JPWO2016133157A1 - リパーゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

リパーゼ阻害剤、ジペプチド含有飲食品、リパーゼを阻害するための前記剤の使用、及びリパーゼを阻害する方法を提供する。特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩が、リパーゼ阻害作用を有することを見出した。本発明は、肥満や肥満に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧、又は動脈硬化等の様々な疾患の予防又は改善等に資する、効果的かつ新たな手段を提供する。

Description

本発明は、リパーゼ阻害剤に関する。さらに詳しくは、アミノ酸を構成単位とする特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分とするリパーゼ阻害剤及びリパーゼ阻害用飲食品、リパーゼを阻害するための特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の使用、及びリパーゼを阻害する方法に関する。
肥満は現代社会における重大な問題の一つであるが、その主たる要因は日本人の生活様式の欧米化に伴う、高脂肪食の摂取量の増加である。また、脂肪の過剰摂取は、肥満のみならず、肥満に起因する様々な疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化等に繋がることが知られている。肥満の予防のためには、食事制限により摂取カロリーを減らすことが有効であるとされているが、この方法は厳密な栄養指導と生活管理が必要とされ、日常生活において実行することは困難である。そのため、健康的かつ手軽に食事由来の脂肪の体内吸収を抑制することができれば、肥満及びそれに関連する疾患の予防及び健康増進に効果的である。
このような背景の下、アミノ酸が二つ結合した「ジペプチド」が機能性物質として注目されている。ジペプチドは、単体アミノ酸にない物理的・化学的性質や新たな効果を付加することができるため、単体アミノ酸以上の応用範囲が期待されており、近年、医薬品や健康食品等の有効成分として、健康維持や生活習慣病の予防・改善のために利用されている。
近年、ジペプチドの末端に存在するアミノ基とカルボキシル基とが脱水縮合することにより生成した環状構造を有する環状のジペプチドであるジケトピペラジン誘導体が開発されている。当該環状ジペプチドは、様々な生理活性を有することが報告されており、医療・薬理分野において需要が拡大することが予想されている。例えば、特許文献1には、2,5−ジケトピペラジン構造を有する環状ジペプチドが、抗うつ作用や学習意欲改善作用等を有することが報告されている。また、非特許文献1には、シクロヒスチジルプロリン〔Cyclo(His-Pro)〕が、体温低下作用や食欲抑制作用等の中枢神経系作用や、プロラクチン分泌抑制作用、成長ホルモン分泌促進作用等のホルモン様作用など多くの生理活性を示すことが記載され、さらにシクロロイシルグリシン〔Cyclo(Leu-Gly)〕が記憶機能改善作用を示すことが報告がされている。
非特許文献2には、シクロトリプトファニルプロリン〔Cyclo(Trp-Pro)〕に抗癌作用、シクロヒスチジルプロリン〔Cyclo(His-Pro)〕及びシクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕に抗菌作用、シクロヒスチジルプロリン〔Cyclo(His-Pro)〕に神経保護作用、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕に記憶機能改善作用、シクロトリプトファニルプロリン〔Cyclo(Trp-Pro)〕及びシクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕に生物性除草剤としての作用があることが記載されている。
脂質代謝に関しては、直鎖状テトラペプチドであるバリン−バリン−チロシン−プロリン(Val-Val-Tyr-Pro)や直鎖状トリペプチドであるバリン−チロシン−プロリン(Val-Tyr-Pro)及びバリン−トレオニン−ロイシン(Val-Thr-Leu)が血中トリグリセリド低下作用を有することが報告されている(特許文献2、3)。
特表2012−517998号公報 特許第2805194号公報 特許第2800877号公報
Peptides、16(1)、151-164(1995) Chemical Reviews、112、3641-3716(2012)
本発明の課題は、リパーゼ阻害剤、リパーゼを阻害するための当該剤の使用、及びリパーゼを阻害する方法を提供することにある。また、本発明の課題は、好ましい生理活性を有する組成物を提供することでもある。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の環状ジペプチド又はその塩が顕著なリパーゼ阻害作用を有することを見出した。さらに、本発明者らは、特定の直鎖状ジペプチド又はその塩がリパーゼ阻害作用を有することも見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
(1)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記リパーゼ阻害剤。
(2)環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、(1)に記載のリパーゼ阻害剤。
(3)環状ジペプチド又はその塩が、(1)に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、(1)に記載のリパーゼ阻害剤。
(4)環状ジペプチド又はその塩が、(2)に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、(2)に記載のリパーゼ阻害剤。
(5)食事由来の脂肪の吸収抑制用である、(1)〜(4)のいずれかに記載のリパーゼ阻害剤。
(6)血中中性脂肪低下用である、(1)〜(4)のいずれかに記載のリパーゼ阻害剤。
(7)脂肪の蓄積抑制用である、(1)〜(4)のいずれかに記載のリパーゼ阻害剤。
(8)体脂肪低下用である、(1)〜(4)のいずれかに記載のリパーゼ阻害剤。
(9)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩が、動植物由来ペプチドから得られるものである、(1)〜(8)のいずれかに記載のリパーゼ阻害剤。
(10)動植物由来ペプチドが、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドである、(9)に記載のリパーゼ阻害剤。
(11)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、リパーゼ阻害用飲食品であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記飲食品。
(12)前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、(11)に記載の飲食品。
(13)環状ジペプチド又はその塩が、(11)に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、(11)に記載の飲食品。
(14)環状ジペプチド又はその塩が、(12)に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、(12)に記載の飲食品。
(15)環状ジペプチド又はその塩の総量が1.0×10〜2.0×10ppmであり、環状ジペプチド又はその塩の各々の含有量が、1.0×10〜2.0×10ppmである、(11)〜(14)のいずれかに記載の飲食品。
(16)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩が、動植物由来ペプチドから得られるものである、(11)〜(15)のいずれかに記載の飲食品。
(17)動植物由来ペプチドが、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドである、(16)に記載の飲食品。
(18)リパーゼ阻害により発揮される機能の表示を付した(11)〜(17)のいずれかに記載の飲食品。
(19)機能表示が、「食後の脂肪の吸収を抑える」、「脂肪の蓄積を抑える」、「血中中性脂肪を低下させる」、及び「体脂肪を低下させる」からなる群から選択されるものである、(18)に記載の飲食品。
(20)リパーゼを阻害するための、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩の使用であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記使用。
(21)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として使用する、リパーゼを阻害する方法であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記方法。
