JP2022107747A - インスタント紅茶飲料用組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程において少なくとも一度の加熱処理が行われる容器詰飲料やインスタントティーであっても、香り立ちの良好な紅茶飲料、及び香り立ちの良好な紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物の提供。【解決手段】飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が0.4以上であることを特徴とする、紅茶飲料、飲料のテアニン濃度が43mg/100mL以下である、前記紅茶飲料、及び液体と混合して紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物であって、インスタント紅茶飲料用組成物の乾燥固形分当たりの、カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が0.4以上であることを特徴とする、インスタント紅茶飲料用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、香り立ちの良好な紅茶飲料、及び香り立ちの良好な紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物に関する。
近年、無糖のストレート茶飲料市場が急成長しているが、このような茶飲料においては、香りが消費者の嗜好性を決定する重要な品質である。しかし、香り成分には揮発性成分も多く、このため、ペットボトル等の容器に充填された容器詰飲料や、粉末状のインスタント飲料用組成物を水等に溶解させて調製された茶飲料(インスタントティー)では、淹れたての茶飲料に比べて香りが弱くなってしまうという問題がある。
一方で、テアニンは、チャノキに由来するアミノ酸の一種であり、鎮静効果等の生理作用を有する。このため、テアニンを多く含む飲料を喫飲することにより、心身のリラックスや睡眠の質の向上、集中力向上などの効果が得られることが期待されている。テアニンは、日光等によりカテキンに変換されやすいため、紅茶の茶葉には極少量しか含まれていないが、日蔭で育てられる緑茶の茶葉には比較的多く含まれている。このため、テアニンは、特に緑茶飲料に多く含まれており、その旨味や甘味を担う主要な呈味成分である。
テアニンの含有量を調整することによって、緑茶飲料の嗜好性を改善する方法が幾つか報告されている。例えば、特許文献1には、飲料中のテアニンの含有量とモノガラクトシルジグリセリドの含有量とジガラクトシルジグリセリドの含有量と含有比率を所定の範囲内に調整することによって、緑茶飲料におけるテアニンの旨味や甘味を増強できることが記載されている。また、特許文献2には、カフェインの濃度と糖類の濃度に加えて、糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率とカフェインの濃度に対するテアニンの濃度の比率とを所定の範囲内に調整することによって、緑茶飲料における甘味と旨味のバランスや旨味と苦渋味のバランスを改善できることが記載されている。さらに、特許文献3には、緑茶飲料中の非重合体カテキン類とテアニンとルチンの濃度をそれぞれ特定の範囲内に調整することによって、飲用時に口腔から鼻腔へ抜ける香りの強さとドライ感が改善されることが記載されている。
特開2014-68634号公報 特開2011-155877号公報 特開2016-54722号公報
本発明は、製造工程において少なくとも一度の加熱処理が行われる容器詰飲料やインスタントティーであっても、香り立ちの良好な紅茶飲料、及び香り立ちの良好な紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が特定の範囲内となるようにテアニン濃度を調整することによって、容器詰飲料やインスタントティーの香り立ちを強化できることを見出し、本発明を完成させた。
[1]本発明の第一の態様に係る紅茶飲料は、飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が0.4以上であることを特徴とする。
[2] 飲料のテアニン濃度が43mg/100mL以下である、前記[1]の紅茶飲料。
[3] 飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.2~0.4g/100mLである、前記[1]又は[2]の紅茶飲料。
[4] 飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が1.6以下である、前記[1]~[3]のいずれかの紅茶飲料。
[5] 本発明の第二の態様に係るインスタント紅茶飲料用組成物は、液体と混合して紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物であって、
インスタント紅茶飲料用組成物の乾燥固形分当たりの、カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が0.4以上であることを特徴とする。
