JP2023113306A - ほうじ茶飲料の風味改善方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ほうじ茶飲料の風味を改善する方法、当該方法により風味が改善されたほうじ茶飲料、及び当該方法によりほうじ茶飲料を製造する方法の提供。【解決手段】可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分とを含有し、リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上であり、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上であり、前記糖成分の含有量が250ppm以上であるほうじ茶飲料、及び、ほうじ茶飲料に、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分とを添加して、飲料中のリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、及び前記糖成分の含有量が250ppm以上になるように調整する、ほうじ茶飲料の風味改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ほうじ茶飲料の風味を改善する方法、当該方法により風味が改善されたほうじ茶飲料、及び当該方法によりほうじ茶飲料を製造する方法に関する。
ほうじ茶とは、焙煎した茶葉から抽出した茶飲料である。ほうじ茶は、焙煎により、香ばしい焙煎香りがする上に、苦味成分のタンニンやカテキン等が分解される結果、渋味や苦味が抑えられており、飲み易い。近年では、水等の液体に溶解させることによりほうじ茶飲料を手軽に楽しめるインスタントほうじ茶飲料用組成物の市場が拡大している。インスタントほうじ茶飲料用組成物は、一般的に、可溶性ほうじ茶固形分と賦形剤とを含み、粉末組成物や濃縮された液体(ポーション)として調製されている。
ほうじ茶飲料の風味を改善する方法としては、例えば、焙煎香の原因香気成分を付与する方法が挙げられる。香りは飲料の嗜好性において重要な役割を果たしており、焙煎香が増強されることにより、ほうじ茶飲料の嗜好性が向上する。例えば、焙煎工程においては、茶葉に含まれるアミノ酸と糖のメイラード反応が生じるが、この反応により生じる2-エチル-3,5-ジメチルピラジン、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、2メチルピラジン等のピラジンが、焙煎香の原因香気成分である。これらのピラジン系香気成分を添加することにより、ほうじ茶飲料の嗜好性を向上させることができる(特許文献1)。また、より香ばしい焙煎感が得られるピロール類縁体も知られている(特許文献2)。
また、一般的な緑茶よりも少ないとはいえ、ほうじ茶にもカフェインは含まれており、脱カフェイン処理により低減されたデカフェほうじ茶も知られている。しかし、脱カフェイン処理により、カフェインと共にその他の成分も除外されてしまうため、ほうじ茶感が損なわれてしまうことがある。脱カフェイン処理により失われるほうじ茶感は、4-エチルフェノール、p-クレゾールのいずれか一方、又はその両方を、それぞれ所定の濃度で含有させることで向上させられる(特許文献3)。
特許第4777869号公報 特許第6592044号公報 特許第6638111号公報
本発明は、ほうじ茶飲料の風味を改善する方法、当該方法により風味が改善されたほうじ茶飲料、及び当該方法によりほうじ茶飲料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、リナロールオキシドとフルフリルアルコールとをそれぞれ所定の含有量となるように調整し、さらに単糖及び二糖の含有量を特定の範囲内に調整することによって、ほうじ茶飲料の風味が改善されることを見出し、本発明を完成させた。
[1]本発明の第一の態様に係るほうじ茶飲料は、可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を含有し、
リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上であり、
フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上であり、
前記糖成分の含有量が250ppm以上であることを特徴とする。
[2]前記[1]のほうじ茶飲料においては、リナロールオキシドの含有量が15ppm以下であり、
フルフリルアルコールの含有量が45ppm以下であることが好ましい。
[3]前記[1]又は[2]のほうじ茶飲料においては、飲料中のフルフリルアルコールの含有量に対する、飲料中のリナロールオキシドの含有量の比が、1.0以下であることが好ましい。
[4]前記[1]~[3]のいずれかのほうじ茶飲料においては、前記糖成分の含有量が、5000ppm以下であることが好ましい。
[5]前記[1]~[4]のいずれかのほうじ茶飲料においては、前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
[6]前記[1]~[5]のいずれかのほうじ茶飲料においては、さらに、デキストリンを含有することが好ましい。
[7]前記[6]のほうじ茶飲料においては、前記デキストリンのDEが、20以下であることが好ましい。
[8]前記[1]~[7]のいずれかのほうじ茶飲料においては、さらに、乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク、及び甘味料からなる群より選択される1種以上を含有することが好ましい。
[9]本発明の第二の態様に係るほうじ茶飲料の風味改善方法は、ほうじ茶飲料に、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を添加して、
飲料中のリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、及び前記糖成分の含有量が250ppm以上になるように調整することを特徴とする。
[10]前記[9]のほうじ茶飲料の風味改善方法においては、前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
[11]本発明の第三の態様に係るインスタントほうじ茶飲料用組成物は、液体と混合して、ほうじ茶飲料を調製するためのインスタントほうじ茶飲料用組成物であって、
可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を含有し、
組成物全量に対するリナロールオキシドの含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上になる量であり、
組成物全量に対するフルフリルアルコールの含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上になる量であり、
