JPWO2016186037A1 - 硬質焼結合金及びその製造方法 - Google Patents

硬質焼結合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

M2M’B2型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金であって、前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、断面組織における所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下である硬質焼結合金を提供する。

Description

本発明は、硬質焼結合金及びその製造方法に関する。
各種機械設備の金型などに用いられる耐摩耗材料に対する要求は年々厳しくなっており、近年では、単に耐摩耗性に優れるのみでなく、耐食性、耐熱性などに優れていることが求められている。
このような耐摩耗材料として、従来より、セラミックと金属との複合材料であるサーメットが検討されており、なかでも、WC基超硬合金が耐摩耗材料として幅広く用いられている。しかしながら、WC基超硬合金は比重が鋼材の約2倍程度と重く、さらには、200℃以上の温度でWCの分解が発生し、硬度低下が引き起こされ、耐摩耗性が劣化してしまうという問題がある。
これに対し、特許文献1では、耐食性及び耐熱性に優れた耐摩耗材料として、MoFeBなどの複硼化物を含有する硬質焼結合金が提案されている。
特公昭60−57499号公報
しかしながら、特許文献1に記載された硬質焼結合金では、耐食性及び耐熱性に優れているものの、WC基超硬合金よりも硬度が低いため、さらなる硬度の向上が求められていた。
本発明は、耐食性及び耐熱性に優れ、且つ硬度を向上させた硬質焼結合金を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の複硼化物を含む硬質相粒子と、特定の合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金において、硬質焼結合金の微細構造に着目し、硬質焼結合金の微細構造を特定の範囲、具体的には、硬質相粒子の平均粒径と、硬質相粒子同士の接触率とを特定の範囲に制御することにより、得られる硬質焼結合金において、耐食性及び耐熱性に優れたものとしながら、硬度を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、MM’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金であって、前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、断面組織における所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下である硬質焼結合金が提供される。
また、本発明によれば、MM’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからM、M’及びBを含む原料を溶解した後に粉末化してなる合金粉末を、熱処理した後に、固相焼結により焼結することで形成され、前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、断面組織において、所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下である硬質焼結合金が提供される。
本発明において、前記合金粉末は、M、M’及びBを含む原料をアトマイズ法により粉体化することにより形成されることが好ましい。
本発明の硬質焼結合金では、前記硬質相粒子の平均粒径が2μm以下であるか、あるいは、前記硬質相粒子の平均粒径が2〜5μm且つ前記硬質相粒子の平均自由行程が1.5μm以上であることが好ましい。
本発明の硬質焼結合金では、前記硬質相粒子の主たる成分がMoFeB型の複硼化物であり、前記結合相がFe基合金からなり、前記硬質相粒子の割合が35〜95重量%であることが好ましい。
また、本発明によれば、MM’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金の製造方法であって、M、M’及びBを含む原料を溶解した後に粉末化して合金粉末を得る工程と、前記合金粉末を熱処理して、前記合金粉末中にMM’B型の複硼化物を形成する工程と、前記熱処理した合金粉末を、固相焼結により焼結する工程と、を有する硬質焼結合金の製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、M、M’及びBを含む原料をアトマイズ法により粉体化することで前記合金粉末を得ることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記硬質焼結合金の断面組織において、所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cを、20%以下にすることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記硬質相粒子の平均粒径を2μm以下とするか、あるいは、前記硬質相粒子の平均粒径を2〜5μm且つ前記硬質相粒子の平均自由行程を1.5μm以上とすることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記硬質相粒子の主たる成分をMoFeB型の複硼化物、前記結合相をFe基合金とし、前記硬質相粒子の割合を35〜95重量%とすることが好ましい。
本発明によれば、硬質焼結合金の微細構造を上記範囲に制御することにより、耐食性及び耐熱性に優れ、且つ硬度を向上させた硬質焼結合金を提供することができる。
