JPWO2016121528A1 - 匍匐害虫駆除製剤 - Google Patents

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Abstract

匍匐害虫駆除製剤に関する課題を一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質を含有する匍匐害虫駆除製剤により解決したもの。【選択図】なし

Description

本発明は、匍匐害虫集合誘引物質を含有する匍匐害虫駆除製剤に関するものである。
ゴキブリ類は代表的な匍匐害虫であり、一般家庭はもちろん産業上の様々な場所に侵入して大きな被害を与えている。そのため、多くの駆除方法が用いられているが、棲息場所が人間生活と密着しているため、殺虫剤の使用は制限され、また狭い隙間等に隠れる習性を持ち、繁殖力が強いことから従来の捕獲器や液剤及び固形剤では効果的な駆除方法が得られていないのが現状である。
近年、ゴキブリ類のフェロモンの研究が進み、その防除への利用が検討され始めた(特許文献1、2及び3)。フェロモンとは生物自身が分泌して同種の他個体に作用する化学物質であり、極微量で強力な誘引等の活性を示すことが知られている。
昆虫のフェロモンとしては、性フェロモン、集合フェロモン等が知られている。性フェロモンとは、一方の性の個体が分泌・放出して異性にだけ作用するフェロモンをいう。他方、集合フェロモンは、同種の他個体を集合させる情報化学物質のうち、性フェロモンを除いたものをいう。すなわち、集合フェロモンは、オス及びメスの区別無く作用し、また、生殖能力のない幼生にも作用し得る。
ちなみに、集合フェロモンという用語が最初に使われたのはチャバネゴキブリである。チャバネゴキブリは、腹部末端からフェロモンを分泌してシェルター(隠れ家)を標識する。フェロモンは体表にも存在していて、同種個体の認知にも使われている。チャバネゴキブリの集合フェロモンには、匂いとして作用する1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノールなどの誘引フェロモンの他に、接触化学的に作用する拘束フェロモン(arrestant)が含まれていて、その構成成分の一部は同定されている(非特許文献1)。ブラベルスゴキブリ(Blaberus craniifer)は、頭部の大腮線から集合フェロモンを分泌する。活性炭で捕集した匂い成分からウンデカン、テトラデカン、エチルカプロン酸に誘引活性が確認されている。
上記ゴキブリフェロモン類を誘引剤として捕獲器や液剤及び固形剤に用いれば、ゴキブリ駆除効果を高め得ることが期待される。しかしながら、これまで知られている誘引物質、例えば、ペリプラノン類、ボルニルアセテート、テルペノイド類などでは、効果の持続性に乏しく、時には正反対の忌避因子にも変わり得るため、実用的には十分といえないものであった。また、性フェロモンは、成虫の、一方の性だけにしか効果が無いため、幼虫/成虫及びメス/オスの区別なく、全ての個体に効果のある、匍匐害虫集合フェロモンの同定及びその利用に対する期待が高まっていた。
同じく代表的な匍匐害虫であるアリ類は、近年、屋外から家屋への侵入被害が増加している。その駆除方法としては、巣に直接、あるいはアリ類の通り道に、殺虫成分を含有するエアゾール等の液剤又は毒餌剤等の粉剤を施用し、アリ類に接触又は喫食させ、さらには、巣に持ち帰らせ、巣ごと退治する等の方法が主体である(特許文献4、5)。しかしながら、液剤や粉剤は、アリ類に直接施用する場合はともかく、そうでない場合は、一定期間、アリ類の巣の近くやアリ類の通り道に施用する必要があるが、巣や通り道が不明な場合や、天候や人間生活の影響で散布状況が変化した場合、期待した効果が得られないという問題点があった。
また、アリ類は巣外に出て餌を探す際、巣に戻るための「道しるべ」となる物質をその通り道に放出するが、この物質も一種のフェロモン(道しるべフェロモン:trail pheromone)と考えられている。かつて、アリから単離されたファラナール(faranal)という道しるべフェロモンを用いて、アリを殺虫剤のところへ誘引しようとする試みも行われたが、実用までには至っていない。(非特許文献1)
特開平6−24923号公報 特開平6−25279号公報 特開2002−284610号公報 特開2012−232964号公報 特開2013−126960号公報 特許3673530号公報
鈴木昭憲、荒井綜一編『農芸化学の事典』朝倉書店
本発明は匍匐害虫集合誘引物質を含む匍匐害虫駆除製剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ワモンゴキブリの虫体及び糞に、匍匐害虫に対して高い集合誘引効果を有する物質が含まれることを見出し、さらに研究を続け、匍匐害虫集合誘引物質の同定に成功した。そして、さらに検討を重ねて、本発明の駆除製剤を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) 一般式(I)〜(III)
及び、
(式中、R〜R及びR1’〜R5’は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;ホルミル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシハロ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよいアリール基;又は
置換されていてもよいヘテロアリール基を表し、
また、Xはメチレン基(-CH2-)または、酸素原子を表す。
とRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)
のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩を含有することを特徴とする匍匐害虫駆除製剤。
(2) さらに、殺虫成分を含有することを特徴とする前記(1)に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(3) エアゾール剤又は固形剤であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(4) 固形剤が粒剤又は粉剤であることを特徴とする前記(3)に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(5) 固形剤が毒餌剤であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(6) 捕獲器に使用されることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(7) 匍匐害虫がゴキブリ及び/又はアリであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
(8) 集合誘引物質が、下記(a)〜(e)のいずれかで表されることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
本発明によれば、優れた匍匐害虫集合誘引効果を有する匍匐害虫駆除製剤を提供することができる。
匍匐害虫集合誘引活性を確認する生物試験に用いるリニアトラックオルファクトメーター(線形通路付き嗅覚計)の概略図である。 試験例1において、リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験により匍匐害虫集合誘引活性を確認した結果を示す。図中、EPIは集合誘引活性の度合を示す指標であり、Doseは試験に供した集合誘引物質量を示す。 試験例2において、リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験により匍匐害虫集合誘引活性を確認した結果を示す。 試験例3において、リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験により匍匐害虫集合誘引活性を確認した結果を示す。 試験例4において、リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験により匍匐害虫集合誘引活性を確認した結果を示す。 本発明の匍匐害虫集合誘引物質をワモンゴキブリの糞から抽出することにより製造した実施例24における操作手順のフローチャートを表す。図中、MeOHはメタノールを、EtOAcは酢酸エチルを、IPAはイソプロパノールを、MeOAcは酢酸メチルを、活性画分は生物試験において匍匐害虫集合誘引活性を示した画分を、非活性画分は生物試験において匍匐害虫集合誘引活性を示さなかった画分を意味する。 試験例5において、リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験により集合誘引活性を確認した結果を示す。 試験例6において、粘着式捕獲器を用いた準実地試験により、匍匐害虫集合誘引活性を確認した結果を示す。
本発明において「ゴキブリ」とは、分類学上の昆虫網ゴキブリ目に属する種類のうち、シロアリを除く昆虫を意味し、例えば、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)等が含まれるが、これらには限定されない。
また、本発明において「アリ」とは、分類学上の昆虫網ハチ目(膜翅目)に属する昆虫を意味し、例えば、アミメアリ(Pristomyrmex punctatus)、トビイロケアリ(Lasius japonicus)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、クロヤマアリ(Formica japonica)、トビイロシワアリ(Tetramorium tsushimae)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、クロオオアリ(Camponotus japonicus)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)等が含まれるが、これらには限定されない。
本発明において「匍匐害虫」とは、上記のゴキブリ類、アリ類の他、ダンゴムシ、ワラジムシ、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ、チャタテムシ、シバンムシ、コクゾウムシ、ダニ類等が含まれるが、これらには限定されない。
本発明のひとつの態様は、匍匐害虫集合誘引物質の使用に関する。
本発明において、「匍匐害虫集合誘引」とは、匍匐害虫の種類及び成虫/幼虫又はオス/メスの区別に関わらずに前記匍匐害虫を寄り集めることを包含する。また、本発明において、「匍匐害虫集合誘引物質」とは、匍匐害虫集合誘引活性を有する物質を意味し、以後「匍匐害虫集合フェロモン」ともいう。
本発明の匍匐害虫駆除製剤は、好ましくは下記一般式(I)〜(III)
及び、
(式中、R〜R及びR1’〜R5’は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;ホルミル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシハロ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよいアリール基;又は
置換されていてもよいヘテロアリール基
を表し、
とRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。
また、Xはメチレン基(-CH2-)または、酸素原子を表す。)
のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩を含有する。
「(C−C)アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ターシャリーペンチル基、ネオペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基が挙げられ、
「(C−C)シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜6個の環状のアルキル基が挙げられ、
「(C−C)アルケニル基」としては、例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、1−ヘキセニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルケニル基が挙げられ、
「(C−C)シクロアルケニル基」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等の炭素原子数3〜6個の環状のアルケニル基が挙げられ、
「(C−C)アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−メチル−1−プロピニル基、2−メチル−3−プロピニル基、ペンチニル基、1−ヘキシニル基、3−メチル−1−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキニル基が挙げられる。
「(C−C)アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ターシャリーペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチルプロピルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1,1,2−トリメチルプロピルオキシ基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基が挙げられ、
「(C−C)シクロアルコキシ基」としては、例えば、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数3〜6個の環状のアルコキシ基が挙げられ、
「(C−C)アルケニルオキシ基」としては、例えば、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルケニルオキシ基が挙げられ、
「(C−C)アルキニルオキシ基」としては、例えば、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキニルオキシ基が挙げられる。
「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、2−アンスリル基等の(C−C14)アリール基が挙げられ、
「ヘテロアリール基」としては、例えば、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリン、チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、トリアゾール又はテトラゾール等から水素原子がひとつ除かれたものが挙げられる。
「(C−C)」、「(C−C)」、「(C−C)」等の表現は各種置換基の炭素原子数の範囲を示す。更に、上記置換基が連結した基についても上記定義を示すことができ、例えば、「(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基」の場合は直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルコキシ基が直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基に結合していることを示す。
本発明において、塩としては、特に限定されないが、例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。前記酸付加塩としては、特に限定されず、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。前記金属塩としては、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、特に限定されず、トリメチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、モノメチルアンモニウム塩等が挙げられる。前記有機アミン付加塩としては、特に限定されず、例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、モルホリン塩、ピペリジン塩等の付加塩が挙げられる。前記アミノ酸付加塩としては、特に限定されず、例えば、リジン塩、グリシン塩、フェニルアラニン塩等の付加塩等が挙げられる。
とRが、それらが結合する炭素原子と共に形成する5員環又は6員環としては、特に限定されず、脂環式環であってもよく、芳香環であってもよい。上記環としては、例えば、シクロアルカン環、シクロアルケン環、アリール環、ヘテロアリール環等が挙げられる。具体的には、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン環、ピリジン環等が挙げられる。
本発明の前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩は、その構造式中に1つ又は複数個の不斉中心を有する場合があり、2種以上の光学異性体及びジアステレオマーが存在する場合もあり、本発明は各々の光学異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。
本発明のひとつの好ましい態様において、匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質は、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR〜R及びR1’〜R5’が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である、集合誘引物質又はその塩である。また、本態様において、RとRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。
