JP6727824B2 - 殺虫組成物 - Google Patents

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Description

本発明は殺虫組成物に関する。
従来、害虫の防除には様々な化合物が用いられており、例えばピレスロイド系化合物をはじめとする殺虫作用を有する化合物が広く知られている。また、これまでに、様々な精油や精油に含まれる成分を用いた害虫防除の検討が進められてきた(非特許文献1)。しかしながら、精油やその成分によっては必ずしも所望の殺虫効果が得られるわけではなく、実用性に欠けるものも多い。
従って、害虫防除を目的とする多種多様な商品が既に存在している今日においてもなお、有用な殺虫剤を提供することは重要である。
稲田新一、「新しいゴキブリ忌避効力評価法および天然精油のチャバネゴキブリに対する忌避性」、日本農薬学会誌、1982年、Vol.7、pp.133−143
そこで、本発明は、害虫に対して効果的な殺虫作用を発揮できる組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、次の一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物によれば、害虫に対して有用な殺虫作用を発揮できることを見いだした。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.下記一般式(1)、(2)及び(3)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、殺虫組成物:
一般式(1)
[式中、Rは、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
該アリール基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。
は、水素原子またはメトキシ基を示す。あるいは、Rは、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成していてもよい。]
一般式(2)
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基またはC2〜10のアルキニル基を示す。
は、直接結合またはC1〜10のアルキレン基を示す。
は、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
で示されるアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
で示されるアリール基上には、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。]
一般式(3)
[式中、Rは、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
該アリール基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。]
項2.一般式(1)において、RがC1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Rのアルキル基上にはアリール基が置換していてもよく、Rのアリール基上にはC1〜8のアルキル基が置換していてもよい、項1に記載の殺虫組成物。
項3.一般式(2)において、Rが水素原子、Rが直接結合またはC1〜10のアルキレン基、Rが水素原子またはC1〜8のアルキル基、RがC1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Rで示されるアルキル基上にはアリール基が置換していてもよく、Rで示されるアリール基上にはC1〜8のアルキル基が置換していてもよい、項1に記載の殺虫組成物。
項4.一般式(3)において、RがC1〜8のアルキル基、C2〜6のアルケニル基またはアリール基を示し、
該アルキル基及びアルケニル基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
該アリール基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい、
項1に記載の殺虫組成物。
本発明の殺虫組成物によれば、害虫に対して効果的な殺虫作用を発揮できる。
図1は、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ブチルエーテル(実施例1−2の化合物)を示す。 図2は、ベンジルフェニルエーテル(実施例2−1の化合物)を示す。 図3は、4−イソプロピル−3−メチルフェニル ブタノエート(実施例3−6の化合物)を示す。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する殺虫組成物を提供する。
一般式(1)で表される化合物
本発明の殺虫組成物において使用される一般式(1)で表される化合物は、次の一般式(1)
[式中、Rは、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
該アリール基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。
は、水素原子またはメトキシ基を示す。あるいは、Rは、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成していてもよい。]で表される。
ここで、C1〜10のアルキル基としては、炭素原子数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を挙げることができ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル、n−オクチル等が例示される。該アルキル基として好ましくは炭素原子数が1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が例示され、より好ましくは炭素原子数が1〜7の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が例示され、更に好ましくは炭素原子数が1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が例示される。
2〜10のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基を挙げることができ、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基等が例示される。該アルケニル基として好ましくは炭素原子数が2〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が例示される。また、これらにおいて、二重結合の数や位置は制限されず、二重結合の数は1〜5、好ましくは1〜3が例示される。
