JPWO2016158876A1 - 脂肪族ポリエステル組成物及び成形物並びに脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

環状エステル等から連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法であって、押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で高くなっており、排出口の温度は、排出口での組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満である。

Description

本発明は脂肪族ポリエステル組成物及び成形物並びに脂肪族ポリエステルの製造方法に関する。
環状エステルから脂肪族ポリエステル組成物を連続的に製造する方法として、押出機内で環状エステルを溶融混練して重合させることで脂肪族ポリエステル組成物を得ることが知られている。
ここで、環状エステルが押出機内で十分に反応しなければ、脂肪族ポリエステル組成物に含まれる未反応の環状エステルが多くなる。その結果、安定して連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造できなくなる。
特許文献1には、環状エステルと触媒とアルコールとの混合物を押出機のホッパーから投入し、押出機内の温度をゾーンごとに制御して反応混合物を重合させ、反応混合物の押出機内の滞留時間を調節することで反応混合物の転化率を制御する、再吸収性ポリエステルの重合方法が記載されている。
特許文献2には、環状エステルと触媒とともに、高溶融粘度物質を押出機に供給することで、押出機の原料供給口における内容物の粘度が押出機の先端における内容物の粘度よりも高い粘度勾配となるように制御する、連続的に脂肪族ポリエステルを製造する方法が記載されている。
特許文献3には、水含有量が少なく、酸価が小さいε-カプロラクトン等の脂肪族エステル成分を押出機内で重合させ、押出機から出てくる生成物を押出機の下流に取り付けたギアポンプ又は一軸押出機へ供給し、フィルム状の脂肪族ポリエステル重合体を得る方法が記載されている。
国際公開WO90/05157号(1990年5月17日公開) 日本国公開特許公報「特開2003−252975号(2003年9月10日公開)」 日本国公開特許公報「特表平11−510549号(1999年9月14日公開)」
しかしながら、本願発明者が検討を行った結果、特許文献1に開示された技術では押出機内での環状エステル等の反応が不十分であり、安定して連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造できないことがわかった。
また、特許文献2の製造方法でも、重合反応後の脂肪族ポリエステル組成物に含まれる未反応の環状エステルが多いことから、押出機内での環状エステルの反応が十分ではないことがわかった。そのため、さらに高反応率で脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法が求められている。
さらに、特許文献3にはε−カプロラクトンから脂肪族ポリエステルへの完全な転化が達成されたことは記載されているが、他の環状エステルから高反応率で脂肪族ポリエステルを製造することについては記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、環状エステルから高反応率で脂肪族ポリエステル組成物を安定して連続的に製造する方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に達した。
本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造方法は、環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法であって、上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、上記排出口の温度は、当該排出口での上記組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、上記脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であることを特徴とする。
本発明に係る脂肪族ポリエステル成形物の製造方法は、上記脂肪族ポリエステル組成物の製造方法によって製造された脂肪族ポリエステル組成物を、繊維状、シート状、フィルム状、棒状、板状又はペレット状に成形することを特徴とする。
本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造方法は、環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステルを製造する方法であって、上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、上記排出口の温度は、当該排出口での上記脂肪族ポリエステルの溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、上記脂肪族ポリエステル中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であることを特徴とする。
本発明は、環状エステルから高反応率で脂肪族ポリエステルを安定して連続的に製造できるという効果を奏する。