組成物全量に対する前記糖成分の含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量が250ppm以上になる量であることを特徴とする。
[12]前記[11]のインスタントほうじ茶飲料用組成物は、前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
[13]前記[11]又は[12]のインスタントほうじ茶飲料用組成物は、さらに、乳クリーミングパウダー、植物性ミルク、及び甘味料からなる群より選択される1種以上を含有することが好ましい。
[14]本発明の第四の態様に係るインスタントほうじ茶飲料用組成物の製造方法は、液体と混合して、ほうじ茶飲料を調製するためのインスタントほうじ茶飲料用組成物の製造方法であって、
原料として、可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を用いてインスタントほうじ茶飲料用組成物を製造し、
前記インスタントほうじ茶飲料用組成物は、
液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上になる量のリナロールオキシドと、液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上になる量のフルフリルアルコールと、液体と混合して得られたほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量が250ppm以上になる量の前記糖成分を含有していることを特徴とする。
本発明の第二の態様に係るほうじ茶飲料の風味改善方法、及びこれを利用した本発明の第一の態様に係るほうじ茶飲料によって、風味の改善されたほうじ茶飲料が得られる。
また、本発明の第三の態様に係るインスタントほうじ茶飲料用組成物を水等の液体に混合するだけで、ほうじ茶本来の風味が増強されたほうじ茶飲料を、簡便に調製することができる。
また、本発明の第四の態様に係るインスタントほうじ茶飲料用組成物の製造方法によって、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を製造することができる。
本発明及び本願明細書において、「インスタントほうじ茶飲料用組成物」(「ほうじ茶飲料用組成物」と略記することもある。)とは、水や牛乳等の液体に溶解、希釈、又は分散させることによって、ほうじ茶飲料を調製し得る組成物を意味する。ほうじ茶飲料用組成物は、粉末や顆粒等の固形物であってもよく、液体であってもよいが、より安定的に長期保存が可能であり、焙煎香を始めとするほうじ茶の香りがより強いほうじ茶飲料を製造し得るため、固形物であることが好ましい。
本発明及び本願明細書において、「粉末」とは粉粒体(異なる大きさの分布をもつ多くの固体粒子からなり,個々の粒子間に,何らかの相互作用が働いているもの)を意味する。また、「顆粒」は粉末から造粒された粒子(顆粒状造粒物)の集合体である。粉末には、顆粒も含まれる。
本発明及び本願明細書において、特に記載のない限り、「ppm」は「質量ppm」を意味する。
<ほうじ茶飲料>
本発明に係るほうじ茶飲料は、可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分(以下、単に「糖成分」という)と、を含有し、リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上であり、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上であり、当該糖成分の含有量が250ppm以上であることを特徴とする。ほうじ茶飲料中のリナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖成分との含有量を前記範囲に増加させることにより、ほうじ茶の香ばしい香りや、茶葉の甘い香り、及びほうじ茶の好ましい苦渋みの少なくとも1つが向上し、ほうじ茶感(ほうじ茶本来の風味)が改善される。
リナロールオキシドは、紅茶や烏龍茶に主に含まれている華やかな、軽い香りである。フルフリルアルコールは、土っぽい香りであり、焦げ感や茶の苦みが感じられる香りである。これらはいずれもほうじ茶らしい香りの原因香気成分ではなく、それぞれを単独でその含有量を増強させたとしても、ほうじ茶らしい風味を増強させることはできない。リナロールオキシドとフルフリルアルコールを増強させることにより、はじめてほうじ茶感を増強させることができる。
本発明に係るほうじ茶飲料は、リナロールオキシドとフルフリルアルコールに加えて、前記糖成分も含有させる。前記糖成分が一定量以上含有されていることにより、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの併用によるほうじ茶感改善効果がより強化される。
本発明に係るほうじ茶飲料のリナロールオキシドの含有量は、0.0012ppm以上であれば特に限定されるものではない。リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上である場合に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖成分の併用によるほうじ茶感改善効果が十分に得られる。リナロールオキシド自身の香味が、ほうじ茶として異味になり難いことから、本発明に係るほうじ茶飲料のリナロールオキシドの含有量は、15ppm以下であることが好ましく、10.05ppm以下であることがより好ましい。また、より高いほうじ茶感改善効果が得られることから、本発明に係るほうじ茶飲料のリナロールオキシドの含有量は、7.5ppm以下であることが好ましく、2.5ppm以下であることがより好ましく、0.6ppm以下であることがさらに好ましく、0.3ppm以下であることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のフルフリルアルコールの含有量は、0.1ppm以上であれば特に限定されるものではない。フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上である場合に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖成分の併用によるほうじ茶感改善効果が十分に得られる。フルフリルアルコール自身の香味が、ほうじ茶として異味になり難いことから、本発明に係るほうじ茶飲料のフルフリルアルコールの含有量は、45ppm以下であることが好ましく、40ppm以下であることがより好ましい。また、より高いほうじ茶感改善効果が得られることから、本発明に係るほうじ茶飲料のフルフリルアルコールの含有量は、30ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1.1ppm以下であることがさらに好ましく、0.125~1.1ppmであることがよりさらに好ましい。
