクリーミングパウダーを含む紅茶飲料(ミルクティー)について、バニリンの飲み応え改善効果を調べた。
まず、表13に示す処方にて、紅茶パウダーと、紅茶香料と、砂糖と、クリーミングパウダーを含む粉末状のサンプルを調製した。紅茶パウダーとしては、ガレート型カテキンを含有していない紅茶パウダー、又は飲料中のガレート型カテキン濃度が20ppmとなるようにガレート型カテキン量が調整された紅茶パウダーを用いた。紅茶香料は、紅茶香料Aとは異なる紅茶香料B、紅茶香料Bにバニリンのみを飲料中のバニリン濃度が2ppmとなるように混ぜ込んだ香料、紅茶香料Bにβ−ダマセノンのみを飲料中のβ−ダマセノン濃度が5ppbとなるように混ぜ込んだ香料、又は紅茶香料Bにバニリンとβ−ダマセノンを飲料中のバニリン濃度が2ppm、β−ダマセノン濃度が5ppbとなるように混ぜ込んだ香料を用いた。
得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(砂糖入りミルクティー)を調製し、嗜好性を、日常的に紅茶にクリーマー(クリーミングパウダー)を混ぜて飲用しているティーバッグユーザー7人により、5段階(1が極めて嫌い、5が最に好き)でスコア付けをすることにより評価した。飲用終了後、各ユーザーが付けた点数を平均し、平均スコアを各紅茶飲料の評価とした。評価結果を表14に示す。
Figure 2017030187
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例えば、サンプル1とサンプル3、サンプル2とサンプル4、サンプル5とサンプル7、サンプル6とサンプル8を比較すると、バニリンを含有させた粉末サンプルから調製された紅茶飲料のほうが、バニリンを含有していない粉末サンプルから調製された紅茶飲料よりも、スコアが高く、嗜好性に優れていることがわかった。これは、砂糖入りミルクティーにおいても、ストレートティーと同様に、バニリンによって飲み応えが改善されるためと推察される。また、サンプル8が最も嗜好性が高く、サンプル3よりもサンプル7のほうが嗜好性が高かったことから、バニリン単独よりもバニリンとβ−ダマセノンを併用したほうが、飲み応えが改善され嗜好性が高まることがわかった。
[参考例1]
市販されているバニラフレーバーティーの茶葉(ティーバッグ)に沸騰水を入れてバニラフレーバーティーを調製し、飲料中のバニリン濃度を測定したところ、バニリン濃度は43ppmであった。
[実施例10]
インスタント紅茶飲料における、エチルバニリンとβ−ダマセノンを併用することによる飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物にエチルバニリン香料とβ−ダマセノン香料をそれぞれ添加したサンプルを調製した。エチルバニリン香料及びβ−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のエチルバニリン濃度及びβ−ダマセノン濃度が表15の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表15に示す。
Figure 2017030187
この結果、単独では飲み応え改善効果のなかったβ−ダマセノンを1〜25ppb含有する紅茶飲料に、飲料中のエチルバニリン濃度が0.1〜15ppmとなるようにエチルバニリンを添加すると、エチルバニリンのみを同じ濃度添加した紅茶飲料よりも、紅茶の飲み応えがより改善されることがわかった。また、飲料中のエチルバニリン濃度が25ppmの紅茶では、バニラ風味が強く別飲料として評価されたため、飲み応え改善効果なし(スコア:0)と評価された。なお、エチルバニリンを単独で添加した場合には、飲料中のエチルバニリン濃度が15ppmではバニラ風味が強すぎ、別飲料であると評価されたにもかかわらず、β−ダマセノン25ppbと併用することにより、バニラ風味はマスクされ、ストレートティーとして好ましく、かつ飲み応え改善効果も得られていた(スコア:5)。エチルバニリンによる飲み応え改善効果に対する、エチルバニリンとβ−ダマセノンの併用による増強効果は、飲料中のエチルバニリン濃度0.1〜15ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbにおいて得られており、飲料中のエチルバニリン濃度0.3〜15ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでより強く得られ、飲料中のエチルバニリン濃度1〜10ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでさらに強く得られた。
[実施例11]
インスタント紅茶飲料における、ヘリオトロピンとβ−ダマセノンを併用することによる飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例1で用いたベース組成物にヘリオトロピン香料とβ−ダマセノン香料をそれぞれ添加したサンプルを調製した。ヘリオトロピン香料及びβ−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のヘリオトロピン濃度及びβ−ダマセノン濃度が表16の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。得られた紅茶飲料の飲み応えを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表16に示す。
Figure 2017030187