(22)アミノ酸を構成単位とする直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤であって、
前記直鎖状ジペプチド又はその塩が、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記リパーゼ阻害剤。
(23)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩の総量が1.0×10〜2.0×10ppmである組成物であって、
前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、及びシクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものであり、
組成物中の前記環状ジペプチド又はその塩の各々の含有量が、1.0×10〜2.0×10ppmである、前記組成物。
(24)アミノ酸を構成単位とする直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、リパーゼ阻害用飲食品であって、
前記直鎖状ジペプチド又はその塩が、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記飲食品。
(25)リパーゼ阻害により発揮される機能の表示を付した、(24)に記載の飲食品。
(26)機能表示が、「食後の脂肪の吸収を抑える」、「脂肪の蓄積を抑える」、「血中中性脂肪を低下させる」、及び「体脂肪を低下させる」からなる群から選択されるものである、(25)に記載の飲食品。
本発明では、特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を利用することでリパーゼを阻害することができる。本発明のリパーゼ阻害剤は、食事由来の脂肪の体内吸収の抑制、血中中性脂肪の低下、脂肪の蓄積抑制、及び体脂肪の低下に資する新たな手段を提供する。
また、本発明により、特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有するリパーゼ阻害用飲食品を提供することが可能になる。
図1には、環状ジペプチドであるCyclo(Gly-Pro)と、直鎖状ジペプチドであるGly-Pro及びPro-Glyの膵リパーゼ活性の阻害率を示す。 図2には、環状ジペプチドであるCyclo(Phe-Phe)と、直鎖状ジペプチドであるPhe-Pheの膵リパーゼ活性の阻害率を示す。 図3には、環状ジペプチドであるCyclo(Phe-Tyr)と、直鎖状ジペプチドであるPhe-Tyr及びTyr-Pheの膵リパーゼ活性の阻害率を示す。 図4には、環状ジペプチドであるCyclo(Trp-Ile)と、直鎖状ジペプチドであるTrp-Ile及びIle-Trpの膵リパーゼ活性の阻害率を示す。 図5には、環状ジペプチドであるCyclo(Trp-Glu)と、直鎖状ジペプチドであるTrp-Glu及びGlu-Trpの膵リパーゼ活性の阻害率を示す。
1.リパーゼ及びリパーゼ阻害
本明細書において「リパーゼ」とは、脂肪を消化する酵素をいう。リパーゼは、膵リパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、及びリポタンパクリパーゼに大別され、膵リパーゼは食物中のトリアシルグリセロールを分解し、ホルモン感受性リパーゼは組織中(脂肪細胞中)のトリアシルグリセロールを分解し、リポタンパクリパーゼは血液中(カイロミクロン中)のトリアシルグリセロールを分解する。本発明においてリパーゼとは、膵臓から分泌される膵リパーゼをいう。膵リパーゼで分解されたトリアシルグリセロールは遊離脂肪酸とモノアシルグリセロールとなり、小腸で吸収されて細胞内で再度トリアシルグリセロールに合成され、その後、体液循環により周辺組織に分配される。
本発明においてリパーゼ阻害とは、膵リパーゼ阻害をいう。膵リパーゼが阻害されることで、食物中のトリアシルグリセロールから遊離脂肪酸とモノアシルグリセロールへの分解を阻害し、体内への脂質の吸収を抑制する。リパーゼ阻害活性は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、4−メチルウンベリフェロンのオレイン酸エステルを基質として使用し、リパーゼによる反応で生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光強度を測定することによりリパーゼに対する阻害活性を測定できる。また、リパーゼ活性に対して50%の阻害を与える50%阻害濃度(IC50)で表すことも、常法により行うこともできる。
2.環状ジペプチド及び直鎖状ジペプチド
本発明においてジペプチドは、環状ジペプチドであっても、直鎖状ジペプチドであってもよい。本明細書において環状ジペプチドとは、アミノ酸を構成単位とすることを特徴とし、アミノ酸のアミノ基とカルボキシル基とが脱水縮合することにより生成したジケトピペラジン構造を有するジペプチドのことをいう。尚、本明細書において、環状ジペプチド又はその塩をまとめて、単に、環状ジペプチドと称する場合がある。また、本明細書において、環状ジペプチドのアミノ酸の構成が同じであれば、それらの記載順序はいずれが先でも構わなく、例えば、〔Cyclo(Trp-Ile)〕と〔Cyclo(Ile-Trp)〕は同じ環状ジペプチドを表すものである。
本明細書において直鎖状ジペプチドとは、アミノ酸を構成単位とすることを特徴とし、一方のアミノ酸のアミノ基と他方のアミノ酸のカルボキシル基とが脱水縮合することにより1つのペプチド結合で連結されたジペプチドのことをいう。尚、本明細書において、直鎖状ジペプチド又はその塩をまとめて、単に、直鎖状ジペプチドと称する場合がある。
環状ジペプチドはアミド結合を介して二個のアミノ酸の末端部分が結合しているため、分子末端部分に極性基であるカルボキシル基やアミノ基が露出している直鎖状ジペプチドと比較して脂溶性が高いという特徴を有する。そのため、環状ジペプチドは直鎖状のジペプチドと比較して、消化管透過性や膜透過性に優れる。
本明細書において、環状又は直鎖状ジペプチドの塩とは、前記環状又は直鎖状ジペプチドの薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、前記環状又は直鎖状ジペプチドのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等)等が挙げられるが、これらに限定されない。環状又は直鎖状ジペプチドの塩は、当該分野で公知の任意の方法により、当業者によって容易に調製され得る。
本発明で用いる直鎖状ジペプチドは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、任意の配列の直鎖状ジペプチドをペプチド合成により調製してもよく、微生物発酵又は酵素を用いて合成してもよく、タンパク質に酵素処理や熱処理を施して分解し、その後、分離・精製することで調製してもよい。また、本発明の直鎖状ジペプチドには、市販品又は合成品のものを使用してもよい。
本発明で用いる環状ジペプチドは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、化学合成法や酵素法、微生物発酵法により製造されてもよく、直鎖状ペプチドを脱水及び環化させることにより合成されてもよく、特開2003−252896号公報やJournal of Peptide Science, 10, 737-737, 2004に記載の方法に従って調製することもできる。例えば、動植物由来のタンパク質を含む成分に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる動植物由来ペプチド、例えば、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドをさらに熱処理して得られる処理物を好適に用いることができる。
本発明では、アミノ酸を構成単位とする環状又は直鎖状ジペプチドは、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド又はコラーゲンペプチド熱処理物から得られたものであってもよい。また、本発明における環状又は直鎖状ジペプチドは、動植物由来のタンパク質を含む成分に熱処理を施す一段階の工程で得られたものであってもよい。例えば、大豆タンパク質、茶タンパク質、麦芽タンパク質、米タンパク質、乳タンパク質、プラセンタタンパク質、又はコラーゲンタンパク質に熱処理を施して得られたものであってもよい。尚、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、コラーゲンペプチドの熱処理物中の特定の環状又は直鎖状ジペプチド、又は大豆タンパク質、茶タンパク質、麦芽タンパク質、米タンパク質、乳タンパク質、プラセンタタンパク質、コラーゲンタンパク質の熱処理物中の特定の環状又は直鎖状ジペプチドが特定の含有量に満たなければ、不足する特定の環状又は直鎖状ジペプチドについては他の動植物由来ペプチドや市販品、合成品を用いて適宜追加することもできる。
3.動植物由来ペプチド
3−1.大豆ペプチド