より十分なほうじ茶感改善効果が得られることから、本発明に係るほうじ茶飲料の飲料中のフルフリルアルコールの含有量に対する飲料中のリナロールオキシドの含有量の比([飲料中のリナロールオキシドの含有量]/[飲料中のフルフリルアルコールの含有量])(以下、「L/F比」ということがある。)は、1.0以下であることが好ましく、0.001~1.0がより好ましく、0.001~0.5がさらに好ましく、0.001~0.3がよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料が含有する糖成分としては、単糖又は二糖であれば特に限定されるものではない。また、当該糖成分は、1種類の糖であってもよく、2種類以上の糖であってもよい。本発明に係るほうじ茶飲料が含有する糖成分としては、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの併用によるほうじ茶感改善効果に対する増強効果が十分に得られる点から、グルコース、フルクトース、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料の前記糖成分の含有量は、250ppm以上であれば特に限定されるものではない。前記糖成分の含有量が250ppm以上である場合に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールとによるほうじ茶感改善効果に対する強化効果が十分に得られる。糖成分による甘味が、ほうじ茶として異味になり難いことから、本発明に係るほうじ茶飲料の前記糖成分の含有量は、5000ppm以下であることが好ましく、4500ppm以下であることがより好ましい。なお、本発明に係るほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量とは、飲料に含まれている全ての単糖及び二糖の合計含有量を意味する。
本発明に係るほうじ茶飲料のグルコースの含有量としては、85ppm以上であることが好ましく、85~950ppmであることがより好ましく、150~700ppmであることがさらに好ましく、200~400ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のフルクトースの含有量としては、30ppm以上であることが好ましく、30~1000ppmであることがより好ましく、100~700ppmであることがさらに好ましく、100~400ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のスクロースの含有量としては、100ppm以上であることが好ましく、100~1000ppmであることがより好ましく、100~700ppmであることがさらに好ましく、100~400ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のマルトースの含有量としては、150ppm以上であることが好ましく、150~3000ppmであることがより好ましく、200~1500ppmであることがさらに好ましく、200~1000ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のラクトースの含有量としては、10ppm以上であることが好ましく、10~1000ppmであることがより好ましく、50~500ppmであることがさらに好ましく、200~500ppmであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るほうじ茶飲料のトレハロースの含有量としては、10ppm以上であることが好ましく、10~2000ppmであることがより好ましく、50~2000ppmであることがさらに好ましく、50~1500ppmであることがよりさらに好ましい。
リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖成分の併用によるほうじ茶の風味改善効果は、乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク等の存在下でも発揮される。そこで、本発明に係るほうじ茶飲料は、可溶性ほうじ茶固形分、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、及び前記糖成分以外に、例えば、乳、クリーミングパウダー(クリームの代用として、コーヒー等の嗜好性飲料に添加される粉末)、植物性ミルク等のミルク風味を付与する原料(以下、ミルク原料ということがある)を含有することができる。ほうじ茶飲料にこれらを配合することにより、ミルク感をも有するほうじ茶飲料が得られる。これらのミルク原料は、1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有させてもよい。
乳としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、牛乳、低脂肪乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、乳糖、生クリーム、バター等が挙げられる。なお、全粉乳及び脱脂粉乳は、それぞれ、牛乳(全脂乳)又は脱脂乳を、スプレードライ等により水分を除去して乾燥し粉末化したものである。
クリーミングパウダーは、例えば、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、水添パーム油、パーム核油、水添パーム核油、大豆油、コーン油、綿実油、ナタネ油、こめ油、サフラワー油(ベニバナ油)、ひまわり油、中鎖脂肪酸トリグリセライド、乳脂、牛脂、豚脂等の食用油脂;ショ糖、グルコース、澱粉分解物等の糖質;カゼインナトリウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、脱脂粉乳、乳化剤等のその他の原料等を、望まれる品質特性に応じて選択し、これらの原料を水中で混合し、次いで乳化機等で水中油型乳化液(O/Wエマルション)とした後、水分を除去することによって製造することができる。水分を除去する方法としては、噴霧乾燥、噴霧凍結、凍結乾燥、凍結粉砕、押し出し造粒法等、任意の方法を選択して行うことができる。得られたクリーミングパウダーは、必要に応じて、分級、造粒及び粉砕等を行ってもよい。
植物性ミルクとしては、豆類のミルクやナッツのミルクが挙げられる。豆類のミルクとしては、豆乳、ピーナッツミルク等が挙げられる。ナッツのミルクとしては、アーモンドミルク、クルミ(ウォールナッツ)ミルク、ピスタチオミルク、ヘーゼルナッツミルク、カシューナッツミルク、ピーカンナッツミルク等が挙げられる。これらの乳や植物性ミルクは、常法により製造することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料は、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、及び前記糖成分を所定の含有量となるように調整される限りにおいて、甘味料を含有することができる。甘味料は、1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有させてもよい。甘味料としては、ショ糖、オリゴ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、還元水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン等の高甘味度甘味料、ステビア等が挙げられる。ショ糖としては、グラニュー糖であってもよく、ショ糖型液糖であってもよい。