本発明の硬質焼結合金の微細構造の測定方法を説明するための図である。 硬質焼結合金における、硬質相粒子の平均粒径と、硬度及び靱性との関係を示す図である。 硬質相粒子がネットワーク化している硬質焼結合金の一例を示す断面組織写真である。 硬質相粒子がネットワーク化している硬質焼結合金から、結合相をエッチングで除いた状態を示す写真である。 硬質焼結合金の硬度及び靱性を測定した結果を示すグラフである。 本発明の硬質焼結合金の製造方法を説明するための図である。 本発明の製造方法で製造した硬質焼結合金の構造を示す図である。 従来の硬質焼結合金の製造方法を説明するための図である。 従来の硬質焼結合金の構造と、本発明の硬質焼結合金の構造とを比較した図(イメージ)である。 アトマイズ法で作製した合金粉末の外観及び断面を示す写真である。 MoFeB型の複硼化物の析出温度及び融点を示すグラフ(熱分析の結果)である。 実施例及び比較例の硬質焼結合金について、硬度及びシャルピー衝撃値を測定した結果を示すグラフである。 実施例の硬質焼結合金を示す写真である。 実施例及び比較例の硬質焼結合金を示す写真である。
以下、本発明の硬質焼結合金について説明する。
本発明の硬質焼結合金は、M、M’及びB(M、M’は互いに異なる金属原子)からなるMM’B型の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなり、前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、断面組織における所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下であることを特徴とする。
<硬質相粒子>
本発明の硬質焼結合金を構成する硬質相粒子は、MM’B型の複硼化物を主として含み、硬質焼結合金の硬度に寄与する。本発明の硬質焼結合金において、硬質相粒子は、後述する結合相のマトリックス中に分散された状態で存在している。
硬質相粒子を構成する、MM’B型の複硼化物において、M、M’は互いに異なる金属原子を示し、Mの具体例としては、Mo,Wなどが挙げられ、M’の具体例としては、Fe,Cr,V,Coなどが挙げられる。これらのなかでも、硬質焼結合金を耐摩耗性により優れるものとすることができるという観点より、MがMoであり、M’がFeである、MoFeB型の複硼化物、または、MがMoであり、M’がNiである、MoNiB型の複硼化物が好ましい。なお、MoFeB型の複硼化物としては、Moの一部が、W,Nb,Zr,Ti,Ta,Hfなどの他の元素で置換されたものであってよく、さらには、Feの一部が、Cr,V,Co、Niなどの他の元素で置換されたものであってもよい。同様に、MoNiB型の複硼化物としては、Moの一部が、W,Nb,Zr,Ti,Ta,Hfなどの他の元素で置換されたものであってよく、さらには、Niの一部が、Fe,Cr,V,Coなどの他の元素で置換されたものであってもよい。
本発明の硬質焼結合金中における、硬質相粒子の含有割合は、好ましくは35〜95重量%である。硬質相粒子の含有割合は、たとえば、原料中における、M及びBの割合を調整することにより制御することができる。硬質相粒子の含有割合が少なすぎると、耐摩耗性が低下するおそれがある。一方、多すぎると、強度及び靭性が低下するおそれがある。
<結合相>
本発明の硬質焼結合金を構成する結合相は、M’を主成分として含有する合金組成を主として含み、上述した硬質相粒子を結合するためのマトリックスを形成する相である。結合相を構成するM’を主成分として含有する合金におけるM’は、上述した硬質相粒子のMM’B型の複硼化物を構成するM’と同じものであり、たとえば、硬質相粒子が、MoFeB型の複硼化物を主成分とするものである場合には、結合相は、M’がFeであるFe基合金を主成分とするものとなり、また、硬質相粒子が、MoNiB型の複硼化物を主成分とするものである場合には、結合相は、M’がNiであるNi基合金を主成分とするものとなる。結合相を構成する合金の具体例としては、結合相がFe基合金を主成分とするものである場合には、Feと、Cr,Mo,Mn,Al、Niから選択される少なくとも1種との合金が挙げられ、結合相がNi基合金を主成分とするものである場合には、Niと、Co,Cr,Mo,W,Fe,Si,Mnから選択される少なくとも1種との合金が挙げられる。
<硬質焼結合金の微細構造>
本発明の硬質焼結合金は、その微細構造、具体的には、硬質相粒子の平均粒径及び硬質相粒子同士の接触率が、後述する所定の範囲に制御されたものであり、これにより、本発明の硬質焼結合金を、耐食性及び耐熱性に優れ、且つ硬度及び靭性を向上させたものとすることが可能となる。
すなわち、まず本発明の硬質焼結合金は、上述した硬質相粒子の平均粒径が5μm以下の範囲に制御される。硬質相粒子の平均粒径を上記範囲とすることにより、得られる硬質焼結合金の硬度及び靭性を十分なものとすることができる。硬質相粒子の平均粒径が5μmを超えると、硼化物相が(合併や異常成長により)粒子状から樹枝状に変化し、焼結体の機械強度が著しく低下してしまうという不具合を生じてしまう。また、硬質相粒子の平均粒径を5μm超とするためには、アトマイズ粉の熱処理により硼化物を形成する場合、熱処理温度を高くしたり、熱処理時間を長くしたりする必要があり、製造コストの増大を招いてしまう。なお、硬質相粒子の平均粒径の下限は、0.5μmとすることが望ましい。硬質相粒子の平均粒径が0.5μm未満であると、単位面積当たりの硬質相粒子の数が増加し、硬質相粒子間の平均自由行程(いわゆる、結合相の平均厚み)が小さ過ぎる為、結合相が変形し難く、焼結体の靭性が著しく低下してしまうという不具合を生じるおそれがある。
本発明では、硬質相粒子の平均粒径は、例えば次のような方法で求めることができる。すなわち、まず走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、硬質焼結合金の断面組織について、SEM像の撮影を行い、SEM像について、図1に示すように、硬質相粒子が白色となり、結合相部分が黒色となるように2値化処理を行なう。次いで、2値化処理を行なったSEM像を用いて、フルマンの式(下記式(1))により、硬質相粒子の平均粒径dを算出することができる。
=(4/π)×(N/N) …(1)