本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法の一実施形態における、ポリグリコール酸組成物中の未反応のグリコリドの濃度と重合温度との関係図である。 本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法の一実施形態における、重合時間とグリコリド等の反応率との関係図である。
<脂肪族ポリエステル組成物の製造方法>
本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法は、環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法であって、上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、上記排出口の温度は、当該排出口での上記組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、上記脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満である。
上記構成により、環状エステルから高反応率で脂肪族ポリエステル組成物を安定して連続的に製造できる。
以下、本発明の一実施形態に係る脂肪族ポリエステル組成物及び成形物の製造方法の具体例について説明する。
[工程1]
まず、環状エステルと分子量調節剤と重合触媒とを乾燥条件下で混合する。次に、この混合物を押出機の原料供給口に連続的に供給する。
本実施形態では、押出機内に投入する前に、環状エステルと分子量調節剤と重合触媒とを混合している。本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法では、環状エステルと分子量調節剤と重合触媒とを混合せずに押出機の原料供給口に投入してもよいが、投入前に混合することが好ましい。投入前に混合することにより、均一性が高まり、より安定して脂肪族ポリエステルが製造しやすくなる。
また、本実施形態では、乾燥条件下で混合しているが、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法では、混合する場合でも、乾燥条件下で混合しなくてもよい。ただし、重合速度等に悪影響を与える水分の混入を避けるという観点からは、ドライルーム、乾燥窒素等の不活性ガス雰囲気下、又は減圧下で混合を行うことが好ましい。
(環状エステル)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステルの製造方法で用いる環状エステルとしては、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステル(以下、環状二量体)、ラクトンが好ましい。
環状二量体を形成するα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L−及び/又はD−乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、及びこれらのアルキル置換体等が挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、β−プロピオンラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等が挙げられる。
環状エステルは、不斉炭素を有する物は、D体、L体及びラセミ体のいずれでもよい。これらの環状エステルは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状エステルは、所望により、共重合可能なその他のモノマーと共重合させることができる。他のモノマーとしては、例えば、トリメチレンカーボネート及び1,3−ジオキサン等の環状モノマー、上述のα−ヒドロキシカルボン酸、シュウ酸エチレン並びに脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との等モル混合物等が挙げられる。
環状エステルの中でも、クリコール酸の環状二量体であるグリコリド、L−及び/又はD−乳酸の環状二量体であるL−及び/又はD−ラクチド並びにε−カプロラクトンが好ましく、グリコリドがより好ましい。本実施形態に係る製造方法は、グリコリドの開環重合によってポリグリコール酸組成物を製造するのに特に好適に適用することができる。
環状エステル中の遊離酸濃度としては、10eq/t以下であればよく、8eq/t以下であることが好ましく、5eq/t以下であることがより好ましい。10eq/t以下であることにより、重合速度が速いため、環状エステルが十分に反応し、高反応率で脂肪族ポリエステル組成物を安定して得ることができる。
(分子量調節剤)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステルの製造方法で用いる分子量調節剤としては、アルコール及びアミン類等が挙げられ、アルコールが好ましい。これにより、生成される脂肪族ポリエステルの着色を抑制できる。また、アルコールとしては、1価アルコール、2価アルコール及び3価以上の多価アルコール等が挙げられ、2価以上のアルコールであることが好ましい。2価以上のアルコールを分子量調節剤として用いることにより、環状エステルの重合速度が1価のアルコールを添加した場合よりも速くなる。中でも、2価のアルコールを用いることがより好ましい。2価のアルコールを分子量調節剤として用いることにより、1価のアルコールを添加した場合と比較し、生成される脂肪族ポリエステルの分子量および特性がほとんど変わらない脂肪族ポリエステルを生成することができる。3価以上の多価アルコールを分子量調節剤として用いると、最終的に得られる脂肪族ポリエステルが分岐構造を取る。そのため、1価のアルコールを添加した場合と比較し、生成される脂肪族ポリエステルの特性が変わる。