本発明に係るほうじ茶飲料は、可溶性ほうじ茶固形分、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、前記糖成分、乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク、及び甘味料以外にも、ほうじ茶飲料に一般的に含まれている成分を含有していてもよい。当該成分としては、香料(ただし、リナロールオキシド、フルフリルアルコールを除く)、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤等が挙げられる。
香料としては、ほうじ茶香料、ミルク香料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸。グルコン酸等の有機酸や、リン酸等の無機酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、二酸化炭素等が挙げられる。
増粘剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、モノグリセライド、ジグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステル等のグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤;プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールオレエート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル系乳化剤;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のシュガーエステル系乳化剤;レシチン、レシチン酵素分解物等のレシチン系乳化剤等が挙げられる。
本発明に係るほうじ茶飲料は、例えば、焙煎された茶葉から熱水で抽出されたほうじ茶エキスに、リナロールオキシド等を添加して製造することができる。茶葉の焙煎や焙煎された茶葉からの熱水抽出は、常法により行うことができる。本発明に係るほうじ茶飲料は、インスタントほうじ茶飲料用組成物を水又は牛乳で溶解させた後、リナロールオキシド等を添加することによっても製造できる。焙煎された茶葉から淹れられたほうじ茶飲料や、インスタントほうじ茶飲料用組成物から調製されたほうじ茶飲料に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖成分を添加して、飲料中のリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、かつフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、前記糖成分の含有量を250ppm以上になるように調整することにより、ほうじ茶風味を改善することができる。
焙煎された茶葉には、少量ではあるが、リナロールオキシドとフルフリルアルコールが含まれている。本発明に係るほうじ茶飲料は、例えば、常法により製造されたほうじ茶飲料に、リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、前記糖分の含有量が250ppm以上となるように、リナロールオキシド及び/又はフルフリルアルコールと前記糖分とを添加することにより製造できる。
添加されるリナロールオキシドは、合成品や精製品であることが好ましく、不純物の含有量が少ないものがより好ましい。市販品をそのまま用いてもよい。また、リナロールオキシドを含有する香料組成物を、ほうじ茶飲料に添加してもよい。当該香料組成物に含有されているその他の香気成分は、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖分との併用によるほうじ茶の風味改善効果を損なわない限り、特に限定されるものではない。
添加されるフルフリルアルコールは、合成品や精製品であることが好ましく、不純物の含有量が少ないものがより好ましい。市販品をそのまま用いてもよい。また、フルフリルアルコールを含有する香料組成物を、ほうじ茶飲料に添加してもよい。当該香料組成物に含有されているその他の香気成分は、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと前記糖分との併用によるほうじ茶の風味改善効果を損なわない限り、特に限定されるものではない。
飲料中のリナロールオキシドとフルフリルアルコールの含有量は、飲料に含有させた原料の配合量から算出することができる。また、飲料中のリナロールオキシドとフルフリルチオールの含有量は、ガスクロマトグラフィー-質量分析法(GC/MS法)により測定することができる。
ほうじ茶飲料に含まれる糖成分には、原料として配合した単糖や二糖に加えて、その他の原料に由来する単糖や二糖も含まれる。このため、本発明に係るほうじ茶飲料において、前記糖成分の含有量は、単糖や二糖自体を原料として配合することや、糖や二糖の含有量の高い原料の配合量を調整することにより調整することができる。単糖や二糖は、甘味料や増粘剤、賦形剤等として飲料に使用される。また、糖や二糖の含有量の高い原料としては、デキストリン等の澱粉分解物が挙げられる。
本発明に係るほうじ茶飲料がデキストリン等の澱粉分解物を含有する場合、前記糖成分の含有量を前記範囲内に調整しやすい点から、当該ほうじ茶飲料に含有させる澱粉分解物としては、DE(Dextrose Equivalent)値が20以下のものが好ましい。例えば、本発明に係るほうじ茶飲料としては、DE値が20以下のデキストリンを含有することが好ましく、DE値が8~20のデキストリンを含有することがより好ましい。