2〜10のアルキニル基としては、炭素原子数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基を挙げることができ、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等が例示される。該アルキニル基として好ましくは炭素原子数が2〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基が例示される。また、これらにおいて、三重結合の数や位置は制限されないが、三重結合の数は1〜5、好ましくは1〜3が例示される。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が例示される。
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基上の置換基は、本発明を制限するものではないが、次のものが挙げられる。
(1)ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);
(2)水酸基;
(3)アミノ基;
(4)スルホ基:
(5)ニトロ基;
(6)シアノ基;
(7)アリール基(該アリール基は前述と同じものでよい);
(8)C3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等);
(9)C3〜10のシクロアルケニル基(二重結合の数や位置は制限されない);
(10)C1〜10のアルキルオキシ基(例えばメチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素原子数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキルオキシ基);
(11)C2〜10のアルケニルオキシ基(炭素原子数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルケニルオキシ基であり、二重結合の数や位置は制限されない);
(12)C2〜10のアルキニルオキシ基(炭素原子数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキニルオキシ基であり、三重結合の数や位置は制限されない);
(13)C1〜10のアルキル基(該C1〜10のアルキル基は前述と同じものでよい);
(14)C2〜10のアルケニル基(該C2〜10のアルケニル基は前述と同じものでよい);
(15)C2〜10のアルキニル基(該C2〜10のアルキニル基は前述と同じものでよい)。
また、本発明の効果が得られる限り、一般式(1)においてRで示される各基上の置換基の位置は制限されない。また、該置換基を有している場合、置換基の数は1個または2個以上である。
式中、−CH−O−Rは、一般式(1)に示されるベンゼン環上の3〜6位のいずれの炭素原子と結合していてもよく、好ましくは4または5位の炭素原子と結合しており、より好ましくは4位の炭素原子と結合している。
これらの化合物において、より好ましくは一般式(1)において、RがC1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Rのアルキル基上にはアリール基が置換していてもよく、Rのアリール基上にはC1〜8のアルキル基が置換していてもよい化合物である。これらの化合物において、更に好ましくは、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル エチルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル プロピルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ブチルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ヘキシルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ベンジルエーテル、1,2−ジメトキシベンジル ブチルエーテル、1−メトキシベンジル エチルエーテル、1−メトキシベンジル プロピルエーテル、1−メトキシベンジル ブチルエーテル、1−メトキシベンジル ヘキシルエーテル、1−メトキシベンジル オクチルエーテル、1−メトキシベンジル ベンジルエーテルが例示される。これらの化合物において、特に好ましくは1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル エチルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ブチルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ヘキシルエーテル、1,2−(メチレンビスオキシ)ベンジル ベンジルエーテル、1,2−ジメトキシベンジル ブチルエーテル、1−メトキシベンジル ブチルエーテル、1−メトキシベンジル ベンジルエーテルが例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
一般式(2)で表される化合物
本発明の殺虫組成物において使用される一般式(2)で表される化合物は、次の一般式(2)
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基またはC2〜10のアルキニル基を示す。
は、直接結合またはC1〜10のアルキレン基を示す。
は、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
で示されるアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
で示されるアリール基上には、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。]で表される。
ここで、R、R及びRにおいて述べる基や原子は、それぞれ前記一般式(1)で表される化合物の説明と同様に説明される。
において、直接結合とは、一般式(2)に示すRと隣接する酸素原子が、一般式(2)に示されるベンゼン環上の2〜6位のいずれかの炭素原子と直接結合していることを意味する。但し、RとRはベンゼン環上の同一の炭素原子に結合しない。また、C1〜10のアルキレン基とは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基であり、該アルキレン基の一端が式中2〜6位のいずれかの炭素原子と結合し、他端が一般式(2)に示すRと隣接する酸素原子と結合している。但し、この場合もRとRはベンゼン環上の同一の炭素原子に結合しない。
このようにRは、更にRも、ベンゼン環上の同一の炭素原子と結合しない限り、式中、2〜6位のいずれの炭素原子と結合していてもよく、好ましくは一方が2位の炭素原子、他方が5位の炭素原子と結合しており、より好ましくはRが2位の炭素原子、Rが5位の炭素原子と結合していることが好ましい。