分子量調節剤の添加量としては、環状エステルに対して0.11mol%〜2mol%の添加量が好ましく、0.15mol%〜1mol%の添加量がより好ましい。上述の好ましい範囲であれば、環状エステルの重合速度を速くしつつ、最終的に得られる脂肪族ポリエステルの分子量を制御し、実使用に耐えうる機械物性を発現させることができる。
ここで、環状エステルの遊離酸は、分子量調節剤と同様の機能としても作用する。そのため、環状エステルに対する分子量調節剤の添加量と、環状エステル中の遊離酸の水酸基の、環状エステルに対する量との合計量を考慮した場合、当該合計量は、環状エステルに対して0.13mol%〜2.2mol%であることが好ましく、0.15mol%〜2.0mol%であることがより好ましい。
(重合触媒)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステルの製造方法で用いる重合触媒としては、上述の各種環状エステルの開環重合触媒として使用されているものであればよく、特に限定されない。重合触媒としては、例えば、スズ、チタン、アルミニウム、アンチモン、ジルコニウム及び亜鉛等の金属化合物の酸化物、塩化物、カルボン酸塩並びにアルコキシド等が挙げられる。
好ましい重合触媒としては、例えば、二塩化スズ、四塩化スズ等のハロゲン化スズ、オクタン酸スズ及びオクチル酸スズ等の有機カルボン酸スズ等のスズ系化合物;アルコキシチタネート等のチタン系化合物;アルコキシアルミニウム等のアルミニウム系化合物;ジルコニウムアセチルアセトン等のジルコニウム系化合物;並びにハロゲン化アルチモン等が挙げられる。
重合触媒の量としては、環状エステルに対して、質量比で10ppm以上600ppm未満であることが好ましく、15ppm以上300ppm以下であることがより好ましい。触媒の量が600ppm未満であると、最終的に得られる脂肪族ポリエステルの熱安定性に優れる。また、製造工程において、押出機内の原料供給側のセグメントでの環状エステルの重合が抑えられ、押出機内で閉塞が生じたりモーター負荷が大きくなったりすることを回避することができる。また、10ppm以上であると、環状エステルの十分な重合速度が得られる。すなわち、上述の好ましい範囲内にあることで、環状エステルの重合速度を速めつつ、押出機等で問題が起こることを防ぐことができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステルの製造方法では、必要に応じて一般的な充填剤、着色剤、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等の各種成分をさらに押出機内に投入してもよい。
[工程2]
次に、押出機内で環状エステルと分子量調節剤と重合触媒とを反応させ、脂肪族ポリエステル組成物を生成する。
このとき、押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなるように設定する。これにより、押出機内の内容物の溶融粘度が、押出機の原料供給口から排出口に向かって緩やかな勾配を持つようになる。
ここで、押出機が、原料供給口から排出口にかけて複数の独立に温度制御可能なゾーンを有している場合、或るゾーンに対して排出側で隣にあるゾーンが、或るゾーンよりも、好ましくは1℃以上、より好ましくは5℃以上高いときに1段階、段階的に温度が高くなっているという。
また、原料供給口から排出口にかけて段階的に温度が高くなるということは、上述の好ましい温度範囲で、或るゾーンに対して排出側で隣にあるゾーンが高い場合が原料供給口から排出口にかけて2回以上あるだけでなく、原料供給口から排出口にかけて一度も温度が下がらないことを意味する。つまり、上述の好ましい温度範囲で、或るゾーンに対して排出側で隣にあるゾーンが高い場合が原料供給口から排出口にかけて2回以上あっても、別の或るゾーンにおいて、当該別の或るゾーンに排出側で隣にあるゾーンが、当該別の或るゾーンよりも温度が低いことが1回でもある場合は、「押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっている」に該当しない。一方、或るゾーンに対して排出側で隣り合うゾーンが或るゾーンと同じ温度であることがあっても、上述の好ましい温度範囲で、或るゾーンに対して排出側で隣にあるゾーンが高い場合が原料供給口から排出口にかけて2回以上あれば、「押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっている」に該当する。
温度が高くなる段階の数としては、2段階以上であればよく、好ましくは2段階〜10段階の範囲であることが好ましく、2段階〜5段階の範囲であることがより好ましい。温度が高くなる段階が2段階以上であることにより、押出機の内容物の溶融粘度が原料供給口に向かってより緩やかに上昇していくことになる。すなわち、押出機の内容物の溶融粘度に、原料供給口に向かってより緩やかな勾配を持たせることができる。そのため、十分な搬送性の元で操業できる。なお、2段階以上、段階的に高くなっていれば、温度が高くなっているゾーンの位置は限定されず、例えば、原料供給側又は排出側に集中して2段階温度が高くなっていてもよく、原料供給側で1段階、排出側で1段階高くなっていてもよく、原料供給側、中央付近及び排出側でそれぞれ1段階高くなっていてもよい。
このとき、生成された脂肪族ポリエステル中の未反応環状エステルの濃度又は押出機のモーター負荷を見ながら、温度を適宜調節できる。
押出機の原料供給口の温度としては、80℃〜200℃の範囲であることが好ましく、100℃〜180℃の範囲であることがより好ましい。温度が200℃以下であると、原料供給側の内容物の溶融粘度の低下が抑えられ、搬送性が低下することを防ぐことができる。温度が80℃以上であると、環状エステルの十分な重合反応を行うことができる。すなわち、上述の好ましい範囲内にあることにより、十分な搬送性及び反応速度の元で操業できる。