ほうじ茶飲料中の前記糖成分の含有量は、飲料の原料として配合した単糖や二糖の配合量や、単糖や二糖を含むその他の原料の配合量から算出することができる。単糖や二糖を含むその他の原料としては、デキストリンや可溶性ほうじ茶固形分等が挙げられる。本発明に係るほうじ茶飲料に含まれている前記糖成分は、単糖や二糖を副成分として含有する原料に由来するもののみからなってもよい。単糖や二糖以外の原料に由来する単糖と二糖の合計量によって、前記糖成分の含有量が250ppm以上に達する場合には、別途に原料として単糖や二糖を配合せずとも、本発明に係るほうじ茶飲料を製造できる。例えば、原料として用いるデキストリンが澱粉分解物である場合には、当該澱粉分解物にはデキストリンと共に単糖や二糖も含まれている場合が多い。本発明に係るほうじ茶飲料に含まれている前記糖成分としては、当該澱粉分解物に由来する単糖や二糖であってもよい。例えば、デキストリンを含有するほうじ茶飲料の場合、原料として用いる澱粉分解物中の単糖と二糖の合計割合(%)を予め測定しておくことにより、ほうじ茶飲料に配合した澱粉分解物の配合量から、当該澱粉分解物由来の糖成分の合計量を算出することができる。また、本発明に係るほうじ茶飲料中の各単糖や二糖の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ法により測定することもできる。
<ほうじ茶飲料用組成物>
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、液体と混合して、前記の本発明に係るほうじ茶飲料を調製するためのインスタントほうじ茶飲料用組成物であって、可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、前記糖成分とを含有する。当該ほうじ茶飲料用組成物を、水や牛乳等の液体と混合することにより、リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上であり、かつフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上であり、前記糖成分の含有量が250ppm以上であるほうじ茶飲料が製造できる。本発明に係るほうじ茶飲料用組成物を混合する液体は、60℃以上の高温であってもよく、室温程度であってもよく、10℃以下の低温であってもよい。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、好ましくは0.0012~15ppm、より好ましくは0.0012~10.05ppm、さらに好ましくは0.0012~7.5ppm、よりさらに好ましくは0.0012~2.5ppmになる量のリナロールオキシドを含有する。原料として含有させるリナロールオキシドは、前記のほうじ茶飲料において添加されるリナロールオキシドと同様のものを用いることができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、好ましくは0.1~45ppm、より好ましくは0.1~40ppm、さらに好ましくは0.1~30ppm、よりさらに好ましくは0.1~10ppm、特に好ましくは0.1~1.1ppmになる量のフルフリルアルコールを含有する。原料として含有させるフルフリルアルコールは、前記のほうじ茶飲料において添加されるフルフリルアルコールと同様のものを用いることができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量が250ppm以上、好ましくは250~5000ppm、より好ましくは250~4500ppmになる量の糖成分を含有する。原料として含有させる糖成分は、前記のほうじ茶飲料において添加される単糖、二糖、澱粉分解物等と同様のものを用いることができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるグルコースの含有量が、好ましくは85ppm以上、より好ましくは85~950ppm、さらに好ましくは150~700ppm、よりさらに好ましくは200~400ppmになる量のグルコースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルクトースの含有量が、好ましくは30ppm以上、より好ましくは30~1000ppm、さらに好ましくは100~700ppm、よりさらに好ましくは100~400ppmになる量のフルクトースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるスクロースの含有量が、好ましくは100ppm以上、より好ましくは100~1000ppm、さらに好ましくは100~700ppm、よりさらに好ましくは100~400ppmになる量のスクロースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるマルトースの含有量が、好ましくは150ppm以上、より好ましくは200~1000ppmになる量のマルトースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるラクトースの含有量が、好ましくは10ppm以上、より好ましくは10~1000ppm、さらに好ましくは50~500ppm、よりさらに好ましくは200~500ppmになる量のラクトースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、当該ほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるトレハロースの含有量が、好ましくは10ppm以上、より好ましくは10~2000ppm、さらに好ましくは50~2000ppm、よりさらに好ましくは50~1500ppmになる量のトレハロースを含有することができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物としては、ほうじ茶飲料用組成物中の、フルフリルアルコールの含有量に対するリナロールオキシドの含有量の比(L/F比)が、1.0以下であることが好ましく、0.001~1.0がより好ましく、0.001~0.5がさらに好ましく、0.001~0.3がよりさらに好ましい。
原料として用いられる可溶性ほうじ茶固形分は、焙煎した茶葉から抽出された可溶性の固形分であり、粉末であってもよく、水溶液であってもよい。保存安定性が良好であるため、本発明に係るほうじ茶飲料用組成物の製造においては、粉末の可溶性ほうじ茶固形分を原料とすることが好ましい。
粉末又は水溶系である可溶性ほうじ茶固形分は、常法により製造することができ、また、市販されているものを用いてもよい。例えば、粉末状の可溶性ほうじ茶固形分は、焙煎された茶葉から熱水を用いて可溶性の固形分を抽出し、得られた抽出物を乾燥することにより得られる。焙煎された茶葉は、一般的にほうじ茶飲料に使用されている茶葉を常法により焙煎されたものを用いることができる。得られた抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等が挙げられる。抽出物は、予めデキストリン等の澱粉分解物と混合し、得られた混合物を乾燥してもよい。得られた抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等が挙げられる。また、茶葉からの抽出物は、乾燥前に、必要に応じて濃縮してもよい。当該濃縮方法としては、熱濃縮方法、冷凍濃縮方法、逆浸透膜や限外濾過膜等を用いた膜濃縮方法等の汎用されている濃縮方法により行うことができる。