[6] 前記インスタント紅茶飲料用組成物中のテアニン含有量が、当該インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるテアニン濃度が43mg/100mL以下になる量である、前記[5]のインスタント紅茶飲料用組成物。
[7] 前記インスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分含有量が、当該インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料における可溶性紅茶固形分濃度が0.2~0.4g/100mLである、前記[5]又は[6]のインスタント紅茶飲料用組成物。
[8] 前記カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が1.6以下である、前記[5]~[7]のいずれかのインスタント紅茶飲料用組成物。
本発明の第一の態様に係る紅茶飲料は、飲用時に口腔から鼻腔へ抜ける香りが十分に強い、香り立ちの良好な紅茶飲料である。
また、本発明の第二の態様に係るインスタント紅茶飲料用組成物を水等の液体に混合するだけで、香り立ちの良好な紅茶飲料を、簡便に調製することができる。
実施例2において、各サンプルを、飲料のテアニン/カフェイン比率を縦軸に、飲料100mL当たりの可溶性紅茶固形分の量(g)を横軸に、それぞれプロットした図である。
本発明及び本願明細書において、「インスタント紅茶飲料用組成物」とは、水や牛乳等の液体に溶解、希釈、又は分散させることによって紅茶飲料を調製し得る組成物を意味する。本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物(以下、単に「本発明に係る飲料用組成物」ということがある。)は、粉末や顆粒等の固形物であってもよく、液体であってもよいが、より安定的に長期保存が可能であるため、固形物であることが好ましい。
本発明及び本願明細書において、「粉末」とは、粉粒体(異なる大きさの分布をもつ多くの固体粒子からなり、個々の粒子間に何らかの相互作用が働いているもの)を意味する。また、「顆粒」は、粉末から造粒された粒子(顆粒状造粒物)の集合体である。粉末には、顆粒も含まれる。
本発明及び本願明細書において、「紅茶飲料の香り立ち」とは、紅茶飲料の飲用時に口腔から鼻腔へ抜ける香りの強さを意味する。香り立ちが良好であるとは、口腔から鼻腔へ抜ける香りの強さが充分に強いことを意味する。
本発明及び本願明細書において、インスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分の量は、まず、サンプルを電気恒温乾燥機で105℃、8時間乾燥させた後の重量を測定することによって飲料又は組成物全体の乾燥重量を測定し、得られた測定値から紅茶由来の固形分以外の成分の乾燥重量を差し引くことにより測定する。
紅茶飲料及びインスタント紅茶飲料用組成物が、紅茶由来の固形分と水以外の成分を微量(5mg/100mL未満)しか含有していない場合には、紅茶飲料及びインスタント紅茶飲料用組成物自体の乾燥重量(電気恒温乾燥機で105℃、8時間乾燥させた後の重量)を、紅茶飲料及びインスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分の量とする。
本発明及び本願明細書において、紅茶飲料及びインスタント紅茶飲料用組成物におけるカフェイン濃度は、例えば、ODSカラム等の逆相カラムを用いたHPLC分析によって、他の成分からカフェインを分離してUV検出器によって検出した後、濃度既知の標準試薬を用いて作成された外部検量線に基づいて定量することによって測定する。
本発明及び本願明細書において、紅茶飲料及びインスタント紅茶飲料用組成物におけるテアニン濃度は、アミノ酸自動分析法(HPLC分析)によって測定する。イオン交換カラムを用い他の成分からテアニンを分離した後、ニンヒドリンによる呈色反応を利用し比色計によりテアニンを検出し、濃度既知の標準試薬を用いて作成された外部検量線に基づいて定量することによって測定する。
<紅茶飲料>
本発明に係る紅茶飲料は、飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率([紅茶飲料のテアニン濃度(mg/100mL)]/[紅茶飲料のカフェイン濃度(mg/100mL)];以下、「飲料のテアニン/カフェイン比率」ということがある。)が0.4以上である紅茶飲料である。本発明に係る紅茶飲料のテアニン/カフェイン比率としては、より強い香り立ち増強効果が得られることから、0.4~2.0の範囲内であることが好ましく、0.4~1.75の範囲内であることがより好ましく、0.4~1.6の範囲内であることがさらに好ましく、0.45~1.6の範囲内であることがよりさらに好ましい。
緑茶の茶葉とは異なり、元々紅茶の茶葉には少量のテアニンしか含まれていないため、一般的な製法で製造された紅茶飲料のテアニン濃度は低く、飲料のテアニン/カフェイン比率は0.1~0.3程度にすぎない。本発明に係る紅茶飲料は、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となるようにテアニンの含有量を調整することにより、香り立ちを強化することができる。また、一般的に紅茶飲料の香り立ちは、液温が低くなるほど弱くなるが、飲料のテアニン/カフェイン比率を0.4以上に調整することによって得られる香り立ちの増強効果は、温度が低い紅茶飲料においても充分に発揮される。
