JPWO2016121753A1 - 皮膚浸透調節方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、安全性に優れた、アニオン性化合物の皮膚浸透性を調節する方法を提供することにある。アニオン性化合物及びアミノ酸エステルにより形成されるイオン液体を使用する。
Description
本発明は、皮膚浸透調節方法に関し、さらには該皮膚浸透調節方法を利用した皮膚外用剤、及び皮膚外用剤の製造方法に関する。
イオン液体とは、アニオンとカチオンとから構成される常温融解塩をいい、水及び有機溶媒に次ぐ新たな溶媒として知られているが、生理活性物質(例えば、薬効成分)等のキャリヤとして優れた特性を有していることが報告されて以降、様々な分野で多岐にわたる研究が進行している。
近年、イオン液体を皮膚に塗布すると、著しく高い皮膚浸透性を示すことが報告され、当該特性を生かした皮膚浸透剤への応用について種々検討がなされている。例えば、イオン液体中に生理活性物質を分散又は溶解させ、これを皮膚に適用することによって、生理活性物質の皮膚浸透性を向上させる試みがなされている。しかしながら、かかる方法によっては、生理活性物質がイオン液体と完全に同伴して皮膚に浸透せず、生理活性物質の真皮への到達率は低かった。
一方、生理活性物質自体をイオン液体化し、これを皮膚に適用することによって、生理活性物質の皮膚浸透性を改善させる方法も報告されている(例えば、特許文献1〜4等)。当該方法は、イオン液体中に生理活性物質を分散又は溶解させる方法に比べ、イオン液体における単位容量当たりの薬効成分の含有量が高く、また生理活性物質がイオン液体と完全に同伴して皮膚に浸透できるため、生理活性物質の真皮への到達率が高い。
本発明者らは、アミノ酸アニオンとテトラブチルホスホニウムとから構成されるイオン液体について皮膚浸透速度の評価試験を行い、当該イオン液体が著しい皮膚浸透速度を示すことを確認した。しかしながら、テトラブチルホスホニウム等の有機リン化合物を構成成分としたイオン液体は、安全性の問題が懸念される。
本発明の目的は、生体に対する安全性により優れたイオン液体を用いて、有効成分の皮膚浸透を調節する方法を提供することである。さらに本発明の目的は、該方法により皮膚浸透性が調節された皮膚外用剤、及び該皮膚外用剤の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アミノ酸エステルを用いてアニオン性化合物をイオン液体化することにより、アミノ酸を基本骨格とする安全性に優れたイオン液体が得られ、当該イオン液体を皮膚に適用することによって、アニオン性化合物の皮膚浸透性を調整できることを見出した。
また本発明者らは、当該イオン液体を皮膚に適用することによって、例えば、アニオン性化合物を高濃度で皮膚内に滞留させ得ることを見出した。
本発明者らは当該知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
また本発明者らは、当該イオン液体を皮膚に適用することによって、例えば、アニオン性化合物を高濃度で皮膚内に滞留させ得ることを見出した。
本発明者らは当該知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]アニオン性化合物及びアミノ酸エステルにより形成されるイオン液体を含有する、皮膚外用剤。
[2]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[1]記載の皮膚外用剤。
[3]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[2]記載の皮膚外用剤。
[4]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[5]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[6]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[7]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[8]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[2]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[1]記載の皮膚外用剤。
[3]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[2]記載の皮膚外用剤。
[4]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[5]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[6]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[7]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[8]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の皮膚外用剤。
[9]アニオン性化合物を、アミノ酸エステルにてイオン液体化することを特徴とする、アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法。
[10]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[9]記載の皮膚浸透調節方法。
[11]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[10]記載の皮膚浸透調節方法。
[12]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[9]〜[11]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[13]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[9]〜[12]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[14]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[9]〜[13]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[15]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[9]〜[14]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[16]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[9]〜[15]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[10]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[9]記載の皮膚浸透調節方法。
[11]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[10]記載の皮膚浸透調節方法。
[12]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[9]〜[11]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[13]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[9]〜[12]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[14]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[9]〜[13]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[15]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[9]〜[14]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[16]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[9]〜[15]のいずれか1つに記載の皮膚浸透調節方法。
[17]アニオン性化合物及びアミノ酸エステルによりイオン液体を形成することを含む、イオン液体を含有する皮膚外用剤の製造方法。
[18]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[17]記載の製造方法。
[19]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[18]記載の製造方法。
[20]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[17]〜[19]のいずれか1つに記載の製造方法。
[21]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[17]〜[20]のいずれか1つに記載の製造方法。