ここで、πは円周率、Nは断面組織上の任意の直線によってヒットされる単位長さあたりの硬質相粒子の数であって、断面組織上の長さLの任意の直線によってヒットされる粒子の数を任意の直線の長さLで除したもので、Nは任意の単位面積内に含まれる硬質相粒子の数を表したものであって、範囲Sの任意の測定面積内に含まれる粒子の数を任意の測定領域範囲Sで除したものを表す。なお、この際においては、直線Lの長さは、平均粒径の測定に十分な数の硬質相粒子が交わる長さとすればよく、例えば20μm以上とすることが好ましく、後述の実施例では39μm以上としている。また、範囲Sは、平均粒径の測定に十分な数の硬質相粒子が含まれる範囲とすればよく、長さ20μm以上、幅29μm以上の範囲とすることが好ましい。
本発明において、硬質相粒子の平均粒径を上記範囲とする方法としては、たとえば、焼結により硬質焼結合金を形成する前に、M、M’及びBを含むアトマイズ粉を原料粉末として得て、この原料粉末を熱処理し、析出した硼化物の平均粒径が所定の範囲となるように原料粉末を熱処理する方法(熱処理温度が高いほど・保持時間が長いほど、析出した硬質相粒子の平均粒径が大きくなる傾向にある)が挙げられる。上記の熱処理を行った原料粉末を固相焼結する際、結合相のみ塑性変形する為、硬質相の形状及び粒径はほぼ変化なく、焼結前の状態で維持される。
なお、硬質焼結合金においては、図2に示すように、硬質相を構成する硬質相粒子の平均粒径が小さいほど、硬質焼結合金の硬度が高くなる一方で、靱性が低くなる傾向にある。これに対し、硬質相粒子の平均粒径が大きいほど、硬質焼結合金の硬度が低くなる一方で、靱性が高くなる傾向にある。ここで、図2は、硬質焼結合金の硬質相粒子を構成する硼化物の粒径と、硬質焼結合金の機械特性(硬度および靱性)との関係を示すイメージ図である。図2に示すように、硬質焼結合金中における硬質相粒子の分散性を向上させると、硬質相粒子の平均粒径の大小にかかわらず、硬質焼結合金の硬度及び靱性が向上する傾向にある。
本発明では、製造する硬質焼結合金について、靱性よりも硬度を優先して向上させる場合には、硬質相粒子の平均粒径は、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.8μm以下である。一定組成の硬質焼結合金の内に硬質相の体積率が一定である為、硬質相粒子の平均粒径が2μm以下であると、硬質焼結合金内における単位体積当たりの硬質相粒子の数が多くなることで硬質相粒子と結合相との界面積は増え、硬質焼結合金の硬度が向上する。一方、硬質相粒子の平均粒径が2μmを超えると、硬質焼結合金内における単位体積当たりの硬質相粒子の数が少なくなることで硬質相粒子と結合相との界面積が小さくなるとともに、硬質相粒子の粒径が大きいことに起因して結合相の厚みが厚くなって硬質相粒子間の平均自由行程が大きくなる。これにより、硬質焼結合金は、塑性変形し易くなって靱性が向上する一方で、硬度が低下する。なお、硬質相粒子の平均粒径の下限は特になく、後述する硬質相粒子同士の接触率が20%以下となるものであればよく、例えば後述のガスアトマイズ法および放電プラズマ焼結を用いた製造方法においては0.05〜2.0μmの硬質相粒子の形成が可能であり、硬質焼結合金の靱性をより高くすることができるという観点より、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。
また、本発明では、製造する硬質焼結合金について、硬度よりも靱性を優先して向上させる場合には、硬質相粒子の平均粒径は、好ましくは2〜5μm、より好ましくは2〜4μm、さらに好ましくは2〜3μmである。硬質相粒子の平均粒径が2μm未満の場合、硬質焼結合金は、硬質相粒子の粒径が小さいことに起因して結合相の厚みが薄くなって硬質相粒子間の平均自由行程が小さくなり、これにより、結合相の塑性変形が困難となり、硬質焼結合金の靱性が低下する傾向にあるが、硬質相粒子の平均粒径を1.0〜2.0μmとした場合には、硬度と靱性をどちらかに偏らず両特性をある程度保有する硬質焼結合金とすることも可能である。また、硬質相粒子の平均粒径が5μmを超えると、原料粉末の熱処理により硬質相粒子が形成される過程で、硬質相粒子同士が結合して硬質相粒子の分散性が悪くなる事で、硬質焼結合金の靱性が低下する。
本発明では、硬質焼結合金について、硬度よりも靱性を優先して向上させる場合に、上述したように硬質相粒子の平均粒径を2〜5μmに制御する際には、併せて、硬質相粒子の平均自由行程を下記範囲に制御することが好ましい。すなわち、硬質相粒子の平均自由行程を、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは2μm以上、さらに好ましくは2.5μm以上とする。硬質相粒子の平均自由行程が1.5μm未満である場合には、結合相の厚みが薄くなってしまうため、硬質焼結合金は、塑性変形し難くなって靱性が低下する。また、硬質相粒子の平均自由行程が5μmを超えると、硬質相粒子が存在せずに結合相のみからなる部分の面積が広くなってしまい、得られる硬質焼結合金を耐摩耗材料として使用した場合に、このような結合相のみからなる部分において耐摩耗性が低下してしまう。また、結合相は、硬質相粒子よりも卑な電位を示すため、このような結合相のみからなる部分では、腐食が進行し易くなり、耐食性が低下してしまう。したがって平均自由工程は5μm以下が好ましい。
また、靱性よりも硬度を優先して向上させる場合や、硬度と靱性の両特性をある程度保持する場合に、上記したように硬質相粒子の平均粒径を2μm以下に制御する際にも、同様の理由にて平均自由行程は5μm以下が好ましい。さらに、硬質相粒子の平均粒径がより小さい場合には、たとえば、硬質相粒子の平均粒径が、上述したように1μm以下や、0.8μm以下である場合には、硬質相粒子の平均自由行程は、3μm以下とするのがより好ましく、さらに好ましくは2.5μm以下である。硬質相粒子の平均自由行程の下限は、硬質相粒子の粒径が小さい場合に測定が困難となることを鑑みると特にないが、後述するように、本発明は硬質相粒子同士の接触率を20%以下に制御するものであるため、通常、硬質相粒子の平均自由行程が0となることはないと考えられる。
硬質相粒子の平均自由行程は、たとえば、次のようにして測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、上述した平均粒径の測定と同様にして、硬質焼結合金の断面組織のSEM像について、図1に示すように2値化処理を行ない、直線L及び範囲Sを設定する。次いで、2値化処理を行なったSEM像を用いて、下記式(2)により、硬質相粒子の体積率fを算出する。