この結果、単独では飲み応え改善効果のなかったβ−ダマセノンを1〜25ppb含有する紅茶飲料に、飲料中のヘリオトロピン濃度が0.1〜50ppmとなるようにヘリオトロピンを添加すると、ヘリオトロピンのみを同じ濃度添加した紅茶飲料よりも、紅茶の飲み応えがより改善されることがわかった。また、飲料中のヘリオトロピン濃度が100ppmの紅茶では、バニラ風味が強く別飲料として評価されたため、飲み応え改善効果なし(スコア:0)と評価された。なお、ヘリオトロピンを単独で添加した場合には、飲料中のヘリオトロピン濃度が50ppmではバニラ風味が強すぎ、別飲料であると評価されたにもかかわらず、β−ダマセノン25ppbと併用することにより、バニラ風味はマスクされ、ストレートティーとして好ましく、かつ飲み応え改善効果も得られていた(スコア:5)。ヘリオトロピンによる飲み応え改善効果に対する、ヘリオトロピンとβ−ダマセノンの併用による増強効果は、飲料中のヘリオトロピン濃度0.1〜50ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbにおいて得られており、飲料中のヘリオトロピン濃度0.2〜50ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでより強く得られ、飲料中のエチルバニリン濃度1〜50ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度1〜25ppbでさらに強く得られた。
[実施例12]
インスタント紅茶飲料における、エチルバニリン及びヘリオトロピンの飲み応え改善効果に対するガレート型カテキンの含有量の影響を調べた。
具体的には、実施例5における表6の処方からなる粉末の組成物を調製し、これにエチルバニリン香料又はヘリオトロピン香料を添加したサンプルを調製した。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて、飲料中のガレート型カテキン量、エチルバニリン濃度、及びヘリオトロピン濃度が表17に記載の濃度である紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。各紅茶飲料の飲み応えを実施例5と同様にして評価した。評価結果を表17に示す。この結果、エチルバニリン及びヘリオトロピンの飲み応え改善効果は、ガレート型カテキン濃度が0ppmの紅茶飲料よりも、ガレート型カテキン濃度が30ppmの紅茶飲料のほうが高かった。
Figure 2017030187
[実施例13]
インスタント紅茶飲料における、バニリンと各種の甘い香りの香料を併用することの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例5における表6の処方からなる粉末の組成物を調製し、これにバニリン香料と、ヨノン香料、エチルマルトール香料、マルトール香料、フラネオール香料、ソトロン香料、又はシクロテン香料とを添加したサンプルを調製した。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて、飲料中のガレート型カテキン量が30ppmであり、バニリン濃度、ヨノン濃度、エチルマルトール濃度、マルトール濃度、フラネオール濃度、ソトロン濃度、及びシクロテン濃度がそれぞれ表18〜20に記載の濃度である紅茶飲料(無糖のストレートティー)を調製した。各紅茶飲料の飲み応えを実施例5と同様にして評価した。評価結果を表18〜20に示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
Figure 2017030187
この結果、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、フラネオール、ソトロン、又はシクロテンを併用することにより、バニリンの飲み応え改善効果が増強されることが確認された。また、ヨノン香料を5ppm添加したサンプル6、エチルマルトール香料を5ppm添加したサンプル9、マルトール香料を50ppm添加したサンプル14、フラネオール香料を500ppb添加したサンプル18、ソトロン香料を20ppb添加したサンプル22、及びシクロテン香料を25ppm添加したサンプル26では、各香料に由来する特徴的な香りが強く別飲料として評価された為、飲み応えが弱いと評価された(スコア:1)。
[実施例14]
インスタント烏龍茶飲料における、バニリンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、表21の処方からなる粉末のベース組成物を調製し、これに粉末状のバニリン香料を添加したサンプルを調製した。バニリン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度が表22の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて烏龍茶飲料を調製した。
得られた烏龍茶飲料の飲み応えを、トレーニングされた専門パネル5人により、バニリン無添加の烏龍茶飲料を基準とし、飲み応え改善効果がみられたかどうかを、10段階(0〜9)でスコア付けすることによって評価した。10段階のスコア中、「0」は「効果なし(バニリン添加なしの紅茶飲料と同等又はそれ以下の飲み応えである)」を示し、「1」は「わずかに効果あり」を示し、「3」は「少々効果あり」を示し、「5」は「効果あり」を示し、「7」は「大きく効果あり」を示し、「9」は「非常に効果あり」を示す。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各烏龍茶飲料の評価とした。評価結果を表22に示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