本発明のひとつのより好ましい態様において、匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質は、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR及びR5’が、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である、集合誘引物質又はその塩である。本態様において、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR〜R及びR1’〜R4’は、上記と同様であってよく、匍匐害虫集合誘引活性の観点から、好ましくは、R〜R及びR1’〜R4’が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である。また、本態様において、RとRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。
本発明の別のひとつのより好ましい態様において、匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質は、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR及びR1’が、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である、集合誘引物質又はその塩である。本態様において、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR〜R及びR2’〜R5’は、上記と同様であってよく、匍匐害虫集合誘引活性の観点から、好ましくは、R〜R及びR2’〜R5’が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である。
本発明のさらに好ましい態様において、匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質は、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR及びR並びにR1’及びR5’が、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である、集合誘引物質又はその塩である。本態様において、前記一般式(I)〜(III)のいずれかのR〜R及びR2’〜R4’は、上記と同様であってよく、匍匐害虫集合誘引活性の観点から、好ましくは、R〜R及びR2’〜R4’が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよい(C−C)アルキル基、置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C−C)アルケニル基、及び置換されていてもよい(C−C)アルキニル基からなる群から選ばれる基である。また、本態様において、RとRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。
本発明において、「置換されていてもよい」とは、水素原子が水素原子以外の原子又は基に置換されている場合を包含し、水素原子以外の原子又は基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルケニル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)シクロアルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、(C−C)シクロアルキルチオ基、(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルキニルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)シクロアルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)シクロアルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシハロ(C−C)アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基等が挙げられる。これらの具体例は、上記したもの等が挙げられる。
このような置換基の置換基は、「置換されていてもよい」置換基に好ましくは1〜6個程度であり、複数のときは同一又は異なっていてもよい。
本発明の特に好ましい態様において、匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質又はその塩は、下記式(I−1)〜(I−8)のいずれかで表される。
本発明の匍匐害虫駆除製剤に含有される集合誘引物質又はその塩の製造方法は、公知の方法であってよく、特に限定されず、化学合成により製造してもよく、ゴキブリの虫体又は糞から抽出することにより製造してもよく、また、ゴキブリの虫体又は糞から抽出した物質を化学修飾することにより製造してもよい。なお、前記ゴキブリの虫体又は糞は、特に限定されないが、好ましくはワモンゴキブリの虫体又は糞である。
本発明の別のひとつの態様において、本発明の匍匐害虫駆除製剤は、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩を含有してもよい。
及び、
(式中、R〜R及びR1’〜R5’は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;ホルミル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルケニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルコキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルケニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルキニルオキシ基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基;
置換されていてもよい(C−C)アルコキシハロ(C−C)アルキル基;
置換されていてもよいアリール基;又は
置換されていてもよいヘテロアリール基
を表し、
とRは、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、
〜R及びR3’〜R5’から選ばれる2つは、それらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。また、式中、Xはメチレン基(-CH2-)または、酸素原子を表す。)
で表される集合誘引物質又はその塩。
上記、RとR、又はR〜R及びR3’〜R5’から選ばれる2つが、それらが結合する炭素原子と共に形成する環としては、特に限定されず、脂環式環であってもよく、芳香環であってもよい。上記環としては、例えばシクロアルカン環、シクロアルケン環、ヘテロアルキル環、アリール環、ヘテロアリール環等が挙げられ、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジヒドロフラン環、ジオキソラン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環等が挙げられる。上記環の炭素数は特に限定されないが、3〜15のものが好ましい。
なお、本発明のひとつの態様においては、前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質において、R及びR1’がハロゲン原子である場合が除かれてもよい。
以下、本発明に用いられる匍匐害虫集合誘引物質の製造方法について詳しく説明する。
まず、一般式(I)で表される集合誘引物質及びその塩の合成方法について説明する。
一般式(I)で表される集合誘引物質及びその塩の合成方法は特に限定されず、この分野で用いられる公知技術(例えば、Synlett 2006, No.6 p873-876及びBiosci.Biotechnol.Biochem.,74(8), p1635-1640等に記載の方法)を適宜選択して合成することができる。
具体的には、例えば、2−メトキシ−N,N−ジアルキルベンズアミド誘導体
(式中Xは低級アルキル基を表し、R〜Rは前述記載と同じ置換基をあらわす。)又は、2−メトキシ−N−アルキルベンズアミド誘導体
(式中Xは低級アルキル基を表し、R〜Rは前述記載と同じ置換基をあらわす。)を出発物質として用いて、製造することができる。
なお、前記「低級アルキル基」とは特に限定されないが、例えば、メチル、エチル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜10個のアルキル基であってよい。
続いて、一般式(I)で表される集合誘引物質及びその塩の、ゴキブリの虫体又は糞から抽出することにより製造する方法について説明する。
本発明のひとつの態様において、ゴキブリの虫体又は糞から抽出することにより一般式(I)の集合誘引物質を製造する方法は、(A)有機溶媒を用いた抽出工程、及び(B)カラムクロマトグラフィーを用いた分離精製工程を含んでいてもよい。
前記工程(A)で用いる有機溶媒は、極性有機溶媒及び無極性有機溶媒のいずれも用いることができる。前記極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、アセチルアセトン、又はシクロヘキサノン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の有機酸等が挙げられる。前記無極性有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素類;クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化アルキル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール又はベラトロール等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル又はフタル酸ジメチル等のエステル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせるときの混合比率は特に限定されず、組み合わせる溶媒の種類、又は抽出する集合誘引物質の種類により適宜選択されてよい。本発明において、アルコール類、飽和炭化水素類及び/又はハロゲン化アルキル類が好ましい。
前記有機溶媒のうち、n−ヘキサン、ジクロロメタン及びメタノール/ジクロロメタン混合溶媒を用いることが好ましい。該メタノール/ジクロロメタン混合溶媒の混合比率は任意の値とすることができるが、好ましくは1/99〜5/95(v/v)である。
前記工程(A)は、好適には、以下の(1)及び(2)の工程を含む:
(1)ゴキブリの虫体及び/又は糞をn−ヘキサンで洗浄した後、メタノール/ジクロロメタン混合溶媒で抽出し、溶媒を除去して抽出物を得る工程;
(2)前記工程(1)で得た抽出物をジクロロメタンに溶解させ、続いて炭酸ナトリウム水溶液を加えて液−液分配法により得られたジクロロメタン層を分離して、溶媒を除去し、ジクロロメタン抽出物を得る工程。
前記工程(1)において、n−ヘキサンによる洗浄方法、及びメタノール/ジクロロメタン溶液による抽出方法は、特に限定されないが、固液抽出により行うことが好ましい。固液抽出は、常法に従って行うことができ、例えば、固体の供試サンプル(虫体及び/又は糞)に、溶媒(n−ヘキサン又はメタノール/ジクロロメタン溶液)を加えた後、吸引濾過又は自然流下による濾過により固体サンプルと溶媒を分離させることで行うことができる。また、メタノール/ジクロロメタン抽出溶液の溶媒の除去は、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去により行うことができる。
前記工程(2)において、工程(1)で得られた抽出物をジクロロメタンに溶解させた溶液に加える1N炭酸ナトリウム水溶液の量は、特に限定されないが、通常、前記ジクロロメタン溶液と1N炭酸ナトリウム水溶液との比率が、1/1(v/v)となるように加える。1N炭酸ナトリウム水溶液を加えた後は、常法に従い液−液分配を行うことができる。常法に従い、ジクロロメタン層と、炭酸ナトリウム水溶液層を分離し、ジクロロメタン層の溶媒を除去し抽出物を得る。ジクロロメタン層の溶媒の除去方法は特に限定されず、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去により行うことができる。
前記工程(B)は、順相系シリカゲルクロマトグラフィー、逆相系シリカゲルクロマトグラフィー及びイオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーによる精製工程を組み合わせていてよい。
前記工程(B)で用いる溶媒は、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒のいずれも用いることができる。前記プロトン性溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の有機酸等が挙げられる。前記非プロトン性溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素類;クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化アルキル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール又はベラトロール等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、アセチルアセトン、又はシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル又はフタル酸ジメチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせるときの混合比率は特に限定されず、組み合わせる溶媒の種類、又は抽出する集合誘引物質の種類により適宜選択される。本発明においては、水、アルコール類、飽和炭化水素、エステル類、及び/又はニトリル類が好ましい。
本発明の好ましい態様において、工程(B)は以下の(3)〜(8)の工程を含む:
(3)前記工程(2)で得た抽出物を、順相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/n−ヘキサン混合溶媒、続いて酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒を展開溶媒として用いる分画を繰り返し、酢酸エチル/n−ヘキサン分画溶液から溶媒を除去し、酢酸エチル/n−ヘキサン溶出物を得る工程;
(4)前記工程(3)で得た溶出物又は抽出物を、アセトンに溶解させ、この溶液に活性炭を加えて静置したのち、活性炭を除去してアセトン分画溶液から溶媒を除去し、アセトン溶出物を得る工程;
(5)前記工程(4)で得たアセトン溶出物について、イオン交換樹脂によるカラムクロマトグラフィーで、移動相をメタノール/水混合溶媒で分画し、メタノール/水溶出物を得る工程;
(6)前記工程(5)で得た溶出物を、順相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒を展開溶媒として用いて分画し、酢酸エチル/n−ヘキサン分画溶液から溶媒を除去し、酢酸エチル/n−ヘキサン溶出物を得る工程;
(7)前記工程(6)で得た溶出物を、移動相が酢酸エチル/n−ヘキサン溶出物である順相系HPLCで分画し、分取したフラクションから溶媒を除去し溶出物を得る工程;
(8)前記工程(7)で得た溶出物を、移動相がメタノールである逆相系HPLCで分画し、溶出物を得る工程;
(9)前記工程(8)で得た溶出物を、移動相がイソプロパノール/メタノール混合溶媒である逆相系HPLCで分画し、溶出物を得る工程;
(10)前記工程(9)で得た溶出物を、移動相が酢酸メチル/n−ヘキサン混合溶媒である順相系HPLCで分画し、分取したフラクションから溶媒を除去する工程。
前記工程(3)〜(10)において、各工程で得られた各分画溶液は、後記するリニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験に供し、匍匐害虫集合誘引活性の高い画分を選択して、次の工程及び/又は操作に用いることが好ましい。
前記工程(3)の順相系シリカゲルクロマトグラフィーは、好ましくはシリカゲルを充填したオープンカラムクロマトグラフィーである。シリカゲルを充填したオープンカラムによる抽出物の分画は、常法に従って行うことができる。例えば、抽出物を、カラムに充填したシリカゲルの上に載せ、減圧下で溶媒を流すことで行うことができる。また、得られた抽出溶液から、溶媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去により行うことができる。
前記工程(3)で用いるジクロロメタン/n−ヘキサン混合溶媒の混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは5/95〜40/60(v/v)、精製効率を高めるために、より好ましくは5/95〜35/65(v/v)である。また、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒の混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは0.5/99.5〜15/85(v/v)、精製効率を高めるために、より好ましくは0.5/99.5〜10/90(v/v)である。
前記工程(4)のアセトン溶液画分を得る方法は、例えば、前記工程(3)で得られた酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶液画分から溶媒を除去し、得られた固形物をアセトンに溶解し、該溶液に活性炭を入れて一定時間の静置後に活性炭を除去することにより行ってもよい。上記、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶液画分から得られる固形物をアセトンに溶解させるときの比率は、例えば、固形物1gに対し、約5〜約100mL、好ましくは約30〜約80mLのアセトンとしてもよい。また、アセトン溶液に添加する活性炭の量は、例えば、固形物の重量に対して約1〜約5倍重量、好ましくは約2〜約4倍重量としてもよい。そして、活性炭の除去は、例えば、ろ過により行ってもよい。