f=(8/3π)×(N /N) …(2)
ここで、πは円周率、Nは断面組織上の任意の直線によってヒットされる単位長さあたりの硬質相粒子の数であって、断面組織上の長さLの任意の直線によってヒットされる粒子の数を任意の直線の長さLで除したもので、Nは任意の単位面積内に含まれる硬質相粒子の数を表したものであって、範囲Sの任意の測定面積内に含まれる粒子の数を任意の測定領域範囲Sで除したものを表す。なお、この際においては、直線Lの長さは、平均自由行程の測定に十分な数の硬質相粒子が交わる長さとすればよく、例えば20μm以上とすることが好ましく、後述の実施例では39μm以上としている。また、範囲Sは、平均自由行程の測定に十分な数の硬質相粒子が含まれる範囲とすればよく、長さ20μm以上、幅29μm以上の範囲とすることが好ましい。
次いで、算出した硬質相粒子の体積率fを用いて、下記式(3)により、硬質相粒子の平均自由行程λを算出することができる。
λ=(1−f)/N …(3)
本発明において、硬質相粒子の平均自由行程を上記範囲とする方法としては、たとえば、硬質焼結合金中における硬質相粒子の含有割合を特定範囲とする方法(硬質相粒子の含有割合が少ないほど、硬質相粒子間の平均自由行程が大きくなる傾向にある)や、原料粉末の熱処理工程における、熱処理条件を所定の範囲に制御する方法(熱処理温度を高くしたり、熱処理中の保持時間を長くしたりするほど、硬質相粒子の平均粒径が大きくなり、硬質相粒子の平均自由行程が大きくなる傾向にある)、さらにはこれらの方法を組み合わせて行なう方法などが挙げられる。
また、本発明の硬質焼結合金は、硬質相粒子同士の接触率が20%以下であり、好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以下である。硬質相粒子同士の接触率は、硬質相粒子の分散性を表す指標であり、接触率が低いほど分散性に優れ、これにより硬質焼結合金の硬度及び靱性の向上が可能となる。硬質相粒子同士の接触率が高すぎると、硬質相粒子同士の接触によって硬質相粒子が図3,4に示すような3次元的なネットワークを形成して、硬質焼結合金の硬度の低下、靱性の著しい低下を引き起こす。なお、図3は、硬質相粒子がネットワーク化している硬質焼結合金を、図4は、このような硬質焼結合金の結合相をエッチングにより除去したものを、それぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した写真である。
なお、硬質焼結合金においては、上述した図2に示すように、硬質相粒子の平均粒径が大きいほど、靱性が高くなる傾向にある。しかしながら、硬質相粒子同士の接触率が増加し、硬質相粒子が図3,4に示すような3次元的なネットワークを形成している場合には、図5に示すように、硬質相粒子の平均粒径を大きくしたとしても、靱性が低下してしまう。なお、図5は、硬質相粒子がネットワーク化していない硬質焼結合金と、硬質相粒子がネットワーク化した硬質焼結合金とについて、それぞれ硬度及び靱性を測定した結果を示したグラフである。図5では、硬質相粒子の平均粒径を変化させた場合における、硬質焼結合金の硬度(ロックウェル硬さ(HRA))及び靱性(シャルピー衝撃値)の測定結果の一例を示している。なお、図5中の白丸は、硬質相粒子の平均粒径と靱性との関係をプロットしたものであり、図5中の黒三角は、硬質相粒子の平均粒径と硬度との関係をプロットしたものである。
図5に示すように、硬質相粒子がネットワーク化していない硬質焼結合金は、硬質相粒子の平均粒径が大きいほど、靱性が高い値となっているが、これに対して、硬質相粒子がネットワーク化した硬質焼結合金は、硬質相粒子の平均粒径が大きい場合でも、靱性が低い値となっている。
本発明では、硬質相粒子同士の接触率は、たとえば、次のようにして測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、上述した平均粒径の測定と同様にして、硬質焼結合金の断面組織のSEM像について、図1に示すように2値化処理を行ない、所定長さの直線Lを設定する。なお、この際における直線Lの所定長さは、接触率の測定に十分な数の硬質相粒子が交わるような長さとすればよく、例えば20μm以上とすることが好ましく、後述の実施例では39μmとしている。次いで、2値化処理を行なったSEM像を観察し、硬質相粒子同士が互いに接触している界面を、硬質相−硬質相界面IHHとし、硬質相粒子と結合相とが互いに接触している界面を、硬質相−結合相界面IHBとする。そして、本発明においては、直線Lにおける、硬質相−硬質相界面IHHの数をN(IHH)とし、硬質相−結合相界面IHBの数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって、硬質相粒子同士の接触率C(単位は、%)を算出することができる。
なお、上記方法にしたがって、硬質相粒子同士の接触率を算出する際には、上記直線Lとは別の直線L’を、上記直線Lとは異なる場所を通るようにSEM像上に引き、同様にして、硬質相−硬質相界面IHH、及び硬質相−結合相界面IHBの数をカウントする操作を、2枚のSEM像写真について、それぞれ7回行い、合計14回の測定結果を平均することにより、硬質相粒子同士の接触率を算出することが好ましい。
本発明において、硬質相粒子同士の接触率を上記範囲とする方法としては、次の方法が挙げられる。例えば、まず硬質焼結合金を製造するためのM、M’及びBなどの組成を含む原料を溶解した後に粉末化(アトマイズ)して合金粉末とする。次いで、図6に示すように、得られた合金粉末を真空加熱炉等で熱処理することで、合金粉末中に硬質相粒子として複硼化物を生成させ、続いて当該熱処理後の合金粉末を固相焼結することにより、硬質相粒子同士の接触率を上記範囲に制御した硬質焼結合金を製造することができる。なお、図6においては、固相焼結を行っている際の合金粉末が硬質焼結合金に変化するまでの状態変化を、一点鎖線で囲った部分に示した。具体的には、熱処理後の合金粉末は、固相焼結装置により、荷重をかけられながら加熱され、これにより結合相部分が塑性変形して緻密化することにより、硬質焼結合金となる。