この結果、飲料中のバニリン濃度が0.005〜7.5ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、バニリン添加により烏龍茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、烏龍茶として違和感は感じられなかった。特に、烏龍茶飲料中のバニリン濃度が0.1〜2ppmである烏龍茶飲料では、バニリンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、バニリン含有量が10ppmの烏龍茶飲料では、バニラ風味が強く別飲料として評価された為、効果なしと評価された。
[実施例15]
インスタント烏龍茶飲料における、エチルバニリンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例14で用いたベース組成物に粉末状のエチルバニリン香料を添加したサンプルを調製した。エチルバニリン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のエチルバニリン濃度が表23の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて烏龍茶飲料を調製した。得られた烏龍茶飲料の飲み応えを、実施例14と同様にして評価した。評価結果を表23に示す。
Figure 2017030187
この結果、飲料中のエチルバニリン濃度が0.005〜3ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、エチルバニリン添加により烏龍茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、烏龍茶として違和感は感じられなかった。特に、烏龍茶飲料中のエチルバニリン濃度が0.05〜1ppmである烏龍茶飲料では、エチルバニリンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、エチルバニリン含有量が6ppmの烏龍茶飲料では、バニラ風味が強く別飲料として評価された為、効果なしと評価された。
[実施例16]
インスタント烏龍茶飲料における、ヘリオトロピンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例14で用いたベース組成物に粉末状のヘリオトロピン香料を添加したサンプルを調製した。ヘリオトロピン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のヘリオトロピン濃度が表24の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて烏龍茶飲料を調製した。得られた烏龍茶飲料の飲み応えを、実施例14と同様にして評価した。評価結果を表24に示す。
Figure 2017030187
この結果、飲料中のヘリオトロピン濃度が0.01〜15ppmのサンプルにおいて、評価は1以上であり、ヘリオトロピン添加により烏龍茶飲料の飲み応えが底上げされることがわかった。また、これらのサンプルでは、烏龍茶として違和感は感じられなかった。特に、烏龍茶飲料中のヘリオトロピン濃度が0.2〜4ppmである烏龍茶飲料では、ヘリオトロピンによる飲み応え改善効果が高いことがわかった。一方で、ヘリオトロピン含有量が20ppmの烏龍茶飲料では、バニラ風味が強く別飲料として評価された為、効果なしと評価された。
[比較例2]
インスタント烏龍茶飲料における、β−ダマセノンの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例14で用いたベース組成物に粉末状のβ−ダマセノン(β−ダマセノン香料)を添加したサンプルを調製した。β−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のβ−ダマセノン濃度が表25の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて烏龍茶飲料を調製した。得られた烏龍茶飲料の飲み応えを同様にして評価した。評価結果を表25に示す。
Figure 2017030187
この結果、烏龍茶飲料中のβ−ダマセノン濃度が5〜25ppbのサンプルにおいて、烏龍茶の飲み応えの底上げ効果がほんの少し確認された。また、β−ダマセノン濃度が50ppbのサンプルでは、β−ダマセノン自身の香りが強く、別の風味の飲料としても評価された。
[実施例17]
インスタント烏龍茶飲料における、バニリンとβ−ダマセノンを併用することによる飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例14で用いたベース組成物にバニリン香料とβ−ダマセノン香料をそれぞれ添加したサンプルを調製した。バニリン香料及びβ−ダマセノン香料の添加量は、サンプルから調製された飲料中のバニリン濃度及びβ−ダマセノン濃度が表26の濃度となるようにした。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて烏龍茶飲料を調製した。得られた烏龍茶飲料の飲み応えを実施例14と同様にして評価した。評価結果を表26に示す。
Figure 2017030187
この結果、単独では飲み応え改善効果のなかったβ−ダマセノンを5〜50ppb含有する烏龍茶飲料に、飲料中のバニリン濃度が0.005〜10ppmとなるようにバニリンを添加すると、バニリンのみを同じ濃度添加した烏龍茶飲料よりも、烏龍茶の飲み応えがより改善されることがわかった。また、飲料中のバニリン濃度が25ppmの烏龍茶では、バニラ風味が強く別飲料として評価されたため、飲み応え改善効果なし(スコア:0)と評価された。なお、バニリンを単独で添加した場合には、飲料中のバニリン濃度が10ppmではバニラ風味が強すぎ、別飲料であると評価されたにもかかわらず、β−ダマセノン25〜50ppbと併用することにより、バニラ風味はマスクされ、ストレートの烏龍茶として好ましく、かつ飲み応え改善効果も得られていた。バニリンによる飲み応え改善効果に対する、バニリンとβ−ダマセノンの併用による増強効果は、飲料中のバニリン濃度0.005〜10ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度5〜50ppbにおいて得られており、飲料中のバニリン濃度0.025〜5ppmかつ飲料中のβ−ダマセノン濃度5〜25ppbでより強く得られた。
