JPWO2016208569A1 - 原子力用Ni基合金管 - Google Patents

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Abstract

本発明は、SCCき裂進展速度の小さい原子力用Ni基合金管を提供することを目的とする。本発明の原子力用Ni基合金管は、15〜55mmの肉厚を有するNi基合金管であって、化学組成が、質量%で、C:0.010〜0.025%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.01〜0.50%、P:0.030%以下、S:0.002%以下、Ni:52.5〜65.0%、Cr:20.0〜35.0%、Mo:0.03〜0.30%、Co:0.018%以下、Sn:0.015%以下、N:0.005〜0.050%、Ti:0〜0.300%、Nb:0〜0.200%、Ta:0〜0.300%、Zr:0%以上0.03%未満、残部:Fe及び不純物であって、組織がオーステナイト単相であり、化学組成が、下記式(1)を満たす。−0.0020≦[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}≦0.0015 (1)ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の質量%で表した含有量が代入される。

Description

本発明は、原子力用Ni基合金管に関し、より詳しくは、15〜55mmの肉厚を有する原子力用Ni基合金管に関する。
軽水炉では、稼働から40年以上経過したプラントが増加しており、構造材の経年劣化が課題となっている。経年劣化の1つに応力腐食割れ(以下、SCCと呼ぶ。)がある。SCCは材料、環境、及び応力の3要素が重なった場合に発生する。
軽水炉の圧力バウンダリーでは、特に優れた耐SCC性を要求される部位にAlloy600(15Cr−70Ni−Fe)やAlloy690(30Cr−60Ni−Fe)が用いられている。Alloy690は、Alloy600のSCC発生を改善した材質として実用化されており、粒界にM23を積極的に析出させ、かつCr欠乏層を回復させる特殊熱処理が施されていることが特徴である。
特殊熱処理は例えば、Yonezawa et al, "Effects of Metallurgical Factors on Stress Corrosion Cracking of Ni-Base Alloys in High Temperature Water", Proceedings of JAIF International Conference on Water Chemistry in Nuclear Power Plants, volume 2 (1988), pp.490-495に記載されている。
これらの合金の耐SCC性を向上させるための種々の手法が開示されている。特許第2554048号公報には、γ基地にγ’相及びγ’’相の少なくともいずれか1種を有し、結晶粒界にM23を半連続状に優先的に析出させた組織とすることによって、耐SCC性を向上させた高強度Ni基合金が開示されている。特許第1329632号公報、及び特開昭30−245773号公報には、冷間圧延の後の加熱温度と加熱時間とを規定することにより耐SCC性を向上させたNi基合金が開示されている。特許第4433230号公報には、Ti又はNb含有炭窒化物によって結晶粒径を微細化した原子力用高強度Ni基合金管が開示されている。
SCCは、現象として「発生」と「き裂進展」とに分けて考えられる。上記の文献の多くはSCCの発生の抑制に関するものであり、粒界に析出するM23の制御が主眼となっている。
ここで、SCC発生とSCCき裂進展の違いについて述べる。上述のように耐食性に優れるAlloy690等のNi基合金管は、軽水炉の圧力バウンダリーの構造材として用いられている。しかし、適用される部位により求められる耐食性に違いがある。
例えば、加圧水型原子炉(以下、PWRと呼ぶ。)の蒸気発生器伝熱管(以下、SG管)は、細径薄肉(外径約20mm、肉厚約1mm)で、約3000〜6000本が集まって蒸気発生器を構成する。SG管は薄肉のため、SCCが発生した場合は速やかに管端に封をして使用しない処置をとる。したがって、SG管等の薄肉管には、SCC発生感受性が低いことが求められる。