押出機の排出口の温度としては、排出口での脂肪族ポリエステル組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなり、且つ、得られた脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であるような温度である必要がある。ここで、得られた脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であるような温度としては、脂肪族ポリエステル組成物の種類によって異なる。本実施形態ではグリコリドからポリグリコール組成物を製造する場合について説明する。グリコリドとポリグリコール組成物との反応が平衡状態にある場合、押出機の排出口の温度は265℃未満である必要がある。これは、グリコリドとポリグリコール組成物との反応は平衡反応で、平衡モノマー濃度の関係から温度には上限があるためである。なお、押出機の排出口の温度が265℃未満であるという条件については、以下の実験により求めた。すなわち、重合温度Tを一定にし、重合反応系内の未反応のグリコリドの濃度[GL]が変化しなくなる時間まで重合反応させ、急冷したときの[GL]を測定した。これをいくつかの重合温度について実施した。重合温度Tの逆数1/T(単位:K−1)と[GL]の自然対数ln[GL]との関係をグラフにプロットし、[GL]と重合温度Tとの関係式を求めた(図1)。この関係式より[GL]が2重量%未満を達成するための重合温度を外挿すると約265℃となる。
なお、本実施形態ではグリコリドからポリグリコール酸組成物を製造した場合について説明しているが、他の環状エステルから脂肪族ポリエステル組成物を製造する場合においても、環状エステルと脂肪族ポリエステルとの反応が平衡状態にある場合、同様の手法により、温度条件を設定することができる。
以上から、排出口での脂肪族ポリエステル組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる条件及び得られた脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満である条件を満たすには、脂肪族ポリエステルの種類又は分子量によって異なるが、例えば、ポリグリコール酸で重量平均分子量が16万の場合には、200℃以上265℃以下であることが好ましく、210℃以上265℃以下であることがより好ましい。温度が265℃以下であると、内容物の溶融粘度が低下しないため、内容物の熱分解が生じるのを防ぐことができる。また、温度が200℃以上であると、排出側での内容物の溶融粘度が上昇しないため、搬送性が高くなる。
脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満を満たすための上述以外の条件としては、押出機の排出口の温度が265℃未満である場合、環状エステルと脂肪族ポリエステルとの反応が平衡状態に達するように、環状エステルが十分に重合反応すればよい。例えば、分子量調節剤又は重合触媒を押出機に供給する量を上述の好ましい範囲としたり、環状エステル等を押出機に投入し、当該環状エステルが押出機内の排出口から排出されるまでの時間(以下、押出機内の滞留時間)を好ましい範囲としたりすることなどが挙げられる。押出機内の滞留時間としては、5分〜10時間が好ましく、10分〜5時間であることがより好ましい。これにより、環状エステルが十分に重合反応し、環状エステルと脂肪族ポリエステルとの反応が平衡状態に達しやすくなる。
なお、環状エステルと脂肪族ポリエステルとの反応が平衡状態に達する時間は、製造する脂肪族ポリエステルの種類によって異なるが、次のように容易に確認することできる。ここでは、グリコリドからポリグリコール酸組成物を製造した場合について説明する。グリコリドからポリグリコール酸組成物を製造するために、グリコリドと2塩化スズ2水和物(グリコリドに対して質量比90ppm)とドデシルアルコール(グリコリドに対して0.26mol%)とを混合し、170℃で反応させた。なお、用いたグリコリドにおける遊離酸濃度は4eq/tであった。反応率(単位:%)が約100%になる時間まで重合反応させ、重合時間(単位:min)と反応率(単位:%)との関係をグラフにプロットした(図2)。図2に示すように、約30分で重合反応が平衡に達していることがわかる。また、触媒である2塩化2水和物の量を90ppmから180ppmにした場合、15分で平衡に達した。このことから、触媒の量と重合速度が一次比例関係であることが確かめられた。また、温度を170℃から180℃にした場合、約20分で平衡に達した。
同様にして、環状エステルと脂肪族ポリエステルとの反応が平衡状態に達する時間を確認することができる。
(押出機)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステルの製造方法で用いる押出機としては、原料投入口から排出口までの間に、環状エステル等に適度な混練を与え、脂肪族ポリエステルを排出口から適当な速度で押し出すために、シリンダーと当該シリンダー内に挿通されるスクリューを備えるものであればよく、例えば、一軸押出機及び二軸押出機等が挙げられ、搬送性の観点からは、二軸押出機が好ましい。