[22]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[17]〜[21]のいずれか1つに記載の製造方法。
[23]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[17]〜[22]のいずれか1つに記載の製造方法。
[24]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[17]〜[23]のいずれか1つに記載の製造方法。
[18]アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、[17]記載の製造方法。
[19]低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[18]記載の製造方法。
[20]アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[17]〜[19]のいずれか1つに記載の製造方法。
[21]アニオン性化合物が、水に難溶性である、[17]〜[20]のいずれか1つに記載の製造方法。
[22]アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、[17]〜[21]のいずれか1つに記載の製造方法。
[23]アニオン性化合物が、生理活性物質である、[17]〜[22]のいずれか1つに記載の製造方法。
[24]アニオン性化合物が、25℃で固体である、[17]〜[23]のいずれか1つに記載の製造方法。
本発明によれば、アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法が提供される。
また本発明によれば、安全性に優れ且つ有効成分の皮膚浸透性が調節された皮膚外用剤が提供される。例えば、皮膚浸透性が促進された皮膚外用剤が提供される。また例えば、有効成分を高濃度で皮膚内に滞留させることができる。
また本発明によれば、イオン液体を含有する皮膚外用剤の製造方法も提供される。
また本発明によれば、安全性に優れ且つ有効成分の皮膚浸透性が調節された皮膚外用剤が提供される。例えば、皮膚浸透性が促進された皮膚外用剤が提供される。また例えば、有効成分を高濃度で皮膚内に滞留させることができる。
また本発明によれば、イオン液体を含有する皮膚外用剤の製造方法も提供される。
1.皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、アニオン性化合物及びアミノ酸エステルにより形成されるイオン液体を含有することを主たる特徴とする。
本発明において「イオン液体」とは、アニオンとカチオンとから構成される約100℃以下の温度領域で融解し得る塩をいう。
以下、本発明の皮膚外用剤が含有するイオン液体の形成に用いられる、アニオン性化合物及びアミノ酸エステルについて説明する。
本発明の皮膚外用剤は、アニオン性化合物及びアミノ酸エステルにより形成されるイオン液体を含有することを主たる特徴とする。
本発明において「イオン液体」とは、アニオンとカチオンとから構成される約100℃以下の温度領域で融解し得る塩をいう。
以下、本発明の皮膚外用剤が含有するイオン液体の形成に用いられる、アニオン性化合物及びアミノ酸エステルについて説明する。
[アニオン性化合物]
本発明において用いられるアニオン性化合物は、後述のアミノ酸エステルとイオン液体を形成し得るものであれば、その構造等については特に制限されない。本発明において「アニオン性化合物」とは、水中で電離することによって、有機陰イオンを生成し得る化合物を意味する。
本発明において用いられるアニオン性化合物は、後述のアミノ酸エステルとイオン液体を形成し得るものであれば、その構造等については特に制限されない。本発明において「アニオン性化合物」とは、水中で電離することによって、有機陰イオンを生成し得る化合物を意味する。
本発明において用いられるアニオン性化合物は、1以上(より好ましくは、1〜100、特に好ましくは1〜10)のアニオン性官能基を有することが好ましい。当該官能基としては、例えばカルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基等が挙げられ、好ましくはカルボキシ基である。
本発明において用いられるアニオン性化合物は、生理活性物質を溶解するのに一般的に使用される溶媒(水、グリセリン、ワセリン、流動パラフィン等)に溶解し得るものであってもよいが、これら溶媒に難溶性であるアニオン性化合物をイオン液体化することにより(アニオン性化合物自体を液化することから)、本発明はこれら溶媒に難溶性であるアニオン性化合物に対して特に好適に用いられる。本発明における難溶性のアニオン性化合物は、水に対する溶解度で定義することができ、例えば本発明は、25℃における水への溶解度が1g/dl以下、更には0.5g/dl以下、更には0.1g/dl以下のアニオン性化合物に対して好適に用いることができる。
本発明において用いられるアニオン性化合物の分子量は特に制限されないが、通常5000以下であり、好ましくは1000以下であり、より好ましくは750以下であり、皮膚浸透性がより顕著に促進される点で、さらに好ましくは500以下であり、特に好ましくは400以下である。またアニオン性化合物の分子量は、通常30以上であり、好ましくは40以上であり、より好ましくは50以上であり、さらに好ましくは100以上であり、特に好ましくは150以上である。アニオン性化合物の分子量の好適な範囲は、通常30〜5000であり、好ましくは40〜1000であり、より好ましくは50〜500である。
本発明において用いられるアニオン性化合物は、生理活性を有することが好ましいが、本発明の皮膚外用剤は、アニオン性化合物が生理活性を有さず、後述のアミノ酸エステルを構成するアミノ酸が生理活性を有するものであってもよい。またアニオン性化合物及びアミノ酸の両方が、生理活性を有するものであってもよい。
本発明において用いられるアニオン性化合物の25℃での状態は特に制限されず、固体、半固体、液体等のいずれの状態であってもよいが、例えば、皮膚浸透性の促進効果を発揮する観点からは、25℃で固体のアニオン性化合物を好適に用いることができる。
本発明において用いられるアニオン性化合物としては、例えば、アスピリン、メフェナム酸、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、ケトロラック、ペニシリン、アンピシリン、レボフロキサシン、フェキソフェナジン、レボセチリジン、メトトレキサート、レボドパ、5−アミノサリチル酸(5−ASA)、アトルバスタチン、カプトプリル、バルサルタン、ミコフェノール酸、アダパレン、プロスタグランジンF2α、フェノフィブル酸、ピログルタミン酸、パントテン酸、フェルラ酸、ドコサヘキサエン酸、アゼライン酸、グリチルレチン酸、酢酸、ペニシリン等のカルボキシ基を有する化合物;タウリン、アズレンスルホン酸等のスルホ基を有する化合物;リセドロン酸、5−アデニル酸等のリン酸基を有する化合物;アスコルビン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
本発明において用いられるアニオン性化合物は、芳香族化合物であってよいが、これに限定されるものでない。本発明において「芳香族化合物」とは、芳香環を有する化合物をいい、芳香環が炭素原子のみで構成された芳香族炭化水素に加え、芳香環にヘテロ原子(例、酸素原子、窒素原子等)を含む複素芳香族化合物も包含する。
[アミノ酸エステル]
本発明において用いられるアミノ酸エステルとしては、例えば、アミノ酸アルキルエステル、アミノ酸アルケニルエステル、アミノ酸アラルキルエステル等が挙げられるが、好ましくはアミノ酸アルキルエステルである。当該アミノ酸エステルは、モノエステル又はジエステルであってよく、あるいはそれ以上のエステルであってもよい。
本発明において用いられるアミノ酸エステルとしては、例えば、アミノ酸アルキルエステル、アミノ酸アルケニルエステル、アミノ酸アラルキルエステル等が挙げられるが、好ましくはアミノ酸アルキルエステルである。当該アミノ酸エステルは、モノエステル又はジエステルであってよく、あるいはそれ以上のエステルであってもよい。
本発明において用いられるアミノ酸エステルは、アミノ酸の低級アルコールエステルであることが好ましい。当該低級アルコールエステルを構成する低級アルコールは、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。また当該低級アルコールの炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。当該低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられ、好ましくはエタノールである。
本発明において用いられるアミノ酸エステルを構成するアミノ酸は、アミノ基及びカルボキシ基の両方を有する有機化合物を広く用い得るが、タンパク質構成アミノ酸が好ましい。当該アミノ酸の具体例としては、脂肪族アミノ酸(例、グリシン、アラニン)、分岐鎖アミノ酸(例、イソロイシン、ロイシン、バリン)、ヒドロキシアミノ酸(例、セリン、トレオニン)、酸性アミノ酸(例、アスパラギン酸、グルタミン酸)、アミド型アミノ酸(例、アスパラギン、グルタミン)、塩基性アミノ酸(例、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン)、含硫アミノ酸(例、システイン、シスチン、メチオニン)、芳香族アミノ酸(例、フェニルアラニン、チロシン)、複素環式アミノ酸(例、トリプトファン、ヒスチジン)、イミノ酸(例、プロリン、4−ヒドロキシプロリン)等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。これらのアミノ酸は、D体、L体及びDL体のいずれであってもよい。