一方、PWR蓋管台は、大径厚肉(外径が100〜185mm程度、内径が50〜75mm程度)であるため、SCCが発生しても、SCCき裂進展速度によって余寿命を評価することができる。そのため、定期点検時に計画的に取替、交換して安全に運用することができる。したがって、PWR蓋管台のような厚肉管には、SCCき裂進展速度が小さいことが求められる。
特許第2554048号公報、特許第1329632号公報、及び特開昭30−245773号公報は、SCC発生感受性の観点から検討されたものであり、SCCき裂進展に関しては十分に検討されていない。
特許第4433230号公報は、Ti又はNb含有炭窒化物を微細に分散させて、Ni基合金管を高強度化する技術である。特許第4433230号公報では、炭窒化物がSCCき裂進展に及ぼす影響については検討されていない。
本発明の目的は、SCCき裂進展速度の小さい原子力用Ni基合金管を提供することである。
本発明の一実施形態による原子力用Ni基合金管は、15〜55mmの肉厚を有する原子力用Ni基合金管であって、化学組成が、質量%で、C:0.010〜0.025%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.01〜0.50%、P:0.030%以下、S:0.002%以下、Ni:52.5〜65.0%、Cr:20.0〜35.0%、Mo:0.03〜0.30%、Co:0.018%以下、Sn:0.015%以下、N:0.005〜0.050%、Ti:0〜0.300%、Nb:0〜0.200%、Ta:0〜0.300%、Zr:0%以上0.03%未満、残部:Fe及び不純物であって、組織がオーステナイト単相であり、化学組成が、下記式(1)を満たす。
−0.0020≦[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}≦0.0015 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の質量%で表した含有量が代入される。
本発明によれば、SCCき裂進展速度の小さい原子力用Ni基合金管が得られる。
図1は、Ni基合金管の透過型電子顕微鏡像である。 図2は、Ni基合金管の透過型電子顕微鏡像である。 図3は、Ni基合金管の顕微鏡像の模式図である。 図4は、粒界析出物の一つを抜き出して示す模式図である。 図5は、コンパクトテンション試験片の模式的平面図である。 図6は、コンパクトテンション試験片の模式的断面図である。 図7は、Fnの値と、SCCき裂進展速度との関係を示す散布図である。
本発明者らは、原子力用Ni基合金管におけるSCCき裂進展の挙動について、種々の検討及び実験を行った。その結果、下記の知見を得た。
(a)Ni基合金には、Nによる熱間加工性の劣化を抑制するために、Ti、Nb等が添加されている。しかし、現在の製鋼技術においては、N量は50ppm以下に低減することができるため、Ti、Nb、Ta、Zr等のN固定化元素の添加は従来よりも低減することができる。ただし、Nを著しく低減させることはコストアップにつながるため、50ppmを下限とすることが現実的である。
(b)図1及び図2は、Ni基合金管の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。炭窒化物は、結晶粒内及び結晶粒界の双方に存在する。炭窒化物は素材の凝固時に高温で析出し、その後の熱間加工時にも固溶することなく成長する。
本発明者らはさらに、粒界に析出する析出物(以下、粒界析出物という。)とSCCき裂進展速度の関係について調査した。上述のとおり、炭窒化物は凝固時に析出するため、粒内にも粒界にも存在する。また、上述の特殊熱処理が施された材料では、粒界にM23が存在する。そこで、以下の4種類の材料を準備して、PWR一次模擬水中でSCCき裂進展速度を評価した。
[A] 固溶化熱処理まま材で、炭窒化物の析出が少ないもの
[B] 固溶化熱処理まま材で、炭窒化物の析出が多いもの
[C] [A]に特殊熱処理を施したもの
[D] [B]に特殊熱処理を施したもの
その結果、SCCき裂進展速度は、[A]が最も小さく、以下、[B]、[C]、[D]の順番で大きくなることが分かった。これから、さらに下記の知見を得た。
(c)粒界析出物は、SCCき裂進展を助長する。これは、粒界析出物が粒界の結合力を弱化させるためと考えられる。そのため、SCCき裂進展速度を小さくするためには、粒界析出物の析出を抑制することが有効である。