シリンダー及びダイヘッド部(排出口でもある)は、原料供給口から排出口にかけて複数の独立に温度制御可能なゾーン(セグメント)を有している。本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造方法においては、原料供給口から排出口にかけての各領域で温度を設定することで、原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くすることができる押出機を用いればよい。なお、温度制御可能なゾーンの数であるセグメント数は多いほうが好ましく、例えば、3〜30の範囲であることが好ましく、3〜20の範囲であることがより好ましい。
L/D値(Lは押出機のスクリューの長さ、Dはスクリューの内径)は、5以上100以下であることが好ましく、10以上50以下であることがより好ましい。L/D値が100以下であると、押出機内の滞留時間が長くならず、内容物が多くならないため、スクリューのモーターに負荷がかかりにくい。また、L/D値が5以上であると、環状エステル等が十分に反応するための内容物の押出機内の滞留時間を確保しやすい。従って、L/D値が上述の好ましい範囲にあることにより、環状エステル等を十分に反応させつつ、スクリューのモーターに負荷がかかりにくい。
スクリュー回転数は、高反応率を達成できる範囲であればよく、3rpm〜100rpmの範囲であることが好ましく、5rpm〜50rpmの範囲であることがより好ましい。回転数が100rpm以下であると、押出機内の内容物を押し出しすぎないため、環状エステル等が十分に反応するための内容物の押出機内の滞留時間を確保できる。また、回転数が3rpm以上であると、原料供給側のセグメントで環状エステル等の重合が進行しないため、押出機内で閉塞が生じることがなく、モーターにも負荷がかからない。また、環状エステル等が充満して空気を巻き込んだまま重合が過剰に進行することがないため、得られた脂肪族ポリエステル組成物中に気泡が残存することもない。従って、上述の好ましい範囲であることで、環状エステル等を十分に反応させつつ、押出機及び脂肪族ポリエステル組成物に問題が発生することを防ぐことができる。
スクリュー形状は特に限定されないが、搬送性の観点からは、搬送部がフルフライト形状又はサブフライト状のスクリューが好ましく、フルフライト形状のスクリューがより好ましい。
本実施形態で使用する押出機は、押出機の先端とダイとの間にギアポンプを備えつけている。このような形態により、排出口でスクリューによって、脂肪族ポリエステル組成物が押出されるので、脂肪族ポリエステル組成物の排出安定性を高めることができる。
(脂肪族ポリエステル組成物)
本実施形態に係る脂肪族ポリエステル組成物は、環状エステルを押出機内で開環重合させることで製造されるものである。脂肪族ポリエステルは、α−ヒドロキシカルボン酸の脱水縮合を用いた方法又は、環状エステルの開環重合を用いた方法によって得ることができる。中でも、開環重合を用いた方法によれば、高分子量の脂肪族ポリエステルをより効率よく製造できる。また、押出機内で環状エステルを開環重合させることにより、脂肪族ポリエステルを連続的に製造できる。
脂肪族ポリエステル組成物としては、例えば、ポリグリコール酸組成物、ポリ乳酸組成物、ポリカプロラクトン組成物及びポリヒドロキシ酪酸塩等が挙げられ、ポリグリコール酸組成物、ポリ乳酸組成物又はポリカプロラクトン組成物が好ましく、ポリグリコール酸組成物がより好ましい。本実施形態に係る製造方法は、ポリグリコール酸組成物の製造に特に好適に適用することができる。
生成される脂肪族ポリエステルの分子量としては、10万〜25万の範囲であることが好ましく、12万〜24万の範囲であることがより好ましい。10万以上であると、生成された脂肪族ポリエステルの強度等の物性が低下するのを防ぐことができる。25万以下であると、生成される脂肪族ポリエステル組成物の溶融粘度が高くなりすぎることを防ぐことができる。従って、上述の範囲の脂肪族ポリエステルを製造することにより、環状エステルから高反応率で物性に優れた脂肪族ポリエステル組成物を得ることができる。
なお、上述の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法によれば、脂肪族ポリエステルが製造されることは明らかである。したがって、上述の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法は、脂肪族ポリエステルの製造方法でもあることは明らかである。
<脂肪族ポリエステル成形物の製造方法>
[工程1]
脂肪族ポリエステル組成物を製造した後、当該脂肪族ポリエステル組成物をダイヘッド部のダイによって成形する。これにより、押出機の排出口から脂肪族ポリエステル成形物が得られる。
ここで、得られた脂肪族ポリエステル成形物の形状としては、例えば、繊維状、シート状、フィルム状、棒状、板状、ペレット状、チューブ状、又はストランド状が挙げられ、繊維状、シート状、フィルム状、棒状、板状、ペレット状、又はストランド状であることが好ましく、繊維状、棒状又はシート状であることがより好ましい。これにより、押出機一台で環状エステルから実用的な脂肪族ポリエステル成形物を直接得ることができる。
[工程2]
次に、得られた脂肪族ポリエステル成形物を一定温度で保持させる。
ここで、保持するときの温度は、環状エステルの融点の温度以上脂肪族ポリエステル組成物の融点−20℃の温度以下であることが好ましく、環状エステルの融点+20℃の温度以上脂肪族ポリエステル組成物の融点−30℃の温度以下であることがより好ましい。温度が上述の好ましい範囲にあることにより、脂肪族ポリエステル組成物を固相状態で保持することができ、重合反応を進行させたり脂肪族ポリエステル組成物から環状エステルを揮発させたりすることで、脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度を減らすことができる。