前記工程(5)のイオン交換樹脂を充填したオープンカラムによる溶出物の分画は、常法に従って行うことができる。例えば、乾固した溶出物を、メタノールなどの溶媒に再溶解させ、イオン交換樹脂とともに懸濁したままカラムにのせ、順次溶媒を流すことで行うことができる。得られた溶出溶液の溶媒除去方法又は濃縮方法は、特に限定されず、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去又は減圧濃縮により行うことができる。イオン交換樹脂は、好ましくはポーラスポリマービーズ(例えばCHP20P、三菱化学株式会社製)である。
前記工程(5)において、メタノール/水の混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは0/100〜100/0(v/v)、精製効率を高めるために、より好ましくは0/100〜99/1(v/v)である。
前記工程(5)の好ましい態様では、前記工程(4)で得た溶出物を、イオン交換樹脂を充填したオープンカラムで、移動相をメタノール/水(0/100(v/v))、続いてメタノール/水(85/15(v/v))、さらに、メタノール/水(95/5(v/v))として分画する。
前記工程(6)の順相系シリカゲルクロマトグラフィーは、好ましくはシリカゲルを充填したオープンカラムクロマトグラフィーである。シリカゲルを充填したオープンカラムによる抽出物の分画は、常法に従って行うことができる。例えば、溶出物を、カラムに充填したシリカゲルの上に載せ、カラムに溶媒を流すことで行うことができる。また、得られた抽出溶液から、溶媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去により行うことができる。
前記工程(6)において、酢酸エチル/n−ヘキサンの混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは1/99〜10/90(v/v)であり、精製効率を高めるために、より好ましくは1/99〜8/92(v/v)である。
前記工程(7)において、酢酸エチル/n−ヘキサンの混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは1/99〜10/90(v/v)であり、精製効率を高めるために、より好ましくは1/99〜8/92(v/v)である。
前記工程(7)において、順相系HPLCによる精製は、例えば、以下の方法により行うことができる。順相カラムを装着させたHPLCを用い、移動相に酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶液を使用し、前記工程(6)で得た溶出物を、前記順相カラムを通過させることにより行うことができる。前記順相カラムは、例えば、シリカゲルカラム(COSMOSIL 5SL-II、ナカライテスク株式会社製、φ4.6×150mm)を用いることができる。詳細な精製条件は、実施例に記載する。
前記工程(8)において、移動相は、メタノール又はアセトニトリルを用いることができ、メタノール/アセトニトリルの混合溶媒を用いることもできる。混合比率は特に限定されず、任意の値とすることができるが、好ましくは100%メタノールである。
前記工程(8)において、逆相系HPLCによる精製は、例えば、以下の方法により行うことができる。逆相カラムを装着させたHPLCを用い、移動相に100%メタノールを使用し、前記工程(7)で分取した溶出溶液を、前記逆相カラムを通過させることにより行うことができる。前記逆相カラムは、例えば、ODSカラム(COSMOSIL 5AR-II、ナカライテスク株式会社製、φ4.6×150mm)を用いることができる。詳細な精製条件は、実施例に記載する。
前記工程(9)において、イソプロパノール/メタノールの混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは20/80〜80/20(v/v)、精製効率を高めるために、より好ましくは35/65〜65/35(v/v)である。
前記工程(9)において、HPLCによる精製は、例えば、以下の方法により行うことができる。逆相カラムを装着させたHPLCを用い、移動相にイソプロパノール/メタノール(50/50(v/v))溶液を使用し、前記工程(8)で得た溶出物を、前記逆相カラムを通過させることにより行うことができる。前記逆相カラムは、例えば、COSMOSIL πNAPカラム(ナカライテスク株式会社製、φ4.6×150mm)を用いることができる。詳細な精製条件は、実施例に記載する。
前記工程(10)において酢酸エチル/n−ヘキサンの混合比率は、任意の値とすることができるが、好ましくは0.1/99.9〜10/90(v/v)であり、精製効率を高めるために、より好ましくは0.1/99.9〜5/95(v/v)である。
前記工程(10)において、HPLCによる精製は、例えば、以下の方法により行うことができる。順相カラムを装着させたHPLCを用い、移動相に酢酸エチル/n−ヘキサン(0.5/99.5(v/v))溶液を使用し、前記工程(9)で得た溶出物を、前記順相カラムを通過させることにより行うことができる。前記順相カラムは、例えば、シリカゲルカラム(COSMOSIL 5SL-II、ナカライテスク株式会社製、φ4.6×150mm)を用いることができる。詳細な精製条件は、実施例に記載した。また、溶媒の除去方法は、特に限定されず、例えば、ロータリーエバポレータを用いた減圧留去により行うことができる。
本発明において、匍匐動物集合誘引物質の活性を確認する方法としては、特に限定されないが、例えば、リニアトラックオルファクトメーター(線形通路付き嗅覚計)(図1)を用いた生物試験が挙げられる。
オルファクトメーター(線形通路付き嗅覚計)とは、一般的に、昆虫の揮発性成分への反応を観察するために用いられる生物検定装置をいい、装置分岐部で誘引成分を含む気流に被験昆虫が誘引されるようにした装置である(日林誌、89(2)2007『揮発性成分のニホンキバチ成虫に対する誘引活性試験を行うオルファクトメーターの作成』p135-137、農業環境研究叢書 第17号『農業生態系の保全に向けた生物機能の活用』p108-134等を参照)。
前記リニアトラックオルファクトメーターを用いた生物試験を具体的に説明する。図1の中央の筒の上部の1から吸引すると、左右の筒の上部(2a及び2b)から空気が入り、横筒を通ってそれぞれ中央の筒上部へと流れる気流が発生する仕組みとなっている。左筒がコントロール側、右筒がサンプル側である。図1の筒に吊下げた金属製のディスクである3にサンプルを塗布し、中央の筒下部の4に供試虫(7〜10日齢の幼虫)を入れ、中央の筒上部からポンプでゆっくり吸引する(2.5L/分)。25±1℃、相対湿度40〜60%、全暗の条件で、供試虫を5分間自由に行動させ、その後コントロール側及びサンプル側に移動した供試虫を数える。その後、下記式から余剰比係数(EPI値)を算出する。
(式中、NSはサンプル側に移動した供試虫の数、NCはコントロール側に移動した供試虫の数である。)
EPI値が1に近いほど、匍匐害虫集合誘引活性が高いことを示す。
本発明の別の態様は、前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質を含有する匍匐害虫駆除製剤に関する。
本発明の匍匐害虫駆除製剤が含有する前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩の配合量は、匍匐害虫集合誘引効果が発揮されれば特に限定されず、剤形や適用方法、使用場所に応じて適宜選択することができる。匍匐害虫駆除製剤の総量に対し、前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩を、例えば、2.0×10−7ppm〜1ppm(2.0×10−11〜1.0×10−4重量%)、好ましくは4.0×10−6ppm〜0.5ppm(4.0×10−10〜5.0×10−5重量%)の濃度で配合してよい。
本発明のさらに別の態様は、前記工程(1)〜(9)で得られた抽出物又は溶出物を含む匍匐害虫駆除製剤に関する。前記匍匐害虫集合誘引物質のみならず、前記工程(1)〜(9)で得られた抽出物又は溶出物(以下、工程(1)で得られた抽出物を粗抽出物ともいう。)も、匍匐害虫集合誘引物質として優れた集合誘引効果を有する。これらの抽出物又は溶出物の内、高い匍匐害虫集合誘引効果を示すこと、及び操作が簡易であることから、工程(1)で得られた抽出物を用いることが好ましい。
本発明の匍匐害虫駆除製剤における前記工程(1)で得られた抽出物の配合量は、匍匐害虫集合誘引効果が発揮されれば特に限定されず、剤形や適用方法、使用場所に応じて適宜選択することができる。例えば、3ppm〜200000ppm(3.0×10−4〜20重量%)であり、好ましくは50ppm〜100000ppm(5.0×10−3〜10重量%)である。
本発明の好ましい態様では、例えば、本発明の匍匐害虫集合誘引物質を、殺虫成分を含む毒餌剤に混合したり、捕獲器用の餌に混合して使用したりしてもよく、匍匐害虫から単離/抽出された誘引物質(ファラナール等)と併用されてもよい。本発明の匍匐害虫集合誘引物質は、固形剤、液剤、シート、燻煙剤、燻蒸剤などの各種匍匐害虫駆除製剤に適宜適用して、効果の増強を図ることができる。所望により、本発明の前記集合誘引物質を含有する匍匐害虫駆除製剤に対して、種々の添加剤が、当分野における技術常識に従って使用される。
前記殺虫成分としては、特に限定されないが、例えば、ピレトリン、アレスリン、フラメトリン、レスメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、シフェノトリン、フェンバレレート、エトフェンプロクス、プラレトリン、フェンフルトリン、トランスフルトリン等のピレスロイド剤;フェニトロチオン、トリクロルホン、ジクロルボス、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、フェンチオン等の有機リン剤;カルバリル、メチルカルバミン酸−2−(1−メチルプロピル)フェニル(BPMC)、プロポクスル、セビン等のカーバメート剤;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系殺虫剤;ヒドラメチルノン等のヒドラゾン系殺虫剤;フィプロニル等のフェニルピラゾール系殺虫薬;シラフルオフェン等の有機ケイ素系化合物;イミダクロプリド、ジノテフラン等のネオニコチノイド系化合物;ホウ酸、ホウ酸塩、その他、昆虫性病原性生物(ウィルス類や微生物類)等が挙げられ、これらは、マイクロカプセル化又はサイクロデキストリンで包接化されてもよい。
共力剤としては、特に限定されないが、例えば、ピペロニルブトキドやN−(2―エチルヘキシル)−ビシクロ−[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
持続強化剤としては、特に限定されないが、例えば、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、n−カプリル酸等の脂肪酸あるいはそれらのエステル、オレイルアルコール、グリセロール等が挙げられる。
捕獲器に使用される基材としては、特に限定されないが、粘着剤として、天然ゴム系、又は、ポリブテン、ポリイソブテンを主体とし、ロジン、パラフィンワックス等で粘着力を高めた合成ゴム系粘着物を例示できる。その他、必須ではないが、芳香剤、防臭剤、殺菌剤、安定剤、溶剤等の補助成分を適宜配合することによって、効力の優れた多目的組成物が得られる。捕獲器の形態は特に限定されないが、器具内に本発明の匍匐害虫集合誘引物質を含浸させた各種の担体を設置し、担体に誘引された匍匐害虫を粘着剤によりトラップしたり、閉鎖空間に誘い込み脱出できないようにして封鎖するなどして捕獲する形態などがある。
こうして得られた匍匐害虫駆除製剤を匍匐害虫の通り道に適用すれば、ダンゴムシ、ワラジムシ、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ、チャタテムシ、シバンムシ、コクゾウムシ、ダニ類等に加え、特にチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、アミメアリ、トビイロケアリ、イエヒメアリ、クロヤマアリ、トビイロシワアリ、ルリアリ、クロオオアリ、アルゼンチンアリ等に対し、高い集合誘引効果及び/又は高い駆除効果を奏するものである。本発明の匍匐害虫駆除製剤の形態は特に限定されず、液剤又は固形剤とすることができる。
前記液剤は水性でも油性でもよく、また液剤の調製において用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。前記液剤は、さらに、通常の塗膜形成剤、乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、噴射剤等の添加剤を配合することができ、スプレー形態、塗布形態、接着剤形態、乳剤、分散剤、懸濁剤、エアゾール、ローション、ペースト、クリーム、マイクロエマルジョン等の形態で利用することができる。
液剤は、特に、スプレー形態の噴射剤を配合してなるエアゾール形態が好ましい。即ち、エアゾール容器にエアゾール原液を入れ、噴射剤としては、特に限定されないが、ジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)、フルオロカーボン等が挙げられ、これらを加圧充填することで、本発明のエアゾールを提供することができる。エアゾールの種類としては、水性エアゾール、油性エアゾールのいずれでも製剤可能である。
液剤が充填される容器は、その用途、使用目的、使用場面に応じて、適宜バルブ、噴口、ノズル、散布口等の形状を選択すればよい。例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプを用いれば、一度の操作で広い範囲を処理することが可能となり、便利である。
エアゾール剤の施用量は目安として、1mあたり約3〜約100mL、好ましくは、1mあたり約5〜約70mLであり、さらに好ましくは1mあたり約10〜約50mLである。
固形剤としては、特に限定されないが、例えば、粉剤、粒剤、毒餌剤の形態をとることが出来、さらには、顆粒型、錠剤型、不織布等による袋詰め状態に加工されてもよい。また、固形剤の調製において用いられる担体としては、例えば、増量や賦形等を目的として、ケイ酸、カオリン、活性炭、ベントナイト、ゼオライト、珪藻土、タルク、クレー、炭酸カルシウム、陶磁器粉等の鉱物質粉末;木粉、大豆粉、小麦粉、澱粉等の植物質粉末;シクロデキストリン等の包接化合物等、又はパルプ、リンター、レーヨン等の繊維質担体;セルロール又は再生セルロール製のビーズ及び発泡体を挙げることができる。さらに、該固形剤の調製において、例えばトリシクロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、トリメチレンノルボルネン等の昇華性担体;又はパラジクロロベンゼン、ナフタレン、樟脳等の昇華性防虫剤等を用い、上記誘引活性物質を溶融混合または擂潰混合後に成型して昇華性固形剤とすることもできる。
ここで、固形剤の粒径は、その粒径が10〜500μmであることが好ましい。担体の粒径が10μm未満の場合、散布時に風の影響を受けやすく、狙った場所に散布できないことがある。一方、500μmを越えると、散布してもまばらな状態となり、粒剤の隙間を縫って匍匐害虫が侵入する懸念が避けられない。
固形剤の散布量は、1m2当り5〜80g、好ましくは、10〜50g散布することによって所定の防除効果を奏し得る。散布量が1g未満では、薬剤を均等に散布することができず偏ってしまい、十分な揮散性能が望めない。一方、50gを超えると、散布量が過多となり薬剤が重なってしまう。
毒餌剤を調製するために用いられる担体としては、特に限定されないが、例えば、ケイ酸、カオリン、タルク等の各種鉱物質粉末;木粉、とうもろこし粉、小麦粉、でんぷん等の各種植物質粉末;糖蜜、脱脂粉乳、魚粉等の成分;又は、アビオン等の賦形剤、固着剤、その他、ふすま、米糠、グルコース、フラクトース等の糖類、パン、ジャガイモ、酵母粉末、コーンスターチその他飼料等を挙げることができる。
固形剤としての毒餌剤において、固形とは、ベンジリデン−D−ソルビトール、カラギーナン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等のゲル化剤を用いてゲル状やグミ状、ペースト状といった半固形の形態に調製することも含まれる。
上記の液剤又は固形剤に用いられる、その他の添加剤としては、例えばニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチリルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂;アルキッド系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム、ポリビニルアルコール等の塗膜形成剤;石鹸類;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルアリールスルホン酸塩等の界面活性剤;カゼイン、ゼラチン、アルギン酸等、その他、気泡剤、補助剤、増量剤等を挙げることができる。
本発明の好ましい態様では、本発明の匍匐害虫駆除製剤の施用箇所は、集合誘引物質が配合されていることから、必ずしも害虫の通り道でなくても良く、屋外でも屋内でも良い。例えば、好ましい箇所として、台所、居間、玄関、窓サッシ、壁、倉庫、ベランダ等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、前記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩は、例えばポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース等を用いたスプレードライ法;ゼラチン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等を用いた液中硬化法;コアセルベーション法等に従いマイクロカプセル化した形態、あるいはサイクロデキスオリン包接した形態として、前記液剤、固形剤に添加することができる。さらに、本発明の匍匐害虫集合誘引物質に犬猫忌避剤、鳥の忌避剤、蛇の忌避剤、殺虫・殺ダニ剤、効力増強剤、酸化防止剤、齧歯類動物駆除及び忌避剤、昆虫成長制御物質、摂餌物質、他の誘引活性成分であるアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミンなどのアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールなどのアミノアルコール類、ペリプラノン類、ボルニルアセテート、テルペノイド類、クミン、ローレル、バジル、オレガノ、精油、エキストラクト等の香料、さらには殺菌剤、防黴剤、防腐剤、着色料、誤食防止剤等を配合することもできる。尚、アミン類は総じて揮散性が高いが、種々の有機もしくは無機酸と塩を形成させて、徐放性を付与することもできる。