(d)特殊熱処理によって析出する粒界M23は、SCC発生感受性を改善するものの、SCCき裂進展に対しては有効ではない。これは、以下のように考えられる。SCC発生では、SCCき裂進展に比べて応力要素が低いため、Crの濃化したM23が腐食の進行を抑制する。一方、SCCき裂進展では、応力要素が高いため、M23が粒界の異物として粒界の結合力を弱化させる。
(e)粒界析出物の析出を抑制するための方策として、特殊熱処理の省略が考えられる。しかし、SCC発生感受性との両立を考慮すると、特殊熱処理を省略することは好ましくない。特殊熱処理を施すことを前提とすると、炭窒化物形成に関連する成分を制御することによって粒界析出物を抑制することが有効である。
さらに、上述の[A]、[B]の材料に20%の冷間加工を施してSCCき裂進展速度を評価した。[A]の場合、冷間加工の有無によってSCCき裂進展速度はほとんど変わらなかった。一方、[B]の場合、冷間加工によってSCCき裂進展速度は50倍になった。このとき、[B]の粒内のビッカース硬さは[A]の粒内のビッカース硬さの約1.3倍であった。これから、さらに下記の知見を得た。
(f)粒内に炭窒化物が多い材料に冷間加工を施すと、SCCき裂進展が助長される。これは、炭窒化物のピンニング効果で粒内に歪みがたまりやすく、粒界との強度差が大きくなるためと考えられる。
本発明は上記(a)〜(f)の知見に基づいて完成された。以下、本発明の一実施形態による原子力用Ni基合金管を詳述する。
[化学組成]
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、以下に説明する化学組成を有する。以下の説明において、元素の含有量の「%」は、質量%を意味する。
C:0.010〜0.025%
炭素(C)は、鋼の脱酸及び強度の確保の目的で用いられる。C含有量が0.010%未満では、構造材として必要な強度が得られない。C含有量が0.025%を超えると、粒界に析出する炭化物が増え、SCCき裂進展速度が大きくなる。したがって、C含有量は0.010〜0.025%である。C含有量の下限は、好ましくは0.015%である。C含有量の上限は、好ましくは0.023%である。
Si:0.10〜0.50%
シリコン(Si)は、脱酸の目的で用いられる。Si含有量が0.10%未満では、脱酸が不足する。しかし、Si含有量が0.50%を超えると、介在物の生成が促進される。したがって、Si含有量は0.10〜0.50%である。Si含有量の下限は、好ましくは0.15%である。Si含有量の上限は、好ましくは0.30%である。
Mn:0.01〜0.50%
マンガン(Mn)は、脱酸及びオーステナイト相の安定化に有効な元素である。Mn含有量が0.01%未満では、この効果が十分に得られない。Mn含有量が0.50%を超えると、合金の清浄度が低下する。Mnは硫化物を形成して非金属介在物となる。非金属介在物は、溶接時に濃化して合金の耐食性を低下させる。したがって、Mn含有量は0.01〜0.50%である。Mn含有量の下限は、好ましくは0.10%である。Mn含有量の上限は、好ましくは0.40%である。
P:0.030%以下
燐(P)は、不純物である。P含有量が0.030%を超えると溶接熱影響部での偏析による脆化が生じ、割れ感受性が増大する。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量は、より好ましくは0.020%以下である。
S:0.002%以下
硫黄(S)は、不純物である。S含有量が0.002%を超えると溶接熱影響部での偏析による脆化が生じ、割れ感受性が増大する。したがって、S含有量は0.002%以下である。S含有量は、より好ましくは0.0010%以下である。
Ni:52.5〜65.0%
ニッケル(Ni)は、合金の耐食性を確保するのに有効な元素である。高温高圧水環境下でSCCき裂進展速度を小さくするためには、Ni含有量を52.5%以上にする必要がある。一方、オーステナイト相の安定性や、Cr、Mn等の他元素との相互作用を考慮し、Ni含有量の上限は65.0%にする。したがって、Ni含有量は52.5〜65.0%である。Ni含有量の下限は、好ましくは55.0%であり、さらに好ましくは58.0%である。Ni含有量の上限は、好ましくは62.0%であり、さらに好ましくは61.0%である。
Cr:20.0〜35.0%