本明細書でいう「大豆ペプチド」とは、大豆タンパク質に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。原料となる大豆(学名:Glycine max)は品種や産地などの制限なく用いることができ、粉砕品などの加工品段階のものを用いることもできる。
大豆ペプチドを熱処理することにより、環状又は直鎖状ジペプチドを高濃度に含有する大豆ペプチド熱処理物を得ることができる。具体的には、例えば、大豆ペプチドを40〜150℃の条件で、5分〜120時間加熱して調製することができる。得られた熱処理物に対して、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理を行ってもよい。
3−2.茶ペプチド
本明細書でいう「茶ペプチド」とは、茶(茶葉や茶殻を含む)抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる茶由来の低分子ペプチドをいう。抽出原料となる茶葉としては、茶樹(学名:Camellia sinensis)を用いて製造された茶葉の葉、茎など、抽出して飲用可能な部位を使用することができる。また、その形態も大葉、粉状など制限されない。茶葉の収穫期についても、所望する香味に合わせて適宜選択できる。
本発明で使用される茶抽出物は、副生成物の含有量が少なく、香味のよいものが好ましい。この香味の観点から、原料となる茶葉は、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、甜茶等の蒸し製の不発酵茶(緑茶)や、嬉野茶、青柳茶、各種中国茶等の釜炒茶等の不発酵茶を用いることが好ましい。
3−3.麦芽ペプチド
本明細書でいう「麦芽ペプチド」とは、麦芽又はその粉砕物から得られる抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる麦芽由来の低分子ペプチドをいう。原料となる麦芽ペプチドは、品種や産地などの制限なく用いることができるが、特に大麦の種子を発芽させた大麦麦芽が好適に用いられる。大麦麦芽は、皮部を除去してタンパク質含量の高い画分を分離して用いるのが実用的かつ効率的である。例えば、タンパク質含量の高い画分は、麦芽を表面から徐々に削り、穀皮を除去し、その後、アリューロン層及び胚乳といったタンパク質が多く含まれる画分を削りとる方法が挙げられる。
3−4.米ペプチド
本明細書でいう「米ペプチド」とは、米、玄米、それらの一部又は粉砕物、米を原料として得られる油脂類(米糠油や米胚芽油)から得られる抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる米由来の低分子ペプチドをいう。原料となる米ペプチドは、品種や産地などの制限なく用いることができる。
3−5.チキンペプチド
本明細書でいう「チキンペプチド」は、鶏肉もしくは鶏の一部の組織から得られるタンパク質を低分子化することによって得られる鶏由来の低分子ペプチドをいい、例えばWO2011/077759に記載のようにして得ることができる。
3−6.乳ペプチド
本明細書でいう「乳ペプチド」とは、天然の乳由来の成分である乳蛋白質をアミノ酸が少なくとも数個結合した分子に分解したものである。より具体的には、ホエイ(乳清タンパク質)又はカゼイン等の乳蛋白質をプロテナーゼ等の酵素により加水分解し、これを濾過して得られる濾液を殺菌及び/又は濃縮して乾燥することにより得られるホエイペプチド、カゼインペプチド等が挙げられる。
3−7.プラセンタペプチド
プラセンタとは哺乳類の胎盤のことであり、その優れた機能性から、近年、健康食品、化粧品、医薬品素材として用いられている。本明細書でいう「プラセンタペプチド」とは、プラセンタを酵素処理、又は亜臨界処理により可溶化、低分子化したものをいう。また、本来の意味とは異なるが、植物の胎座から得られる抽出物が胎盤由来のプラセンタと同等の生理学的効果を有するものとして健康食品、化粧品等に利用されており、これらは植物プラセンタと呼ばれる。植物の胎座とは、めしべの一部で胚珠がついている部分である。本発明でいう「プラセンタペプチド」には、植物プラセンタに酵素処理、又は亜臨界処理等を施し、可溶化、低分子化したものも含まれる。
3−8.コラーゲンペプチド
本明細書でいう「コラーゲンペプチド」とは、コラーゲン又はその粉砕物を酵素処理や熱処理を施し、コラーゲンを低分子化することによって得られる低分子ペプチドをいう。コラーゲンは動物の結合組織の主要なタンパク質であり、ヒトを含めた哺乳類の身体に最も大量に含まれるタンパク質である。
コラーゲンペプチドを熱処理することにより環状又は直鎖状ジペプチドを多量に含有する組成物を得ることができる。具体的には、例えば、コラーゲンペプチドを100℃より高温の条件で、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜150℃、さらにより好ましくは120〜140℃の条件で、5分〜120時間、好ましくは3〜10時間加熱して調製することができる。得られた熱処理物に対して、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理を行ってもよい。
4.リパーゼ阻害剤
4−1.環状ジペプチド含有リパーゼ阻害剤
本発明の一態様は、特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分とするリパーゼ阻害剤である。
本発明のリパーゼ阻害剤は、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分とするものである。好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とするものである。
本発明は、リパーゼ阻害効果の観点から、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、及びシクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を含有することが好ましい。また、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とすることがより好ましい。
本発明は、リパーゼ阻害効果の観点から、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を含有することがさらに好ましく、特に、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とすることがさらにより好ましい。
本発明のリパーゼ阻害剤は、環状ジペプチド又はその塩を構成するアミノ酸として、フェニルアラニン(Phe)及び/又はトリプトファン(Trp)を含有することが好ましい。
本発明のリパーゼ阻害剤における環状ジペプチド又はその塩の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチド、好ましくは大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドを原料として用いる場合、本発明における環状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、本発明のリパーゼ阻害剤におけるシクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、又はそれぞれに対応する塩の含有量としては、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
尚、特に断りがない限り、本明細書において用いる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、1.0ppmは1.0×10−3mg/mLと換算され、1.0×10−4重量%と換算されるものである。
また、環状ジペプチド又はその塩として、合成品又は精製品を用いる場合、本発明のリパーゼ阻害剤における環状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、環状ジペプチド又はその塩として合成品又は精製品を用いる場合に、本発明のリパーゼ阻害剤に含まれる、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、又はそれぞれに対応する塩の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
環状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、LC−MS/MSに供することで測定することができる。
4−2.直鎖状ジペプチド含有リパーゼ阻害剤
本発明の一態様は、特定の直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分とするリパーゼ阻害剤である。
本発明のリパーゼ阻害剤の一態様は、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上の直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分とするものである。好ましくは、前記直鎖状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を有効成分とするものである。