本発明の別の態様は、下記式(I−1)〜(I−6)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩に関する。
前記式(I−1)〜(I−6)のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩は、上記した一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物又はその塩の製造方法と同じ方法により、製造することができる。
次に、実験例、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
本実施例において、匍匐害虫集合誘引活性は、上記したリニアトラックオルファクトメーター(線形通路付き嗅覚計、図1)を用いた生物試験により行った。
<実施例1>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
<1−1>N−(1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミドの調製
2−メトキシ−3−メチル安息香酸(780mg,4.70mmol)及びt−ブチルアミン(600mg,8.20mmol)のジメチルホルムアミド溶液(12mL)に氷冷下トリエチルアミン1.5mLを加えた後、BOP試薬(2.26g,5.11mmol)を加えた。室温で12時間攪拌した後、反応液に水を注加し、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を5%塩酸水、飽和重曹水、食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示されるN−(1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミド900mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.47 (s, 9H), 2.32 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 7.11 (dd, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.70 (bs, 1H), 7.86 (dd, 1H)。
<1−2>N−(1,1−ジメチルエチル)−2−[2−ヒドロキシプロピル]−5−メチル−6−メトキシベンザミドの調製
N−(1,1−ジメチルエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミド(1170mg、5.29mmol)を無水テトラヒドロフラン溶液(20mL)に−78℃でN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン2.0mLを加えた後、同温でn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液 8.7mL,13.92mmol)を加えた。−78℃で1.5時間攪拌した後、プロピレンオキシド1.2mLを加え、−78℃で8時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を5%塩酸水、飽和重曹水、食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示されるN−(1,1−ジメチルエチル)−2−[2−ヒドロキシプロピル]−5−メチル−6−メトキシベンザミド290mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.27 (d, 3H), 1.47 (s, 9H), 2.26 (s, 3H), 2.62 (dd, 1H), 2.81 (dd, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.97 (m, 1H), 4.32 (d, 1H), 6.05 (bs, 1H), 6.92 (d, 1H), 7.14 (d, 1H)。
<1−3>3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
N−(1,1−ジメチルエチル)−2−[2−ヒドロキシプロピル]−5−メチル−6−メトキシベンザミド(185mg、0.66mmol)のトルエン溶液(5mL)にp−トルエンスルホン酸水和物150mgを加えた後、120℃で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mLを加えた後、食塩水5mLで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン290mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.48 (d, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.80〜2.95 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.56 (m, 1H), 6.87 (d, 1H), 7.34 (d, 1H)。
<1−4>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(30mg、0.15mmol)のジクロロメタン溶液(1.5mL)に−78℃で三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)0.4mLを加え、同温で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル10mLを加えた後、食塩水5mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン23mgを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.52 (d, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.90 (d, 2H), 4.71 (m, 1H), 6.60 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 11.26 (s, 1H)。
<1−5>(S)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
上記<1−2>において、プロピレンオキシドの代わりに(S)−プロピレンオキシドを用いて同様に反応を行い、下記式
で示される(S)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
<1−6>(R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
上記<1−2>において、プロピレンオキシドの代わりに(R)−プロピレンオキシドを用いて同様に反応を行い、下記式
で示される(R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
<実施例2>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−7−メチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
上記<1−2>において、プロピレンオキシドの代わりにエチレンオキシドを用いて同様に反応を行い、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−7−メチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶: 1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):2.25 (s, 3H), 3.02 (dd, 2H), 4.56 (dd, 2H), 6.28 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 11.22 (s, 1H)。
<実施例3>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−7−メチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
プロピレンオキシドに替えて、1,2−エポキシブタンを用いた他は、実施例1と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−7−メチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.10 (t, 3H), 1.75〜1.94 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.92 (m, 2H), 4.49 (m, 1H), 6.60 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 11.27 (s, 1H)。
<実施例4>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
2−メトキシ−3−メチル安息香酸に替えて、2−メトキシ−3,5−ジメチル安息香酸を用い、またプロピレンオキシドに替えて、1,2−エポキシブタンを用いた他は、実施例1と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.12 (t, 3H), 1.77〜1.95 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.70 (dd, 1H), 2.89 (dd, 1H), 4.46 (m, 1H), 7.16 (s, 1H), 11.24 (s, 1H)。
<実施例5>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−6,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
2−メトキシ−3−メチル安息香酸に替えて、2−メトキシ−3,4−ジメチル安息香酸を用い、また、プロピレンオキシドの代わりに1,2−エポキシブタンを用いた他は実施例1と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−6,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.09 (t, 3H), 1.74〜1.93 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.80〜2.89 (m, 2H), 4.47 (m, 1H), 6.51 (s, 1H), 11.29 (s, 1H)。
<実施例6>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン及び(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
<6−1>N−(1,1−ジエチル)−6−[1−メチル−2−ヒドロキシブチル]−3−メチル−2−メトキシベンザミド及びN−(1,1−ジエチル)−6−[1−エチル−2−ヒドロキシプロピル]−3−メチル−2−メトキシベンザミドの調製
N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミド(1170mg、5.29mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(35mL)に−78℃でs−ブチルリチウム(1.4M シクロヘキサン溶液、4.7mL、6.58mmol)を加えた。−78℃で40分攪拌した後、シス−2,3−エポキシペンタン550mg(6.40mmolをテトラヒドロフラン5.0mLに溶解させた溶液を加え、次いでボロントリフルオライドジブチルエーテラ−ト1.3mLを加え−78℃で4時間攪拌した。室温で12時間さらに攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−6−[1−メチル−2−ヒドロキシブチル]−3−メチル−2−メトキシベンザミド及びN−(1,1−ジエチル)−6−[1−エチル−2−ヒドロキシプロピル]−3−メチル−2−メトキシベンザミドの混合物(約4:1)403mgを得た。
<6−2>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン及び(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
N−(1,1−ジエチル)−6−[1−メチル−2−ヒドロキシブチル]−3−メチル−2−メトキシベンザミド及びN−(1,1−ジエチル)−6−[1−エチル−2−ヒドロキシプロピル]−3−メチル−2−メトキシベンザミドの混合物(約4:1)403mgのジオキサン溶液(8mL)に濃塩酸1.5mLを加えた後、90℃で19時間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mL及び氷水20mLを加え分液した。酢酸エチル層を食塩水10mLで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン及び(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの混合物99mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):0.96 (t,3H/5), 1.03 (t, 12H/5), 1.28 (d, 3H/5), 1.34 (d, 12H/5), 1.70 (m, 8H/5), 1.82 (m, 2H/5), 2.30 (s, 12H/5), 2.31 (s, 3H/5), 2.54 (m, 1H/5), 2.91(m, 4H/5), 3.88 (s, 3H/5), 3.89 (s, 12H/5), 4.15 (m, 4H/5), 4.68 (m, 1H/5), 6.88 (d, 1H/5), 6.94 (d, 4H/5), 7.36 (d, 1H)。
<6−3>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン及び(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン及び(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの混合物97mgのジクロロメタン溶液(8mL)に−78℃で三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)1.5mLを加え、同温で0.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液10mL及び酢酸エチル10mLを加え分液した後、酢酸エチル層を食塩水10mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、より極性の低い成分として下記式
で示される(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン43.7mgを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.06 (t, 3H), 1.34 (d, 3H), 1.76 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.93 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 6.66 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 11.40 (s, 1H)。
さらに、より極性の高い成分として下記式
で示される(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン12.7mgを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):0.94 (t, 3H), 1.37 (d, 3H), 1.66(m, 1H), 1.82 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.57 (m, 1H), 4.79 (m, 1H), 6.61 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 11.36 (s, 1H)。
<実施例7>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
シス−2,3−エポキシペンタンに替えて、シス−2,3−エポキシブタンを用いた他は、実施例6と同様にして下記式
で示される(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1 H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.34 (d, 3H), 1.47 (d, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.85 (m, 1H), 4.47 (m, 1H), 6.67 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 11.40 (s, 1H)。