クロム(Cr)は、合金の耐食性を確保するのに有効な元素である。高温高圧水環境下でSCCき裂進展速度を小さくするためには、Cr含有量を20.0%以上にする必要がある。しかし、Cr含有量が35.0%を超えると、Cr窒化物を形成して、合金の熱間加工性を低下させる。したがって、Cr含有量は20.0〜35.0%である。Cr含有量の下限は、好ましくは25.0%であり、さらに好ましくは28.0%である。Cr含有量の上限は、好ましくは33.0%であり、さらに好ましくは31.0%である。
Mo:0.03〜0.30%
モリブデン(Mo)は、Crの粒界拡散を抑制するため、SCCき裂進展を助長するM 23の析出の抑制に効果がある。Mo含有量が0.03%未満では、この効果が十分に得られない。一方、Moは、Cr含有量の多い合金においては、粒界にLaves相を析出させ、SCCき裂進展速度を大きくする。したがって、Mo含有量は0.03〜0.30%である。Mo含有量の下限は、好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは0.08%である。Mo含有量の上限は、好ましくは0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Co:0.018%以下
コバルト(Co)は、不純物である。Coは、原子炉の一次冷却水と接する合金表面から溶出し、放射化すると半減期の長い60Coに変換される。したがって、Co含有量は0.018%以下である。Co含有量は、好ましくは0.015%以下である。
Sn:0.015%以下
錫(Sn)は、不純物である。Sn含有量が0.015%を超えると溶接熱影響部での偏析による脆化が生じ、割れ感受性が増大する。したがって、Sn含有量は0.015%以下である。Sn含有量は、好ましくは0.010%以下であり、より好ましくは0.008%以下である。
N:0.005〜0.050%
窒素(N)は、TiやCと結合して炭窒化物を形成する。N含有量が0.050%を超えると、炭窒化物が過剰になりSCCき裂進展速度が大きくなる。一方、Nは合金の強度を向上させるためにも用いられる。また、Nを著しく低減させることはコストアップにつながるため、下限を0.005%とした。したがって、N含有量は0.005〜0.050%である。N含有量の下限は、好ましくは0.008%である。N含有量の上限は、好ましくは0.025%である。
本実施形態による原子力用Ni基合金管の化学組成の残部は、Fe及び不純物である。ここでいう不純物とは、合金の原料として利用される鉱石やスクラップから混入する元素、又は、製造過程の環境等から混入する元素をいう。
本実施形態による原子力用Ni基合金管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ti、Nb、Ta、及びZrからなる群から選択される1又は2以上の元素を含有してもよい。Ti、Nb、Ta、及びZrは、いずれも、Nを固定して合金の熱間加工性を向上させる。Ti、Nb、Ta、及びZrは、すべて選択元素である。すなわち、本実施形態による原子力用Ni基合金管の化学組成は、Ti、Nb、Ta、及びZrの一部又は全部を含有していなくてもよい。
Ti:0〜0.300%
チタン(Ti)は、熱間加工性低下の改善、及び合金の強度を確保するために有効な元素である。Tiが少しでも含有されれば、この効果が得られる。一方、Ti含有量が0.300%を超えると、炭窒化物が過剰になり、高温高圧水素環境下でのSCCき裂進展速度が大きくなる。したがって、Ti含有量は0〜0.300%である。Ti含有量の下限は、好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.0100%であり、さらに好ましくは0.012%である。Ti含有量の上限は、好ましくは0.250%であり、さらに好ましくは0.200%である。
Nb:0〜0.200%
ニオブ(Nb)は、熱間加工性低下の改善、及び合金の強度を確保するために有効な元素である。Nbが少しでも含有されれば、この効果が得られる。一方、Nb含有量が0.200%を超えると、炭窒化物が過剰になり、高温高圧水素環境下でのSCCき裂進展速度が大きくなる。したがって、Nb含有量は0〜0.200%である。Nb含有量の下限は、好ましくは0.001%である。Nb含有量の上限は、好ましくは0.100%である。
Ta:0〜0.300%