本発明のリパーゼ阻害剤における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチド、好ましくは大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドを原料として用いる場合、本発明における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、本発明のリパーゼ阻害剤におけるグルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、フェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)、又はそれぞれに対応する塩の含有量としては、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
また、直鎖状ジペプチド又はその塩として、合成品又は精製品を用いる場合、本発明のリパーゼ阻害剤における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、直鎖状ジペプチド又はその塩として合成品又は精製品を用いる場合に、本発明のリパーゼ阻害剤に含まれる、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、フェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)、又はそれぞれに対応する塩の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、LC−MS/MSに供することで測定することができる。
また、本発明のリパーゼ阻害剤は、前記環状ジペプチド、又は前記直鎖状ジペプチドのいずれかを含んでいてもよく、前記環状ジペプチド及び直鎖状ジペプチドを両方含んでいてもよい。
4−3.他の成分
本発明の剤は、その形態に応じて、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の他に、任意の添加剤、通常の剤に用いられる任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び/又は成分の例としては、ビタミン類、ミネラル類、栄養成分、香料、酸化防止剤、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、アミノ酸、果汁エキス類、又は野菜エキス類などの生理活性成分の他、製剤化において配合される賦形剤、結合剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、凝固剤、pH調整剤又はコーティング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
4−4.用途
本発明のリパーゼ阻害剤は、前述の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効量含有するという特徴を有することによりリパーゼ活性が阻害されることで、食後の脂肪の吸収を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする効果、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる効果、血中中性脂肪を低下させる効果、脂肪の蓄積を抑える効果、体に脂肪をつきにくくする効果、体脂肪を低下させる効果、又は内臓脂肪を低下させる効果等を得ることができる。従って、本発明の一態様は、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、食事由来の脂肪の吸収抑制用のリパーゼ阻害剤である。また、本発明は一態様として、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、血中中性脂肪低下用のリパーゼ阻害剤である。さらに、本発明は、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、脂肪の蓄積抑制用のリパーゼ阻害剤でもある。加えて、本発明は、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、体脂肪低下用のリパーゼ阻害剤でもある。
本発明のリパーゼ阻害剤は、前述の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効量含有するという特徴を有することにより膵リパーゼを阻害して、食物中のトリアシルグリセロールから遊離脂肪酸とモノアシルグリセロールへの分解を阻害し、体内への吸収を抑制することができる。また、本発明のリパーゼ阻害剤では、膵リパーゼが阻害されることで、血中中性脂肪の低下若しくは上昇抑制効果、及び脂肪の蓄積抑制効果等を得ることができる。それらの効果を要する対象としては、肥満や肥満に起因する様々な疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、高血圧、又は動脈硬化等が挙げられ、それらの疾患の予防、改善、又は治療に好適に使用され得る。
本発明は、例えば、食後の脂肪の吸収を抑える、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる、血中中性脂肪を低下させる、脂肪の蓄積を抑える、体に脂肪をつきにくくする、体脂肪を低下させる、又は内臓脂肪を低下させるためなどに用いられるものである旨を明示的又は暗示的に示して提供することができる。
本発明のリパーゼ阻害剤は、例えば、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有する原料に、所望により前述の他の成分を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、又はカプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、又は乳剤等の液剤等に製剤化することができる。これらの剤はそのまま水等と共に服用することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品の原材料として用いることができる。
本発明は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。本発明のリパーゼ阻害剤は、当該剤をそのまま組成物として、或いは当該剤を含む組成物として提供することもできる。かかる組成物としては、医薬品(医薬組成物)、飲食品(飲料、食品など)、化粧品(化粧用組成物)などが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明のリパーゼ阻害剤は、治療的用途(医療用途)又は非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品及び化粧料等や薬事法上はこれらに属さないが、食後の脂肪の吸収を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする効果、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる効果、血中中性脂肪を低下させる効果、脂肪の蓄積を抑える効果、体に脂肪をつきにくくする効果、体脂肪を低下させる効果、又は内臓脂肪を低下させる効果等を明示的又は暗示的に訴求する組成物としての使用が挙げられる。
本発明のリパーゼ阻害剤は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。摂取方法は、本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩が循環血中に移行できるのであれば特に限定はない。例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、又はカプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、又はシロップ剤等の経口用液体製剤、注射剤、外用剤、坐剤、又は経皮吸収剤等の非経口用製剤などの形態とすることができるが、これらに限定されない。なお、本明細書において、摂取とは、摂取、服用、又は飲用の全態様を含むものとして用いられる。
本発明のリパーゼ阻害剤の投与量は、その形態、投与方法、使用目的及び投与対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適時設定され、一定ではない。本発明における本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量としては、一定ではないが、例えば、体重50kgのヒトで一日当たり、好ましくは10mg以上、より好ましくは100mg以上である。また、投与は所望の投与量範囲内において、1日内において単回又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。尚、ここで本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の合計摂取量のことであり、環状又は直鎖状ジペプチドの種類は特に限定されない。