これらの化合物において、より好ましくは一般式(2)において、Rが水素原子、Rが直接結合またはC1〜10のアルキレン基、Rが水素原子またはC1〜8のアルキル基、RがC1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Rで示されるアルキル基上にはアリール基が置換していてもよく、Rで示されるアリール基上にはC1〜8のアルキル基が置換していてもよい化合物である。これらの化合物において、更に好ましくは、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ベンジル 4−イソプロピルフェニルエーテル、4−イソプロピルベンジル 4−イソプロピルフェニルエーテルが例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
一般式(3)で表される化合物
本発明の殺虫組成物において使用される一般式(3)で表される化合物は、次の一般式(3)
[式中、Rは、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基またはアリール基を示す。
該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、C3〜10のシクロアルキル基、C3〜10のシクロアルケニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよく、
該アリール基上には、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10のアルキル基、C2〜10のアルケニル基、C2〜10のアルキニル基、C1〜10のアルキルオキシ基、C2〜10のアルケニルオキシ基及びC2〜10のアルキニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。]で表される。
ここで、Rにおいて述べる基や原子は、それぞれ前記一般式(1)で表される化合物の説明と同様に説明される。
一般式(3)に示す−CH(CH基及び−CH基は、ベンゼン環上の同一の炭素原子と結合しない限り、式中、2〜6位のいずれの炭素原子と結合していてもよく、好ましくは一方が2、3、4位の炭素原子のいずれか、他方が3、5、6位の炭素原子のいずれかと結合しており、より好ましくは−CH(CH基が2、3、4位の炭素原子のいずれか、−CH基が3、5、6位の炭素原子のいずれかと結合している。これらにおいてより好ましくは、−CH(CH基及び−CH基の一方が2位の炭素原子、他方が5位の炭素原子と結合しているか、一方が3位の炭素原子、他方が4位の炭素原子と結合しているか、一方が3位の炭素原子、他方が6位の炭素原子と結合している。これらにおいて、より好ましくは−CH(CH基が2位の炭素原子、−CH基が5位の炭素原子と結合しているか、−CH基が3位の炭素原子、−CH(CH基が4位の炭素原子と結合しているか、−CH(CH基が3位の炭素原子、−CH基が6位の炭素原子と結合している。
これらの化合物において、より好ましくは一般式(3)において、RがC1〜8のアルキル基、C2〜6のアルケニル基またはアリール基であり、前述の通りこれらは置換されていてもよい。これらの化合物において、更に好ましくは2−イソプロピル−5−メチルフェニル アセテート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル プロピオネート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル ブタノエート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル 2−ブテノエート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル ヘキサノエート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル オクタノエート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル ベンゾエート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル アセテート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル プロピオネート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル ブタノエート、3−イソプロピル−6−メチルフェニル アセテート、3−イソプロピル−6−メチルフェニル プロピオネートが例示される。これらの化合物において、特に好ましくは2−イソプロピル−5−メチルフェニル アセテート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル プロピオネート、2−イソプロピル−5−メチルフェニル 2−ブテノエート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル アセテート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル プロピオネート、4−イソプロピル−3−メチルフェニル ブタノエート、3−イソプロピル−6−メチルフェニル アセテート、3−イソプロピル−6−メチルフェニル プロピオネートが例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの一般式(1)〜(3)で表される化合物はいずれも、従来公知の方法に従って製造、入手すればよい。本発明を制限するものではないが、一例として後述の実施例に従って、各化合物を製造できる。
殺虫組成物
本発明の殺虫組成物は、前記化合物を1種単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
本発明において殺虫の対象とする害虫は、本発明の効果が得られる限り制限されないが、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ等のゴキブリ、クモ、ムカデ、アリ、ゲジ、ヤスデ、ダンゴムシ、ワラジムシ、シロアリ、ケムシ、ダニ、シラミ、マダニ、トコジラミ等の匍匐害虫、カ、ハエ、ガ、ハチ、カメムシ、カツオブシムシ、シバンムシ、キクイムシ、イガ、コイガ等の飛翔害虫が例示される。本発明の殺虫組成物は、特にゴキブリに好適である。