<実施例8>(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
シス−2,3−エポキシペンタンに替えて、トランス−2,3−エポキシブタンを用いた他は、実施例6と同様にして下記式
で示される(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.20 (d, 3H), 1.43 (d, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.90 (m, 1H), 4.76 (m, 1H), 6.62 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 11.27 (s, 1H)。
<実施例9>(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
シス−2,3−エポキシペンタンに替えて、トランス−2,3−エポキシペンタンを用いた他は、実施例6と同様にして下記式
で示される(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。トランス−2,3−エポキシペンタンを用いた場合は、エポキシドの反応性が低く、(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−4−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン体はほとんど生成しなかった。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.07 (t, 3H), 1.16 (d, 3H), 1.69 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.92 (m, 1H), 4.47 (m, 1H), 6.61 (d, 1H), 7.29 (m, 1H)、 11.26 (s, 1H)。
<実施例10>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
の製造
<10−1>N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3,5−ジメチルベンザミドの調製
2−メトキシ−3、5−ジメチル安息香酸(2.0g,11.11mmol)及びジエチルアミン(1.3g,17.78mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)に氷冷下トリエチルアミン3.2mLを加えた後、BOP試薬(5.9g,13.35mmol)を加えた。室温で12時間攪拌した後、反応液に水を注加し、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を5%塩酸水、飽和重曹水、食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3,5−ジメチルベンザミド1883mgを得た。
淡黄色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.03 (t, 3H), 1.24 (t, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 3.25 (m, 4H), 3.75 (s, 3H), 6.85 (s, 1H), 6.98 (s, 1H)。
<10−2>N−(1,1−ジエチル)−6−[2−ヒドロキシ−3−メチルペンチル]−3,5−ジメチル−2−メトキシベンザミドの調製
N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3,5−ジメチルベンザミド(1240mg,5.28mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(35mL)に−78℃でs−ブチルリチウム(1.4M シクロヘキサン溶液 4.7mL,6.58mmol)を加えた。−78℃で40分攪拌した後、1,2−エポキシ−3−メチルペンタン650mg(6.50mmolをテトラヒドロフラン5.0mLに溶解させた溶液を加え、次いでボロントリフルオライドジブチルエーテラ−ト1.3mLを加え−78℃で4時間攪拌した。室温で12時間さらに攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−6−[2−ヒドロキシ−3−メチルペンチル]−3,5−ジメチル−2−メトキシベンザミド548mgを得た。
<10−3>3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3−[1−メチルプロピル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
N−(1,1−ジエチル)−6−[2−ヒドロキシ−3−メチルペンチル]−3,5−ジメチル−2−メトキシベンザミド424mgのジオキサン溶液(15mL)に濃塩酸2.0mLを加えた後、90℃で26時間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mL及び氷水20mLを加え分液した。酢酸エチル層を食塩水10mLで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3−[1−メチルプロピル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン118mg(ラセミのジアステレオマー混合物)を得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):0.95 (t, 3H), 1.03 (d, 1.2H), 1.08 (d, 1.8H), 1.3〜1.9 (m, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.75 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 4.20 (m, 1H), 7.20 (s, 1H)。
<10−4>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチルプロピル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3−[1−メチルプロピル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン113mgのジクロロメタン溶液(8mL)に−78℃で三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)1.5mLを加え、同温で0.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液10mL及び酢酸エチル10mLを加え分液した後、酢酸エチル層を食塩水10mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチルプロピル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン45.6mg(ラセミのジアステレオマー混合物)を得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS)δ(ppm):0.97 (t, 3H), 1.04 (d, 1.2H), 1.08 (d, 1.8H), 1.34 (m, 1H), 1.69 (m, 1H), 1.80 (m, 0.6H), 1.90 (m, 0.4H), 2.17 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.80 (m, 2H), 4.38 (m, 0.4H), 4.41 (m, 0.6H), 7.16 (s, 1H), 11.23 (s, 1H)。
<実施例11>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチルブチル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
1,2−エポキシ−3−メチルペンタンに替えて、1,2−エポキシ−3−メチルヘキサンを用いた他は、実施例10と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチルブチル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(ラセミのジアステレオマー混合物)を得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):0.94 (m, 3H), 1.04 (d, 3H/3), 1.07 (d, 6H/3), 1.30 (m, 2H), 1.46 (m, 1H), 1.60 (m, 1H), 1.87 (m, 2H/3), 1.98 (m, 1H/3), 2.17 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.78 (m, 2H), 4.40 (m, 1H), 7.16 (s, 1H), 11.23 (s, 1H)。
<実施例12>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−7−メトキシ−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
2−メトキシ−3,5−ジメチル安息香酸に替えて、2,3−ジメトキシ安息香酸を用い、また1,2−エポキシ−3−メチルペンタンに替えて、プロピレンオキシドを用い、他は実施例10と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−7−メトキシ−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.54 (d, 3H), 2.89 (d, 2H), 3.90 (s, 3H), 4.73 (m, 1H), 6.64 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 11.25 (s, 1H)。
<実施例13>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−7−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
<13−1>N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−エチルベンザミドの調製
2−メトキシ−3,5−ジメチル安息香酸に替えて、2−メトキシ−3−エチル安息香酸を用いた他は、実施例10と同様にして下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−エチルベンザミドを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.03 (t, 3H), 1.23 (t, 3H), 1.27 (t, 3H), 2.68 (q, 2H), 3.15 (q, 2H), 3.48 (q, 2H), 3.80 (s, 3H), 7.06 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.21 (dd, 1H)。
<13−2>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−7−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3,5−ジメチルベンザミドに替えて、N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−エチルベンザミドを用いて、また1,2−エポキシ−3−メチルペンタンに替えて、プロピレンオキシドを用い、他は実施例10と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−7−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.22 (t, 3H), 1.53 (d, 3H), 2.67 (q, 2H), 2.90 (d, 2H), 4.71 (m, 1H), 6.63 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 11.29 (s, 1H)。
<実施例14>(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
<14−1>(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの調製
下記式
で示される(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(10mg,0.05mmol)[無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.34 (d, 3H), 1.42 (d, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.82 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 4.32 (m, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.38 (d, 1H)]のアセトニトリル溶液(0.5mL)に室温でN−ブロモスクシンイミド(16mg,0.09mmol)を加え、同温で17時間攪拌した。反応液に酢酸エチル10mL及び水10mL加え分液した後、酢酸エチル層を食塩水5mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮して下記式
で示される(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの粗生成物15mgを得た。
<14−2>(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−メトキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの粗生成物(15mg,0.05mmol)に対して、上記<10−4>と同様の操作を行って下記式
で示される(トランス)−5−ブロモ−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン12mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.34 (d, 3H), 1.35 (d, 3H), 2.24 (s, 3H), 3.14 (m, 1H), 4.74 (m, 1H), 7.52 (s, 1H), 11.53 (s, 1H)。
<実施例15>(トランス)−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
上記<14−1>においてN−ブロモスクシンイミドに替えて、N−クロロスクシンイミドを用い、またアセトニトリルに替えて酢酸エチルを溶媒として用い、また反応温度を室温から80℃に替えて、他は実施例14と同様にして下記式
で示される(トランス)−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.35 (d, 3H), 1.55 (d, 3H), 2.25 (s, 3H), 3.18 (m, 1H), 4.75 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 11.47 (s, 1H)。
<実施例16>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチル−2−プロペニル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンの製造
1,2−エポキシ−3−メチルペンタンに替えて、1,2−エポキシ−3−メチル−4−ペンテンを用い、他は実施例10と同様にして下記式
で示される3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−[1−メチル−2−プロペニル]−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.23 (d, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.75 (m, 3H), 4.39 (m, 1H), 5.17 (m, 2H), 5.86 (m, 1H), 7.15 (s, 1H), 11.19 (s, 1H)。
<実施例17>2,3,3a,9b−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メチル−シクロペンタ[c][2]ベンゾピラン−5(1H)−オンの製造
N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3,5−ジメチルベンザミドに替えて、N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミドを用い、また1,2−エポキシ−3−メチルペンタンに替えて、シクロペンタンオキシド(シス、トランス混合物)を用いた他は、実施例10と同様にして下記式
で示される2,3,3a,9b−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メチル−シクロペンタ[c][2]ベンゾピラン−5(1H)−オンを得た。