なお、合金粉末を得る方法としては、特に限定されないが、後述するアトマイズ法などを用いることができる。
続いて、このように製造された硬質焼結合金を、所望の形状に成形加工することで、例えば伸銅ダイス等の各種ダイス製品を製造することができる。
本発明では、上述した図6に示すように、合金粉末について、固相焼結する前に、予め熱処理を施して合金粉末中に複硼化物(硬質相粒子)を極めて均一に生成させることにより、図7に示すように、この熱処理後の合金粉末を固相焼結する際に、硬質相粒子の分散状態はほぼ変わらず、硬質相粒子のネットワーク化が抑制された硬質焼結合金が得られる。
一方、図8に示すような従来の方法(真空液相焼結)で製造した硬質焼結合金は、図9の左図に示すように、硬質相粒子がネットワーク化し、これにより硬質焼結合金の硬度及び靱性が低下してしまう。なお、図8に示す従来の方法では、原料粉末(図8では、硼化モリブデン(MoB)、モリブデン単体(Mo)、鉄単体(Fe)を例示した。)を混合・粉砕し、これを圧粉した後、真空焼結などの液相焼結により焼結することで硬質相粒子が生成する。この液相焼結においては、図8の一点鎖線で囲った部分に示すように、原料粉末が加熱され原料粉末の一部の成分が溶融して液相となり、この液相内で原料粉末の各成分が拡散・反応することで、硬質相粒子が生成及び成長する。この際には、硼化物相の形成反応は原料粉末間の界面で起こっている為、得られる硬質焼結合は、図9の左図に示すように、硬質相粒子同士がネットワークを形成してしまうこととなる。
これに対し、本発明では、例えば上述した図6に示すような方法で硬質焼結合金を製造することにより、図9の右図に示すように、硬質焼結合金において硬質相粒子が適切に分散して、硬質相粒子同士の接触率が低下し、これにより、耐食性及び耐熱性に優れ、且つ硬度及び靱性を向上させた硬質焼結合金が得られる。
<硬質焼結合金の組成>
本発明の硬質焼結合金の組成は、硬質相粒子がMoFeB型の複硼化物を主成分とし、結合相がFe基合金を主成分とするものである場合には、B:3.0〜6.0重量%、Mo:30〜55重量%、Cr:6〜20重量%、Ni:2〜10重量%、Fe:残部であることが好ましい。
B(ホウ素)は、硬質相粒子となる複硼化物を形成するための元素である。Bの含有割合が低すぎると、硬質相粒子の含有割合が低くなってしまい、これにより耐摩耗性が低下するおそれがある。一方、Bの含有割合が高すぎると、焼結体内の硬質相の体積率は高すぎ、硬質相粒子同士の接触率が高くなってしまい、結果として、硬質焼結合金の機械的強度が低下してしまう。
Mo(モリブデン)は、Bとともに、硬質相粒子となる複硼化物を形成するための元素であるとともに、Moの一部は結合相に固溶し、これにより耐食性を向上させる効果を有する。Moの含有割合が低すぎると、耐摩耗性及び耐食性が低下するおそれがある。一方、Moの含有割合が高すぎると、第3相を形成し、機械的強度が低下してしまう。
Fe(鉄)は、B,Moとともに、硬質相粒子となる複硼化物を形成するための元素であるとともに、結合相の主成分を構成する。Fe含有量が10質量%未満の場合は、MoFeB型の複硼化物の形成量が少なくなり、硬質焼結合金の強度の低下を招く。なお、B,Mo,Cr,Ni等の元素の合計量が90重量%を越えてしまい、Feを10重量%含有できない場合には、いうまでもなく、各元素の許容される重量%の範囲内において、その量を減じて、残部に10重量%以上のFeを確保する。一方、多すぎると、耐摩耗性及び耐食性が低下するおそれがある。
Ni(ニッケル)およびCr(クロム)は、いずれも本発明の硬質合金の耐食性及び耐酸化性を向上させる効果を示す。また、NiとCrを組み合わせて使用(複合含有)することで、結合相をマルテンサイト、フェライト、オーステナイト及びこれらの混合組織に任意に制御することにより、焼結体の機械的特性及び耐摩耗性を低減することなく、用途に応じた耐食性、耐熱性及び非磁性化の付与が可能である。
あるいは、硬質相粒子が、MoNiB型の複硼化物を主成分とするものであり、結合相がNi基合金を主成分とするものである場合には、本発明の硬質焼結合金の組成は、B:3.0〜6.0重量%、Mo:28〜62重量%、Cr:0〜30重量%、V:0〜20重量%、Ni:残部であることが好ましい。
硬質相粒子が、MoNiB型の複硼化物を主成分とするものであり、結合相がNi基合金を主成分とするものである場合においても、B,Moは、上記と同様に作用する。
Niは、BおよびMo同様に、複ホウ化物を形成するために必要な元素である。また、結合相を構成する主な元素であり、優れた耐食性に寄与する。Ni含有量が10重量%未満の場合は、MoNiB型の複硼化物の形成量が少なくなり、強度の低下を招く。なお、B,Mo,Cr,V等の元素の合計量が90重量%を越えてしまい、Niを10重量%含有できない場合には、いうまでもなく、各元素の許容される重量%の範囲内において、その量を減じて、残部に10重量%以上のNiを確保する。
Crは、複ホウ化物中のNiと置換固溶し、複ホウ化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また添加したCrは、結合相中にも固溶し、溶射層の耐食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に向上させる。Cr含有量が多くなりすぎると、Crなどのホウ化物を形成し、強度が低下する。
また、V(バナジウム)は、硬質相粒子となる複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また、Vの一部は、結晶相にも固溶し、これにより耐食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を向上させる効果を有する。Vの含有量が少なすぎると、Vの添加効果が得難くなり、一方、多すぎると、VBなどの硼化物を形成してしまい、機械的強度が低下してしまう。
<硬質焼結合金の製造方法>
次に、本発明の硬質焼結合金の製造方法について説明する。