本発明に係る紅茶飲料は、飲料のカフェインとテアニンの含有量が、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となるものであれば特に限定されるものではない。例えば、一般的な製造方法により製造された紅茶飲料に、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となるように、適量のテアニンを添加することによって、本発明に係る紅茶飲料を製造できる。
本発明に係る紅茶飲料の原料として用いられるテアニンは、食用可能なものであれば特に限定されるものではなく、化学合成品であってもよく、茶葉や酵母等の天然物から抽出したものであってもよく、遺伝子組換え技術を利用してテアニンの産生量を高めた微生物によって製造されたテアニンの粗精製物若しくは精製物であってもよい。本発明に係る紅茶飲料のテアニン原料としては、夾雑物等による紅茶飲料の呈味への影響を抑えることができるため、テアニン純度の高い精製品が好ましい。
本発明に係る紅茶飲料中のカフェインは、主に紅茶の茶葉に由来するものであるが、必要に応じて、カフェインを原料として添加してもよい。本発明に係る紅茶飲料のカフェイン原料としては、例えば、化学合成品であってもよく、茶葉や酵母等の天然物から抽出し精製したものであってもよく、遺伝子組換え技術を利用してカフェインの産生量を高めた微生物によって製造されたカフェインの粗精製物若しくは精製物であってもよい。
本発明に係る紅茶飲料中のテアニンの含有量は、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となる量であれば特に限定されるものではないが、飲料中のテアニン濃度が高すぎる場合には、かえって香り立ちが抑制されてしまう場合がある。このため、本発明に係る紅茶飲料中のテアニン濃度は、50mg/100mL以下であることが好ましく、45mg/100mL以下であることがより好ましく、43mg/100mL以下であることがよりさらに好ましい。また、カフェインに由来する苦渋味とテアニンに由来する旨味とのバランスがより良好となることから、本発明に係る紅茶飲料中のテアニン濃度は、5mg/100mL以上であることが好ましく、6mg/100mL以上であることがより好ましい。
本発明に係る紅茶飲料中のカフェインの含有量は、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となる量であれば特に限定されるものではない。例えば、カフェインに由来する苦渋味とテアニンに由来する旨味とのバランスがより良好となることから、本発明に係る紅茶飲料中のカフェイン濃度は、4mg/100mL以上であることが好ましく、8mg/100mL以上であることがより好ましく、12mg/100mL以上であることがよりさらに好ましい。また、苦渋味が紅茶飲料として好ましい範囲内になりやすいことから、本発明に係る紅茶飲料中のカフェイン濃度は、30mg/100mL以下であることが好ましく、25mg/100mL以下であることがより好ましく、20mg/100mL以下であることがよりさらに好ましい。
テアニン原料を混合することによって本発明に係る紅茶飲料を製造するベースとなる紅茶飲料としては、特に限定されるものではなく、一般的な製造方法で製造されたものを用いることができる。このベースとなる紅茶飲料としては、紅茶の茶葉から直接淹れられた紅茶飲料であってもよく、ペットボトル等の容器に充填された容器詰紅茶飲料であってもよく、インスタント紅茶飲料用組成物を水等の液体に混合して得られた紅茶飲料であってもよい。容器詰紅茶飲料及びベースとなる紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物は、常法により製造されたものを用いることができる。
本発明に係る紅茶飲料の可溶性紅茶固形分濃度は特に限定されるものではなく、求める製品品質等を考慮して適宜調製することができる。本発明に係る紅茶飲料の可溶性紅茶固形分濃度としては、充分な紅茶らしさと香り立ちの強さが得られやすい点から、0.15~0.45g/100mLの範囲内であることが好ましく、0.2~0.4g/100mLの範囲内であることがより好ましい。なお、本発明に係る紅茶飲料に含有させる可溶性紅茶固形分としては、後述のインスタント紅茶飲料用組成物に配合可能なものと同様のものを用いることができる。
本発明に係る紅茶飲料は、テアニンとカフェインの濃度を調整したことによる香り立ち増強効果を損なわない範囲内において、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、一般的に紅茶飲料に含有される成分であれば特に限定されるものではない。具体的には、当該他の成分として、甘味料、乳原料、クリーミングパウダー、酸味料、香料、果汁、果実、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤等が挙げられる。これらは、後述のインスタント紅茶飲料用組成物に配合可能なものと同様のものを用いることができる。