[実施例18]
インスタント烏龍茶飲料における、バニリンと各種の甘い香りの香料を併用することの飲み応えに対する影響を調べた。
具体的には、実施例14で用いたベース組成物に、バニリン香料と、ヨノン香料、エチルマルトール香料、マルトール香料、フラネオール香料、ソトロン香料、又はシクロテン香料とを添加したサンプルを調製した。得られたサンプル1gを150mLの沸騰水に溶解させて、飲料中のガレート型カテキン量が30ppmであり、バニリン濃度、ヨノン濃度、エチルマルトール濃度、マルトール濃度、フラネオール濃度、ソトロン濃度、及びシクロテン濃度がそれぞれ表27〜29に記載の濃度である烏龍茶飲料(無糖のストレートの烏龍茶)を調製した。各烏龍茶飲料の飲み応えを、トレーニングされた専門パネル5人により、5段階(1が最も弱く、5が最も強い。)でスコア付けをして評価した。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各烏龍茶飲料の評価とした。評価結果を表27〜29に示す。
Figure 2017030187
Figure 2017030187
Figure 2017030187
この結果、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、フラネオール、ソトロン、又はシクロテンを併用することにより、烏龍茶飲料においても、バニリンの飲み応え改善効果が増強されることが確認された。また、ヨノン香料を5ppm添加したサンプル6、エチルマルトール香料を5ppm添加したサンプル9、マルトール香料を50ppm添加したサンプル15、フラネオール香料を500ppb添加したサンプル19、ソトロン香料を20ppb添加したサンプル23、及びシクロテン香料を25ppm添加したサンプル27では、各香料に由来する特徴的な香りが強く別飲料として評価された為、飲み応えが弱いと評価された(スコア:1)。

Claims (21)

  1. 液体と混合して発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物であって、
    可溶性発酵茶固形分と、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、
    を含有することを特徴とする、インスタント発酵茶飲料用組成物。
  2. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、インスタント発酵茶飲料用組成物を液体と混合して得られる発酵茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜40質量ppmになる量である、請求項1に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  3. さらに、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項1又は2に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  4. 前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が可溶性紅茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント紅茶飲料用組成物であり、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.1〜25質量ppmになる量である、請求項3に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  5. 前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が可溶性紅茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント紅茶飲料用組成物であり、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.1〜40質量ppmになる量である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  6. カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートの総含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びエピガロカテキンガレートの合計濃度が250質量ppm以下になる量である、請求項4又は5に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  7. バニリンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるバニリンの濃度が0.05〜20質量ppmになる量である、
    エチルバニリンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が0.05〜10質量ppmになる量である、又は、
    ヘリオトロピンの含有量が、前記インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が0.1〜40質量ppmになる量である、