まず、本発明の硬質焼結合金を形成するための原料を準備する。原料の化学組成としては、硬質焼結合金を形成する各元素の含有割合が所望の組成比となるように準備すればよい。
次いで、準備した原料を、焼結に適した粒径に微粉化する。この際には、得られる硬質焼結合金の硬質相粒子同士の接触率を低下させるという観点より、原料粉末を合金化させて合金粉末とすることが好ましい。
本発明では、準備した原料を、例えばアトマイズ法などの方法により、焼結に適した粒径の合金粉末にすることが好ましい。アトマイズ法は、原料を溶融炉で溶解した後、ノズル穴から流出する溶湯に対して流体或いは不活性ガスを吹き付けたりすることにより合金を粉末化する方法である。アトマイズ法における溶融炉としては、高周波誘導溶解炉やガス炉などを用いることができる。本発明では、アトマイズ法としては、特に限定されず、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、水アトマイズ法、プラズマアトマイズ法等のいずれを採用してもよいが、形状が均一な球形であり、表面酸化が少ない合金粉末を製造することができるという点より、ガスアトマイズ法が特に好ましい。
ガスアトマイズ法により合金粉末を製造する際には、溶湯に対して吹き付ける不活性ガスとして、アルゴン、窒素、ヘリウム等を採用することができるが、合金粉末の反応を抑制することができるという点より、アルゴンを用いることが好ましい。
また、アトマイズ法において、溶解炉で溶解する原料を構成する各元素の含有割合が所望の組成比となっていれば、原料は粉末状であっても、粉末を焼結した焼結体であっても、数mm〜数十mm程度の大きさの塊であってもよい。溶解炉として高周波誘導溶解炉を用いる場合には、塊状原料の溶解が比較的容易である。また、原料を溶解する際には、酸化を抑制するために、真空中またはアルゴン等の不活性雰囲気下であることが好ましい。
アトマイズ法により作製するアトマイズ粉の粒径は、好ましくは32〜250μm、より好ましくは53〜180μmである。
次いで、本発明では、アトマイズ法などにより作製した合金粉末を熱処理して、合金粉末中に硬質相粒子として複硼化物を生成させることが好ましい。このように、予め合金粉末中に硬質相粒子を生成させておくことにより、この合金粉末を焼結して得られる硬質焼結合金について、硬質相粒子同士の接触率を低下させることができる。
ここで、図10は、熱処理前後の合金粉末(アトマイズ粉)の外観及び断面を示す写真である。なお、図10では、左の写真が熱処理前のアトマイズ粉の外観、中央の写真が熱処理前のアトマイズ粉の断面、右の写真が熱処理後のアトマイズ粉の断面を、それぞれ示している。また、図10では、熱処理前後のアトマイズ粉について、X線回折法(XRD)により測定した結果をグラフで示した。図10におけるX線回折法の測定結果のグラフを参照すると、熱処理前のアトマイズ粉は、硬質相粒子となる複硼化物に由来するピークは確認できない一方で、熱処理後のアトマイズ粉は、硬質相粒子となる複硼化物に由来するピークを確認できる。そのため、アトマイズ粉を熱処理することによって、図10の右の写真に示すように、アトマイズ粉中に硬質相粒子(複硼化物)が生成していることが確認できる。
また、図11に、Fe、B、Mo等元素を含む原料から作製したアトマイズ粉を、示差熱分析(DTA)により熱分析した結果を示す。図11に示すように、このアトマイズ粉は、約800℃以上の温度でMoFeB型の複硼化物が析出し始め、約1260℃にこの複硼化物を含む硬質合金の融点を有する。そのため、このようなアトマイズ粉などの合金粉末を熱処理して、硬質相粒子としてMoFeB型の複硼化物を生成させるためには、合金粉末を800〜1150℃程度の範囲で加熱することが好ましい。
本発明では、合金粉末を熱処理する際の熱処理条件としては、温度が、好ましくは800〜1150℃、より好ましくは950〜1150℃、さらに好ましくは1100〜1150℃であり、加熱時間が、好ましくは1〜5時間、より好ましくは2〜5時間、さらに好ましくは4〜5時間である。温度が低すぎるか、あるいは加熱時間が短すぎると、硬質相粒子が析出するが、粒子の粗大化は不十分である。一方、温度が高すぎるか、あるいは加熱時間が長すぎると、硬質相粒子同士が結合して接触率が上昇してしまう。
次いで、本発明では、このように熱処理した合金粉末を焼結することにより、硬質焼結合金を製造することができる。焼結の方法は、特に限定されないが、硬質相粒子同士の接触率を低下させることができるという観点より、固相焼結の方法を用いることが好ましい。
固相焼結の方法としては、特に限定されないが、放電プラズマ焼結(SPS)、熱間等方圧加圧法(HIP)、ホットプレスなどの方法が挙げられる。
本発明では、焼結の方法として、放電プラズマ焼結(SPS)を用いる場合には、焼結条件としては、温度:1000〜1100℃、焼結時間:10〜20分間とすることが好ましい。温度が低すぎるか、あるいは焼結時間が短すぎると、原料粉末間の拡散結合は不十分である。一方、温度が高すぎるか、あるいは加熱時間が長すぎると、原料粉末内部の硼化物相が粗大化して分散性は悪くなる恐れがある。
以上のようにして、本発明の硬質焼結合金は製造される。
本発明の硬質焼結合金は、MM’B型の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなり、硬質相粒子の平均粒径が5μm以下、且つ硬質相粒子同士の接触率が20%以下に制御されたものである。そのため、本発明の硬質焼結合金は、耐食性及び耐熱性に優れるとともに、硬度が高いものであり、耐摩耗が求められるダイス、例えば伸銅ダイス等の各種ダイスとして好適に用いることができる。
なお、本発明では、硬質焼結合金について、硬質相粒子の平均粒径を2μm以下とすることにより、硬度を特に向上させることができる。また、本発明では、硬質焼結合金について、硬質相粒子の平均粒径を2〜5μmとし、硬質相粒子の平均自由行程を1.5μm以上とすることにより、靱性を特に向上させることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
なお、各特性の定義及び評価方法は、以下のとおりである。
<硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、硬質相粒子の平均自由行程>
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、硬質焼結合金の断面組織について、SEM像の撮影を行い、上述した方法に従い、硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、及び硬質相粒子の平均自由行程の測定を行った。
<硬度>
硬質焼結合金について、硬度(ロックウェルAスケール)の測定を行なった。
<シャルピー衝撃値>
硬質焼結合金を、約10×5×50mmのサイズとなるように切削加工することで試験片を得て、得られた試験片について、JIS Z2242に準拠して、シャルピー衝撃値の測定を行なった。
<抗折力>
硬質焼結合金を、 4×8×24mmのサイズとなるように切削加工することで、試験片を得て、得られた試験片について、CIS 026に準拠して、抗折力(3点曲げ試験)の測定を行なった。
<密度>
硬質焼結合金を、4×7×24mmのサイズとなるように切削加工することで、試験片を得て、得られた試験片について、アルキメデス法にて密度の測定を行った。
<実施例1>
配合組成が、B:3.4重量%、Mo:30重量%、Cr:10重量%、Ni:2.8重量%、Fe:残部となるように、溶解用原料を配合した後、ガスアトマイズ装置を用いて、真空で高周波誘導溶解炉にて溶解し、アルゴン噴射によりアトマイズ粉を作製した。そして、得られたアトマイズ粉を32〜180μmの粒度範囲になるように分級し、真空中で950℃にて1時間保持する事で粉末を熱処理した。熱処理後の合金粉末を、カーボン製の型に入れて、40MPaの圧力をかけた状態で、放電プラズマ焼結(SPS)装置(シンターランド社製、型番:LABOX−600)を用いて、100℃/分の昇温速度で加熱して、1050℃にて10分間保持することで、硬質相粒子がMoFeB型の複硼化物を主成分とし、結合相がFe基合金を主成分とする硬質焼結合金を得た。
そして、得られた硬質焼結合金について、上記方法にしたがい、硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、硬質相粒子の平均自由行程、硬度、シャルピー衝撃値及び抗折力、密度の各評価を行った。結果を表1及び図12に示す。なお、図12は、硬質焼結合金の硬度及びシャルピー衝撃値をプロットしたグラフである。また、硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、及び硬質相粒子の平均自由行程を測定するために走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した硬質焼結合金の写真を、図13(A)に示す。
なお、実施例1及び後述する実施例2,6,7では、硬質相粒子の粒径が、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定できる0.8μmより小さかったため、硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、及び平均自由行程を正確に求めることができなかった。そのため、表1では、硬質相粒子の平均粒径を0.8μm以下と記載した。また、硬質相粒子同士の接触率、及び平均自由行程は、硬質相粒子の平均粒径が小さくなるほど小さい値となる傾向にあるため、後述する実施例3(硬質相粒子の平均粒径:1.3μm)を比較対象として、実施例1,2,6,7の硬質相粒子の平均自由行程を1.7μm以下、硬質相粒子同士の接触率を18.0%以下と判断した。
<実施例2〜5>
ガスアトマイズ装置により得た合金粉末を熱処理する際の条件、及び放電プラズマ焼結(SPS)装置により焼結する際の温度を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、硬質焼結合金を得て、同様に各評価を行った。結果を表1及び図12に示す。また、実施例3,4については、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した硬質焼結合金の写真を、図13(B)、13(C)に示す。
<実施例6,7>
ガスアトマイズ装置により得た合金粉末について、熱処理を行わずに、直接、放電プラズマ焼結(SPS)装置を用いて、表1に記載の焼結温度で、10分間の条件で焼結した以外は、実施例1と同様にして、硬質焼結合金を得て、同様に評価を行った。結果を表1及び図12に示す。また、実施例6については、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した硬質焼結合金の写真を、図14(A)、14(B)に示す。なお、図14(A)、14(B)は、それぞれ、実施例6の硬質焼結合金を、倍率を変えて撮影した写真である。
<比較例1>
配合組成が、B:3.4重量%、Mo:30重量%、Cr:10重量%、Ni:2.8重量%、Fe:残部となるように、原料粉末を配合し、次いで、原料粉末100重量部に対して、5重量部のパラフィンを加え、これをアセトン中で、振動ボールミルを用いて25時間湿式混合粉砕を行なった。次いで、湿式混合粉砕を行なった原料粉末を、窒素雰囲気中で、150℃、18時間乾燥し、粉砕粉末を得た。次いで、得られた粉砕粉末について、プレス成形により、30×12×8mmのサイズに成形した。得られたプレス成形体を、窒素フロー雰囲気中にて、350℃、1時間の条件で保持することによってパラフィンを除去する脱ロウを行った。その後、真空焼結装置(DEMTEC社製、型式:VSUgr 60/200)を用いて、10℃/分の昇温速度で加熱して、1250℃にて20分間保持することで、硬質相粒子がMoFeB型の複硼化物を主成分とし、結合相がFe基合金を主成分とする硬質焼結合金を得た。そして、得られた硬質焼結合金について、硬質相粒子の平均粒径、硬質相粒子同士の接触率、硬質相粒子の平均自由行程、硬度、シャルピー衝撃値及び抗折力、密度の各評価を行った。結果を表1及び図12に示す。また、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した硬質焼結合金の写真を、図14(C)に示す。