焙煎された茶葉を微粉砕したものを、粉末状の可溶性ほうじ茶固形分として用いることもできる。焙煎された茶葉は、一般的にほうじ茶飲料に使用されている茶葉を常法により焙煎されたものを用いることができる。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、可溶性ほうじ茶固形分の濃縮液又は粉末を、その他の原料と混合することによって製造される。混合の順番は特に限定されるものではなく、全ての原料を同時に混合してもよく、順次混合させてもよい。
全ての原料が粉末の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、粉末のほうじ茶飲料用組成物が製造される。一方で、全ての原料が液状の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、液状のほうじ茶飲料用組成物が製造される。
粉末原料と液状の原料を用いる場合、粉末の原料を全て予め混合し、得られた混合粉末に、液状の原料の混合液を噴霧して乾燥させることによって、粉末のほうじ茶飲料用組成物が製造される。また、液状の原料の混合液に、粉末の原料を溶解又は分散させることによって、液状のほうじ茶飲料用組成物が製造される。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、及び前記糖成分を所定の含有量となるように調整される限りにおいて、ほうじ茶飲料用組成物に添加される可溶性ほうじ茶固形分、リナロールオキシド、フルフリルアルコール以外のその他の原料を用いて製造してもよい。その他の原料としては、乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク、甘味料、香料(ただし、リナロールオキシド、フルフリルアルコールを除く)、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)等が挙げられる。
乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク、甘味料、香料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、及び乳化剤としては、ほうじ茶飲料の原料として列挙されたものと同様のものを用いることができる。また、必要に応じて、茶類やハーブ、コーヒー等を抽出することなく微粉砕したものを混ぜてもよい。
賦形剤や結合剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。なお、賦形剤や結合剤は、造粒時の担体としても用いられる。
流動性改良剤としては、微粒酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム等の加工用製剤が用いられてもよい。
本発明に係るほうじ茶飲料用組成物は、飲用1杯分を小パウチなどに個包装したり、使用時に容器から振り出したりスプーンで取り出したりして使用するように瓶などの容器に数杯分をまとめて包装して商品として供給することもできる。
個包装タイプとは、スティック状アルミパウチ、ワンポーションカップなどにコーヒー飲料1杯分の中身を充填包装するものであり、容器を開けて指で押し出すなどの方法で中身を取り出すことができる。個包装タイプは、1杯分が密閉包装されているので取り扱いも簡単で、衛生的であるという利点を有する。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、特に記載がない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<ほうじ茶パウダー又はほうじ茶飲料中の香気成分の測定>
ほうじ茶パウダー又はほうじ茶飲料中のリナロールオキシド及びフルフリルアルコールは、GC/MSを用いて分析して、その濃度を測定した。GC/MSの分析条件は下記の通りである。
GC/MS条件
GC部:7890A(Agilent Technologies社製)
MS部:5975C(Agilent Technologies社製)
カラム:InertCap WAX-HT(0.25μm×0.25mm×60m)
試料注入:DHS(ダイナミックヘッドスペース)法
サンプル温度:80℃
圧力:292kPa
セプタムパージ流量:3mL/分
試料導入:スプリットレスモード
カラム流量:3.415mL/分
カラム線速:46.493cm/秒
カラムオーブン温度:35℃(5分間保持)→250℃(5℃/分、10分間保持)
<ほうじ茶感の官能評価>
各試験飲料のほうじ茶感は、トレーニングされた専門パネル6名により、10段階評価(10:最も感じる、・・・1:全く感じない)で評価した。ほうじ茶感は、ほうじ茶の香ばしい香り、甘い茶葉の香り、ほうじ茶らしい苦渋み等を総合評価した。異臭や異風味を感じた場合は、ほうじ茶感は弱い又は感じないと評価した。具体的な評価基準は以下の通りである。全専門パネルの評価スコアの平均値を、各サンプルの評価スコアとした。
1~3点:ほうじ茶と判断つくが、香り乏しく呈味も薄い。
4~6点:ほうじ茶の香り(香ばしい香り、甘い茶葉の香り)が感じられる。
7~10点:ほうじ茶の香り(香ばしい香り、甘い茶葉の香り)が感じられる。これに加えて、茶らしい苦みなどの呈味が感じられる。
[実施例1]
ほうじ茶飲料に、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、及び糖を添加し、ほうじ茶感に対する影響を調べた。ほうじ茶飲料の調製には、ほうじ茶エキスにDE20以下のデキストリンを溶解させた溶液をスプレードライして得たほうじ茶エキスパウダーAを用いた。
具体的には、茶固形分が1668ppmとなるようにほうじ茶エキスパウダーAを計量し、このほうじ茶エキスパウダーA(0.33g)を90mLの60℃の水に溶解させてほうじ茶飲料を調製した。このほうじ茶飲料に、飲料の最終濃度が表1~2に記載された濃度になるように、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、及び糖を添加し、得られた各ほうじ茶飲料のほうじ茶感の官能評価を行った。表中、各糖の最低濃度の欄は、当該糖を添加していないほうじ茶飲料の結果である。用いたほうじ茶エキスパウダーAには、デキストリン由来の糖が含まれていた。
Figure 2023113306000001
Figure 2023113306000002
リナロールオキシド濃度を0.0018ppm、フルフリルアルコール濃度を0.1ppmに調整し、各糖を添加したほうじ茶飲料の結果を表1に、リナロールオキシド濃度を0.0479ppm、フルフリルアルコール濃度を0.199ppmに調整し、各糖を添加したほうじ茶飲料の結果を表2に、それぞれ示す。この結果、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの濃度や糖の種類にかかわらず、糖の添加量依存的にほうじ茶感が向上していた。また、糖の種類と濃度が同じほうじ茶飲料同士を比較すると、いずれの糖であっても、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの濃度を増大させると、ほうじ茶感が向上していた。これらの結果から、リナロールオキシド、フルフリルアルコール、糖を組み合わせることによって、ほうじ茶感が改善されることがわかった。これらの6種の糖のうち、マルトース又はトレハロースの添加によってより高いほうじ茶感改善効果が得られ、マルトースで最も効果を示した。