こうして製造された紅茶飲料は、容器に充填してなる容器詰飲料とすることが好ましい。当該容器としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック製ボトル、スチール、アルミ等の金属缶、瓶、紙容器等が挙げられる。中でも、PETボトルのような透明な容器に充填された紅茶飲料であることが好ましい。容器への紅茶飲料の充填や殺菌処理は、常法により行うことができる。
<インスタント紅茶飲料用組成物>
本発明に係るインスタント紅茶飲料用組成物は、液体と混合して紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物であって、インスタント紅茶飲料用組成物中のインスタント紅茶飲料用組成物中のカフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率(組成物の乾燥固形分当たりのテアニン含有量(mg)]/[組成物の乾燥固形分当たりのカフェイン含有量(mg)];以下、「組成物のテアニン/カフェイン比率」ということがある。)が0.4以上であることを特徴とする。組成物中のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となる量のテアニンとカフェインを含有しているインスタント紅茶飲料用組成物を、水等の液体に溶解又は希釈させることによって、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上であり、香り立ちが充分に強い紅茶飲料を製造することができる。本発明に係る飲料用組成物のテアニン/カフェイン比率としては、より強い香り立ち増強効果が得られることから、0.4~2.0の範囲内であることが好ましく、0.4~1.75の範囲内であることがより好ましく、0.4~1.6の範囲内であることがさらに好ましく、0.45~1.6の範囲内であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る飲料用組成物の原料として用いられるテアニンは、前記の本発明に係る紅茶飲料のテアニン原料と同様のものを用いることができる。また、本発明に係る飲料用組成物中のカフェインは、主に紅茶固形分に由来するものであるが、紅茶固形分とは別にカフェイン自体を原料として配合する場合には、当該原料としては、前記の本発明に係る紅茶飲料のカフェイン原料と同様のものを用いることができる。
本発明に係る飲料用組成物のテアニンの含有量は、組成物のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となる量であれば特に限定されるものではないが、当該組成物から調製される紅茶飲料、すなわち、組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料のテアニン濃度が高すぎる場合には、かえって香り立ちが抑制されてしまう場合がある。このため、本発明に係る飲料用組成物のテアニン含有量は、当該組成物から調製される紅茶飲料のテアニン濃度が50mg/100mL以下となる量であることが好ましく、45mg/100mL以下となる量であることがより好ましく、43mg/100mL以下となる量であることがよりさらに好ましい。また、カフェインに由来する苦渋味とテアニンに由来する旨味とのバランスがより良好な紅茶飲料が調製可能であることから、本発明に係る飲料用組成物のテアニン含有量は、当該組成物から調製される紅茶飲料のテアニン濃度が5mg/100mL以上となる量であることが好ましく、6mg/100mL以上となる量であることがより好ましい。
本発明に係る飲料用組成物のテアニンの含有量は、組成物のテアニン/カフェイン比率が0.4以上となる量であれば特に限定されるものではない。例えば、カフェインに由来する苦渋味とテアニンに由来する旨味とのバランスがより良好な紅茶飲料が調製可能であることから、本発明に係る飲料用組成物のカフェイン含有量は、当該組成物から調製される紅茶飲料のカフェイン濃度が4mg/100mL以上となる量であることが好ましく、8mg/100mL以上となる量であることがより好ましく、12mg/100mL以上となる量であることがよりさらに好ましい。また、調製される紅茶飲料の苦渋味が紅茶飲料として好ましい範囲内になりやすいことから、本発明に係る飲料用組成物のカフェイン含有量は、当該組成物から調製される紅茶飲料のカフェイン濃度が30mg/100mL以下となる量であることが好ましく、25mg/100mL以下となる量であることがより好ましく、20mg/100mL以下となる量であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る飲料用組成物は、可溶性紅茶固形分を含有する。本発明に係る飲料用組成物の原料として用いられる可溶性紅茶固形分は、紅茶の茶葉から抽出された可溶性の固形分であり、粉末であってもよく、水溶液であってもよい。保存安定性が良好であるため、本発明に係る飲料用組成物においては、粉末の可溶性固形分を原料とすることが好ましい。