本発明のリパーゼ阻害剤の摂取対象とは、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。ヒト以外の動物を対象に投与する場合、マウス1個体当たり約20gに対して1日あたりの使用量は、剤中の有効成分の含有量、適用対象者の状態、体重、性別及び年齢等の条件により異なるが、通常、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の総配合量として、好ましくは10mg/kg以上、より好ましくは100mg/kg以上を摂取できる量にするとよい。
5.組成物
5−1.環状ジペプチド含有組成物
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害用飲食品であって、当該環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含有するものである。好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含有するものである。
本発明の飲食品は、リパーゼ阻害効果の観点から、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、及びシクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を含有することが好ましい。また、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含有することがより好ましい。
本発明の飲食品は、リパーゼ阻害効果の観点から、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を含有することがさらに好ましく、特に、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含有することがさらにより好ましい。
本発明の飲食品は、環状ジペプチド又はその塩を構成するアミノ酸として、フェニルアラニン(Phe)及び/又はトリプトファン(Trp)を含有することが好ましい。
本発明の飲食品における環状ジペプチド又はその塩の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチド、好ましくは大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドを原料として用いる場合、本発明における環状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、本発明の飲食品におけるシクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、又はそれぞれに対応する塩の含有量としては、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
尚、特に断りがない限り、本明細書において用いる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、1.0ppmは1.0×10−3mg/mLと換算され、1.0×10−4重量%と換算されるものである。
また、環状ジペプチド又はその塩として、合成品又は精製品を用いる場合、本発明の飲食品における環状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、環状ジペプチド又はその塩として合成品又は精製品を用いる場合に、本発明の飲食品に含まれる、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、又はそれぞれに対応する塩の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩の総量が1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである組成物であって、前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、及びシクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものであり、組成物中の前記環状ジペプチド又はその塩の各々の含有量が、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである、前記組成物である。
環状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、LC−MS/MSに供することで測定することができる。
5−2.直鎖状ジペプチド含有組成物
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害用飲食品であって、当該直鎖状ジペプチド又はその塩が、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含有するものである。好ましくは、前記直鎖状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含有するものである。
本発明の飲食品における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、動植物由来ペプチド、好ましくは大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドを原料として用いる場合、本発明における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、本発明の飲食品におけるグルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、フェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)、又はそれぞれに対応する塩の含有量としては、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
また、直鎖状ジペプチド又はその塩として、合成品又は精製品を用いる場合、本発明の飲食品における直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量の総量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。また、直鎖状ジペプチド又はその塩として合成品又は精製品を用いる場合に、本発明の飲食品に含まれる、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、フェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)、又はそれぞれに対応する塩の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、1.0×10ppm以上、好ましくは1.0×10ppm以上、より好ましくは1.0×10ppm以上であり、2.0×10ppm以下、好ましくは1.0×10ppm以下、より好ましくは2.5×10ppm以下であり、典型的には、1.0×10〜2.0×10ppm、好ましくは1.0×10〜1.0×10ppm、より好ましくは1.0×10〜2.5×10ppmである。
直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、LC−MS/MSに供することで測定することができる。
また、本発明の組成物は、前記環状ジペプチド、又は前記直鎖状ジペプチドのいずれかを含んでいてもよく、前記環状ジペプチド及び直鎖状ジペプチドを両方含んでいてもよい。
5−3.他の成分
本発明の組成物は、その効果を損なわない限り、その形態に応じて、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の他に、任意の添加剤、通常の剤に用いられる任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び/又は成分の例としては、ビタミン類、ミネラル類、栄養成分、香料、酸化防止剤、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、アミノ酸、果汁エキス類、又は野菜エキス類などの生理活性成分の他、製剤化において配合される賦形剤、結合剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、凝固剤、pH調整剤又はコーティング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の組成物は特に限定されるものではないが、例えば、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有する飲食品、好ましくは飲料や食品である。当該飲料又は食品における前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は前記の通りである。