[実施例2]
ほうじ茶飲料に、様々な濃度でリナロールオキシドとフルフリルアルコールを含有させて、糖との併用によるほうじ茶感改善効果に対する影響を調べた。ほうじ茶エキスパウダーは、実施例1で用いたものを用いた。
具体的には、実施例1と同様にして、0.33gのほうじ茶エキスパウダーAを90mLの60℃の水に溶解させて、茶固形分が1668ppmのほうじ茶飲料を調製した。このほうじ茶飲料に、飲料の最終濃度が表3~4に記載された濃度になるように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールを添加し、ほうじ茶飲料を調製した。
また、飲料の最終濃度が324ppmとなるようにマルトースを含有させた以外は同様にして、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの最終濃度が表3~4に記載された濃度であるほうじ茶飲料を調製した。
得られた各ほうじ茶飲料のほうじ茶感の官能評価を行った。各飲料の評価スコアを表3~4に示す。表中、上段がマルトース無しのほうじ茶飲料のスコアであり、中段がマルトースを含有させたほうじ茶飲料のスコアであり、下段がL/F比である。
表中、リナロールオキシドの最低濃度の欄は、リナロールオキシド無添加の飲料であり、フルフリルアルコールの最低濃度の欄は、フルフリルアルコール無添加の飲料である。すなわち、表中の左上のセルは、リナロールオキシドとフルフリルアルコールのいずれも無添加の飲料である。
Figure 2023113306000003
Figure 2023113306000004
表3及び4の各欄の上段のスコアが示すように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールのいずれも添加していないほうじ茶飲料のほうじ茶感のスコアは2であったのに対して、リナロールオキシド濃度が0.0012~10.05ppm、フルフリルアルコール濃度が0.1~40ppmのほうじ茶飲料では、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの少なくとも一方を添加することによって、ほうじ茶感が向上していた。また、表3及び4の各欄の中段のスコアが示すように、324ppmのマルトースを含有させることにより、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの少なくとも一方を添加したほうじ茶飲料では、ほうじ茶感のスコアが改善していた。特に、リナロールオキシド濃度が7.478~10.05ppmかつフルフリルアルコール濃度が30.08~40.04ppmのほうじ茶飲料では、両香気成分の添加によってはほうじ茶感は改善されなかったが、マルトースを含有させることによって、ほうじ茶感改善効果が得られた。一方で、リナロールオキシドとフルフリルアルコールのいずれも無添加のほうじ茶飲料では、マルトースを含有させても、ほうじ茶感は向上しなかった。
[実施例3]
実施例1及び2で使用したほうじ茶エキスパウダーAとは異なるほうじ茶エキスパウダーBを用いて、実施例2と同様にしてほうじ茶飲料を調製し、ほうじ茶感改善効果を調べた。
具体的には、実施例2と同様にして、実施例1及び2で使用したものとは異なるほうじ茶エキスパウダーBを90mLの60℃の水に溶解させて、茶固形分が1668ppmのほうじ茶飲料を調製した。このほうじ茶飲料に、飲料の最終濃度が表5に記載された濃度になるように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールを添加し、ほうじ茶飲料を調製した。
また、飲料の最終濃度が351ppmとなるようにマルトースを含有させた以外は同様にして、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの最終濃度が表5に記載された濃度であるほうじ茶飲料を調製した。
得られた各ほうじ茶飲料のほうじ茶感の官能評価を行った。各飲料の評価スコアを表5に示す。表中、上段がマルトース無しのほうじ茶飲料のスコアであり、中段がマルトースを含有させたほうじ茶飲料のスコアであり、下段がL/F比である。表中の左上のセルは、リナロールオキシドとフルフリルアルコールのいずれも無添加の飲料である。
Figure 2023113306000005
表5の各欄の上段のスコアが示すように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールのいずれも添加していないほうじ茶飲料のほうじ茶感のスコアは2であったのに対して、リナロールオキシド濃度が0.0012~10.04ppm、フルフリルアルコール濃度が0.125~40.0ppmのほうじ茶飲料では、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの少なくとも一方を添加することによって、ほうじ茶感が向上していた。また、表5の各欄の中段のスコアが示すように、351ppmのマルトースを含有させることにより、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの少なくとも一方を添加したほうじ茶飲料では、ほうじ茶感のスコアが改善していた。これらの結果から、ほうじ茶エキスパウダーが異なる場合であっても、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと糖成分の併用によるほうじ茶感改善効果が観察された。
[実施例4]
ほうじ茶飲料に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールを含有させ、さらに様々な種類の糖を様々な濃度で含有させることによって、三者併用によるほうじ茶感改善効果を調べた。ほうじ茶エキスパウダーは、実施例1で用いたものを用いた。
具体的には、実施例1と同様にして、0.33gのほうじ茶エキスパウダーAを90mLの60℃の水に溶解させて、茶固形分が1668ppmのほうじ茶飲料を調製した。このほうじ茶飲料に、飲料の最終濃度が表6~8に記載された濃度になるように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと糖を添加し、ほうじ茶飲料を調製した。得られた各ほうじ茶飲料のほうじ茶感の官能評価を行った。各飲料の評価スコアを表6~8に示す。表中、各糖の最低濃度の欄は、当該糖を添加していないほうじ茶飲料の結果である。
Figure 2023113306000006
Figure 2023113306000007
Figure 2023113306000008