本発明の殺虫組成物は、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて任意の成分を更に含有してもよい。任意の成分として、従来公知の殺虫作用を有する成分、従来公知の害虫誘引作用を有する成分、溶剤、酸化防止剤、殺菌剤、防黴剤、防腐剤、担体、賦形剤、ゲル化剤、徐放化剤、分散剤、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、香料、着色料、乳化剤、増粘剤等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの任意の成分のうち一部を説明すると、従来公知の殺虫作用を有する成分としては、本発明を制限するものではないが、ハッカ油、オレンジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、テレビン油、ユーカリ油、ヒバ油、ジャスミンオイル、ネロリオイル、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ブチグレンオイル、レモンオイル、レモングラスオイル、シナモンオイル、シトロネラオイル、ゼラニウムオイル、シトラール、l−メントール、酢酸シトロネリル、シンナミックアルデヒド、テルピネオール、ノニルアルコール、cis−ジャスモン、リモネン、リナロール、1,8−シネオール、ゲラニオール、α−ピネン、p−メンタン−3,8−ジオール、オイゲノール、酢酸メンチル、チモール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル等の各種殺虫性の精油成分、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、エムペントリン、プラレトリン、シフェノトリン、イミプロトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン等のピレスロイド系化合物、フェニトロチオン、ジクロルボス、クロルピリホスメチル、ダイアジノン、フェンチオン等の有機リン系化合物、カルバリル、プロポクスル等のカーバメイト系化合物、メトプレン、ピリプロキシフェン、メトキサジアゾン、フィプロニル、アミドフルメト等の殺虫性化合物等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶剤としては、イオン交換水、精製水等の水、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等のパラフィン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が例示される。溶剤として、好ましくは水、パラフィン類、アルコール類、ケトン類が例示され、より好ましくはノルマルパラフィン、イソパラフィン、水、エタノールが例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、γ−オリザノール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル等が例示できる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
殺菌剤、防黴剤及び/または防腐剤としては、安息香酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル、p−クロロ−m−キシレノール、2−(4’−チアゾイル)ベンズイミダゾール、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ハイドロキシジフェニルエーテル、チモール、ヒノキチオール、α−ブロモシンナミックアルデヒド、N−ジメチル−N−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチル)チオスルファミド、イマザリル、チアベンダゾール等が例示できる。前記塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
担体及び/または賦形剤としては、ケイ酸、カオリン、活性炭、ベントナイト、珪藻土、タルク、クレー、炭酸カルシウム、陶磁器粉等の鉱物質粉末、木粉、大豆粉、小麦粉等の植物質粉末等、シクロデキストリン等の包接化合物、トリシクロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5 −トリオキサン、トリメチレンノルボルネン、アダマンタン、しょうのう等の昇華性担体等を例示できる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ゲル化剤としては、ベンジリデン−D−ソルビトール、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、寒天、高分子ポリマー等を例示できる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の殺虫組成物は、前記化合物と、必要に応じて任意の成分を混合することにより製造でき、該混合は公知の方法に従えばよい。本発明の殺虫組成物は、固形状(粉末状、顆粒状等を含む)、半固形状、液状等いずれの剤型であってもよく、各剤型に応じた担体、賦形剤といった任意の成分は公知である。また、本発明を制限するものではないが、このような剤型として、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルース、デキストリン、アラビアガム等を用いたスプレードライ法、ゼラチン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等を用いた液中硬化法、コアセルベーション法等に従いマイクロカプセル化した剤型に調製してもよい。
本発明の殺虫組成物中の前記化合物の含有量は適宜設定すればよく、本発明の効果が得られる限り制限されない。本発明を制限するものではないが、例えば本発明の殺虫組成物中、前記化合物は好ましくは0.001重量%以上が例示され、より好ましくは0.01重量%以上が例示される。また、本発明を制限するものではないが、例えば本発明の殺虫組成物中、例えば前記化合物は99.9重量%以下、より好ましくは99%以下が例示される。
本発明の殺虫組成物は、製剤として油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、粉剤、粒剤、エアゾール剤、スプレー剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、加熱燻煙剤(自己燃焼型燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、含浸紙蒸散剤、ネット製剤等)、煙霧剤(フォッキング等)、毒餌剤、霧化機用製剤等に用いることができる。
このような本発明の殺虫組成物によれば、前記化合物を有効成分として用いることによって、効果的に害虫を殺すことができる。
害虫の殺虫方法
このことから、本発明は、前記化合物を含む殺虫組成物を用いることを特徴とする害虫の殺虫方法を提供する。本発明において害虫、殺虫組成物は前述と同様に説明される。本発明の害虫の殺虫方法は、製剤化した前記殺虫組成物を、対象害虫の虫体または対象害虫の生息場所に施用することにより行われる。本発明の殺虫方法については、製剤の形態や使用場所に応じて、従来公知の方法に基づいて適宜選択できる。このような本発明の害虫の殺虫方法によれば、効果的に害虫を殺すことができる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1−1