タンタル(Ta)は、熱間加工性低下の改善、及び合金の強度を確保するために有効な元素である。Taが少しでも含有されれば、この効果が得られる。一方、Ta含有量が0.300%を超えると、炭窒化物が過剰になり、高温高圧水素環境下でのSCCき裂進展速度が大きくなる。したがって、Ta含有量は0〜0.300%である。Ta含有量の下限は、好ましくは0.001%である。Ta含有量の上限は、好ましくは0.250%であり、さらに好ましくは0.150%である。
Zr:0%以上0.03%未満
ジルコニウム(Zr)は、熱間加工性低下の改善、及び合金の強度を確保するために有効な元素である。Zrが少しでも含有されれば、この効果が得られる。一方、Zrを含有する炭窒化物は凝固時の析出速度が大きいため、過剰に添加すると混粒(成分偏析)の原因となり耐食性が低下する。Zr含有量が0.03%以上になると、炭窒化物が過剰になり、高温高圧水素環境下でのSCCき裂進展速度が大きくなる。したがって、Zr含有量は0%以上0.03%未満である。Zr含有量の下限は、好ましくは0.001%である。Zr含有量の上限は、好ましくは0.02%である。
本実施形態による原子力用Ni基合金管の化学組成は、下記の式(1)を満たす。
−0.0020≦[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}≦0.0015 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の質量%で表した含有量が代入される。
Fn=[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}と定義する。Fnの値が小さいことは、Nに対してTi、Nb、Ta、及びZrが多く存在することを意味する。Fnの値が−0.0020未満であれば、炭窒化物の析出量が多くなりSCCき裂進展速度が大きくなる。一方、Fnの値が0.0015を超えると、熱間加工性が低下する。したがって、Fnの値は−0.0020〜0.0015である。Fnの値の下限は、好ましくは−0.0010である。Fnの値の上限は、好ましくは0.0010である。
[組織]
本実施形態による原子力用Ni基合金管の組織は、オーステナイト単相である。本実施形態による原子力用Ni基合金管の組織は、より具体的には、オーステナイト相からなり、残部は析出物である。
[粒界析出物]
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、複数の析出物が析出した粒界を有する。本実施形態による原子力用Ni基合金管は、粒内に析出物が存在してもよい。以下、粒界に析出した析出物を、粒内に析出した析出物と区別して、粒界析出物と呼ぶ。粒界析出物は、少なくとも炭窒化物を含む。
本実施形態による原子力用Ni基合金管では、好ましくは、粒界析出物が炭窒化物及びM23の両方を含む。M23が粒界に析出し、かつCr欠乏層が回復することによって、SCC発生感受性を下げることができる。
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、Cr欠乏層を有さない。M23が粒界に析出すると、SCC発生感受性は低下するが、M23のまわりにCr欠乏層が生じる場合がある。Cr欠乏層が生じると、耐粒界腐食性が低下する。具体的には、ASTM
A 262 Cに準じて評価される腐食速度が、1mm/yrよりも大きくなる。反対に、ASTM A 262 Cに準じて評価される腐食速度が、1mm/yr以下であれば、Cr欠乏層を有していないと評価できる。
後述するように、原子力用Ni基合金管を特殊熱処理することで、粒界析出物が炭窒化物及びM23の両方を含み、かつ、原子力用Ni基合金管がCr欠乏層を有さないようにすることができる。
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、好ましくは、粒界析出物の長径の平均値(以下、平均長径と呼ぶ。)が0.8μm以下であり、かつ、0.8μmよりも大きい長径を有する析出物の数(以下、粗大析出物の頻度と呼ぶ)が、粒界1μmあたり3.0個未満である。
粒界析出物の平均長径が0.8μmを超えると、SCCき裂進速度が大きくなる。また、粒界析出物の平均長径が0.8μm以下であっても、粗大析出物の頻度が粒界1μmあたり3.0個以上であれば、SCCき裂進展速度が大きくなる。
粒界析出物の平均長径及び粗大析出物の頻度は、次のように測定する。