本発明の組成物は、例えば、公知の飲食品を調製する際に、その原材料に前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を所定量混合して、公知の飲食品の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の飲食品に、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を前記所定量となるように添加して、溶解及び/又は懸濁することで調製してもよい。尚、公知の飲食品が、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を元来含有するものであってもよく、本発明の環状又は直鎖状ジペプチドが所定量となるのであれば、適宜配合して調製することができる。
5−4.用途
本発明の組成物は、様々な生理作用を有する。特に、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有することで、リパーゼ活性の阻害という効果を得ることができ、食後の脂肪の吸収を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする効果、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる効果、血中中性脂肪を低下させる効果、脂肪の蓄積を抑える効果、体に脂肪をつきにくくする効果、体脂肪を低下させる効果、又は内臓脂肪を低下させる効果等を得ることができる。それらの効果を要する対象としては、肥満や肥満に起因する様々な疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、高血圧、又は動脈硬化等が挙げられ、それらの疾患の予防、改善、又は治療に好適に使用され得る。
本発明の飲食品は、例えば、食後の脂肪の吸収を抑えるため、食後の血中中性脂肪の上昇を抑えるため、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにするため、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させるため、血中中性脂肪を低下させるため、脂肪の蓄積を抑えるため、体に脂肪をつきにくくするため、体脂肪を低下させるため、又は内臓脂肪を低下させるためなどに用いられるものである旨を明示的又は暗示的に示して提供することができる。
本発明の飲食品は特に限定されないが、例えば、飲料、食品などが挙げられる。
本発明の飲料の具体例としては、烏龍茶飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、果汁飲料、野菜ジュース、スポーツドリンク、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ミネラルウォーター、ニアウォーター、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤、又は各種アルコール飲料等を挙げることができる。また、当該飲料には、必要に応じて、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン類、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、pH調整剤、又は品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合してもよい。
また、本発明の飲料は、必要に応じて殺菌等の工程を経て、容器詰め飲料とされる。例えば、飲料を容器に充填した後に加熱殺菌等を行う方法や、飲料を殺菌してから無菌環境下で容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。
容器詰め飲料に用いる容器の種類は特に制限されず、例えば、ペットボトルなどの樹脂製容器、紙パックなどの紙容器、ガラス瓶などのガラス容器、アルミ缶やスチール缶などの金属製容器、アルミパウチなど、通常、飲料に用いられる容器であればいずれも用いることができる。
本発明の一態様は、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有する食品であり、例えば、健康食品、機能性食品(特定保健用食品、条件付き特定保健用食品、栄養機能食品が含まれる)、特別用途食品、又は健康補助食品等が挙げられる。本発明の食品における前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の含有量は前記の通りである。
本発明の食品は、例えば、公知の食品を調製する際に、その原材料に前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を所定量混合して、公知の食品の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の食品に、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を前記所定量となるように添加することで調製してもよい。尚、公知の食品が、前記環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を元来含有するものであってもよく、本発明の環状又は直鎖状ジペプチドが所定量となるのであれば、適宜配合して調製することができる。
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。摂取方法は、本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩が循環血中に移行できるのであれば特に限定されるものではない。尚、本明細書において、摂取とは、摂取、服用、又は飲用の全態様を含むものである。
本発明の組成物の摂取量は、その形態、投与方法、使用目的及び当該組成物の摂取対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。例えば、本発明における本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量としては、一定ではないが、例えば、体重50kgのヒトで一日当たり、好ましくは10mg以上、より好ましくは100mg以上である。また、投与は所望の投与量範囲内において、1日内において単回又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。尚、ここで、本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の合計摂取量のことであり、環状又は直鎖状ジペプチドの種類は特に限定されない。
本明細書中において本発明の組成物の摂取対象とは、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。ヒト以外の動物を対象に投与する場合、マウス1個体当たり約20gに対して1日あたりの使用量は、組成物中の有効成分の含有量、適用対象者の状態、体重、性別及び年齢等の諸条件により異なるが、通常、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の総配合量として、好ましくは10mg/kg以上、より好ましくは100mg/kg以上を摂取できる量にするとよい。
本発明の組成物は、保健機能成分(関与成分)である環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩に起因して、種々の保健機能(又は生理作用)を発揮する。ここで、保健機能成分(関与成分)とは、一定量摂取することで健康の維持増進等に役立つ成分をいう。従って、本発明の組成物は、そのような保健機能成分に起因する用途に用いられ得る。具体的には、食後の脂肪の吸収を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える効果、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする効果、食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる効果、血中中性脂肪を低下させる効果、脂肪の蓄積を抑える効果、体に脂肪をつきにくくする効果、体脂肪を低下させる効果、又は内臓脂肪を低下させる効果等を明示的又は暗示的に訴求する組成物としての使用が挙げられる。