本発明に係る飲料用組成物の原料となる可溶性紅茶固形分としては、1種類の紅茶葉から調製された可溶性紅茶固形分であってもよく、2種類以上の紅茶葉からそれぞれ別個に調製された可溶性紅茶固形分の混合物であってもよく、2種類以上の紅茶葉の混合物から抽出された可溶性紅茶固形分であってもよい。
粉末又は液状である可溶性紅茶固形分は、常法により製造することができ、また、市販されているものを用いてもよい。例えば、粉末状の可溶性紅茶固形分は、紅茶葉から熱水を用いて可溶性の固形分を抽出し、得られた抽出物を乾燥することにより得られる。得られた抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等が挙げられる。また、紅茶葉からの抽出物は、乾燥前に、必要に応じて濃縮してもよい。当該濃縮方法としては、熱濃縮方法、冷凍濃縮方法、逆浸透膜や限外濾過膜等を用いた膜濃縮方法等の汎用されている濃縮方法により行うことができる。
本発明に係る飲料用組成物の可溶性紅茶固形分の含有量は特に限定されるものではなく、求める製品品質等を考慮して適宜調製することができる。本発明に係る飲料用組成物の可溶性紅茶固形分含有量としては、充分な紅茶らしさと香り立ちの強い紅茶飲料が得られやすい点から、当該組成物から調製される紅茶飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.15~0.45g/100mLの範囲内となる量であることが好ましく、0.2~0.4g/100mLの範囲内となる量であることがより好ましい。
本発明に係る飲料用組成物には、可溶性紅茶固形分とテアニンの他に、さらに、望まれる品質特性によってその他の成分を含有させてもよい。当該その他の成分としては、甘味料、乳原料、クリーミングパウダー、酸味料、香料、果汁、果実、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)等が挙げられる。
甘味料としては、砂糖、ショ糖、オリゴ糖、ブドウ糖、果糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、還元水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン等の高甘味度甘味料、ステビア等が挙げられる。砂糖としては、グラニュー糖であってもよく、粉糖であってもよい。
乳原料としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、牛乳、低脂肪乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、乳糖、生クリーム、バター、クリームチーズ等が挙げられる。なお、全粉乳及び脱脂粉乳は、それぞれ、牛乳(全脂乳)又は脱脂乳を、スプレードライ等により水分を除去して乾燥し粉末化したものである。
クリーミングパウダーは、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、コーン油、綿実油、ナタネ油、乳脂、牛脂、豚脂等の食用油脂;ショ糖、グルコース、澱粉加水分解物等の糖質;カゼインナトリウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、脱脂粉乳、乳化剤等のその他の原料等を、望まれる品質特性に応じて選択し、水に分散し、均質化し、乾燥することによって製造できる。クリーミングパウダーは、例えば、食用油脂をはじめとする原料を水中で混合し、次いで乳化機等で水中油型乳化液(O/Wエマルション)とした後、水分を除去することによって製造することができる。水分を除去する方法としては、噴霧乾燥、噴霧凍結、凍結乾燥、凍結粉砕、押し出し造粒法等、任意の方法を選択して行うことができる。得られたクリーミングパウダーは、必要に応じて、分級、造粒及び粉砕等を行ってもよい。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸が挙げられる。
香料としては、紅茶香料、シクロテン等の甘い香りの香料、ミルク香料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の有機酸や、リン酸等の無機酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、二酸化炭素等が挙げられる。
増粘剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、モノグリセライド、ジグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステル等のグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤;プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールオレエート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル系乳化剤;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のシュガーエステル系乳化剤;レシチン、レシチン酵素分解物等のレシチン系乳化剤等が挙げられる。