合金管の周方向断面(軸方向と平行な断面)が観察面になるように試験片を採取する。観察面をバフ研磨し、エッチングする。エッチングした観察面を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、粒界の3重点を含むように10,000倍に拡大する。視野の大きさは例えば、35μm×75μmである。
図3は、合金管のSEM像の模式図である。図3において、GBは粒界を表し、Pは粒界析出物を表す。図3では、粒内に析出した析出物の図示を省略している。
図4は、粒界析出物Pの一つを抜き出して示す模式図である。粒界析出物Pは、扁平形状を有している。ここで、粒界析出物Pの界面と界面とを結ぶ最大距離を、粒界析出物Pの長径と定義する。
一つの視野において、0.1μm以上の長径を有する粒界析出物を観察する。ここで、長径が0.1μm未満の粒界析出物を除外するのは、粒界析出物であるかの判別が困難なためである。0.1μm以上の長径を有する粒界析出物の長径の平均値を、その視野における平均長径と定義する。より具体的には、0.1μm以上の長径を有する粒界析出物の長径の総和を、0.1μm以上の長径を有する粒界析出物の個数で除した値を、その視野における平均長径と定義する。
次に、同じ視野において、0.8μm以上の長径を有する粒界析出物(以下、粗大析出物と呼ぶ。)の個数を計数する。粗大析出物の個数をその視野における粒界の長さで除した値を、その視野における粗大析出物の頻度と定義する。
例えば、長さ10μmの粒界に、0.5μmの長径を有する粒界析出物と、2μmの長径を有する粒界析出物とがある場合、平均長径は1.25μm、粗大析出物の頻度は1μmあたり0.1個となる。
以上の測定を10視野で実施し、10視野の平均値を、Ni基合金管の粒界析出物の平均粒径、粗大析出物の頻度と定義する。
[製造方法]
以下、本実施形態による原子力用Ni基合金管の製造方法の一例を説明する。
上述した化学組成を有するNi基合金を溶製、精錬し、インゴットを製造する。インゴットを熱間鍛造し、ビレットを製造する。ビレットを熱間押出、又は再び熱間鍛造した後、素管を製造する。熱間押出は例えば、ユジーン・セジュルネ法である。
製造した素管を、固溶化熱処理する。具体的には、素管を1000〜1200℃に均熱する。保持時間は例えば、15分〜1時間である。
好ましくは、固溶化熱処理された素管に、M23を析出させるための特殊熱処理を実施する。特殊熱処理によって、粒界にM23が析出するとともに、Cr欠乏層が回復する。すなわち、特殊熱処理された原子力用Ni基合金管は、粒界析出物が炭窒化物及びM23の両方を含み、かつ、Cr欠乏層を有さない。
具体的には、素管を690〜720℃に均熱する。均熱温度が低すぎれば、Cr欠乏層が十分に回復せず、またM23が十分に析出せず、耐粒界腐食性が不芳である。均熱温度が高すぎれば、M23が粗大化し、SCCき裂進展速度が大きくなる。保持時間は、5〜15時間である。保持時間が短すぎれば、Cr欠乏層が十分に回復せず、またM 23が十分に析出せず、耐粒界腐食性が不芳である。保持時間が長すぎれば、M23が粗大化し、SCCき裂進展速度が大きくなる。
以上、本発明の一実施形態による原子力用Ni基合金管について説明した。本実施形態によれば、SCCき裂進展速度が小さい原子力用Ni基合金管が得られる。
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、厚肉の合金管として好適に用いることができる。具体的には、15〜55mmの肉厚を有する合金管として好適に用いることができる。本実施形態による原子力用Ni基合金管は、好ましくは、肉厚が15〜38mmである。
本実施形態による原子力用Ni基合金管は、厚肉の合金管の中でも、大径厚肉の合金管として特に好適に用いることができる。本実施形態による原子力用Ni基合金管は、好ましくは、外径が100〜180mmであり、内径が50〜75mmである。
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
表1に示す化学組成のNi基合金を溶製し、AOD及びVODによって精錬した後、400kg/hrの条件でESRによって二次精錬し、Ni基合金インゴットを製造した。なお、表1中の化学組成の「−」は、当該元素の含有量が不純物レベルであることを示す。表1中の「Fn」は、Fn=[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}の値を示す。