表6~8に示すように、単糖のグルコースでは、飲料濃度が85ppm以上で、二糖のスクロース、マルトース、及びトレハロースでは、飲料濃度が125ppm以上で、ほうじ茶感改善効果が確認された。単糖よりも二糖のほうが、ほうじ茶の芳ばしい香り(焙煎香)や甘い香りの立ちをより強く向上させた。二糖の中でもマルトースとトレハロースが高いほうじ茶感改善効果を有しており、特にマルトースがほうじ茶感を非常に強く改善させた。
[実施例5]
ほうじ茶飲料の可溶性ほうじ茶固形分の量を変えたほうじ茶飲料に、リナロールオキシドとフルフリルアルコールを含有させ、さらに様々な種類の糖を様々な濃度で含有させることによって、三者併用によるほうじ茶感改善効果を調べた。ほうじ茶エキスパウダーは、実施例1で用いたものと実施例3で用いたものを用いた。
具体的には、実施例1と同様にして、ほうじ茶エキスパウダーA又はほうじ茶エキスパウダーBを90mLの60℃の水に溶解させて、茶固形分が1251ppm、1668ppm、又は2085ppmのほうじ茶飲料を調製した。このほうじ茶飲料に、飲料の最終濃度が表9~10に記載された濃度になるように、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと糖を添加し、ほうじ茶飲料を調製した。得られた各ほうじ茶飲料のほうじ茶感の官能評価を行った。各飲料の評価スコアを表9~10に示す。
Figure 2023113306000009
Figure 2023113306000010
表9及び10に示すように、可溶性ほうじ茶固形分の含有量にかかわらず、マルトースの存在下で、リナロールオキシドとフルフリルアルコールの含有量が多いほど、ほうじ茶感が良好であった。これらの結果から、可溶性ほうじ茶固形分の含有量にかかわらず、リナロールオキシドとフルフリルアルコールと糖の併用によるほうじ茶感改善効果が得られることがわかった。

Claims (14)

  1. 可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を含有し、
    リナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上であり、
    フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上であり、
    前記糖成分の含有量が250ppm以上であることを特徴とする、ほうじ茶飲料。
  2. リナロールオキシドの含有量が15ppm以下であり、
    フルフリルアルコールの含有量が45ppm以下である、請求項1に記載のほうじ茶飲料。
  3. 飲料中のフルフリルアルコールの含有量に対する、飲料中のリナロールオキシドの含有量の比が、1.0以下である、請求項1又は2に記載のほうじ茶飲料。
  4. 前記糖成分の含有量が、5000pm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のほうじ茶飲料。
  5. 前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のほうじ茶飲料。
  6. さらに、デキストリンを含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のほうじ茶飲料。
  7. 前記デキストリンのDEが、20以下である、請求項6に記載のほうじ茶飲料。
  8. さらに、乳、クリーミングパウダー、植物性ミルク、及び甘味料からなる群より選択される1種以上を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のほうじ茶飲料。
  9. ほうじ茶飲料に、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を添加して、
    飲料中のリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上、フルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上、及び前記糖成分の含有量が250ppm以上になるように調整することを特徴とする、ほうじ茶飲料の風味改善方法。
  10. 前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上である、請求項9に記載のほうじ茶飲料の風味改善方法。
  11. 液体と混合して、ほうじ茶飲料を調製するためのインスタントほうじ茶飲料用組成物であって、
    可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を含有し、
    組成物全量に対するリナロールオキシドの含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上になる量であり、
    組成物全量に対するフルフリルアルコールの含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上になる量であり、
    組成物全量に対する前記糖成分の含有量が、前記インスタントほうじ茶飲料用組成物を液体と混合して得られたほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量が250ppm以上になる量であることを特徴とする、インスタントほうじ茶飲料用組成物。
  12. 前記糖成分が、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、及びトレハロースからなる群より選択される1種以上である、請求項11に記載のインスタントほうじ茶飲料用組成物。
  13. さらに、乳クリーミングパウダー、植物性ミルク、及び甘味料からなる群より選択される1種以上を含有する、請求項11又は12に記載のインスタントほうじ茶飲料用組成物。
  14. 液体と混合して、ほうじ茶飲料を調製するためのインスタントほうじ茶飲料用組成物の製造方法であって、
    原料として、可溶性ほうじ茶固形分と、リナロールオキシドと、フルフリルアルコールと、単糖及び二糖からなる群より選択される1種以上である糖成分と、を用いてインスタントほうじ茶飲料用組成物を製造し、
    前記インスタントほうじ茶飲料用組成物は、
    液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるリナロールオキシドの含有量が0.0012ppm以上になる量のリナロールオキシドと、液体と混合して得られたほうじ茶飲料におけるフルフリルアルコールの含有量が0.1ppm以上になる量のフルフリルアルコールと、液体と混合して得られたほうじ茶飲料における前記糖成分の含有量が250ppm以上になる量の前記糖成分を含有していることを特徴とする、インスタントほうじ茶飲料用組成物の製造方法。
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