<比較例2>
ガスアトマイズ装置により得た合金粉末を、1150℃、10時間の条件で熱処理した以外は、実施例1と同様にして、硬質焼結合金を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。また、得られた硬質焼結合金について、走査型電子顕微鏡(SEM)により断面組織を撮影した写真を、図14(D)に示す。
<比較例3>
真空焼結時の温度を1050℃と変更した以外は比較例1と同様にして硬質焼結合金を得た。そして、得られた硬質焼結合金について、抗折力、密度の各評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016186037
表1に示すように、硬質相粒子の平均粒径が5μm以下、且つ硬質相粒子同士の接触率が20%以下である実施例1〜7においては、比較例1,2と比較して、いずれも硬度が高いという結果であった。さらに、硬質相粒子の平均粒径が2〜5μmであり、硬質相粒子の平均自由行程が1.5μm以上である実施例4,5においては、比較例1,2と比較して、硬度だけでなく、シャルピー衝撃値及び抗折力も高く、靱性に優れるという結果であった。
一方、硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であるものの、硬質相粒子同士の接触率が20%超である比較例1,2は、硬質焼結合金の硬度が低いという結果となった。
また、比較例2においては、ガスアトマイズ装置により得た粉末に対する熱処理の時間が長すぎたため、得られた硬質焼結合金は、図14(D)に示すように、硬質相粒子同士が結合して、硬質相粒子の平均粒径が5μm超となってしまった。そのため、比較例2の硬質焼結合金は、表1に示すように、実施例1と比較して、硬度が低下するという結果となった。
さらに、比較例3の硬質焼結合金は、焼結時の加圧がない真空焼結であったため、表1に示すように、密度が3.9g/cmと、実施例1〜7と比較して著しく低く、空隙の多い焼結合金となった。その結果、粒径や平均自由工程、接触率を測定したとしても、その他の実施例・比較例と比較ができない状態であり、また、硬度の測定も出来ず、抗折力も50Mpaと低かったため、比較例3の硬質焼結合金は、非常に脆いものであり実用性に欠けるものであった。

Claims (12)

  1. M’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金であって、
    前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、
    断面組織における所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下である硬質焼結合金。
  2. M’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなり、
    M、M’及びBを含む原料を溶解した後に粉末化してなる合金粉末を、熱処理した後に、固相焼結により焼結することで形成され、
    前記硬質相粒子の平均粒径が5μm以下であり、
    断面組織において、所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cが、20%以下である硬質焼結合金。
  3. 前記合金粉末は、M、M’及びBを含む原料をアトマイズ法により粉末化することにより形成される請求項2に記載の硬質焼結合金。
  4. 前記硬質相粒子の平均粒径が2〜5μmであり、
    前記硬質相粒子の平均自由行程が1.5μm以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の硬質焼結合金。
  5. 前記硬質相粒子の平均粒径が2μm以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の硬質焼結合金。
  6. 前記硬質相粒子の主たる成分がMoFeB型の複硼化物であり、前記結合相がFe基合金からなり、
    前記硬質相粒子の割合が35〜95重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の硬質焼結合金。
  7. M’B型(M、M’は互いに異なる金属原子)の複硼化物を含む硬質相粒子と、M’を主成分として含有する合金組成を含む結合相とからなる硬質焼結合金の製造方法であって、
    M、M’及びBを含む原料を溶解した後に粉末化して合金粉末を得る工程と、
    前記合金粉末を熱処理して、前記合金粉末中にMM’B型の複硼化物を形成する工程と、
    前記熱処理した合金粉末を、固相焼結により焼結する工程と、を有する硬質焼結合金の製造方法。
  8. 前記合金粉末を得る工程において、M、M’及びBを含む原料をアトマイズ法により粉末化することで前記合金粉末を得る請求項7に記載の硬質焼結合金の製造方法。
  9. 前記硬質焼結合金の断面組織において、所定長さの直線上の、前記硬質相粒子同士が互いに接触している界面の数をN(IHH)とし、前記硬質相粒子と前記結合相とが互いに接触している界面の数をN(IHB)とした場合に、C=[2N(IHH)/{2N(IHH)+N(IHB)}]×100の式にしたがって求められる硬質相粒子同士の接触率Cを、20%以下にする請求項7又は8に記載の硬質焼結合金の製造方法。
  10. 前記硬質相粒子の平均粒径を2〜5μmとし、
    前記硬質相粒子の平均自由行程を1.5μm以上とする請求項7〜9の何れか一項に記載の硬質焼結合金の製造方法。
  11. 前記硬質相粒子の平均粒径を2μm以下とする請求項7〜9の何れか一項に記載の硬質焼結合金の製造方法。
  12. 前記硬質相粒子の主たる成分をMoFeB型の複硼化物、前記結合相をFe基合金とし、
    前記硬質相粒子の割合を35〜95重量%とする請求項7〜11の何れか一項に記載の硬質焼結合金の製造方法。
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