賦形剤や結合剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。なお、賦形剤や結合剤は、造粒時の担体としても用いられる。本発明に係る飲料用組成物において用いられる賦形剤等としては、保存時における飲料用組成物からの紅茶香気成分の損失が効果的に抑制されることから、デキストリンが好ましい。
流動性改良剤としては、微粒酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム等の加工用製剤が用いられてもよい。
本発明に係る飲料用組成物は、可溶性紅茶固形分と、テアニンと、必要に応じてその他の原料とを、混合することによって製造される。テアニンは、可溶性紅茶固形分にはほとんど含まれていないため、可溶性紅茶固形分とは別に原料として添加する必要がある。混合の順番は特に限定されるものではなく、全ての原料を同時に混合してもよく、順次混合させてもよい。全ての原料が粉末の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、粉末の飲料用組成物が製造される。一方で、全ての原料が液状の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、液状の飲料用組成物が製造される。
粉末原料と液状の原料を用いる場合、粉末の原料を全て予め混合し、得られた混合粉末に、液状の原料の混合液を噴霧して乾燥させることによって、粉末の飲料用組成物が製造される。また、液状の原料の混合液に、粉末の原料を溶解又は分散させることによって、液状の飲料用組成物が製造される。
例えば、固形状の可溶性紅茶固形分を用い、かつ賦形剤としてデキストリンを用いる場合には、本発明に係る飲料用組成物は、水、アルコール類、グリセリン類、又はこれらの混合溶媒に溶解させたデキストリンを、可溶性茶固形分等の固形状のその他の原料を全て混合した混合物の造粒時に噴霧した後に乾燥させて造粒物とすることにより製造することができる。
本発明に係る飲料用組成物は、飲用1杯分を小パウチなどに個包装したり、使用時に容器から振り出したりスプーンで取り出したりして使用するように瓶などの容器に数杯分をまとめて包装して商品として供給することもできる。個包装タイプとは、スティック状アルミパウチ、ワンポーションカップなどに紅茶飲料1杯分の中身を充填包装するものであり、容器を開けて指で押し出すなどの方法で中身を取り出すことができる。個包装タイプは、1杯分が密閉包装されているので取り扱いも簡単で、衛生的であるという利点を有する。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、特に記載がない限り、「%」は「質量%」を、「ppm」は「質量ppm」を、「ppb」は「質量ppb」を、それぞれ意味する。
<紅茶飲料中のカフェイン含有量の測定>
紅茶飲料中のカフェイン含有量は、以下のようにして測定した。紅茶飲料を0.45μmのディスポフィルターにより濾過して得られた濾液を、測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、逆相カラム(TSKgel ODS―80Ts QA)を用いたHPLCにアプライし、化合物ごとに分離してUV検出器によって検出した。検出されたカフェインのクロマトグラフ上のピーク面積を、予め標準試薬を用いて作成していた外部検量線に照らして、カフェインの濃度を測定した。
<紅茶飲料中のテアニン含有量の測定>
紅茶飲料中のテアニン含有量は、アミノ酸自動分析法(HPLC分析)によって測定した。具体的には、イオン交換カラムを用いて他の成分からテアニンを分離した後、ニンヒドリンによる呈色反応を利用し比色計によりテアニンを検出し、濃度既知の標準試薬を用いて作成された外部検量線に基づいて定量した。
<紅茶飲料の香り立ちの官能評価>
紅茶飲料の香り立ちは、トレーニングされた専門パネル5人により、香り立ちの好ましさ(紅茶として好ましい香りの香り立ちの強さ)を4段階(1~4)で評価した。具体的には、市販の粉末状インスタント紅茶飲料用組成物(商品名:〈〈ブレンディ〉ティースティック 〈ティーハート〉アロマティックストレート〉、味の素ゼネラルフーヅ(株)製)(市販品A)から、製造元により提供されている標準レシピ(パッケージに記載されている推奨レシピ)の濃度で90℃の熱水に溶解させて調製した紅茶飲料を基準とし、「1」は市販品Aと同程度の香り立ちの好ましさ、「2」は市販品Aよりもやや好ましい香り立ち、「3」は市販品Aよりも好ましい香り立ち、「4」は市販品Aよりも非常に好ましい香り立ち、として評価した。
[実施例1]
紅茶飲料のテアニン濃度、カフェイン濃度、可溶性紅茶固形分濃度と、香り立ちの強さの関係を調べた。
サンプルとして、市販の粉末状インスタント紅茶飲料用組成物(市販品A)から調製した紅茶飲料、市販のペットボトル入り紅茶飲料3種(市販品B~D)、及び市販の茶葉2種類(市販品E、F)からそれぞれ調製した紅茶飲料、並びに市販の粉末状インスタント紅茶飲料用組成物(商品名:〈〈AGFプロフェッショナル〉紅茶 濃いめ1L用〉、味の素AGF(株)製)(市販品G)から調製した紅茶飲料を用いた。市販品A及びGについては、市販品A及びGの製造元により提供されている標準レシピ(パッケージに記載されている推奨レシピ)の濃度で12℃の冷水に溶解させて紅茶飲料を調製した。市販品E、Fについては、茶葉2.25gを150mLの90℃の熱水に注いで1分間蒸らし、12℃に速やかに冷却し、紅茶飲料を調製した。