保持後の脂肪族ポリエステル成形物中の未反応の環状エステルの濃度としては、0.2重量%未満であることが好ましく、0.1重量%未満であることがより好ましい。0.2重量%未満であることにより、より高品質な脂肪族ポリエステル成形物が得られる。
ここで、保持後の脂肪族ポリエステル成形物中の未反応の環状エステルの濃度が、0.2重量%未満となるようにするためには、上述の温度での保持時間が、好ましくは10分〜10時間であり、より好ましくは30分〜5時間であることが挙げられる。
また、一定温度で保持する場所としては、例えば、オーブン、ホットプレート及びオイルバス等が挙げられ、オーブンであることがより好ましい。これにより、より温度を均一化できる。
一定時間で保持する時には、加水分解を防ぐために乾燥雰囲気中で保持することが好ましい。乾燥雰囲気での保持としては、例えば、乾燥空気、窒素又はアルゴン等の乾燥ガス中での保持、又は減圧下での保持等が挙げられる。
なお、本実施形態では、脂肪族ポリエステル成形物を保持させているが、本発明では或る形状に成形したものでなく、脂肪族ポリエステル組成物を一定温度で保持させてもよい。
また、得られた脂肪族ポリエステル成形物を二次成形し、様々な形状の成形物に加工することもできる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上述の脂肪族ポリエステル成形物の製造方法によれば、脂肪族ポリエステルそのものから、脂肪族ポリエステル成形物を製造することができることは明らかである。
〔まとめ〕
本発明に係る脂肪族ポリエステルの製造方法は、環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法であって、上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、上記排出口の温度は、当該排出口での上記組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、上記脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であることを特徴とする。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記脂肪族ポリエステル組成物が、ポリグリコール酸組成物、ポリ乳酸組成物又はポリカプロラクトン組成物であることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記脂肪族ポリエステル組成物が、ポリグリコール酸組成物であることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記脂肪族ポリエステルの分子量が10万〜25万であることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記環状エステルに対する上記重合触媒の量が、質量比で600ppm未満であることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記分子量調節剤が2価以上のアルコールであることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物の製造方法において、上記排出口から排出された上記脂肪族ポリエステル組成物を、上記環状エステルの融点の温度以上、上記脂肪族ポリエステルの融点−20℃の温度以下で保持することをさらに含むことが好ましい。
本発明に係る脂肪族ポリエステル成形物の製造方法は、上記脂肪族ポリエステル組成物の製造方法によって製造された脂肪族ポリエステル組成物を、繊維状、シート状、フィルム状、棒状、板状又はペレット状に成形することを特徴とする。
また、本発明に係る脂肪族ポリエステル成形物の製造方法において、上記排出口から排出された上記脂肪族ポリエステル成形物を、上記環状エステルの融点の温度以上、上記脂肪族ポリエステルの融点−20℃の温度以下で保持することをさらに含むことが好ましい。
<脂肪族ポリエステル組成物及び成形物の製造例>
〔実施例1〕
[工程1]
露点−40℃以下に管理されているドライルーム内で、グリコリド(クレハ社製)1.2kgをビーカーに入れ、当該ビーカーを100℃に加熱して完全に溶解させた。このグリコリドの融液にプロピレングリコール(純正化学製)1.39g(グリコリドに対して0.18mol%)及び2塩化スズ2水和物(関東化学製)108mgを添加して撹拌し、目視で完全に均一になってから、さらに5分間撹拌した。この融液を速やかにアルミ製の容器に移し、室温まで冷却し固化させた後、10mm程度のサイズにまで粉砕した。なお、用いたグリコリドにおける遊離酸濃度は2eq/tであった。
ここで、グリコリドの遊離酸をグリコール酸と仮定した場合、グリコール酸由来の水酸基の量は、グリコリドに対して0.02mol%である。グリコール酸は分子量調節剤と同様の機能としても作用する。そのため、グリコリドに対する遊離酸の水酸基の量αと、グリコリドに対する分子量調節剤(プロピレングリコール)の量βとの合計量は、グリコリドに対して0.2mol%である。この結果を表1に示す。
[工程2]
工程1で得られた粉砕物を、押出機の先端とダイとの間にギアポンプを備えている押出機の原料供給口に、フィーダーを用いて約7g/minの速度で投入した。表1に示す段階的な温度条件に従い、シリンダー内の温度を、原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなるようにした。ここで、C1〜C4は、軸部の入り口(原料投入口)から順に軸部を4等分する位置の温度であり、GPはギアポンプの温度である。なお、本実施例及び比較例では、C1からC2、C2からC3、C3からC4又はC4からGPの範囲にかけて、10℃以上変化している箇所1か所につき、1段階温度が高くなっているとみなした。従って、実施例1では、温度は原料供給口から排出口へ4段階、段階的に高くなっている。