    請求項4〜6のいずれか一項に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  8. 前記発酵茶飲料が烏龍茶飲料であり、前記可溶性発酵茶固形分が前記可溶性烏龍茶固形分であり、前記インスタント発酵茶飲料用組成物がインスタント烏龍茶飲料用組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  9. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜15質量ppmになる量である、請求項8に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  10. バニリンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリンの濃度が0.005〜7.5質量ppmになる量である、
    エチルバニリンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるエチルバニリンの濃度が0.005〜3質量ppmになる量である、又は、
    ヘリオトロピンの含有量が、前記インスタント烏龍茶飲料用組成物を液体と混合して得られる烏龍茶飲料におけるヘリオトロピンの濃度が0.01〜15質量ppmになる量である、
    請求項8又は9に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  11. さらに、デキストリンを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物。
  12. 液体と混合して発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法であって、
    原料として、可溶性紅茶固形分と、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種と、を用い、
    液体と混合してバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が40質量ppm以下である発酵茶飲料を調製するためのインスタント発酵茶飲料用組成物を製造することを特徴とする、インスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法。
  13. 前記発酵茶飲料が、紅茶飲料又は烏龍茶飲料であり、
    前記可溶性発酵茶固形分が、可溶性紅茶固形分又は可溶性烏龍茶固形分であり、
    前記インスタント発酵茶飲料用組成物が、インスタント紅茶飲料用組成物又はインスタント烏龍茶飲料用組成物である、請求項12に記載のインスタント発酵茶飲料用組成物の製造方法。
  14. 発酵茶飲料に添加される粉末状組成物であって、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする、発酵茶飲料添加用組成物。
  15. さらに、β−ダマセノン、フラネオール、フルフラール、シクロテン、ヨノン、エチルマルトール、マルトール、及びソトロンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項14に記載の発酵茶飲料添加用組成物。
  16. 前記発酵茶飲料が紅茶飲料であり、前記発酵茶飲料添加用組成物が紅茶飲料添加用組成物であり、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記紅茶飲料添加用組成物を混合して得られる紅茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.05〜40質量ppmになる量である、請求項14又は15に記載の発酵茶飲料添加用組成物。
  17. 前記発酵茶飲料が烏龍茶飲料であり、前記発酵茶飲料添加用組成物が烏龍茶飲料添加用組成物であり、
    バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの総含有量が、前記烏龍茶飲料添加用組成物を混合して得られる烏龍茶飲料におけるバニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が0.005〜15質量ppmになる量である、請求項14又は15に記載の発酵茶飲料添加用組成物。
  18. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.05〜40質量ppmであることを特徴とする、紅茶飲料。
  19. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.005〜15質量ppmであることを特徴とする、烏龍茶飲料。
  20. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.05〜40質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることを特徴とする、紅茶飲料の製造方法。
  21. バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンの合計濃度が、0.005〜15質量ppmとなるように、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオトロピンからなる群より選択される少なくとも一種を原料として用いることを特徴とする、烏龍茶飲料の製造方法。
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