また、以下の通り、紅茶飲料(サンプル1-1)を調製した。まず、表1の処方からなるインスタント紅茶飲料を混合し調製した。表中、「紅茶パウダー」は、粉末状の可溶性紅茶固形分である。このインスタント紅茶飲料0.5gを150mLの12℃の冷水に溶解させて紅茶飲料(サンプル1-1)を調製した。
Figure 2022107747000001
各紅茶飲料について、可溶性紅茶固形分、テアニン、カフェインの濃度を測定し、香り立ちの好ましさを評価した。測定と評価の結果を表2に示す。表2中、「紅茶固形分」は可溶性紅茶固形分であり、「テアニン/紅茶固形分」は[テアニン濃度(mg/100mL)]/[可溶性紅茶固形分濃度(mg/100mL)]であり、「テアニン/カフェイン」は飲料のテアニン/カフェイン比率([テアニン濃度(mg/100mL)]/[カフェイン濃度(mg/100mL)])である。
Figure 2022107747000002
この結果、いずれの市販品の紅茶飲料も、香り立ちは不充分であり、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4未満であった。これに対して、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.52であったサンプル1-1の紅茶飲料は、非常に香り立ちが強く、嗜好性の高い紅茶飲料であった。
[実施例2]
紅茶飲料のテアニン濃度、カフェイン濃度、可溶性紅茶固形分濃度と、香り立ちの強さの関係を調べた。
各サンプルは以下の通りにして調製した。まず、表3に記載の通り、原材料の量を変化させたサンプルを混合し、12℃の冷水に溶解して調製した。カフェイン抽出物は、白鳥製薬株式会社製のものを用いた。
Figure 2022107747000003
各紅茶飲料について、実施例1と同様にして香り立ちの好ましさを評価した。評価結果を、可溶性紅茶固形分等の濃度と共に表4に示す。表4中、「紅茶固形分」、「テアニン/カフェイン」は、表2と同じである。また、各サンプルについて、飲料のテアニン/カフェイン比率を縦軸に、飲料100mL当たりの可溶性紅茶固形分の量(g)を横軸に、それぞれプロットした図を図1に示す。図中、「1」~「4」は、それぞれ、香り立ちの好ましさの評価を示す。
Figure 2022107747000004
この結果、図1及び表4に示すように、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上2.0以下のサンプルでは、当該比率が0.4未満又は2.0超のサンプルよりも、香り立ちが強いことがわかった。特に、飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.2~0.4g/100mLのサンプルでは、より香り立ちが強く、非常に嗜好性の高い紅茶飲料であった。
[実施例3]
紅茶飲料のテアニン/カフェイン比率を調整することによる香り立ち増強効果に対する、飲料の液温の影響を調べた。
各サンプルは以下の通りにして調製した。まず、実施例2と同様にカフェインレス紅茶パウダー、カフェイン抽出物、テアニンを原料として、表5に記載の通り、テアニン/カフェインの値を変化させたインスタント紅茶飲料用組成物を作製した。このインスタント紅茶飲料用組成物をそれぞれ、150mLの90℃の熱水で溶解してサンプル3-1~3-4を調製した。
Figure 2022107747000005
各紅茶飲料について、サンプル製造直後と、製造後室温で30分間放置した後において、実施例1と同様にして香り立ちの好ましさを評価した。各紅茶飲料のサンプル製造直後の実際の液温は82℃であり、室温30分放置後の実際の液温は39℃であった。サンプル香り立ちの好ましさが、製造直後から室温30分間放置後で変化がない場合、香り立ちが持続されていると評価し、製造直後よりも室温30分間放置後で評価が下がった場合、香り立ちの持続性が弱いと評価した。評価結果を、可溶性紅茶固形分の濃度等と共に表6に示す。表6中、「紅茶固形分」、「テアニン/紅茶固形分」、「テアニン/カフェイン」は、表2と同じである。表6中、「効果の持続」は香り立ちの持続性の評価結果を示し、「○」は香り立ちが持続されているとの評価を、「×」は香り立ちの持続性が弱いとの評価結果を示す。
Figure 2022107747000006
表6に示すように、飲料のテアニン/カフェイン比率が0.4以上のサンプル3-1及び3-2では、液温が82℃と39℃のいずれにおいても香り立ちが良好であり、香り立ち増強効果の持続時間も長かった。これに対して、テアニン/カフェイン比率が0.2のサンプル3-3及び3-4では、液温が82℃でもサンプル3-1及び3-2に比べて香り立ちが不充分であり、液温が39℃にまで下がるとその香り立ちはより弱くかった。これらの結果から、飲料のテアニン/カフェイン比率を0.4以上に調整することにより得られる香り立ち増強効果は、飲料の液温が低い場合でも充分な効果を発揮する上、効果の持続時間も長いことが確認された。