本発明は、アミノ酸エステルを構成するアミノ酸の種類によって、イオン液体化したアニオン性化合物の特性(例えば、皮膚浸透性、皮膚滞留性等)が異なり、種々のアミノ酸を皮膚外用剤の用途等に応じて用いることができる。従って、アミノ酸エステルを構成するアミノ酸として種々のアミノ酸を適宜用いることにより、アニオン性化合物の皮膚浸透性を調節することができる。
本発明において用いられるアミノ酸エステルの具体例としては、アラニンエチルエステル、プロリンエチルエステル、プロリンイソプロピルエステル、ロイシンエチルエステル、フェニルアラニンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル等が挙げられるが、これらに制限されるものでない。
本発明において用いられるアミノ酸エステルの合成方法は特に制限されず自体公知の方法で行えばよい。
[イオン液体の合成方法(アニオン性化合物のイオン液体化)]
イオン液体の合成方法は特に制限されず自体公知の方法で行えばよいが、例えば、アミノ酸エステルのフリー体に1/3倍モル〜2倍モル(例えば、等モル)となるようアニオン性化合物を添加した後に適宜撹拌することによって、イオン液体を得ることができる。あるいは、アニオン性化合物に1/3倍モル〜2倍モル(例えば、等モル)となるようアミノ酸エステルのフリー体を添加した後に適宜撹拌してもよい。
イオン液体の合成方法は特に制限されず自体公知の方法で行えばよいが、例えば、アミノ酸エステルのフリー体に1/3倍モル〜2倍モル(例えば、等モル)となるようアニオン性化合物を添加した後に適宜撹拌することによって、イオン液体を得ることができる。あるいは、アニオン性化合物に1/3倍モル〜2倍モル(例えば、等モル)となるようアミノ酸エステルのフリー体を添加した後に適宜撹拌してもよい。
本発明の皮膚外用剤におけるイオン液体の含有量は、イオン液体を構成するアニオン及びカチオンの種類、製剤の形態、皮膚外用剤を適用する対象等に応じて適宜調節し得るが、製剤全体に対して通常0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜99重量%、より好ましくは0.5〜50重量%である。
本発明の皮膚外用剤は、イオン液体に加え、製剤化に際して一般的に用いられる添加剤を更に含有してよい。当該添加剤としては、例えば、賦形剤、懸濁化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、抗酸化剤、防腐剤、pH調整剤、着香剤、着色剤等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤の剤形は特に限定されず、その用途等に応じて自体公知の剤形を適宜適用すればよい。当該剤形の具体例としては、軟膏剤(水性軟膏剤、油脂性軟膏剤等)、クリーム剤、液剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤等の塗布剤;パップ剤、プラスター剤、テープ剤、パッチ剤等の貼付剤;エアゾール剤、スプレー剤等の噴霧剤;坐剤等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、アニオン性化合物及びアミノ酸エステルによりイオン液体を形成することを含むこと以外は特に制限されず、その剤形等に応じ慣用の方法を適宜組み合わせる等して製造できる。
本発明の皮膚外用剤の用途は生理活性物質等の有効成分を皮膚の浸透を通して体内に適用する用途であれば特に制限されず、例えば、本発明の皮膚外用剤には皮膚用の医薬品、皮膚用の医薬部外品、皮膚用の香粧品等が含まれる。尚、本発明において「皮膚」とは、体(例えば、顔、頭、首、胸、腹、腰、背中、尻、腕、脚、手等)の表皮だけでなく、粘膜も包含する概念である。
本発明の皮膚外用剤の適用対象としては、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
本発明の皮膚外用剤の投与量及び対象への適用回数は、イオン液体を構成するアニオン及びカチオンの種類、製剤の形態、皮膚外用剤を適用する対象等に応じて適宜調節し得る。
2.アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法
本発明は、前述するように、アミノ酸エステルを構成するアミノ酸として種々のアミノ酸を適宜用いることにより、アニオン性化合物の皮膚浸透性を調節することができる。従って、本発明は、アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法(以下、「本発明の調節方法」とも称する)も提供する。
本発明は、前述するように、アミノ酸エステルを構成するアミノ酸として種々のアミノ酸を適宜用いることにより、アニオン性化合物の皮膚浸透性を調節することができる。従って、本発明は、アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法(以下、「本発明の調節方法」とも称する)も提供する。
本発明の調節方法は、アニオン性化合物を、アミノ酸エステルにてイオン液体化することを主たる特徴とする。本発明の調製方法に用いられるアニオン性化合物及びアミノ酸エステルは、本発明の皮膚外用剤に関して説明したものと同様である。
本発明の調節方法において、アニオン性化合物を、アミノ酸エステルにてイオン液体化する方法は特に制限されず自体公知の方法で行えばよい。例えば、アミノ酸エステルのフリー体に等モルとなるようアニオン性化合物を添加した後に適宜撹拌することによって、アニオン性化合物をイオン液体化することができる。あるいは、アニオン性化合物に等モルとなるようアミノ酸エステルのフリー体を添加した後に適宜撹拌してもよい。
アミノ酸エステルにてイオン液体化したアニオン性化合物の適用対象、投与量及び適用回数は、本発明の皮膚外用剤に関して説明したものと同様である。
本発明において、アニオン性化合物の皮膚浸透の「調節」とは、アニオン性化合物の皮膚浸透の促進、維持及び抑制の少なくとも一つを行うことを意味し、例えば、本発明の調節方法は、アニオン性化合物の皮膚浸透促進方法であり得る。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。また、本発明において使用する試薬や装置、材料は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。
1.試験サンプルの調製方法
下記の皮膚浸透試験に使用した試験サンプルは、それぞれ以下の手順で調製した。
下記の皮膚浸透試験に使用した試験サンプルは、それぞれ以下の手順で調製した。
[アミノ酸エステルフリー体の合成]
(プロリンエチルエステルフリー体の合成)
室温条件下、プロリン5gを50mLのエタノール中へ分散させた。その後、プロリンに対し2.0倍モルの塩化チオニルを添加し、一昼夜撹拌した。次いで、減圧蒸留により過剰な塩化チオニル及びエタノールを除去し、プロリンエチルエステル塩酸塩を得た。得られたプロリンエチルエステル塩酸塩に塩酸を除去する目的で水10mLを添加し、さらにプロリンエチルエステル塩酸塩に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、プロリンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(プロリンエチルエステルフリー体の合成)
室温条件下、プロリン5gを50mLのエタノール中へ分散させた。その後、プロリンに対し2.0倍モルの塩化チオニルを添加し、一昼夜撹拌した。次いで、減圧蒸留により過剰な塩化チオニル及びエタノールを除去し、プロリンエチルエステル塩酸塩を得た。得られたプロリンエチルエステル塩酸塩に塩酸を除去する目的で水10mLを添加し、さらにプロリンエチルエステル塩酸塩に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、プロリンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(アラニンエチルエステルフリー体の合成)
市販のアラニンエチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、アラニンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
市販のアラニンエチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、アラニンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(ロイシンエチルエステルフリー体の合成)
市販のロイシンエチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、ロイシンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