原料投入の約30分後に、押出機のギアポンプの先のダイヘッド部のノズル状のダイ(以下、ダイ出口)から、繊維状のポリグリコール酸(以下、PGA)成形物が排出され始めた。なお、PGA成形物とは、押出機内で得られたPGA組成物をダイによって成形したもの指す。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。約2時間の運転で、吐出量及び樹脂圧に変動は見られないことから、安定して連続的にPGA組成物及び成形物を製造することを確認した。
なお、押出機としては、以下に示すものを用いた。
・押出機
機台:Fiber Extrusion Technology製FET lab extruder
L(押出機のスクリューの長さ):75cm
D(スクリューの内径):25mmφ
L/D=30
スクリュー:一条一軸のフルフライトスクリュー
スクリュー回転数:14rpm
シリンダー及びギアポンプの温度(℃):C1 125/C2 170/C3 200/C4 215/GP 225
ノズル:0.25mmφ×1mmL×24hole
ギアポンプの吐出量:10cc/rev
〔実施例2〕
表1に示すように、シリンダー及びギアポンプの温度(℃)をC1 125/C2 170/C3 200/C4 215/GP 240に変え、温度が原料供給口から排出口へ4段階、段階的に高くなるようにした以外は実施例1と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、約2時間の運転で、吐出量及び樹脂圧に変動は見られなかったことから、安定して連続的にPGA組成物及び成形物を製造することを確認した。
〔実施例3〕
実施例2で得られたPGA成形物を露点―40℃の乾燥空気が吹き込まれている170℃のオーブン内で1時間保持した。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。表2に示すように、得られたPGA成形物中の未反応のグリコリド濃度(以下、残存GL濃度)が1.1重量%から0.1重量%に減少したことが確かめられた。
〔実施例4〕
表1に示すように、シリンダー及びギアポンプの温度(℃)をC1 125/C2 220/C3 220/C4 220/GP 240に変え、温度が原料供給口から排出口へ2段階、段階的に高くなるようにした以外は実施例1と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、約2時間の運転で、吐出量及び樹脂圧に変動は見られなかったことから、安定して連続的にPGA組成物及び成形物を製造することを確認した。
〔実施例5〕
表1に示すように、2塩化スズ2水和物の添加量を360mgにした以外は、実施例4と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、約2時間の運転で、吐出量及び樹脂圧に変動は見られなかったことから、安定して連続的にPGA組成物及び成形物を製造することを確認した。
〔比較例1〕
表1に示すように、シリンダー及びギアポンプの温度(℃)をC1 190/C2 230/C3 230/C4 220/GP 200に変えた以外は実施例1と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、排出口からPGA成形物が排出し始めて数分間は、安定してPGA成形物が得られていた。しかし、その後PGA成形物を排出できなくなったため、運転を停止した。
〔比較例2〕
表1に示すように、シリンダー及びギアポンプの温度(℃)をC1 80/C2 220/C3 220/C4 220/GP 220に変え、温度が原料供給口から排出口へ1段階、段階的に高くなるようにした以外は実施例1と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、排出口からPGA成形物が排出し始めて数分間は安定して、PGA成形物が得られていた。しかし、その後PGA成形物を排出できなくなったため、運転を停止した。
〔比較例3〕
表1に示すように、プロピレングリコールの添加量を0.76g(グリコリドに対して0.10mol%)にした以外は実施例1と同様の方法でPGA成形物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。また、排出口からPGA成形物が排出し始めて数分間は安定して、PGA成形物が得られていた。しかし、その後PGA成形物を排出できなくなったため、運転を停止した。
〔比較例4〕
表1に示すように、遊離酸濃度が12eq/t(遊離酸の水酸基はグリコリドに対して0.14mol%)のグリコリドを用いて、プロピレングリコールの添加量を0.48g(グリコリドに対して0.06mol%)にした以外は実施例4と同様の方法でPGA組成物を得た。得られたPGA成形物の物性を表2に示す。表1から、ダイ出口での溶融粘度が他の実施例及び比較例と比べて低いことがわかる。また、約2時間の運転は可能であったが、吐出量は不安定で、変動が大きかった。
Figure 2016158876
ここで、グリコリド中の遊離酸濃度は、以下の方法で求めた。すなわち、グリコリド約5gを精秤し、25mLのアセトンおよび25mLのメタノールの混合溶媒に溶解させた。上記混合溶媒に、自動滴定装置(平沼産業製COM−1600ST)を用いて0.003Mのナトリウムメトキシド/メタノール溶液を添加することで、中和滴定をした。得られた中和点から、グリコリド1t当りに存在する遊離酸の当量数(単位eq/t)を算出した。