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ピペロニルアルコール2.28g(15mmol)、水酸化カリウム1.8g(30mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム280mgをアセトニトリル15mlに分散させ、室温攪拌下にて、ヨウ化エチル2.34g(15mmol)を滴下した。8時間攪拌した後、水60mlを加えた。この溶液を各30mlのヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層合わせ、少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(1)においてRがエチル基、Rが、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成している(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例1−2
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ハロゲン化アルキルとして臭化ブチル2.06g(15mmol)を用いた以外は実施例1−1と同様に合成、精製した。
これにより、一般式(1)においてRがn−ブチル基、Rが、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成している(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。該化合物を図1に示す。
実施例1−3
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ハロゲン化アルキルとして臭化ヘキシル2.48g(15mmol)を用いた以外は実施例1−1と同様に合成、精製した。
これにより、一般式(1)においてRがn−ヘキシル基、Rが、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成している(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例1−4
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ハロゲン化アルキルとして臭化ベンジル2.57g(15mmol)を用いた以外は実施例1−1と同様に合成、精製した。
これにより、一般式(1)においてRがフェニルメチル基、Rが、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成している(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例1−5
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ジメトキシベンジルアルコール2.52g(15mmol)、水酸化カリウム1.8g(30mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム280mgをアセトニトリル15mlに分散させ、室温攪拌下にて、臭化ブチル2.06g(15mmol)を滴下した。8時間攪拌した後、ヘキサン30mlと水60mlを加えた。ヘキサン層を少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(1)においてRがn−ブチル基、Rがメトキシ基を示す(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例1−6
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。アニシルアルコール2.06g(15mmol)、水酸化カリウム1.8g(30mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム280mgをアセトニトリル15mlに分散させ、室温攪拌下にて、臭化ブチル2.06g(15mmol)を滴下した。8時間攪拌した後、ヘキサン30mlと水60mlを加えた。ヘキサン層を少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(1)においてRがn−ブチル基、Rが水素原子を示す(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例1−7
一般式(1)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。ハロゲン化アルキルとして臭化ベンジル2.57g(15mmol)を用いた以外は実施例1−6と同様に合成、精製した。
これにより、一般式(1)においてRがフェニルメチル基、Rが水素原子を示す(式中、−CH−O−Rは4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例2−1
一般式(2)においてRが水素原子、Rが直接結合、Rが水素原子、Rがフェニルメチル基を示す(該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合し、該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合している。但し、RとRはベンゼン環上の同一の炭素原子に結合していない。)化合物を実施例2−1とした(ベンジルフェニルエーテル、東京化成工業株式会社製)。該化合物を図2に示す。
実施例2−2
一般式(2)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。i−プロピルフェノール2.04g(15mmol)、水酸化カリウム1.8g(30mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム280mgをアセトニトリル15mlに分散させ、水冷攪拌下にて、臭化ベンジル2.57g(15mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、1時間攪拌した後、水60mlを加えた。この溶液を各30mlのヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層を合わせ、少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(2)においてRが水素原子、Rがメチレン基、Rが水素原子、Rがイソプロピルフェニル基を示す(該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合し、該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合している。但し、RとRはベンゼン環上の同一の炭素原子に結合していない。)化合物を得た。