市販のロイシンエチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、ロイシンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(フェニルアラニンエチルエステルフリー体の合成)
市販のフェニルアラニンエチルエステル塩酸塩5g(和光純薬工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、フェニルアラニンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
市販のフェニルアラニンエチルエステル塩酸塩5g(和光純薬工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、フェニルアラニンエチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(アスパラギン酸ジメチルエステルフリー体の合成)
市販のアスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、アスパラギン酸ジメチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
市販のアスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩5g(東京化成工業社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、アスパラギン酸ジメチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(リジンメチルエステルフリー体の合成)
市販のリジンメチルエステル二塩酸塩5g(国産化学社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、リジンメチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
市販のリジンメチルエステル二塩酸塩5g(国産化学社製)に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、リジンメチルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
(プロリンイソプロピルエステルフリー体の合成)
室温条件下、プロリン5gを50mLのイソプロピルアルコール中へ分散させた。その後、プロリンに対し2.0倍モルの塩化チオニルを添加し、一昼夜撹拌した。次いで、減圧蒸留により過剰な塩化チオニル及びエタノールを除去し、プロリンイソプロピルエステル塩酸塩を得た。得られたプロリンイソプロピルエステル塩酸塩に塩酸を除去する目的で水10mLを添加し、さらにプロリンイソプロピルエステル塩酸塩に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、プロリンイソプロピルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
室温条件下、プロリン5gを50mLのイソプロピルアルコール中へ分散させた。その後、プロリンに対し2.0倍モルの塩化チオニルを添加し、一昼夜撹拌した。次いで、減圧蒸留により過剰な塩化チオニル及びエタノールを除去し、プロリンイソプロピルエステル塩酸塩を得た。得られたプロリンイソプロピルエステル塩酸塩に塩酸を除去する目的で水10mLを添加し、さらにプロリンイソプロピルエステル塩酸塩に対して2倍モルのアンモニアを添加した後、50mLの酢酸エチルを混合して室温条件下で約2時間撹拌した。撹拌後、静置して2相に分離させた後、有機相側を回収して減圧蒸留により過剰な酢酸エチルを除去し、プロリンイソプロピルエステルフリー体を得た。得られた物質の純度評価はNMRにより実施した。
[イオン液体の合成]
(プロリンエチルエステル−イブプロフェン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようイブプロフェン粉末(和光純薬工業株式会社製)を添加した後、40℃で2時間撹拌し、プロリンエチルエステル−イブプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−イブプロフェン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようイブプロフェン粉末(和光純薬工業株式会社製)を添加した後、40℃で2時間撹拌し、プロリンエチルエステル−イブプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−アスピリン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−インドメタシン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようインドメタシン(ナカライテスク社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−インドメタシン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようインドメタシン(ナカライテスク社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−インドメタシン塩を得た(オイル状物質)。
(アラニンエチルエステル−アスピリン塩の合成)
アラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アラニンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
アラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アラニンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(アラニンエチルエステル−イブプロフェン塩の合成)
アラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようイブプロフェン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アラニンエチルエステル−イブプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
アラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようイブプロフェン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アラニンエチルエステル−イブプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
(ロイシンエチルエステル−アスピリン塩の合成)
ロイシンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、ロイシンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
ロイシンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、ロイシンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(フェニルアラニンエチルエステル−アスピリン塩の合成)
フェニルアラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、フェニルアラニンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
フェニルアラニンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、フェニルアラニンエチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(アスパラギン酸ジメチルエステル−アスピリン塩の合成)
アスパラギン酸ジメチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アスパラギン酸ジメチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
アスパラギン酸ジメチルエステルフリー体に等モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、アスパラギン酸ジメチルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(リジンメチルエステル−ジアスピリン塩の合成)
リジンメチルエステルフリー体に2倍モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、リジンメチルエステル−ジアスピリン塩を得た(オイル状物質)。
リジンメチルエステルフリー体に2倍モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、リジンメチルエステル−ジアスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンイソプロピルエステル−アスピリン塩の合成)