本発明は、別の側面では、リパーゼ阻害により発揮される機能の表示を付した、環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有する組成物に関する。このような表示又は機能表示は特に限定されないが、例えば、「食後の脂肪の吸収を抑える」、「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」、「食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにする」、「食後の脂肪の吸収を抑えて排泄を増加させる」、「血中中性脂肪を低下させる」、「脂肪の蓄積を抑える」、「体に脂肪をつきにくくする」、「体脂肪を低下させる」、又は「内臓脂肪を低下させる」などが挙げられる。本明細書において、当該表示及び機能表示のような表示は、組成物自体に付されてもよいし、組成物の容器又は包装に付されていてもよい。
6.リパーゼを阻害するための環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩の使用
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする特定の環状ジペプチド又はその塩のリパーゼ阻害のための使用である。好ましくは、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩のリパーゼ阻害のための使用である。より好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むもののリパーゼ阻害のための使用である。
また、本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする特定の直鎖状ジペプチド又はその塩のリパーゼ阻害のための使用である。好ましくは、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上の直鎖状ジペプチド又はその塩のリパーゼ阻害のための使用である。より好ましくは、前記直鎖状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むもののリパーゼ阻害のための使用である。
また、本発明の一態様は、前記環状ジペプチド及び直鎖状ジペプチドの両方を含むもののリパーゼ阻害のための使用でもある。
例えば、肥満や肥満や肥満に起因する様々な疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、高血圧、又は動脈硬化等を予防、改善、又は処置するための使用が含まれるが、これらに限定されるものではない。当該使用は、ヒト又は非ヒト動物における使用であり、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為、即ち、治療による人体への処理行為を含まない概念である。
7.リパーゼを阻害する方法
本発明の一態様は、リパーゼ阻害を必要とする対象に、特定の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供するものである。好ましくは、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供する。より好ましくは、前記環状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むものを有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供する。
また、本発明の一態様は、リパーゼ阻害を必要とする対象に、特定の直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供するものである。好ましくは、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)からなる群から選択される1つ又は2つ以上の直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供する。より好ましくは、前記直鎖状ジペプチド又はその塩から選択される3つ以上を含むものを有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供する。
また、本発明の一態様は、前記環状ジペプチド及び直鎖状ジペプチドの両方を含むものを有効成分として治療有効量を投与することを含む、リパーゼを阻害する方法を提供する。
尚、リパーゼ阻害を必要とする対象とは、本発明のリパーゼ阻害剤の前記投与対象と同様である。
また、本明細書中において治療有効量とは、本発明の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を上記対象に投与した場合に、投与していない対象と比較して、リパーゼ活性が阻害される量のことである。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的及び対象の年齢、体重、症状等によって適時設定され一定ではない。
本発明の方法においては、前記治療有効量となるよう、前記特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩をそのまま、或いは、特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を含有する組成物として投与してもよい。
本発明の方法によれば、副作用を生じることなくリパーゼを阻害することが可能になる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の方法を種々変更、修飾して使用することが可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
実施例1:環状ジペプチドによる膵リパーゼの阻害効果
1.試薬
環状ジペプチドは神戸天然物化学株式会社で合成したものを用いた。トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、塩化ナトリウム(NaCl)、及びクエン酸一水和物(C6H8O7・H2O)はナカライテスク株式会社、塩化カルシウム二水和物(CaCl2・2H2O)は和光純薬工業株式会社、オレイン酸4−メチルウンベリフェリルエステル(4-MU)、及び豚由来の膵リパーゼはシグマ株式会社、ポリスチレン製ブラック96ウェルプレートはThermo Scientific株式会社よりそれぞれ入手して使用した。
Tris 0.79g、NaCl 4.38g、CaCl2・2H2O 0.1gに蒸留水500mLを加え、1N HCl(塩酸)でpH8.0に調製し、共通バッファーとした。共通バッファーを用いて15μM 4-MU溶液を調製し、基質溶液とした。膵リパーゼを共通バッファーで希釈し、400U/mLとした。C6H8O7・H2O 21gに蒸留水を加えた後に4N NaOHを用いてpH4.2に調製し、反応停止液とした。
2.in vitroにおける膵リパーゼ阻害効果
210種類の環状ジペプチドについて、in vitroにおける膵リパーゼ阻害効果を検討した。具体的には、96ウェルプレートの各ウェルに、共通バッファーに溶解させた各環状ジペプチドを25μL添加し(各環状ジペプチドの最終濃度は500μM)、その後、基質溶液を50μL添加した(基質の最終濃度は7.5μM)。環状ジペプチド−基質混合液に膵リパーゼを25μL添加して反応させ(膵リパーゼの最終濃度は100U/mL)、30分後に反応停止液を100μL加えた。分光光度計(Synegy HT、Bio Tek社製)を用いて、反応溶液中の蛍光強度を測定した(励起波長:355nm、蛍光波長:460nm、Sensitivity:100)。膵リパーゼ阻害率(%)は下記の式(I)により算出した。表1に30%以上の阻害率が確認された環状ジペプチドの阻害率を示す。表2に45種類の環状ジペプチドの膵リパーゼ阻害活性(IC50値)を示す。
A:膵リパーゼ添加かつサンプル非添加群の蛍光強度
B:膵リパーゼ非添加かつサンプル非添加群の蛍光強度
C:膵リパーゼ添加かつサンプル添加群の蛍光強度
D:膵リパーゼ非添加かつサンプル添加群の蛍光強度


実施例2:環状ジペプチドと直鎖状ジペプチドの膵リパーゼ阻害効果
環状ジペプチドと直鎖状ジペプチドの膵リパーゼ阻害効果を評価した。試験は実施例1に準じて実施した。図1にCyclo(Gly-Pro)、Gly-Pro、及びPro-Glyの結果、図2にCyclo(Phe-Phe)、及びPhe-Pheの結果、図3にCyclo(Phe-Tyr)、Phe-Tyr、及びTyr-Pheの結果、図4にCyclo(Trp-Ile)、Trp-Ile、及びIle-Trpの結果、図5にCyclo(Trp-Glu)、Trp-Glu、及びGlu-Trpの結果を示す。
実験の結果、図1〜5に示す通り、いずれの環状ジペプチドも50%以上の膵リパーゼ阻害率を示した。この環状ジペプチドによる膵リパーゼ阻害効果は、直鎖状ジペプチドと比較して有意に高いものであった(p<0.05、Dunnett’s test)。
また、環状ジペプチドほどではないが、直鎖状ペプチドのうち、グルタミルトリプトファン(Glu-Trp)、トリプトファニルグルタミン酸(Trp-Glu)、トリプトファニルイソロイシン(Trp-Ile)、フェニルアラニルチロシン(Phe-Tyr)、及びフェニルアラニルフェニルアラニン(Phe-Phe)は、20%以上のリパーゼ阻害効果を示した。