Figure 2016208569
ビレットの一部を1150℃に加熱して熱間押出し加工を行い、外径130mm、肉厚32mmのNi基合金管を製造した(製造方法A)。
他のビレットを1150℃に加熱して鍛造によって外径を180mmにし、管中央部を機械加工で孔開けすることによって外径180mm、内径70mmのNi基合金管を製造した(製造方法B)。
各Ni基合金管に実施した熱処理を、表1の「最終熱処理」の欄に示す。同欄が「特殊熱処理」となっているNi基合金管には、1060℃で固溶化熱処理を実施した後、715℃で600分間保持する特殊熱処理を実施した。同欄が「固溶化熱処理」となっているNi基合金管には、1060℃での固溶化熱処理のみを実施した。同欄が「鋭敏化熱処理」となっているNi基合金管には、1060℃での固溶化熱処理を実施した後、715℃で180分間保持する鋭敏化熱処理を実施した。
熱処理後の各Ni基合金管の粒界析出物の平均長径及び粗大析出物の頻度を、実施形態で説明した方法に準じて測定した。
熱処理後の各Ni基合金管の耐粒界腐食性を、ASTM A 262 Cに準じて評価した。腐食速度1mm/yr以下を合格とし、1mm/yrを超えるものを不合格とした。結果を前掲の表1に示す。
熱処理後の各Ni基合金管から、厚さ26mm、幅50mm、長さ200mmの板材を採取し、断面減少率30%の冷間圧延を実施して、厚さ0.7インチのコンパクトテンション試験片(以下、CT試験片という。)を作製した。各CT試験片に、大気中で繰り返し荷重を負荷し、全長1mmの疲労予き裂を導入した。さらに、PWR一次模擬水(360℃、B:500ppm、Li:2ppm、溶存酸素濃度5ppb以下、溶存水素濃度30cc/kgHO)中に浸漬し、応力拡大係数を24MPa√mを上限とし、17.5MPa√mを下限とした周波数0.1Hzの三角波で変化させて負荷し、環境中で疲労予き裂を導入した。その後、応力拡大係数25MPa√mの定荷重で3000時間保持するSCCき裂進展試験を実施した。
図5及び図6は、SCCき裂進展速度の評価方法を説明するための図である。図5は、試験後のCT試験片の模式的平面図である。試験後、図5のVI−VI線に沿って、CT試験片を大気中で強制的に破断させた。図6は、破面の模式図である。
破面観察からSCCで試行した粒界型SCCのき裂進展速度を評価した。速度は、破面のSEM像において、粒界型SCCの面積をき裂が進展している部分の幅で除して平均割れ長さを算出し、さらに試験時間で除して速度(mm/s)を求めた。SCCき裂進展速度が1×10−9mm/s以下であれば良好、1×10−9mm/s超であれば不芳と判断した。
結果を前掲の表1に示す。表1を参照して、実施例1〜12のNi基合金管は、各元素の含有量が適切であり、かつ、化学組成が式(1)を満たした。実施例1〜12のNi基合金管は、粒界析出物の平均長径が0.8μm以下であり、粗大析出物の頻度が粒界1μmあたり3.0個未満であった。実施例1〜12のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/s以下であった。
なお、実施例2及び9のNi基合金管は、特殊熱処理を実施しなかったため、粒界にM 23は析出していなかった。これらのNi基合金管は、SCCき裂進展速度は非常に小さかったものの、SCC発生感受性はやや劣ると考えられる。
比較例1及び2のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粒界析出物の平均長径が0.8μmよりも大きかったためと考えられる。平均長径が大きくなったのは、Mo含有量が少なすぎたことによりM23が多く析出したため、あるいは、式(1)満たさなかったことにより炭窒化物が多く析出したためと考えられる。
比較例3のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粒界析出物の平均長径が0.8μmよりも大きかったためと考えられる。平均長径が大きくなったのは、式(1)満たさなかったことにより炭窒化物が多く析出したためと考えられる。
比較例4のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粗大析出物の頻度が粒界1μmあたり3.0個以上であったためと考えられる。粗大析出物の頻度が高くなったのは、式(1)満たさなかったことにより炭窒化物が多く析出したためと考えられる。