また、ダイ出口の溶融粘度は以下の方法で求めた。すなわち、キャピラリー(1mmφ×10mmL)を装着したキャピログラフ1−C(東洋精機製作所製)を用いて測定した。実施例1〜5及び比較例1〜4におけるダイの設定温度と同温に加熱した当該装置に、それぞれ得られたPGA成形物、約20gを挿入し、5分間保持した後、剪断速度121sec−1における溶融粘度を測定した。
Figure 2016158876
ここで、残存GL濃度は、以下の方法で求めた。すなわち、得られたPGA成形物100mgに4−クロロベンゾフェノンを含むジメチルスルホキシド溶液(0.4mg/2ml)を加え、150℃において約10分で加熱溶解させ、室温まで冷却した後、濾過を行った。この濾液をGC−2010(島津製作所製)を用いてガスクロマトグラフィ測定を行った。なお、当該ガスクロマトグラフィ測定において、インジェクション温度は180℃であり、カラム温度は、150℃で5分間保持し、20℃/minで270℃まで上昇させて3分間保持とした。
また、PGAの分子量は、以下の方法で求めた。すなわち、得られたPGA成形物約10mgにジメチルスルホキシド0.5mlを加えて150℃で加熱溶解し、室温まで冷却した。この溶液を、昭和電工株式会社製のshodexGPC−104(検出器:RI、サンプルカラム:HFIF−606M、2本)を用いてゲルクロマトグラフィを行った。なお、shodexGPC−104の溶媒としては、5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを含むヘキサフルオロイソプロピルアルコールを用いた。また、分子量の標準物質としてポリメチルメタクリレートを用いて分子量を算出した。
さらに、重量減少率は以下の方法で求めた。すなわち、得られたPGA成形物約10mgを熱重量測定装置であるTGA855e(メトラートレド製)にセットし、50℃におけるPGA成形物の重量を測定した。次に、10mL/minの流速で窒素を流した状態で、50℃から2℃/minで200℃まで昇温した。そして、200℃におけるPGA成形物の重量を測定した。50℃におけるPGA成形物の重量に対する200℃におけるPGA成形物の重量の比を求め、当該比を重量減少率とした。
本発明は、脂肪族ポリエステル組成物及び成形物の製造に利用することができる。

Claims (10)

  1. 環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法であって、
    上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、
    上記排出口の温度は、当該排出口での上記組成物の溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、
    上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、
    上記脂肪族ポリエステル組成物中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  2. 上記脂肪族ポリエステル組成物が、ポリグリコール酸組成物、ポリ乳酸組成物又はポリカプロラクトン組成物であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  3. 上記脂肪族ポリエステル組成物が、ポリグリコール酸組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  4. 上記脂肪族ポリエステルの分子量が10万〜25万であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  5. 上記環状エステルに対する上記重合触媒の量が、質量比で600ppm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  6. 上記分子量調節剤が2価以上のアルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  7. 上記排出口から排出された上記脂肪族ポリエステル組成物を、上記環状エステルの融点の温度以上、上記脂肪族ポリエステルの融点−20℃の温度以下で保持することをさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法によって製造された脂肪族ポリエステル組成物を、繊維状、シート状、フィルム状、棒状、板状又はペレット状に成形することを特徴とする脂肪族ポリエステル成形物の製造方法。
  9. 上記排出口から排出された上記脂肪族ポリエステル成形物を、上記環状エステルの融点の温度以上、上記脂肪族ポリエステルの融点−20℃の温度以下で保持することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の脂肪族ポリエステル成形物の製造方法。
  10. 環状エステル、分子量調節剤及び重合触媒を押出機に供給し、当該押出機内で重合させ、連続的に脂肪族ポリエステルを製造する方法であって、
    上記押出機内の温度が原料供給口から排出口へ2段階以上で段階的に高くなっており、
    上記排出口の温度は、当該排出口での上記脂肪族ポリエステルの溶融粘度が100〜2000Pa・sとなる温度であり、
    上記環状エステル中の遊離酸濃度が10eq/t以下であり、
    上記脂肪族ポリエステル中の未反応の環状エステルの濃度が2重量%未満であることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
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