本発明は、特定の環状若しくは直鎖状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤及び飲食品を提供するものである。従って、本発明は、肥満や肥満に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧、又は動脈硬化等の様々な疾患の予防又は治療に資する、効果的かつ新たな手段を提供することができるため、産業上の利用性が高い。

Claims (21)

  1. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有するリパーゼ阻害剤であって、
    前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記リパーゼ阻害剤。
  2. 環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、請求項1に記載のリパーゼ阻害剤。
  3. 環状ジペプチド又はその塩が、請求項1に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、請求項1に記載のリパーゼ阻害剤。
  4. 環状ジペプチド又はその塩が、請求項2に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、請求項2に記載のリパーゼ阻害剤。
  5. 食事由来の脂肪の吸収抑制用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリパーゼ阻害剤。
  6. 血中中性脂肪低下用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリパーゼ阻害剤。
  7. 脂肪の蓄積抑制用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリパーゼ阻害剤。
  8. 体脂肪低下用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリパーゼ阻害剤。
  9. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩が、動植物由来ペプチドから得られるものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリパーゼ阻害剤。
  10. 動植物由来ペプチドが、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドである、請求項9に記載のリパーゼ阻害剤。
  11. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として含有する、リパーゼ阻害用飲食品であって、
    前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記飲食品。
  12. 前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、及びシクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、請求項11に記載の飲食品。
  13. 環状ジペプチド又はその塩が、請求項11に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、請求項11に記載の飲食品。
  14. 環状ジペプチド又はその塩が、請求項12に記載の群から選択される3つ以上を含むものである、請求項12に記載の飲食品。
  15. 環状ジペプチド又はその塩の総量が1.0×10〜2.0×10ppmであり、環状ジペプチド又はその塩の各々の含有量が、1.0×10〜2.0×10ppmである、請求項11〜14のいずれか一項に記載の飲食品。
  16. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩が、動植物由来ペプチドから得られるものである、請求項11〜15のいずれか一項に記載の飲食品。
  17. 動植物由来ペプチドが、大豆ペプチド、茶ペプチド、麦芽ペプチド、米ペプチド、チキンペプチド、乳ペプチド、プラセンタペプチド、又はコラーゲンペプチドである、請求項16に記載の飲食品。
  18. リパーゼ阻害により発揮される機能の表示を付した、請求項11〜17のいずれか一項に記載の飲食品。
  19. 機能表示が、「食後の脂肪の吸収を抑える」、「脂肪の蓄積を抑える」、「血中中性脂肪を低下させる」、及び「体脂肪を低下させる」からなる群から選択されるものである、請求項18に記載の飲食品。
  20. リパーゼを阻害するための、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩の使用であって、
    前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記使用。
  21. アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド又はその塩を有効成分として使用する、リパーゼを阻害する方法であって、
    前記環状ジペプチド又はその塩が、シクロトリプトファニルイソロイシン〔Cyclo(Trp-Ile)〕、シクロトリプトファニルグルタミン酸〔Cyclo(Trp-Glu)〕、シクロトリプトファニルバリン〔Cyclo(Trp-Val)〕、シクロチロシルチロシン〔Cyclo(Tyr-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルチロシン〔Cyclo(Phe-Tyr)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Ala-Phe)〕、シクロバリルフェニルアラニン〔Cyclo(Val-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロメチオニルメチオニン〔Cyclo(Met-Met)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロメチオニルロイシン〔Cyclo(Met-Leu)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルフェニルアラニン〔Cyclo(Glu-Phe)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロロイシルロイシン〔Cyclo(Leu-Leu)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクロメチオニルフェニルアラニン〔Cyclo(Met-Phe)〕、シクロイソロイシルイソロイシン〔Cyclo(Ile-Ile)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクロロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Leu-Phe)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロトリプトファニルトレオニン〔Cyclo(Trp-Thr)〕、シクロトリプトファニルメチオニン〔Cyclo(Trp-Met)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロリシルバリン〔Cyclo(Lys-Val)〕、シクロメチオニルイソロイシン〔Cyclo(Met-Ile)〕、シクロイソロイシルフェニルアラニン〔Cyclo(Ile-Phe)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロアスパラギニルチロシン〔Cyclo(Asn-Tyr)〕、シクロイソロイシルバリン〔Cyclo(Ile-Val)〕、シクロアスパルチルフェニルアラニン〔Cyclo(Asp-Phe)〕、シクロイソロイシルチロシン〔Cyclo(Ile-Tyr)〕、シクログリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Gly-Phe)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロフェニルアラニルプロリン〔Cyclo(Phe-Pro)〕、シクロトリプトファニルアラニン〔Cyclo(Trp-Ala)〕、シクロイソロイシルグリシン〔Cyclo(Ile-Gly)〕、シクロメチオニルチロシン〔Cyclo(Met-Tyr)〕、シクロバリルバリン〔Cyclo(Val-Val)〕、シクロバリルロイシン〔Cyclo(Val-Leu)〕、シクロアラニルチロシン〔Cyclo(Ala-Tyr)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロヒドロキシプロリルグリシン〔Cyclo(Hyp-Gly)〕、及びシクログリシルヒスチジン〔Cyclo(Gly-His)〕からなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むものである、前記方法。
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