比較例5のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粒界析出物の平均長径が0.8μmよりも大きかったためと考えられる。平均長径が大きくなったのは、Mo含有量が多すぎたことにより粒界にLaves相が多く析出したため、あるいは、式(1)満たさなかったためことにより炭窒化物が多く析出したためと考えられる。
比較例6のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粒界析出物の平均長径が0.8μmよりも大きかったためと考えられる。平均長径が大きくなったのは、式(1)満たさなかったためことにより炭窒化物が多く析出したためと考えられる。
比較例7のNi基合金管は、SCCき裂進展速度が1×10−9mm/sよりも大きかった。これは、粒界析出物の平均長径が0.8μmよりも大きかったため、あるいは、粗大析出物の頻度が粒界1μmあたり3.0個以上であったためと考えられる。これらは、Mo含有量が少なすぎたことによりM23が多く析出したためと考えられる。
比較例8〜10のNi基合金管はそれぞれ、実施例1、8及び10のNi基合金管に、特殊熱処理に代えて鋭敏化熱処理を施したものである。これらのNi基合金管では、粒界析出物の平均長径は0.8μmよりも小さく、頻度も低かった。しかし、鋭敏化によりCr欠乏層が存在するため、耐粒界腐食性が不芳であった。このことから、特殊熱処理によるCr欠乏層の回復が有効であることが分かる。
図7は、Fnの値と、SCCき裂進展速度との関係を示す散布図である。図7に示すように、Fnの値が−0.0020以上であれば、SCCき裂進展速度を1×10−9mm/s以下にすることができる。
本発明は、PWR蓋用管台や沸騰水型原子炉(BWR)スタブチューブ等、高温高圧水中で用いられる原子力用Ni基合金管として好適に用いることができる。

Claims (5)

15〜55mmの肉厚を有する原子力用Ni基合金管であって、
化学組成が、質量%で、
C :0.010〜0.025%、
Si:0.10〜0.50%、
Mn:0.01〜0.50%、
P :0.030%以下、
S :0.002%以下、
Ni:52.5〜65.0%、
Cr:20.0〜35.0%、
Mo:0.03〜0.30%、
Co:0.018%以下、
Sn:0.015%以下、
N :0.005〜0.050%、
Ti:0〜0.300%、
Nb:0〜0.200%、
Ta:0〜0.300%、
Zr:0%以上0.03%未満、
残部:Fe及び不純物であって、
組織がオーステナイト単相であり、
前記化学組成が、下記式(1)を満たす、原子力用Ni基合金管。
−0.0020≦[N]/14−{[Ti]/47.9+[Nb]/92.9+[Ta]/180.9+[Zr]/91.2}≦0.0015 (1)
ここで、前記式(1)中の元素記号には、対応する元素の質量%で表した含有量が代入される。
請求項1に記載の原子力用Ni基合金管であって、
前記原子力用Ni基合金管は、複数の粒界析出物が析出した粒界を有し、
前記複数の粒界析出物の長径の平均値が、0.8μm以下であり、
前記複数の粒界析出物のうち、0.8μmよりも大きい長径を有する粒界析出物の数が、前記粒界1μmあたり3.0個未満である、原子力用Ni基合金管。
請求項1又は2に記載の原子力用Ni基合金管であって、
前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.005〜0.300%、
Nb:0.001〜0.200%、
Ta:0.001〜0.300%、及び
Zr:0.001%以上0.03%未満、
からなる群から選択される1又は2以上の元素を含有する、原子力用Ni基合金管。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の原子力用Ni基合金管であって、
前記粒界炭化物は、炭窒化物及びM23の両方を含み、かつ、Cr欠乏層を有さない、原子力用Ni基合金管。
請求項1〜4のいずれか一項に記載の原子力用Ni基合金管であって、
ASTM A 262 Cに準じて評価される腐食速度が、1mm/yr以下である、原子力用Ni基合金管。
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