プロリンイソプロピルエステルフリー体に1/3倍モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンイソプロピルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンイソプロピルエステルフリー体に1/3倍モルとなるようアスピリン(和光純薬工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンイソプロピルエステル−アスピリン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−ケトプロフェン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようケトプロフェン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ケトプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようケトプロフェン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ケトプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−エトドラク塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に1/2倍モルとなるようエトドラク(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−エトドラク塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に1/2倍モルとなるようエトドラク(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−エトドラク塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−ナプロキセン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に1/2倍モルとなるようナプロキセン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ナプロキセン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に1/2倍モルとなるようナプロキセン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ナプロキセン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−ミコフェノール酸塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようミコフェノール酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ミコフェノール塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようミコフェノール酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ミコフェノール塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようロキソプロフェン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようロキソプロフェン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−酢酸塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるよう酢酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−酢酸塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるよう酢酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−酢酸塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−ペニシリン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようペニシリン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ペニシリン塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようペニシリン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−ペニシリン塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
(プロリンエチルエステル−パントテン酸塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようパントテン酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−パントテン酸塩を得た(オイル状物質)。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようパントテン酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−パントテン酸塩を得た(オイル状物質)。
(プロリンエチルエステル−グリチルレチン酸塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようグリチルレチン酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−グリチルレチン酸塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようグリチルレチン酸(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−グリチルレチン酸塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
(プロリンエチルエステル−アダパレン塩の合成)
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアダパレン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−アダパレン塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
プロリンエチルエステルフリー体に等モルとなるようアダパレン(東京化成工業社製)を添加した後、室温で8時間撹拌し、プロリンエチルエステル−アダパレン塩を得た(オイル状物質)。尚、高粘度溶液となったため、エタノールを全体重量に対して50%となるよう添加し、皮膚浸透試験に供した。
[薬液の調製]
(イブプロフェン−PBS/EtOH溶液の調製)
イオン交換水に塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素2ナトリウム12水和物、及びリン酸2水素カリウムをそれぞれ8g/L、0.2g/L、2.9g/L、及び0.2g/Lとなるよう溶解させた。その後、塩酸あるいは水酸化ナトリウムを用いてpH7.4に調整した。このようにして調製したリン酸緩衝液(PBS)をエタノール(EtOH)と1:1(体積比)で混合し、PBS/EtOH混合液を調製した。PBS/EtOH混合液にイブプロフェンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のイブプロフェンを除去することによりイブプロフェン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(イブプロフェン−PBS/EtOH溶液の調製)