白色結晶:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.32 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 2.20 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 2.97 (dt, 1H), 4.24 (m, 1H), 6.55 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 11.23 (s, 1H)。
<実施例18>7−ヒドロキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノンの製造
<18−1>N−(1,1−ジエチル)−6−ホルミル−3−メチル−2−メトキシベンザミドの調製
N−(1,1−ジエチル)−2−メトキシ−3−メチルベンザミド(1050mg,4.76mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(16mL)に−78℃でN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.85mL,5.72mmol)、s−ブチルリチウム(1.4M シクロヘキサン溶液 4.09mL,5.72mmol)を順次加えた。−78℃で1時間攪拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(0.46mL,5.95mmol)を加えて−78℃で4時間攪拌した。室温で12時間さらに攪拌後、氷冷下で反応液に5%塩酸水溶液20mLを加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を飽和重曹水、食塩水でそれぞれ洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−6−ホルミル−3−メチル−2−メトキシベンザミドの粗生成物556mgを得た。
<18−2>7−メトキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノンの調製
N−(1,1−ジエチル)−6−ホルミル−3−メチル−2−メトキシベンザミドの粗生成物(556mg)のメタノール溶液(15mL)に氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム(130mg,3.44mmol)を加えて室温に昇温し1時間撹拌した。その後、氷冷下で5%塩酸水溶液4mLを加えて100℃で9時間撹拌した。室温に戻し、反応液に氷水を加え酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、下記式
で示される7−メトキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノンの粗生成物429mgを得た。
<18−3>7−ヒドロキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノンの調製
7−メトキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノンの粗生成物(55mg)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に−78℃で三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)0.7mLを加え、同温で1時間撹拌した。室温で12時間さらに攪拌後、反応液に冷水を加え酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される7−ヒドロキシ−6−メチル−1(3H)イソベンゾフラノン20mgを得た。
白色固体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):2.23 (s, 3H), 5.28 (s, 2H), 6.86 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.87 (s, 1H)。
<実施例19>7−ヒドロキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノンの製造
<19−1>N−(1,1−ジエチル)−6−(1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−2−メトキシベンザミドの調製
N−(1,1−ジエチル)−6−ホルミル−3−メチル−2−メトキシベンザミドの粗生成物(124mg)の無水テトラヒドロフラン溶液(2.7mL)に氷冷下でメチルマグネシウムブロミド(0.9M テトラヒドロフラン溶液 0.75mL,0.68mmol)を加えて室温に昇温し14時間撹拌した。その後、氷冷下で5%塩酸水溶液4mL及び水10mLを加えて酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を飽和重曹水、食塩水でそれぞれ洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、下記式
で示されるN−(1,1−ジエチル)−6−(1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−2−メトキシベンザミドの粗生成物70mgを得た。
<19−2>7−メトキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノンの調製
N−(1,1−ジエチル)−6−(1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−2−メトキシベンザミドの粗生成物70mgのジオキサン溶液(5mL)に濃塩酸1.0mLを加えた後、90℃で8時間攪拌した。反応液に酢酸エチル20mL及び氷水10mLを加え分液した。酢酸エチル層を食塩水10mLで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される7−メトキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノンの粗生成物42mgを得た。
<19−3>7−ヒドロキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノンの調製
7−メトキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノンの粗生成物(42mg)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に−78℃で三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)0.5mLを加え、同温で30分撹拌した。室温で13時間さらに攪拌後、反応液に冷水を加え酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される7−ヒドロキシ−3、6−ジメチル−1(3H)イソベンゾフラノン30mgを得た。
無色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.62 (d, 3H), 2.29 (s, 3H), 5.54 (q, 1H), 6.80 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.90 (s, 1H)。
<実施例20>3,4−ジヒドロ−4,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノンの製造
2,4−ジメチルアニソール(2.0g,14.7mmol)と4−ヒドロキシペンタン酸ラクトン(1.8g,18.0mmol)のジクロロメタン溶液(7.0mL)に氷冷下で四塩化チタン(1.0Mジクロロメタン溶液、25.0mL,25.0mmol)を滴下し、40℃で25時間撹拌した。反応液に冷水を注加し、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−4,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノンを116mg得た。
黄色液体:1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.26 (d, 3H), 1.97 (m, 1H), 2.19 (s, 3H), 2.21 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.59 (m, 1H), 2.91 (m, 1H), 3.24 (m, 1H), 7.15 (s, 1H), 12.94 (s, 1H)。
<実施例21>3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノンの製造
<21−1>3,5−ジメチル−2−メトキシベンズアルデヒド及び2,4−ジメチル−5−メトキシベンズアルデヒドの調製
2,4−ジメチルアニソール(3.0g、22.1mmol)とジクロロメチルメチルエーテル(2.4g、20.9mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)に氷冷下で四塩化チタン(1.0M ジクロロメタン溶液、30.0mL、30.0mmol)を滴下し、氷冷下で1時間撹拌した。反応液を冷水に注加し、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、下記式
で示される3,5−ジメチル−2−メトキシベンズアルデヒド及び2,4−ジメチル−5−メトキシベンズアルデヒドの混合物(約4:1)の粗生成物3.1gを得た。
<21−2>1−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−プロパノン及び1−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−プロパノンの調製
3,5−ジメチル−2−メトキシベンズアルデヒド及び2,4−ジメチル−5−メトキシベンズアルデヒドの混合物(約4:1)の粗生成物(3.1g)と酢酸アンモニウム(3.5g,45.4mmol)の酢酸溶液(13.0mL)に氷冷下でニトロエタン(9.6mL,134.3mmol)を滴下し、100℃で2時間半撹拌した。反応液に冷水及び飽和重曹水を注加し反応液を中性にした後、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、粗生成物3.89gを得た。続いて、得られた粗生成物(3.89g)の水(20.0mL)とメタノール(60.0mL)混合溶液に氷冷下で鉄粉(10〜20Mesh,4.4g,78.7mmol)と濃塩酸(36%水溶液,21.6mL)を順次滴下して、70℃で4時間撹拌した。反応液に冷水と10%水酸化ナトリウム水溶液を注加し、反応液を中性にした後、これを酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される1−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−プロパノン及び1−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−プロパノンの混合物1.1gを得た。
<21−3>3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチルの調製
1−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−プロパノン及び1−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−プロパノンの混合物(1.1g,5.7mmol)とジエチルホスホノ酢酸エチル(1.4g,6.2mmol)のトルエン溶液(6.0mL)に対して氷冷下で20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液(1.7g,6.3mmol)を滴下し、60℃で6時間撹拌した。反応液に冷水を注加し、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチルの混合物1.1gを得た。
<21−4>3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−ブタン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−ブタン酸エチルの調製
3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−2−ブテン酸エチルの混合物(955mg,3.6mmol)の酢酸エチル溶液(8.0mL)に室温下でパラジウム炭素(160mg)を加えて、水素ガスで置換した。反応液を室温下で8時間撹拌後、酢酸エチルを用いてセライト濾過を行った。減圧条件下に濃縮し、下記式
で示される3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−ブタン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−ブタン酸エチルの混合物の粗生成物926mgを得た。
<21−5>3,4−ジヒドロ−3,6,8−トリメチル−5−メトキシ−1(2H)ナフタレノン及び3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−メトキシ−1(2H)ナフタレノンの調製
3−メチル−4−(3,5−ジメチル−2−メトキシフェニル)−ブタン酸エチル及び3−メチル−4−(2,4−ジメチル−5−メトキシフェニル)−ブタン酸エチルの混合物の粗生成物(926mg)のクロロホルム溶液(15.0mL)に氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(25.0g,165.0mmol)を滴下した。室温下で24時間撹拌した後、反応液を氷水に注加して、ジエチルエーテルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−3,6,8−トリメチル−5−メトキシ−1(2H)ナフタレノンと3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−メトキシ−1(2H)ナフタレノンの混合物140mgを得た。
<21−6>3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノンの製造
3,4−ジヒドロ−3,6,8−トリメチル−5−メトキシ−1(2H)ナフタレノンと3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−メトキシ−1(2H)ナフタレノンの混合物(140mg)のジクロロメタン溶液(10.0mL)に−78℃で三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液(1M溶液)2.0mLを加えて、同温度下で30分撹拌した。室温に戻した後、反応液に冷水と飽和塩化アンモニウム水溶液を注加し、酢酸エチルで2回抽出した。該有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧条件下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記式
で示される3,4−ジヒドロ−3,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノン106mgを得た。
白色固体: 1H-NMR (CDCl, TMS) δ(ppm):1.16 (d, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.32 (m, 3H), 2.70 (d, 1H), 2.92 (d, 1H), 7.15 (s, 1H), 12.68 (s, 1H)。
<実施例22>3,4−ジヒドロ−3,4,5,7−テトラメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノン及び2,3−ジヒドロ−3−エチル−7−ヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−1H−インデン−1−オンの製造
4−ヒドロキシペンタン酸ラクトンに替えて、4−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸ラクトンを用い、他は実施例20と同様にして、シリカゲルクロマトグラフィーに付し、極性の低い成分として下記式
で示される3,4−ジヒドロ−3,4,5,7−テトラメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノン150mgを得た。
黄色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):1.01 (d, 3H), 1.28 (d, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.25 (m, 2H), 2.98 (m, 1H), 3.06 (dd, 1H), 7.16 (s, 1H), 12.91 (s, 1H)。
さらにより極性の高い成分として下記式
で示される2,3−ジヒドロ−3−エチル−7−ヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−1H−インデン−1−オン104mgを得た。
黄色液体:1H-NMR (CDCl3, TMS) δ(ppm):0.71 (t, 3H), 1.46(s, 3H), 1.79 (m, 1H), 1.89 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.45 (d, 1H), 2.70 (d, 1H), 7.10 (s, 1H), 9.51 (s, 1H)。
<<試験例1>>生物試験
上記実施例5で製造した集合誘引物質、下記実施例23の集合誘引物質及び比較例1の化合物について、各10-3ピコグラム(pg)〜10pgを、ワモンゴキブリ若齢幼虫を用いたリニアトラックオルファクトメーターによる生物試験に供し、その匍匐害虫集合誘引活性を確認した。
<実施例23>
下記式