実施例2−3
一般式(2)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。i−プロピルフェノール2.04g(15mmol)、水酸化カリウム1.8g(30mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム280mgをアセトニトリル15mlに分散させ、水冷攪拌下にて、塩化i−プロピルベンジル2.53g(15mmol)を滴下した。室温にて1夜攪拌した後、実施例2−2と同様に抽出、精製した。
これにより、一般式(2)においてRが水素原子、Rがメチレン基、Rがイソプロピル基、Rがイソプロピルフェニル基を示す(該Rはベンゼン環上の2位の炭素原子、Rはベンゼン環上の5位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例2−4
一般式(2)においてRが水素原子、Rがメチレン基、Rが水素原子、Rがフェニルメチル基を示す(該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合し、該Rはベンゼン環上の2〜6位のいずれか1つの炭素原子と結合している。但し、RとRはベンゼン環上の同一の炭素原子に結合していない。)化合物を実施例2−4とした(ジベンジルエーテル、東京化成工業株式会社製)。
実施例3−1
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。チモール2.25g(15mmol)、トリエチルアミン5.06g(45mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、水冷攪拌下にて、塩化アセチル2.36g(30mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、水60mlを加えた。この溶液を各30mlのヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層を合わせ、少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(3)においてRがメチル基を示す(式中、−CH(CH基は2位の炭素原子、−CH基は5位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例3−2
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。酸クロリドとして、塩化プロパノイル2.78g(30mmol)を用いた以外は実施例3−1と同様の方法で合成と精製を行った。
これにより、一般式(3)においてRがエチル基を示す(式中、−CH(CH基は2位の炭素原子、−CH基は5位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例3−3
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。チモール2.25g(15mmol)、水酸化カリウム2.7g(45mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、水冷攪拌下にて、塩化クロトニル3.14g(30mmol)を滴下した。1時間攪拌後、実施例3−1と同様の方法で抽出、精製した。
これにより、一般式(3)においてRが1−プロペニル基を示す(式中、−CH(CH基は2位の炭素原子、−CH基は5位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例3−4
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)2.25g(15mmol)、トリエチルアミン5.06g(45mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、水冷攪拌下にて、塩化アセチル2.36g(30mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、水60mlを加えた。この溶液を各30mlのヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層を合わせ、少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(3)においてRがメチル基を示す(式中、−CH基は3位の炭素原子、−CH(CH基は4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例3−5
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。酸クロリドとして、塩化プロパノイル2.78g(30mmol)を用いた以外は実施例3−4と同様の方法で合成と精製を行った。
これにより、一般式(3)においてRがエチル基を示す(式中、−CH基は3位の炭素原子、−CH(CH基は4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。実施例3−6
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。酸クロリドとして、塩化プロピオニル2.78g(30mmol)を用い、水酸化カリウム2.7g(45mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、水冷攪拌下にて、塩化ブタノイル2.36g(30mmol)を滴下した。1時間攪拌後、実施例3−4と同様の方法で抽出、精製した。
これにより、一般式(3)においてRがn−プロピル基を示す(式中、−CH基は3位の炭素原子、−CH(CH基は4位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。該化合物を図3に示す。
実施例3−7
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。カルバクロール2.25g(15mmol)、チモール2.25g(15mmol)、トリエチルアミン5.06g(45mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、水冷攪拌下にて、塩化アセチル2.36g(30mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、水60mlを加えた。この溶液を各30mlのヘキサンで2回抽出した。ヘキサン層を合わせ、少量の水で洗浄した後、乾燥硫酸ナトリウムを加え、一夜放置した。この液から、減圧下でヘキサンを留去した後、残渣をシリカゲルカラム(和光純薬 Wako gel C−200、100−200メッシュ、15×150mm)を用いて精製した。溶出溶剤は、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル(9/1)を用いた。