イオン交換水に塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素2ナトリウム12水和物、及びリン酸2水素カリウムをそれぞれ8g/L、0.2g/L、2.9g/L、及び0.2g/Lとなるよう溶解させた。その後、塩酸あるいは水酸化ナトリウムを用いてpH7.4に調整した。このようにして調製したリン酸緩衝液(PBS)をエタノール(EtOH)と1:1(体積比)で混合し、PBS/EtOH混合液を調製した。PBS/EtOH混合液にイブプロフェンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のイブプロフェンを除去することによりイブプロフェン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(アスピリン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にアスピリンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のアスピリンを除去することによりアスピリン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にアスピリンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のアスピリンを除去することによりアスピリン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(インドメタシン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にインドメタシンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のインドメタシンを除去することによりインドメタシン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にインドメタシンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のインドメタシンを除去することによりインドメタシン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(ケトプロフェン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にケトプロフェンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のケトプロフェンを除去することによりケトプロフェン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にケトプロフェンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のケトプロフェンを除去することによりケトプロフェン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(エトドラク−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にエトドラクを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のエトドラクを除去することによりエトドラク−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にエトドラクを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のエトドラクを除去することによりエトドラク−PBS/EtOH溶液を調製した。
(ナプロキセン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にナプロキセンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のナプロキセンを除去することによりナプロキセン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にナプロキセンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のナプロキセンを除去することによりナプロキセン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(ミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にミコフェノール酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のミコフェノール酸を除去することによりミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にミコフェノール酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のミコフェノール酸を除去することによりミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
(ロキソプロフェン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にプロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩と同重量濃度となるようにロキソプロフェンを添加し、室温で3時間撹拌した。このようにしてミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にプロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩と同重量濃度となるようにロキソプロフェンを添加し、室温で3時間撹拌した。このようにしてミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
(酢酸−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液に酢酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分の酢酸を除去することにより酢酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液に酢酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分の酢酸を除去することにより酢酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
(ペニシリン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にペニシリンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のペニシリンを除去することによりペニシリン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にペニシリンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のペニシリンを除去することによりペニシリン−PBS/EtOH溶液を調製した。
(パントテン酸−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にパントテン酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のパントテン酸を除去することによりパントテン酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にパントテン酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のパントテン酸を除去することによりパントテン酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
(グリチルレチン酸−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にグリチルレチン酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のグリチルレチン酸を除去することによりグリチルレチン酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にグリチルレチン酸を飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のグリチルレチン酸を除去することによりグリチルレチン酸−PBS/EtOH溶液を調製した。
(アダパレン−PBS/EtOH溶液の調製)
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にアダパレンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のアダパレンを除去することによりアダパレン−PBS/EtOH溶液を調製した。
上記のように作製したPBS/EtOH混合液にアダパレンを飽和となるよう添加し、室温で3時間撹拌した。その後、ろ過により溶け残った過剰分のアダパレンを除去することによりアダパレン−PBS/EtOH溶液を調製した。
2.薬物の分析方法
下記の皮膚浸透試験において、各薬物の分析は、それぞれ以下の手順で行った。
下記の皮膚浸透試験において、各薬物の分析は、それぞれ以下の手順で行った。
(アスピリンの分析方法)
バッファー組成:10mM KH2PO4水溶液を作製し、リン酸を用いてpH3.5に調整した。その後、本水溶液とメタノールとを体積比7:3の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムはGLサイエンス社製ODS−3カラム(4.6mm×250mm)を使用した。流速は0.8mL/min、カラム温度は40℃とし、260nmの吸収波長からアスピリンの分析を行った。
バッファー組成:10mM KH2PO4水溶液を作製し、リン酸を用いてpH3.5に調整した。その後、本水溶液とメタノールとを体積比7:3の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムはGLサイエンス社製ODS−3カラム(4.6mm×250mm)を使用した。流速は0.8mL/min、カラム温度は40℃とし、260nmの吸収波長からアスピリンの分析を行った。
(インドメタシンの分析方法)