で表される化合物(化合物名:メレイン、フナコシ株式会社製)を試験に供した。
<比較例1>
実施例5の製造において、加水分解前に得られる下記式
で表される化合物を試験に供した。
試験例1(実施例5、実施例23及び比較例1)の生物試験の結果を図2に示した。
本発明の実施品である実施例5及び実施例23の集合誘引物質は、高い匍匐害虫集合誘引活性を示した。一方、比較例1の化合物は、実施例5の集合誘引物質のEPI値が約0.5となった量(10pg)の10000倍以上多い量(10pg)を用いても全く活性を示さなかった。
<<試験例2>>生物試験
上記実施例1<1−4>で製造した集合誘引物質及び実施例3で製造した集合誘引物質について、各物質10-3ピコグラム(pg)〜10pgを、ワモンゴキブリ若齢幼虫を用いたリニアトラックオルファクトメーターによる生物試験に供し、その匍匐害虫集合誘引活性を確認した。
試験例2(実施例1<1−4>及び実施例3)の生物試験の結果を図3に示した。
本発明の実施品である実施例1<1−4>及び実施例3の集合誘引物質は、高い匍匐害虫集合誘引活性を示した。
<<試験例3>>生物試験
実施例4で製造した集合誘引物質10-3ピコグラム(pg)〜10pgを、ワモンゴキブリ若齢幼虫を用いたリニアトラックオルファクトメーターによる生物試験に供し、その匍匐害虫集合誘引活性を確認した。
試験例3(実施例4)の生物試験の結果を図4に示した。
本発明の実施品である実施例4の集合誘引物質は、高い匍匐害虫集合誘引活性を示した。
<<試験例4>>生物試験
上記実施例17及び実施例18で製造した集合誘引物質について、各物質10−3ピコグラム(pg)〜10pgを、ワモンゴキブリ若齢幼虫を用いたリニアトラックオルファクトメーターによる生物試験に供し、その匍匐害虫集合誘引活性を確認した。
試験例4(実施例17及び実施例18)の生物試験の結果を図5に示した。
本発明の実施品である実施例17及び実施例18で製造した集合誘引物質は、いずれも匍匐害虫集合誘引活性を示したが、その活性は実施例18で製造した集合誘引物質の方が特に優れていた。
<実施例24>匍匐害虫集合誘引物質(匍匐害虫集合フェロモン)のワモンゴキブリの糞を用いた製造
下記工程(1)〜(10)により、ワモンゴキブリの糞から本発明の匍匐害虫集合誘引物質を得た。
工程(1)
ワモンゴキブリの幼虫又は成虫を飼育している箱から糞を回収し、集合誘引物質の材料として−20℃で冷凍保存した。試料1kgを5Lのガラスカラムに詰め、10Lの溶媒にて順次抽出を行なった。まず、減圧下、100%n−ヘキサンで試料を洗浄した後、メタノール/ジクロロメタン(1/99(v/v))混合溶液で自然流下にて抽出した。最後に100%メタノールで残りを抽出した。それぞれの画分のワモンゴキブリ若齢幼虫の集合誘引活性を、リニアトラックオルファクトメーターによる生物試験で確認したところ、メタノール/ジクロロメタン(1/99(v/v))混合溶液画分に活性が集中した。以下これを粗抽出物という。
工程(2)
粗抽出物を乾固して100%ジクロロメタンに再溶解させた後、前記100%ジクロロメタンと同容量の1N炭酸ナトリウム水溶液を用いて常法により液々分配を行ない、ジクロロメタン画分と酸性画分を得た。生物試験を行なったところ、ジクロロメタン画分に活性が集中した。
工程(3)
前記ジクロロメタン画分に対して、シリカゲルオープンカラム(Wakogel C−200、和光純薬工業株式会社)で段階溶出を行なった。試料に対して、溶質重量の3倍のシリカゲルと同量の焼成珪藻土(Celite 545、ナカライテスク株式会社)を加え懸濁した後、ロータリーエバポレータを用いて粉体になるまで試料を乾燥した。これを、カラムに詰めた溶質重量の10倍のシリカゲルの上にのせ、減圧下、以下の3種の溶媒をそれぞれ溶質重量の約200倍量用いて順次溶出させて分画した。分画操作後に得られたジクロロメタン/n−ヘキサン(10/90(v/v))混合溶液、酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))混合溶液、及び100%酢酸エチル溶出画分を生物試験したところ、活性は酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))混合溶液画分に集中した。
この酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))混合溶液画分について、再度、シリカゲルオープンカラムで精製した。担体量を溶質重量の30倍量、溶媒量を600倍量にして、ジクロロメタン/n−ヘキサン(20/80(v/v))混合溶液、酢酸エチル/n−ヘキサン(1/99(v/v))混合溶液、100%酢酸エチルで段階溶出を行なったところ、酢酸エチル/n−ヘキサン(1/99(v/v))混合溶液画分にのみ活性が認められた。
工程(4)
酢酸エチル/n−ヘキサン(1/99(v/v))混合溶液画分から溶媒を除去し、得られた固形物を固形物重量の60倍容量のアセトン(固形物1gに対して60mLのアセトン)に溶解し、固形物の3倍重量の活性炭を添加した。一晩静置した後、固形物重量の120倍容量のアセトンで洗いながら活性炭を濾別し、アセトン溶液画分を得た。濾別後の活性炭に固形物重量の60倍のトルエンに浸漬し、一晩静置した。その後、固形物重量の120倍容量のトルエンで洗いながら活性炭を濾別し、トルエン溶液画分を得た。生物試験の結果、アセトン溶液画分に活性が集中した。
工程(5)
アセトン溶液画分に対して、ポーラスポリマービーズ(CHP20P、三菱化学株式会社)のオープンカラムによる精製を行なった。試料を乾固した後、100%メタノールに再溶解させ、溶質量の3倍量のポリマービーズとともに懸濁したままカラムにのせた。メタノール/水(0/100(v/v))、メタノール/水(85/15(v/v))、メタノール/水(95/5(v/v))、さらに100%メタノールによる段階溶出を行ない、溶出液を濃縮後、ジクロロメタンに転溶した。生物試験の結果、メタノール/水(95/5(v/v))混合溶液画分に活性が集中した。
工程(6)
活性集合誘引物質を含むメタノール/水(95/5(v/v))混合溶液画分に対し、溶媒を除去して得られた固形物(溶質)の重量の60倍重量のシリカゲルを用いたシリカゲルオープンカラム(Wakogel C−200、和光純薬工業株式会社)で段階溶出を行なった。溶質は10mLの10%酢酸エチル/n−ヘキサンを用いて、再溶解後、カラムに添加した。溶出溶媒には、酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))、その後に酢酸エチルを用いた。なお、溶出溶媒は、それぞれ溶質の600倍容量の溶媒を用いた。生物試験の結果、酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))混合溶液画分に活性が集中した。
工程(7)
前記工程(6)で得た酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))混合溶液画分について、さらにHPLC(LC−10AT、島津製作所)による精製を実施した。まずシリカゲルカラム(COSMOSIL 5SL−II、ナカライテスク株式会社、φ4.6×150mm)を用いて順相で精製を行なった。移動相溶媒に酢酸エチル/n−ヘキサン(5/95(v/v))を使用し(1mL/分)、UV検出器(SPD−10MAVP、島津製作所)で254nmの吸収をモニタした。0.5分ごとに分取した各画分の生理活性を調べ、4つの活性画分を得た(活性画分I〜IV)。
工程(8)
前記工程(7)で得られた4つの活性画分(活性画分I〜IV)について、それぞれ、ODSカラム(COSMOSIL 5AR−II、ナカライテスク株式会社、φ4.6×150mm)を用いて逆相で精製を行なった。移動相には100%メタノールを使用し、0.2mL/分で緩やかに展開した。同様に分画し、生物試験を行ない、活性の高かった画分を次の工程に供した。
工程(9)
さらにCOSMOSIL πNAPカラム(φ4.6×150mm、ナカライテスク株式会社)による精製を行なった。πNAPはシリガゲル担体をナフチル基で化学修飾した固定相である。移動相にはイソプロパノール/メタノール(50/50(v/v))を用いた(0.2mL/分)。UV吸収ピークを参照しながら分画を行ない、得られた画分を生物試験に供し、活性の高かった画分を次の工程に供した。
工程(10)
前記工程(9)で得られた各画分について、酢酸エチル/n−ヘキサン(0.5/99.5(v/v))でシリカゲルカラムによる順相HPLCで再度精製し、UV吸収ピークが見られた画分(活性画分I〜IV)を分取し、生物試験に供した。活性の高かった画分の溶媒を除去し、匍匐害虫集合誘引物質を得た。
前記工程(10)で得られた匍匐害虫集合誘引物質をNMRにて分析し、計6つの集合誘引物質を同定した。活性画分Iからは2つの集合誘引物質が同定され(仮に、PLD−F及びPLD−Eと呼ぶ。)、活性画分II及びIIIからはそれぞれ1つの集合誘引物質(仮に、PLD−D及びPLD−Cと呼ぶ。)、活性画分IVからは2つの集合誘引物質が同定(仮に、PLD−B及びPLD−Aと呼ぶ。)された。
なお、本試験における操作のフローチャートを図6に示した。
また、同定された集合誘引物質PLD−A、PLD−B、PLD−C、PLD−D、PLD−E及びPLD−Fそれぞれの化学構造式及びNMRデータ及びMSデータを下記に示す。なお構造式中の矢印はNOESY測定における、NOE相関が見られることを示す。
<PLD−A>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm):δ11.41 (s, 1H, C8-OH), 7.34 (d, j = 7.60 Hz, 1H, C6-H), 6.68 (d, j = 7.10 Hz, 1H, C5-H), 4.48 (quin, j = 6.58 Hz, 1H, C3-H), 2.86 (quin, j = 6.99 Hz, 1H, C4-H), 2.26 (s, 3H, C7-CH3), 1.48 (d, j = 6.40 Hz, 3H, C3-CH3), 1.35 (d, j = 7.05 Hz, 3H, C4-CH3)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ169.66 (-C=O), 160.58 (C), 141.20 (C), 137.07 (CH), 125.23 (C), 115.80 (CH), 106.94 (C), 81.09 (CH), 37.26 (CH), 19.69 (CH3), 17.26 (CH3), 15.42 (CH3)
EI-MS: 206 (M+, 100%), 191 (M+-CH3, 7) 188 (M+-H2O, 16), 177 (49), 173 (188-CH3, 14), 162 (72), 145 (10), 134 (20)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例7での有機合成により得られた集合誘引物質のものと一致した。
<PLD−B>(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4、7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm):δ11.27 (s, 1H, C8-OH), 7.30 (d, j = 7.50 Hz, 1H, C6-H), 6.62 (d, j = 7.50 Hz, 1H, C5-H), 4.76 (dq, j = 3.26, 6.58Hz, 1H, C3-H), 2.90 (dq, j = 3.49, 7.14 Hz, 1H, C4-H), 2.25 (s, 3H, C5-CH3), 1.44 (d, j = 6.60 Hz, 3H, C3-CH3), 1.20 (d, j = 7.10 Hz, 3H, C4-CH3)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ170.34 (-C=O), 160.47 (C), 143.57 (C), 137.03 (CH), 125.11 (C), 116.37 (CH), 106.56 (C), 78.31 (CH), 36.44 (CH), 17.19 (CH3), 15.43 (CH3), 14.51 (CH3)
EI-MS: 206 (M+, 100%), 191 (M+-CH3, 6) 188 (M+-H2O, 18), 177 (88), 173 (188-CH3, 35), 162 (61), 145 (12), 134 (23)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例8での有機合成により得られた集合誘引物質のものと一致した。
<PLD−C>(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4、7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm):δ11.39 (s, 1H, C8’-OH), 7.30 (d, j = 7.55 Hz, 1H, C6’-H), 6.66 (d, j = 7.55 Hz, 1H, C5’-H), 4.29 (dt, j = 7.55, 5.40 Hz, 1H, C3’-H), 2.93 (quin, j = 6.71 Hz, 1H, C4’-H), 2.24 (s, 3H, C7’-CH3) 1.77 (m, 1H, C1-H), 1.75 (m, 1H, C1-H), 1.34 (d, j = 7.05 Hz, 3H, C4’-CH3), 1.05 (t, j = 7.40 Hz, 3H, C2)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ169.57 (-C=O), 160.51 (C), 141.44 (C), 137.04 (CH), 125.13 (C), 116.12 (CH), 106.93 (C), 85.94 (CH), 35.03 (CH), 26.31 (CH2), 18.29 (CH3), 15.42 (CH3), 9.43 (CH3)
EI-MS: 220 (M+, 100%), 202 (M+-H2O, 16), 191 (M+-C2H5, 22), 187 (188-CH3, 25), 177 (41), 162 (81), 145 (6), 134 (17)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例6<6−3>での有機合成により得られた[化27]のものと一致した。
<PLD−D>(シス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H NMR (500 MHz, CDCl3, ppm):δ11.26 (s, 1H, C8’-OH), 7.30 (d, j = 7.50 Hz, 1H, C6’-H), 6.62 (d, j = 7.50 Hz, 1H, C5’-H), 4.46(m, 1H, C3’-H), 2.92 (dq, j = 7.09, 2.94 Hz, 1H, C4’-H), 2.24 (s, 3H, C7’-CH3) 1.92 (m, 1H, C1-H), 1.69 (m, 1H, C1-H), 1.16 (d, j = 7.20 Hz, 3H, C4’-CH3), 1.07 (t, j = 7.45 Hz, 3H, C2)
13C NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ 170.50 (-C=O), 160.40 (C), 144.10 (C), 137.00 (CH), 125.00 (C), 116.46 (CH), 106.76 (C), 83.62 (CH), 35.21 (CH), 24.63 (CH2), 15.42 (CH3), 14.70 (CH3), 9.76 (CH3)
EI-MS: 220 (M+, 100%), 202 (M+-H2O, 14), 191 (M+-C2H5, 22), 187 (188-CH3, 30), 177 (82), 162 (66), 145 (5), 134 (16)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例9での有機合成により得られた集合誘引物質のものと一致した。
<PLD−E>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ11.23 (s, 1H, C8’-OH), 7.26 (s, 1H, C6’-H), 4.36 (ddd, j = 3.50, 6.10, 12.00 Hz, 1H, C3’-H), 2.82 (dd, j = 3.50, 16.40 Hz, 1H, C4’-H), 2.73 (dd, j = 12.00, 16.50 Hz, 1H, C4’-H), 2.22 (s, 3H, C7’-CH3), 2.17 (s, 3H, C5’-CH3), 1.89 (m, 1H, C1-H), 1.68 (m, 1H, C2-H), 1.34 (m, 1H, C2-H), 1.04 (d, j = 6.85 Hz, 3H, C1-CH3), 0.97 (t, j = 7.45 Hz, 3H, C3)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ170.95 (-C=O), 158.86 (C), 138.83 (CH), 134.46 (C), 124.55 (C), 124.18 (C), 107.77 (C), 82.69 (CH), 38.47 (CH), 26.45 (CH2), 24.84 (CH2), 17.98 (CH3), 15.30 (CH3), 14.37 (CH3), 11.34 (CH3)
EI-MS: 248 (M+, 100%), 230 (M+-H2O, 12), 215 (230-CH3, 14), 212 (27), 201 (35), 197 (17), 191 (28), 179 (29), 163 (51), 145 (5), 133 (14)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例10での有機合成により得られた集合誘引物質のものと一致した。