これにより、一般式(3)においてRがメチル基を示す(式中、−CH(CH基は3位の炭素原子、−CH基は6位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
実施例3−8
一般式(3)で表される化合物を、次の手順に従い製造した。酸クロリドとして、塩化プロパノイル2.78g(30mmol)を用いた以外は実施例3−7と同様の方法で合成と精製を行った。
これにより、一般式(3)においてRがエチル基を示す(式中、−CH(CH基は3位の炭素原子、−CH基は6位の炭素原子と結合している。)化合物を得た。
試験例
次の手順に従い、表1〜3に示す化合物の殺虫効果を検討した。
・化合物
各表に示す化合物は、前述の方法により製造した。これらの化合物を実施例とした。
一般式(1)で表される化合物はいずれも、各出発化合物であるピペロニルアルコール、ベンジルアルコール、アニシルアルコールのエーテル誘導体ともいえる。このため、一般式(1)で表される化合物の比較例として、出発化合物及び/または出発化合物のエステル誘導体、また、これらの誘導体と構造が一部共通するサフロールを用いた。
また、一般式(2)で表される化合物はいずれも、フェノールの水酸基を有さないエーテル誘導体ともいえる。そこで、一般式(2)で表される化合物の比較例として、フェノールのエステル誘導体、前記誘導体と構造が一部共通し既に殺虫作用が知られているp―シメン、同じく構造が一部共通するフェノール類であるo−クレゾール、1−ナフトールを用いた。
また、一般式(3)で表される化合物はいずれも、各出発化合物であるチモール、IPMP、カルバクロールのエステル誘導体ともいえる。そこで、一般式(3)で表される化合物の比較例として、出発化合物及び/または出発化合物のエーテル誘導体を用いた。
比較例として使用する出発化合物、各種物質は市販品を用いた。出発化合物の各種誘導体は従来公知の方法に従い製造した。
・殺虫効果の評価
殺虫効果の評価は、試験法として確立されている微量滴下試験法に従って、チャバネゴキブリの雌成虫を対象として、溶液の滴下量を測定し、半数致死量(LD50)を算出することにより行った。
具体的には、25℃で化合物を溶剤と混合し、2倍の公比をもつ4段階の溶液を作成した。ジエチルエーテルで麻酔したチャバネゴキブリのメスの胸部腹面両脚間に対して、マイクロシリンジ(容量:100μL、型番:710N、ハミルトン社製)及びリピーティングディスペンサー(型番:PB-600-1、ハミルトン社製)を用いて正確に溶液を滴下し、24時間後の致死率を求めた。滴下した溶液量と致死率に基づいてプロビット統計処理し、LD50値を求めた。滴下量は最大0.4mg/頭とした。化合物によって溶解性が異なることから、溶剤としてアセトン、ノルマルパラフィンまたはミリスチン酸イソプロピルを用いた。これらの溶剤はいずれも殺虫作用を有していない。使用した個体数は各濃度で10頭ずつとした。
結果を表1〜3に示す。
表1から明らかなように、実施例1−1〜1−7の化合物では、既に殺虫作用を有していることが知られているサフロール(比較例1)よりも高い致死効果が得られた。これらの実施例の化合物は、ピペロニルアルコール(比較例2)、1,2−ジメトキシベンジルアルコール(比較例6)といったサフロールの類縁体のエーテル体といえる。これに対して、サフロール誘導体のエステル体である比較例3〜5の化合物では、いずれも優れた致死効果は得られず、サフロールやピペロニルアルコールと比較してもその致死効果が劣っていた。
このことから、サフロールの類縁体であるピペロニルアルコール、1,2−ジメトキシベンジルアルコール、アニシルアルコールのエーテル誘導体によれば、より優れた殺虫効果を発揮できることが分かった。また、誘導体であれば如何なる誘導体であっても望ましい致死効果が得られる訳ではなく、エステル誘導体では優れた殺虫効果が得られないことが分かった。
また、表2から明らかなように、既に殺虫作用を有していることが知られている、ベンゼン環を有するp−シメン(比較例7)よりも、実施例2−1〜2−4の化合物において高い致死効果が得られた。実施例2−1〜2−4の化合物は前述の通りフェノールのエーテル誘導体といえることから、フェノール類に分類されるo−クレゾール(比較例8)、1−ナフトール(比較例9)とも効果を比較した。その結果、表2に示す通り、o−クレゾール、1−ナフトールと比較しても、実施例2−1〜2−4の化合物は高い致死効果が得られた。また、フェノールのエステル誘導体である比較例10〜16の化合物では、いずれも優れた致死効果は得られず、p−シメン、o−クレゾール、1−ナフトールと比較してもその致死効果が劣っていた。
このことから、フェノールの水酸基を有さないエーテル誘導体によれば、より優れた殺虫効果を発揮できることが分かった。また、フェノール類の誘導体であれば如何なる誘導体であっても望ましい致死効果が得られる訳ではなく、エステル誘導体では優れた殺虫効果が得られないことが分かった。
また、表3から明らかなように、出発物質のエステル誘導体である実施例3−1〜3−8の化合物はそれぞれ、各誘導体の出発物質であるチモール(比較例17)、IPMP(比較例23)またはカルバクロール(比較例27)より、高い致死効果を示した。一方、表3に記載される、出発物質のエーテル誘導体である比較例18〜22及び24〜26の化合物は、いずれも出発物質に対して優れた致死効果は得られず、それどころか出発物質よりも致死効果が劣っていた。
このことから、チモール、IPMPまたはカルバクロールを出発物質とする、エステル誘導体によれば、より優れた殺虫効果を発揮できることが分かった。また、出発物質が同じであれば如何なる誘導体であっても望ましい致死効果が得られる訳ではなく、エーテル誘導体では出発物質よりも優れた殺虫効果が得られないことが分かった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含有する、ゴキブリ用殺虫組成物:
    一般式(1)
    [式中、Rは、C1〜6のアルキル基またはアリール基を示す。
    該アルキル基上には、アリール基が置換していてもよい。
    該アリール基上には、メチル基及びエチル基からなる群より選択される少なくとも1種の基が置換していてもよい。
    但し、RがCのアルキル基を示す場合、該Cのアルキル基上にはアリール基が置換している。
    は、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているメトキシ基と結合して、−O−CH−O−基を形成している。]。
  2. 一般式(1)において、Rで示されるアリール基及びC1〜6のアルキル基上の置換基であるアリール基が、それぞれ独立して、フェニル基、トリル基及びキシリル基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の殺虫組成物。
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