バッファー組成:0.1%リン酸溶液を作製した。その後、本リン酸液とメタノールとを体積比1:3の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムはGLサイエンス社製ODS−3カラム(4.6mm×250mm)を使用した。流速は0.8mL/min、カラム温度は40℃とし、254nmの吸収波長からインドメタシンの分析を行った。
バッファー組成:0.1%リン酸溶液を作製した。その後、本リン酸液とメタノールとを体積比1:3の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムはGLサイエンス社製ODS−3カラム(4.6mm×250mm)を使用した。流速は0.8mL/min、カラム温度は40℃とし、254nmの吸収波長からインドメタシンの分析を行った。
(イブプロフェンの分析方法)
バッファー組成:20mMリン酸溶液を作製した。その後、本リン酸液とアセトニトリルを体積比55:45の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムは財団法人化学物質評価研究機構製L−column ODS(4.6mm×150mm)を使用した。流速は1.0mL/min、カラム温度は40℃とし、230nmの吸収波長からイブプロフェンの分析を行った。
バッファー組成:20mMリン酸溶液を作製した。その後、本リン酸液とアセトニトリルを体積比55:45の割合で混合し、脱気を施した後、分析に使用した。
分析カラムは財団法人化学物質評価研究機構製L−column ODS(4.6mm×150mm)を使用した。流速は1.0mL/min、カラム温度は40℃とし、230nmの吸収波長からイブプロフェンの分析を行った。
(ケトプロフェン、エトドラク、ナプロキセン、ミコフェノール酸、ロキソプロフェン、酢酸、ペニシリン、パントテン酸、グリチルレチン酸及びアダパレンの分析方法)
イブプロフェンの分析方法と同様の方法で、ケトプロフェン、エトドラク、ナプロキセン、ミコフェノール酸、ロキソプロフェン、酢酸、ペニシリン、パントテン酸、グリチルレチン酸及びアダパレンの分析をそれぞれ行った。
イブプロフェンの分析方法と同様の方法で、ケトプロフェン、エトドラク、ナプロキセン、ミコフェノール酸、ロキソプロフェン、酢酸、ペニシリン、パントテン酸、グリチルレチン酸及びアダパレンの分析をそれぞれ行った。
3.皮膚透過試験
上記の試験サンプルを用い、以下の手順で皮膚透過試験を行った。
上記の試験サンプルを用い、以下の手順で皮膚透過試験を行った。
[皮膚浸透試験]
ユカタンピッグの皮膚より脂肪層を除去し、該皮膚を、その真皮側がレセプター槽側となるようにして、槽溶液と真皮側とが直径15mmの円形口により接触するフランツ型拡散セルに装着した。次いで、この皮膚の角質層側に15mmの円形口を有するシリコンゴムシートを貼り付け、シリコンゴムシートの開口面にある角質層側に0.3mLの試験サンプル(イオン液体又は薬液)を塗布した。その後、レセプター槽に12mLのリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を充填し、マグネティックバーにより撹拌するとともに37℃に静置した。レセプター槽から一定時間毎に1mLずつ96時間まで溶液を採取した後、該溶液におけるアニオン性化合物の濃度を測定した。なお、レセプター槽から1mLの溶液を採取する毎に新しいリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を1mLずつレセプター槽に添加した。
品名:Yucatan Micropig Skinset
雌性 5ヵ月齢 約20kg
摘出皮膚 1枚約10cm×10cm
1頭分左右16枚(肩部2、背部6、背側部6、殿部2)
ユカタンピッグの皮膚より脂肪層を除去し、該皮膚を、その真皮側がレセプター槽側となるようにして、槽溶液と真皮側とが直径15mmの円形口により接触するフランツ型拡散セルに装着した。次いで、この皮膚の角質層側に15mmの円形口を有するシリコンゴムシートを貼り付け、シリコンゴムシートの開口面にある角質層側に0.3mLの試験サンプル(イオン液体又は薬液)を塗布した。その後、レセプター槽に12mLのリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を充填し、マグネティックバーにより撹拌するとともに37℃に静置した。レセプター槽から一定時間毎に1mLずつ96時間まで溶液を採取した後、該溶液におけるアニオン性化合物の濃度を測定した。なお、レセプター槽から1mLの溶液を採取する毎に新しいリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を1mLずつレセプター槽に添加した。
品名:Yucatan Micropig Skinset
雌性 5ヵ月齢 約20kg
摘出皮膚 1枚約10cm×10cm
1頭分左右16枚(肩部2、背部6、背側部6、殿部2)
プロリンエチルエステル−イブプロフェン塩(n=3)及びイブプロフェン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図1に、プロリンエチルエステル−アスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図2に、プロリンエチルエステル−インドメタシン塩(n=3)及びインドメタシン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図3に、アラニンエチルエステル−イブプロフェン塩(n=3)及びイブプロフェン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図4に、アラニンエチルエステル−アスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図5に、フェニルアラニンエチルエステル−アスピリン塩(n=2)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図6に、ロイシンエチルエステル−アスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図7に、アスパラギン酸ジメチルエステル−アスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図8に、リジンメチルエステル−ジアスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図9に、プロリンイソプロピルエステル−アスピリン塩(n=3)及びアスピリン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図10に、プロリンエチルエステル−ケトプロフェン塩(n=3)及びケトプロフェン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図11に、プロリンエチルエステル−エトドラク塩(n=3)及びエトドラク−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図12に、プロリンエチルエステル−ナプロキセン塩(n=3)及びナプロキセン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図13に、プロリンエチルエステル−ミコフェノール酸塩(n=3)及びミコフェノール酸−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図14に、プロリンエチルエステル−ロキソプロフェン塩(n=3)及びロキソプロフェン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図15に、プロリンエチルエステル−酢酸塩(n=2)及び酢酸−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図16に、プロリンエチルエステル−ペニシリン塩(n=2)及びペニシリン−PBS/EtOH溶液(n=2)の皮膚透過試験の結果を図17に、プロリンエチルエステル−パントテン酸塩(n=3)及びパントテン酸−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図18に、プロリンエチルエステル−グリチルレチン酸塩(n=2)及びグリチルレチン酸−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図19に、プロリンエチルエステル−アダパレン塩(n=1)及びアダパレン−PBS/EtOH溶液(n=3)の皮膚透過試験の結果を図20に、それぞれ示す。
図1〜20の結果から明らかなように、いずれのイオン液体も、薬液に比べて非常に高い皮膚浸透速度を示した。
4.細胞毒性試験
上記のプロリンエチルエステルを用い、以下の手順で細胞毒性試験を行った。
上記のプロリンエチルエステルを用い、以下の手順で細胞毒性試験を行った。
[細胞毒性試験]