<PLD−F>3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−(1−メチルブチル)−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, ppm): δ11.23 (s, 1H, C8’-OH), 7.16 (s, 1H, C6’-H), 4.36 (ddd, j = 3.63, 5.83, 11.98 Hz, 1H, C3’-H), 2.79 (dd, j = 3.55, 16.40 Hz, 1H, C4’-H), 2.73 (dd, j = 11.90, 16.50 Hz, 1H, C4’-H), 2.22 (s, 3H, C7’-CH3), 2.17 (s, 3H, C5’-CH3), 1.97 (m, 1H, C1-H), 1.35-1.21 (m, 4H, C2-H and C3-H), 1.05 (d, j = 6.80 Hz, 3H, C1-CH3), 0.97 (t, j = 7.10 Hz, 3H, C4)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, ppm): δ170.98 (-C=O), 158.87 (C), 138.83 (CH), 134.49 (C), 124.54 (C), 124.17 (C), 107.77 (C), 82.98 (CH), 36.65 (CH), 34.28 (CH2), 26.35 (CH2), 20.14 (CH2), 17.99 (CH3), 15.30 (CH3), 14.79 (CH3), 14.11 (CH3)
EI-MS: 262 (M+, 100%), 244 (M+-H2O, 7), 229 (244-CH3, 19), 226 (22), 211 (19), 201(31), 191 (39), 179 (31), 163 (58), 145 (6), 133 (15)
なお、本集合誘引物質の1H-NMRスペクトルデーターは、前述の実施例11での有機合成により得られた集合誘引物質のものと一致した。
<<試験例5>>生物試験
実施例24で得たPLD−A、PLD−B、PLD−C、PLD−D、PLD−E及びPLD−Fで示した集合誘引物質を、ワモンゴキブリ若齢幼虫を用いたリニアトラックオルファクトメーターによる生物試験に供し、その匍匐害虫集合誘引活性を確認した。
試験例5(実施例24)の生物試験の結果を図7に示した。
本発明の実施品であるPLD−A、PLD−B、PLD−C、PLD−D、PLD−E及びPLD−Fで示した集合誘引物質はいずれも高い匍匐害虫集合誘引活性を示した。
<<試験例6>>生物試験(準実地試験)
供試集合誘引物質及び対照物質の0.5μg/0.5mLエタノール溶液を1.2cm四方のカット綿に含浸させた後30分間風乾させたものを、粘着式ゴキブリ捕獲器(商品名「ゴキブリ・キャッチャー」、大日本除蟲菊株式会社製)の粘着面中央に置き、供試サンプル及び対照サンプルとした。
供試集合誘引物質としては、前述のPLD−A、PLD−C、PLD−E、実施例20、実施例21、無処理物質を用いた。
対照物質としてゴキブリの誘引活性化合物として知られる(日本農芸化学会誌 Vol.57、655−658頁、1983年)、ソトロン(3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2[5H]−フラノン、和光純薬工業株式会社製)を用いた。
ワモンゴキブリの場合、2m98cm×1m70cm×高さ20cmの試験区を設けた。30cm四方のひだ折にした濾紙を3段重ねて、試験区の中央に設置し潜伏シェルターとし、その両側に給水器を2個置いた。クロゴキブリ及びチャバネゴキブリの場合、55cm×38cm×高さ30cmの衣装ケースを試験区とした。15cm四方のひだ折にした濾紙を3段重ねて、試験区の中央に設置し潜伏シェルターとし、その両側に給水器を2個置いた。
その後、ワモンゴキブリ及びクロゴキブリの場合雌雄成虫各5匹及び中老齢幼虫10匹、若齢幼虫20匹を同時に放ち、チャバネゴキブリの場合雌雄成虫各10匹及び中老齢幼虫20匹、若齢幼虫20匹を同時に放ち、一晩静置した。翌日、供試サンプル及び対照サンプルを試験区の四隅にそれぞれが対角線上に位置するように2個ずつ配置し一晩静置した。
翌日、各サンプルの捕獲数を計数し、対照サンプルであるソトロンの捕獲数を1とした場合の相対値を算出した。
結果を図8に示した。
全ての供試集合誘引物質は、匍匐害虫の誘引活性化合物として知られるソトロンよりも捕獲数が高まることから、集合誘引効果に優れていることがわかった。またその効果は、種によって違いはあるものの、ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリの全てのゴキブリにおいて効果が認められた。
次に、本発明の匍匐害虫集合誘引物質を用いた各種製剤化の具体例を示す。なお、「部」は「重量部」を示す。
<実施例25>毒餌剤の製造
ヒドラメチルノン5部、ホウ酸15部、脱脂粉乳10部、ゴマ油5部、グリセリン15部、でんぷん25部、米ぬか20部、精製水5部からなる混合物に、(トランス)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(実施例6<6−3>[化27]において、あるいはPLD−Cで示した集合誘引物質)又は3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(実施例1<1−4>の集合誘引物質)を0.1ppmの含有量になるように加えてよく混練したものをそれぞれ約10gずつ搾り出して成形し、毒餌剤を調製した。
<実施例26>捕獲器の製造
米ぬか30部、魚粉15部及びでんぷん糊剤50部を精製水5部で練ったものに、3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)−5,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(実施例10においてPLD−Eで示した集合誘引物質)又は3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−6,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(実施例5の匍匐害虫集合誘引物質)が、1つの錠剤あたり100ppmとなるよう、含有させたものを直径15mmで2mm厚の円盤状に打ち抜き、錠剤(重さ1g)を作製した。
次に、ポリブテン(分子量900)95部、ポリイソブチレン(分子量120万)5部からなる粘着組成物を調製し、この組成物を8×15cmの広さ、厚さ1mmのボール紙に厚さ0.5mmに塗着して粘着板を得た。この粘着板の中央に、先に作製した錠剤を置き、匍匐害虫誘引捕獲器を得た。
<実施例27>水性エアゾール剤の製造
イミプロトリン0.3g(エアゾール組成物全体量に対して、0.1w/v%)、フェノトリン0.9g(エアゾール組成物全体量に対して、0.3w/v%)、集合誘引物質として、実施例7又は/及び実施例8で調整した3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン:(a)を0.03g(エアゾール組成物全体量に対して、0.01w/v%)、ソルビタンモノラウレート系非イオン界面活性剤4.8g(エアゾール原液中、4.0w/v%)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル系非イオン界面活性剤3.0g(エアゾール原液中、2.5w/v%)、ポリエチレングリコールモノラウレート系非イオン界面活性剤6.0g(エアゾール原液中、5.0w/v%)に、炭素数が12〜16個のイソパラフィン系脂肪族飽和炭化水素(商品名:IPソルベント2028)を加え油相として98mLとし、さらに水22mL(エアゾール原液中、18.0w/v%)を加えたエアゾール原液120mLを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した後、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)180mL(エアゾール組成物全体量に対して、60w/v%)を加圧充填して、本発明の匍匐害虫駆除用水性エアゾール剤(300mL)を得た。
<実施例28>油性エアゾール剤の製造
殺虫成分としてのシフェノトリン0.2gとd−T80−フタルスリン0.8g、集合誘引物質として、実施例<6−3>で調整した[化27]又は/及び実施例9で調整した3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4,7−ジメチル−3−エチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン:(b)0.03gと、及びステアリン酸ブチル4.0gに無臭ケロセン67.7gを加え、全量90mL(72.2g)の殺虫原液を調製した。
この殺虫原液90mL(72.2g)を耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した後、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)210mL(117.6g)を加圧充填して、本発明の匍匐害虫駆除用油性エアゾール剤(300mL)を得た。
<実施例29>炭酸ガスエアゾール剤の製造
イミプロトリンを0.45g(0.50w/v%)、フェノトリンを0.45g(0.50w/v%)、集合誘引物質として、実施例<1−4>で調整した3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン:(c)0.03gと、誘引効果持続成分としてミリスチン酸イソプロピルを1.35g(15.0w/v%)、及びエタノールを含有する原液90mLを150mL容量の耐圧エアゾール容器に充填し、これに噴射剤として炭酸ガス4.0gを加圧充填して、本発明の匍匐害虫駆除用炭酸ガスエアゾール剤を得た。
<<試験例7>>効力試験
実施例27〜29で得られた匍匐害虫駆除用エアゾール剤と、それぞれについて集合誘引物質のみを除いた処方で作製したエアゾール剤を比較例2〜4として、下記の効力試験を実施した。
天面を開放した、縦25cmx横30cm、高さ5cmのステンレス製容器の底面の短辺の1辺にのみ、供試エアゾール剤1mLを均一に噴霧処理した25cmx1cm、2mm厚のベニヤ板を設置した。容器の底面中央部にワモンゴキブリ7〜10日齢の幼虫20匹放ち、3分以内に薬剤処理部に接触したゴキブリの数と、1時間後および6時間後の仰転昆虫数(ノックダウン数)を数えた。評価は以下の基準で行った。
0〜3匹:×、4〜6匹:△、7〜15匹:○、16〜20匹:◎
実施例駆除製剤は、集合誘引物質の配合により、初期の誘引効果に優れた。ノックダウン効果も高く、優れた結果を示した。
<実施例30>油性エアゾール剤の製造
集合誘引物質として、実施例5で調整した3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−エチル−6,7−ジメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン:(d)を0.5w/v%と、誘引効果持続成分としてミリスチン酸イソプロピルを12w/v%と、殺虫成分としてシフルトリンを0.3w/v%、及び天然ピレトリンを0.1w/v%と、溶剤として、n−パラフィンの一種であるネオチオゾールを含有するエアゾール原液を調製した。このエアゾール原液50mLをエアゾール容器に充填後、液化石油ガス(LPG)50mLを加圧充填して、本発明の匍匐害虫駆除用油性エアゾール剤を得た。
このエアゾール剤を用い、アルゼンチンアリの発生が見られた台所の流しの下や屋外のベランダ脇の隙間周辺約2mを(1mあたり約20mL)で残留噴霧したところ、2〜3週間にわたりアルゼンチンアリの発生が抑えられた。
<実施例31>匍匐害虫駆除粉剤の製造1
n−パラフィン5.0重量%にタルク91.8重量%を十分混合したのち、集合誘引物質として、実施例7又は/及び実施例8で調整した3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3,4,7−トリメチル−1H−2−ベンゾピラン−1−オン:(a)を0.5重量%と、殺虫成分としてのシフルトリン0.2重量%及びジプロピレングリコール3.0重量%の混合溶液を添加し、ハンマーミルで粉砕混合して、本発明の匍匐害虫駆除用粉剤を得た。
<実施例32>匍匐害虫駆除粉剤の製造2
n−パラフィン5.0重量%にタルク89.7重量%を十分混合したのち、集合誘引物質として、実施例20で調整した3,4−ジヒドロ−4,5,7−トリメチル−8−ヒドロキシ−1(2H)ナフタレノン:(e)を0.3重量%、殺虫成分としてd−フェノトリン0.5重量%、共力剤としてN−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド1.5重量%及びトリプロピレングリコール3.0重量%の混合溶液を添加し、ハンマーミルで粉砕混合して、本発明の匍匐害虫駆除用粉剤を得た。
<<試験例8>>匍匐害虫駆除粉剤の効力試験
実施例31及び実施例32で得られた匍匐害虫駆除用粉剤と、それぞれについて、集合誘引物質のみを除いた処方で作製した匍匐害虫駆除用粉剤を比較例5及び比較例6として、下記の効力試験を実施した。
縦30cmx横50cm、高さ8cmのステンレス製容器の底面の短辺の1辺にのみ3gの粉剤を均一となるように処理した後、底面中央部にアミメアリ20匹あるいはチャバネゴキブリ幼虫20匹を放った。3分以内に薬剤処理部に接触した供試昆虫数と、1時間後及び6時間後の仰転昆虫数を数えた。評価は以下の基準で行った。
0〜3匹:×、4〜6匹:△、7〜15匹:○、16〜20匹:◎
本発明の匍匐害虫駆除製剤は、集合誘引物質の配合により、アリ類、ゴキブリ類のいずれについても、初期の集合誘引効果に優れた。また、ノックダウンする効果も高く、優れた駆除効果を示した。
本発明により得られる匍匐害虫集合誘引物質は、ワモンゴキブリのみならずクロゴキブリやチャバネゴキブリ等のゴキブリ類、さらには、アミメアリやアルゼンチンアリ等のアリ類に対しても優れた集合誘引活性を有した。
本発明の集合誘引物質を用いることにより、誘引剤及び/又は駆除製剤を提供することができる。また、該集合誘引物質は、ゴキブリ又はアリのみならず、ダンゴムシ、ワラジムシ、ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ、チャタテムシ、シバンムシ、コクゾウムシ、ダニ類等、その他の匍匐害虫にも利用できる可能性があり、極めて有効である。
また、本発明の匍匐害虫駆除製剤は、製剤に添加された匍匐害虫集合誘引物質による高い誘引効果により、特にゴキブリ類又はアリ類が製剤中の殺虫成分を喫食又は接触する機会が増加し、匍匐害虫の通り道から外れたところ等に施用しても効果が出ることが期待される。さらに、初期の集合誘引効果にも優れるため、人間の営みや風や雨などの天候等により、該駆除製剤の施用状況が変化した際等にも影響が少ないと考えられ、優れた匍匐害虫駆除製剤となり得る。
1 吸引口
2a 吸入口(コントロール側)
2b 吸入口(サンプル側)
3 サンプルを塗布した金属製ディスク
4 供試虫設置場所

Claims (8)

  1. 一般式(I)〜(III)
    及び、
    (式中、R〜R及びR1’〜R5’は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;ホルミル基;
    置換されていてもよい(C−C)アルキル基;
    置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基;
    置換されていてもよい(C−C)アルケニル基;
    置換されていてもよい(C−C)シクロアルケニル基;
    置換されていてもよい(C−C)アルキニル基;
    置換されていてもよい(C−C)アルコキシ基;
    置換されていてもよい(C−C)シクロアルコキシ基;
    置換されていてもよい(C−C)アルケニルオキシ基;
    置換されていてもよい(C−C)アルキニルオキシ基;
    置換されていてもよい(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基;
    置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基;
    置換されていてもよい(C−C)アルコキシハロ(C−C)アルキル基;
    置換されていてもよいアリール基;又は
    置換されていてもよいヘテロアリール基
    を表し、また、Xはメチレン基(-CH2-)または、酸素原子を表す。
    とRは、それらが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)
    のいずれかで表される集合誘引物質又はその塩を含有することを特徴とする匍匐害虫駆除製剤。
  2. さらに、殺虫成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  3. エアゾール剤又は固形剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  4. 固形剤が粒剤又は粉剤であることを特徴とする請求項3に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  5. 固形剤が毒餌剤であることを特徴とする請求項3又は4に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  6. 捕獲器に使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  7. 匍匐害虫がゴキブリ及び/又はアリであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
  8. 集合誘引物質が、下記(a)〜(e)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の匍匐害虫駆除製剤。
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