[1]本発明の第一の態様に係るインスタント紅茶飲料用組成物の製造方法は、液体と混合して紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物を製造する方法であって、可溶性紅茶固形分を原料とし、インスタント紅茶飲料用組成物の乾燥固形分当たりのカフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が0.4以上3.07以下となるように調整し、液体と混合することによって調製される紅茶飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.1~0.4g/100mLとなるように、インスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分の含有量を調整し、液体と混合することによって調製される紅茶飲料のテアニン濃度が50mg/100mL以下となるように、乾燥固形分当たりのテアニン含有量を調整する
[2]前記[1]のインスタント紅茶飲料用組成物の製造方法としては、前記カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率の調整を、原料として、テアニン原料及び/又はカフェイン原料を使用することによって行うことが好ましい。
[3]前記[2]のインスタント紅茶飲料用組成物の製造方法としては、前記テアニン原料が、化学合成品、茶葉抽出物、酵母抽出物、又は、微生物によって製造されたテアニンの粗精製物若しくは精製物であり、前記カフェイン原料が、化学合成品、茶葉抽出物、酵母抽出物、又は、微生物によって製造されたカフェインの粗精製物若しくは精製物であることが好ましい。
[4]前記[1]~[3]のいずれかのインスタント紅茶飲料用組成物の製造方法としては、液体と混合することによって調製される紅茶飲料のカフェイン濃度が40mg/100mL以下となるように、乾燥固形分当たりのカフェイン含有量を調整することが好ましい。
[5]前記[1]~[4]のいずれかのインスタント紅茶飲料用組成物の製造方法としては、香料を原料として用いることが好ましい。
]本発明の第二の態様に係るインスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して調製される紅茶飲料の香り立ちを増強させる方法は、液体と混合することによって調製される紅茶飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.1~0.4g/100mLとなるように、インスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分の含有量を調整し、液体と混合することによって調製される紅茶飲料の乾燥固形分当たりのカフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が0.4以上3.07以下となるように、インスタント紅茶飲料用組成物中のカフェイン含有量とテアニン含有量を調整し、液体と混合することによって調製される紅茶飲料のテアニン濃度が50mg/100mL以下となるように、乾燥固形分当たりのテアニン含有量を調整する。

Claims (8)

  1. 飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が0.4以上であることを特徴とする、紅茶飲料。
  2. 飲料のテアニン濃度が43mg/100mL以下である、請求項1に記載の紅茶飲料。
  3. 飲料の可溶性紅茶固形分濃度が0.2~0.4g/100mLである、請求項1又は2に記載の紅茶飲料。
  4. 飲料のカフェイン濃度に対するテアニン濃度の比率が1.6以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の紅茶飲料。
  5. 液体と混合して紅茶飲料を調製するためのインスタント紅茶飲料用組成物であって、
    インスタント紅茶飲料用組成物の乾燥固形分当たりの、カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が0.4以上であることを特徴とする、インスタント紅茶飲料用組成物。
  6. 前記インスタント紅茶飲料用組成物中のテアニン含有量が、当該インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料におけるテアニン濃度が43mg/100mL以下になる量である、請求項5に記載のインスタント紅茶飲料用組成物。
  7. 前記インスタント紅茶飲料用組成物中の可溶性紅茶固形分含有量が、当該インスタント紅茶飲料用組成物を液体と混合して得られる紅茶飲料における可溶性紅茶固形分濃度が0.2~0.4g/100mLである、請求項5又は6に記載のインスタント紅茶飲料用組成物。
  8. 前記カフェイン含有量に対するテアニン含有量の比率が1.6以下である、請求項5~7のいずれか一項に記載のインスタント紅茶飲料用組成物。
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