プロリンエチルエステルを200mMとなるようにKrebs Ringer Hepes緩衝液に溶解した後、得られた溶液(pH7.4)を、ダルベッコ改変イーグル培養液に、体積比1:3となるように混合した。この溶液を、Krebs Ringer Hepes緩衝液とダルベッコ改変イーグル培養液とを体積比1:3で混合した溶液を用いて0.01〜50mMの範囲で段階的に適宜希釈した後、15時間前に5×103cells/wellにてマウス繊維芽細胞10T1/2細胞を播種していた96ウェル培養皿の各ウェルに200μLずつ添加した。CO2インキュベーターで20時間、当該溶液への曝露を行った後、各ウェルから溶液を抜き取り、その後ダルベッコ改変イーグル培養液で洗浄を行った。続いて、セルカウンティングキット−8試薬を含む培養液を各ウェルに150μLずつ添加し、CO2インキュベーターに2時間静置した後、450nmの波長にて溶液の吸光度を測定した。コントロールとして、プロリンエチルエステルを含まないKrebs Ringer Hepes緩衝液とダルベッコ改変イーグル培養液とを体積比1:3で混合した溶液を調製し、該溶液にマウス繊維芽細胞10T1/2細胞を15時間浸した後、吸光度を測定した。コントロールの吸光度を1として、プロリンエチルエステルの比生存率を算出した。
プロリンエチルエステルを200mMとなるようにKrebs Ringer Hepes緩衝液に溶解した後、得られた溶液(pH7.4)を、ダルベッコ改変イーグル培養液に、体積比1:3となるように混合した。この溶液を、Krebs Ringer Hepes緩衝液とダルベッコ改変イーグル培養液とを体積比1:3で混合した溶液を用いて0.01〜50mMの範囲で段階的に適宜希釈した後、15時間前に5×103cells/wellにてマウス繊維芽細胞10T1/2細胞を播種していた96ウェル培養皿の各ウェルに200μLずつ添加した。CO2インキュベーターで20時間、当該溶液への曝露を行った後、各ウェルから溶液を抜き取り、その後ダルベッコ改変イーグル培養液で洗浄を行った。続いて、セルカウンティングキット−8試薬を含む培養液を各ウェルに150μLずつ添加し、CO2インキュベーターに2時間静置した後、450nmの波長にて溶液の吸光度を測定した。コントロールとして、プロリンエチルエステルを含まないKrebs Ringer Hepes緩衝液とダルベッコ改変イーグル培養液とを体積比1:3で混合した溶液を調製し、該溶液にマウス繊維芽細胞10T1/2細胞を15時間浸した後、吸光度を測定した。コントロールの吸光度を1として、プロリンエチルエステルの比生存率を算出した。
また、プロリン、エタノール、プロリン−テトラブチルホスホニウム塩、プロリノール及びトリエタノールアミンプロリンエチルエステルを用いて、細胞毒性試験を行った。これらの細胞毒性試験は、プロリンエチルエステルに代えて、プロリン、プロリン−テトラブチルホスホニウム塩、トリエタノールアミンを用いた以外は、上記と同様の手順により行った。プロリン−テトラブチルホスホニウム塩は以下の手順で合成した。
(プロリン−テトラブチルホスホニウム塩の合成)
プロリン5gに等モルとなるよう市販の40%水酸化テトラブチルホスホニウム水溶液(北興化学工業株式会社製)30gを添加した。この混合液を、エバポレータで濃縮し、混合液中の水分を蒸発させた。最終的にプロリン−テトラブチルホスホニウム塩が得られた(無色透明なオイル状物質)。
プロリン5gに等モルとなるよう市販の40%水酸化テトラブチルホスホニウム水溶液(北興化学工業株式会社製)30gを添加した。この混合液を、エバポレータで濃縮し、混合液中の水分を蒸発させた。最終的にプロリン−テトラブチルホスホニウム塩が得られた(無色透明なオイル状物質)。
結果を図21に示す。
図21の結果から明らかなように、プロリンエチルエステルは、一般的に香粧品等に用いられるトリエタノールアミンに比べて細胞毒性が低く、安全性に優れることが確認された。
一方、テトラブチルホスホニウムを構成カチオンとするイオン液体であるプロリン−テトラブチルホスホニウム塩は、非常に高い細胞毒性を示した。
一方、テトラブチルホスホニウムを構成カチオンとするイオン液体であるプロリン−テトラブチルホスホニウム塩は、非常に高い細胞毒性を示した。
5.皮膚内への薬剤滞留挙動評価試験
上記のプロリンエチルエステル−アスピリン塩及びアスピリン−PBS/EtOH溶液を用い、以下の手順で皮膚内への薬剤滞留挙動評価試験を行った。
上記のプロリンエチルエステル−アスピリン塩及びアスピリン−PBS/EtOH溶液を用い、以下の手順で皮膚内への薬剤滞留挙動評価試験を行った。
[皮膚内への薬剤滞留挙動評価試験]
上記の皮膚浸透試験と同様の方法によりユカタンピッグの皮膚の角質層側に0.3mLの試験サンプル(プロリンエチルエステル−アスピリン塩又はアスピリン−PBS/EtOH溶液)を塗布した。その後、レセプター槽に12mLのリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を充填し、マグネティックバーにより撹拌するとともに37℃で72時間静置した。その後、それぞれの試験サンプルを塗布した皮膚を回収し、表面を水でよく洗浄した後、5mLの酢酸エチルに浸し、室温下で5時間、マグネチックスターラーで350rpmで撹拌しながら皮膚内に滞留するアスピリンの抽出を実施した。このようにして得られた酢酸エチル抽出溶液のHPLC分析を実施し、それぞれの試験サンプルの塗布により皮膚内に滞留したアスピリン濃度の算出を行った。
上記の皮膚浸透試験と同様の方法によりユカタンピッグの皮膚の角質層側に0.3mLの試験サンプル(プロリンエチルエステル−アスピリン塩又はアスピリン−PBS/EtOH溶液)を塗布した。その後、レセプター槽に12mLのリン酸緩衝生理食塩水とエタノールの混合溶液を充填し、マグネティックバーにより撹拌するとともに37℃で72時間静置した。その後、それぞれの試験サンプルを塗布した皮膚を回収し、表面を水でよく洗浄した後、5mLの酢酸エチルに浸し、室温下で5時間、マグネチックスターラーで350rpmで撹拌しながら皮膚内に滞留するアスピリンの抽出を実施した。このようにして得られた酢酸エチル抽出溶液のHPLC分析を実施し、それぞれの試験サンプルの塗布により皮膚内に滞留したアスピリン濃度の算出を行った。
結果を図22に示す。
図22の結果から明らかなように、アスピリンをイオン液体化することによって、著しく高濃度に皮膚内に滞留させ得ることが示された。
本発明によれば、有効成分の皮膚浸透性が調節され、かつ安全性に優れる皮膚外用剤が提供される。
本出願は、日本で出願された特願2015-13329(出願日:2015年1月27日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims (24)
- アニオン性化合物を、アミノ酸エステルにてイオン液体化することを特徴とする、アニオン性化合物の皮膚浸透調節方法。
- アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、請求項1記載の皮膚浸透調節方法。
- 低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物が、水に難溶性である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物が、生理活性物質である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物が、25℃で固体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚浸透調節方法。
- アニオン性化合物及びアミノ酸エステルにより形成されるイオン液体を含有する、皮膚外用剤。
- アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、請求項9記載の皮膚外用剤。
- 低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項10記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物が、水に難溶性である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物が、生理活性物質である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物が、25℃で固体である、請求項9〜15のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
- アニオン性化合物及びアミノ酸エステルによりイオン液体を形成することを含む、イオン液体を含有する皮膚外用剤の製造方法。
- アミノ酸エステルが、アミノ酸の低級アルコールエステルである、請求項17記載の製造方法。
- 低級アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項18記載の製造方法。
- アニオン性化合物が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項17〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
- アニオン性化合物が、水に難溶性である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の製造方法。
- アニオン性化合物の分子量が、30〜5000である、請求項17〜21のいずれか1項に記載の製造方法。
- アニオン性化合物が、生理活性物質である、請求項17〜22のいずれか1項に記載の製造方法。
- アニオン性化合物が、25℃で固体である、請求項17〜23のいずれか1項に記載の製造方法。
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